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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088090
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】テントフレーム
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/48 20060101AFI20220607BHJP
   E04H 15/34 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
E04H15/48
E04H15/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200344
(22)【出願日】2020-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】500094381
【氏名又は名称】株式会社サンエープロテント
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】高山 敏彦
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA03
2E141BB03
2E141CC03
2E141DD02
2E141DD12
2E141DD14
2E141DD22
2E141EE02
2E141EE23
2E141EE33
2E141FF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】天幕の重量が増しても、横架材の湾曲を防ぎ、天幕上に水たまりが生じないようにし得るテントフレームを提供する。
【解決手段】横架材を連結した枠体2と、枠体2を支持する複数本の脚体3と、枠体2に連結されて支持される支柱支持体4と、支柱支持体4に支持された支柱6と、を備え、支柱支持体4は、支柱6をその長さ方向に沿って上下動可能に案内するガイド部4aと、所定の突き上げ高さで支柱6に係止して支柱6を支持する係止手段4bと、ガイド部4aに揺動自在に連結されるとともに自由端部に枠体2に係合する係合部を備える複数本のアーム4cと、を有し、係合部が枠体2に係合することにより枠体2上に組まれるように構成され、アーム4cと支柱6の下端部とを長さ調節可能に連結する第1連結部材7を更に備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横架材を連結した枠体と、
前記枠体を支持する複数本の脚体と、
前記枠体に連結されて支持される支柱支持体と、
前記支柱支持体に支持された支柱と、を備え、
前記支柱支持体は、前記支柱をその長さ方向に沿って上下動可能に案内するガイド部と、所定の突き上げ高さで前記支柱に係止して支柱を支持する係止手段と、前記ガイド部に揺動自在に連結されるとともに自由端部に前記枠体に係合する係合部を備える複数本のアームと、を有し、前記係合部が前記枠体に係合することにより前記枠体上に組まれるように構成され、
前記アームと前記支柱の下端部とを長さ調節可能に連結する第1連結部材を更に備える、テントフレーム。
【請求項2】
前記支柱支持体を複数備え、
隣り合って配置される支柱支持体は、隣り合う其々のアームが互いに連結されることによって、互いに連結され、
隣り合う前記支柱支持体の其々の支柱の下端部を長さ調節可能に連結する第2連結部材を更に備える、
請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項3】
前記支柱支持体を複数備え、
隣り合って配置される支柱支持体は、隣り合う其々の支柱の頂部が互いに連結されることにより、互いに連結される、
請求項1又は2に記載のテントフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、例えば屋内外での集会や催物や行事等に用いられるテントフレームに係り、特に、天幕の下から天幕を突き上げて支持するための支柱を備え、天幕を部分的に突き上げられた形態に張ることのできるテントフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図27及び図28に示すように、横架材31aを連結した枠体31と、枠体31を支持する複数本の脚体32と、前記枠体31に連結する支柱支持体33と、支柱支持体33に支持された支柱34と、を備えるテントフレーム30が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
