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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088331
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】支持構造体を製造するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/00 20060101AFI20220607BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
B29D30/00
B29C33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021191706
(22)【出願日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】17/109901
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ジェイハン セリック
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン アモス エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル スコット ディーム
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェームズ ホーガン
(72)【発明者】
【氏名】アルン クマル バヤタラヤナプラ ゴパラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ マイケル ストイラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ アルフレッド ベンジン ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
4F202
4F215
【Fターム(参考)】
4F202AH20
4F202CA21
4F202CU01
4F202CU03
4F202CU20
4F202CV30
4F202CX10
4F215AH20
4F215VC08
4F215VL27
4F215VP37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】性能を増大させた非空気入りホイール/タイヤアッセンブリを製造するためのシステムを提供する。
【解決手段】システム200は、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140を硬化して製造する。システムは、対応する環状の半径方向内側表面142に滑り入れられる環状のハブ部材210と、対応する均一なキャビティ寸法を維持するための複数の細長いスペーサ部材であって、スペーサ部材を、フラップ部材を用いてハブ部材に固定することで対応する均一なキャビティ寸法を維持し、スペーサ部材の夫々の半径方向最外周表面を囲み、ハブ部材とスペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第1の環状硬化プラテンと、ハブ部材とスペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第2の環状硬化プラテンと、複数の細長いインサートと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に硬化されたタイヤアッセンブリを硬化して製造するためのシステムであって、前記システムは、
前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの対応する環状の半径方向内側表面に滑り入れられる環状のハブ部材と、
前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリにおいて対応する均一なキャビティ寸法を維持するための複数の細長いスペーサ部材であって、前記スペーサ部材を前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリのフラップ部材を用いて前記ハブ部材に固定することで均一なキャビティ寸法が維持され、前記スペーサ部材は前記スペーサ部材の夫々の半径方向最外周表面を囲む複数の細長いスペーサ部材と、
前記ハブ部材と前記スペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第1の環状硬化プラテンと、
前記ハブ部材と前記スペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第2の環状硬化プラテンと、
実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するための複数の細長いインサートとであって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、各インサートの半径方向外側表面と、前記タイヤアッセンブリのフラップ部材によって形成され、フラップ部材は前記スペーサ部材の前記半径方向最外周表面によって位置決めされた複数の細長いインサートと、を含むことを特徴とする、システム。
【請求項2】
トレッド部材の半径方向外側表面の周囲に円周方向に配置された複数のモールド部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モールド部材の半径方向内側表面は、前記トレッド部材の前記半径方向外側表面にトレッドの形をした外側表面を共に形成することを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記スペーサ部材、第1および第2の硬化プラテン、三角形のインサートおよびモールド部材は加熱され、前記フラップ部材、シアバンドおよびトレッド部材を完全な硬化したタイヤアッセンブリの成型一体部品に硬化形成することを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記細長いインサートは、三角形の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記モールド部材は、前記完全な硬化したタイヤアッセンブリの周囲から半径方向に取り外し可能であることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記硬化プラテンは、前記ハブ部材、前記細長いスペーサ部材および細長いインサートから軸方向に取り外し可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記硬化プラテンは、熱い液体によって加熱されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記細長いスペーサ部材プラテンは、蒸気によって加熱されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ摩耗状態推定システム。
