(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088447
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】車両用シャーシ用のモジュール式に形成されたノード及びそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
F16B 7/20 20060101AFI20220607BHJP
B62D 21/08 20060101ALI20220607BHJP
B62D 27/02 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
F16B7/20 D
B62D21/08
B62D27/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022038970
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2020041259の分割
【原出願日】2015-05-15
(31)【優先権主張番号】61/994,781
(32)【優先日】2014-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516093851
【氏名又は名称】ダイバージェント テクノロジーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Divergent Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】19601 Hamilton Avenue,Los Angeles,California 90502 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツィンガー,ケビン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】バルツァー,ウィリアム,ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ペンメサ,プラヴィーン,ヴェルマ
(72)【発明者】
【氏名】オモアンドロ,ザカリー,マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン,マシュー,エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スペースフレーム用の管を連結するための継手設計が提供される。
【解決手段】スペースフレームは車両用シャーシであってもよい。継手は、炭素繊維管を接続してもよく、様々な形状及び構成で設計されてもよい。継手は受入ポートを含んでもよい。受入ポートは管と嵌合してもよく、強固な連結のために管の内部表面及び外部表面に同時に接する。継手は、また、管の表面と継手の表面との間に、接着剤が流れてもよい空間を形成してもよいセンタリング機能部を含んでもよい。
【選択図】
図2b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペースフレームを形成する複数の連結管を連結するための継手部材であって、
複数の受入ポートであって、各受入ポートが、(i)前記スペースフレームの対応する連結管の内径以下である外径を有する内部突起部であって、前記内部突起部が、前記対応する連結管の端部に挿入されるような大きさ及び形状にされている、内部突起部と、(ii)前記対応する連結管の外径以上である内径を有する外部突起部であって、前記外部突起部が、前記対応する連結管の前記端部の外部表面の少なくとも一部の上に適合するような大きさ及び形状にされている、外部突起部と、を備える、複数の受入ポートを備える継手部材。
【請求項2】
前記複数の受入ポートの2以上の受入ポートが、前記複数の受入ポートの2以上の異なる受入ポートが互いに対して配置されている角度とは異なる、互いに対する角度で配置されている、請求項1に記載の継手部材。
【請求項3】
前記内部突起部の表面の少なくとも一部が1以上のセンタリング機能部を備える、請求項1に記載の継手部材。
【請求項4】
前記センタリング機能部が、規則的な又は不規則なパターンで隆起した、前記内部突起部の前記表面の部分である、請求項3に記載の継手部材。
【請求項5】
前記センタリング機能部が、前記内部突起部の前記表面と前記連結管の内部表面との間に所定の空間距離を強制的に設ける、請求項3に記載の継手部材。
【請求項6】
前記内部突起部が、前記連結管が前記内部突起部上に取り付けられたときに、前記内部突起部の表面と前記対応する連結管との間に、閉じ込められた容積が生成されるような大きさ及び形状にされている、請求項1に記載の継手部材。
【請求項7】
前記閉じ込められた容積内に接着剤が提供され、前記継手部材と前記対応する連結管との間に結合を形成する、請求項1に記載の継手部材。
【請求項8】
継手部材と連結管とのセットによって第1のスペースフレームを形成するステップと、
前記第1のスペースフレームを分解するステップと、
前記第1のスペースフレームを形成していた前記継手部材と前記連結管との少なくとも1つのサブセットによって第2のスペースフレームを形成するステップと、を含む、請求項1に記載の継手部材を使用する方法。
【請求項9】
前記第1のスペースフレーム及び前記第2のスペースフレームが様々な種類の車両に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
スペースフレームを形成する複数の連結管を連結するための継手部材であって、
(i)前記スペースフレームの対応する連結管の内径以下である外径を有する内部突起部であって、前記内部突起部が、前記対応する連結管の端部に挿入されるような大きさ及び形状にされている、内部突起部と、(ii)前記内部突起部の外部表面から隆起した1以上のセンタリング機能部であって、前記内部突起部が前記対応する連結管の前記端部に挿入されると、前記1以上のセンタリング機能部が、前記対応する連結管の内部表面と、前記内部突起部の周囲の前記内部突起部の外部表面との間に空間を形成するように構成されている、1以上のセンタリング機能部と、を備える、少なくとも1つの受入ポートを備える継手部材。
【請求項11】
前記センタリング機能部が、前記外部表面前記内部突起部上にパターンで隆起している、請求項10に記載の継手部材。
【請求項12】
前記内部突起部が前記対応する連結管の前記端部に挿入されると、前記センタリング機能部が、前記内部突起部の長手方向の軸線と前記対応する連結管の長手方向の軸線とを強制的に同軸にする、請求項10に記載の継手部材。
【請求項13】
継手部材と連結管とのセットによって第1のスペースフレームを形成するステップと、
前記第1のスペースフレームを分解するステップと、
前記第1のスペースフレームを形成していた前記継手部材と前記連結管との少なくとも1つのサブセットによって第2のスペースフレームを形成するステップと、を含む、請求項10に記載の継手部材を使用する方法。
【請求項14】
前記第1のスペースフレーム及び前記第2のスペースフレームが様々な種類の車両に対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
