(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088330
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】経時的な測定値推移を出力するための出力装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220607BHJP
G01D 1/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
G01D1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190790
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10 2020 131 947.9
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】308011030
【氏名又は名称】ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Draegerwerk AG & Co.KGaA
【住所又は居所原語表記】Moislinger Allee 53-55,Luebeck,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ゲーマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヴェーバー-レーン
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB04
4C117XF03
4C117XG17
4C117XG19
4C117XH12
4C117XH16
4C117XJ11
4C117XJ45
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための出力装置に関し、信号品質を簡単に把握する。
【解決手段】受信ユニット110は、センサデータ114および信号品質データ116を受信して、出力装置100に提供する。出力制御ユニットは、センサデータおよび信号品質データに基づいて、測定値推移曲線125を有する出力されるべき線
図124を決定して、出力信号128を介して提供する。測定値推移曲線は、経時的な測定値推移と、推移曲線拡幅部123とを示し、測定値推移曲線のそれぞれ1つの時点に対応付けられた推移曲線拡幅部は、測定値推移曲線のその時点に信号品質データに従って存在する信号品質についての尺度である。ディスプレイユニットは、測定値推移曲線と対応する推移曲線拡幅部とを有する線図をグラフィカルに出力する。推移曲線拡幅部は、経時的な測定値推移の対応する拡幅部126として表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学的測定値(107)の経時的な測定値推移(122)を出力するための出力装置(100)であって、当該出力装置(100)は、
受信ユニット(110)と、
出力制御ユニット(120)と、
ディスプレイユニット(130)と、
を有し、
前記受信ユニット(110)は、少なくとも1つの受信信号(112)を介してセンサデータ(114)および信号品質データ(116)を受信して、前記出力装置(100)による後続処理のために提供するように構成されており、
前記センサデータ(114)は、前記医学的測定値(107)の前記経時的な測定値推移(122)を示し、前記信号品質データ(116)は、前記経時的な測定値推移(122)に対応付けられた経時的な信号品質推移を示し、
前記出力制御ユニット(120)は、前記センサデータ(114)および前記信号品質データ(116)に基づいて、測定値推移曲線(125)を有する出力されるべき線図(124)を決定して、出力信号(128)を介して提供するように構成されており、
前記測定値推移曲線(125)は、前記経時的な測定値推移(122)と、前記測定値推移(122)の推移曲線拡幅部(123)とを示し、
前記測定値推移曲線(125)は、前記出力されるべき線図(124)の内部における当該測定値推移曲線(125)の位置および構造によって、前記医学的測定値(107)の前記経時的な測定値推移(122)を示し、
前記測定値推移曲線(125)のそれぞれ1つの時点に対応付けられた前記推移曲線拡幅部(123)は、前記測定値推移曲線(125)のその時点に前記信号品質データ(116)に従って存在する信号品質についての尺度であり、
前記ディスプレイユニット(130)は、前記出力信号(128)を受信して、前記ディスプレイユニット(130)のディスプレイ(132)上に、前記測定値推移曲線(125)と対応する前記推移曲線拡幅部(123)とを有する前記出力されるべき線図(124)をグラフィカルに出力するように構成されており、
前記推移曲線拡幅部(123)は、前記経時的な測定値推移(122)の対応する拡幅部(126)として表示されている、
出力装置(100)。
【請求項2】
前記拡幅部(126)は、前記拡幅部(126)の中心点としての、前記センサデータ(114)によって示されている測定値(107)の周りの、前記測定値推移(122)の対称の拡幅部である、請求項1記載の出力装置(100)。
【請求項3】
前記測定値推移曲線(125)のうちの前記測定値推移(122)を示す領域は、対応する前記拡幅部(126)よりも高コントラストで表示されている、請求項1または2記載の出力装置(100)。
【請求項4】
前記拡幅部(126)は、前記測定値推移曲線(125)のうちの前記測定値推移(122)を示す領域の周りの連続的に延在する拡幅部として表示されている、請求項1から3までの少なくとも1項記載の出力装置(100)。
【請求項5】
前記拡幅部(126)は、その時点に前記信号品質データ(116)に従って存在する信号品質に反比例する、請求項1から4までの少なくとも1項記載の出力装置(100)。
【請求項6】