前記支柱支持体33は、支柱34をその長さ方向に沿って上下動可能に案内するガイド部33aと、所定の突き上げ高さで支柱34に係止して支柱を支持する係止手段(図示省略)と、ガイド部33aに揺動自在に連結されるとともに自由端部が枠体31に係合可能な係合部33b1を有する複数本のアーム33bを備え、複数本のアーム33bは、前記係合部33b1の各々が前記枠体31に係合することにより枠体31上に組まれるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-214924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のテントフレーム30は、天幕を部分的に突き上げて張ることのできるテントフレーム30において、強風発生時におけるテント倒壊の危険性に対して迅速に対処可能な点で優れているが、テントフレーム30が大型化するにつれて、テントフレーム30に被せる天幕の重量が増し、天幕の重量が支柱34からアーム33bを通じて横架材31aにかかると、横架材31aがアーム33bに押されて外方へ湾曲する恐れがある。横架材31aが外方へ湾曲すると、その分、支柱34の高さが下がり、それによって、天幕がかかっている枠体31の周囲内側に弛みが生じ、その弛んだ天幕の部分に雨天時に雨水が溜まるという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、天幕の重量が増しても、横架材の湾曲を防ぎ、天幕上に水たまりが生じないようにし得るテントフレームを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るテントフレームの第1の態様は、横架材を連結した枠体と、前記枠体を支持する複数本の脚体と、前記枠体に連結されて支持される支柱支持体と、前記支柱支持体に支持された支柱と、を備え、前記支柱支持体は、前記支柱をその長さ方向に沿って上下動可能に案内するガイド部と、所定の突き上げ高さで前記支柱に係止して支柱を支持する係止手段と、前記ガイド部に揺動自在に連結されるとともに自由端部に前記枠体に係合する係合部を備える複数本のアームと、を有し、前記係合部が前記枠体に係合することにより前記枠体上に組まれるように構成され、前記アームと前記支柱の下端部とを長さ調節可能に連結する第1連結部材を更に備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るテントフレームの第2の態様は、上記第1の態様において、前記支柱支持体を複数備え、隣り合って配置される支柱支持体は、隣り合う其々のアームが互いに連結されることによって、互いに連結され、隣り合う前記支柱支持体の其々の支柱の下端部を長さ調節可能に連結する第2連結部材を更に備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るテントフレームの第3の態様は、上記第1又は第2の態様において、前記支柱支持体を複数備え、隣り合って配置される支柱支持体は、隣り合う其々の支柱の頂部が互いに連結されることにより、互いに連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アームと支柱の下端部とを長さ調節可能な第1連結部材で連結しているため、天幕の重量が増しても、第1連結部材の長さを調節することによって、支柱を持ち上げることができるので、横架材の湾曲を防ぐことができて天幕上に水たまりが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るテントフレームの一実施形態を示す正面図である。
図2図1に示すテントフレームの平面図である。
図3図1に示すテントフレームの要部の拡大図である。
図4】テントフレームの構成部材である支柱支持体を示す正面図である。
図5図4に示す支柱支持体のアームを開いた状態を示す平面図である。
図6】支柱支持体に取り付けた第1連結部の拡大平面図である。
図7】テントフレームの構成部材である支柱に取り付けた第4連結部である。
図8図1のテントフレームの一部を拡大して示す正面図である。
図9図1のテントフレームの一部を拡大して示す他の正面図である。
図10】テントフレームの構成要素である第2連結部を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
図11図1のテントフレームの一部を拡大して示す斜視図である。
図12】テントフレームの構成要素である第2連結部材の拡大図である。
図13図1のテントフレームの組立途中の状態を示し、テントフレームに天幕を被せた状態の正面図である。
