(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088390
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】平面および曲面ミラーを備えたクローキングデバイスおよびこれを含むビークル
(51)【国際特許分類】
G02B 17/00 20060101AFI20220607BHJP
G02B 5/08 20060101ALI20220607BHJP
G02B 5/10 20060101ALI20220607BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20220607BHJP
B60R 1/08 20060101ALI20220607BHJP
B60R 1/04 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G02B17/00 Z
G02B17/00
G02B5/08 Z
G02B5/10 Z
B62D25/04 A
B60R1/08
B60R1/04 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031867
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2018154641の分割
【原出願日】2018-08-21
(31)【優先権主張番号】15/700,740
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】イ キュ-テ
(72)【発明者】
【氏名】デバシシュ バナージー
(57)【要約】
【課題】ビークルのピラー用のクローキングデバイスを提供する。
【解決手段】クローキングデバイスは、物体サイド、画像サイド、および、物体サイドから画像サイドまで延在する頂点軸を含む。外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドクローキング領域(CR)平面反射境界、および外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR平面反射境界が含まれる。クローキング領域は、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界の内向き表面に囲まれている。内向きミラー表面を備えた少なくとも1つの外部曲面反射境界が、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界から離隔されている。外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた平面反射境界が、物体サイドおよび画像サイドCR平面反射境界の間に位置付けされ、少なくとも1つの外部曲面反射境界の内向きミラー表面に面する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドCR平面反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR平面反射境界と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界の内向き表面によって囲まれたクローキング領域と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部曲面反射境界と、
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面の間に位置付けされかつ当該内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、中央に位置付けされた平面反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも1つの外部曲面反射境界、前記中央に位置付けされた平面反射境界、および前記画像サイドCR平面反射境界により前記クローキング領域の周りに反射されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面と、を含む、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項3】
前記物体サイドCR平面反射境界は、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を互いに平行に前記物体サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記物体サイド内向き放物ミラー表面は、前記物体サイドCR平面反射境界からの光を前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面に反射し集束させるように配向されており、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面は、前記物体サイド内向き放物ミラー表面からの光を前記画像サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記画像サイド内向き放物ミラー表面は、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面からの光を前記画像サイドCR平面反射境界に反射し集束するように配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界は、前記画像サイド内向き放物ミラー表面からの光を互いに平行に反射して前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項4】
前記物体サイド内向き放物ミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記焦線に位置付けされている、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項5】
前記画像サイド内向き放物ミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から反射された発散光を集束させる、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項6】
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項7】
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項8】
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の物体サイドCR平面反射境界と、
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の画像サイドCR平面反射境界と、
各々が前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む、少なくとも一対の外部曲面反射境界と、
各々が前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の間に位置付けされ前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、一対の中央に位置付けされた平面反射境界と、
をさらに含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された前記物体からの光が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも一対の外部曲面反射境界、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界、および前記一対の画像サイドCR平面反射境界によって前記クローキング領域の周りに反射される、
請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のクローキングデバイスを含むビークルであって、Aピラーが前記クローキング領域の内部に位置付けされている、ビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書は、概して、物体が透明に見えるようにするための装置および方法に関し、より具体的には、ビークル(車両、乗り物、輸送体)のピラー用のクローキングデバイスおよびビークルのピラーを透明に見えるようにするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ビークルのピラーを透明にすると考えられるクローキングデバイスについての研究が公表されている。このような研究は、ビークルの乗員が見掛け上、ビークルピラーを通して「見る」ことができるようにし、これによってビークル内の死角を減少させるためにメタマテリアルを使用すること、または表示スクリーンと組み合わせてビデオカメラを使用することを開示している。しかしながら、メタマテリアルおよびビデオ技術は、複雑な材料設計および設備を使用する。
【発明の概要】
【0003】
したがって、ビークルのピラーを透明にすると考えられる代替的なデバイスに対するニーズが存在する。
【0004】
概要
一実施形態において、クローキングデバイスは、物体サイド、画像サイド、および、物体サイドから画像サイドまで延在する頂点軸を含む。外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドクローキング領域(CR)平面反射境界、および外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR平面反射境界が含まれる。クローキング領域は、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界の内向き表面に囲まれている。内向きミラー表面を備えた少なくとも1つの外部曲面反射境界が、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界から離隔されている。外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた平面反射境界が、物体サイドおよび画像サイドCR平面反射境界の間に位置付けされ、少なくとも1つの外部曲面反射境界の内向きミラー表面に面する。実施形態において、少なくとも1つの外部曲面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界の外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、画像サイドCR平面反射境界の外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面とを含む。中央に位置付けされた平面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界に対し45°で配向されていてよく、画像サイドCR平面反射境界は、中央に位置付けされた平面反射境界に対し45°で配向されていてよい。
【0005】
別の実施形態において、クローキングデバイスアセンブリは、物体サイド、画像サイド、物体サイドから画像サイドまで延在する頂点軸、一対の物体サイドクローキング領域(CR)平面反射境界、および、一対の画像サイドCR平面反射境界を含む。一対の物体サイドCR平面反射境界は、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の物体サイドCR平面反射境界および第1の側と反対側の頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の物体サイドCR平面反射境界を含む。一対の画像サイドCR平面反射境界は、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の画像サイドCR平面反射境界および第1の側と反対側の頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の画像サイドCR平面反射境界を含む。一対の物体サイドCR平面反射境界の各々および一対の画像サイドCR平面反射境界の各々は、外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる。クローキング領域は、一対の物体サイドCR平面反射境界および一対の画像サイドCR平面反射境界の内向き表面に囲まれている。頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の外部曲面反射境界および第1の側と反対側の頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の外部曲面反射境界を備えた、少なくとも一対の外部曲面反射境界が含まれている。少なくとも一対の外部曲面反射境界の各々は、物体サイドCR平面反射境界の1つおよび画像サイドCR平面反射境界の1つから離隔された内向きミラー表面を含んでいる。頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の中央に位置付けされた平面反射境界および第1の側とは反対側の頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の中央に位置付けされた平面反射境界を備えた一対の中央に位置付けされた平面反射境界が含まれている。一対の中央に位置付けされた平面反射境界の各々は、少なくとも一対の外部曲面反射境界の内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含んでいる。
【0006】