中心ハブと、
前記中心ハブから離れる方に延びる2以上の受入ポートであって、各受入ポートが、(i)内部突起部と、(ii)前記内部突起部と同軸の外部突起部と、によって形成され、前記内部突起部と前記外部突起部とが、前記内部突起部と前記外部突起部との間に、前記内部突起部上に取り付けられた連結管の終端部と嵌合するための環状領域を形成している、2以上の受入ポートと、
前記もう2つ受入ポートのそれぞれに連結された1以上の流体ポートであって、前記1以上の流体ポートが、前記内部突起部の壁の内部にある内部チャネルと流体連通している、1以上の流体ポートと、を備える継手部材。
【請求項16】
前記連結管が前記内部突起部上に取り付けられたときに、前記内部チャネルが、前記内部突起部の外部表面と前記連結管の内部表面との間の空間と流体連通する、請求項15に記載の継手部材。
【請求項17】
前記1以上の流体ポートの少なくとも1つが接着剤源に接続されている、請求項15に記載の継手部材。
【請求項18】
前記接着剤源から、前記内部突起部の外部表面と前記連結管の内部表面との間の前記空間に、前記内部チャネルと流体連通している前記1以上の流体ポートを通じて接着剤が提供される、請求項17に記載の継手部材。
【請求項19】
前記1以上の流体ポートの少なくとも1つが負圧源に接続されている、請求項15に記載の継手部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2014年5月16日に出願された米国仮特許出願第61,994,781号の優先権を主張し、参照により内容全体が本願明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 管フレームシャーシ構造は、低い仕上げコスト、設計の柔軟性、及び高効率の構造を形成することができるという利点により、少量かつ高性能の車両の設計に広く用いられている。管フレームシャーシの既存の製造方法では、すべての管を適切な長さに切断して切り込みを入れるのに多大な労働量を要するともに、各管の連結継手を結合するために熟練の溶接士も必要とする。シャーシフレームの管の材料として炭素繊維を用いると人件費及び構造の仕上げ費が減少する。しかしながら、炭素繊維管を溶接することはできないので、これらの管を交差部分において接続することに関する課題が生じる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 炭素繊維管を接続するための継手システムに対する需要がある。炭素繊維管を結合して構造的に剛体の3次元スペースフレームを形成することができる継手設計を提供する。ここで、スペースフレームの例は、車両用シャーシとされ得る。炭素繊維管とともに、開示される継手システムによって形成されるスペースフレームは、車両又は他の構造の製造プロセスに好適な、低コストで高効率のスペースフレーム作製プロセスを有利に提供することができる。
【0004】
[0004] 本開示に記載されている継手は、連結管の内径及び外径の両方に係合することができる種々の管係合突起部を含んでもよい。連結管の内部表面及び外部表面の係合の利点は、構造の剛性が増加することであり得る。更に、本開示に記載されている継手は、連結管の中心と、隣接する継手突起部の中心とを強制的に同軸とするためのセンタリング機能部を備えてもよい。センタリング機能部は、継手の内部領域の外部表面と連結管の内部表面との間に間隙を提供してもよく、この間隙を通じて接着剤が塗布されてもよい。
【0005】
[0005] 本開示の更なる態様及び利点は、当業者には、本開示の例示的な実施形態のみが示されかつ記載されている以下の詳細な説明からすぐに明らかになろう。理解されるように、すべて本開示から逸脱することなく、本開示は他の及び異なる実施形態も可能とし、そのいくつかの詳細は種々の明らかな点において修正が可能である。従って、図面及び明細書は本質的に例示として解釈されるものであり、限定するものではない。
【0006】
[0006] 本明細書で言及されるあらゆる刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許又は特許出願を参照により援用すると具体的かつ個々に示した程度と同程度参照により本明細書に援用される。
【0007】
[0007] 本発明の新規な特徴を添付の特許請求の範囲の特徴とともに説明する。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書では、また、「図(figure)」及び「図(FIG.)」)を参照することで得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、1以上の継手によって連結された連結管を含む車両用シャーシを示す。
【
図2a】本発明の一実施形態による、複数の受入ポートを有する継手の例を示す。
【
図2b】本発明の一実施形態による、複数の受入ポートを有する継手の別の例を示す。
【
図2c】本発明の一実施形態による、異なる直径を有する複数の受入ポートを有する継手の別の例を示す。
【
図2d】複数の連結管を連結している継手の断面図を示す。
【
図3a】小隆起式センタリング機能部を備える継手突起部の例を示す。
【
図3b】渦巻路式センタリング機能部を備える継手突起部の例を示す。
【
図3c】迷路式センタリング機能部を備える継手突起部の例を示す。
【
図3d】途切れ螺旋式センタリング機能部を備える継手突起部の例を示す。
【
図4】センタリング機能部の役割、及び継手突起部表面と管の内部表面との間に形成された空間を示す、連結された管と継手の例の拡大断面図を示す。
【
図6a】他の構造構成要素に組み込むためのフランジを備える継手の例を示す。
【
図6b】流体及び/又は電気構成要素を通すための開口部を備える継手の例を示す。
【
図6c】流体及び/又は電気構成要素を通すための開口部を備える継手の例の断面図を示す。
【
図7】シールを含む継手内部突起部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0024] 本発明の種々の実施形態が本明細書に示されかつ記載されているが、当業者には、そのような実施形態があくまでも例として提供されていることは明らかであろう。当業者は、本発明から逸脱することなく多くの変形形態、変更形態及び置換形態を想起することができよう。本明細書中に記載される本発明の実施形態の種々の代替形態を用いてもよいことは理解すべきである。
【0010】
[0025] 本開示は、軽量スペースフレームの形成のために用いられてもよい、複数の連結管を連結するための継手部材を提供する。スペースフレームの例は、車両用シャーシであってもよい。記載されている開示の種々の態様は、継手/管フレーム構造を含む任意の他の構造に加え、本明細書で明らかにされる用途のいずれに適用してもよい。本発明の異なる態様は個々に、集合的に又は互いに組み合わせて認識されてもよいことが理解される。
【0011】
[0026]