図14図13の組立段階に続く段階を示し、支柱を伸張させた状態の正面図である。
図15図14の組立段階に続く段階を示し、アームと支柱の下端部とを第1連結部材で連結した状態の正面図である。
図16図15の組立段階に続く段階を示し、脚体を伸張させた状態の正面図である。
図17】本発明に係るテントフレームの他の実施形態を示す正面図である。
図18図17に示すテントフレームの平面図である。
図19図17に示すテントフレームの側面図である。
図20図17に示すテントフレームの要部の拡大図である。
図21図17に示すテントフレームの隣り合う2つの支柱の頂部を頂部連結部材で連結した状態の拡大断面図である。
図22図17のテントフレームの組立途中の状態を示す正面図である。
図23図22の組立段階に続く段階を示し、隣り合うアーム同士を連結するとともに2つの支柱の頂部を頂部連結部材で連結し、テントフレームに天幕を被せた状態の正面図である。
図24図23の組立段階に続く段階を示し、2つの支柱を伸張させた状態の正面図である。
図25図24の組立段階に続く段階を示し、アームと2つの支柱の下端部とを第1連結部材で其々連結するとともに2つの支柱の下端部同士を第2連結部材で連結した状態の正面図である。
図26図25の組立段階に続く段階を示し、脚体を伸張させた状態の正面図である。
図27】従来のテントフレームの一実施形態を示す斜視図である。
図28図27に示すテントフレームの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るテントフレーム1の一実施形態について、以下に図1図16を参照して説明する。
【0013】
図1及び図2を参照して、テントフレーム1は、4本の横架材2aを連結した正方形状の枠体2と、枠体2の四隅に其々接続されて枠体2を支持する4本の脚体3と、枠体2に連結されて支持される支柱支持体4と、支柱支持体4に支持されて天幕5を下方から部分的に突き上げ支持するための支柱6と、支柱支持体4の一部(アーム4c)と支柱6の下端部とを長さ調節可能に連結する第1連結部材7と、を有する。
【0014】
前記支柱支持体4は、図3図5を参照して、支柱6をその長さ方向に沿って上下動可能に案内するガイド部4aと、支柱6の上端部をガイド部4aから所定長さ突出させた位置(図2図3に示された位置)で係止する係止手段4bと、を有している。
【0015】
また、支柱支持体4は、ガイド部4aの外周部に等角度間隔で揺動自在に連結されるとともに枠体2上に合掌構造を形成するように枠体2に係合可能な4本のアーム4c(図2図5の平面図参照)を備えている。
【0016】
前記各アーム4cは、ガイド部4aの上端部に取り付けられたブラケット4a1の軸4a2に揺動自在に軸着されている。尚、図4において、図面手前に現れるべきアーム4cを省略している。ガイド部4aは、図示例では、所定長を有する筒状であり、金属製の角パイプを用いている。
【0017】
前記係止手段4bは、図4を参照して、インデックスプランジャーをガイド部4aに固定し、インデックスプランジャーのプランジャーピン(図示省略)が嵌入するピン孔(図示省略)が支柱6に形成されている。インデックスプランジャーは、ガイド部4aに溶接されたナット4b1に螺着される。
【0018】
前記インデックスプランジャーのノブを引っ張れば、支柱6はガイド部4a内をスライド可能となり、内蔵バネ(図示省略)の付勢力によりプランジャーピンが支柱6のピン孔に嵌入すると、支柱6がガイド部4aに対してスライド不能となり位置固定され、プランジャーピンによって支柱6の荷重が支持される。尚、係止手段4bは、インデックスプランジャーに代えて、或いは、インデックスプランジャーに加えて、シャフトロックピン、ボールロックピン、その他のピン等の他の係止手段4bを採用することもできる。
【0019】
前記係止手段4bは、支柱6の荷重を支えるため、支柱6のピン孔からプランジャーピンを引き抜いて係止手段4bの係止を解除すれば、支柱6は、その荷重を支えるものがなくなり、自重によって所定の突き上げ位置からガイド部4aに案内されながら自由落下する。
【0020】
前記支柱支持体4のガイド部4aには、第1連結部4d(図4図5)が取り付けられている。一方、支柱支持体4を支持する枠体2には、四隅に第2連結部2b(図2)が取り付けられている。枠体2の四隅の第2連結部2bとガイド部4aの第1連結部4dとが、連結補助部材8で連結される。
【0021】