さらに別の実施形態においては、ビークルは、Aピラーと、物体サイドおよび画像サイドを備えたクローキングアセンブリと、を含んでいる。このクローキングアセンブリは、外向きミラー表面と内向き表面とを備えた物体サイドクローキング領域(CR)平面反射境界、および外向きミラー表面と内向き表面とを備えた画像サイドCR平面反射境界を含む。クローキング領域は、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界の内向き表面に囲まれている。Aピラーは、クローキング領域の内部に位置付けされている。内向きミラー表面を備えた少なくとも1つの外部曲面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界および画像CR平面反射境界から離隔されている。外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた平面反射境界が、物体サイドおよび画像サイドCR平面反射境界の間に位置付けされている。実施形態において、少なくとも1つの外部曲面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界の外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、画像サイドCR平面反射境界の外向きミラー表面に近接して位置付けされ当該この外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面とを含む。中央に位置付けされた平面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界から45°で配向されていてよく、画像サイドCR平面反射境界は、中央に位置付けされた平面反射境界から45°で配向されていてよい。
【0007】
本開示中に記載の実施形態により提供されるこれらのおよび付加的な特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することでより完全に理解されるものである。
【0008】
図面中に明記されている実施形態は、事実上説明的かつ例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義されている主題を限定するように意図されたものではない。例示的実施形態についての以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読んだ場合に理解可能であり、これらの図面中、類似の構造には、類似の参照番号が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0010】
【
図2】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0011】
【
図3】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0012】
【
図4】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0013】
【
図5】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスのクローキング領域内に第2の物体がある状態の、
図1のクローキングデバイスの頂面斜視図を概略的に描いている。
【0014】
【
図6】クローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスのクローキング領域内に第2の物体がある状態の、
図1のクローキングデバイスの側面図を概略的に描いている。
【0015】
【
図7】本開示中で説明され例示されている1つ以上の実施形態に係るビークルのビークルAピラーをクローキングするクローキングデバイスを概略的に描いている。
【0016】
【
図8A】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が0°である、
図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0017】
【
図8B】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が1°である、
図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0018】
【
図8C】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が2°である、
図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0019】
【
図8D】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が3°である、
図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0020】
【
図9A】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が0°である、
図3の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0021】
【
図9B】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が1°である、
図3の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0022】
【
図9C】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が2°である、
図3の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0023】
【
図9D】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が3°である、
図3の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示中に記載の1つ以上(1又は複数)の実施形態によると、クローキングデバイスは概して、複数の平面ミラーおよび1つの曲面ミラーを含み、これらが入射光をクローキング領域の周りに導く。本開示中に記載のクローキングデバイスは、物体からの光を反射させ、集束させ、発散させ、再度集束させるために、凹面ミラー、放物線ミラーおよび平面ミラーを利用することができる。本開示中に記載のクローキングデバイスは、ビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなどのビークル部材をクローキングし、ビークル部材がもたらす「死角」を除去するために使用可能である。死角とは、乗員の視界が妨害され得るビークルの領域を意味する。クローキングデバイスがなければビークルのピラーによって妨害されると思われる画像を、曲面ミラーを使用することにより、ドライバは知覚することができる。本開示では、クローキングデバイスのさまざまな実施形態およびその使用方法が、添付図面を具体的に参照しながら、さらに詳細に説明される。
【0025】
図1は概して、クローキングデバイスの一実施形態を描いている。クローキングデバイスは、少なくとも2つのCR平面反射境界により少なくとも部分的に囲まれているクローキング領域(CR)、少なくとも2つのCR平面反射境界から離隔された少なくとも1つの外部曲面反射境界および、少なくとも2つのCR平面反射境界間に位置付けされた少なくとも1つの中央に位置付けされた平面反射境界を含む。本開示中で使用される「境界」なる用語は、物理的表面を意味する。「外部」なる用語は、CR平面反射境界の1つから離隔された、すなわち、CR平面反射境界の1つから既定の距離のところに位置付けされた境界またはミラー表面を意味する。1つのCR平面反射境界は物体サイドCR平面反射境界であってよく、別のCR平面反射境界は画像サイドCR平面反射境界であってよい。少なくとも1つの外部曲面反射境界は、物体サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面(本開示中では「物体サイド内向きミラー表面」と呼ばれる)および画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面(本開示中では「画像サイド内向きミラー表面」と呼ばれる)を含む。
【0026】
物体サイドCR平面反射境界は、クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされた物体から物体サイド内向きミラー表面に入射光を互いに平行に反射するように配向されている。本開示中で使用される「平行に」なる言い回しは、互いに平行に空間内を伝播する光線(光)を意味する。少なくとも1つの外部曲面反射境界の物体サイド内向きミラー表面は、物体サイドCR平面反射境界からの入射光を中央に位置付けされた平面反射境界に反射し集束させるように配向されている。中央に位置付けされた平面反射境界は、物体サイド内向きミラー表面からの入射光を、少なくとも1つの外部曲面反射境界の画像サイド内向きミラー表面に反射するように配向されている。前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の画像サイド内向きミラー表面は、中央に位置付けされた平面反射境界からの入射光を互いに平行に画像サイドCR平面反射境界に反射し集束させるように配向されている。画像サイドCR平面反射境界は、少なくとも1つの外部曲面反射境界の画像サイド内向きミラー表面から反射された入射光を互いに平行に反射し、クローキングデバイスの画像サイドで画像を提供するように配向されている。
【0027】
さらに
図1を参照すると、クローキングデバイスの実施形態は、物体サイド12、画像サイド14および4つのCR平面反射境界110、120、130、140を備えたクローキングアセンブリ10を含む。物体サイド12は、2等分軸15より上(+Y方向)に位置付けされ、画像サイド14は、2等分軸15より下(-Y方向)に位置付けされる。すなわち、2等分軸15は物体サイド12と画像サイド14の間に延在し、これらの間を線引きする。4つのCR平面反射境界110、120、130、140の各々は、図中に示されたX軸に沿った長さ、Y軸に沿った幅、およびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのCR平面反射境界110、120、130、140の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は、4つのCR平面反射境界110、120、130、140の幅に沿って延在し、図中に示されたZ軸は、4つのCR平面反射境界110、120、130、140の高さに沿って延在する。2つのCR平面反射境界110、130は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされてよく、本開示中では、物体サイドCR平面反射境界110、130と呼ぶことができる。2つのCR平面反射境界120、140は、クローキングアセンブリ10によって形成される画像「I」を提供するように、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に位置付けされてよく、本開示中では画像サイドCR平面反射境界120、140と呼ぶことができる。
【0028】
CR平面反射境界110、120、130、140は各々、外向きミラー表面112、122、132、142および内向き表面114、124、134、144をそれぞれ有している。本開示中で使用される「外向き」なる用語は、クローキング領域200から離れる方に面し、かつ/またはクローキング領域200から離れる方に光を反射する表面を意味し、本開示中で使用される「内向き」なる用語は、クローキング領域200に向かって面しかつ/またはクローキング領域200に向かって光を反射する表面を意味する。実施形態において、内向き表面114、124、134、144の1つ以上は、不透明な表面、ミラー表面または透明な表面であり得る。外向きミラー表面112、122、132、142は、外向きミラー表面112、122、132、142に入射する光がそこから反射されるように、全方向フォトニック結晶またはミラーで製造され得る。本開示中で使用する「ミラー表面」なる用語は、ミラー表面に入射する全てのモードの光(例えばs偏光およびp偏光)を反射する表面を意味する。同様に、本開示中で使用される「そこから反射された」なる用語は、1つの表面から入射光の少なくとも50%が反射されていることを意味する。いくつかの実施形態においては、入射光の少なくとも60%が表面から反射され、一方他の実施形態においては、入射光の少なくとも70%が表面から反射される。さらに他の実施形態においては、入射光の少なくとも80%、例えば入射光の少なくとも90%が表面から反射される。
【0029】
CR平面反射境界110、120、130、140はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146および側方端部118、128、138、148を有することができる。側方端部118、128、138、148はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146から離隔されており、CR平面反射境界110、120、130、140はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146と側方端部118、128、138、148の間に延在している。実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界110、130の頂点端部116、136はそれぞれ、頂点190で合流または交差し、代替的にまたは付加的に、2つの画像サイドCR平面反射境界120、140の頂点端部126、146はそれぞれ、頂点192で合流または交差する。このような実施形態において、頂点軸16は、頂点190および頂点192を二等分し、クローキングアセンブリ10の右側(+X方向)と左側(-X方向)の間の中心線であり得る。他の実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界110、130の頂点端部116、136はそれぞれ、互いに離隔され、2つの画像サイドCR平面反射境界120、140の頂点端部126、146はそれぞれ互いに離隔され、こうしてクローキングされていない領域または間隙(図示せず)が、離隔された頂点端部116、136および離隔された頂点端部126、146の間に存在するようになっている。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像が、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に提供されることはない。
