(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088506
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】改良されたタッチ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20220607BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G06F3/042 485
G06F3/041 400
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022050583
(22)【出願日】2022-03-25
(62)【分割の表示】P 2019528518の分割
【原出願日】2017-12-07
(31)【優先権主張番号】1630294-5
(32)【優先日】2016-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(71)【出願人】
【識別番号】518194752
【氏名又は名称】フラットフロッグ ラボラトリーズ アーベー
【氏名又は名称原語表記】FlatFrog Laboratories AB
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ココヴスキ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バーリストレーム,ホーカン
(72)【発明者】
【氏名】ソーヴィンエル,イェンス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光学式タッチ感応システム用のガラス板の曲率を保持し制御するためのアセンブリ、組み立て方法及びタッチ観応装置を提供する。
【解決手段】フレームアセンブリ100は、第1の平面内に延在し、パネルの周りに少なくとも部分的に延在する第1のフレーム要素102を含む。少なくとも1つの第2のフレーム要素103a、103bが第2の平面内に延びてプレート2のための支持部分101a、101bを形成し、少なくとも1つのスペーシング要素が少なくとも部分的に支持部分と第1のフレーム要素との間に配置される。スペーシング要素116a、116bは、第1のフレーム要素の曲率を制御する。少なくとも1つの第2のフレーム要素は、支持部分でプレートと係合し、プレートの曲率を制御するために、スペーシング要素で第1のフレーム要素の曲率を制御することによって第1のフレーム要素に取り付けられ、傾斜可能である。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学タッチ感応システムのためのプレート(2)の曲率を保持し、制御するためのアセンブリ(100)において、
第1の面内に延在し、パネル(1)の周りに少なくとも部分的に延在する第1のフレーム要素(102;202)と、
第2の面内に延在し、前記プレート(2)のための支持部分(101a、101b;201b)を形成する少なくとも1つの第2のフレーム要素(103a、103b;203)と、
少なくとも部分的に前記支持部分(101a、101b、201b)と前記第1のフレーム要素(102;202)との間に位置し、前記第1のフレーム要素(102;202)の曲率を制御するように構成された少なくとも1つのスペーシング要素(116)とを具え、
前記少なくとも1つの第2のフレーム要素(103a、103b;203)は、前記支持部分(101a、101b;201b)で前記プレートに係合するように構成されており、前記第2のフレーム要素の形状および/または位置は、前記プレートの曲率を制御するために、前記第1のフレーム要素(102、202)と前記スペーシング要素(116)によって制御されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1のアセンブリ(100)において、前記第2のフレーム要素(103a、103B;203)は、弛緩状態から、前記支持部分(101a、101b、201b)の長さの少なくとも一部に沿って放物線状の凹面曲線を形成する偏向状態へと偏向可能であり、アセンブリ(100)のねじ機構(112a、112b、112c、113a、113b、219a、219b、219c)が、前記第1のフレーム要素(102;202)と組み立てられたときに前記第2のフレーム要素(103a、103b、203)を撓み状態に保持することを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2のアセンブリ(100)において、前記第1のフレーム要素(102)のフレーム(109)が前記フレームの角部から離間して配置された複数のスペーシング要素(116)を含み、当該スペーシング要素は前記支持部分(101a、101b)から離れるように前記フレーム(109)に力を生成するように構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項3のアセンブリ(100)において、各スペーシング要素(116)が前記フレーム(109)の穴に配置されたネジ(116、116a、116b)を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項4のアセンブリ(100)において、各スペーシング要素(116)が所定の長さを有するネジと、当該ネジと前記フレーム(109)の間に配置されたスペーサを含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかのアセンブリ(100)において、前記アセンブリ(100)が、前記第1のフレーム要素(102)を前記パネル(1)に取り付けるための前記フレーム(109)の周りに配置された複数の取り付け要素(112)を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項6のアセンブリ(100)において、前記取り付け