図示例において、連結補助部材8は4本のワイヤーである。前記4本のワイヤーのうちの1本のワイヤーに張力調整部8aが介在されている。図示例において、張力調整部8aはターンバックルである。前記連結補助部材8は、ワイヤーに代えて、ベルト、チェーン、金属棒等を採用することができる。また、張力調整部8aは、ターンバックルに代えて、連結補助部材8の材質等に応じて公知の張力調整部8aを備えることができる。尚、張力調整部8aは、図示例では1本のワイヤーにのみ介在させているが、他のワイヤーに介在させることもできる。
【0022】
前記枠体2は、断面四角形状を有し、好適にはアルミニウム合金の形材で形成される。アーム4cは、図4図5図8を参照して、アーム本体4c1と、アーム本体4c1の自由端部に揺動自在に設けられて枠体2に係合可能な係合部4c2とを備えている。
【0023】
図示例では、係合部4c2にブラケット4c3が固定され、ブラケット4c3が軸4c4を介してアーム4cの端部に回動自在に軸着されて、係合部4c2がアーム4cに揺動自在に設けられている。
【0024】
係合部4c2は、図8を参照して、枠体2の内側面に当接する当接部4c5と、枠体2の上面に当接する当接部4c6から突出する係止ピン4c7と、を備えている。枠体2の上面には、係止ピン4c7が挿入される係止孔2cが形成されている。
【0025】
アーム4cは、筒状をしたガイド部4aの上部に揺動自在に連結され、第1連結部4dは、ガイド部4aの下部に設けられている。第1連結部4dは、図6を参照して、ガイド部4aの外周面から突出する略四角形状の鍔部4d1と、鍔部4d1に形成された4つの第1連結用孔4d2を備えている。4つの第1連結用孔4d2は、図2に示すように、正方形の枠体2の対角線上の位置に形成されている。支柱支持体4を枠体2に架設した時に、第2連結部2bと第1連結部4dとが略同一高さとなるように構成されている。
【0026】
前記枠体2は、図2を参照して、4本の横架材2aと、横架材2aを枠体2の四隅で連結するジョイント部2dと、を有している。各横架材2aは、断面矩形状を有し、中空のアルミニウム合金製形材で形成することができ、図9に示すように、ジョイント部2dは、互いに直交する3方向(図9では2方向のみ図示している)を向く挿入部2d1を有し、そのうちの2つの挿入部2d1が横架材2aに挿入され、残りの一つの挿入部2d1が脚体3に挿入される。挿入部2d1に形成されたネジ穴(図示省略)に、横架材2aに形成されたボルト孔(図示省略)から挿通したボルト9を螺入し、横架材2aとジョイント部2dとが互いに連結される。
【0027】
前記脚体3は、断面矩形状を有する中空のアルミ合金製形材で形成することができ、図9を参照して、脚体3の上端部からジョイント部2dの挿入部2d1が挿入されて、挿入部2d1に形成されたネジ穴(図示せず)に、脚体3に形成されたボルト孔(図示省略)から挿通したボルト9を螺入し、脚体3とジョイント部2dとが互いに接続される。
【0028】
また、脚体3は、図1を参照して、外管3aと外管3aに下方から挿入された内管3bを備える2重管構造の伸縮式となっており、所定の伸張時に外管3aと内管3bとをロックするロック機構3cを有している。ロック機構3cは、外管3aに固定したインデックスプランジャーのプランジャーピンが外管3a及び内管3bに形成されたピン孔(図示省略)を貫通することにより構成することができる。インデックスプランジャーに代えて、或いは、インデックスプランジャーに加えてシャフトロックピンやボールロックピン等の他のロック機構3cを採用することもできる。
【0029】
図11を参照して、横架材2aは、内周側にT溝2eを有している。第2連結部2bは、図10図11を参照して、第2連結用孔2b1が形成された連結プレート2b2と、連結プレート2b2に形成されて隣り合う横架材2aのT溝2eに挿入されて係合する係合凸部2b3と、を備えている。
【0030】
前記第1連結部材7は、支柱支持体4の各アーム4cの略中間部と支柱6の下端部とを其々連結し、長さ調節可能に構成されている。
【0031】
各第1連結部材7は、図3図12を参照して、ワイヤー7aと、ワイヤー7aに介在された第1張力調整部7bと、を備えている。図示例において、第1張力調整部7bは、ターンバックルである。このターンバックルを伸ばしたり、縮めたりすることによって、第1連結部材7の長さを調節することができるとともに第1連結部材7の張力を調整することができる。尚、ターンバックルは、ワイヤー7aの途中に介在させても良く、或いは、ワイヤー7aの端部に設けても良い。
【0032】
前記第1連結部材7において、ワイヤー7aに代えて、ベルト、チェーン、金属棒等を採用することができる。また、第1張力調整部7bは、ターンバックルに代えて、第1連結部材7の材質等に応じて公知の張力調整部を備えることができる。
【0033】