前記出力制御ユニット(520)は、前記出力されるべき線図(124)のための格納されている複数のグラフィック表示を有するメモリモジュール(540)にアクセスするようにさらに構成されている、請求項1から5までの少なくとも1項記載の出力装置(500)。
【請求項7】
前記受信ユニット(510)は、警報データ(517)を受信するようにさらに構成されており、
前記警報データ(517)は、前記医学的測定値(107)に対する少なくとも1つの警報限界(509)を示し、
前記出力制御ユニット(520)は、前記少なくとも1つの警報限界(509)を有する前記出力されるべき線図(124)を決定して、前記出力信号(528)を介して提供するようにさらに構成されている、
請求項1から6までの少なくとも1項記載の出力装置(500)。
【請求項8】
医学的測定値(107)の経時的な測定値推移(122)を出力するための出力システム(605)であって、当該出力システム(605)は、
請求項1から7までの少なくとも1項記載の出力装置(100)と、
データ取得装置(660)と、
を有し、
前記データ取得装置(660)は、受信したセンサ信号(662)を介してセンサデータ(114)を取得し、前記センサ信号(662)の信号品質を決定し、対応する信号品質データ(116)、とりわけ対応する目下の信号品質データを前記センサデータ(114)に対応付けるように構成されており、
前記データ取得装置(660)は、前記センサデータ(114)と、対応付けられた前記信号品質データ(116)とを前記出力装置(100)に出力するようにさらに構成されている、
出力システム(605)。
【請求項9】
前記データ取得装置(660)は、前記センサデータ(114)と、対応付けられた前記信号品質データ(116)との間の相関を経時的に決定して、前記出力装置(100)に出力するように構成されており、
前記出力装置(100)は、前記測定値推移(122)の前記拡幅部(126)を、前記相関に基づいて決定するようにさらに構成されている、
請求項8記載の出力システム(605)。
【請求項10】
前記出力システム(705)は、外部の警報システム(770)との通信接続を提供し、前記センサ信号(662)の目下決定された信号品質が所定の限界値を下回っている場合に、警告信号(772)を提供するように構成されている、請求項8または9記載の出力システム(705)。
【請求項11】
前記出力システム(705)は、ユーザ入力(554)を受信するように構成された入力インターフェース(552)をさらに有し、
前記ユーザ入力(554)は、前記出力システム(705)の動作モード、格納されている複数のグラフィック表示からの、前記出力されるべき線図(124)のためのグラフィック表示の選択、とりわけ前記経時的な測定値推移(122)の表示されるべき前記拡幅部(126)のグラフィック表示の選択、および/または格納されている複数の決定規則からの、前記信号品質を決定するための決定規則の選択に関する、
請求項8から10までの少なくとも1項記載の出力システム(705)。
【請求項12】
決定された前記信号品質は、受信した前記センサ信号(662)の信号対雑音比に基づく、請求項8から11までの少なくとも1項記載の出力システム(705)。
【請求項13】
医学的測定値(107)の経時的な測定値推移(122)を出力するための方法(800)であって、当該方法(800)は、
センサデータ(114)および信号品質データ(116)を受信および提供するステップと、
前記センサデータ(114)および前記信号品質データ(116)に基づいて、測定値推移曲線(125)を有する出力されるべき線図(124)を決定して、対応する出力信号(128)を提供するステップと、
前記出力信号(128)を受信して、前記測定値推移曲線(125)を有する前記出力されるべき線図(124)をグラフィカルに出力するステップと、
を有し、
前記センサデータ(114)は、前記医学的測定値(107)の前記経時的な測定値推移(122)を示し、前記信号品質データ(116)は、前記経時的な測定値推移(122)に対応付けられた経時的な信号品質推移を示し、
前記測定値推移曲線(125)は、前記経時的な測定値推移(122)と、前記測定値推移(122)の推移曲線拡幅部(123)とを示し、
前記測定値推移曲線(125)は、前記出力されるべき線図(124)の内部における当該測定値推移曲線(125)の位置および構造によって、前記医学的測定値(107)の前記経時的な測定値推移(122)を示し、
前記測定値推移曲線(125)のそれぞれ1つの時点に対応付けられた前記推移曲線拡幅部(123)は、前記測定値推移曲線(125)のその時点に前記信号品質データ(116)に従って存在する信号品質についての尺度であり、
前記推移曲線拡幅部(123)は、前記経時的な測定値推移(122)の対応する拡幅部(126)として表示される、
方法(800)。
【請求項14】
コンピュータ上、プロセッサ上、またはプログラミング可能なハードウェアコンポーネント上で実行された場合に、請求項13記載の方法(800)を実施するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための出力装置に関する。本発明はさらに、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための出力システムと、そのような経時的な測定値推移を出力するための方法と、そのような方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムとに関する。
【0002】
患者の治療中の生理学的な経過を認識して、以後の治療のために考慮することができるようにするために、医学的な文脈での測定値推移を出力することが一般に知られている。測定値推移から特性数を手動または自動で取り出すことも知られている。このような特性数は、測定値推移の目下の測定値を臨床的に評価する際に役立ち得る。さらに、これによって患者の目下の状態を迅速かつ確実に把握することが可能となる。
【0003】
周知のように、測定値推移の出力を実際の医療機器から離間された場所で実施することができる。例えば、医療機器を、ネットワークを介して対応する出力機器に接続することができる。例えば、独国特許出願公開第102019003995号明細書は、別個の機器として対応する測定データをグラフィカルに出力するために医療装置に接続されているディスプレイユニットについて記載している。
