(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088399
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】レーザー測距装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20220607BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20220607BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220607BHJP
H01M 50/216 20210101ALI20220607BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20220607BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
H01M50/202 501C
H01M50/202 501B
H01M50/213
H01M50/216
H01M50/244 A
G01C3/06 120Q
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032410
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2020544080の分割
【原出願日】2017-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】520165227
【氏名又は名称】杭州▲れん▼和工具製造有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】515196805
【氏名又は名称】杭州巨星科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】王偉毅
(72)【発明者】
【氏名】李躍明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組立プロセスにおいて高い精度が要求されるコアアセンブリとケーシングの高い製造コストや低い製造効率を解決する。
【解決手段】ホルダー、前記ホルダーに装着された測定部品、及び前記ホルダーに取り外し可能に接続された筐体3、を含むレーザー測距装置を提供する。前記筐体3は第一のケーシングを含み、前記第一のケーシングは前記ホルダーの外側の取り外し可能なスリーブとされる一体的に形成された管状構造体を含む。ホルダー上に測定コンポーネントを固定装着し、前記ホルダーの外側上に取り外し可能なケーシングを備え付けることによって、前記ケーシングの分解及び組立時に、前記測定コンポーネントの位置が動かず、前記測定部品の測距精度が影響を受けないことが確保される。前記ケーシングは、複数の単純なコンポーネントから構成されており、前記ケーシング部品の加工の困難さを効果的に低減することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの装着用溝部を含むホルダーと、
前記装着用溝部に装着された測定部品と、
前記ホルダーに取り外し可能に接続された筐体と、
を備え、
前記筐体は、第一のケーシングを含み、
前記第一のケーシングは、前記ホルダーの外側の取り外し可能なスリーブとして一体的に形成された管状構造体であり、
前記ホルダーを前記第一のケーシングに装着するプロセス及び前記ホルダーを前記第一のケーシングから取り外すプロセスの過程で、前記測定部品が常に前記ホルダーに固定されるように構成される、
レーザー測距装置。
【請求項2】
前記ホルダーは、側壁と、第一の端部と、前記第一の端部とは反対に位置する第二の端部を有し、
前記第一のケーシングの両端部が、それぞれ、第一の開口部及び第二の開口部を備え、
前記ホルダーの前記第一の端部が、前記第二の開口部を介して前記第一のケーシングに挿入され、前記ホルダーの前記第二の端部が、前記第二の開口部の外側まで延びる、
請求項1に記載のレーザー測距装置。
【請求項3】
前記筐体は、第二のケーシング及び第三のケーシングをさらに含み、前記第二のケーシングは、前記第一のケーシングの前記第一の開口部に取り外し可能に接続され、前記第三のケーシングは、前記第一のケーシングの前記第二の開口部に取り外し可能に接続される、請求項2に記載のレーザー測距装置。
【請求項4】
前記ホルダーは、
前記第二のケーシングに対向して配置された第一の装着用溝部と、
前記第三のケーシングに対向して配置された第二の装着用溝部と、を備え、
前記測定部品が、前記第一の装着用溝部に装着され、前記第二の装着用溝部が第一の電池を装着するように構成される、
請求項3に記載のレーザー測距装置。
【請求項5】
溝部が前記ホルダーの側壁に備えられ、
リブが前記第一のケーシングの内部から突出し、前記リブが前記溝部にスライド可能に挿入されている、
請求項2に記載のレーザー測距装置。
【請求項6】
前記ホルダーの形状が、細長形状であり、
前記筐体の形状が、まっすぐな円筒形状である、
請求項1に記載のレーザー測距装置。
【請求項7】
前記レーザー測距装置は、
前記ホルダーに装着されたディスプレイデバイスと、
前記ホルダーに装着されたボタンスイッチと、
をさらに備え、
前記ディスプレイデバイス及び前記ボタンスイッチは、前記測定部品及び/又は少なくとも1つの電池と配線を通して接続されている、
請求項2に記載のレーザー測距装置。
【請求項8】
前記ホルダーが、
前記ディスプレイデバイスを装着するための前記ホルダーの前記側壁の凹んだ第三の装着用溝部と
前記ボタンスイッチを備え付けるための前記ホルダーの前記側壁の凹んだ第四の装着用溝部と、
を含み、
前記第一のケーシングが、
第一のケーシング本体と、
前記第一のケーシング本体の一方の側の表面上の凹んだ第一の溝部と、
前記第一の溝部の底面を貫通しており、前記ディスプレイデバイスに対向して配置された第一の貫通孔と
前記第一の溝部の前記底面を貫通しており、前記ボタンスイッチの一部分によって貫通されている第二の貫通孔と、
を含む、
請求項7に記載のレーザー測距装置。
【請求項9】
前記レーザー測距装置は、
前記第一の溝部に装着され、前記第一の貫通孔に対向して配置された部分を有する透明カバーと、
前記透明カバーの一方の端部を貫通し、前記第二の貫通孔に対向して配置されたカバー貫通孔と、
をさらに備え、
前記第二の貫通孔及び前記カバー貫通孔は、前記ボタンスイッチの一部分によって順に貫通されている、
請求項8に記載のレーザー測距装置。
【請求項10】
前記測定部品が、
前記第一のケーシングの前記第一の開口部に向いている第一のレーザーポートを有するレーザー発生デバイスと、
前記第一のケーシングの前記第一の開口部に向いている第二のレーザーポートを有する光電変換デバイスと、
を含み、
前記第二のケーシングが、
第二のケーシング本体と、
前記第二のケーシング本体を貫通しており、前記第一のレーザーポートに対向して配置された第三の貫通孔と
前記第二のケーシング本体を貫通しており、前記第二のレーザーポートに対向して配置された第四の貫通孔と、