【0030】
実施形態において、側方端部118は側方端部128に隣接して位置付けされてよく、この側方端部128に接合され得、側方端部138は側方端部148に隣接して位置付けされてよく、この側方端部148に接合され得る。他の実施形態において、側方端部118、138は、
図1に描かれているように、側方端部128、148から離隔されていてよい(Y方向)。
【0031】
実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界110、130および2つの画像サイドCR平面反射境界120、140は、少なくとも部分的に内向き表面114、134、124、144に囲まれているクローキング領域200を形成する。2つの物体サイドCR平面反射境界110、130および2つの画像サイドCR平面反射境界120、140は、図中の座標軸のZ方向で高さ「h」(
図6)を有し、クローキング領域200内で反射または伝達される光は、内向き表面114、134、124、144を貫通しない。したがって、クローキング領域200の内部に位置設定された部材(例えばクローキングされた部材)は、+Y方向で画像サイド14からクローキングアセンブリ10を検分する観察者には見えない。
【0032】
さらに
図1を参照すると、外部曲面反射境界150がCR平面反射境界110、120から離隔されており、外部曲面反射境界170がCR平面反射境界130、140から離隔されている。外部曲面反射境界150は、物体サイドCR平面反射境界110の外向きミラー表面112に面する物体サイド内向きミラー表面152と、画像サイドCR平面反射境界120の外向きミラー表面122に面する画像サイド内向きミラー表面154を含む。外部曲面反射境界170は、物体サイドCR平面反射境界130の外向きミラー表面132に面する物体サイド内向きミラー表面172と、画像サイドCR平面反射境界140の外向きミラー表面142に面する画像サイド内向きミラー表面174とを含む。いくつかの実施形態において、物体サイド内向きミラー表面152および画像サイド内向きミラー表面154は、単一の内向きミラー表面であってよい。すなわち、物体サイド内向きミラー表面152および画像サイド内向きミラー表面154を含む単一の内向きミラー表面は、外部曲面反射境界150の内部表面に沿って延在していてよい。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面152および画像サイド内向きミラー表面154は、2つの別個で明確に区別される内向きミラー表面である。同様にして、物体サイド内向きミラー表面172および画像サイド内向きミラー表面174は単一の内向きミラー表面であってよい。変形形態では、物体サイド内向きミラー表面172および画像サイド内向きミラー表面174は2つの別個の明確に区別される内向きミラー表面であってよい。
【0033】
物体サイドCR平面反射境界110と画像サイドCR平面反射境界120の間に位置付けされているのは、外向きミラー表面162を備えた中央に位置付けされた平面反射境界160である。外向きミラー表面162は、外部曲面反射境界150の物体サイド内向きミラー表面152および画像サイド内向きミラー表面154に面している。実施形態において、物体サイドCR平面反射境界110は、頂点軸16に対し45°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界160は、物体サイドCR平面反射境界110に対し45°で配向されており、画像サイドCR平面反射境界120は、中央に位置付けされた平面反射境界160および頂点軸16に対し45°で配向されている。このような実施形態において、画像サイドCR平面反射境界120は、物体サイドCR平面反射境界110に対し90°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界160は頂点軸16に対して平行に配向されている。他の実施形態において、物体サイドCR平面反射境界110は、頂点軸16に対し45°で配向されておらず、中央に位置付けされた平面反射境界160は物体サイドCR平面反射境界110に対し45°で配向されておらず、画像サイドCR平面反射境界120は中央に位置付けされた平面反射境界160および頂点軸16に対し45°で配向されていない。例えば、物体サイドCR平面反射境界110は、頂点軸16に対し30°で配向されてよく、中央に位置付けされた平面反射境界160は物体サイドCR平面反射境界110に対し30°で配向され、画像サイドCR平面反射境界120は、中央に位置付けされた平面反射境界160および頂点軸16に対し30°で配向される。このような実施形態においては、画像サイドCR平面反射境界120は、物体サイドCR平面反射境界110に対し120°で配向され、中央に位置付けされた平面反射境界160は頂点軸16に平行に配向される。
【0034】
物体サイドCR平面反射境界130と画像サイドCR平面反射境界140の間に位置付けされているのは、外向きミラー表面182を備えた中央に位置付けされた平面反射境界180である。外向きミラー表面182は、外部曲面反射境界170の物体サイド内向きミラー表面172および画像サイド内向きミラー表面174に面している。実施形態において、物体サイドCR平面反射境界130は、頂点軸16に対し45°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界180は、物体サイドCR平面反射境界130に対し45°で配向されており、画像サイドCR平面反射境界140は、中央に位置付けされた平面反射境界180および頂点軸16に対し45°で配向されている。このような実施形態において、画像サイドCR平面反射境界140は、物体サイドCR平面反射境界130に対し90°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界180は頂点軸16に対して平行に配向されている。他の実施形態において、物体サイドCR平面反射境界130は、頂点軸16に対し45°で配向されておらず、中央に位置付けされた平面反射境界180は物体サイドCR平面反射境界130に対し45°で配向されておらず、画像サイドCR平面反射境界140は中央に位置付けされた平面反射境界180および頂点軸16に対し45°で配向されていない。例えば、物体サイドCR平面反射境界130は、頂点軸16に対し30°で配向されてよく、中央に位置付けされた平面反射境界180は物体サイドCR平面反射境界130に対し30°で配向され、画像サイドCR平面反射境界140は、中央に位置付けされた平面反射境界180および頂点軸16に対し30°で配向される。このような実施形態においては、画像サイドCR平面反射境界140は、物体サイドCR平面反射境界130に対し120°で配向され、中央に位置付けされた平面反射境界180は頂点軸16に平行に配向される。
【0035】
実施形態において、中央に位置付けされた平面反射境界160、180は、物体サイド12と画像サイド14の間に延在しこれらを線引きする2等分軸15上に位置付けされている。このような実施形態において、外向きミラー表面162は、物体サイド内向きミラー表面152および画像サイド内向きミラー表面154から離隔されていてよく、外向きミラー表面182は、物体サイド内向きミラー表面172および画像サイド内向きミラー表面174から離隔されていてよい。中央に位置付けされた平面反射境界160、180は、それぞれ側方端部118、128および側方端部138、148に隣接して位置付けされてよい。同様に、中央に位置付けされた平面反射境界160、180の外向きミラー表面162、182は、それぞれ、概して頂点190と頂点192を2等分する頂点軸16に平行である。代替的にまたは付加的に、中央に位置付けされた平面反射境界160、180の外向きミラー表面162、182は、概して、光1に平行であってよい。
【0036】
外部曲面反射境界150は、頂点軸16の右側(+X方向)でクローキングアセンブリ10に入射する物体Oからの光(
図1中に矢印「1」として示されている)が外向きミラー表面112によって物体サイド内向きミラー表面152に反射される(
図1中、矢印「2」で示されている)ように、物体サイドCR平面反射境界110との関係において位置付けされている。実施形態において、光2は、外向きミラー表面112から物体サイド内向きミラー表面152に互いに平行に反射される。中央に位置付けされた平面反射境界160は、外向きミラー表面112からの光2が物体サイド内向きミラー表面152により外向きミラー表面162に(
図1中に矢印「3」として示されている)反射され集束されるように、物体サイド内向きミラー表面152との関係において位置付けされる。実施形態において、光3は、焦線f
1に集束され、外向きミラー表面162は焦線f
1に位置付けされる。すなわち、外部曲面反射境界150の高さh(Z方向)に沿って物体サイド内向きミラー表面152に入射する光3は概して、Z方向に延在するライン(焦線f
1)に集束させることができる。焦線f
1および本開示中に記載されている他の焦線が所与のミラー表面の曲率によって提供されるということを理解すべきである。例えば、焦線f
1は、物体サイド内向きミラー表面152の曲率に起因する、またはこの曲率によって提供される。
【0037】
外部曲面反射境界150は、外向きミラー表面162により反射され外向きミラー表面162から発散する光3が画像サイド内向きミラー表面154に入射する(
図1中に矢印「4」として示されている)ように、中央に位置付けされた平面反射境界160との関係において位置付けされる。画像サイドCR平面反射境界120は、画像サイド内向きミラー表面154により反射され集束された光4が、外向きミラー表面122に入射する(
図1中に矢印「5」として示されている)ように、外部曲面反射境界150との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は、画像サイド内向きミラー表面154により外向きミラー表面122に互いに平行に反射され集束される。画像サイドCR平面反射境界120は、光5が互いに平行に反射され頂点軸16の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイド内向きミラー表面154との関係において位置付けされる。
【0038】
外部曲面反射境界170は、頂点軸16の左側(-X方向)のクローキングアセンブリ10に入射する物体Oからの光1が、物体サイド内向きミラー表面172へ光2として外向きミラー表面132により反射されるように、物体サイドCR平面反射境界130との関係において位置付けされている。実施形態において、光2は、外向きミラー表面132によって物体サイド内向きミラー表面172に互いに平行に反射される。中央に位置付けされた平面反射境界180は、外向きミラー表面132からの光2が外向きミラー表面182へ光3として物体サイド内向きミラー表面172により反射され集束されるように、物体サイド内向きミラー表面172との関係において位置付けされる。実施形態において、光3は焦線f2に集束され、外向きミラー表面182は焦線f2に位置付けされる。すなわち、外部曲面反射境界170の高さh(Z方向)に沿って物体サイド内向きミラー表面172に入射する光3は概して、Z方向に延在するライン(焦線f2)に集束される。
【0039】
外部曲面反射境界170は、外向きミラー表面182により反射され外向きミラー表面182から発散する光3(光4)が画像サイド内向きミラー表面174に入射するように、中央に位置付けされた平面反射境界180との関係において位置付けされる。画像サイドCR平面反射境界140は、画像サイド内向きミラー表面174により反射され集束された光4(光5)が、外向きミラー表面142に入射するように、外部曲面反射境界170との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は、画像サイド内向きミラー表面174により外向きミラー表面142に互いに平行に反射され集束される。画像サイドCR平面反射境界140は、光5が光6として互いに平行に反射され頂点軸16の左側(-X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイド内向きミラー表面174との関係において位置付けされる。
【0040】
以上で指摘したように、物体サイド内向きミラー表面152は、入射光1を焦線f
1に集束させるための曲率を有していてよく、画像サイド内向きミラー表面154は、外向きミラー表面122まで互いに平行に伝播するように入射光4を集束させるための曲率を有していてよい。同様に、物体サイド内向きミラー表面172は、焦線f
2に対し入射光1を集束させるための曲率を有していてよく、画像サイド内向きミラー表面174は、外向きミラー表面142まで互いに平行に伝播するように入射光4を集束させるための曲率を有していてよい。例えば、非限定的に、内向きミラー表面152、154、172および/または174は、式(1)
【数1】
により記述される曲線形状を有していてよく、式中、Rは内向きミラー表面152、154、172、174の曲率半径である。実施形態において、曲線形状は放物線状であり、K=-1であり、式(1)は、式(2)