【0004】
本発明の課題は、改善された出力装置、とりわけ、信号品質を特に簡単に把握することができる出力装置を提供することである。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、上記の課題を解決するために、受信ユニットと、出力制御ユニットと、ディスプレイユニットとを有する、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための出力装置が提案される。
【0006】
受信ユニットは、少なくとも1つの受信信号を介してセンサデータおよび信号品質データを受信して、出力装置による後続処理のために提供するように構成されており、センサデータは、医学的測定値の経時的な測定値推移を示し、信号品質データは、経時的な測定値推移に対応付けられた経時的な信号品質推移を示す。
【0007】
出力制御ユニットは、センサデータおよび信号品質データに基づいて、測定値推移曲線を有する出力されるべき線図を決定して、出力信号を介して提供するように構成されており、測定値推移曲線は、経時的な測定値推移と、測定値推移の推移曲線拡幅部とを示し、測定値推移曲線は、出力されるべき線図の内部における当該測定値推移曲線の位置および構造によって、医学的測定値の経時的な測定値推移を示す。測定値推移曲線のそれぞれ1つの時点に対応付けられた推移曲線拡幅部は、測定値推移曲線のその時点に信号品質データに従って存在する信号品質についての尺度である。
【0008】
ディスプレイユニットは、出力信号を受信して、ディスプレイユニットのディスプレイ上に、測定値推移曲線と対応する推移曲線拡幅部とを有する出力されるべき線図をグラフィカルに出力するように構成されており、推移曲線拡幅部は、経時的な測定値推移の対応する拡幅部として表示されている。
【0009】
本発明の枠内では、測定値推移と一緒に、この測定値推移を評価するためのさらなる情報を出力することができることが認識された。したがって、測定値推移と共に目下存在する信号品質に関連する情報も出力装置のユーザに直接的に出力するために、測定値推移と一緒に測定値推移拡幅部を出力することが提案される。とりわけ、これによって有利には、この情報をディスプレイ上に出力するために2つの異なる視覚的な領域が出力されることが回避される。
【0010】
目下の信号品質を表示するために、数字またはバーのような特別なグラフィック要素を表示することが知られてはいる。しかしながら、これに対して本発明による解決策は、推移曲線拡幅部、ひいては目下存在する信号品質に関する情報を直接的に知覚するために、目下の測定値推移の把握以外に追加的な認知活動を必要としないという利点を有する。
【0011】
さらに、測定値推移のための推移曲線拡幅部を表示することにより、特に低いまたは特に比較的高い信号品質が存在していた可能性のある、表示されている過去の値の精度を評価することも可能となる。したがって、本発明による出力装置は、表示された医学的測定値の特に信頼できる評価を支援するものである。
【0012】
センサデータと信号品質データとを直接的に対応付けることにより、測定値推移の拡幅部の時系列を表示することが可能となる。これにより、場合によって生じ得る、特に高いまたは特に低い信号品質への傾向を直接的に認識することが可能となり、したがって、対応する医療システムとの通信接続の変化を直接的に認識して、対応する測定値を評価する際に考慮することが可能となる。さらに、例えば無線接続から有線接続への切り替え、および/または出力装置の目下の現在地の変更のような、通信接続の物理的な変更を提案することが可能となる。
【0013】
センサデータおよび信号品質データが少なくとも1つの受信信号を介して受信されるということは、本発明によれば、センサデータおよび信号品質データを、単一の信号の内部で、2つの別個の信号によって、かつ/または複数の信号によって、例えば、別個の信号のシーケンスによって受信することができるということを意味する。
【0014】
出力されるべき線図は、本発明によればこの線図の構造に基づいて、目下存在する測定値の定量的な特性についての言明を可能にする。このために、線図は、目下存在する測定値の大きさまたは目下の範囲を示すための座標系または同等のグラフィック手段を含むことができる。
【0015】
拡幅部は、目下存在する測定値および/または目下存在する測定値推移を示す単なる点または単なる線よりも広い範囲を視覚的に表現したものである。
【0016】
測定値推移曲線は、測定値推移を連続的に示してもよいし、または線図の内部の離散的な点のような離散的な測定値の形式で示してもよい。
【0017】
本発明による出力装置のそれぞれのユニットは、少なくとも部分的に互いに離間可能であり、とりわけ部分的に別個のハウジング内に配置可能である。好ましくは、それぞれのユニットは、共通のハウジング内に配置されている。とりわけ、それぞれのユニットは、好ましくは共通のプロセッサによって実施され、少なくともソフトウェアレベルでは互いに分離されている。
【0018】
以下では、本発明による出力装置の好ましい実施形態について説明する。
【0019】
有利な実施形態では、拡幅部は、拡幅部の中心点としての、センサデータによって示されている測定値の周りの、測定値推移の対称の拡幅部である。この実施形態では、信号品質が低い場合に、出力されるべき測定値の周りに対称の誤差が仮定される。これにより、実際の測定値の周りの2つの測定値領域をユーザによって相互比較する必要がなくなるので、信号品質を特に迅速に把握することが可能となる。対称の拡幅部を設けることにより、有利には、出力装置による計算時間を、2つの異なる拡幅部領域を決定する必要がある場合よりも短縮することが可能となる。
【0020】