そして、前記各第1連結部材7の一端部は、各アーム4cの略中間部に取り付けた第3連結部10に其々連結され、また、各第1連結部材7の他端部は、支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11に其々連結されている。図12を参照して、第1連結部材7の一端部は、第3連結部10に連結金具12を介して連結され、また、第1連結部材7の他端部は、第4連結部11に連結金具12を介して連結されている。尚、図12に示す連結金具12を省略し、第1連結部材7の一端部を第3連結部10に直接連結し、また、第1連結部材7の他端部を第4連結部11に直接連結しても良い。
【0034】
第3連結部10は、図4図12を参照して、長尺状の金属製プレートをへの字状に折り曲げることにより形成されている。第3連結部10の一端部は、支柱支持体4のアーム4cの略中間部下面にボルト・ナット等の緊締具13により取り付けられ、第3連結部10の他端部は、連結金具12が取り付けられる第3連結用孔(図示省略)を備えている。第3連結部10の一端部は、緊締具13を介してアーム4cの下面側に形成したT溝(図示省略)に取り付けられており、緊締具13を緩めることによりアーム4cに沿って移動調整できるようになっている。第3連結部10は、第1連結部材7の一端部又は連結金具12を取り付けることができれば、如何なる構造、形状であっても良い。また、第3連結部10は、アーム4cに溶接により固着しても良い。
【0035】
一方、第4連結部11は、図4を参照して、支柱6の下端面に設けたナット20及びナット20に着脱自在に螺着するボルト21(アイボルト)により支柱6の下端面に水平姿勢で取り付けられている。第4連結部11は、図7に示すように、円盤状の金属板により形成されており、金属板の外周縁部には、4つの円弧状の第4連結用穴11aが円周方向に沿って90°ごとに形成されている。各第4連結用穴11aは、枠体2の各横架材2aの中間部に其々対向する位置に形成されている。尚、第4連結部11は、ボルト21及びナット20に代えて、支柱6の下端に溶接により取り付けても良い。また、第4連結部11は、第1連結部材7の他端部又は連結金具12を取り付けることかできれば、如何なる構造、形状であっても良い。
【0036】
次に、上記構成を有するテントフレーム1は、以下のようにして組み立てられる。先ず、4本の脚体3の其々にジョイント部2dを連結する。次いで、4本の横架材2aをジョイント部2dに接続し、4本の脚体3の上に枠体2を形成する。横架材2aにジョイント部2dを連結する際に、第2連結部2bの係合凸部2b3を横架材2aの内周側のT溝2eに端面開口側から挿入して係合させる。4本の脚体3と4つのジョイント部2dと4本の横架材2aとが互いに接続され、ボルト締めが完了した後、支柱支持体4を枠体2に架設する。
【0037】
支柱支持体4を枠体2へ架設するには次の手順で行う。4本のアーム4cを開いて其々の自由端部にある係合部4c2を、4本の横架材2aに其々係合させる。具体的には、係合部4c2の係止ピン4c7を横架材2aの係止孔2cに挿入して係止させる。係止孔2cは、横架材2aの長さ方向中間位置に形成されている。係合部4c2は、当接部4c5,4c6が横架材2aの上面及び内側面に其々当接する。係合部4c2を横架材2aに係合させた4本のアーム4cは、4本の横架材2aの其々の長さ方向中間位置から枠体2の中心に向かって上側に傾斜して延び、図1に示すように、枠体2上で交差する合掌構造を形成する。尚、4本のアーム4cの中間部に取り付けた第3連結部10には、第1連結部材7の一端部が連結され、第1連結部材7の他端部は、フリーの状態となっている(図13参照)。第1連結部材7は、支柱支持体4を架設する際に予めアーム4cに先に取り付けていても良く、或いは、アーム4cを横架材2aに取り付けた後、アーム4cに取り付けても良い。
【0038】
次に、枠体2の四隅にある第2連結部2bとガイド部4aの下部にある第1連結部4dとを連結補助部材8を構成する4本のワイヤーで其々連結する。上記したように連結補助部材8を構成する4本のワイヤーのうちの一本のワイヤーには、張力調整部8aを構成するターンバックルが介在されている。張力調整部8aが介在されていない3本のワイヤーは、支柱6が枠体2の中心位置にくる長さに設定されており、張力調整部8aによる張力を緩めた状態で第2連結部2bと第1連結部4dに連結補助部材8を構成するワイヤーを連結する。張力調整部8aの締め込み度合いを調整することで、連結補助部材8を構成する4本のワイヤーが所定の張力に調節され、支柱6の傾きが鉛直方向に修正されるとともに枠体2の既定の形状(図示例では正方形)からの変形(図示例では僅かな菱形への変形等)が既定の形状に修正される。
【0039】