図1は、本発明の一実施形態による、1以上のノード102によって連結された連結管101a、101b、101cを含む車両用シャーシ100を示す。炭素繊維管を連結して2次元又は3次元構造体を形成するために、マルチポートノードすなわち継手部材が提供されてもよい。この構造はフレームであってもよい。一例では、2次元構造体は平坦なフレームであってもよく、3次元構造体はスペースフレームであってもよい。スペースフレームはその中に体積を収容してもよい。いくつかの例では、3次元スペースフレーム構造体は車両用シャーシであってもよい。車両用シャーシは、中にスペースを収容してもよい長さ、幅及び高さを有してもよい。車両用シャーシの長さ、幅及び高さは、連結管の厚さよりも大きくてもよい。本願明細書中における車両用シャーシ又は任意の種類のシャーシに関するあらゆる記載を任意の種類のスペースフレームに適用してもよく、この逆もまた同様である。
【0012】
[0027] 車両用シャーシは車両の骨組みを形成してもよい。車両用シャーシは、車両の本体パネルの配置のための構造を提供してもよい。ここで、本体パネルは、ドアパネル、ルーフパネル、フロアパネル、又は車両筐体を形成する任意の他のパネルであってもよい。更に、シャーシは、車輪、ドライブトレイン、エンジンブロック、電気構成要素、加熱及び冷却システム、シート、又はストレージ空間のための構造支持体であってもよい。車両は、少なくとも約1人以上、2人以上、3人以上、4人以上、5人以上、6人以上、7人以上、8人以上、10人以上、20人以上、又は30人以上の乗客を運ぶことができる乗用車両であってもよい。車両の例としては、セダン、トラック、バス、バン、ミニバン、ステーションワゴン、RV、トレーラー、トラクター、ゴーカート、乗用車、列車、又は二輪車、ボート、宇宙機、又は航空機が挙げられ得るが、これらに限定されない。車両用の、又は塔、建物、二輪車、三輪車、橋、照明構造、家具、ステージ、トラスもしくは壁を含むが、これらに限定されない任意の他の種類の構造のためのスペースフレームが提供されてもよい。本明細書中における、シャーシ又は車両用シャーシに関する任意の記載は、任意の種類のスペースフレームに当てはまってもよい。同様に、本願明細書中における、車両用シャーシの管を結合するために使用され得るノードに関する任意の記載は、任意の種類のスペースフレームに適用されてもよい。
【0013】
[0028] 車両用シャーシは、車両の種類のフォームファクタに合致するフォームファクタを提供してもよい。車両の種類に応じて、車両用シャーシは、異なる構成を有してもよい。車両用シャーシは、異なる複雑さのレベルを有してもよい。場合によっては、車両の外側の骨組みを提供し得る3次元スペースフレームを提供してもよい。外側の骨組みは、3次元の筐体を形成するための本体パネルを有してもよい。任意選択的に、内部支持物又は構成要素を提供してもよい。異なる車両用シャーシ構成に適応するために、マルチポートノード及び連結管の異なるレイアウトを提供してもよい。ノードは、管を、2次元又は3次元の面において支持することができてもよい。例えば、すべて同じ面内にない管を結合するためにマルチプロングノードを構成してもよい。マルチプロングノードに接続された管は、3次元の状態で提供されてもよく、3つの直交軸に拡がってもよい。別の実施形態においては、いくつかのノードが、2次元面を共有し得る管を連結してもよい。
【0014】
[0029] 車両の連結管101a、101b、101cは、炭素繊維材料から形成されてもよい。複合材料の例としては、高弾性炭素繊維複合材、高強度炭素繊維複合材、平織炭素繊維複合材、ハーネス朱子織炭素複合材(harness satin weave carbon composite)、低弾性炭素繊維複合材、又は低強度炭素繊維複合材が挙げられ得る。別の実施形態においては、管は、プラスチック、ポリマー、金属又は金属合金などの他の材料から形成してもよい。連結管は剛性材料から形成してもよい。連結管は様々な寸法を有してもよい。例えば、異なる連結管は異なる長さを有してもよい。例えば、連結管は、約1インチ、3インチ、6インチ、9インチ、1ft、2ft、3ft、4ft、5ft、6ft、7ft、8ft、9ft、10ft、11ft、12ft、13ft、14ft、15ft、20ft、25ft又は30ftのオーダの長さを有してもよい。場合によっては、管は、同じ直径又は異なる直径を有してもよい。場合によっては、管は、約1/16’’’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’、5’’、10’’、15’’又は20’’のオーダの直径を有してもよい。
【0015】
[0030] 連結管は任意の断面形状を有してもよい。例えば、連結管は、実質的に円形、四角形、楕円形、六角形又は任意の不規則な形状を有してもよい。連結管の断面は、Cチャンネル、Iビーム、又はアングルなどの開放断面とされ得る。
【0016】
[0031] 連結管101a、101b、101cは中空管であってもよい。中空部が、管の長さ全体に沿って設けられてもよい。場合によっては、連結管は内部表面及び外部表面を有してもよい。管の内径は、連結管の内部表面に合致してもよい。管の外径は管の外部表面に合致してもよい。いくつかの実施形態では、内径と外径との間の差は、約1/32’’、1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4又は5’’以下であってもよい。連結管は2つの端部を有してもよい。2つの端部は互いに対向していてもよい。別の実施形態においては、連結管は、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれを超える端部を有してもよい。車両用シャーシフレームは、継手102に接続された炭素繊維管を含んでもよい。
【0017】
[0032] 本開示で示されるマルチポートノード102(例えば、継手部材、継手、コネクタ、突起)は、
図1に示されるフレームなどの車両用シャーシフレームでの使用に好適であってもよい。シャーシフレーム(100)のノードは、シャーシ設計に求められる管角度に合うように設計してもよい。ノードは、シャーシの迅速かつ低コストの組立を可能にするような所望の幾何学的形状に予め形成してもよい。ノードは、再利用可能とされ得る。場合によっては、第1のシャーシは、ノード及び管のセットを用いて組み立てることができる。第1のシャーシは分解することができ、第2のシャーシは、ノード及び管のセットの少なくとも1つのサブセットを用いて組み立てることができる。第1のシャーシ及び第2のシャーシは様々な種類の車両に対応し得る。例えば、第1のシャーシ及び第2のシャーシは、異なる大きさ(例えば、体積、重量、積載量)の車両であってもよい。場合によっては、第1のシャーシ及び第2のシャーシは、異なる機能を備える車両に対応し得る。車両の機能には、軍事用途、商用、牽引、1人以上の人の輸送及び/又は特定種類の地形における移動を含み得る。
【0018】
[0033] 継手又はノードは、金属材料(例えば、アルミニウム、チタン、又はステンレス鋼、黄銅、銅、クロモリ鋼、又は鉄)、複合材料(例えば、炭素繊維)、又は高分子材料(例えば、プラスチック)を含んでもよい。継手は熱絶縁材料から形成され得る。継手は熱伝導性材料から形成され得る。継手は、実質的に剛性の材料で形成され得る。継手は、3D印刷、鋳造、型の使用、機械加工、又はこれらプロセスのいくつかの組み合わせによって製造されてもよい。
【0019】
[0034]
図2a及び
図2bは継手(ノードとしても知られる)の例を示す。