要素(112)がそれぞれ、前記フレーム(109)の穴に配置された複数のネジ(112a、112b、112c、113a、113b)を含み、当該ネジの少なくとも1つ(112a、113b)が、前記支持部分(101a、101b)の方へ前記フレーム(109)に第1の力を加えるように配置され、前記ネジの少なくとも他の1つ(112b、112c、113b)は、前記支持部分(101a、101b)から離れるように前記フレーム(109)に第2の力を加えるように配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項7のアセンブリ(100)において、前記取り付け要素(112)がそれぞれ、少なくとも2つのネジ(113a、113b)を含み、当該2つのネジのうちの第1のネジ(113a)は前記支持部分(101a、101b)に対向して配置されるとともに、前記第1の力を前記支持部分(101a、101b)に向けて前記フレーム(109)に加えるように配置され、前記2つのネジのうちの第2のネジ(113b)は、前記支持部分(101a、101b)の周縁部よりも前記第1のフレーム要素(102)の中央の近くに配置され、前記第2の力を前記支持部分(101a、101b)から離れるように前記フレーム(109)に加えるように配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項7のアセンブリ(100)において、各取り付け要素(112)が少なくとも3つのネジ(112a、112b、112c)を含み、3つのネジすべてが前記支持部分(101a、101b)の周縁部よりも前記第1のフレーム要素(102)の中心寄りに配置され、前記3つのネジのうちの第1のネジ(112a)は、前記第1の力を前記支持部分(101a、101b)の方へ前記フレーム(109)に加え、前記3つのネジのうちの第2のネジ(112b)と第2のネジ(112c)は、前記第2の力を前記支持部分(101a、101b)から離れるように前記フレーム(109)に加え、前記第1のネジ(112a)は前記第2のネジ(112b)と前記第3のネジ(112c)との間に配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか7のアセンブリ(100)において、前記第2のフレーム要素(202)の別の支持部分(201a)にガスケット(205)が配置されており、当該ガスケット(205)はその長さに沿って厚さが変化することを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項10のアセンブリ(100)において、前記ガスケット(205)は、対向する端部を有し、これらの対向する端部間は前記端部よりも薄いことを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項11のアセンブリ(100)において、前記ガスケット(205)の一方の端部における第1の区画(205a)と、前記ガスケット(205)の他方の端部における第2の区画(205b)とが第1の厚さを有し、前記第1の区画(205a)と第2の区画(205b)の間の前記ガスケットにおける第3の区画(205c)が第2の厚さを有し、前記第1の厚さは前記第2の厚さより厚いことを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれかのアセンブリ(100)において、前記第2のフレーム要素(203)がフレーム側を含み、前記第3のフレーム要素がエッジカバーを含み、前記エッジカバーが前記パネル(1)のための別の支持部分を含み、前記フレーム側の支持部分と前記エッジカバーの支持部分との間の距離は、組み立てられた状態で不連続であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
請求項13のアセンブリ(100)において、前記フレーム側が、前記フレーム側の両端部に第1の面内の第1の穴(217a)および第2の穴(217b)と、前記第1の穴(217a)と第2の穴(217c)との間に前記第1の面とは異なる面内に配置された第3の穴(217c)とを具え、
前記エッジカバーは当該エッジカバーの両端に配置された第1の穴(218a)および第2の穴(218b)と、前記エッジカバーの第一の穴(218a)と第二の穴(218b)の間に配置された第3の穴(218c)とを具え、前記エッジカバーが前記フレーム側から切り離されたときに前記エッジカバーの第一の穴(218a)、第二の穴(218b)、および第3の穴(218c)はほぼ同一面上に配置され、
前記エッジカバーは、前記エッジカバーの穴(218a、218b、218c)が前記フレーム側の穴(217a、217b、217c)と位置合わせされるように、かつ前記エッジカバーの支持部分が湾曲した面に延在するように、前記フレーム側より剛性が低く偏向可能であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
光学式タッチ感応システム用のパネルとプレートを組み立てる方法であって、
第1の平面内に延在しパネル(1)の周りに少なくとも部分的に延在するように構成された第1のフレーム要素(102;202)を提供するステップと、
前記プレート(2)のための支持部分(101a、101b;201b)を形成する少なくとも1つの第2のフレーム要素(103a、103b;203)を提供するステップと、
前記支持部分(101a、101b、201b)によってプレート(2)を支持するステップと、
前記支持部分(101a、101b、201b)が、前記第1のフレーム要素(102、202)の少なくとも一部とほぼ反対側の第2の平面内に少なくとも部分的に延在し、第1の平面から離間し、かつ、
前記第1のフレーム要素(102;202)に取り付けられたスペーシング要素(116)で前記第1のフレーム要素(102;102)の曲率を制御し、それによって前記支持部分(101a、101b、201b)を傾けて前記プレート(2)の曲率が制御されるように、