張力調整部8aの締め込み調整後、図13に示すように、支柱支持体4の上から天幕5(仮想線で示されている。)を被せる。図示していないが、天幕5は、天幕5に取り付けられている留め紐等を横架材2a等に縛り付ける等して、取り付けられる。
【0040】
天幕5を支柱支持体4及び枠体2に被せておいてから、図14に示すよう、支柱6をガイド部4a内でスライドさせながらガイド部4aから上方へ突出させ、所定突き上げ高さ位置(図13に示された位置)で係止手段4bによって係止させる。
【0041】
天幕5を被せて支柱6を伸長させた後、図15に示すように、フリーの状態になっている第1連結部材7の他端部を支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11に連結し、第1張力調整部7bの締め込み度合いを調整することで、第1連結部材7の長さが調節されるとともに第1連結部材7が所定の張力に調節される。そのため、支柱6が天幕5の重量により押し下げられていても、第1連結部材7の長さを調節することにより支柱6を持ち上げることができ、天幕5にテンションを与えることができる。
【0042】
第1連結部材7の長さを調節して天幕5にテンションを与えた後、図16に示すように、脚体3を伸張させて所定の伸張位置でロック機構3cによってロックし、テントが完成する。
【0043】
上記構成を有するテントフレーム1は、天幕5の重量が増しても、第1連結部材7の長さを調節することによって、支柱6を持ち上げることができるので、横架材2aの湾曲(弛み)を防ぐことができて天幕5上に水たまりが生じないようにすることができる。
【0044】
また、テントフレーム1は、図16の組立完成状態において、第1連結部材7と第4連結部11との連結を解除するとともに係止手段4bによる支柱6の係止を解除すれば、支柱6がガイド部4aに案内されつつ自由落下する。自由落下した支柱6は、図13に示す位置迄落下する。図示例では支柱6の頂部6aがストッパーとなり、頂部6aがガイド部4aの上端部に当接するまで落下する。頂部6aは、支柱6の上端に固定された樹脂製キャップとすることができる。
【0045】
従って、天幕5を張ってテントの組立が完成した状態で強風が吹き出した場合に、第1連結部材7と第4連結部11との連結を解除するとともに係止手段4bを解除し、支柱6を速やかに降ろすことができ、突き上げられていた天幕5を迅速に下げて、強風による横風の影響を軽減し、テントの倒壊等を迅速に防ぐことができる。
【0046】
また、支柱支持体4は、合掌構造を形成するアーム4cでガイド部4aを支持し、支柱6がガイド部4aに支持されているので、長尺の支柱6であっても安定して支持することができる。しかも、支柱6の下端部とアーム4cの中間部とを第1連結部材7で連結しているので、支柱6をより安定して支持することができる。
【0047】
アーム4cは、係止ピン4c7を横架材2aの係止孔2cに差し込む構成とすれば、抜き差しが容易であり、組立及び分解が容易である。
【0048】
アーム4cは、ガイド部4aの外周部に揺動自在に連結されるので、枠体2から取り外した後、アーム4cをガイド部4aの側に沿わせるようにして折り畳むことでコンパクト化が可能であり、収納や運搬に好適である。
【0049】
アーム4cがガイド部4aの上部に連結され、第1連結部4dがガイド部4aの下部に設けられることにより、ガイド部4aの上部は合掌構造により強固に支持され、ガイド部4aの下部を、連結補助部材8を構成する4本のワイヤーによって四方に引っ張って、支柱6が鉛直方向を向くようにしているので、天幕5(図16参照)が強風を受けて支柱6の上端部に大きな力を受けても、支柱6を強固に支持し得る。
【0050】
第1連結部4dをガイド部4aの外周面から突出する鍔部4d1に連結補助部材8を連結するための4つの第1連結用孔4d2を形成することにより、ワイヤー等で形成される連結補助部材8の取り付け構造が簡素化される。また、ワイヤー等で形成される連結補助部材8がガイド部4aの下方でクロスしないので、ガイドから支柱6が自由落下する際の邪魔になることがない。
【0051】
図17図26は本発明に係るテントフレーム1の他の実施形態を示すものであり、テントフレーム1は、4本の横架材2aを連結した長方形状の枠体2と、枠体2の四隅に其々接続されて枠体2を支持する4本の脚体3と、枠体2に連結されて支持される隣り合う2つの支柱支持体4と、各支柱支持体4に其々支持されて天幕5を下方から部分的に突き上げ支持するための2本の支柱6と、支柱支持体4の一部のアーム4cと当該支柱支持体4に支持された支柱6の下端部とを長さ調節可能に連結する第1連結部材7と、隣り合う支柱支持体4に支持された支柱6の下端部同士を長さ調節可能に連結する第2連結部材14と、を有しており、隣り合って配置された支柱支持体4の最も近接するアーム4c同士が互いに連結されているとともに隣り合う支柱6の頂部6a同士が互いに連結されている。尚、図1図16に示すテントフレーム1と同じ部材・部位には、同一の参照番号を付し、詳細な説明を省略する。また、図18に示すテントフレームにおいて、連結補助部材8(ワイヤー)の張力調整部8a(ターンバックル)は、省略しても良い。