図2aは、管に接続するための、5つの突出した受入ポートすなわちプロングを備える継手すなわちマルチプロングノード200を示す。
図2bは、管を接続するための、3つの突出した受入ポートを備える継手201を示す。継手(すなわちマルチプロングノード)は、連結管に嵌合するための任意の数の突出した受入ポートを有してもよい。例えば、継手は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、12個、15個、20個、30個又は50個の受入ポートすなわちプロングを有してもよい。継手は、本願明細書に記載される任意の数に満たない受入ポートを有してもよい。継手は、本願明細書中に記載される値のうちの任意の2つの間の範囲内のいくつかの受入ポートを有してもよい。
【0020】
[0035] 継手は、中心領域すなわちハブ202を有してもよい。受入ポート203、204は、中心領域から突出してもよい。中心領域すなわちハブは、受入ポートが出会う継手の部分であってもよい。中心領域すなわちハブは内部突起部を有してもよい。場合によっては、中心領域すなわちハブは中空であってもよい。受入ポートは、中心領域すなわちハブのより近傍に近位端を有してもよい。受入ポートは、中心領域すなわちハブからより遠くに遠位端を有してもよい。各受入ポートは、連結管に係合するように構成されてもよい。連結管の端部は1つの受入ポートに接続されてもよい。いくつかの例では、連結管は複数の端部を有してもよい。各端部は継手に接続されてもよい。継手は複数の連結管を互いに連結してもよい。いくつかの例では、継手は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又はそれを超える連結管を互いに連結してもよい。
【0021】
[0036] 突出した受入ポートは、3次元空間において互いに任意の角度を有してもよく、例えば、任意の2つのポートの間の角度は、少なくとも1°、5°、10°、15°、20°、30°、45°、60°、75°、90°、105°、120°、135°、150°、165°又は180°であってもよい。場合によっては、3以上のポートが設けられてもよい。3以上のポートは、同一平面上にあってもなくてもよい。ポートは、丸形、四角形、楕円形又は不規則な形状の管を受け入れることができてもよい。管を連結するための異なる断面形状/寸法、ポートは様々な形状/寸法の管を収容するように構成されてもよく、ポート自体が様々な断面形状/寸法を有してもよい。ポートは、丸形、四角形、楕円形又は不規則な形状であってもよい。
【0022】
[0037] 継手は、連結管内に適合するように設計された内部突起部を有してもよい。内部突起部は受入ポートの一部であってもよい。内部突起部は、テーパ形状であり、連結管内に挿入されたときになだらかな剛性の変化を提供してもよい。例えば、内部突起部の直径は、中心領域すなわちハブのより近傍でわずかに増加してもよい。突起部の遠位端における内部突起部の直径は、突起部の近位端における突起部の直径よりも小さくてもよい。ポートは、連結管の内部表面領域との係合のために、ポートの内部突起部が連結管の内部に適合し得るような寸法を有する。
【0023】
[0038] 継手は、また、連結管の一部の上に適合するように設計されたリップを有してもよい。リップは、受入ポートの一部であってもよい。リップは、連結管の外部表面の係合のために、連結管がリップ内に適合し得るような大きさ及び形状にされ得る。リップ内における管のすべり嵌めが提供されてもよい。
【0024】
[0039] カーボン管は複合材料をマンドレル上に巻き付けることによって作製されているため、カーボン管の場合には、管の内部表面における係合はよりきつくてもよい。マンドレル上に巻き付けるという作成方法により、管内径の精度を外径よりも高くすることが可能になる。従って、管の内部表面に係合するための継手突起部は、より狭い公差で設計されてもよい。
【0025】
[0040] 連結管の内部に適合するように設計された内部突起部の直径は、少なくとも約1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’、5’’、10’’、15’’又は20’’であってもよい。あるいは、内部突起部の直径は、本明細書中に記載される任意の値に満たなくてもよい。内部突起部の直径は、その直径がその長さに沿って変化するようにテーパ形状にされてもよい。
【0026】
[0041] 1つの継手が、等しくない直径を有する2以上の受入ポートを有してもよい。例えば、
図2cに示される継手は、異なる直径の管を受け入れるように設計され、小さな管が上部ポート206に受け入れられ、大きな管が下部ポート207に受け入れられる、継手205を示す。別の例では、同じ継手の異なるポートが、異なる管の間の直径比が1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、2:3、2:5、2:7、3:5、又は3:7である管を受け入れることができてもよい。更に、異なる断面形状を有する管を、同じ継手の異なるポートに取り付けることができてもよい。例えば、継手は、丸形、楕円形、四角形、矩形又は不規則な形状のすべてもしくは任意の組み合わせを有する内部突起部を備えるポートを有してもよい。他の実装形態においては、1つの継手が等しい直径及び/又は同じ形状の突起部を有してもよい。
【0027】
[0042] 更に、継手は、連結管上及び管内に適合するように構成されてもよい。例えば、継手の受入ポート207は、内部突起部208(例えば、突起部)及び外部突起部209を含んでもよい。内部突起部は、連結管内に挿入することが可能であってもよい一方で、外部突起部は連結管の一部の上を覆ってもよい。場合によっては、本明細書中の別の場所に記載されているリップは、外部突起部を含み得る。受入ポートの内部突起部は連結管の内部表面に接してもよい一方で、外部突起部は連結管の外部表面に接してもよい。内部突起部及び外部突起部は、同じ端部において連結管の内部表面及び外部表面に同時に接してもよい。この設計においては、継手が連結管の内径及び外径の両方に係合するように、管と継手とが接続されると、連結管は両面を継手によって囲まれ得る。管の端部の内部表面及び外部表面の両方が、継手の一部に接触してもよい。この接触には、表面全体の接触又は部分接触を含んでもよい。
【0028】
[0043] 管の内径及び外径の両方に係合するように構成されている継手設計において、継手は、中心ハブすなわち継手の本体から延出する内部突起部を有してもよい。環状領域又は溝が内部突起部と外部突起部とを隔てた状態で、内部突起部は外部突起部の内側にあってもよい。外部突起部は内部突起部ほど中心ハブから延出しなくてもよい。外部突起部は内部突起部よりも短くすることができる。内部突起部は継手の内部領域であってもよく、第2の突起部は継手の外部領域であってもよい。環状領域の径方向厚さが内部突起部の周囲において均一となり得るように、2つの突起部は同軸又は同心であってもよい。2つの突起部は、実質的に同心の形状(例えば、同心円筒又は任意の他の形状)を形成してもよい。
【0029】