【数2】
となる。なお式中、A=1/(2R)は定数である。曲率Rの半径が、内向きミラー表面152、154、172および/または174の高さh(Z方向)に沿って恒常であってよいということを理解すべきである。
【0041】
さらに
図1を参照すると、外部曲面反射境界150の物体サイド内向きミラー表面152は、物体サイド内向きミラー表面152に入射する光2が光3として外向きミラー表面162上の焦線f
1に集束されるように、物体サイドCR平面反射境界110および中央に位置付けされた平面反射境界160との関係において+X方向に外向きに位置付けされる。外部曲面反射境界150の画像サイド内向きミラー表面154は、外向きミラー表面162により反射され外向きミラー表面162から発散する光4が光5として画像サイド内向きミラー表面154により反射され集束されるように、中央に位置付けされた平面反射境界160および画像サイドCR平面反射境界120との関係において+X方向に位置付けされる。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し外向きミラー表面122に入射するように、画像サイド内向きミラー表面154によって集束される。実施形態において、物体サイド内向きミラー表面152の曲率は画像サイド内向きミラー表面154の曲率と同じである。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面152の曲率は、画像サイド内向きミラー表面154の曲率と同じではない。
【0042】
外部曲面反射境界170の物体サイド内向きミラー表面172は、物体サイド内向きミラー表面172に入射する光2が光3として外向きミラー表面182上の焦線f2に集束されるように、物体サイドCR平面反射境界130および中央に位置付けされた平面反射境界180との関係において-X方向に外向きに位置付けされる。外部曲面反射境界170の画像サイド内向きミラー表面174は、外向きミラー表面182により反射され外向きミラー表面182から発散する光4が光5として画像サイド内向きミラー表面174により反射され集束されるように、中央に位置付けされた平面反射境界180および物体サイドCR平面反射境界140との関係において-X方向に位置付けされる。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し外向きミラー表面142に入射するように、画像サイド内向きミラー表面174によって集束される。実施形態において、物体サイド内向きミラー表面172の曲率は画像サイド内向きミラー表面174の曲率と同じである。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面172の曲率は、画像サイド内向きミラー表面174の曲率と同じではない。
【0043】
図1は、物体サイド内向きミラー表面172の曲率に等しい物体サイド内向きミラー表面152の曲率および画像サイド内向き表面174の曲率に等しい画像サイド内向きミラー表面154の曲率を描いている。しかしながら、実施形態において、頂点軸16の右側(+X方向)の内向きミラー表面152、154の曲率は、頂点軸16の左側(-X方向)の内向き表面172、174の曲率と同じではない。例えば、物体サイド内向きミラー表面152の曲率は物体サイド内向きミラー表面172の曲率に等しくなくてよい。代替的または付加的に、画像サイド内向きミラー表面154の曲率は、画像サイド内向きミラー表面174の曲率に等しくなくてもよい。
【0044】
さらに
図1を参照すると、物体「O」からの光1は、-Y方向に進み、外向きミラー表面112、132に入射する。クローキングアセンブリ10の頂点軸16の右側(+X方向)の光1は、外向きミラー表面112により光2として物体サイド内向きミラー表面152まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面162上の焦線f
1に光3として反射され集束される。光3は、画像サイド内向きミラー表面154まで光4として外向きミラー表面162によって反射され外向きミラー表面162から発散した後、光5として反射され集束される。光5は互いに平行に伝播し、外向きミラー表面122に入射する。外向きミラー表面122に入射した光5は、外向きミラー表面122によって-Y方向で(
図1に矢印「6」により表わされている)概して光1に対して平行に反射され、頂点軸16の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の右側の物体Oからの光1は、物体O-外向きミラー表面112-物体サイド内向きミラー表面152-外向きミラー表面162-画像サイド内向きミラー表面154-外向きミラー表面122-Iという光路を有する。
【0045】
クローキングアセンブリ10の頂点軸16の左側(-X方向)の光1は、光2として外向きミラー表面132により物体サイド内向きミラー表面172まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面182上の焦線f2まで光3として反射され集束される。光3は、光4として画像サイド内向きミラー表面174まで外向きミラー表面182によって反射され外向きミラー表面182から発散した後、光5として反射され集束される。光5は、互いに平行に伝播し、外向きミラー表面142に入射する。外向きミラー表面142に入射した光5は、光6として外向きミラー表面142により-Y方向に光1に対して概して平行に反射され、頂点軸16の左(-X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の左側の物体Oからの光1は、物体O-外向きミラー表面132-物体サイド内向きミラー表面172-外向きミラー表面182-画像サイド内向きミラー表面174-外向きミラー表面142-Iという光路を有する。
【0046】
組み合わせた形で、すなわちクローキングアセンブリ10の物体サイド12の物体Oからの頂点軸16の右側(+X方向)および左側(-X方向)の光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界110、130-物体サイド内向きミラー表面152、172-中央に位置付けされた平面反射境界160、180-画像サイド内向きミラー表面154、174-画像サイドCR平面反射境界120、140-画像という光路を介して、画像サイド14まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O-それぞれ物体サイドCR平面反射境界110、130の外向きミラー表面112、132-それぞれ外部曲面反射境界150、170の物体サイド内向きミラー表面152、172-それぞれ中央に位置付けされた平面反射境界160、180の外向きミラー表面162、182-それぞれ外部曲面反射境界150、170の画像サイド内向きミラー表面154、174-それぞれ画像サイドCR平面反射境界120、140の外向きミラー表面122、142-画像Iという光路を介して伝播する。
【0047】
図2を参照すると、クローキングアセンブリ20の一実施形態が、外部曲面反射境界150、170を除き、
図1のクローキングアセンブリ10と同様に描かれている。詳細には、外部曲面反射境界150、170は、それぞれ物体サイド外部曲面反射境界151、171およびそれぞれ画像サイド外部曲面反射境界153、173を含む。すなわち、
図1に単一の構成要素として描かれている外部曲面反射境界150、170は、
図2に描かれているように2つの構成要素から形成されている。物体サイド外部曲面反射境界151、171は、それぞれ物体サイド内向きミラー表面152、172を含み、画像サイド外部曲面反射境界153、173は、画像サイド内向きミラー表面154、174を含む。2つの別個の構成要素から構築される外部曲面反射境界150、170は、クローキングアセンブリ10の設計および製造上の融通性を提供し得る、ということを理解すべきである。
【0048】
さらに
図2を参照すると、物体「O」からの光1は、-Y方向に進み、外向きミラー表面112、132に入射する。クローキングアセンブリ10の頂点軸16の右側(+X方向)の光1は、外向きミラー表面112により光2として物体サイド外部曲面反射境界151の物体サイド内向きミラー表面152まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面162上の焦線f
1に光3として反射され集束される。光3は、画像サイド外部曲面反射境界153の画像サイド内向きミラー表面154まで光4として外向きミラー表面162によって反射され外向きミラー表面162から発散した後、光5として反射され集束される。実施形態において光4は、光5が互いに平行に伝播し、外向きミラー表面122に入射するように、画像サイド内向きミラー表面154によって集束される。外向きミラー表面122に入射した光5は、外向きミラー表面122によって-Y方向で概して光1に対して平行に反射され、頂点軸16の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の右側の物体Oからの光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界110-物体サイド外部曲面反射境界151-中央に位置付けされた平面反射境界160-画像サイド外部曲面反射境界153-画像サイドCR平面反射境界129-Iという光路を有する。
【0049】
クローキングアセンブリ20の頂点軸16の左側(-X方向)の光1は、光2として外向きミラー表面132により物体サイド外部曲面反射境界171の物体サイド内向きミラー表面172まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面182上の焦線f2まで光3として反射され集束される。光3は、光4として画像サイド外部曲面反射境界173の画像サイド内向きミラー表面174まで外向きミラー表面182によって反射され外向きミラー表面182から発散した後、光5として反射され集束される。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し、外向きミラー表面142に入射するように、画像サイド内向きミラー表面174によって集束される。外向きミラー表面142に入射した光5は、外向きミラー表面142により-Y方向に光1に対して概して平行に反射され、頂点軸16の左(-X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の左側の物体Oからの光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界130-物体サイド外部曲面反射境界171-中央に位置付けされた平面反射境界180-画像サイド外部曲面反射境界173-画像サイドCR曲面反射境界140-Iという光路を有する。
【0050】
組み合わせた形で、すなわちクローキングアセンブリ20の物体サイド12の物体Oからの頂点軸16の右側(+X方向)および左側(-X方向)の光1は、物体-物体サイドCR平面反射境界110、130-物体サイド外部曲面反射境界151、171-中央に位置付けされた平面反射境界160、180-画像サイド外部曲面反射境界153、173-画像サイドCR平面反射境界120、140-画像という光路を介して、画像サイド14まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O-それぞれ物体サイドCR平面反射境界110、130の外向きミラー表面112、132-それぞれ物体サイド外部曲面反射境界151、171の物体サイド内向きミラー表面152、172-それぞれ中央に位置付けされた平面反射境界160、180の外向きミラー表面162、182-それぞれ画像サイド外部曲面反射境界153、173の画像サイド内向きミラー表面154、174-それぞれ画像サイドCR平面反射境界120、140の外向きミラー表面122、142-画像Iという光路を介して伝播する。
【0051】
図3を参照すると、上述の曲面反射境界に比較して拡張されたクローキング領域を備えたクローキングデバイスの実施形態は、物体サイド22、画像サイド24および4つのCR平面反射境界210、220、230、240を備えたクローキングアセンブリ30を含む。物体サイド22は、2等分軸25より上(+Y方向)に位置付けされ、画像サイド24は、2等分軸25より下(-Y方向)に位置付けされる。すなわち、2等分軸25は物体サイド22と画像サイド24の間に延在し、これらの間を線引きする。4つのCR平面反射境界210、220、230、240の各々は、図中に示されたX軸に沿った長さ、Y軸に沿った幅、およびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのCR平面反射境界210、220、230、240の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は、4つのCR平面反射境界210、220、230、240の幅に沿って延在し、図中に示されたZ軸は、4つのCR平面反射境界210、220、230、240の高さに沿って延在する。2つのCR平面反射境界210、230は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ30の物体サイド22に位置付けされてよく、本開示中では、物体サイドCR平面反射境界210、230と呼ぶことができる。2つのCR平面反射境界220、240は、クローキングアセンブリ30によって形成される画像「I」を提供するように、クローキングアセンブリ30の画像サイド24に位置付けされてよく、本開示中では画像サイドCR平面反射境界220、240と呼ぶことができる。
【0052】
