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特開2022-88502製品を真空凍結乾燥するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088502
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】製品を真空凍結乾燥するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   F26B 5/06 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
F26B5/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049229
(22)【出願日】2022-03-25
(62)【分割の表示】P 2019571529の分割
【原出願日】2018-07-16
(31)【優先権主張番号】1711359.8
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519425800
【氏名又は名称】フォーディー ファーマ レオン エス.エル.ユー.
【氏名又は名称原語表記】4D PHARMA LEON, S.L.U.
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(72)【発明者】
【氏名】カライト クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デクロメスニル ソフィ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的かつ経済的な方式で、製品を真空凍結乾燥することができるように、汚染を低減するためのプロセス及び装置を提供する。
【解決手段】製品3を真空凍結乾燥するためのプロセスであって、バッグ1の形態のバルク製品3ローディングシステムを提供するステップであって、バッグ1が、柔軟な壁によって画定された内部と外部とを有し、バッグ1がさらに、バッグ1の内部へのアクセスを提供する充填ポート5を備えている、提供するステップと、第1の含水量を有する製品3をバッグ1の内部に、充填ポート5を介して充填するステップと、製品3の含水量が、第1の含水量から、第2の、より低い含水量に低減されるように、バッグ1の内部の製品3を、真空凍結乾燥サイクルに曝すステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的かつ経済的な方式で、製品を真空凍結乾燥することができるように、汚染を低減するためのプロセス及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空凍結乾燥は、薬学、生命工学、及び他のタイプの製品を作成するために、広く使用されているプロセスである。このプロセスは、それら製品が、液体の形態で患者に投与されるように定められた医薬製品である場合であっても、固形製品を準備する効率的な方法である。真空凍結乾燥は、生きた有機体を含む調合剤、または、有機体から得られた、化学的に反応しやすい製品を生成するための便利な方法でもある。
【0003】
商業的に稼働している、真空凍結乾燥の多くのプロセスが存在するが、これらは、通常、3つのフェイズ、すなわち、i)冷凍、ii)一次乾燥または昇華、及び、iii)二次乾燥または脱着を伴っている。
【0004】
冷凍フェイズの間、及び、任意選択的には、昇華フェイズの間にも、製品は、通常は-20℃から-80℃の間で冷凍される。製品が、ターゲットとなる低減された温度に達すると、その製品が曝される圧力が低減され、適度な熱量が印加される。この適度な熱量の印加により、製品内に存在する、凍った水を昇華させる。この真空凍結乾燥プロセスの第1のステップにより、概して、製品内に存在する水の大部分が除去される結果となる。
【0005】
第3のフェイズ、脱着では、製品内に存在する、凍っていないあらゆる水分子を除去するために、温度を上昇させる。
【0006】
一般的に、効率的に稼働される真空凍結乾燥プロセスを、たとえば5%未満など、非常に低い水の含有量の製品を製造するために使用することができる。
【0007】
パイロット規模または工業規模では、真空凍結乾燥は、一般的に、凍結乾燥機内で実施される。凍結乾燥機は、従来、a)乾燥機内の圧力を低減するための真空ポンプ、及び、b)凝縮により、凍結乾燥機から蒸気を除去するための凝縮器の、構成要素を含んでいる。真空凍結乾燥される製品をどのように配置するかに関し、凍結乾燥機間で差異が存在する。
【0008】
薬学または生命工学の製品の準備で従来使用される凍結乾燥機では、真空凍結乾燥される製品は、バルク状態で凍結乾燥機内に入れられる場合がある。そのような配置では、バルク製品は、トレーに配置され、次いで、トレーが、真空凍結乾燥のために、凍結乾燥機内に入れられる。
【0009】
トレーは、概して、製品からの水の昇華及び脱着を促進するために、凍結乾燥機の内部に対して曝される製品の表面積を最大にするような形状である。
【0010】
このタイプのトレーが何年もの間、有効に使用されてきたが、その使用は、すべてのタイプの製品の準備には適していない。