[0044] 内部突起部は、内部突起部が内側に配置されている外部突起部よりも(継手の本体から離れる方に)更に延出してもよい。内部突起部は、従って、外部突起部を超える長さを有してもよい。場合によっては、外部突起部と内部突起部との間の長さの比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:10、1:12、1:15、1:20、1:25、1:30又は1:50以下であってもよい。内部突起部は中実であってもよい。あるいは、内部突起部は、約1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’又は5’’の壁厚を有する中空であってもよい。外部突起部は、1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’又は5’’の壁厚を有してもよい。外部突起部は、連結管のわずかな部分のみをカバーするリップであってもよい。
【0030】
[0045]
図2dは、継手212及び連結管213を含む継手/管のアセンブリ211の断面図を示す。この実施形態においては、連結管の内部に適合するように設計された突起部214は管の内部にあり、連結管の外径上に適合するように設計された突起部215は連結管上に嵌合する。連結管の外径上に適合するように設計された領域の直径は、少なくとも1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’、5’’、10’’、15’’又は20’’であってもよい。
【0031】
[0046] 内部突起部214と連結管213との間にすべり嵌めを提供してもよい。同様に、外部突起部215と連結管との間にすべり嵌めを提供してもよい。連結管の端部の一部は、内部突起部と外部突起部との間に挟まれてもよい。内部突起部及び外部突起部は、連結管の終端部を挟んでもよい。
【0032】
[0047] 内部突起部214と外部突起部215との間に環状空間210が設けられてもよい。環状空間は、内部突起部と外部突起部との間に溝又はチャネルを形成してもよい。環状領域は、連結管の挿入のための空間を提供してもよい。管と継手とが組み立てられると、管は、内部突起部と外部突起部との間の環状空間にいくらかの距離押し込まれてもよい。管は、環状領域に一部のみ押し込まれてもよく、又は管は、管の端部が環状領域の後部(継手本体)に接するように押し込まれてもよい。
【0033】
[0048] 継手は、管の内側及び管の外側に嵌合されてもよい。管の各端部は、継手の受入ポートによって受け入れられてもよい。継手の受入ポートは、各端部において管の内部表面及び外部表面に同時に接してもよい。管の内側及び外側両方との係合により、より高い構造的強度がもたらされてもよい。継手突起部は、連結管内に、少なくとも1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’又は5’’入ってもよい。管の外径をカバーする継手の領域は、少なくとも1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’又は5’’の管長さをカバーしてもよい。外径表面上に係合する管の長さを内径表面の係合と比較した比は、約1:1、1:2、2:3、1:3、1:4、1:5、2:1、3:2、3:1、4:1又は5:1であってもよい。継手寸法は、目的とする使用における十分な構造的剛性を備えて継手/管のアセンブリを結合するために必要な接着剤の量によって決定されてもよい。
【0034】
[0049] 継手は、金属材料(例えば、アルミニウム、チタン、又はステンレス鋼、黄銅、銅、クロモリ鋼、又は鉄)、複合材料(例えば、炭素繊維)、又は高分子材料(例えば、プラスチック)の1つの一体片から作製されてもよい。例えば、継手本体、内部突起部及び外部突起部はすべて1つの材料片から形成されてもよい。あるいは、継手本体、内部突起部及び外部突起部は、別個に機械加工され、製造後に連結され得る。継手突起部と本体とは互いに永久に固定されてもよい。継手の一部は継手の残部に対して不動であってもよい。継手/管のアセンブリが形成される場合、その構造は剛体であってもよく、管が互いに対して動くことを継手が妨げてもよい。
【0035】
[0050] 連結管213内に入るように設計された継手の内部突起部214は、センタリング機能部を有してもよい。センタリング機能部は、連結管の内部に適合するように設計された、継手突起部上に隆起したパターンであってもよい。センタリング機能部は、受入ポートの内部突起部の外部表面から上昇していてもよい。任意選択的に、センタリング機能部は、外部突起部の内側領域上にあってもよい。いくつかの実装形態においては、センタリング機能部は、受入ポートの内部突起部の外部表面及び外部突起部の内部表面の両方から上昇していてもよい。隆起したセンタリング機能部の高さは、少なくとも0.001’’、0.005’’、0.006’’、0.007’’、0.008’’、0.009’’、0.010’’、0.020’’、0.030’’、0.040’’又は0.050’’であってもよい。
【0036】
[0051]
図3a~
図3dは、4つの可能な継手センタリング機能部の実施形態の詳細図を示す。
図3aは小隆起式センタリング機能部301を示す。この機能部は、継手突起部の管係合領域上に隆起したドットのパターンを含む。継手突起部の管係合領域は、管の表面に接するように構成された継手突起部の一部であってもよい。管係合領域は、管内に挿入されるように構成されてもよい。ドットは、1以上の行もしくは列、又は互い違いの行及び/もしくは列で設けられてもよい。隆起したドットは、少なくとも0.001’’、0.005’’、0.006’’、0.007’’、0.008’’、0.009’’、0.010’’、0.020’’、0.030’’、0.040’’又は0.050’’の直径を有してもよい。
【0037】
[0052]
図3bは、渦巻路式センタリング機能部302を示す。この機能部は、継手突起部の管係合領域の長さ全体に巻き付く連続的な隆起線を含む。連続的な隆起線は、管の継手突起部に1回又は複数回巻き付けられてもよい。別の設計は、管係合領域の径全体の周りに巻き付いていない、隆起した渦巻き式センタリング機能部を有するセンタリング機能部を含んでもよい。別の実施形態においては、渦巻き式センタリング機能部は、係合領域の周囲の10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、180°、190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、310°、320°、330°、340°、350°又は全360°に巻き付けられてもよい。センタリング機能部は、管の長さ全体の周りに、多条ねじに似た状態で、交差することなく巻き付けられた複数の隆起線を更に含んでもよい。
【0038】
[0053]
図3cは、迷路式センタリング機能部303を示す。この機能部は、継手突起部の長さの方向に対して90度の角度で継手の管係合領域を囲む、隆起した破線を含む。迷路式センタリング機能部の隣接する破線は互い違いのパターンで構成されている。破線の複数の行が設けられてもよい。破線は、互いに実質的に平行であってもよい。あるいは、様々な角度が提供されてもよい。
【0039】
[0054]