前記第2のフレーム要素を前記第1のフレーム要素(102;202)に取り付けるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
タッチ感応装置であって、
タッチ面と、
前記タッチ面を横切って伝播するように第1の光線を発するように前記タッチ面の周りに配置された一組のエミッタと、
前記タッチ面の周りに配置され前記一組のエミッタからの光を受光する一組の光デテクタと、ここで各光デテクタは、2以上のエミッタからの光を受光するように構成されており、
前記一組の光デテクタの出力信号に基づいて、前記タッチ面上の物体の位置を特定するように構成された処理要素とを具え、
前記タッチ面は、第1の放物線に従って第1の軸に湾曲していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項17】
請求項16のタッチ感応装置において、前記タッチ面は、第2の放物線に従って第2の軸に湾曲していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項18】
請求項16のタッチ感応装置において、前記タッチ面が放物面を形成することを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項19】
請求項16のタッチ感応装置において、前記第1の放物線の放物面が楕円の放物面であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項20】
請求項16のタッチ感応装置において、前記タッチ表面の第1の軸の各点は、数学的な放物線の0.5ミリメートルの範囲内であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項21】
請求項20のタッチ感応装置において、前記数学的な放物線は、z(x,y)=a+bx2+cx2y2+dy2によって定義され、式中zは深さであり、xとyはガラスの平面における座標であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項22】
請求項16のタッチ感応装置において、前記タッチ面は、プレートの表面の一部を含むことを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項23】
請求項16のタッチ感応装置において、前記プレートは、ガラスまたはプラスチックのシートを含むことを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項24】
請求項16のタッチ感応装置において、前記タッチ面は放物面を形成することを特徴とするタッチ感応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に光学式タッチセンシティブシステムの分野に関する。より詳細には、本発明は、湾曲したプレートと、プレートの曲率が制御されるようにパネルに対してガラスプレートなどのシステムのプレートを保持するためのアセンブリとに関する。本発明はまた、曲率が制御されるような方法で光学タッチ感応システムのプレートをパネル(例えばディスプレイパネル)と組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような表面光学式タッチシステムとして知られているタッチ感応パネルの1つのカテゴリにおいて、例えば、米国特許第4459476号では、複数の光エミッタおよびレシーバがタッチ面の周囲に配置されて、タッチ面の上に交差する光路の格子を形成している。各光路はそれぞれのエミッタ/レシーバ対の間に延びる。タッチ面に接触する物体は、特定の光路を遮る。遮断された光路を検出したレシーバの識別情報に基づいて、プロセッサは遮断された光路間の遮断位置を特定することができる。この種のシステムは、1つの物体の位置を確実に検出することしかできない(シングルタッチ検出)。さらに、必要とされるエミッタおよびレシーバの数、したがってコストや複雑性は、タッチパネルの表面積および/または空間解像度の増加と共に急速に増大する。
【0003】
変形例では、例えばWO2006/095320に示されるように、各光エミッタはタッチ面を横切って発散する光線を発し、各光線はタッチ面の周囲に配置された1より多い光学レシーバによって検出される。
【0004】
これらのシステムは、通常、最大5mmの高さでタッチ面の表面を横切って進むように光を向ける。
【0005】
他の表面タッチ感応システムは、WO2016/130074に記載されているように、タッチを感知するためにトモグラフィックタッチイメージングを使用する。そのようなシステムでは、光をタッチ面にずっと近づけることができ、それによって精度の大幅な改善を実現し、必要な光の予算が少ない。光は通常、プレートの上方約1mmまでの高さに向けられる。
【0006】
典型的には、タッチ面はガラス板である。光がタッチ面の近くに向けられるようなシステムでは、プレートの歪みが光信号に非常に大きな影響を与える。それ故、システムの精度がプレート内の歪みによって損なわれるので、光がプレートに接近して伝達される場合には、これまでに知られている上記の表面光学式タッチシステムで使用されるガラスプレートは不適当である。
【0007】
さらに、光学式タッチ感応システムのプレートとLCDパネルなどのパネルとを組み立てるためのフレームは、例えほぼ平らであってもプレート内の捻れや曲げといった制御されていない反りの形で歪みをもたらす可能性がある。制御されていない反りは、プレートを横切って伝達される光を妨げる可能性がある。これは、フレームがパネルに取り付けられるときにフレームが制御されずに捻れるためである。
【0008】
タッチシステムに関しては記載されていないが、ガラスの反りを最小限に抑える方法が、ウィンドウ業界およびディスプレイパネル業界から知られている。そのような解決策は反りを制御するために予め曲げられたガラスを含む。しかしながら、そのような解決策は、ガラスの境界にかさばるフレームおよび/またはガラスの形状を制御するために力が加えられるパネルの中心により近い圧力点を通常必要とするので、タッチ感応システムには不適当/不十分である。これらの解決策は、最小/軽量の境界ベゼルが必要とされる場合には不適当であり、そして支持される物体がガラスボーダーにその境界で接触することはない。加えて、予め曲げられたガラスは高価であり輸送するのにもろい。