【請求項10】
前記細長いインサートは、電気によって加熱されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
部分的に硬化されたタイヤアッセンブリを硬化して完成させるための方法であって、前記方法は、
環状のハブ部材を前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの対応する環状の半径方向内側表面に滑り入れるステップと、
前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリにおける対応する均一なキャビティ内で複数のスペーサ部材を維持するステップと、
前記スペーサ部材を、前記スペーサ部材の夫々の半径方向最外周表面を囲む部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの未硬化フラップ部材で、前記ハブ部材に固定するステップと、
第1および第2の硬化プラテン、前記ハブ部材およびスペーサ部材を互いに対して軸方向に固定するステップと、
実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するステップであって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、スペーサ部材の半径方向最外周表面によって位置決めされた、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの前記未硬化フラップ部材の夫々と、各スペーサ部材の半径方向外側表面と、によって形成された実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記均一な外側円筒表面の周囲に、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの未硬化の内側環状シアバンドと未硬化の外側環状トレッド部材と、を円周方向に連続的に配置するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの前記未硬化の内側環状シアバンドと前記未硬化の外側環状トレッド部材と、を互いに固定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記トレッド部材の半径方向外側表面の周囲に、複数のモールド部材を円周方向に配置するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記モールド部材の半径方向内側表面によって、前記トレッド部材の前記外側表面にトレッドの形をした外側表面を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記スペーサ部材、硬化プラテン、細長いインサートおよびモールド部材を加熱し、前記フラップ部材、シアバンドおよびトレッド部材を完全な硬化したタイヤアッセンブリに形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モールド部材を前記完全な硬化したタイヤアッセンブリの周囲から半径方向に取り外すステップをさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記硬化プラテンを前記ハブ部材210から軸方向に取り外すステップをさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記完全な硬化したタイヤアッセンブリから前記スペーサ部材とインサートとを軸方向に取り出し、リムマウント可能な完全な硬化したタイヤアッセンブリのスポーク構造内に安定したキャビティを露出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記加熱するステップは、熱い液体、蒸気および電気からなる前記グループからの媒体を含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール/タイヤアッセンブリに関し、特に、非空気入りホイール/タイヤアッセンブリを製造するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラジアル空気入りタイヤは、リムとベルト層との間で荷重を支持し伝えるためにプライ補強材に依存する。これらのプライコードは、荷重を支持するために張力をかける必要がある。これらのプライコードの張力付加は、タイヤの内部チャンバ内の圧縮空気で達成される。空気圧が失われると空気入りタイヤの荷重支持能力は著しく低下する。タイヤメーカにとって、ゆっくりとした、または突然の空気圧の消失を防止することは課題であった。1つの提案された解決策は、非空気入りタイヤを使用することである。トップローダ非空気入りタイヤは、トップローダ非空気入りタイヤの耐久性、速度定格/制限および荷重支持性が空気入りタイヤのレベルまで増加することができるとすれば、空気入りタイヤのように機能することができる。
【0003】
多くのトップローダ非空気入りタイヤは、車両の荷重を支持するためにポリマースポークに依存する。スポークは荷重をリムからシアバンドに伝える。これらのタイヤのスポークに使用されるポリマー材料の特性のため、これらのタイヤの性能は制限される。本発明の目的は、この制限を克服し、これらのスポークの荷重支持能力および耐久性を増加させ、以ってトップローダ非空気入りタイヤの性能を増大させることである。