【0011】
より具体的には、いくつかの状況では、同じ凍結乾燥機で使用される製品群間での相互汚染の結果が、たとえば、凍結乾燥機が、薬(極微量のそのような製品が、後に処理される製品群を汚染して、エンドユーザまたは患者に観測可能な影響を生じ得る)及びバクテ
リア製品(単一の有機物が、後に生成される製品群を汚染し得る)などの、高い影響力の製品で以前に使用されている場合に、特に懸念され得る。
【0012】
従来のスチールまたはプラスチックの凍結乾燥機のトレーのさらなる欠点は、凍結乾燥する製品群の間で、トレーを凍結乾燥機から取り出して、十分に洗浄し、いくつかのケースでは、殺菌しなければならないことである。そのような洗浄/殺菌のステップは、時間がかかる。さらに、群間でのトレーの不十分な洗浄が、相互汚染のさらなる原因になり得るリスクが存在する。
【0013】
様々な従来のトレーが、商品化されてきた。Gore(登録商標)によって販売されるLyoguard(登録商標)のトレーが、特別に開発された凍結乾燥トレーである。このトレーは、トレーに構造を与えるように、剛性の起立した壁を有する柔軟なプラスチック製のベースを備えている。トレーは、透水性の膜で構成された上方表面で閉じられており、真空凍結乾燥の間、トレーの内部にある製品から湿気が出ることを可能にしている。
【0014】
Lyoguard(登録商標)のトレーも、その上方表面で充填ポートにフィットし、この充填ポートを通して、製品をトレー内に配置することができる。トレーが充填されると、充填ポートが、ねじ込みクロージャで閉鎖され、充填されたトレーは、製品を真空凍結乾燥するために、凍結乾燥機に入れることができる。
【0015】
Lyoguard(登録商標)のトレーが商業的成功を享受しているが、その使用に関連する複数の欠点が存在する。最初に、トレーを閉じる透水性の膜は、比較的もろく、損傷を受けやすい。商業規模の、真空凍結乾燥の操作では、多くのそのようなトレーが、充填され、凍結乾燥機に入れられる前にスタックされる。凍結乾燥機で作業する工員によって行われる管理にかかわらず、不適切なスタックを通して、または、充填されたLyoguard(登録商標)のトレーの頂部に他のアイテムが置かれる結果として、透水性の膜に穴が開くか、裂け得るリスクが存在する。
【0016】
さらに、透湿性の膜が、Lyoguard(登録商標)のトレーの内部から湿気が出ることを可能にするが、膜は、「一方向」の構成ではなく、このため、外部からトレーの内部へ、湿気が再び入ることが発生し得る。
【0017】
さらに、特に真空凍結乾燥される製品が微粒子である場合、膜は、製品が詰まることになり得、膜の透湿性を最小にする。
【0018】
膜の構成のために、トレーの内部にわたって均一に、真空凍結乾燥される製品を配置することが、問題になり得ることがわかっている。このことは、非一様な凍結に繋がり得る。このことは、許容不可能な高さの湿気の含有量を含む、最終製品のポケットに繋がる。
【0019】
さらに、標準的なLyoguard(登録商標)のトレーのキャパシティは制限されており、実際、1kgより大である量の製品を効率的に、真空凍結乾燥することが課題である。
【0020】
真空凍結乾燥される製品に応じて、いくらかのユーザに対するさらなる検討課題は、上方表面の気体透過性のために、トレーの内部を、パージするか、真空下に維持できないことである。このことは、たとえば、真空凍結乾燥される材料が嫌気性である場合、問題となり得る。
【0021】
Lyoguard(登録商標)のトレーに関連するさらなる欠点は、そのコストである。そのトレーの比較的複雑な構造のために、おそらく、トレー毎のコストが高い。このこ
とは、Lyoguard(登録商標)の感染しやすさ、及び、比較的限られた積載キャパシティと相まって、真空凍結乾燥される製品を汚染から保護し、損傷に対して耐性があり、相当量の製品を真空凍結乾燥することを可能にし、及び/または、製品の経済的な真空凍結乾燥を可能にする、真空凍結乾燥トレー、または、バルクローディングシステムに関する需要が存在することを意味する。
【発明の概要】
【0022】
このため、本発明の第1の態様によれば、製品の真空凍結乾燥プロセスであって、バッグの形態のバルク製品ローディングシステム(bulk product loading system)を提供す
ることであって、バッグが、柔軟な壁によって画定された内部と外部とを有し、バッグがさらに、バッグの内部へのアクセスを提供する充填ポートを備えている、バルク製品ローディングシステムを提供することと、第1の含水量を有する製品をバッグの内部に、充填ポート(filling port)を介して充填することと、バッグの内部の製品を、真空凍結乾燥サイクルに曝すことであって、それにより、製品の含水量が、第1の含水量から、第2の、より低い含水量に低減されるようになっている、曝すことと、を含む、真空凍結乾燥プロセスが提供される。
【0023】
上述のように、本発明で使用するためのバルクローディングシステムは、バッグの形態である。バッグは、柔軟な壁を備えている。
【0024】