特に好ましい実施形態では、測定値推移曲線のうちの測定値推移を示す領域は、対応する拡幅部よりも高コントラストで表示されている。これにより、本発明による出力装置のユーザは、時間をかけて測定値推移曲線の構造を分析する必要なしに、測定値推移曲線の内部のそれぞれの測定値を特に迅速かつ確実に認識することが可能となる。特に好ましくは、測定値推移は、1つの色で、例えば白色の背景の場合には黒色で、かつ暗色の背景の場合には白色で表示される。好ましくは、拡幅部は、測定値推移から出発してそれぞれ異なるコントラスト強度を有する。したがって、拡幅部の外側の領域は、好ましくは、ほぼ表示の背景の色で表示されている。
【0021】
有利な実施形態では、拡幅部は、測定値推移曲線のうちの測定値推移を示す領域の周りの連続的に延在する拡幅部として表示されている。連続的に延在する拡幅部は、好ましくは、その外側の領域が、連続した縁部、とりわけ連続微分可能な縁部、すなわち、とりわけ不連続点等のない縁部を有するような拡幅部である。これにより、測定値推移の内部のそれぞれの時点に信号品質が一義的に対応付けられている。代替的な実施形態では、拡幅部は、非連続的な拡幅部として設けられており、とりわけ、個々の時点での個々の測定値に対して離散的に表示された拡幅部として設けられている。
【0022】
特に好ましくは、拡幅部は、その時点に信号品質データに従って存在する信号品質に反比例する。この実施形態では、拡幅部が特に理解しやすいものとなる。なぜなら、高い信号品質は、わずかな拡幅部をもたらし、ひいては測定値推移の測定された測定値の周りの特に狭幅な拡幅部領域をもたらすからである。したがって、拡幅部を、可能性のある測定誤差として直感的に解釈することができ、この測定誤差は、信号品質が特に低い場合には特に大きい。実際には、本発明によれば測定誤差ではなく、信号伝送誤差である。本発明による実施形態では、拡幅部は、測定値を特定した機器の所定の系統的な測定誤差にさらに依存している。このような系統的な測定誤差は、対応するメモリモジュールに格納可能である。本発明による代替的または追加的な実施形態では、患者の目下の治療に基づいて判明している一時的な測定誤差が、推移曲線拡幅部の大きさを決定する際に考慮される。このような一時的な測定誤差は、例えば循環器系に負荷を与える活動によって存在する可能性がある。
【0023】
好ましい実施形態では、出力制御ユニットは、推移曲線拡幅部の大きさを決定する際に、対応する医学的測定値の最後に実施された測定からの時間間隔を考慮するように構成されている。大きさが顕著に変動する場合には、特定された測定値は、わずか数秒後には既に、実際に目下存在する測定値に関してほとんど説得力がない可能性があるので、かなりの不正確さを負っている可能性がある。
【0024】
好ましい実施形態では、出力制御ユニットは、出力されるべき線図のための格納されている複数のグラフィック表示を有するメモリモジュールにアクセスするようにさらに構成されている。これにより、測定値推移曲線のグラフィック表示をユーザ定義によって設定することが可能となる。格納されている複数のグラフィック表示は、出力されるべき線図のために種々異なる色および/または色の組み合わせを含むことができる。さらに、種々異なるグラフィック表示は、推移曲線拡幅部のための種々異なる表示を含むことができる。
【0025】
有利な実施形態では、受信ユニットは、警報データを受信するようにさらに構成されており、警報データは、医学的測定値に対する少なくとも1つの警報限界を示し、出力制御ユニットは、少なくとも1つの警報限界を有する出力されるべき線図を決定して、出力信号を介して提供するようにさらに構成されている。好ましくは視覚的な警報限界を出力することにより、ユーザは、測定値推移の測定値または少なくとも推移曲線拡幅部が警報限界の近傍に達しているかどうかを迅速に把握することが可能となる。とりわけ、警報限界を上回った場合に、特に大きい推移曲線拡幅部、すなわち特に低い信号品質が存在していたかどうかを評価することができる。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、上記の課題を解決するために、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための出力システムが提案される。当該出力システムは、前述の実施形態のうちの少なくとも1つによる出力装置と、データ取得装置とを含む。データ取得装置は、受信したセンサ信号を介してセンサデータを取得し、センサ信号の信号品質を決定し、対応する信号品質データ、とりわけ対応する目下の信号品質データをセンサデータに対応付けるように構成されている。データ取得装置は、センサデータと、対応付けられた信号品質データとを出力装置に出力するようにさらに構成されている。この出力は、とりわけ受信信号の形態で出力装置に直接的に実施可能であるか、またはさらなる機器を介して間接的に実施可能である。さらなる機器は、例えば、第1の信号プロトコルから第2の信号プロトコルへと信号を変換する機器であり得る。これによって特に有利には、それぞれ異なる機器間および/またはそれぞれ異なる製造者による機器間の互換性を実現することができる。
【0027】
好ましくは、決定された信号品質は、受信したセンサ信号の信号対雑音比に基づく。代替的または追加的に、信号品質の決定は、例えば、いわゆるSINAD値(signal-to-interference ratio including noise and distortion)を介して実施可能である。代替的または追加的に、例えば、ピクセル幅、センサ解像度等のような測定の粒度を考慮して、検出されたデータのダイナミックレンジを考慮してもよい。
【0028】
出力システムの特に有利な実施形態では、データ取得装置は、センサデータと、対応付けられた信号品質データとの間の相関を経時的に決定して、出力装置に出力するように構成されており、出力装置は、測定値推移の拡幅部を、相関に基づいて決定するようにさらに構成されている。信号品質が、例えばセンサデータに全く関係なく常に同様のレベルにある場合には、推移曲線拡幅部の変化が予期されないので、推移曲線拡幅部が決定される時点同士の間の時間間隔を延長することができる。代替的または追加的に、センサデータの種類は、対応付けられた信号品質との強力な相関関係を有する可能性があり、したがって、センサデータの具体的な種類に対しては常に同様の信号品質が存在する。センサデータの種類は、データの種類、測定値の種類、測定値を決定するための機器の種類等であり得る。