を含む、
請求項4に記載のレーザー測距装置。
【請求項11】
前記第二のケーシングが、
前記第二のケーシング本体の一方の側の表面から突出し、前記第一のケーシングの前記第一の開口部にロックされた第一のロッキングブロックと、
前記第一のロッキングブロックに備えられた差し込み部であって、前記ホルダーの前記第一の端部及び前記第一のケーシングのリブの一方の端部が前記差し込み部に取り外し可能にロックされている、差し込み部と、
前記第一のロッキングブロック及び前記第二のケーシング本体によって囲まれ、形成された第二の溝部であって、前記測定部品の前端部が前記第二の溝部に挿入されている、第二の溝部と、
を含む、
請求項10に記載のレーザー測距装置。
【請求項12】
前記第二のケーシングは、
前記第二のケーシング本体の一方の側の表面から突出する、少なくとも一つの第二のロッキングブロックを含み、
前記レーザー測距装置が、前記第二のロッキングブロックと適合する、少なくとも一つのロッキング溝部を含み、前記ロッキング溝部は、前記第一のケーシングの内部側壁に、又は前記ホルダーの前記第一の端部に備えられ、
前記第二のロッキングブロックは、対応する前記ロッキング溝部に固定される、
請求項11に記載のレーザー測距装置。
【請求項13】
前記ホルダーは、前記ホルダーの前記第一の端部に備えられ、前記第二のケーシングに対向して配置されたホルダーネジ孔を含み、
前記第二のケーシングは、前記第二のケーシング本体を貫通しており、前記ホルダーネジ孔に対向して配置された第五の貫通孔と、
前記第五の貫通孔を通して前記ホルダーネジ孔に接続されているネジと、
をさらに備える、
請求項10に記載のレーザー測距装置。
【請求項14】
前記第三のケーシングが、
第三のケーシング本体と、
前記第三のケーシング本体の一方の側に、ノッチの方向が前記第一のケーシングに向くように配置された第三の溝部と、
一方の端部が前記第三の溝部の底に接続され、他方の端部が前記ホルダーの前記第一の電池に接続されるように構成される弾性部材と、
を含む、
請求項4に記載のレーザー測距装置。
【請求項15】
前記第三のケーシングが、
第三のケーシング本体と、
前記第三のケーシング本体の一方の側に、ノッチの方向が前記第一のケーシングに向くように備えられ、第二の電池を装着するように構成された第三の溝部と、
一方の端部が前記ホルダーの中の電池と直列に接続されている、前記第三の溝部に取り外し可能に装着された第二の電池と、
一方の端部が前記第三の溝部の底に接続され、他方の端部が前記第二の電池に接続されている弾性部材、
を含む、
請求項4に記載のレーザー測距装置。
【請求項16】
前記第三のケーシングが、
前記第三の溝部の前記ノッチに備えられた雌型コネクタと、
前記ホルダーの前記第一の端部から突出し、前記雌型コネクタに取り外し可能に接続されている雄型コネクタと、
前記雄型コネクタに配置され、前記第二の装着用溝部と連結しているコネクタキャビティ、
をさらに備える、
請求項14又は請求項15に記載のレーザー測距装置。
【請求項17】
前記レーザー測距装置は、
前記筐体の外部表面を部分的に又は完全に覆うシースをさらに含む、
請求項1に記載のレーザー測距装置。
【請求項18】
前記筐体の2つ以上の断面の形状及びサイズが同じであり、
前記筐体の前記断面の形状として、円形、楕円形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた四角形、又は丸みを帯びた多角形が挙げられる、
請求項1に記載のレーザー測距装置。
【請求項19】
ホルダーバッフルが、前記ホルダーの前記第二の端部に備えられ、前記ホルダーバッフルの形状が前記筐体の断面に相当する、
請求項2に記載のレーザー測距装置。
【請求項20】
前記筐体の材料が、アルミニウム合金、プラスチック、ナイロン材料、又は炭素繊維材料である、
請求項1に記載のレーザー測距装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定ツールの分野に関し、詳細には、レーザー測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー距離計は、一般的な非接触測距ツールであり、建築、室内装飾、交通事故処理などの分野に用いることができる。先行技術のレーザー距離計は、一般的に、コアアセンブリをケーシング中に直接一体化している。前記レーザー距離計の前記コアアセンブリは、組立プロセスにおいて高い精度が要求される精密コンポーネントである。前記レーザー距離計の製造又はメンテナンスは、専門家によって行われる必要があり、各アセンブリは、使用時の測距精度を確保するために、検査及び精度調節が必要であり、このことは、製品の製造効率という点で低く、再加工作業時において問題となる。普通のユーザーにとって、精度の検査及び調節を行うことは困難であるため、前記レーザー距離計を、普通のユーザーが分解し、修理することはできない。そうした場合、前記測距精度が影響を受け、誤差が大きくなってしまう。
【0003】
加えて、前記レーザー距離計の前記コアアセンブリ及び他のコンポーネントは、ほとんどが不規則な形状のコンポーネントであり、前記ケーシングは、様々なコンポーネントに対して適する形状となるような複数の部品装着用溝部を有するように構成されることが必要である。前記ケーシングの製造プロセスは複雑であり、製造コストは高く、製造効率は低く、生産性は、ある特定の程度に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の前記レーザー測距装置の前記ケーシングの不都合な組立の問題、前記ケーシングの複雑なプロセス、高い製造コスト、及び低い製造効率を解決するレーザー測距装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題点を解決するために、本発明は、ホルダー、前記ホルダーに装着された測定部品、及び前記ホルダーに取り外し可能に接続された筐体、を含むレーザー測距装置を提供し、前記筐体は、第一のケーシングを含み、前記第一のケーシングは、前記ホルダーの外側の取り外し可能なスリーブとされる一体的に形成された管状構造体である。
【0006】
さらに、様々な実施形態では、前記筐体は、さらに、前記第一のケーシングの両端部にそれぞれ取り外し可能に接続された第二のケーシング及び第三のケーシングを含む。
【0007】
さらに、様々な実施形態では、前記第一のケーシングの両端部は、それぞれ、第一の開口部及び第二の開口部を備え、前記第二のケーシングは、前記第一のケーシングの前記第一の開口部に取り外し可能に装着され、前記ホルダーの一方の端部は、前記第二の開口部を介して前記第一のケーシングに挿入され、前記ホルダーの他方の端部は、前記第二の開口部の外側まで延び、前記第三のケーシングに取り外し可能に接続されている。
【0008】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、さらに、前記ホルダーの外部側壁上に備えられた溝部、及び前記第一のケーシングの内部側壁から突出して、前記溝部にスライド可能に挿入されているリブ、を含む。
【0009】