【0004】
(定義)
本明細書および特許請求の範囲において以下のように使用される。
【0005】
「環状」とは、リングのように形成されていることを意味する。
【0006】
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を示す。
【0007】
「周方向の」および「周方向に」とは、赤道面(EP)に平行で軸線方向に垂直な環状のタイヤの表面の周縁部に沿って延びるラインまたは方向を意味し、隣接する円形曲線の複数の組であって、断面視において、それらの円形曲線の半径がトレッドの軸線方向の湾曲を画定する複数の円形曲線の組の方向を示すこともある。
【0008】
「赤道面(EP)」とは、タイヤの回転軸に垂直で、タイヤのトレッドの中心を通る面、またはトレッドの周方向中心線を含む面を意味する。
【0009】
「内側」とは、タイヤの内側に向かうことを意味し、「外側」とは、タイヤの外側に向かうことを意味する。
【0010】
「横方向」とは、軸方向を意味する。
【0011】
「通常負荷」とは、タイヤの使用条件に対して、適切な標準化機構によって割り当てられた負荷を意味する。
【0012】
「半径方向の」および「半径方向に」とは、径方向にタイヤの回転軸に向かい、または離れる方向を意味する。
【0013】
「ばね率」とは、所与の圧力での負荷撓み曲線の勾配として表されるタイヤの剛性を意味する。
【0014】
「トレッド」とは、タイヤケーシングに結合されたときに、タイヤの通常負荷通常膨張時に道路と接触するタイヤの部分を含む成型されたゴム部品を意味する。
【0015】
「トレッド要素」または「牽引要素」とは、リブまたはブロック要素を意味する。
【0016】
「トレッド幅」とは、タイヤの回転軸を含む平面におけるトレッド表面の弧の長さを意味する。
【0017】
「垂直撓み」とは、タイヤが負荷の下で撓む量を意味する。
【0018】
「ホイール」または「ハブ」はタイヤを支持し、車両の車軸に取り付けるための構造を意味する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によるシステムは、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリを硬化して製造する。前記システムは、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの対応する環状の半径方向内側表面に滑り入れられる環状のハブ部材と、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリにおいて対応する均一なキャビティ寸法を維持するための複数の細長いスペーサ部材であって、前記スペーサ部材を前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリのフラップ部材を用いて前記ハブ部材に固定することで均一なキャビティ寸法が維持され、前記スペーサ部材は前記スペーサ部材の夫々の半径方向最外周表面を囲む複数の細長いスペーサ部材と、前記ハブ部材と前記スペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第1の環状硬化プラテンと、前記ハブ部材と前記スペーサ部材とを互いに対して軸方向に固定するための第2の環状硬化プラテンと、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するための複数の細長いインサートとであって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、各インサートの半径方向外側表面と、前記タイヤアッセンブリのフラップ部材によって形成され、フラップ部材は前記スペーサ部材の前記半径方向最外周表面によって位置決めされた複数の細長いインサートと、を含む。
【0020】
本システムの別の態様によれば、複数のモールド部材は、トレッド部材の半径方向外側表面の周囲に円周方向に配置される。
【0021】
本システムのさらに別の態様によれば、前記モールド部材の半径方向内側表面は、前記トレッド部材の前記半径方向外側表面にトレッドの形をした外側表面を共に形成する。
【0022】
本システムのさらに別の態様によれば、前記スペーサ部材、第1および第2の硬化プラテン、三角形のインサートおよびモールド部材は加熱され、前記フラップ部材、シアバンドおよびトレッド部材を完全な硬化したタイヤアッセンブリの成型一体部品に硬化形成する。
【0023】
本システムのさらに別の態様によれば、前記細長いインサートは、三角形の断面を有する。
【0024】
本システムのさらに別の態様によれば、前記モールド部材は、前記完全な硬化したタイヤアッセンブリの周囲から半径方向に取り外し可能である。
【0025】
本システムのさらに別の態様によれば、前記硬化プラテンは、前記ハブ部材、前記細長いスペーサ部材および細長いインサートから軸方向に取り外し可能である。
【0026】
本システムのさらに別の態様によれば、前記硬化プラテンは、熱い液体によって加熱される。
【0027】
本システムのさらに別の態様によれば、前記細長いスペーサ部材プラテンは、蒸気によって加熱される。
【0028】
本システムのさらに別の態様によれば、前記細長いインサートは、電気によって加熱される。
【0029】
本発明による方法は、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリを硬化して完成させる。前記方法は、環状のハブ部材を前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの対応する環状の半径方向内側表面に滑り入れるステップと、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリにおける対応する均一なキャビティ内で複数のスペーサ部材を維持するステップと、前記スペーサ部材を、前記スペーサ部材の夫々の半径方向最外周表面を囲む部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの未硬化フラップ部材で、前記ハブ部材に固定するステップと、第1および第2の硬化プラテン、前記ハブ部材およびスペーサ部材を互いに対して軸方向に固定するステップと、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するステップであって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、スペーサ部材の半径方向最外周表面によって位置決めされた、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの前記未硬化のフラップ部材の夫々と、各スペーサ部材の半径方向外側表面と、によって形成された実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を形成するステップと、を含む。