許容可能な柔軟性を保持する一方で、バッグが、損傷に対しての許容可能な耐性を保持し、真空凍結乾燥される製品をしっかりと包含することが可能である限り、バッグの壁は任意の厚さである場合がある。特に、バッグの柔軟な壁は、約0.1μmから約500μmの範囲、好ましくは、約10μmから約200μmの間、または、好ましくは、約50μmから約150μmの間の厚さを有する場合がある。
【0025】
追加的または代替的に、本発明のプロセスでは、バッグの壁は、単一層であっても、たとえば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれより多くの層を含む、多層構造を有してもよい。本明細書で、バッグの「内側層」が参照される場合、この内側層は、バッグの内部を画定する、もっとも内側の層に関する。バッグの「外側層」が参照される場合、この外側層は、バッグの外部を画定する、もっとも外側の層に関する。バッグの壁が単一の層の構造を有する場合、その層は、バッグの内側層と外側層との両方となる。多層の構造では、各層を準備する材料は、互いに同じであっても、少なくとも1つの他の層を準備する材料とは異なってもよい。
【0026】
バッグは、当業者がよく知ることになる材料の範囲から形成される場合がある。バッグを形成する材料または複数の材料は、真空凍結乾燥、充填、及び/または輸送の間に、その材料が曝されることになる条件により、その材料が重大な損傷を受けないように、十分に強固でなければならない。バッグを形成する材料(複数可)は、一定の特性を有するバッグを提供するために選択される場合がある。たとえば、壁の内側層を形成する材料は、約150℃未満、約130℃未満、約110℃未満、または約90℃未満の温度で、熱シール可能である場合がある。追加的または代替的に、内側層を形成する材料は、米国及び/またはヨーロッパの薬局方の規則に従っている場合がある。
【0027】
真空凍結乾燥の間、バッグは、低温、たとえば-50℃から-80℃の間の温度に曝される場合がある。したがって、バッグを形成する材料は、そのような低温では、損傷に対して耐性がある場合がある。
【0028】
バッグの内側層を形成するために使用される場合がある材料の例には、ポリエチレン(たとえば、HDPE、MDPE、LDPE、またはVLDPE)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、及びPET-アルミニウム-OPAなどの高分子材料が含まれる。
【0029】
バッグの外側層は、従来の熱シール温度では軟化しない材料で形成されている場合がある。たとえば、そのような材料は、約90℃、約110℃、約130℃、または約150℃より高い軟化点を有する。
【0030】
多層のバッグ構造が採用される場合、1つまたは複数の(たとえば、1、2、3、4、5、またはそれより多くの)中間層が存在する場合がある。すなわち、内側層と外側層との間に配置されている層である。中間層(複数可)は、バッグに特性を与えるために選択される場合がある。たとえば、バッグは、バッグの中間層(または、内側層、または外側層)である場合があるバリア層を備えている場合がある。そのようなバリア層は、バッグの壁を通しての湿気、酸素、及び/または光の伝達を制限する場合がある。バリア層を形成する場合がある材料の例は、金属、または、金属化された材料、たとえば、アルミニウム及びポリプロピレンを含む。
【0031】
全体として、バッグの壁は、一定の所望の特性を示す場合がある。本発明の実施形態では、バッグは、殺菌可能である場合がある。たとえば、バッグは、イオン化(たとえば、ガンマ線及び/またはベータ線)放射、水蒸気処理、たとえばオートクレーブによる熱処理、及び/または、たとえばイソプロピルアルコールでの化学処理を介しての殺菌が可能である場合がある。このため、本プロセスは、真空凍結乾燥機に入れる前に、バッグ(または、少なくともその外部)を殺菌するさらなるステップを含む場合がある。
【0032】
追加的または代替的に、バッグの壁は、特定のバリア特性を有する場合がある。たとえば、バッグは不透明である場合がある。
【0033】
追加的または代替的に、バッグの壁は、真空凍結乾燥の間、バッグから湿気が出ることを促すために、高い透湿性を有する場合がある。そのような実施形態では、水蒸気透過率(「WVTR」であり、g・m-2・d-3の単位)は、少なくとも約500、少なくとも約750、少なくとも約1000、少なくとも約1500、または、少なくとも約2000である場合がある。代替的には、透湿性の低いバッグの構造が好ましい場合がある。そのような実施形態では、WVTRは、約100g・m-2・d-3未満、約50g・m-2・d-3未満、約20g・m-2・d-3未満、約10g・m-2・d-3未満、約5g・m-2・d-3未満、約2g・m-2・d-3未満、約1g・m-2・d-3未満、約0.5g・m-2・d-3未満、約0.2g・m-2・d-3未満、または、約0.1g・m-2・d-3未満である場合がある。このため、バッグ閉鎖手段が閉じられた場合、バッグは、基本的に湿気を通過させない場合がある。
【0034】
バッグに充填される製品には、真空凍結乾燥を必要とする任意の材料が含まれる場合がある。たとえば、製品は、薬学的または生命工学的に有効な成分と、任意選択的に、リオプロテクタント、充填剤などの1つまたは複数の添加剤とを含む場合がある。真空凍結乾燥される製品は、バッグの充填の前か、充填の後に殺菌される場合がある。
【0035】