【0029】
好ましい実施形態では、出力システムは、外部の警報システムとの通信接続を提供し、センサ信号の目下決定された信号品質が所定の限界値を下回っている場合に、警告信号を提供するように構成されている。この実施形態では、警報システムのユーザおよび出力システムのユーザに、目下決定された信号品質が所定の限界値を下回っていることが通知される。これにより、例えば対応する接続の修復または新たな接続の構築のような、ユーザによる反応を開始することが可能となる。この実施形態の変形例では、出力システムは、出力されるべき測定値推移の内部の測定値が所定の閾値を通過した場合に、警告信号を提供するようにさらに構成されている。警告信号の提供は、好ましくは、外部の警報システムによって通信接続を介して実施される。代替的および/または追加的に、警告信号を、追加的または排他的に出力システムによって出力システムのユーザに光学的および/または音響的に出力することができる。
【0030】
有利な実施形態では、出力システムは、ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに有し、ユーザ入力は、出力システムの動作モード、格納されている複数のグラフィック表示からの、出力されるべき線図のためのグラフィック表示の選択、とりわけ経時的な測定値推移の表示されるべき拡幅部のグラフィック表示の選択、および/または格納されている複数の決定規則からの、信号品質を決定するための決定規則の選択に関する。出力システムの選択されるべき動作モードは、例えば、出力システムのアクティブ化または非アクティブ化を含むことができる。この実施形態では、グラフィック表示を、出力システムのユーザの好みに適合させることができる。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、上記の課題を解決するために、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するための方法が提案される。本発明による方法は、
・センサデータおよび信号品質データを受信および提供するステップを有し、センサデータは、医学的測定値の経時的な測定値推移を示し、信号品質データは、経時的な測定値推移に対応付けられた経時的な信号品質推移を示し、
・当該方法は、センサデータおよび信号品質データに基づいて、測定値推移曲線を有する出力されるべき線図を決定して、対応する出力信号を提供するステップを有し、測定値推移曲線は、経時的な測定値推移と、測定値推移の推移曲線拡幅部とを示し、測定値推移曲線は、出力されるべき線図の内部における当該測定値推移曲線の位置および構造によって、医学的測定値の経時的な測定値推移を示し、測定値推移曲線のそれぞれ1つの時点に対応付けられた推移曲線拡幅部は、測定値推移曲線のその時点に信号品質データに従って存在する信号品質についての尺度であり、
・当該方法は、出力信号を受信して、測定値推移曲線を有する出力されるべき線図をグラフィカルに出力するステップを有し、推移曲線拡幅部は、経時的な測定値推移の対応する拡幅部として表示される。
【0032】
本発明による方法のステップは、提示されている順序で実施される。したがって、最初にセンサデータおよび信号品質データが受信され、その後、センサデータおよび信号品質データに基づいて、測定値推移曲線を有する出力信号が決定され、次いで、グラフィカルに出力される。
【0033】
好ましくは、方法ステップは、少なくともほぼリアルタイムで実施され、したがって、データの受信と、出力されるべき線図のグラフィカルな出力との間に5秒未満、好ましくは2秒未満、特に好ましくは1秒未満が存在する。これにより、本発明による方法の使用者は、患者の目下の状態および目下の信号品質を、グラフィカルな出力を介して特に迅速に認識することが可能となる。
【0034】
好ましくは、本発明による方法のステップは、単一の機器によって実施される。代替的に、方法ステップのうちの少なくとも1つを、離間された場所にある機器上で実施してもよい。
【0035】
本発明の第4の態様によれば、上記の課題を解決するために、コンピュータ上、プロセッサ上、またはプログラミング可能なハードウェアコンポーネント上で実行された場合に、本発明の第3の態様による方法を実施するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラムが提案される。好ましくは、本発明による方法のいくつかのステップは、共通のコンピュータ、共通のプロセッサ、または共通のプログラミング可能なハードウェアコンポーネントによって実施される。好ましくは、個々のステップは、対応するソフトウェアブロックによって少なくともソフトウェアレベルでは互いに分離されている。特に好ましくは、本発明による方法の全てのステップは、共通のコンピュータ上、共通のプロセッサ上、または共通のプログラミング可能なハードウェアコンポーネント上で実施される。
【0036】
以下では、図面に概略的に示されている有利な実施例に基づいて本発明をより詳細に説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1の態様による出力装置の第1の実施例の概略図である。
【
図2】本発明の第1の態様による出力装置の測定値推移曲線の概略図であり、非連続的な拡幅部が示されている。
【
図3】本発明の第1の態様による出力装置の測定値推移曲線の概略図であり、連続的な拡幅部が示されている。
【
図4】本発明の第1の態様による出力装置の測定値推移曲線の概略図であり、離散的な拡幅部が示されている。
【
図5】本発明の第1の態様による出力装置の第2の実施例の概略図である。
【
図6】本発明の第2の態様による出力システムの第1の実施例の概略図である。
【
図7】本発明の第2の態様による出力システムの第2の実施例の概略図である。
【
図8】本発明の第3の態様による方法の実施例のフローチャートである。
【0038】
図1は、本発明の第1の態様による出力装置100の第1の実施例の概略図を示す。
【0039】
