(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088307
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/06 20150101AFI20220607BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20220607BHJP
【FI】
A63B53/06 B
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021134426
(22)【出願日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2020210780
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514083753
【氏名又は名称】HARAKEN株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原 健太郎
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002AA03
2C002AA04
2C002LL01
2C002LL04
2C002MM04
(57)【要約】
【課題】使用者が全ゴルフクラブヘッド本体10に共通する互換性のある共通形状のウエイト1を使用することにより使用者にあったクラブヘッド重量とゴルフクラブスイングバランスの調整を可能にする。さらに、共通形状で統一感があるウエイト1を使用することにより美観的にも優れたゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係るゴルフクラブヘッドは、シャフトの先端に支持され、ボールを打撃するゴルフクラブヘッド本体10に、ウエイト1を収容するための凹部2を設け、この凹部2に選択的にウエイト1を装填することによりゴルフクラブヘッド本体10の重量を調整しうるようにしたことを目的とする。さらにタングステンを含む荷重用の緩衝材16を装填することにより、広範囲に荷重をかけることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトの先端に支持され、ボールを打撃するゴルフクラブヘッドに、ウエイトを収容するための凹部を設け、この凹部に選択的にウエイトを装填することにより、ゴルフクラブヘッドの重量を微調整しうるようにしたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフクラブヘッドは、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジ、パターであり、全番手で共通のウエイトを使用することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの凹部の少なくとも1ケ所に、ウエイトまたは、ウエイトと凹部を調整するのに用いられる緩衝材とが装填され、さらに該装填された凹部の開口が封止されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドであって、更に、タングステンが含まれる荷重用の緩衝材が装填されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッド種類ごとに必要となる個別ウエイトを共通化すことで、利便性の向上とすべての種類のゴルフクラブヘッドの重量とスイングバランスの調整を可能にするゴルフクラブヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、女性から年配の人に至るまで、手軽に楽しめるスポーツとして、ゴルフが盛んに行なわれている。
このようにゴルフでは、年齢性別などにより、様々な重量態のゴルフクラブが存在する。そのため、ゴルフクラブヘッド重量はそれぞれのターゲットに合わせた重量のゴルフクラブヘッドを用意せざるを得ない。
【0003】
可変ウエイトはゴルフクラブヘッド種類に応じて形状の異なるウエイトを有する物が公知である(特許文献1、2)。
そこで全てのゴルフクラブヘッドに互換性を有する共通のウエイトを使用できるゴルフクラブヘッドを開発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011-511677号公報
【特許文献2】特開2009-247911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来ゴルフクラブヘッドに装填される可変式ウエイトはドライバー、フェアウェイウッドに使用されるものが主である。アイアンやパターに可変式ウエイトを装備しているものも存在するが全てのゴルフクラブヘッドに互換性のある共通形状のウエイトは皆無であるため、ゴルファーはそれぞれのゴルフクラブヘッド種類に応じたウエイトを購入、装填しなければならない。
【0006】
また、先行技術文献で示したように、ゴルフクラブヘッドに応じた異なる形状のウエイトを使用しているため、統一感がなく見た目にも美しいといえるものではなかった。
【0007】
本発明はこのような実状を鑑み、使用者が全ゴルフクラブヘッドに共通する互換性のある共通形状のウエイトを使用することにより使用者にあったゴルフクラブヘッド重量とゴルフクラブスイングバランスの調整を可能にする。
さらに、共通形状で統一感があるウエイトを使用することにより美観的にも優れたゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るゴルフクラブヘッドは、シャフトの先端に支持され、ボールを打撃するゴルフクラブヘッド本体に、ウエイトを収容するための凹部を設け、この凹部に選択的にウエイトを装填することによりゴルフクラブヘッド本体の重量を調整しうるようにする。
【0009】
係る構成による本発明によれば、ゴルフクラブヘッドの重量を調整ができるので、使う人の年齢や性別によるゴルフクラブスイングスピードや体力に合わせてゴルフクラブ重量を調整することができる。
また全てのゴルフクラブヘッドにおいて、共通の凹部と共通のウエイトを使用することにより重量を調整することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゴルフクラブヘッドは、ウエイトを収容するための凹部を設け、この凹部に選択的にウエイトを装填することにより、ヘッド本体の重量を調整しうるような形状であるので、使う人の年齢や性別によるゴルフクラブスイングスピードや体力に合わせてゴルフクラブヘッド重量を調整することができる。
【0011】