さらに、様々な実施形態では、前記ホルダーの形状は、細長形状であり、前記筐体の形状は、まっすぐな円筒形状である。
【0010】
さらに、様々な実施形態では、前記ホルダーは、前記第二のケーシングに対向して配置された第一の装着用溝部、及び前記第三のケーシングに対向して配置された第二の装着用溝部を含む。
【0011】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記ホルダーに装着されたディスプレイデバイス、及び前記ホルダーに装着されたボタンスイッチをさらに含み、前記ディスプレイデバイス及び前記ボタンスイッチは、前記測定部品及び/又は少なくとも1つの電池と配線を通して接続されている。
【0012】
さらに、様々な実施形態では、前記ホルダーは、前記ディスプレイデバイスを装着する
ための前記ホルダーの側壁上の凹んだ第三の装着用溝部;及び前記ボタンスイッチを装着するための前記ホルダーの側壁上の凹んだ第四の装着用溝部、を含み;前記第一のケーシングは、第一のケーシング本体;前記第一のケーシング本体の一方の側の表面上の凹んだ第一の溝部;前記第一の溝部の底面を貫通しており、前記ディスプレイデバイスに対向して配置された第一の貫通孔;及び前記第一の溝部の前記底面を貫通しており、前記ボタンスイッチの一部分によって貫通されている第二の貫通孔、を含む。
【0013】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記第一の溝部に装着され、前記第一の貫通孔に対向して配置された部分を有する透明カバー;及び前記透明カバーの一方の端部を貫通し、前記第二の貫通孔に対向して配置されたカバー貫通孔、をさらに含み、前記第二の貫通孔及び前記カバー貫通孔は、前記ボタンスイッチの一部分によって順に貫通されている。
【0014】
さらに、様々な実施形態では、前記測定部品は、前記第一のケーシングの前記第一の開口部に向いている第一のレーザーポートを有するレーザー発生デバイス;及び前記第一のケーシングの前記第一の開口部に向いている第二のレーザーポートを有する光電変換デバイス、を含み、前記第二のケーシングは、第二のケーシング本体;前記第二のケーシング本体を貫通しており、前記第一のレーザーポートに対向して配置された第三の貫通孔;及び前記第二のケーシング本体を貫通しており、前記第二のレーザーポートに対向して配置された第四の貫通孔、を含む。
【0015】
さらに、様々な実施形態では、前記第二のケーシングは、前記第二のケーシング本体の一方の側の表面から突出し、前記第一のケーシングの前記第一の開口部にロックされた第一のロッキングブロック;前記第一のロッキングブロック上に備えられた差し込み部であって、前記第一のケーシングの前記リブの一方の端部が前記差し込み部に取り外し可能にロックされている、差し込み部;前記第一のロッキングブロック及び前記第二のケーシング本体によって囲まれ、形成された第二の溝部であって、前記測定部品の前端部が前記第二の溝部に挿入されている、第二の溝部、を含む。
【0016】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記ホルダーの前端部に配置され、前記第二のケーシングに対向して配置されたホルダーネジ孔;及び前記第二のケーシング本体を貫通し、前記ホルダーネジ孔に対向して配置された第五の貫通孔;及び前記第五の貫通孔を通して前記ホルダーネジ孔に接続されているネジ、をさらに含む。
【0017】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、第一のケーシングの前端部又は前記ホルダーの前端部の内部前壁上に備えられたロッキング溝部;及び前記第二のケーシング本体の一方の側の表面から突出し、前記ロッキング溝部にロックされた第二のロッキングブロック、をさらに含む。
【0018】
さらに、様々な実施形態では、前記第三のケーシングは、第三のケーシング本体;前記第三のケーシング本体の一方の側の表面に、ノッチ方向が前記第一のケーシング本体に向くように備えられた第三の溝部;及び一方の端部が前記第三の溝部の底に接続され、他方の端部が前記ホルダー中の電池に接続されている弾性部材、を含む。
【0019】
さらに、様々な実施形態では、前記第三のケーシングは、第三のケーシング本体;前記第三のケーシング本体の一方の側の表面に、ノッチ方向が前記第一のケーシングに向くように備えられた第三の溝部;一方の端部が前記ホルダー中の前記電池と直列に接続されている、前記第三の溝部に取り外し可能に装着された第二の電池;及び一方の端部が前記第三の溝部の底に接続され、他方の端部が前記第二の電池に接続されている弾性部材、を含む。
【0020】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記第三の溝部の前記ノッチに備えられた雌型コネクタ;前記ホルダーの一方の端部から突出し、前記雌型コネクタに取り外し可能に接続されている雄型コネクタ;及び前記雄型コネクタ中に配置され、前記第二の装着用溝部と連結しているコネクタキャビティ、をさらに含む。
【0021】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記筐体の外部表面を部分的に又は完全に覆うシースをさらに含む。
【0022】
本発明の別の目的は、大きい体積、大きい占有スペース、及び不便な携帯性などの先行技術のレーザー測距装置の問題点を解決するためのレーザー測距装置を提供することである。
【0023】
上記の技術的問題点を解決するために、本発明は、筐体を備えたレーザー測距装置を提供し、前記筐体の2つ以上の断面の形状及びサイズが同じであり、前記筐体の前記断面形状としては、円形、楕円形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた四角形、又は丸みを帯びた多角形が挙げられる。
【0024】
さらに、様々な実施形態では、前記筐体は、14~22mmの範囲内の断面高さを有し、及び前記筐体は、18~25mmの範囲内の断面幅を有する。
【0025】
さらに、様々な実施形態では、前記筐体の断面が円形である場合、前記筐体の断面の直径は、18~28mmの範囲内であり、前記筐体の断面が楕円形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた四角形、又は丸みを帯びた多角形である場合、前記筐体の断面の内接円の直径は、18~20mmの範囲内であり、前記筐体の断面の外接円の直径は、20~28mmの範囲内である。
【0026】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、測定部品とディスプレイデバイスとから構成される測定ディスプレイ部品をさらに含み、前記測定ディスプレイ部品の断面高さは、10~12mmの範囲内であり、測定ディスプレイ部品の断面幅は、15~17mmの範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の長さは、39~45mmの範囲内である。
【0027】