出力装置100は、医学的測定値107の経時的な測定値推移122を出力するように構成されている。このために、出力装置100は、受信ユニット110と、出力制御ユニット120と、ディスプレイユニット130とを有する。
【0040】
受信ユニット110は、少なくとも1つの受信信号112を介してセンサデータ114および信号品質データ116を受信して、出力装置100による後続処理のために提供するように構成されている。この提供は、図示の実施例では処理信号118を介して実施される。センサデータ114は、医学的測定値107の経時的な測定値推移122を示し、信号品質データ116は、経時的な測定値推移122に対応付けられた経時的な信号品質推移を示す。本実施例では、センサデータ114および信号品質データ116は、受信ユニット110が有線で通信している図示されていない外部の機器によって提供される。このために、受信ユニット110は、受信信号112を受信するための受信インターフェース111を有する。本実施例では、センサデータ114および信号品質データ116は、それぞれの対応するデータを伝送する単一の受信信号112によって提供される。代替的または追加的に、データまたは他の情報を受信するための複数の受信信号を設けてもよい。
【0041】
出力制御ユニット120は、センサデータ114および信号品質データ116に基づいて、測定値推移曲線125を有する出力されるべき線
図124を決定して、出力信号128を介して提供するように構成されている。測定値推移曲線125は、経時的な測定値推移122と、測定値推移122の推移曲線拡幅部123とを示す。測定値推移曲線125は、出力されるべき線
図124の内部における当該測定値推移曲線125の位置および構造によって、医学的測定値107の経時的な測定値推移122を示す。このことは、例えば、図示の実施例から見て取れるように座標系の内部の位置を介して実施可能である。他の図示の実施例では、このことは、対応する測定値および/または対応する時点のオーダを示すマーキング、とりわけ散発的なマーキングを介して実施される。測定値推移曲線125のそれぞれ1つの時点に対応付けられた推移曲線拡幅部123は、測定値推移曲線125のその時点に信号品質データ116に従って存在する信号品質108についての尺度である。
【0042】
図1に概略的に示されているように、センサデータ114および信号品質データ116から、それぞれ医学的測定値107および信号品質108についての値が決定され、出力されるべき線
図124となるように組み合わされる。
【0043】
ディスプレイユニット130は、対応する出力信号128を受信して、ディスプレイユニット130のディスプレイ132上に、測定値推移曲線125と対応する推移曲線拡幅部123とを有する出力されるべき線
図124をグラフィカルに出力するように構成されている。推移曲線拡幅部123は、経時的な測定値推移122の対応する拡幅部126として表示されている。
【0044】
本発明によれば、経時的な測定値推移122のこの拡幅部126は、種々異なる手法で実現可能である。図示の実施例では、測定値推移122から出発して非対称の拡幅部が示されている。
図2~
図4では、対応する測定値推移の対称の拡幅部が示されている。
【0045】
図示の実施例では、測定値推移122は、高コントラストの実線によって、点線で示されている推移曲線拡幅部123の縁部領域よりも高コントラストで表示されている。拡幅部126は、測定値推移122の周りの、したがって、測定値推移曲線125のうちの測定値推移122を示す領域の周りの、すなわち、本実施例では実線の周りの連続的に延在する拡幅部をそれぞれ示す。線
図124は、図示の実施例ではX軸およびY軸によって線図として認識可能である。X軸は、時間間隔を表しており、これに対してY軸は、検査された医学的測定値107に依存している。
【0046】
拡幅部は、拡幅部のこの対応する時点に信号品質データ116に従って存在する信号品質108に反比例する。
【0047】
図示の実施例では、信号品質108は、事前に受信したセンサ信号の信号対雑音比に基づく値である。この比は、図示されていない外部機器によって決定され、受信信号112を介して本発明による出力装置100に出力されたものである。
【0048】
本発明による出力装置100のそれぞれのユニットは、図示の実施例に示されているように共通のハウジング102内に配置可能である。代替的または追加的に、本発明による出力装置の個々のユニットを、とりわけ別個のハウジング内に互いに離間させて配置してもよい。ユニット同士が互いに離間されている場合には、無線通信が特に有利である。このような無線通信は、ネットワーク、Bluetooth、BLE、またはZigBee等を介して実施可能である。
【0049】
図示の実施例では、それぞれのユニットは、少なくともソフトウェアレベルでは互いに分離されており、図示されていない共通のプロセッサによって実施される。
【0050】
図2、
図3、および
図4は、本発明の第1の態様による出力装置のそれぞれの測定値推移曲線225,325,425の概略図を示し、非連続的な拡幅部(
図2)、連続的な拡幅部(
図3)、および離散的な拡幅部(
図4)が示されている。
【0051】
測定値推移122は、図示されている測定値推移曲線225,325,および425に関してそれぞれ同一であり、したがって、図示されている概略図は、線図の、すなわち測定値推移の表示の種類と、拡幅部の大きさおよび表示の種類とのみが異なっている。
【0052】
図2は、存在する測定値の目下のオーダを評価するための2つの異なる値のみを有するY軸を示す。X軸は、時間範囲を表している。この時間範囲は、マーキング等が付されることなく示されている。
【0053】
測定値推移122は、実線として示されている。推移曲線拡幅部223は、拡幅部の中心点としての、センサデータによって示されている測定値の周りに対称に示されている。拡幅部の大きさは、所定の時間間隔内の単一の測定値に基づいて決まる。その結果として得られた拡幅部は、その時間間隔全体に関して示される。拡幅部によって形成される、測定値の大きさについての間隔は、測定値推移122の領域では高コントラストで表示されており、拡幅部の縁部に向かって低コントラストになる。