製品は、バクテリアまたは真菌の細胞などの、生体細胞を含む場合がある。これらは、細胞の単一の菌株であるか、単一の種に属する細胞である場合がある。代替的には、細胞の混合物が存在する場合がある。
【0036】
上述のように、本発明で使用されるバッグには、充填ポートが設けられている。充填ポートの主要な目的は、真空凍結乾燥される製品でバッグを充填することを可能にするために、バッグの内部へのアクセスを提供することである。
【0037】
充填ポートは、この要件を満たすために必要な任意の形態を取る場合がある。たとえば、充填ポートは、バッグの壁のシンプルな開口の形態を取る場合がある。開口は、任意の適切な形状、サイズ、または寸法である場合がある。好ましくは、バッグは、真空凍結乾燥機に入れることを容易にするようなサイズである。
【0038】
充填ポートには、カラーが設けられている場合がある。カラーは、(たとえば、接着剤または溶接を介して)バッグに結合される別の構成要素である場合がある。代替的には、カラーは、バッグの壁の開口を囲むバッグの壁の厚くなった部分によって設けられている場合がある。いずれのケースでも、カラーは、起立した壁を備える場合があり、充填ポートを画定する。カラーは、たとえば、約0.5cmから約20cm、約1cmから約10cm、または、約2cmから約5cmの直径の、実質的に円筒状の構造を有する場合がある。
【0039】
充填ポートには、たとえば、バッグの外部の充填装置にバッグを接続することを可能にするように、結合手段が設けられている場合がある。この充填装置は、真空凍結乾燥される製品でバッグを充填するために使用することができる。追加的または代替的に、結合手段は、不活性ガスをバッグの内部に供給するために、バッグを、乾燥装置及び/または乾燥手段に接続することを可能にする場合がある。
【0040】
充填ポートには、真空凍結乾燥の前または後にバッグを閉じることを可能にするように、閉鎖手段も提供されている場合がある。そのような閉鎖手段は、充填ポートを閉じるために、バッグまたは充填ポートに接続され得るクロージャを備えている場合がある。クロージャは、たとえば、ネジ山、摩擦フィット、スナップフィット、接着剤などを介して、バッグまたは充填ポートに接続可能である、キャップ、フラップ、パッチ、蓋などである場合がある。
【0041】
バッグが閉鎖手段を含む場合、バッグは、真空凍結乾燥の前に閉じられる場合がある。
【0042】
バッグの内部は、たとえば、イオン化(たとえば、ガンマ線及び/またはベータ線)放射、水蒸気処理、及び/または熱処理を介して、使用前に殺菌される場合がある。バッグは、閉鎖手段が設けられている場合、バッグを充填する時点において開かれる前に、閉じられている場合がある。
【0043】
追加的または代替的に、バッグの内部は、たとえば、窒素のフラッシングまたは真空の印加により、使用前にパージされる場合がある。このことは、真空凍結乾燥される製品が嫌気性である場合に特に有利である場合がある。
【0044】
追加的または代替的に、プロセスの第1のステップで提供されるバッグの内部は、殺菌された状態である場合があり、及び/または、閉鎖手段が設けられている場合、バッグが閉じられる場合がある。閉じられた充填ポートがバッグに設けられている場合、本発明のプロセスは、真空凍結乾燥される製品で、バッグの内部を充填する前に、充填ポートを開くステップを含む場合がある。
【0045】
真空凍結乾燥サイクルの間、バッグは通常、冷却棚に置かれ、冷却棚は、バッグ内の製品を冷却する。バッグ内の製品への、冷気の一様な伝達は、製品が一様な厚さである場合に、最適に達成される。厚さが一様ではない場合、材料の領域は、あまり冷却されない(そしてひいては、乾燥されない)場合がある。真空凍結乾燥の間のバッグ内の製品の乾燥を最大にするために、バッグは、バッグ内の製品の厚さまたは深さが、比較的一様であるように、製品をバッグ内に一様に分布させるような形状である場合がある。このことは、側壁によって離間した、2つの概して平らなパネルを備えたバッグを使用することを通し
て達成される場合があり、側壁は、好ましくは、一定の高さであり、それにより、バッグが充填された際に、パネルが実質的に同一平面にあるようになっている。側壁は、バッグ内の横方向のガセットによって提供される場合がある。この方法でバッグを構成することは、これにより、充填及び積載の間のバッグの向きに関わらず、真空凍結乾燥される製品の一様な厚さまたは深さを達成することが可能になることから、有利である。
【0046】
いくつかの実施形態では、2つの概して平らなパネルは、半剛性であるか剛性である。
【0047】
バッグは、充填前は、平らになったプロファイルを有する場合がある。
【0048】
側壁は、バッグの、次に短い寸法(たとえば、バッグの長さまたは幅の、いずれか短い方)の長さの約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約15%以下、または、約10%以下である高さを有する場合がある。
【0049】
追加的または代替的に、バッグの側壁は、充填された場合、約0.5cmより大きい、約1cmより大きい、約1.5cmより大きい、約2cmより大きい、約3cmより大きい、約5cmより大きい、約7cmより大きい、約10cmより大きい、または、約15cmより大きい場合がある。