さらに、様々な実施形態では、前記測定ディスプレイ部品の断面幅の前記筐体の断面幅に対する比は、0.6~0.8の範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の断面高さの前記筐体の断面高さに対する比は、0.6~0.8の範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の断面積の前記筐体の断面積に対する比は、0.67~0.8の範囲内である。
【0028】
さらに、様々な実施形態では、前記レーザー測距装置は、前記筐体中に配置された電池をさらに含み、前記電池としては、ボタン電池又は円筒型電池が挙げられ、前記電池がボタン電池である場合、前記筐体の長さは、60~70mmの範囲内であり、前記電池が円筒型電池である場合、前記筐体の長さは、95~150mmの範囲内である。
【0029】
さらに、様々な実施形態では、前記筐体の材料は、アルミニウム合金、プラスチック、ナイロン材料、又は炭素繊維材料である。
【0030】
本発明の利点は、ホルダー上に測定コンポーネントを固定装着し、前記ホルダーの外側上に取り外し可能なケーシングを備え付ける、レーザー測距装置を提供することであり、それによって、前記ケーシングの分解及び組立時に、前記測定コンポーネントの位置が動かず、前記測定部品の測距精度が影響を受けないことが保証される。前記レーザー測距装
置の前記ケーシングは、単純な形状の複数のコンポーネントから構成されており、前記ケーシングコンポーネントの加工の困難さを効果的に低減することができる。一方、前記ケーシングの組立及び分解は、単純で便利であり、製造効率が向上し、製造コストが低減され、生産性が高められる。前記レーザー測距装置は、小サイズであり、コンパクトな構造であり、占有空間が低減されており、ユーザーによる運搬が容易であり、並びに良好な耐ショック性能及び手触りを有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態の全体構造の模式図である。
【
図2】
図2は、前記第一のケーシングを取り外した後の本発明の第1実施形態の前面構造図である。
【
図3】
図3は、前記第一のケーシングを取り外した後の本発明の第1実施形態の左面構造図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態の断面構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態のホルダーの構造図である。
【
図6】
図6は、前記筐体を取り外した後の本発明の第1実施形態の構造図である。
【
図7】
図7は、前記筐体を取り外した後の本発明の第1実施形態の測定部品の構造図である。
【
図8】
図8は、前記筐体を取り外した後の本発明の第1実施形態の電池部分の構造図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態の第一のケーシング及びディスプレイデバイスの分解構造図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態の第二のケーシング及び前記第一のケーシングの分解構造図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態の前記第二のケーシングの構造図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態の第三のケーシングの構造図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施形態の前記第三のケーシング及び前記第一のケーシングの分解構造図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施形態の前記第二のケーシングの構造図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施形態の部分構造の断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第3実施形態の全体構造の模式図である。
【
図17】
図17は、本発明の第3実施形態の部分構造の模式的断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ホルダー、2 測定部品、3 筐体、4 電池、5 ディスプレイデバイス、6 ボタンスイッチ;
7 シース、8 第二の電池;
11 第一の装着用溝部、12 第二の装着用溝部、13 第三の装着用溝部、14 第四の装着用溝部、15 溝部;
16 雄型コネクタ、17 コネクタキャビティ、18 ホルダーネジ孔;
21 コアアセンブリ、22 レーザー発生デバイス、23 光電変換デバイス;
31 第一のケーシング、32 第二のケーシング、33 第三のケーシング、34 透明カバー、
35 第一の開口部、36 第二の開口部、37 ホルダーバッフル、38 ネジ;
61 スイッチベース、62 ボタン、63 スイッチ接触部;
121 金属接触部、122 金属リング、123 バス;
221 第一のレーザーポート、222 第二のレーザーポート;
311 リブ、312 第一の溝部、313 第一の貫通孔、314 第二の貫通孔、
321 第二のケーシング本体、322 第三の貫通孔、323 第四の貫通孔、324 第一のロッキングブロック、
325 第二の溝部、326 差し込み部、327 ロッキング溝部、328 第二のロッキングブロック、329 第五の貫通孔;
331 第三のケーシング本体、332 第三の溝部、333 弾性部材、334 雌型コネクタ、341 カバー貫通孔
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の好ましい実施形態を、当業者にとって完全な記載となるように、添付の図面を参照して以下に記載し、その技術的内容は、より明らかに及びより容易に理解される。本発明は、多くの異なる形態の実施形態で実現することができ、本発明の保護範囲は、本明細書で述べる実施形態に限定されない。
【0034】
添付の図面において、構造的に同一のコンポーネントは、同じ符号で示されており、図面を通して構造的に又は機能的に類似のコンポーネントは、類似の符号が付与されている。本発明で言及される、「上」、「下」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「内側」、「外側」、及び「側面」などの方向を表す用語は、単に前記図面中の方向であって、本発明を説明し、記載するために用いられるものであり、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0035】
ある特定のコンポーネントが、別のコンポーネントの「上」にあるとして記載される場合、前記コンポーネントは、その他方のコンポーネントの上に直接配置されていてよく、又は前記コンポーネントが上に配置される中間コンポーネントが存在していてもよく、前記中間コンポーネントは、その他方のコンポーネントの上に配置される。コンポーネントが、別の要素に「装着されている」又は「接続されている」として記載される場合、いずれの場合も、直接「装着されている」若しくは「接続されている」として理解されてよく、又はコンポーネントは、中間コンポーネントを介して間接的に別のコンポーネントに「装着されている」若しくは「接続されている」状態であってもよい。