【0030】
本方法の別の態様によれば、さらなるステップは、前記均一な外側円筒表面の周囲に、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの未硬化の内側環状シアバンドと未硬化の外側環状トレッド部材と、を円周方向に連続的に配置するステップを含む。
【0031】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記部分的に硬化されたタイヤアッセンブリの前記未硬化の内側環状シアバンドと前記未硬化の外側環状トレッド部材と、を互いに固定するステップを含む。
【0032】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記トレッド部材の半径方向外側表面の周囲に、複数のモールド部材を円周方向に配置するステップを含む。
【0033】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記モールド部材の半径方向内側表面によって、前記トレッド部材の前記外側表面にトレッドの形をした外側表面を形成するステップを含む。
【0034】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記スペーサ部材、硬化プラテン、細長いインサートおよびモールド部材を加熱し、前記フラップ部材、シアバンドおよびトレッド部材を完全な硬化したタイヤアッセンブリに形成するステップを含む。
【0035】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記モールド部材を前記完全な硬化したタイヤアッセンブリの周囲から半径方向に取り外すステップを含む。
【0036】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記硬化プラテンを前記ハブ部材210から軸方向に取り外すステップを含む。
【0037】
本方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、前記完全な硬化したタイヤアッセンブリから前記スペーサ部材とインサートとを軸方向に取り出し、リムマウント可能な完全な硬化したタイヤアッセンブリのスポーク構造内に安定したキャビティを露出するステップを含む。
【0038】
本方法のさらに別の態様によれば、前記加熱するステップは、熱い液体、蒸気および電気からなる前記グループからの媒体を含む。
本発明は、添付の図面を参照しながら、そのいくつかの実施例の以下の説明により、より明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による一実施例のホイール/タイヤアッセンブリの一部の概略斜視図である。
図2図1のアッセンブリの一部の別の概略斜視図である。
図3図1のアッセンブリの別の部分の概略斜視図である。
図4図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図5図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図6図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図7図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図8図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図9図1のアッセンブリのさらに別の部分の分解概略斜視図である。
図10図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図11図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図12図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図13図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図14図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図15図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図16図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図17図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図18図1のアッセンブリのさらに別の部分の分解概略斜視図である。
図19図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図20図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図21図1のアッセンブリのさらに別の部分の概略斜視図である。
図22】本発明による例示的な方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
従来のホイール/タイヤアッセンブリは、複合材の軽量ばねによって中央ハブに柔軟に接続された、シアバンドのような外側リングを有することができる。ばねは、リングおよびハブに固定されたプレートであってもよい。ハブは減速ギヤユニットおよび/または電動機を含んでいてもよく、車両シャーシを各ホイールに接続するためのサスペンション機構を有していてもよい。リングは炭素繊維補強ナイロン材料のような可撓性複合材料から構成することができ、ツインゴムタイヤと、地面を掴み改善されたトラクションを提供する、周方向に間隔を空けられた複数の半径方向クリートとを有する。ハブはまた、炭素繊維補強複合材料から形成されていてもよい。別の従来のホイールは、改善されたグリップのために複合リングに接着された成型トレッドを有するゴムのストリップを有していてもよい。さらに、リングとハブとを相互接続するばねは、S字型の複合材の軽量ばねであってもよい。