【0050】
バッグは、多くの異なる形状で形成される場合がある。具体的には、上から見た場合、バッグは、正方形、矩形、円形、または他の形状を有する場合がある。
【0051】
本発明のプロセスが、バッグ毎に1kgを超過する製品の分量を使用して有利に実施され得ることがわかっている。このため、バッグ内に入れられる製品の量は、約1kg以上、約1.5kg以上、約2kg以上、約2.5kg以上、約3kg以上、約4kg以上、または約5kg以上である場合がある。本発明のプロセスによる、真空凍結乾燥される製品の量の制限は、真空凍結乾燥が実施される、凍結乾燥機の内部容量のみである。このため、バッグは、約50kg以下、約20kg以下、または、約10kg以下の製品で充填される場合がある。
【0052】
バッグは、当業者に既知である任意の適切な手段によって提供される場合がある。たとえば、バッグは、高分子材料のブロー成形によって形成される場合がある。代替的には、バッグは、所定のパターンに従って、同一平面に配置された2つの材料シートまたは材料パネルをシールすることによって形成される場合がある。そのケースでは、シーリングは、熱間シール、冷間シール、接着剤シール、溶接などによって達成される場合がある。
【0053】
バッグの内部は、バッグを凍結乾燥機内に入れ、真空凍結乾燥サイクルのための凍結乾燥機を操作することにより、真空凍結乾燥サイクルに曝される場合がある。真空凍結乾燥サイクルは、概して、少なくとも昇華フェイズと、任意選択的に、その後の脱着フェイズとを含んでいる。
【0054】
真空凍結乾燥が凍結乾燥機内で実施される場合、バッグの少なくとも一部が、真空凍結乾燥の間にバッグの内部へのアクセスを提供するように、開かれている場合がある。たとえば、充填ポートは、真空凍結乾燥サイクルの間、開かれている場合がある。そのような実施形態では、開いた充填ポートを有するバッグの蒸発容量は、
-10℃及び150μbarで測定した場合、約0.8×10-4kg/s/m、約0.9×10-4kg/s/m、もしくは約1.0×10-4kg/s/mである場合があり、
-10℃及び60μbarで測定した場合、約0.7×10-4kg/s/m、約0.8×10-4kg/s/m、もしくは約0.9×10-4kg/s/mである場合が
あり、
0℃、150μbarで測定した場合、約1.5×10-4kg/s/m、約1.7×10-4kg/s/m、もしくは約1.9×10-4kg/s/mである場合があり、及び/または、
0℃及び60μbarで測定した場合、約1.0×10-4kg/s/m、約1.2×10-4kg/s/m、もしくは約1.4×10-4kg/s/mである場合がある。
【0055】
追加的または代替的に、開いた充填ポートを有するバッグの全体の熱伝達率(Kv)は、
-10℃及び60μbarもしくは150μbarで測定した場合、約0.007、約0.008、もしくは約0.009である場合があり、
0℃及び150μbarで測定した場合、約0.01、約0.012、約0.013、約0.014、もしくは約0.015である場合があり、及び/または、
0℃及び60μbarで測定した場合、約0.008、約0.01、もしくは約0.012である場合がある。
【0056】
真空凍結乾燥される製品が、生体細胞を含む場合、i)真空凍結乾燥サイクルの前と、ii)真空凍結乾燥サイクルの後とに判定された、生存可能性の差異は、2桁分未満である場合があるか、1桁分未満である場合がある。
【0057】
追加的または代替的に、真空凍結乾燥サイクルの前またはサイクルの間(たとえば、昇華フェイズの前、間、または後)に、バッグに開口が形成されて、バッグの内部へのアクセスが提供される場合がある。たとえば、バッグの柔軟な壁の一部が除去される場合がある。そのような実施形態では、バッグの壁の一部が除去された、バッグの蒸発容量は、-10℃及び150μbarで測定した場合、約1.2×10-4kg/s/m、約1.3×10-4kg/s/m、約1.4×10-4kg/s/m、もしくは約1.5×10-4kg/s/mである場合があり、
-10℃及び60μbarで測定した場合、約1.0×10-4kg/s/m、約1.1×10-4kg/s/m、もしくは約1.2×10-4kg/s/mである場合があり、
0℃及び150μbarで測定した場合、約1.7×10-4kg/s/m、約1.9×10-4kg/s/m、もしくは約2.1×10-4kg/s/mである場合があり、及び/または、
0℃及び60μbarで測定した場合、約1.7×10-4kg/s/m、約1.9×10-4kg/s/m、もしくは約×10-4kg/s/mである場合がある。
【0058】
追加的または代替的に、開いた充填ポートを有するバッグの全体の熱伝達率(Kv)は、
-10℃及び150μbarで測定した場合、約0.01、約0.011、もしくは約0.012である場合があり、
-10℃及び60μbarで測定した場合、約0.007、約0.009、もしくは約0.01である場合があり、
0℃及び150μbarで測定した場合、約0.02、約0.022、約0.023、約0.024、もしくは約0.025である場合があり、及び/または、
0℃及び60μbarで測定した場合、約0.012、約0.014、もしくは約0.015である場合がある。
【0059】