【0036】
[第1実施形態]
図1~4に示されるように、本実施形態は、ホルダー1、測定部品2、及び筐体3を備えるレーザー測距装置を提供する。前記測定部品2は、前記ホルダー1に固定接続されている。前記筐体3は、前記ホルダー1に、取り外し可能に接続されている。前記筐体3は、前記ホルダー1及び前記測定部品2を覆っている。前記筐体3と前記測定部品2との間には、ギャップが存在する。本実施形態では、前記測定部品2が位置する方向は、前端部である。前記筐体3を前記ホルダー1に対して分解する/組み立てるプロセスの過程で、前記筐体3と前記測定部品2との間には常にギャップが存在し、それらの接触は起こらない。
【0037】
図5に示されるように、前記ホルダー1は、第一の装着用溝部11、第二の装着用溝部12、第三の装着用溝部13、及び第四の装着用溝部14を含む。前記第一の装着用溝部11は、前記ホルダー1の前端部に配置され、前記第二の装着用溝部12は、前記ホルダー1の後端部に配置されている。前記第三の装着用溝部13及び前記第四の装着用溝部14は、前記ホルダー1の側面上に平行に配列されている。
【0038】
図6に示されるように、前記測定部品2は、前記第一の装着用溝部11に固定装着され、前記第一の装着用溝部11の形状は、前記測定部品2に適合されている。前記測定部品2は、レーザー距離計コアアセンブリ21を備え、それは、レーザー発生デバイス22及び光電変換デバイス23を備えており、これらはいずれも、前記ホルダー1の前端部に配置され、同じ面上に存在する。
【0039】
図1~6に示されるように、この実施形態は、さらに、電池4、測定部品2、ディスプ
レイデバイス5、及びボタンスイッチ6を含む。
【0040】
図4に示されるように、前記電池4は、前記ディスプレイデバイス5に電力を供給するために用いられる。この実施形態では、直列の2つの円筒型電池が、好ましくは取り外し可能に、前記第二の装着用溝部12に装着されている。前記第二の装着用溝部12は、電池パックの形状に適合された形状を有する。他の実施形態では、1又は複数の円筒型電池又はボタン電池が選択されてもよい。
【0041】
図5~6に示されるように、前記ディスプレイデバイス5は、前記第三の装着用溝部13に配置され、前記測定部品2又は前記電池4と配線を通して接続されている。前記ディスプレイデバイス5は、好ましくは、前記コアアセンブリ21によって測定された距離読み取り値を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンである。前記第三の装着用溝部13の形状は、前記ディスプレイデバイス5の筐体の形状に適合されており、前記LCDスクリーンは、外側に向いている。
【0042】
前記ボタンスイッチ6は、前記第四の装着用溝部14に配置され、前記測定部品2又は前記電池4と配線を通して接続されている。前記第四の装着用溝部14の形状は、前記ディスプレイデバイス5の筐体の形状に適合されている。前記ボタンスイッチ6が押されると、前記電池4は、前記測定部品2及び前記ディスプレイデバイス5に電気を供給する。前記ディスプレイデバイス5及び前記ボタンスイッチ6は、横に並んで配列され、このことは、ユーザーが示度を制御し、読み取るのに都合が良い。
【0043】
図7~8に示されるように、前記第二の装着用溝部12の前端部には、前記円筒型電池4の正極に電気接続されている金属接触部121が備えられている。金属リング122は、前記第二の装着用溝部12の後端部に配置され、前記円筒型電池4の外側のスリーブとされ、前記円筒型電池4の負極に電気接続されている。前記コアアセンブリ21には、電源モジュール211が備えられている。前記金属接触部121及び前記金属リング122は、前記コアアセンブリ21に電力供給するために前記電源モジュール211及び前記電池4に直接又は間接的に電気接続された特別な形状の配線である。電源モジュール211は、前記LCDスクリーンに電力を供給するためのバス123を通して前記ディスプレイデバイス5に電気接続されている。前記ボタンスイッチ6は、前記測定部品2及び前記ディスプレイデバイス5のオン/オフを制御するために、前記電源モジュール211及び/又は前記電池4と配線を通して電気接続されている。
【0044】
図6~7に示されるように、前記ボタンスイッチ6が押されて作動状態とされると、前記測定部品2及び前記ディスプレイデバイス5は、同時に電力供給され、前記レーザー発生デバイス22は、レーザービームを発して測定されるべき物体を照射する。光線は、前記物体の表面で反射され、前記光電変換デバイス23に対して照射され、それによって、前記測定部品2の参照点と測定されるべき前記物体との間の距離が算出され、ユーザーが示度を読み取ることができるように前記ディスプレイデバイス5に表示される。
【0045】
図4に示されるように、前記筐体3は、第一のケーシング31、第二のケーシング32、及び第三のケーシング33を含む。前記第二のケーシング32は、前記第一のケーシング31の前端部に取り外し可能に接続され、前記第三のケーシング33は、前記第一のケーシング31の後端部に取り外し可能に接続されている。前記第二のケーシング32は、前記測定部品2が装着されている前記第一の装着用溝部11に対向して配置され、前記第三のケーシング33は、前記電池4が装着されている前記第二の装着用溝部12に対向して配置されている。
【0046】
図4~5及び
図9に示されるように、前記第一のケーシング31は、一体的に形成され
た管状構造体であり、その中に円筒形状キャビティを有し、前記第一のケーシング31は、前記ホルダー1の外側のスリーブとされる。前記第一のケーシング31の両端部は、それぞれ、第一の開口部35及び第二の開口部36を備えている。前記第一の開口部35及び第二の開口部36の断面形状及びサイズは、すべて前記第一のケーシングの内壁の断面形状及びサイズと一致している。前記第二のケーシング32は、前記第一の開口部35に取り外し可能に装着されている。ホルダーバッフル37は、前記ホルダー1の後端部に配置され、前記第一のケーシング31の外壁の断面と同じ又はそれに相当する形状を有する。前記ホルダー1の前端部は、前記第二の開口部36を通して前記第一のケーシング31に挿入され、その後端部は、前記第二の開口部36の外側まで延び、前記第三のケーシング33に取り外し可能に接続されている。
【0047】
前記ホルダー1は、さらに、前記ホルダー1の外部側壁上に備えられ、両側に配置された2つの溝部15も備える。前記第一のケーシング31の内部側壁は、内向きに突出した両側にある2つのリブ311を備える。前記ホルダー1の前端部が前記第二の開口部36を介して前記第一のケーシング31に挿入されると、前記リブ311は、前記溝部15にスライド可能に挿入され、前記ホルダーバッフル37及び前記第二の開口部36のエッジ部は、対向して配置され、互いに接する。一方、前記第二のケーシング32は、前記第一の開口部35を通して前記ホルダー1の他方の端部に固定される。前記第一のケーシング31は、前記ホルダーバッフル37と前記第二のケーシング32との間に挟まれ、それによって、前記第一のケーシング31及び前記ホルダー1がそれぞれ固定される。