【0041】
別の従来のホイール/タイヤアッセンブリは、炭素繊維補強ポリアミドのような軽量の複合材料から形成してもよい。アッセンブリは、円筒形の中央ハブと、円形の外側可撓性リムとを有することができ、外側可撓性リムは、中央ハブと円形リムとの間を延びる無端ループ型のばねベルトによって、中央ハブに取り付けられる。6つの半径方向ループを、ばねベルトによって画定することができる。ばねベルトは、接着、凝集、半田付け、および/またはボルト、リベット、および/またはクランプによる機械的固定のような任意の好適な手段によって、中央ハブおよび円形リムに取り付けることができる。
【0042】
図20-21に示すように、全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、本出願人の米国特許第10,207,544号に記載されるような例示的なタイヤアッセンブリは、例えば、標準的なタイヤゴム化合物、熱可塑性ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、天然ゴムのような架橋ポリマー、合成ゴムのようなポリマー、エポキシ樹脂、および/またはフェノール樹脂のような軽量ポリマー材料から形成することができる。アッセンブリは、自動車のホイール(図示せず)のような内側中央リムと、円形の外側可撓性リングと、を有することができ、外側可撓性リングは、内側中央リムと外側リングとの間を延びる連続コード/織物補強スポーク構造によって内側中央リムに取り付けられたシアバンドおよびトレッド構造を含むことができる。
【0043】
スポーク構造は内側中央リムの周囲に同心円状に配置された複数のキャビティを画定することができ、複数のキャビティはスポーク構造が荷重を受けて撓むことを可能にし、それにより、乗り心地のためのフレキシビリティと、アッセンブリのフットプリント内のトラクション、車両ハンドリングのための剛性と、低い転がり抵抗と、スポーク構造内の低発熱性との間の適切なバランスが定められる。スポーク構造のキャビティは開口をさらに画定することができ、内部中央リムのアームが開口を通って延び、スポーク構造を内部中央リムに固定することができる。アームは、機械的インターロック装置の一部と係合することができる。内側中央リムは、アームと共にスポーク構造の上記一部を挟み込み、内側中央リムとスポーク構造との間に摩擦および/または粘着によるさらなる固定をもたらすことができるプレートをさらに含むことができる。スポーク構造は、均質なまたは不均質なポリマーおよび/または充填ポリマーを含んでいてもよい。
【0044】
スポーク構造のスポークは、スポークの座屈を軽減または強化するために、内側にまたは外側に湾曲させることができる。スポークは、1つ以上の補強層を含んでいてもよい。(複数の)層は、単一端のディップコード、従来の空気入りタイヤプライ/コード配置、短い繊維、および/またはポリマーフィルムで構成されていてもよい。さらに、これらの構造は、PET、ナイロン6、ナイロン6,6、レーヨン、鋼、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド、および/またはこれらの材料の混成の構造であってもよい。コードは、400デニールから9000デニールであってもよい。ポリマーフィルムは、0.1mmから2.0mmの厚さであってもよい。スポークは、0度と90度との間の角度を向くことができる。スポークの補強は、スポークの軸方向の全長にわたって連続的に補強することができる。連続した(複数の)補強層は、外側可撓性リングにおけるシアバンドに隣接する複数の位置まで、半径方向外側に延びていてもよい。
【0045】
各キャビティは、アッセンブリの回転軸の周囲に共通の断面外形を有していてもよい。さらに、各キャビティは、スポーク構造の均一な軸方向厚さに等しい共通の軸方向長さを有していてもよい。各キャビティは(複数の)補強層上の「圧迫」点を防止し、(複数の)補強層上の圧縮応力の集中を軽減するために、湾曲状に形成されていてもよい。キャビティの数は、大規模タイヤアッセンブリに対して2から60個とすることができる。内側中央リムは、鋼、鋳鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、および/または鉄合金を含んでいてもよい。
【0046】
図1から図22は、部分的に硬化された空気入りおよび/または非空気入りタイヤアッセンブリ140を硬化し製造するための本発明によるシステム200を示す。システム200は、タイヤアッセンブリ140の対応する環状の半径方向内側表面142に滑り入れられる環状のハブ部材210と、タイヤアッセンブリ140において対応する均一なキャビティ寸法を維持するための複数のスペーサ部材220であって、スペーサ部材220をタイヤアッセンブリ140のフラップ部材147を用いてハブ部材210に固定することで均一なキャビティ寸法が維持され、フラップ部材147はスペーサ部材220の夫々の半径方向最外周表面222を囲む複数のスペーサ部材220と、を含むことができる。
また、システム200は、ハブ部材210とスペーサ部材220とを互いに対して軸方向に固定するための第1および第2の硬化プラテン230、240と、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するための複数の三角形のインサート250であって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、各三角形のインサート250の半径方向外周表面252と、タイヤアッセンブリ140のフラップ部材147の夫々によって形成され、フラップ部材147はスペーサ部材220の半径方向最外周表面222によって位置決めされた複数の三角形のインサート250と、を含むことができる。
さらに、硬化プラテン230、240はまた、スペーサ部材220とアッセンブリ200のアライメントを維持するためのばねフック部材270をも有する。
【0047】