図3dは、途切れ螺旋式センタリング機能部304を示す。この機能部は、管係合領域の長さの方向に対して45度の角度で継手の管係合領域を囲む、隆起した破線を含む。別の例では、センタリング機能部は、1°、5°、10°、15°、20°、30°、45°、60°、75°、90°、105°、120°、135°、150°、165°又は180°の角度で管係合領域を囲む隆起線を有し得る。
図3c及び
図3dに示されるセンタリング機能部の破線は、少なくとも0.005’’、0.006’’、0.007’’、0.008’’、0.009’’、0.010’’、0.020’’、0.030’’、0.040’’、0.050’’又は0.100’’の長さを有してもよい。
【0040】
[0055]
図3a~
図3dに記載されているものに加え、他のパターンが用いられてもよい。別のパターンは、不規則な角度又は間隔の破線、線とドットとの組み合わせ、又は線の間に均一もしくは不均一な間隔を有して係合領域に巻き付けられた実線の群を含んでもよい。場合によっては、センタリング機能部は、直線(direct straight line)が、1以上のセンタリング機能部に交差することなく内部突起部の遠位端から近位端まで描かれなくてもよいようなパターンとしてもよい。本明細書中の更に別の場所に記載されるように、これによって、より遠回りの経路を接着剤に強制的にとらせ、接着剤の展延を促進してもよい。あるいは、直線が、内部突起部の遠位端から近位端まで、1以上のセンタリング機能部に交差することなく提供されてもよい。
【0041】
[0056] 異なる密度を有する継手突起部にセンタリング機能部を付加してもよい。例えば、継手突起部は、突起部の90%が隆起したセンタリング機能部によってカバーされるように作製してもよい。90%のセンタリング機能部カバー度の場合、特徴部は、非常に近接して離間していてもよい。あるいは、センタリング機能部は、突起部の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%をカバーしてもよい。センタリング機能部は、本明細書中に記載される任意の比率未満をカバーしてもよい。センタリング機能部は、本明細書中に記載される比率値のうちの任意の2つの間の範囲内にあってもよい。
【0042】
[0057] センタリング機能部は、継手/管のアセンブリが連結管の内部表面と、連結管内に入るように設計された継手突起部の表面との間に空間を含むように隆起していてもよい。内部管直径と突起部との間の公差は、継手と管とが圧力嵌め連結を形成するようなものであってもよい。圧力嵌め連結の場合、センタリング機能部は、継手に管を挿入する際に変形してもしなくてもよい。連結管の内部表面と継手突起部の表面との間の距離が均一な径方向の厚みを有し得るように、センタリング機能部は、連結管の内部で継手突起部を中心に位置合わせしてもよい。あるいは、センタリング機能部は、継手突起部と連結管との間の空間の不均一な分配を促進してもよい。
【0043】
[0058] 場合によっては、継手突起部にシールが設けられ得る。
図7は、シール701を含む継手内部突起部の断面図を示す。シールはラバーシールであってもよい。シールは金属シールであってもよい。シールはプラスチックシールであってもよい。シールは、高分子材料から形成され得る。シールはテフロン(登録商標)から形成され得る。シールは、内部突起部の端部の、継手本体の最も近くに設けられ得る。場合によっては、シールは、加えて又はあるいは、内部突起部の端部の、継手本体から最も遠くに設けられ得る。管が内部突起部上に取り付けられると、シールは、内部突起部と管との間に気密、塵密(dust tight)及び/又は液密シールを形成することができる。場合によっては、内部突起部に接続された管の内径に追加のシールを設けることができる。追加のシーリング機構を省略できるように、管と継手突起部とを突起部及び/又は管のシールによって完全にシールすることができる。
【0044】
[0059]
図4は、センタリング機能部403を備える継手402に係合した連結管401の詳細断面図を示す。継手は、継手の小径係合領域であってもよい内部突起部を有してもよい。センタリング機能部は、連結管の中心と接合突起部(join protrusion)の中心とが同軸であるように、連結管の内部で内部突起部を中心に位置合わせする。センタリング機能部は、継手の小径係合領域の外部表面と連結管の内部表面との間に空間404を形成する。管と継手とのアセンブリを結合するために、前記空間に接着剤を充填してもよい。接着剤は、継手の内部突起部の外部表面と連結管の内部表面との間の空間に閉じ込められてもよい。これは、センタリング機能部が内部突起部の外部表面上に設けられる場合に該当してもよい。
【0045】
[0060] いくつかの代替的な実施形態においては、連結管の外部表面と、継手の外部突起部405の内部表面との間に空間が設けられてもよい。任意選択的に、1以上のセンタリング機能部が継手の外部突起部の内部表面に設けられてもよく、これにより空間を形成してもよい。外部突起部の内部表面と管の外部表面との間の空間に接着剤を充填してもよい。接着剤を空間内に注入する前に、接着剤の所望の流動性又は粘性を得るために継手及び接着剤のいずれか又は両方が加熱され得る。センタリング機能部は、本明細書中の別の場所に記載されているものなどの任意の構成を有してもよい。センタリング機能部は、管の周囲に均一又は不均一な空間を設けてもよい。場合によっては、停止機能部を設けてもよい。停止機能部は、外部突起部によってカバーされた管の外部表面の部分の外に接着剤が漏れることを防いでもよい。
【0046】
[0061] 接着剤は、管の内部表面のみ、管の外部表面のみ、又はその両方に接してもよい。いくつかの実装形態においては、継手の内部突起部の外部表面及び継手の外部突起部の内部表面の両方にセンタリング機能部を設けてもよい。管の内部表面と内部突起部の外部表面との間に、及び管の外部表面と外部突起部の内部表面との間に空間を形成してもよい。接着剤を用いて、管の内部表面と内部突起部の外部表面との間の空間、及び管の外部表面と外部突起部の内部表面との間の空間の両方を充填してもよい。
【0047】
[0062] 接着剤を用いて継手と管とを互いに結合し、剛構造を形成してもよい。接着剤は、車両用シャーシの形成において、継手と管とを互いにしっかりと固定してもよい。接着剤は、エポキシ、膠、樹脂又はセメントなどの任意の流動接着剤であってもよい。継手は、特定位置への、組み立て後の接着剤の注入を可能にするための特定の通路及び開口部を含んでもよい。
【0048】
[0063]
図5a及び
図5bは、継手の内部突起部の表面と連結管の内部表面との間の空間に接着剤を注入するために設計された継手の機能部を示す。
図5aは、継手501を示す。この継手は、接着剤注入用のオリフィス、又は真空アタッチメント502を有する。
【0049】
[0064]
図5bは、連結管505に嵌合された、真空ポート504を備える継手503の拡大断面図を示す。真空ポートに対向して注入ポート506を設けてもよい。継手に注入ポートを設けてもよい。真空ポートは、真空ポンプなどの負圧源に接続してもよい。注入ポートは、接着剤貯蔵部に接続してもよい。場合によっては、接着剤貯蔵部に又は接着剤貯蔵部によって、正圧を作用してもよい。