【0048】
図9に示されるように、前記第一のケーシング31は、第一の溝部312、第一の貫通孔313、及び第二の貫通孔314を含む。前記第一の溝部312は、前記第一のケーシング31の一方の側の表面上の凹みであり、前記第一のケーシング31の前記第一の溝部312の位置は、前記ホルダー1上の前記ディスプレイデバイス5及び前記ボタンスイッチ6に対応している。前記第一の貫通孔313及び前記第二の貫通孔314は、それぞれ、前記第一の溝部312の底面を貫通しており、前記第一の貫通孔313は、前記ディスプレイデバイス5に対向して配置され、前記ボタンスイッチ6の一部分は、前記第二の貫通孔314を貫通しており、それによって、前記ディスプレイデバイス5及び前記ボタンスイッチ6は、ユーザーが操作するために前記第一のケーシング31の表面の同じ側に露出可能となる。本発明の他の実施形態では、前記ディスプレイデバイス5及び前記ボタンスイッチ6は、前記第一のケーシング31の外側に配置され得る。前記第一のケーシング31には、接続配線を通すことができる貫通孔があることだけが必要である。
【0049】
この実施形態は、さらに、前記第一の溝部312に装着された透明カバー34を含む。前記透明カバー34は、前記第一の貫通孔313に対向して配置された部分を有し、前記透明カバー34は、前記ディスプレイデバイス5を保護する。ユーザーは、前記透明カバー34をとして前記ディスプレイデバイス5の示度を読み取ることができる。
【0050】
図5及び9に示されるように、前記透明カバー34の一方の端部は、前記第二の貫通孔314に対向して配置されたカバー貫通孔341を備えている。前記ボタンスイッチ6は、一体的に形成されたスイッチベース61及びボタン62を含む。前記スイッチベース61は、前記第四の装着用溝部14に配置されている。前記ボタン62は、前記第二の貫通孔314及び前記カバー貫通孔341を順に貫通して、ユーザーが押し易いように、前記第一のケーシング31の外側に露出されている。スイッチ接触部63は、前記スイッチベース61の下に配置され、前記測定部品2の前記電源モジュール211に電気接続されている。前記ボタンスイッチ62を押すことで、前記電池4を、前記測定部品2及び前記ディスプレイデバイス5の電源をオン又はオフとするように制御することができる。
【0051】
図10~11に示されるように、本実施形態では、前記第二のケーシング32は、第二
のケーシング本体321、第三の貫通孔322、及び第四の貫通孔323を含む。
【0052】
前記測定部品2の前記レーザー発生デバイス22は、前記第一の開口部25に向いている第一のレーザーポート221を備える。前記光電変換デバイス23は、前記第一の開口部25に向いている第二のレーザーポート222を備える。前記第三の貫通孔322は、前記第二のケーシング本体321を貫通し、前記第一のレーザーポート221に対向して配置されている。前記第四の貫通孔323は、前記第二のケーシング本体321を貫通し、前記第二のレーザーポート222に対向して配置されている。前記第三の貫通孔322及び前記第四の貫通孔323は、前記レーザー発生デバイス22から発せられたレーザービームが、測定されるべき物体を確実に照射でき、反射ビームが、前記光電変換デバイス23を確実に照射できるように、前記レーザービームのための経路を提供するために用いられる。
【0053】
前記第二のケーシング32は、前記第二のケーシング本体321の一方の側の表面から突出している第一のロッキングブロック324を含む。前記第一のロッキングブロック324は、環状ロッキングブロックであり、弾性材料から作られている。前記第一のロッキングブロック324は、前記第一のケーシング31の前端部の前記第一の開口部35にロックされている。前記第一のロッキングブロック324の外壁の断面形状は、前記第一のケーシング31の内壁の断面形状に適合されている。第二の溝部325は、前記第一のロッキングブロックと前記第二のケーシング本体321とによって囲まれた領域に形成されている。前記測定部品2の前端部の前記レーザー発生デバイス22及び前記光電変換デバイス23は、第二の溝部325に挿入されている。
【0054】
前記第一のロッキングブロック324は、2つの差し込み部326を備えている。前記リブ3、前記コアアセンブリ21、及び/又は前記第一のケーシング31の内部の前記ホルダー1の前端部は、前記差し込み部326中に挿入可能であり、それによって、前記第二のケーシング32を、変位又は回転を起こすことなく、前記第一のケーシング31の中に配置することができる。
【0055】
前記ホルダー1の前端部は、前記第二のケーシング32に対向して配置されたホルダーネジ孔18を備えている。前記第二のケーシング32は、前記第二のケーシング本体321を貫通し、前記ホルダーネジ孔18に対向して配置された第五の貫通孔329を備えている。本実施形態は、さらに、前記第五の貫通孔329を通して前記ホルダーネジ孔18とネジ接続されたネジ38を含み、前記ネジ38によって、前記第二のケーシング32を都合良く及び素早く前記第一のケーシング31に固定可能となる。
【0056】
図12~13に示されるように、前記第三のケーシング33は、第三のケーシング本体331、第三の溝部332、及び弾性部材333を含む。前記第三の溝部332は、前記第三のケーシング本体331の一方の側に、ノッチ方向が前記第一のケーシング31に向くように配置されている。前記第三のケーシング33の内径及び外径のサイズは、前記第一のケーシング31と同じである。前記弾性部材333は、前記第三の溝部332の底に配置されている。前記弾性部材333は、両端の直径が異なるコイルバネであり、前記第三の溝部332の底に接続されている。
【0057】
前記第三のケーシング33は、前記ホルダー1に、取り外し可能に接続されている。好ましくは、前記ホルダー1の後端部は、前記ホルダーバッフル37の近傍に突出した雄型コネクタ16を備えている。雌型コネクタ334は、前記第三の溝部332のノッチに配置されている。前記雄型コネクタ16は、前記雌型コネクタ334にネジ止めされている。前記雄型コネクタ16は、前記第二の装着用溝部12と連結されているコネクタキャビティ17を備えている。前記電池4は、前記コネクタキャビティ17によって、前記第二
の装着用溝部12に挿入される。
【0058】
前記第三のケーシング33が前記ホルダー1に接続された後、前記弾性部材333の直径が小さい方の端部は、前記コネクタキャビティ17を通して前記第二の装着用溝部12にある前記電池4に接続され、直径が大きい方の端部は、前記第三の溝部332の底に固定される。前記弾性部材333は、前記電池4の負極を支持するために用いられ、それによって、前記電池4の正極は、前記金属接触プレート121と密接に接触し、前記電池の両端部間の良好な接触が確保される。前記金属リング122は、前記弾性部材333と電気接続されていることから、前記金属リング122は、前記電池4の負極とも接続されている。
【0059】