【0052】
2つの支柱支持体4は、ガイド部4a、係止手段4b、4本のアーム4c等を備えており、図1図16に示すテントフレーム1の支柱支持体4と略同様構造に構成されている。一方の支柱支持体4は、長方形状の枠体2の一端部側に連結されて枠体2に支持されており、3本のアーム4cの自由端部に設けた係合部4c2が枠体2の一方の短辺と対向する長辺に其々係合されている。また、他方の支柱支持体4は、長方形状の枠体2の他端部側に連結されて枠体2に支持されており、3本のアーム4cの自由端部に設けた係合部4c2が枠体2の他方の短辺と対向する長辺に其々係合されている。尚、隣り合って配置された支柱支持体4の最も近接するアーム4cの自由端部には、係合部4c2が設けられていない。
【0053】
更に、隣り合って配置された支柱支持体4の最も近接するアーム4c同士は、その自由端部同士が長尺状の接続プレート15及び接続ピン16を介して互いに連結されている。即ち、最も近接するアーム4c同士は、両アーム4cの自由端部に接続プレート15の端部を其々挿入し、アーム4cの自由端部と接続プレート15の端部に接続ピン16を挿着することによって、互いに連結される。
【0054】
第1連結部材7は、図1図16に示すテントフレーム1に用いた第1連結部材7と同じに構成されており、一方の支柱支持体4の3つのアーム4c(係合部4c2を設けた3つのアーム4c)と一方の支柱支持体4に支持された支柱6の下端部とを其々連結し、また、他方の支柱支持体4の3つのアーム4c(係合部4c2を設けた3つのアーム4c)と他方の支柱支持体4に支持された支柱6の下端部とを其々連結している。
【0055】
第2連結部材14は、図20を参照して、ワイヤー14aと、ワイヤー14aに介在された第2張力調整部14bと、を備えている。図示例において、第2張力調整部14bは、ターンバックルである。このターンバックルを伸ばしたり、縮めたりすることによって、第2連結部材14の長さを調節することができるとともに第2連結部材14の張力を調整することができる。尚、ターンバックルは、ワイヤー14aの途中に介在させても良く、或いは、ワイヤー14aの端部に設けても良い。
【0056】
前記第2連結部材14において、ワイヤー14aに代えて、ベルト、チェーン、金属棒等を採用することができる。また、第2張力調整部14bは、ターンバックルに代えて、第2連結部材14の材質等に応じて公知の張力調整部を備えることができる。
【0057】
前記第2連結部材14の一端部は、一方の支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11に連結金具12を介して連結され、また、第2連結部材14の他端部は、他方の支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11に連結金具12を介して連結されている。尚、第2連結部材14の両端部は、連結金具12を用いずに、第4連結部11に直接連結するようにしても良い。
【0058】
そして、隣り合って配置される支柱支持体4は図20図21を参照して、、隣り合う其々の支柱6の頂部6aが頂部連結部材17により互いに連結されている。頂部連結部材17は、断面矩形状を有し、中空のアルミニウム合金製形材で形成されており、頂部連結部材17の両端部に金属製プレート18を介して設けた金属製ピン19を支柱6の頂部6aに挿着することによって、隣り合う其々の支柱6の頂部6aが互いに連結される。
【0059】
次に、図17図21に示すテントフレーム1を組み立てる場合について説明する。先ず、4本の脚体3の其々にジョイント部2dを連結する。次いで、4本の横架材2aをジョイント部2dに接続し、4本の脚体3の上に枠体2を形成する。その次に、2つの支柱支持体4を枠体2に架設し、隣り合って配置された支柱支持体4の最も近接するアーム4c同士を接続プレート15及び接続ピン16により互いに連結するとともに隣り合う支柱6の頂部6a同士を頂部連結部材17により互いに連結する(図22図23参照)。
【0060】