【0054】
図3は、目下存在する測定値のオーダを示すための、線が付されてはいるが値は明示的に記入されていないY軸を示す。X軸は、時間範囲を表している。この時間範囲は、所定の時間間隔内の個々のマーキングによって視覚的に認識可能である。
【0055】
推移曲線拡幅部123の表示は、
図1に示されているように、この拡幅部の縁部領域を低コントラストで表示することによって実施される。測定値推移122および推移曲線拡幅部123の推移の両方が連続的に示されているので、示されているそれぞれの個々の測定値ごとに、それらの測定値に対応付けられるべき信号品質を認識することが可能となっている。
【0056】
図4は、Y軸およびX軸の両方に沿った散発的なマーキングのみを示し、これらのマーキングは、示されている時間間隔および測定値間隔の対応する領域を、視覚的に認識可能にするものである。
【0057】
推移曲線拡幅部423は、測定値推移122の表示に従って離散的な刻みで表示されており、この測定値推移122も、離散的に示された測定値107によって視覚化されている。したがって、それぞれの示されている測定値107に対して1つの拡幅部が対応付けられており、これらの拡幅部が、示されている推移曲線拡幅部423をもたらす。
【0058】
図5は、本発明の第1の態様による出力装置500の第2の実施例の概略図を示す。
【0059】
出力装置500は、受信ユニット510が2つの受信信号512,512’を受信するように構成されているという点で、
図1に示されている出力装置100とは異なっており、この場合、受信信号512は、センサデータ114を示し、さらなる受信信号512’は、信号品質データ116を示す。代替的または追加的な実施例では、例えば、それぞれ異なる時点での測定値および/またはそれぞれ異なる外部機器によって評価された測定値を示す複数の異なる受信信号が、本発明による受信ユニットによって時間的に間隔を置いて受信される。
【0060】
受信ユニット510は、警報信号513を介して警報データ517を受信するようにさらに構成されている。警報データ517は、医学的測定値107に対する少なくとも1つの警報限界を示す。出力制御ユニット520は、警報限界509の少なくとも1つの出力されるべき表示を決定して、出力信号528を介して提供するようにさらに構成されている。警報限界509は、線
図124における警報線527として示されている。
【0061】
出力装置500は、出力されるべき線
図124のための複数のグラフィック表示が格納されているメモリモジュール540をさらに含む。メモリモジュール540は、目下決定されたグラフィック表示を出力制御ユニット520に出力するように構成されており、これにより、出力制御ユニット520は、この目下決定されたグラフィック表示を使用して、出力されるべき線
図124を決定する。
【0062】
最後に、出力装置100とは異なり出力装置500は、入力ユニット550を含み、入力ユニット550は、入力インターフェース552を介してユーザ入力554を受信して、対応する入力信号556をメモリモジュール540および/または出力制御ユニット520に出力するように構成されている。入力信号556は、グラフィック表示として使用されるべき目下決定されたグラフィック表示の選択を示すことができ、出力装置500の目下の動作モード、例えばアクティブ化または非アクティブ化を示すことができ、かつ/または警報限界509の出力のアクティブ化または非アクティブ化を示すことができる。
【0063】
図示されていない実施例では、入力信号は、本発明による受信ユニットのための受信モード、および/または本発明によるディスプレイユニットの出力モードを示すことができる。
【0064】
本実施例では、測定値推移122は、それぞれの新しい測定値ごとにこれらの測定値に対応する不連続点を有する連続した推移として表示される。これに応じて推移曲線拡幅部523も、それぞれの新しい離散的な測定値ごとに不連続点を有する。
【0065】
図6は、本発明の第2の態様による出力システム605の第1の実施例の概略図を示す。
【0066】
出力システム605は、医学的測定値107の経時的な測定値推移122を出力するように構成されている。このために、出力システム605は、本発明の第1の態様による出力装置600と、データ取得装置660とを含む。
【0067】
データ取得装置660は、受信したセンサ信号662を介してセンサデータ114を取得し、センサ信号662の信号品質を決定し、対応する信号品質データ116、とりわけ対応する目下の信号品質データをセンサデータ114に対応付けるように構成されている。図示の実施例では、センサデータ114は、対応する対応付けられた信号品質データ116と結び付けられて、組み合わされたデータセット664を形成し、次いで、この組み合わされたデータセット664が出力される。組み合わされたデータセット664は、ネットワークまたは患者データ管理システム等に出力可能である。図示の実施例では、受信ユニット110によって受信された受信信号112は、出力としてデータ取得装置660によって直接的に提供される。
【0068】
メモリモジュール640は、図示の実施例では別個のモジュールではなく、出力制御ユニット620の一部である。
【0069】
表示されている線
図124は、離散的な測定値107を、対応する離散的な推移曲線拡幅部623と共に示している。推移曲線拡幅部623は、測定値107の領域における高コントラストの中央部から、この拡幅部の低コントラストの縁部領域までの推移を示す。
【0070】
図7は、本発明の第2の態様による出力システム705の第2の実施例の概略図を示す。
【0071】
出力システム705は、外部の警報システム770との通信接続を有しているという点で、