CR平面反射境界210、220、230、240は各々、外向きミラー表面212、222、232、242および内向き表面214、224、234、244をそれぞれ有している。本開示中で使用される「外向き」なる用語は、クローキング領域300から離れる方に面し、かつ/またはクローキング領域300から離れる方に光を反射する表面を意味し、本開示中で使用される「内向き」なる用語は、クローキング領域300に向かって面しかつ/またはクローキング領域300に向かって光を反射する表面を意味する。実施形態において、内向き表面214、224、234、244の1つ以上は、不透明な表面、ミラー表面または透明な表面であり得る。外向きミラー表面212、222、232、242は、外向きミラー表面212、222、232、242に入射する光がそこから反射されるように、全方向フォトニック結晶またはミラーで製造され得る。
【0053】
CR平面反射境界210、220、230、240はそれぞれ、頂点端部216、226、236、246および側方端部218、228、238、248を有することができる。側方端部218、228、238、248はそれぞれ、頂点端部216、226、236、246から離隔されており、CR平面反射境界210、220、230、240はそれぞれ、頂点端部216、226、236、246と側方端部218、228、238、248の間に延在している。実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界210、230の頂点端部216、236はそれぞれ、頂点290で合流または交差し、代替的にまたは付加的に、2つの画像サイドCR平面反射境界220、240の頂点端部226、246はそれぞれ、頂点292で合流または交差する。このような実施形態において、頂点軸26は、頂点290および頂点292を二等分し、クローキングアセンブリ30の右側(+X方向)と左側(-X方向)の間の中心線であり得る。他の実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界210、230の頂点端部216、236はそれぞれ、互いに離隔され、2つの画像サイドCR平面反射境界220、240の頂点端部226、246はそれぞれ互いに離隔され、こうしてクローキングされていない領域または間隙(図示せず)が、離隔された頂点端部216、236および離隔された頂点端部226、246の間に存在するようになっている。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像が、クローキングアセンブリ30の画像サイド24に提供されることはない。
【0054】
実施形態において、2つの物体サイドCR平面反射境界210、230および2つの画像サイドCR平面反射境界220、240は、少なくとも部分的に内向き表面214、234、224、244に囲まれているクローキング領域300を形成する。2つの物体サイドCR平面反射境界210、230および2つの画像サイドCR平面反射境界220、240は、図中の座標軸のZ方向で高さ「h」を有し、クローキング領域300内で反射または伝達される光は、内向き表面214、234、224、244を貫通しない。したがって、クローキング領域300の内部に位置設定された部材(例えばクローキングされた部材)は、+Y方向で画像サイド24からクローキングアセンブリ30を検分する観察者には見えない。
【0055】
さらに
図3を参照すると、外部曲面反射境界250がCR平面反射境界210、220から離隔されており、外部曲面反射境界270がCR平面反射境界230、240から離隔されている。外部曲面反射境界250は、物体サイドCR平面反射境界210の外向きミラー表面212に面する物体サイド内向きミラー表面252と、画像サイドCR平面反射境界220の外向きミラー表面222に面する画像サイド内向きミラー表面254を含む。外部曲面反射境界270は、物体サイドCR平面反射境界230の外向きミラー表面232に面する物体サイド内向きミラー表面272と、画像サイドCR平面反射境界240の外向きミラー表面242に面する画像サイド内向きミラー表面274とを含む。いくつかの実施形態において、物体サイド内向きミラー表面252および画像サイド内向きミラー表面254は、単一の内向きミラー表面であってよい。すなわち、物体サイド内向きミラー表面252および画像サイド内向きミラー表面254を含む単一の内向きミラー表面は、外部曲面反射境界250の内部表面に沿って延在していてよい。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面252および画像サイド内向きミラー表面254は、2つの別個で明確に区別される内向きミラー表面である。同様にして、物体サイド内向きミラー表面272および画像サイド内向きミラー表面274は単一の内向きミラー表面であってよい。変形形態では、物体サイド内向きミラー表面272および画像サイド内向きミラー表面274は2つの別個の明確に区別される内向きミラー表面であってよい。
【0056】
物体サイドCR平面反射境界210と画像サイドCR平面反射境界220の間に位置付けされているのは、外向きミラー表面262を備えた中央に位置付けされた平面反射境界260である。外向きミラー表面262は、外部曲面反射境界250の物体サイド内向きミラー表面252および画像サイド内向きミラー表面254に面している。実施形態において、物体サイドCR平面反射境界210は、頂点軸26に対し45°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界260は、物体サイドCR平面反射境界210に対し45°で配向されており、画像サイドCR平面反射境界220は、中央に位置付けされた平面反射境界260および頂点軸26に対し45°で配向されている。このような実施形態において、画像サイドCR平面反射境界220は、物体サイドCR平面反射境界210に対し90°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界260は頂点軸26に対して平行に配向されている。他の実施形態において、物体サイドCR平面反射境界210は、頂点軸26に対し45°で配向されておらず、中央に位置付けされた平面反射境界260は物体サイドCR平面反射境界210に対し45°で配向されておらず、画像サイドCR平面反射境界220は中央に位置付けされた平面反射境界260および頂点軸26に対し45°で配向されていない。例えば、物体サイドCR平面反射境界210は、頂点軸26に対し30°で配向されてよく、中央に位置付けされた平面反射境界260は物体サイドCR平面反射境界210に対し30°で配向され、画像サイドCR平面反射境界220は、中央に位置付けされた平面反射境界260および頂点軸26に対し30°で配向される。このような実施形態においては、画像サイドCR平面反射境界220は、物体サイドCR平面反射境界210に対し120°で配向され、中央に位置付けされた平面反射境界260は頂点軸26に平行に配向される。
【0057】
物体サイドCR平面反射境界230と画像サイドCR平面反射境界240の間に位置付けされているのは、外向きミラー表面282を備えた中央に位置付けされた平面反射境界280である。外向きミラー表面282は、外部曲面反射境界270の物体サイド内向きミラー表面272および画像サイド内向きミラー表面274に面している。実施形態において、物体サイドCR平面反射境界230は、頂点軸26に対し45°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界280は、物体サイドCR平面反射境界230に対し45°で配向されており、画像サイドCR平面反射境界240は、中央に位置付けされた平面反射境界280および頂点軸26に対し45°で配向されている。このような実施形態において、画像サイドCR平面反射境界240は、物体サイドCR平面反射境界230に対し90°で配向されており、中央に位置付けされた平面反射境界280は頂点軸26に対して平行に配向されている。他の実施形態において、物体サイドCR平面反射境界230は、頂点軸26に対し45°で配向されておらず、中央に位置付けされた平面反射境界280は物体サイドCR平面反射境界230に対し45°で配向されておらず、画像サイドCR平面反射境界240は中央に位置付けされた平面反射境界280および頂点軸26に対し45°で配向されていない。例えば、物体サイドCR平面反射境界230は、頂点軸26に対し30°で配向されてよく、中央に位置付けされた平面反射境界280は物体サイドCR平面反射境界230に対し30°で配向され、画像サイドCR平面反射境界240は、中央に位置付けされた平面反射境界280および頂点軸26に対し30°で配向される。このような実施形態においては、画像サイドCR平面反射境界240は、物体サイドCR平面反射境界230に対し120°で配向され、中央に位置付けされた平面反射境界280は頂点軸26に平行に配向される。
【0058】
実施形態において、中央に位置付けされた平面反射境界260、280は、物体サイド22と画像サイド24の間に延在しこれらの間を線引きする2等分軸25上に位置付けされている。このような実施形態において、外向きミラー表面262は、物体サイド内向きミラー表面252および画像サイド内向きミラー表面254の間に等しく位置付けされかつこれらの表面から離隔されていてよく、外向きミラー表面282は、物体サイド内向きミラー表面272および画像サイド内向きミラー表面274の間に等しく位置付けされかつこれらの表面から離隔されていてよい。中央に位置付けされた平面反射境界260、280は、それぞれ側方端部218、228および側方端部238、248に隣接して位置付けされてよい。同様に、中央に位置付けされた平面反射境界260、280の外向きミラー表面262、282は、それぞれ、概して頂点290と頂点292を2等分する頂点軸26に平行である。代替的にまたは付加的に、中央に位置付けされた平面反射境界260、280の外向きミラー表面262、282は、概して、光1に平行に配向されてよい。
【0059】
外部曲面反射境界250は、頂点軸26の右側(+X方向)でクローキングアセンブリ30に入射する物体Oからの光(
図3中に矢印「1」として示されている)が外向きミラー表面212によって物体サイド内向きミラー表面252に反射される(
図3中、矢印「2」で示されている)ように、物体サイドCR平面反射境界210との関係において位置付けされている。実施形態において、光2は、外向きミラー表面212から互いに平行に物体サイド内向きミラー表面252に反射される。中央に位置付けされた平面反射境界260は、外向きミラー表面212からの光2が物体サイド内向きミラー表面252により外向きミラー表面262に(
図3中に矢印「3」として示されている)反射され集束されるように、物体サイド内向きミラー表面252との関係において位置付けされる。実施形態において、光3は、焦線f
3に集束され、外向きミラー表面262は焦線f
3に位置付けされる。外部曲面反射境界250の高さh(Z方向)に沿って物体サイド内向きミラー表面252に入射する光3は概して、焦線f
3と交差しZ方向に延在するラインに集束させることができる。
【0060】
外部曲面反射境界250は、外向きミラー表面262により反射され外向きミラー表面262から発散する光3が画像サイド内向きミラー表面254に入射する(
図3中に矢印「4」として示されている)ように、中央に位置付けされた平面反射境界260との関係において位置付けされる。画像サイドCR平面反射境界220は、画像サイド内向きミラー表面254により反射され集束された光4が、外向きミラー表面222に入射する(
図3中に矢印「5」として示されている)ように、外部曲面反射境界250との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は、画像サイド内向きミラー表面254により互いに平行に外向きミラー表面222に反射され集束される。画像サイドCR平面反射境界220は、光5が互いに平行に反射され頂点軸26の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイド内向きミラー表面254との関係において位置付けされる。
【0061】
外部曲面反射境界270は、頂点軸26の左側(-X方向)のクローキングアセンブリ30に入射する物体Oからの光1が、物体サイド内向きミラー表面272へ光2として外向きミラー表面232により反射されるように、物体サイドCR平面反射境界130との関係において位置付けされている。実施形態において、光2は、外向きミラー表面232によって互いに平行に物体サイド内向きミラー表面272に反射される。中央に位置付けされた平面反射境界280は、外向きミラー表面232からの光2が外向きミラー表面282へ光3として物体サイド内向きミラー表面272により反射され集束されるように、物体サイド内向きミラー表面272との関係において位置付けされる。実施形態において、光3は焦線f4に集束され、外向きミラー表面282は焦線f4に位置付けされる。外部曲面反射境界270の高さh(Z方向)に沿って物体サイド内向きミラー表面272に入射する光3は概して、焦線f4と交差しZ方向に延在するラインに集束される。
【0062】
外部曲面反射境界270は、外向きミラー表面282により反射され外向きミラー表面282から発散する光3(光4)が画像サイド内向きミラー表面274に入射するように、中央に位置付けされた平面反射境界280との関係において位置付けされる。画像サイドCR平面反射境界240は、画像サイド内向きミラー表面274により反射され集束された光4(光5)が、外向きミラー表面242に入射するように、外部曲面反射境界270との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は、画像サイド内向きミラー表面274により互いに平行に外向きミラー表面242に反射され集束される。画像サイドCR平面反射境界240は、光5が光6として互いに平行に反射され頂点軸26の左側(-X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイド内向きミラー表面274との関係において位置付けされる。