バッグ内の製品の汚染のリスクを最小にするために、バッグの壁に形成された開口の面積は、好ましくは、バッグの外部の総面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満
、約20%未満、または約10%未満である場合がある。
【0060】
バッグから、比較的小量の壁を除去することにより、バッグの内部が潜在的な汚染に曝されることが、最小にされ、また、真空凍結乾燥のために従来使用される開いたトレーに関するよりも、かなり低い。
【0061】
バッグの壁に開口が形成される、本発明によるプロセスでは、バッグは、このことを促進するように構成される場合がある。たとえば、バッグの壁には、引裂き線、スコア線など、及び/またはプルタブが設けられている場合がある。
【0062】
追加的または代替的に、バッグには、微粒子バリア手段が設けられている場合がある。たとえば、この微粒子バリア手段は、透湿性の膜(すなわち、少なくとも約500g・m-2・d-3、少なくとも約1000g・m-2・d-3、少なくとも約1500g・m-2・d-3、もしくは、少なくとも約2000g・m-2・d-3のWVTRを有する膜)、または、そのような膜を備えた構成要素の形態を取ることができる。これらは、バッグの内部から湿気が出ることを許容する一方、バッグの内部に微粒子の汚染物質が入ることを防止するように、バッグの壁の開口、及び/または、充填ポートを閉じる。
【0063】
そのような膜は、バッグの一部として(たとえば、膜が、バッグの壁の内部のある領域に適用される場合があり、領域に膜が張られているのに関わらず、バッグの壁の一部が、開口を提供するために除去されることになる)、及び/または、別の構成要素として(たとえば、部分的に膜で形成された、充填ポートに適用するためのキャップであり、このキャップが充填ポートに適用されると、そのポートの少なくとも一部に、膜が張られるように構成されている)、設けられる場合がある。
【0064】
そのような膜の使用が、添付の実施例によって示されるように、バッグの内部への微粒子の汚染物質の進入を防止することができる一方で、そのようなバリアを使用しない場合であっても、達成される水分量、及び、汚染物質の欠如に関し、Lyoguard(登録商標)のトレーを使用することに比べ、本発明のプロセスを使用して、比較に値する結果が得られたことが、有利に見られた。
【0065】
バッグは、当業者に既知である任意の適切な技術または装置を使用して充填することができる。充填前には、真空凍結乾燥される製品の1つまたは複数の構成要素は、混合される場合がある。たとえば、有効成分または有機体(たとえば、バクテリアまたは菌類)が、1つまたは複数の添加剤(たとえば、リオプロテクタント)と混ぜられる場合がある。
【0066】
真空凍結乾燥サイクルの間、充填されたバッグが操作される場合がある。たとえば、バッグは、バッグ内の製品の一様な分布を達成するために、手作業で、または機械によって振られるか移動される場合がある。追加的または代替的に、上述のように、開口は、バッグからの湿気の放出を最大にするために、バッグの壁に形成される場合がある。そのような操作は、真空凍結乾燥サイクルの任意の時点で実施される場合があり、また、一度または繰返し実施される場合がある。たとえば、そのような操作は、昇華フェイズの前、間、及び/または後に実施される場合があり、及び/または、脱着フェイズの前、間、もしくは後に実施される場合がある。
【0067】
当業者に既知である、任意の適切な真空凍結乾燥装置が、本発明のプロセスで採用される場合がある。上述のように、本発明によるプロセスでは、真空凍結乾燥サイクルは、昇華フェイズを採用する場合がある。この昇華フェイズの一部として、製品は、最初に冷凍される場合がある。しかし、このことは、製品(または、製品の1つもしくは複数の構成要素)が冷凍され、充填の前に、冷凍状態に維持されるプロセスも、本発明の範囲内にあ
ることから、必須のものではない。
【0068】
本発明のプロセスは、真空凍結乾燥サイクルの完了の後に実施される1つまたは複数のステップをさらに含む場合がある。たとえば、真空凍結乾燥された製品が、真空凍結乾燥サイクルの完了のすぐ後に、下流の処理ステップで使用されるものではない場合、バッグは、製品を別の容器に移動する必要なしに、真空凍結乾燥された製品をバッグ内に貯蔵することを好都合に可能にするように、閉じられる場合がある。バッグの閉鎖は、たとえば、壁及び/または充填ポートに形成された開口を閉じるように、バッグを熱シールすること、充填ポートを閉じるように閉鎖手段を適用すること、及び/または、バッグの壁及び/または充填ポートに形成された開口を閉じるように、バッグ自体の上に、バッグの一部を接着するか溶接することなど、当業者に既知である任意の適切な手段によって達成することができる。そのようなケースでは、バッグには、バッグの壁及び/または充填ポートの開口を閉じる手段が設けられている場合がある。
【0069】
真空凍結乾燥サイクルが完了した後に、本発明のプロセスで実施される場合がある他のステップには、製品の粉砕、及び/または、カプセル内への製品の充填が含まれる。
【0070】
本発明は、上述のプロセスから得ることができる医薬製品をも提供する。
【0071】