タイヤアッセンブリ140の内側環状シアバンド160および外側環状トレッド部材162は、均一な外側円筒表面147、252の周囲に円周方向に連続的に配置され、少なくとも一時的に、外側円筒表面147、252に貼り付けられると共に、内側環状シアバンド160および外側環状トレッド部材162が互いに貼り付けることができる。これは、従来のタイヤ形成方法(図示せず)と同様に、アッセンブリ200の周囲に(複数の)層160、162を構築することによって、またはシアバンド160およびトレッド部材162(図15)から完全な環状バンド構造を形成することによって達成することができる。複数のモールド部材260(図16では6つ示されている)は、トレッド部材162の半径方向外側表面163の周囲に円周方向に配置することができる。モールド部材260は、トレッド部材162の外側表面163にトレッド形状の外側表面を共に形成するための半径方向内側表面262を有していてもよい。
【0048】
スペーサ部材220、硬化プラテン230、240、三角形のインサート250およびモールド部材260は加熱され、フラップ部材147、シアバンド160およびトレッド部材162(例えば、タイヤアッセンブリ140の未硬化部分)を、適切なトレッド172(図21)を有する完全な硬化したタイヤアッセンブリ170の成型一体部品に形成硬化することができる。一旦硬化が完了すると、モールド部材260は完全なタイヤアッセンブリ170の周囲から半径方向に取り外され、硬化プラテン230、240はハブ部材210から軸方向に取り外され、スペーサ部材220およびインサート250はタイヤアッセンブリ170から軸方向に取り出され、取り付け準備ができたタイヤアッセンブリ170のスポーク構造174内に安定したキャビティ176を露出させることができる。
【0049】
図22に示すように、本発明による方法2200は、
部分的に硬化したタイヤアッセンブリ140を硬化して、完成した「そのまま取り付けられる」完全に硬化したタイヤアッセンブリ170を製造することができる。方法2200は、環状のハブ部材210を部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140の対応する環状の半径方向内側表面142に滑り入れる第1のステップ2201と、
部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140における対応する均一なキャビティ寸法内で複数のスペーサ部材220を維持する第2のステップ2202と、
スペーサ部材220を、スペーサ部材220の夫々の半径方向最外周表面222を囲む部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140のフラップ部材147で、ハブ部材210に固定する第3のステップ2203と、
第1および第2の硬化プラテン230、240、ハブ部材210およびスペーサ部材220を互いに対して軸方向に固定する第4のステップ2204と、
複数の三角形のインサート250を利用して、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面を生成するステップであって、実質的に滑らかで均一な外側円筒表面は、スペーサ部材220の半径方向最外周表面222によって位置決めされた、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140のフラップ部材147の夫々と、各スペーサ部材250の半径方向最外周面252と、によって形成される第5のステップ2205と、
均一な外側円筒表面147、252の周囲に、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140の未硬化の内側環状シアバンド160と未硬化の外側環状トレッド部材162と、を円周方向に連続的に配置する第6のステップ2206と、
部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140の未硬化の内側環状シアバンド160と未硬化の外側環状トレッド部材162と、を少なくとも一時的に、互いに対して固定する第7のステップ2207と、
トレッド部材162の半径方向外側表面163の周囲に、複数のモールド部材260を円周方向に配置する第8のステップ2208と、
モールド部材の半径方向内側表面262によって、トレッド部材162の外側表面163にトレッドの形をした外側表面を形成する第9のステップ2209と、を含むことができる。
【0050】
方法2200は、
フラップ部材147、シアバンド160およびトレッド部材162(例えば、部分的に硬化されたタイヤアッセンブリ140の未硬化部分)を硬化/形成して、適切なトレッド172を有する完全な硬化したタイヤアッセンブリ170の成型一体部品とするために、スペーサ部材220、硬化プラテン230、240、三角形のインサート250、およびモールド部材260を(例えば、高温液体、蒸気、電気等によって)加熱する第10のステップ2210と、
モールド部材260を完全な硬化したタイヤアッセンブリ170の周囲から半径方向に取り外す第11のステップ2211と、
硬化プラテン230、240をハブ部材210から軸方向に取り外す第12のステップ2212と、
リムマウント可能な完全な硬化したタイヤアッセンブリ170のスポーク構造174内に安定したキャビティ176が露出するように、完全な硬化したタイヤアッセンブリ170からスペーサ部材220とインサート250とを軸方向に取り出す第13のステップ2213と、をさらに含むことができる。
【0051】
本明細書で提供される本発明の説明に照らして、本発明の変形が可能である。本発明を説明する目的で、特定の代表的な例および詳細を示したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および/または修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の全範囲内にある、本明細書に記載される特定の実施例において変更を行うことができることを理解されたい。さらに、本発明は、前述の例に限定されず、添付の特許請求の範囲の全範囲内で構造および/または詳細を変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【外国語明細書】