次に、枠体2の四隅にある第2連結部2bと2つの支柱支持体4のガイド部4aの下部にある第1連結部4dとを連結補助部材8を構成するワイヤーで其々連結し、連結補助部材8に介在されている張力調整部8aを構成するターンバックルの締め込み度合いを調整して支柱6の傾きを鉛直方向に修正するとともに枠体2の形状を既定の形状に修正する。
【0061】
張力調整部8aの締め込み調整後、図23に示すように、支柱支持体4の上から天幕5を被せる。図示していないが、天幕5は、天幕5に取り付けられている留め紐等を横架材2a等に縛り付ける等して、取り付けられる。
【0062】
天幕5を2つの支柱支持体4及び枠体2に被せておいてから、図24に示すように、2つの支柱6をガイド部4a内でスライドさせながらガイド部4aから上方へ突出させ、所定突き上げ高さ位置(図に示された位置)で係止手段4bによって係止させる。
【0063】
天幕5を被せて2つの支柱6を伸長させた後、図25に示すように、フリーの状態になっている第1連結部材7の他端部を支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11に連結するとともに隣り合う支柱6の下端部に取り付けた第4連結部11同士を第2連結部材14で連結した後、第1連結部材7の第1張力調整部7b及び第2連結部材14の第2張力調整部14bの締め込み度合いを調整することで、第1連結部材7及び第2連結部材14の長さが調節されるとともに第1連結部材7及び第2連結部材14が所定の張力に調節される。そのため、2つの支柱6が天幕5の重量により押し下げられていても、第1連結部材7及び第2連結部材14の長さを調節することにより2つの支柱6を持ち上げることができ、天幕5にテンションを与えることができる。
【0064】
第1連結部材7及び第2連結部材14の長さを調節して天幕5にテンションを与えた後、図26に示すように、脚体3を伸張させて所定の伸張位置でロック機構3cによってロックし、テントが完成する。
【0065】
図17図26に示すテントフレーム1は、図1図16に示すテントフレーム1と同様の作用効果を奏することができる。しかも、図17図26に示すテントフレーム1は、2つの支柱支持体4を備えているため、大型のテントフレーム1であっても剛体化することができる。また、2つの支柱6の下端部を第2連結部材14で連結するとともに2つの支柱6の頂部6aを頂部連結部材17で連結しているため、支柱6をより安定して支持することができる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更態様を採用することができる。
【0067】
例えば、枠体2に関して、上記各実施形態では正方形又は長方形の枠体2を例示したが、正方形又は長方形以外の多角形の枠体2とするともできるし、円形、或いは楕円形等の枠体2とすることもできる。
【0068】
また、脚体3に関して、上記実施形態では4本の脚体3を例示したが、4本に限らず、枠体2の形状に応じて3本以上の複数本の脚体3を設けることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、支柱6が1本又は2本の実施形態を例示したが、支柱6は1本又は2本に限らず、離間配置して3本以上備えることもできる。
【0070】
また、係止手段4bは、上記実施形態においてガイド部4aに取り付けたプランジャーピンを例示したが、支柱6を所定の突き上げ高さ位さ位置で係止できるものであればよく、例えば、支柱6の内部にプランジャーピンを取り付けて支柱6の表面にプランジャーピンを出没可能に設けることにより、ガイド部4aの上端縁で係止する構成とし、支柱6の側の係止手段4bを設けることもできる。
【0071】
また、上記実施形態においてはガイド部4aとして角パイプを例示したが、ガイド部4aは、角パイプに限らず、支柱6をその長さ方向に沿って案内できるものであれば形状等は限定されない。
【0072】
また、枠体2やアーム4cは、シザーズ状、Xリンク機構、或いはパンタグラフ機構等の折り畳み式テントにおいて従来公知の折り畳み可能な構造(例えば、特開2000-154671号公報等)とすることもできる。
【0073】
上記実施例においてアーム4cが枠体2に係合する例を示したが、アーム4cを脚体3に係合させる構成を採用することも可能であり、枠体2と脚体3の双方にアーム4cを係合させる構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0074】
1 テントフレーム
2 枠体
2a 横架材
3 脚体
4 支柱支持体
4a ガイド部
4b 係止手段
4c アーム
4c2 係合部
6 支柱
6a 頂部
14 第2連結部材
図1
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