この実施形態では、前記ホルダー1は、細長形状であり、前記筐体3の形状は、まっすぐな円筒形状であり、前記筐体3の2つ以上の断面の形状及びサイズは同じである。前記断面は、前記まっすぐな円筒形筐体の中心軸線に対して垂直である。前記筐体3の断面は、好ましくは、丸みを帯びた三角形である。他の実施形態では、前記筐体3の断面は、円形、楕円形、丸みを帯びた四角形、又は丸みを帯びた多角形であってもよい。前記丸い又は丸みを帯びた構造設計により、前記筐体3をユーザーが持ち易くなり、手触りが向上されて、ユーザーの手から滑り落ちることが防止される。前記筐体3の材料は、アルミニウム合金、プラスチック、ナイロン材料、又は炭素繊維材料であり、これらは、軽量、堅さ及び強靭性、並びに低コストという利点を有する。
【0060】
この実施形態では、前記測定部品2及び前記ディスプレイデバイス5は、測定ディスプレイ部品を形成し、これは、重要な機能コンポーネントである。レーザー測距機能及び表示効果を確保するために、前記測定ディスプレイ部品は、大きい空間を占める必要がある。前記測定部品2は、より小さいサイズのコアアセンブリを用い、好ましくは、長さ39mm、幅16mm、高さ10mmの小型コアアセンブリを用いる。本発明において、前記測定ディスプレイ部品の断面高さは、10~12mmの範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の断面幅は、15~17mmの範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の長さは、39~45mmの範囲内である。前記測定ディスプレイ部品は、レーザー測距機能及び上記のサイズ範囲内のディスプレイ効果を確保することができ、強固な製品機能を確保することができる。
【0061】
製品品質を確保するために、したがって、前記製品がある特定の度合いの堅さ及び耐ショック性能を有することを確保するために、前記筐体3は、ある特定の厚さを有する必要があり、前記筐体3及び前記ホルダー1が、両者の間にある特定のギャップを維持することも必要である。
【0062】
前記筐体3の断面高さは、14~22mmの範囲内であり、前記筐体3の断面幅は、18~25mmの範囲内である。前記筐体3の断面が円形である場合、前記筐体3の断面の直径は、18~28mmの範囲内である。前記筐体3の断面が楕円形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた四角形、又は丸みを帯びた多角形である場合、前記筐体3の断面の内接円の直径は、18~20mmの範囲内であり、前記筐体3の断面の外接円の直径は、20~28mmの範囲内である。前記電池がボタン電池である場合、前記筐体3の長さは、65~70mmの範囲内である。前記電池4が円筒型電池である場合、前記筐体3の長さは、95~140mmの範囲内である。前記電池4が1つの円筒型電池である場合、前記筐体3の長さは95mmである。前記電池4が2つの円筒型電池である場合、前記筐体3の長さは、140mmである。前記筐体3が上記範囲内のサイズである場合、前記製品が良好な耐ショック性能及び手触りを有し、並びに分解及び組立が容易であることを確保することができる。
【0063】
前記測定ディスプレイ部品の断面幅の前記筐体3の断面幅に対する比は、0.6~0.8の範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の断面高さの前記筐体3の断面高さに対する比は、0.6~0.8の範囲内であり、前記測定ディスプレイ部品の断面積の前記筐体3の断面積に対する比は、0.67~0.8の範囲内である。
【0064】
前記測定ディスプレイ部品及び前記筐体3は、レーザー測距機能及び上述のサイズ範囲内のディスプレイ効果を確保することができ、強固な製品機能を確保することができる。コアコンポーネントとして、前記コアアセンブリは、占有空間がより小さく、それに対応する前記筐体のサイズも比較的小さく、それによって、前記製品全体を、占有空間を低減するためにできる限り小さくすることができ、本発明の製品の運搬が容易となる。
【0065】
本発明に従うレーザー測距装置は、前記筐体3の外部表面を部分的に又は完全に覆ってよいシース7をさらに含んでもよい。具体的には、前記シース7は、前記第一のケーシング31の外部表面を部分的に又は完全に覆ってよく、及び/又は前記第二のケーシング32の外部表面を部分的に又は完全に覆ってよく、及び/又は前記第三のケーシング33の外部表面を部分的に又は完全に覆ってよい。前記シース7は、一般的に、弾性材料から作られ、手触りを向上させることができ、このことによって、ユーザーが持ち易く、前記レーザー測距装置が滑り落ちることを防止することができる。たとえ滑り落ちてしまった場合であっても、前記レーザー測距装置の前記筐体3が前記シース7で覆われていることにより、ある程度の緩衝効果も提供されて、前記製品が損傷することを有効に防止することができる。この実施形態では、前記シースは、好ましくは、前記第二のケーシング32の外側に備えられるものであり、
図10を参照されたい。
【0066】
この実施形態の技術的効果は、前記組立プロセス時に、前記リブ311及び前記溝部15をまず用いることによって前記ホルダー1を前記第一のケーシング31の中へスライドさせることができ、並びに次に、前記第二のケーシング32が、前記第一のロッキングブロック324及び前記第二のロッキングブロック328を通して前記第一のケーシング31の一方の端部に取り付けられ、並びに前記第三のケーシング33が、前記第一のケーシング31の他方の端部で前記ホルダー1にネジ止めされることにある。前記組立プロセス全体の作業は、容易に素早く行われる。分解時、作業は、反対モードで実施され、すなわち、前記第二のケーシング32及び前記第三のケーシング33が、前記第一のケーシング31の両端部から取り外され、前記電池4が取り外され、次に前記ホルダー1が、前記第一のケーシングから取り外される。作業者又はメンテナンススタッフは、分解及び組立のプロセス全体において、前記測定部品2に触る必要はない。前記測定部品2は、常に前記ホルダー1に固定されており、それによって、前記測定部品2の測距精度は、工場で調節された精度と常に同じである。
【0067】
この実施形態の別の技術的効果は、前記測定部品2、前記電池4、前記ディスプレイデバイス5、及び前記ボタンスイッチ6などの本実施形態の主要な動作コンポーネントすべてが、前記ホルダー1中に固定装着されており、前記筐体3は、前記ホルダー1を支持し、固定するために必要とされるだけであり、他のいかなる部品も、前記筐体3によって支持及び固定される必要がないことである。したがって、先行技術と比較すると、前記筐体3の内部構造が単純化されている。前記筐体3は、単純な形状の複数のコンポーネントから構成することができる。前記筐体3の製造プロセス全体も、単純化することができ、それによって、製造コストを低減し、製造効率を向上させ、生産性を高めることができる。
【0068】
この実施形態の別の技術的効果は、前記実施形態に従う前記レーザー測距装置の全体サイズが小さいこと、構造がコンパクトであること、携帯性が高いこと、並びに耐ショック性能及び手触りが良好であることにある。
【0069】
[第2実施形態]