図5bの断面図は、内部継手突起部507の壁の内部の流体経路(例えば、チャネル)507を示す。流体経路は、注入ポート506において接着剤源(接続された貯蔵部)から注入された接着剤を、継手突起部の表面と連結管の内径の表面との間の空間に引き込んでもよい。真空ポート504及び注入ポート506を継手の両側に配置し、接着剤を均一に分配してもよい。例えば、真空ポート504及び注入ポート506は、継手の受入ポート上に互いに周方向に対向して設けられてもよい。真空ポート504及び注入ポート506は、継手の受入ポートの近位端に、又はその近傍に設けられてもよい。あるいは、真空ポート504及び注入ポート506は、継手の受入ポートの遠位端に、もしくはその近傍に、又はその任意の組み合わせで設けられてもよい。継手は、各突起部に少なくとも約1、2、3、4、5、10、15又は20個の真空ポート又は注入ポートを有してもよい。真空ポート及び注入ポートは、内部継手突起部の壁内部の流体経路などの内部継手特徴部から離して、近接して、又は同軸に配置することができ、これにより、均一な接着剤のコーティングを提供してもよい。任意選択的に、真空ポート及び注入ポートは、内部ノード機能部に近接して又は同軸に、交互に配置してもよい。真空ポート及び注入ポートは、設定された真空/注入ポートの間隔及び幾何学的形状を有する、組み合わせられた真空/注入ツールの使用を可能にするために、ノードに最適に配置することができる。真空ポートの数と注入ポートの数は必ずしも同じである必要はない。1つの真空ポート及び数多くの注入ポート、又は1つの注入ポート及び数多くの真空ポートを有する実装形態が可能であってもよい。
【0050】
[0065] 空間内における接着剤の分配は、センタリング機能部によって影響される可能性がある。例えば、隆起式センタリング機能部は、継手と管との間の最大結合面積を可能としてもよい。別の場合においては、渦巻路式センタリング機能部により、接着剤が流れるための長い経路を生じさせてもよい。渦巻路式センタリング機能部は、注入位置から離れた空間に接着剤を充填する必要がある実施形態において好ましい場合がある。別の場合においては、迷路式センタリング機能部により、管の周りに接着剤を強制的に均一に分配してもよい。迷路式センタリング機能部は、構造安定性のために接着剤の均一な分配が望まれる実施形態において好ましい場合がある。迷路式センタリング機能部及び途切れ螺旋式センタリング機能部は、注入時に、空間を均一に横断し得る接着剤の内部流体経路を形成することによって、接着剤を強制的に均一に分配してもよい。場合によっては、センタリング機能部は、接着剤が管の周りを周方向に強制的に移動するように構成してもよい。センタリング機能部は、また、接着剤が管の長さに沿って強制的に移動するように構成してもよい。好ましくは、センタリング機能部は、接着剤を管の表面に沿って均一に広げるように構成してもよく、これには、接着剤の周方向及び長手方向両方の展延を含んでもよい。
【0051】
[0066] 接着剤は、空間内に、真空又は加圧注入によって注入してもよい。真空注入の場合、少なくとも1つのポートを低圧力源に接続してもよく、少なくとも1つの他のポートを接着剤貯蔵部に接続してもよい。低圧力源の係合時、接着剤は貯蔵部から空間内に吸い込まれてもよい。あるいは、ポートを圧力源に接続してもよく、接着剤を空間内に押し込んでもよい。
【0052】
[0067] 継手は、注入ポート又は真空ポート504に取り付けられるニップルを備えて作製してもよい。ニップルは、圧力源、真空源及び/又は接着剤貯蔵部に接続してもよい。ニップルは、継手から突き出してもよい突起部であってもよい(例えば、
図6の606を参照のこと)。あるいは、ニップルは、継手から突出している必要はない。ニップルは、管と、継手の1以上の突起部との間の内部空間に流体的に連通されてもよい開口部を含んでもよい。ニップルは、流体経路507と流体連通してもよい。ニップルは、受入ポートの環状領域及び/又は受入ポートの表面と流体連通する内部チャネルを備えて形成されてもよい。内部チャネルは、受入ポートの内部突起部の外部表面と流体連通してもよい。内部チャネルは、受入ポートの外部突起部の内部表面と流体連通してもしなくてもよい。ニップルの使用により、特定のハードウェア又はツール、例えば、取付部品、ノズル又はシリンジの必要を排除することによって、注入プロセスを簡略化してもよい。ニップルは、構造の組み立て後に取り外してもよい。例えば、接着剤が挿入された及び/又は硬化された後、ニップルを取り外してもよい。ニップルは、
図2cの216の形態を有してもよい。ニップルは、突起部から、1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’、5’’又は10’’延出してもよい。同様に、ニップルは、1/16’’、1/8’’、1/4’’、1/2’’、1’’、2’’、3’’、4’’、5’’又は10’’の直径を有してもよい。
【0053】
[0068] 継手は、一体式構造的機能部を含んでもよい。一体式構造的機能部は、流体配管、電気配線、電気バス、パネルマウント、サスペンションマウント又は位置決め機能部を含んでもよい。一体式構造的機能部は、シャーシ設計を簡略化してもよく、シャーシ構造を組み立てるのに必要な時間、労力、部品及びコストを低減してもよい。
【0054】
[0069] 継手は、車両のせん断パネル又は本体パネルのための実装機能部を含んでもよい。継手上の実装機能部により、パネルを車両用シャーシフレームに直接接続することを可能にしてもよい。継手上の実装機能部は、パネル上のコンプリメンタリ(complimentary)相手機能部と嵌合するように設計してもよい。例えば、継手上の実装機能部は、ハードウェア(例えば、ねじ、ボルト、ナット又はリベット)用の穴を有するフランジ、スナップ、又は溶接もしくは接着剤塗布用に設計されたフランジであってもよい。
図6a~
図6cは、車両などの構造に搭載された他のシステムへの組み込み用に設計された継手の機能部を示す。継手は、構造のせん断パネル又は本体パネルに組み込むように設計してもよい。
【0055】
[0070]
図6aは、フランジ602を備えた継手601を示す。フランジ602は、せん断パネル又は本体パネル(図示せず)に連結するために用いてもよい。継手部材を使用して車両用シャーシを組み立てる場合、継手部材はサスペンションシステムに組み込んでもよい。サスペンションシステムは、油圧式、空気式、ラバー式、又はばね荷重式ショックアブソーバを含んでもよい。サスペンションシステムは、フランジ602への取り付けによって継手部材に接続してもよい。
【0056】
[0071] 継手は、電気接続部を含んでもよい。継手に組み込まれた電気接続部は電気的に絶縁されてもよい。継手に組み込まれた電気接続部は、継手に接続された管内に引き回された配線によって通信してもよい。電気配線を用いて、車両に搭載されたシステムに電力を供給及び/又はバッテリに電力を供給し、車両のエンジンを始動又は作動してもよい。一体式継手からの電力を使用する、車両に搭載されたシステムには、ナビゲーション、オーディオ、ビデオディスプレイ、パワーウインドウ、又はパワーシート調節を含んでもよい。車両内における配電は、管/継手ネットワーク内のみにおいて行ってもよい。
図6bは、構造603全体にわたり電線を通すための可能な継手実施形態を示す。
図6bに示される継手は、入口領域604を有する。この入口は、電気接続部又は電線の挿入のために使用され得る。電線は、入口領域内に挿入され、シャーシ全体における送電のために継手から管へと通されてもよい。電線を用いて給電されてもよい1以上のシステムは、入口領域を通じてこの電線と接続してもよい。