図6に示されている出力システム605とは異なっている。通信接続は、ネットワーク780を介して実施され、データ取得装置760は、ネットワーク780を介して受信ユニット710に接続されている。通信接続は、リターンチャネルによってさらに形成され、受信ユニット710は、センサ信号662の目下決定された信号品質が所定の限界値を下回っている場合に、このリターンチャネルを介して警告信号772を出力することができる。代替的または追加的な実施例では、データ取得装置は、そのような警告信号を外部の警報システムに出力するように構成されている。さらなる代替的または追加的な実施例では、出力制御ユニットが、そのような警告信号を外部の警報システムに出力するように構成されている。
【0072】
外部の警報システム770は、光学的な出力774を含み、この光学的な出力774によって、目下決定された信号品質に関して所定の限界値を下回っていることが示される。
【0073】
最後に、出力システム705は、入力ユニット750を含み、入力ユニット550に関して既に説明されているように、この入力ユニット750を介してユーザ入力754を受信して、後続処理することができる。ユーザ入力754は、出力システム705の動作モード、格納されている複数のグラフィック表示からの、出力されるべき線
図124のためのグラフィック表示の選択、とりわけ、経時的な測定値推移122の表示されるべき拡幅部のグラフィック表示の選択、および/または格納されている複数の決定規則からの、信号品質を決定するための決定規則の選択に関する。
【0074】
代替的または追加的に、出力されるべき線図と一緒に表示されるべき、経過する時間範囲の期間を、ユーザ入力を介して設定してもよい。
【0075】
図示の実施例では、決定された信号品質は、好ましくは、受信したセンサ信号662の信号対雑音比に基づいて決定される。
【0076】
この線
図124は、測定値推移122の周りに非対称の推移曲線拡幅部を有する線図である。グラフィック表示は、
図1に示されている実施例に従って実施される。
【0077】
図示されていない実施例では、データ取得装置は、センサデータと、対応付けられた信号品質データとの間の相関を経時的に決定して、出力するようにさらに構成されており、測定値推移の拡幅部は、好ましくはこの相関に基づいて決定される。
【0078】
図8は、本発明の第3の態様による方法800の実施例のフローチャートを示す。
【0079】
本発明による方法800は、医学的測定値の経時的な測定値推移を出力するように構成されている。方法800は、以下に説明されるステップを有する。
【0080】
第1のステップ810は、センサデータおよび信号品質データを受信および提供することを含み、センサデータは、医学的測定値の経時的な測定値推移を示し、信号品質データは、経時的な測定値推移に対応付けられた経時的な信号品質推移を示す。
【0081】
後続のステップ820は、センサデータおよび信号品質データに基づいて、測定値推移曲線を有する出力されるべき線図を決定して、対応する出力信号を提供することを含み、測定値推移曲線は、経時的な測定値推移と、測定値推移の推移曲線拡幅部とを示し、測定値推移曲線は、出力されるべき線図の内部における当該測定値推移曲線の位置および構造によって、医学的測定値の経時的な測定値推移を示し、測定値推移曲線のそれぞれ1つの時点に対応付けられた推移曲線拡幅部は、測定値推移曲線のその時点に信号品質データに従って存在する信号品質についての尺度である。
【0082】
最後に、最終的なステップ830は、出力信号を受信して、測定値推移曲線を有する出力されるべき線図をグラフィカルに出力することを含み、推移曲線拡幅部は、経時的な測定値推移の対応する拡幅部として表示される。
【0083】
ステップ810,820,および830は、図示されている順序で実施される。したがって、常に最初に受信信号が受信され、それに応じて出力が制御され、最後に最終的なステップ830において出力される。
【0084】
ステップ830による出力を、ステップ810によるセンサデータおよび信号品質データの新たな受信と同時に実施してもよい。したがって、好ましくは、本発明による方法が、常に目下の測定値推移を表示するために、短時間で順次に実施される時間刻みで繰り返される。
【0085】
好ましくは、ステップ810での受信信号の受信と、ステップ830での出力信号の出力との間に、10秒未満、好ましくは5秒未満、特に好ましくは2秒未満が経過する。
【0086】
図示の実施例において説明されているように、本発明による方法は、表示されるべき連続的な測定値推移のために実施可能であり、このことは、好ましくは本発明による方法800の特に迅速な実施を必要とする。代替的または追加的に、本発明による方法を、離散的な時間刻みでの測定を必要とする測定値の離散的な表示のために実施してもよい。この場合には、本方法は、好ましくは、表示される2つの測定値の間の時間間隔よりも短時間の時間刻みで順次に実施される。
【0087】
方法ステップは、単一の機器によって、とりわけ単一のプロセッサによって実施可能である。代替的に、方法ステップのうちの少なくとも1つを、この方法ステップとは別の方法ステップが実施される場所から離間された場所で実施してもよい。とりわけ、本発明による方法を、複数のプロセッサによって実施してもよい。
【符号の説明】
【0088】
100,500,600 出力装置
102 ハウジング
107 医学的測定値
108 信号品質
110,510,710 受信ユニット
111 受信インターフェース
112,512,512’ 受信信号
114 センサデータ
116 信号品質データ
118 処理信号
120,520,620 出力制御ユニット
122 測定値推移
123,223,423,523,623 推移曲線拡幅部
124 出力されるべき線図
125,225,325,425 測定値推移曲線
126 拡幅部
128,528 出力信号
130 ディスプレイユニット
132 ディスプレイ
509 警報限界
513 警報信号
517 警報データ
527 警報線
540,640 メモリモジュール
550,750 入力ユニット
552 入力インターフェース
554,754 ユーザ入力
556 入力信号
605,705 出力システム
660,760 データ取得装置
662 センサ信号
664 組み合わされたデータセット
770 外部の警報システム
772 警告信号
774 光学的な出力
780 ネットワーク
800 方法
810,820,830 方法ステップ
【外国語明細書】