本発明は、上述のプロセスで使用するためのバッグであって、バッグが、柔軟な壁によって画定された内部及び外部を有し、バッグがさらに、バッグの内部へのアクセスを提供する充填ポートを備えている、バッグをも提供する。
【0072】
実施例として、本発明の1つまたは複数の実施形態を、ここで、添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1図1は、バッグが第1の充填方向にある、本発明の第1の実施形態によるプロセスで使用するための装置の概略図である。
図2図2は、バッグが第2の充填方向にある、図1の装置の概略図である。
図3図3は、本発明によるプロセスによって充填された複数のバッグを示しており、この図では、バッグが、第1の垂直方向と第2の水平方向との両方で貯蔵されている。
図4図4aは、本発明によるプロセスで使用するための、充填されていないバッグの2つの斜視図と1つの端部の図とを示している。図4bは、本発明によるプロセスを使用して充填されたバッグの側面図及び正面図を示している。
図5図5は、本発明によるプロセスと、従来の真空凍結乾燥装置を使用したプロセスとに関する、-10℃の温度で判定された蒸発容量の比較を示すグラフである。
図6図6は、本発明によるプロセスと、従来の真空凍結乾燥装置を使用したプロセスとに関する、0℃の温度で判定された蒸発容量の比較を示すグラフである。
図7図7は、本発明によるプロセスと、従来の真空凍結乾燥装置を使用したプロセスとに関する、-10℃の温度で判定された全体の熱伝達率(Kv)の比較を示すグラフである。
図8図8は、本発明によるプロセスと、従来の真空凍結乾燥装置を使用したプロセスとに関する、0℃の温度で判定された全体の熱伝達率(Kv)の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0074】
実施例1-バルクローディングシステム
図1は、本発明による、製品を真空凍結乾燥するためのプロセスを示しており、この図
では、バッグ1の形態のバルク製品ローディングシステムが提供されている。バッグ1は、柔軟な壁によって画定された内部と外部とを有している。バッグ1は、バッグ1の内部へのアクセスを提供する充填ポート5を備えており、この充填ポートを通して、バッグ1の内部が、第1の含水量を有する製品3で充填される。製品3は、充填ポンプ7を使用して、貯蔵ホッパー9からポンプされる。従来のシステムでは、汚染のリスクを最小にするために、製品は、真空凍結乾燥の直前にのみ、真空凍結乾燥のためのトレーに充填される。充填ステップと、真空凍結乾燥のステップとのこの同調は、高レベルのユーザの注意及びプランニングを必要とする。対照的に、本発明のプロセスでは、バッグ1にクロージャがフィットされ得る場合では、充填が完了すると、バッグ1は閉じられ、真空凍結乾燥を行う時点まで閉鎖及び貯蔵することができる。
【0075】
図1に見ることができるように、バッグ1の寸法のために、バッグ1内に貯蔵された製品3は、一様な厚さを有している。このことは、一様な厚さにより、真空凍結乾燥の間に、製品3から湿気が一様に除去されることを促すことから、有利である。さらに、図2に示すように、バッグには、異なる向きで充填することができ、バッグの寸法により、製品を均一に分配させる。図1では、バッグ1は、水平方向で充填され、図2では、バッグは、垂直方向で充填される。
【0076】
図3から見ることができるように、バッグ1は、製品の一様性を許容できないほど損なうことなく、異なる向き(たとえば、垂直または水平)で、真空凍結乾燥用の棚に配置することができる。
【0077】
図4a及び図4bは、充填されていない(図4a)バッグ1と、充填された(図4b)バッグ1の、レンジの図である。これら図から見ることができるように、バッグ1には、側壁4によって分けられた、2つの平らなパネル2が設けられている。側壁4の高さは一定であり、バッグ1の内部が比較的決まった高さを有することを意味し、バッグ1内に充填される製品3が、一様な深さであることを確実にする。
【0078】
この実施例から明らかなように、本発明のプロセスで使用されるバッグ1は、貯蔵の間における湿性の製品の受領及び貯蔵から、真空凍結乾燥の間、及び、真空凍結乾燥後の貯蔵の間の、形成プロセスのいくつかのステージで、継続的に使用することができる。従来使用される真空凍結乾燥用のトレーは、真空凍結乾燥の前か後で、薬学のグレードの製品の延長された貯蔵のために使用することができない。
【0079】
実施例2-慣習的な真空凍結乾燥の装置を使用するプロセスに対する、本発明によるプロセスの性能
従来使用される装置を使用するプロセスと比較して、本発明のプロセスの凍結乾燥の性能を評価するために、テストを実施した。実施例1のバッグは、PETGのプラスチックトレー、ステンレス鋼のトレー(inox)、及びLyoguardのトレーとともに、(その充填ポートが開いた状態(「切られていない」と示されている)と、バッグの外部の一部が切り取られた状態(「切られている」と示されている)との両方で)テストした。容器を水で充填し、冷凍し、2つの一次乾燥温度(-10℃と0℃)と、2つのチャンバ圧力(150μbarと60μbar)で、規定の期間の間、凍結乾燥した。水の容量を測定し、これにより、各システムに関し、蒸発容量