図14~15に示されるように、この実施形態の技術的解決手段は、第1実施形態の技術的解決手段のほとんどを含むが、但し、第2実施形態では、前記第二のケーシング32は、ネジ構造を含まず、第一のロッキングブロック324及び第二のロッキングブロック328を含む。
【0070】
前記第二のケーシング32は、前記第二のケーシング本体321の一方の側の表面から突出し、前記第一のケーシング31の前端部の前記第一の開口部35の内部にロックされた第一のロッキングブロック324を含む。前記第一のロッキングブロック324の外壁の断面形状は、前記第一のケーシング31の内壁の断面形状に適合されている。前記第一のロッキングブロック324は、弾性材料から作られ、前記第二の溝部325は、前記第一のロッキングブロックと前記第二のケーシング本体321とによって囲まれた領域に形成され、前記測定部品2の前端部の前記レーザー発生デバイス22及び前記光電変換デバイス23は、第二の溝部325に挿入されている。
【0071】
前記第一のロッキングブロック324は、2つの差し込み部326を備えている。前記第一のケーシング31の内部の前記ホルダー1の前端部は、前記差し込み部326中に挿入可能であり、それによって、前記第二のケーシング32を、変位又は回転を起こすことなく、前記第一のケーシング31上に配置することができる。
【0072】
1又は複数のロッキング溝部327が、前記第一のケーシング31の前端部の内部側壁上に、又は前記ホルダー1の前端部上に備えられている。1又は複数の第二のロッキングブロック328は、前記第二のケーシング本体321の一方の側の表面から突出して備えられている。前記第二のロッキングブロック328は、それぞれ、溝部327の各々にロックされる。前記第一のロッキングブロック324及び前記第二のロッキングブロック328は、互いに協働して、前記第二のケーシングを前記第一のケーシング31の前記第一の開口部35に取り外し可能に接続する。
【0073】
この実施形態の他の技術的特徴は、第1実施形態と同じであり、詳細をここで再度記載することはしない。
【0074】
この実施形態の技術的効果は、前記第二のケーシング32及び前記第一のケーシング31を、工具なしで容易に素早く取り外し及び組み立てることができるように、別の新規な筐体接続方法を提供することであり、前記第二のケーシング32の構造をさらに単純化することができ、加工の困難さをさらに低減することができ、及び製造プロセスを単純化することができる。
【0075】
[第3実施形態]
図16~17に示されるように、この実施形態の技術的解決手段は、第1実施形態の技術的特徴のほとんどを含む。これらの間の相違は、第3実施形態において、前記第三の溝部332の深さが大きくなっていることにあり、したがって、1又は複数の電池をさらに追加して、前記第二の装着用溝部12にある前記電池4と直列に接続することができる。
【0076】
前記第三のケーシング33は、第三のケーシング本体331、第三の溝部332、及び弾性部材333を含む。前記第三の溝部331は、前記第三のケーシング本体331の一方の側に、ノッチ方向が前記第一のケーシング31に向くように配置されている。前記第三の溝部331の内径及び外径のサイズは、前記第一のケーシング31と同じである。
【0077】
この実施形態では、前記第二の装着用溝部12にある前記電池4は、単一の電池であってよく、又は互いに直列に接続された2つ以上の電池であってもよい。さらに、本実施形
態は、前記第三の溝部332に取り外し可能に備え付けられた第二の電池8をさらに含む。前記第二の電池8の一方の端部(正極)は、前記ホルダー1にある前記電池4に直列に接続され、他方の端部(負極)は、弾性部材333に接続される。前記第二の電池8は、単一の電池であってよく、又は互いに直列に接続された2つ以上の電池を有する電池パックであってもよい。この実施形態において、前記第二の電池8は、好ましくは円筒型電池である。他の実施形態では、前記第二の電池8は、1又は複数のボタン電池であってもよい。
【0078】
前記弾性部材333は、前記第三の溝部332の底に配置されている。前記弾性部材333は、両端の直径が異なるコイルバネである。直径が大きい方の端部は、前記第三の溝部332の底に接続固定され、一方直径が小さい方の別の端部は、前記第二の電池8に接続される。他の実施形態では、前記弾性部材333は、両端の直径が同じであるコイルバネであってもよい。
【0079】
前記ホルダー1の後端部は、突出した雄型コネクタ16を備えている。雌型コネクタ334は、前記第三の溝部332のノッチに配置されている。前記雄型コネクタ16は、前記雌型コネクタ334に取り外し可能に接続されている。この実施形態では、前記雄型コネクタ16の外部側壁上に1セットのネジ山が備えられ、前記雌型コネクタ334の内部側壁上にも1セットのネジ山が備えられている。これら2セットのネジ山は、対応する形状及びサイズを有し、前記雄型コネクタ16は、前記雌型コネクタ334の中にネジ止めすることができる。他の実施形態では、前記雄型コネクタ16と前記雌型コネクタ334とは、他の取り外し可能な構造を用いて互いに接続されていてもよい。
【0080】
前記雄型コネクタ16は、コネクタキャビティ17に作り付けられており、前記雄型コネクタ16の一方の端部は、前記第二の装着用溝部12に接続され、前記雄型コネクタ16の他方の端部は、前記第三の溝部332に接続されている。前記第二の装着用溝部12、前記コネクタキャビティ17、及び前記第三の溝部332は、同じ直線上に位置して互いに連結されており、それによって、これら3つは、完全な電池装着用溝部となる。複数の電池を、端から端まで互いに直列に接続することができる。前記第三のケーシング33が前記第一のケーシング31に接続された後、前記第二の電池8は、前記コネクタキャビティ17を通して前記第二の装着用溝部12にある前記電池4と接続される。
【0081】
前記第三のケーシング33が前記第一のケーシング31に接続された後、前記弾性部材333は、前記第二の電池8の負極を支持するために用いられ、それによって、前記電池4の正極は、前記金属接触部121と密接に接触した状態となり、前記第二の電池8の負極と前記弾性部材333とは、密接に接続されて、前記電池パック全体の両端部が良好に接触した状態となることが確保される。前記金属リング122は、前記弾性部材333と電気接続されていることから、前記金属リング122は、前記第二の電池8の負極とも接続されている。
【0082】
本実施形態の技術的効果は、前記第一のケーシング31の長さを減少させ、加工の困難さを低減し、製造プロセスを単純化するために、前記第三のケーシング33に電池を配置するための解決手段を提供することである。同時に、本実施形態では、複数の電池を同時に配列することができ、そのことは、高出力レーザー測距装置への適用を可能とし、手触りを向上させることができ、それは、より多くの状況において好適である。
【0083】
上記は、単に本発明の好ましい実施形態であり、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、上記の技術的解決手段に対して改善及び改変を成すことができ、これらの改善及び改変も、本発明の範囲内であるとして見なされるべきである。