【0063】
さらに
図3を参照すると、外部曲面反射境界250の物体サイド内向きミラー表面252は、物体サイド内向きミラー表面252に入射する光2が光3として外向きミラー表面262上の焦線f
3に集束されるように、物体サイドCR平面反射境界210および中央に位置付けされた平面反射境界260との関係において+X方向に外向きに位置付けされる。外部曲面反射境界250の画像サイド内向きミラー表面254は、外向きミラー表面262により反射され外向きミラー表面262から発散する光4が光5として画像サイド内向きミラー表面254により反射され集束されるように、中央に位置付けされた平面反射境界260および画像サイドCR平面反射境界220との関係において+X方向に位置付けされる。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し外向きミラー表面222に入射するように、画像サイド内向きミラー表面254によって集束される。実施形態において、物体サイド内向きミラー表面252の曲率は画像サイド内向きミラー表面254の曲率と同じである。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面252の曲率は、画像サイド内向きミラー表面254の曲率と同じではない。
【0064】
外部曲面反射境界270の物体サイド内向きミラー表面272は、物体サイド内向きミラー表面272に入射する光2が光3として外向きミラー表面282上の焦線f4に集束されるように、物体サイドCR平面反射境界230および中央に位置付けされた平面反射境界280との関係において-X方向に外向きに位置付けされる。外部曲面反射境界270の画像サイド内向きミラー表面274は、外向きミラー表面282により反射され外向きミラー表面282から発散する光4が光5として画像サイド内向きミラー表面274により反射され集束されるように、中央に位置付けされた平面反射境界280および画像サイドCR平面反射境界240との関係において-X方向に位置付けされる。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し外向きミラー表面242に入射するように、画像サイド内向きミラー表面274によって集束される。実施形態において、物体サイド内向きミラー表面272の曲率は画像サイド内向きミラー表面274の曲率と同じである。他の実施形態において、物体サイド内向きミラー表面272の曲率は、画像サイド内向きミラー表面274の曲率と同じではない。
【0065】
さらに
図3を参照すると、物体「O」からの光1は、-Y方向に進み、外向きミラー表面212、232に入射する。クローキングアセンブリ30の頂点軸26の右側(+X方向)の光1は、外向きミラー表面212により光2として物体サイド内向きミラー表面252まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面262上の焦線f
3に光3として反射され集束される。光3は、画像サイド内向きミラー表面254まで光4として外向きミラー表面262によって反射され外向きミラー表面262から発散した後、光5として反射され集束される。光5は互いに平行に伝播し、外向きミラー表面222に入射する。外向きミラー表面222に入射した光5は、外向きミラー表面222によって-Y方向で(
図3に矢印「6」により表わされている)概して光1に対して平行に反射され、頂点軸26の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸26の右側の物体Oからの光1は、物体O-外向きミラー表面212-物体サイド内向きミラー表面252-外向きミラー表面262-画像サイド内向きミラー表面254-外向きミラー表面222-Iという光路を有する。
【0066】
クローキングアセンブリ30の頂点軸26の左側(-X方向)の光1は、光2として外向きミラー表面232により物体サイド内向きミラー表面272まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面282上の焦線f4まで光3として反射され集束される。光3は、光4として画像サイド内向きミラー表面274まで外向きミラー表面282によって反射され外向きミラー表面282から発散した後、光5として反射され集束される。光5は、互いに平行に伝播し、外向きミラー表面242に入射する。外向きミラー表面242に入射した光5は、光6として外向きミラー表面242により-Y方向に光1に対して概して平行に反射され、頂点軸26の左(-X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸26の左側の物体Oからの光1は、物体O-外向きミラー表面232-物体サイド内向きミラー表面272-外向きミラー表面282-画像サイド内向きミラー表面274-外向きミラー表面242-Iという光路を有する。
【0067】
組み合わせた形で、すなわちクローキングアセンブリ30の物体サイド22の物体Oからの頂点軸26の右側(+X方向)および左側(-X方向)の光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界210、230-物体サイド内向きミラー表面252、272-中央に位置付けされた平面反射境界260、280-画像サイド内向きミラー表面254、274-画像サイドCR平面反射境界220、240-画像という光路を介して、画像サイド24まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O-それぞれ物体サイドCR平面反射境界210、230の外向きミラー表面212、232-それぞれ外部曲面反射境界250、270の物体サイド内向きミラー表面252、272-それぞれ中央に位置付けされた平面反射境界260、280の外向きミラー表面262、282-それぞれ外部曲面反射境界250、270の画像サイド内向きミラー表面254、274-それぞれ画像サイドCR平面反射境界220、240の外向きミラー表面222、242-画像Iという光路を介して伝播する。
【0068】
図4を参照すると、クローキングアセンブリ40の一実施形態が、外部曲面反射境界250、270を除き、
図3のクローキングアセンブリ30と同様に描かれている。詳細には、外部曲面反射境界250、270は、それぞれ物体サイド外部曲面反射境界251、271およびそれぞれ画像サイド外部曲面反射境界253、273を含む。すなわち、
図3に単一の構成要素として描かれている外部曲面反射境界250、270は、
図4に描かれているように2つの構成要素から形成されている。物体サイド外部曲面反射境界251、271は、それぞれ物体サイド内向きミラー表面252、272を含み、画像サイド外部曲面反射境界253、273は、画像サイド内向きミラー表面254、274を含む。
【0069】
さらに
図4を参照すると、物体「O」からの光1は、-Y方向に進み、外向きミラー表面212、232に入射する。クローキングアセンブリ40の頂点軸26の右側(+X方向)の光1は、外向きミラー表面212により光2として物体サイド外部曲面反射境界251の物体サイド内向きミラー表面252まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面262上の焦線f
3に光3として反射され集束される。光3は、画像サイド外部曲面反射境界253の画像サイド内向きミラー表面254まで光4として外向きミラー表面262によって反射され外向きミラー表面262から発散した後、光5として反射され集束される。実施形態において光4は、光5が互いに平行に伝播し、外向きミラー表面222に入射するように、画像サイド内向きミラー表面254によって集束される。外向きミラー表面222に入射した光5は、外向きミラー表面222によって-Y方向で概して光1に対して平行に反射され、頂点軸26の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸26の右側の物体Oからの光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界210-物体サイド外部曲面反射境界251-中央に位置付けされた平面反射境界260-画像サイド外部曲面反射境界253-画像サイドCR平面反射境界220-Iという光路を有する。
【0070】
クローキングアセンブリ40の頂点軸26の左側(-X方向)の光1は、光2として外向きミラー表面232により物体サイド曲面反射境界271の物体サイド内向きミラー表面272まで互いに平行に反射された後、外向きミラー表面282上の焦線f4まで光3として反射され集束される。光3は、光4として画像サイド外部曲面反射境界273の画像サイド内向きミラー表面274まで外向きミラー表面282によって反射され外向きミラー表面282から発散した後、光5として反射され集束される。実施形態において、光4は、光5が互いに平行に伝播し、外向きミラー表面242に入射するように、画像サイド内向きミラー表面274によって集束される。外向きミラー表面242に入射した光5は、外向きミラー表面242により-Y方向に光1に対して概して平行に反射され、頂点軸26の左(-X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸26の左側の物体Oからの光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界230-物体サイド曲面反射境界271-中央に位置付けされた平面反射境界280-画像サイド曲面反射境界273-画像サイドCR曲面反射境界240-Iという光路を有する。
【0071】
組み合わせた形で、すなわちクローキングアセンブリ40の物体サイド22の物体Oからの頂点軸26の右側(+X方向)および左側(-X方向)の光1は、物体O-物体サイドCR平面反射境界210、230-物体サイド外部曲面反射境界251、271-中央に位置付けされた平面反射境界260、280-画像サイド外部曲面反射境界253、273-画像サイドCR平面反射境界220、240-画像という光路を介して、画像サイド24まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O-それぞれ物体サイドCR平面反射境界210、230の外向きミラー表面212、232-それぞれ物体サイド外部曲面反射境界251、271の物体サイド内向きミラー表面252、272-それぞれ中央に位置付けされた平面反射境界260、280の外向きミラー表面262、282-それぞれ画像サイド外部曲面反射境界253、273の画像サイド内向きミラー表面254、274-それぞれ画像サイドCR平面反射境界220、240の外向きミラー表面222、242-画像Iという光路を介して伝播する。
【0072】
ここで
図1および
図5~6を参照すると、
図1に関連して論述された実施形態に係るクローキングデバイスの頂面斜視図および側面図がそれぞれ
図5および6に示されている。具体的には、
図5は、クローキングアセンブリ10のクローキング領域内部の支柱「C」の形をした部材および+Y方向でクローキングアセンブリ10の物体サイド12で支柱Cの背後に位置設定された自動車「A」の頂面斜視図である。支柱Cは、クローキングデバイスの高さhよりも大きいZ方向の高さ寸法(+Z方向で増大する高さ)を有する。
図6は、
図1に示されているクローキングアセンブリ10の+Y方向からの側面図であり、+Y方向でクローキングアセンブリ10を検分する観察者にとって、クローキング領域内にある支柱Cの部分が視認不能であり、+Y方向で支柱Cの背後に位置設定された自動車が視認可能であることを示している。したがって、クローキング領域内部に位置付けされた支柱Cは、クローキング領域10の画像サイド14を検分する観察者には視認不能であり、画像サイド14を検分する観察者には、自動車A全体の画像が視認可能である。
図5および6中の支柱Cは、CR平面反射境界110、120、130、140から分離している、すなわち支柱Cはクローキングアセンブリ10とは別個の物体であるものの、支柱Cが構造的にクローキングアセンブリ10の一部であり、外向きミラー表面を備えたCR平面反射境界を提供するかまたはこのCR平面反射境界と同等である外部表面を有することができる、ということを認識すべきである。
【0073】
図7を参照すると、クローキングデバイスによってクローキングされているビークルのAピラーの実施形態が示されている。詳細には、
図7は、ビークルVのAピラーPの一部分をクローキングするクローキングデバイス19を示す。AピラーPの一部分がクローキングデバイス19のクローキング領域(図示せず)内の位置付けされており、AピラーPの一部分がクローキングデバイスを超えて延在しトリムTでカバーされている。クローキングデバイス19の物体サイドでビークルVの外側に例示されているのは、歩行者の形をした標的物体「O」である。歩行者Oの一部分は、ビークルVのサイドウィンドウを通して視認可能であり、歩行者の一部分はクローキングデバイス19によってクローキングされたAピラーPを「通して」視認可能である。クローキングデバイス19は、歩行者Oから反射された光を、クローキングデバイス19のクローキング領域内に位置付けされたAピラーPの周りで方向転換させ、歩行者Oの方を見ているビークルVの乗員にとって視認可能である歩行者Oの画像Iをクローキングデバイス19の画像サイドでビークルの内部に形成する。したがって、歩行者Oからの光は、AピラーPを通過するが如く見え、典型的にAピラーPにより作り出される死角は、クローキングデバイス19のクローキング領域内部にAピラーPの部分が位置付けされていない場合ほどには存在しない。実施形態において、AピラーP自体がCRとして役立つ、すなわちAピラーPは歩行者からの光をAピラーPの周りに方向転換するのを補助する1つ以上の外向きミラー表面を備えた外部表面を有する。クローキングデバイス19を用いたAピラーPのクローキングおよびAピラーPにより生成される死角の迂回が、メタマテリアル、ビデオ画像、カメラ、高性能電子機器を使用することなく行なわれる、ということを認識すべきである。