【0057】
[0072] 継手は、車両用シャーシ内に熱及び空調を提供するための、一体式加熱及び冷却液システムを含んでもよい。他の用途では、車両の種々の構成要素の冷却及び/又は加熱を含んでもよい。継手/管構造に流体(例えば、ガス又は液体)システムを組み込むことにより、従来の空気ダクト及び配管の必要を車両設計から一部又は完全に排除してもよい。継手は、高温又は低温流体を、生成源(例えば、電熱要素、エンジンブロック熱交換器、冷蔵庫、空調ユニット、又はボイラ)から、乗客又は車両のオペレータが内部を加熱又は冷却したいシャーシ内の位置まで通してもよい。継手は、高温又は低温流体を源から取り込み、高温又は低温流体を分配し、源から離れた位置で高温又は低温流体を排出するための一体式構成要素を含んでもよい。アセンブリの継手及び管は、ガラス繊維、発泡断熱材、セルロース又はグラスウールを用いて熱的に絶縁されてもよい。継手と管とのアセンブリは流体密であってもよい。一体式流体システムを含む継手の場合、
図6bに示される継手実施形態を用いてもよい。数字604で示されるもの等の入口は、コネクタ管を通じて複数の継手間に流体をパイプで通す手段によって、加熱又は冷却するための流体を構造全体に送るために使用してもよい。流体又は電気を通すために使用される継手605の断面図が
図6cに示される。流体を通すために使用される通路と電気を通すために使用される通路は同じ通路であってもよく、又はそれらは別個のものであってもよい。内部ノードにおけるルーティングでは、2以上の流体をノード内において分離されたままとしてもよい一方でなお、管間における、又は管から、ノードに取り付けられたコネクタ又は機能部への所望のルーティングを提供する。
【0058】
[0073] 継手は、一体式位置決め又は識別機能部を含んでもよい。この機能部は、組み立て及び加工時における継手の自動的な識別又はハンドリングを可能にしてもよい。位置決め特徴部の例には、円筒状の突起(例えば、平坦かつ径方向の溝を有する突起)、キャップを備えた押出C字形、非対称なピンパターンを有する差込み又は反転差込み取付具、検査時に機能部の向き及び位置を一義的に画定してもよい幾何学的形状を持つフック機能部又は他の機能部を含んでもよい。位置決め特徴部が検査される場合、継手の向き及び/又は位置は6軸姿勢に対して決定してもよい。例えば、3以上の軸の周りの、継手の3次元の空間及び/又は向きにおける継手の位置が決定されてもよい。
【0059】
[0074] これら位置決め特徴部は、ロボットグリッパ又は工作物把持ツールに接続されても、ロボットグリッパ又は工作物把持ツールによって把持されてもよい。継手のインターフェースは、把持動作が開始すると完全に画定されてもよく、部分的に終了する又は完了する。位置決め特徴部により、スペースフレームの組み立て前及び最中における、継手の、繰り返し可能であり、任意選択的に、自動的な位置決めを可能にしてもよい。機能部の幾何学的形状を画定することで、継手への管の挿入時に、自動化されたシステムが、複数の継手の動きを空間内の画定された経路に沿って調整することも可能にしてもよい。少なくとも2つの管が、組み立て時に幾何学的拘束を生じることなく、複数の継手内に並列で挿入されてもよい。
【0060】
[0075] 一体式位置決め特徴部は、一体型識別機能部を更に含んでもよい。例えば、識別機能部は、1次元バーコード、2次元QRコード(登録商標)、3次元幾何学的パターン、又はこれら要素の組み合わせであってもよい。識別機能部は、それが取り付けられた継手に関する情報を符号化してもよい。この継手の情報には、識別/位置決め機能部に対する管進入の向きを含む、継手の幾何学的形状配置;継手の材料;識別/位置決め特徴部に対する接着剤注入及び真空ポートの位置決め;継手に必要な接着剤;並びに継手管直径、を含んでもよい。組み合わせられた識別/位置決め特徴部は、自動化組立セルに外部情報を供給する必要なく、組み立てのために、継手の自動化された位置決めを可能にしてもよい。
【0061】
[0076] 本発明の好適な実施形態を本明細書中に示しかつ記載してきたが、当業者には、そのような実施形態があくまでも例として提供されていることは明らかであろう。本発明を、本明細書内に記載される特定の例によって限定することを意図するものではない。本発明を、前述の明細書を参照しながら記載してきたが、本明細書中における実施形態の記載及び説明は、限定の意味で解釈されるものではない。ここで、当業者には、本発明から逸脱することなく多くの変形形態、変更形態及び置換形態が想起されよう。更に、本発明のあらゆる態様は、本明細書中で説明する特定の表示、構成又は相対的な比率に限定されず、種々の条件及び変動要件に依存することは理解されよう。本発明の実施において、本明細書中に記載される本発明の実施形態の種々の代替形態を用いてもよいことは理解すべきである。従って、本発明は、あらゆるそのような代替形態、変更形態、変形形態又は均等物も包含すると考えられる。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義するものであり、これら特許請求の範囲の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物はそれによって包含される。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペースフレームを形成する複数の連結管を連結するための継手部材であって、
複数の受入ポートであって、各受入ポートが、(i)前記スペースフレームの対応する連結管の内径以下である外径を有する内部突起部であって、前記内部突起部が、前記対応する連結管の端部に挿入されるような大きさ及び形状にされている、内部突起部と、(ii)前記対応する連結管の外径以上である内径を有する外部突起部であって、前記外部突起部が、前記対応する連結管の前記端部の外部表面の少なくとも一部の上に適合するような大きさ及び形状にされている、外部突起部と、(iii)前記内部突起部と前記外部突起部との間に配置されて前記内部突起部の外径周りに延在するシールと、を備える、複数の受入ポートを備える継手部材。
【請求項2】
前記内部突起部の表面の少なくとも一部が1以上のセンタリング機能部を備える、請求項1に記載の継手部材。
【請求項3】
前記センタリング機能部が、規則的な又は不規則なパターンで隆起した、前記内部突起部の前記表面の部分である、請求項1に記載の継手部材。
【請求項4】
前記センタリング機能部が、前記内部突起部の表面と前記連結管の内部表面との間に所定の空間距離を強制的に設ける、請求項1に記載の継手部材。
【請求項5】
前記シールは、ラバーシールを含む、請求項1に記載の継手部材。
【請求項6】
前記シールは、金属シールを含む、請求項1に記載の継手部材。
【請求項7】
前記シールは、高分子材料によって形成されている、請求項1に記載の継手部材。
【請求項8】
前記シールは、テフロン(登録商標)によって形成されている、請求項1に記載の継手部材。
【請求項9】
前記シールは、前記連結管が前記内部突起部に取り付けられたとき、前記内部突起部と管との間に気密、塵密、及び液密シールを形成するように構成されている、請求項1に記載の継手部材。
【外国語明細書】