また、本発明によれば、重量が調整されたゴルフクラブヘッドは、上記のゴルフクラブヘッドの凹部の少なくとも1ケ所に、ウエイトまたは、ウエイトとウエイトの収容位置を調整する際に用いられる緩衝材が装填され、さらに該装填された凹部が封止されており、ゴルフクラブヘッド本体の重量を微調整しうるような形状であるので、使う人の年齢や性別によるゴルフクラブスイングスピードや体力に合わせてゴルフクラブヘッド重量を調整することが可能になり、さらに美観的にも優れる。
【0012】
本発明のゴルフクラブヘッドを使用することで、ゴルファーはそれぞれのゴルフクラブヘッド種類に応じたウエイトを購入、装填しなければならないような問題はなく、全てのゴルフクラブヘッドに共通のウエイトを使用するため、管理しやすく利便性が高く無駄がない。
【0013】
また、ゴルフクラブヘッド重量及びバランス調整においてシャフト内部先端にタングステンパウダーなどの加重するのではなく、ゴルフクラブヘッド上でウエイトにより重量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1の(A)は、本発明の実施例に係るウエイトの図であり、
図1の(B)は、ヘッド本体凹部断面図である。
【
図2】全番手のゴルフクラブヘッドの種類別ウエイト装填図である。
図2の(A)、(B),(C),(D),(E),(F)各ヘッド種類のウエイトの配置図である。
【
図3】ゴルフクラブヘッドの荷重用の緩衝材及びウエイトの装填図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の適切な形態を詳細に説明する。
本発明に係るウエイト1は、1gから20gのウエイト1を使用することが好ましい。
図1のようにウエイト1の径、凹部2の径を共通にする。
それぞれのウエイト1の素材は、チタン、ステンレス、タングステン、アルミなどが望ましい。ウエイト1の形状を変えないために、前記のように異なる素材を使用することが望ましい。ウエイト1の形状は脱落防止のため、ネジ形が望ましい。
【0016】
ゴルフクラブヘッド本体10の凹部2の少なくとも1ケ所に、ウエイト1または、ウエイト1とウエイト1の収容位置を調整する際に用いられる緩衝材9が装填され、さらに該装填された凹部2が封止されており、ゴルフクラブヘッド本体10の重量を調整しうるような形状であるので、使う人の年齢や性別によるゴルフクラブスイングスピードや体力に合わせてゴルフクラブ重量を調整することが可能になり、さらに美観的にも優れる。
また、緩衝材9は、ゴム素材が望ましい。形状はリング状が望ましい。
【0017】
なお、
図1の(A)のウエイト1の直径と
図1の(B)のゴルフクラブヘッド本体10の凹部2の直径はゴルフクラブヘッド本体10の重量を容易に調整することが出来るのであれば、特に限定されないが6から15ミリが好ましい。
図1の(A)のウエイト1の長さは6から15ミリであることが望ましい。さらに、
図1の(A)のウエイト1の直径と
図1の(B)の凹部2の直径が同一であれば、共通で利便性があり、管理がしやすく、美観的にも優れるため、全ての種類のゴルフクラブヘッド本体10に
図1の(B)の同一の直径の凹部2であれば望ましい。
このように、
図2のようなゴルフクラブヘッド本体10に少なくとも1か所以上
図1の(B)の凹部2を有する。また
図1の(A)のウエイト1を収容位置に装填する際に緩衝材9を装填することもある。
さらに、核装填された凹部2をウエイト1で封止することにより重量が調整されたゴルフクラブヘッド本体10が得られる。
図2のゴルフクラブヘッド本体10の
図1の(B)の凹部2にウエイト1を装填する際、ウエイト1を緩衝材9とともに装填することによりウエイト1が容易に緩まないようにすることが可能である。
【0018】
図2の(A)はドライバーヘッド3に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。
図2の(B)は、フェアウェイウッドヘッド4に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。
図2の(C)は、ユーティリティヘッド5に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。
図2の(D)は、アイアンヘッド6に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。
図2の(E)は、ウェッジヘッド7に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。また凹部2の位置は下記の配置が望ましい。
図2の(F)は、パターヘッド8に凹部2を設け、ウエイト1を装填する。
図2(A)~(F)において、ゴルフクラブヘッド本体10の凹部2の位置と個数は限定されない。
【0019】
ウエイト位置の役割は次に説明する。
ドライバーヘッド3、フェアウェイウッドヘッド4、およびユーティリティヘッド5のウエイトの役割。
トゥー側11は、ヘッドの回転を抑制する。
ヒール側13は、ヘッドの回転を促進する。
バック側12は、ヘッドの加速を促す。
アイアンヘッド6、およびウェッジヘッド7のウエイトの役割。
トゥー側11は、ヘッドの回転を抑制する。
ヒール側13は、ヘッドの回転を促進する。
中央側14は、ヘッドの加速を促す。
以上のウエイトを調整することにより、使う人の年齢や性別によるゴルフクラブスイングスピードや体力に合わせてゴルフクラブ重量を調整することができる。
パターヘッド8のウエイトの役割。
トゥー側11とヒール側13の配置でストローク時のヘッドの直進性を向上できる。
【0020】
図3は、ゴルフクラブヘッド本体10に荷重用の緩衝材16及びウエイト1の装填図である。タングステンを含む荷重用の緩衝材16の役割は次に説明する。
タングステンは比重の重い金属素材であるため、ある一部に荷重をかけることには最適な素材ではあるが、広範囲に荷重をかけることは難しい。
そこで、ゴム素材にタングステンパウダーを練りこみリング状にすることにより、荷重の範囲を広げることができる。ゴルフクラブヘッド本体10にウエイト1に荷重用の緩衝材16を装填することにより、さらに、細かく荷重調整をすることができる。
また荷重用の緩衝材16はゴム素材であるため、振動吸収の役割がある。
例えば、荷重用の緩衝材16のゴムとタングステンの比率は、ゴムが10%、タングステンが90%であることが望ましい。
【0021】
アルミリング15はゴルフクラブヘッド本体10とウエイト1と荷重用の緩衝材16との隙間をうめることで、デザイン的にも優れる。またアルミリング15のカラーバリエーションを用意することで自分好みに外観デザインをアレンジすることもできる。
【符号の説明】
【0022】
1 ウエイト
2 凹部
3 ドライバーヘッド
4 フェアウェイウッドヘッド
5 ユーティリティヘッド
6 アイアンヘッド
7 ウェッジヘッド
8 パターヘッド
9 緩衝材
10 ゴルフクラブヘッド本体
11 トゥー側
12 バック側
13 ヒール側
14 中央側
15 アルミリング
16 荷重用の緩衝材