【0074】
実施例
ここで
図8A~8Dを参照すると、クローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされたエンブレムの形をした物体の、市販のソフトウェアプログラム(Zemax Optic Studio)を用いてシミュレートされた画像サイド14から見た画像が描かれている。内向きミラー表面152、154、172、174は、関係式y(x)=X
2/52にしたがった放物ミラー表面であり、外向きミラー表面162、182は4.0mmの長さ(Y方向)を有していた。内向きミラー表面152、154、172、174についての対応する焦点距離は13.0mmであった。全デバイス面積と隠された領域についての縦横比は、それぞれ0.71および0.9であり、クローキング比(すなわち隠された面積/合計デバイス面積)は約37%であった。
図8Aは、+Y方向からの、すなわち頂点軸16に沿って+Y方向で画像Iを検分する人から見たクローキングアセンブリ10の視角と頂点軸16との間に全く不整合がない(0°)物体の画像を描いている。すなわち本開示中で使用される不整合なる用語は、クローキングアセンブリの頂点軸と、図中の+Y方向により描かれているように画像サイドからクローキングアセンブリを検分する観察者の視線とによって画定される角度(本開示においては視角とも呼ばれる)を意味する。
図8Bは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に1°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図8Cは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に2°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図8Dは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に3°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図8A~8D中の画像により示されているように、クローキングアセンブリ10の物体サイド12の物体の画像は、最高2°の不整合で明瞭に見ることができ、最高3°の不整合でもなお視認可能である。
【0075】
ここで
図9A~9Dを参照すると、クローキングアセンブリ30の画像サイド24から見た、物体サイド22に位置付けされたエンブレムの形をした物体の、シミュレートされた画像(Zemax Optic Studio)が描かれている。内向きミラー表面252、254、272、274は、式y(x)=X
2/56にしたがった放物ミラー表面であり、外向きミラー表面262、282は10mmの長さ(Y方向)を有していた。内向きミラー表面252、254、272、274についての対応する焦点距離は14.0mmであった。
図9Aは、クローキングアセンブリ30の視角と頂点軸26との間に全く不整合がない(0°)物体の画像を描いている。
図9Bは、頂点軸26とクローキングアセンブリ30の視角の間に1°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図9Cは、頂点軸26とクローキングアセンブリ30の視角の間に2°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図9Dは、頂点軸26とクローキングアセンブリ30の視角の間に3°の不整合を有する物体の画像を描いている。
図9A~9D中の画像により示されているように、クローキングアセンブリ30の物体サイド22の物体の画像は、最高2°の不整合で明瞭に見ることができ、最高3°の不整合でもなお視認可能である。
【0076】
本開示中に記載されているクローキングデバイスは、ビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなど、ビークルの内部から見た場合のビークル部材をクローキングし、このビークル部材がもたらす死角を迂回するために使用され得る。「物体」、「部材」および「品目」なる用語は、光を反射または伝達する視覚的物体または画像(2Dまたは3D)を互換的に意味することができ、「~からの光」なる用語は、「~から反射された光」または「~から伝達された光」を意味することができる。「概して」、「おおよそ」、および「約」なる用語は、本開示中では、いずれかの定量的比較、値、測定または他の表現に起因し得る固有の不確実性度を表わすために使用され得る。これらの用語は同様に、本開示中で、問題となっている主題の基本的機能の変化を結果としてもたらすことなく、定量的表現が定められた基準から変動し得る度合を表わすためにも使用される。
【0077】
図中で開示され描かれている実施形態は、4つのCR平面反射境界により囲まれているCRを備えたクローキングアセンブリを描いているものの、2つのCR平面反射により囲まれているCRを備えたクローキングアセンブリも提供される。例えば、非限定的に、クローキング領域は、物体サイドCR平面反射境界および画像サイドCR平面反射境界の間に囲まれていてもよい。同様に、CR平面反射境界と少なくとも1つの外部曲面反射境界の相対的設置との組合せは、クローキングアセンブリの頂点軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合許容誤差を増強し、こうして人は、最高3°までの不整合を有するクローキング領域を通して物体を見ることができる。
【0078】
本開示中で使用されている方向用語、例えば上、下、右、左、前、後、頂部、底部、垂直、水平などは、描画された通りの図を基準としているにすぎず、別段の規定の無い限り絶対的配向を暗示するように意図されていない。
【0079】
本開示中では特定の実施形態が例示され説明されてきたが、請求対象の主題の真意および範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正を加えることができるということを理解すべきである。その上、本開示中では、請求対象の主題のさまざまな態様が説明されてきたが、このような態様を組み合わせで使用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は請求対象の主題の範囲内に入るこのような変更および修正の全てを網羅することが意図されている。
【0080】
[例1]
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドCR平面反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR平面反射境界と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界の内向き表面によって囲まれたクローキング領域と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部曲面反射境界と、
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面の間に位置付けされかつ当該内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、中央に位置付けされた平面反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも1つの外部曲面反射境界、前記中央に位置付けされた平面反射境界、および前記画像サイドCR平面反射境界により前記クローキング領域の周りに反射されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
[例2]
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面と、を含む、例1に記載のクローキングデバイス。
[例3]
前記物体サイドCR平面反射境界は、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を互いに平行に前記物体サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記物体サイド内向き放物ミラー表面は、前記物体サイドCR平面反射境界からの光を前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面に反射し集束させるように配向されており、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面は、前記物体サイド内向き放物ミラー表面からの光を前記画像サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記画像サイド内向き放物ミラー表面は、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面からの光を前記画像サイドCR平面反射境界に反射し集束するように配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界は、前記画像サイド内向き放物ミラー表面からの光を互いに平行に反射して前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例2に記載のクローキングデバイス。
[例4]
前記物体サイド内向き放物ミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記焦線に位置付けされている、例2に記載のクローキングデバイス。
[例5]
前記画像サイド内向き放物ミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から反射された発散光を集束させる、例2に記載のクローキングデバイス。
[例6]
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されている、例1に記載のクローキングデバイス。
[例7]
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、例1に記載のクローキングデバイス。
[例8]
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の物体サイドCR平面反射境界と、
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の画像サイドCR平面反射境界と、
各々が前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む、少なくとも一対の外部曲面反射境界と、
各々が前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の間に位置付けされ前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、一対の中央に位置付けされた平面反射境界と、
をさらに含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された前記物体からの光が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも一対の外部曲面反射境界、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界、および前記一対の画像サイドCR平面反射境界によって前記クローキング領域の周りに反射される、
例1に記載のクローキングデバイス。
[例9]
クローキングデバイスアセンブリであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
前記頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の物体サイドCR平面反射境界および前記第1の側と反対側の前記頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の物体サイドCR平面反射境界を含む、一対の物体サイドCR平面反射境界であって、各々が外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる、一対の物体サイドCR平面反射境界と、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の画像サイドCR平面反射境界および前記第1の側と反対側の前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の画像サイドCR平面反射境界を含む、一対の画像サイドCR平面反射境界であって、各々が外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる、一対の画像サイドCR平面反射境界と、