及び全体の熱伝達率、Kvを判定することを可能にした。結果は、図5から図8に示されている。
【0080】
明白なように、本発明のシステムの性能は、Lyoguardのトレーの性能に匹敵するものであった。しかし、有利には、本発明で採用されるバッグが、製造に数ユーロしかかからないのに対し、Lyoguardのトレーは、トレー毎に100ユーロを超える単
価で小売りされる。実際に、図5から図8から見ることができるように、テストのいくつかでは、本発明のバッグは、Lyoguardのトレーよりも性能が優れていた。
【0081】
実施例3-本発明のプロセスを使用して真空凍結乾燥された菌腫の生存可能性
別々の菌腫(Roseburia hominis(菌株A)、Bifidobacterium breve(菌株B)、及びEnterococcus gallinarum(菌株C))、ならびに、スクロース/システインのリオプロテクタントを含む3つの混合物が、実施例1で記載したように、別々のバッグに充填され、次いで、バッグを、充填ポートを閉じることによってシールした。次いで、バッグの内容物が冷凍され、次いで、バッグを凍結乾燥機に入れた。このことが行われる際に、充填ポートからもっとも遠いバッグの端部が除去され、バッグの内部を露出させ、こうしてカットされたバッグに、以下に示す条件に従って、真空凍結乾燥サイクルを課した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
バクテリアの細胞のカウントは、真空凍結乾燥の前と後とで実施した。結果は、以下の表に示されている。
【0086】
【表4】
【0087】
明らかなように、実施例1のバッグは、有利には、3つの異なる菌腫を、生存可能性における、著しいまたは許容不可能な損失を伴わずに、真空凍結乾燥することを可能にした。
【0088】
図示し、上述した実施形態は、例としてのみのものであること、及び、変更及び変形が、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内で行われ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を真空凍結乾燥するためのプロセスであって、
バッグの形態のバルク製品ローディングシステムを提供するステップであって、前記バッグが、柔軟な壁によって画定された内部と外部とを有し、前記バッグがさらに、前記バッグの前記内部へのアクセスを提供する充填ポートを備えている、前記バルク製品ローディングシステムを提供ステップと、
生きたバクテリア細胞を含み、第1の含水量を有する製品を前記バッグの前記内部に、前記充填ポートを介して充填するステップと、
充填された前記バッグを真空凍結乾燥機内に入れるステップと、
前記製品の前記含水量が、前記第1の含水量から、より低い第2の含水量に低減されるように、
前記充填ポートを開いた状態に維持することにより、又は
前記バッグの前記内部に前記製品を充填した後に、前記充填ポートが閉じられている場合に、前記充填ポートを開くことにより、又は
前記バッグの前記柔軟な壁の一部を除去することにより、
前記バッグの前記内部の前記製品を、真空凍結乾燥サイクルに曝すステップと、
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
充填された場合バッグが、側壁によって離間した2つの概して同一平面にある壁を有し、前記側壁が実質的に一定の高さを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
バッグの内部にある製品が、前記バッグの柔軟な壁の一部を除去することにより真空凍結乾燥サイクルに曝される場合、前記バッグの前記柔軟な壁の一部を除去するステップが、前記真空凍結乾燥サイクルを開始した後に実施される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
柔軟な壁が金属層を含んでいる、請求項1~3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
金属層がアルミニウム層である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
バッグから製品を除去するステップをさらに含む、請求項1~5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
バッグから除去された製品を使用して投薬形態を準備するステップをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
投薬形態を準備するステップが、製品でカプセルを充填することを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
バッグに充填されたバクテリア細胞の生存可能性の、真空凍結乾燥サイクルが完了した後の前記バクテリア細胞の生存可能性と比較しての差異が、2桁分未満である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
バッグに充填されたバクテリア細胞の生存可能性の、真空凍結乾燥サイクルが完了した後の前記バクテリア細胞の生存可能性と比較しての差異が、1桁分未満である、請求項1又は9に記載のプロセス。