前記一対の物体サイドCR平面反射境界および前記一対の画像サイドCR平面反射境界の前記内向き表面に囲まれたクローキング領域と、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の外部曲面反射境界および前記第1の側と反対側の前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の外部曲面反射境界を含む、少なくとも一対の外部曲面反射境界であって、各々が前記一対の物体サイドCR平面反射境界および前記一対の画像サイドCR平面反射境界の各々から離隔された内向きミラー表面を含んでいる、少なくとも一対の外部曲面反射境界と、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の中央に位置付けされた平面反射境界および前記第1の側とは反対側の前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の中央に位置付けされた平面反射境界を含む、一対の中央に位置付けされた平面反射境界であって、各々が前記少なくとも一対の外部曲面反射境界の各々の前記外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面の間に位置付けされ当該内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含んでいる、一対の中央に位置付けされた平面反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも一対の外部曲面反射境界、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界、および前記一対の画像サイドCR平面反射境界により前記クローキング領域の周りに反射されて前記クローキングデバイスアセンブリの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして、前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイスアセンブリ。
[例10]
前記少なくとも一対の外部曲面反射境界の各々が、
前記一対の物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、
前記一対の画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面と、
を含んでいる、例9に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例11]
前記一対の物体サイドCR平面反射境界は、前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を互いに平行に前記一対の物体サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記一対の物体サイド内向き放物ミラー表面は、前記一対の物体サイドCR平面反射境界からの光を前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記一対の外向きミラー表面に反射し集束させるように配向されており、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記一対の外向きミラー表面は、前記一対の物体サイド内向き放物ミラー表面からの光を前記一対の画像サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記一対の画像サイド内向き放物ミラー表面は、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記一対の外向きミラー表面からの光を互いに平行に前記一対の画像サイドCR平面反射境界に反射し集束するように配向されており、前記一対の画像サイドCR平面反射境界は、前記一対の画像サイド内向き放物ミラー表面からの光を反射して前記クローキングデバイスアセンブリの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例12]
前記一対の物体サイド内向き放物ミラー表面が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界からの入射光を一対の焦線に集束させ、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記一対の外向きミラー表面が前記一対の焦線に位置付けされている、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例13]
前記一対の画像サイド内向き放物ミラー表面が、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記一対の外向きミラー表面から反射された発散光を集束させる、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例14]
前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されており、前記一対の画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されている、例9に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例15]
前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、例9に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例16]
ビークルであって、
Aピラーと、
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを含む物体サイドCR平面反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを含む画像サイドCR平面反射境界と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界の内向き表面に囲まれたクローキング領域であって、前記Aピラーが当該クローキング領域の内部に位置付けされている、クローキング領域と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部曲面反射境界と、
外向きミラー表面を含む、中央に位置付けされた平面反射境界と、
を含むクローキングデバイスと、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも1つの外部曲面反射境界、前記中央に位置付けされた平面反射境界、および前記画像サイドCR平面反射境界により前記Aピラーの周りに反射されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記Aピラーを通過したようにみえる、
ビークル。
[例17]
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面とを含む、例16に記載のビークル。
[例18]
前記物体サイド内向き放物ミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界からの入射光を焦線に集束させるように配向され、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記焦線に位置付けされている、例17に記載のビークル。
[例19]
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されている、例16に記載のビークル。
[例20]
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、例16に記載のビークル。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドCR平面反射境界であって、前記物体サイドCR平面反射境界は第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部は前記第2の端部より前記物体サイドの近くに位置する、物体サイドCR平面反射境界と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR平面反射境界であって、前記画像サイドCR平面反射境界は第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部は前記第2の端部より前記画像サイドの近くに位置する、画像サイドCR平面反射境界と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界の内向き表面によって囲まれたクローキング領域と、
前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部曲面反射境界と、
前記物体サイドCR平面反射境界の前記第2の端部と前記画像サイドCR平面反射境界の前記第2の端部の間に位置し、前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面の間に位置付けされかつ当該内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、中央に位置付けされた平面反射境界と、
を含み、
第1の頂点は前記物体サイドCR平面反射境界の前記第1の端部により規定され、第2の頂点は前記画像サイドCR平面反射境界の前記第1の端部により規定され、前記頂点軸は前記第1の頂点から前記第2の頂点まで延び、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも1つの外部曲面反射境界、前記中央に位置付けされた平面反射境界、および前記画像サイドCR平面反射境界により前記クローキング領域の周りに反射されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえ、
前記少なくとも1つの外部曲面反射境界が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する物体サイド内向き放物ミラー表面と、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面に近接して位置付けされかつ当該外向きミラー表面に面する画像サイド内向き放物ミラー表面と、を含み、
前記物体サイド内向き放物ミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記焦線に位置付けされている、クローキングデバイス。
【請求項2】
前記物体サイドCR平面反射境界は、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を互いに平行に前記物体サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記物体サイド内向き放物ミラー表面は、前記物体サイドCR平面反射境界からの光を前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面に反射し集束させるように配向されており、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面は、前記物体サイド内向き放物ミラー表面からの光を前記画像サイド内向き放物ミラー表面に反射するように配向されており、前記画像サイド内向き放物ミラー表面は、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面からの光を前記画像サイドCR平面反射境界に反射し集束するように配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界は、前記画像サイド内向き放物ミラー表面からの光を互いに平行に反射して前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項3】
前記画像サイド内向き放物ミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から反射された発散光を集束させる、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項4】
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記物体サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されており、前記画像サイドCR平面反射境界の前記外向きミラー表面が、前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面から45°で配向されている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項5】
前記中央に位置付けされた平面反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項6】
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の物体サイドCR平面反射境界と、
各々が外向きミラー表面と内向き表面とを含む、一対の画像サイドCR平面反射境界と、
各々が前記物体サイドCR平面反射境界および前記画像サイドCR平面反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む、少なくとも一対の外部曲面反射境界と、
各々が前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の間に位置付けされ前記少なくとも1つの外部曲面反射境界の前記内向きミラー表面に面する外向きミラー表面を含む、一対の中央に位置付けされた平面反射境界と、
をさらに含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された前記物体からの光が、前記一対の物体サイドCR平面反射境界、前記少なくとも一対の外部曲面反射境界、前記一対の中央に位置付けされた平面反射境界、および前記一対の画像サイドCR平面反射境界によって前記クローキング領域の周りに反射されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成する、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のクローキングデバイスを含むビークルであって、Aピラーが前記クローキング領域の内部に位置付けされている、ビークル。
【外国語明細書】