【0009】
したがって、パネルに対して光学式タッチ感応システムのプレートを保持するための改良されたフレームアセンブリは利点があり、特に、精度の改良、コンパクト性の増大、費用効果、および/または制御された湾曲を可能にする。さらに、できるだけ多くのエミッタからの光をデテクタに伝達するのに役立つ形状を有するタッチパネルが必要とされる。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の実施形態は、好ましくは、単独または任意の組み合わせで、添付の特許請求の範囲に係るアセンブリ、組み立て方法、およびフレーム部品のキットを提供することによって、当技術分野における1またはそれ以上の欠陥、欠点または問題を軽減、低減または排除しようと努めるものである。
【0011】
本発明の第1の実施形態は、光学式タッチ感応システム用のプレートの湾曲を保持および制御するためのアセンブリを説明するものであり、これは第1の平面内に延在して少なくとも部分的にパネルの周りに延在するように構成された第1のフレーム要素と;第2の平面内に延在してプレートの支持部分を形成する少なくとも1つの第2のフレーム要素と、支持部分と第1のフレーム要素との間に少なくとも部分的に配置される少なくとも1つのスペーシング要素とを含み、当該スペーシング要素は第1のフレーム要素の曲率を制御するように構成され、少なくとも1つの第2のフレーム要素は前記支持部分でプレートと係合するように構成され、第1の枠要素に取り付けられ、前記第2のフレーム要素の形状および/または位置は、前記スペーシング要素とともに第1のフレーム要素の曲率によって制御され、プレートの曲率が制御される。
【0012】
本発明の第2の実施形態は、光学式タッチ感応システム用のパネルとプレートとを組み立てる方法を説明するものであり、第1の平面内に延在し、少なくとも部分的にパネルの周囲に延在するように構成された第1のフレーム要素を提供するステップと、プレート用の支持部分を形成する少なくとも1つの第2のフレーム要素を提供するステップと、支持部分によってプレートを支持するステップと、支持部分が第1のフレーム要素の少なくとも一部とほぼ反対側の第2の平面内に少なくとも部分的に延び、第1の平面から離間するように、第2のフレーム要素を第1のフレーム要素に取り付けるステップと、第1のフレーム要素に取り付けられたスペーシング要素で第1のフレーム要素の曲率を制御し、それによって支持部分を傾けてプレートの曲率を制御するステップとを含む。
【0013】
本発明の第3の実施形態は、タッチ感応システムのパネルとプレートとを組み立てるためのフレーム要素のキットを記載するものであり、第1の平面内に延在する第1のフレーム要素と、プレートの支持部分を形成し第1のフレーム要素に取り付け可能な少なくとも1つの第2のフレーム要素と、第1のフレーム要素に調整可能に取り付け可能なスペーシング要素とを具え、支持部分の少なくとも一部は、スペーシング要素によって、第1のフレーム要素に対して調節可能であり、それは、湾曲した第2の平面内に延びる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態は、プレートがパネルと組み立てられるときに湾曲が生じないように、光学式タッチ感応システム用のプレートの湾曲制御を提供する。これにより、プレート内の歪みがプレートを横切って伝送される光信号に影響を与えることが防止され、ひいてはシステムの精度向上および光予算の低下を実現する。追加的または代替的に、実施形態は、タッチ感応システムの光エミッタからの光を受光するデテクタについての視野が実質的に平坦なプレートと比較して増大するように湾曲を制御することを提供する。ここでも、改良された視野は、タッチ感応システムの改良された精度を提供し、そしてより良好な光予算を可能にする。さらに、実施形態は、湾曲が制御され得ると同時にコンパクトであるアセンブリを提供する。また、プレートの中心に接触することなく曲率を制御することができる。
【0015】
本発明の第4の実施形態は、タッチ感知装置を説明するものであり、タッチ面と、タッチ面を横切って伝播するように第1の光線を発するようにタッチ面の周りに配置された一組のエミッタと、この第1の組のエミッタから光を受け取るようにタッチ面の周りに配置された一組の光デテクタとを具え、各光デテクタは1より多いエミッタからの光を受けるように構成されており、前記一組の光デテクタの出力信号に基づいて、前記タッチ面における物体の位置を特定するように構成された処理要素を具え、前記タッチ面は、第1の放物線に従って第1の軸に湾曲している。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「具える/含む」は、記載された特徴、数、ステップまたは構成要素の存在を特定するために用いられるが、1またはそれ以上の他の特徴、数、ステップ、それらの部品またはグループの存在または追加を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態で実現可能であるこれらおよび他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照しながら、以下の本発明の実施形態の説明から明らかになり、解明されるであろう。
【
図1】
図1は、断面軸線A-AおよびB-Bを示す第1のフレーム要素の上面図である。
【
図2a】
図2aは、アセンブリの実施形態の断面図である。
【
図2b】
図2bは、アセンブリの実施形態の断面図である。
【
図2c】
図2cは、アセンブリの実施形態の断面図である。
【
図2d】
図2dは、アセンブリの実施形態の断面図である。
【
図3a】
図3aは、アセンブリの
図1の断面軸B-Bを示す概略図であり、第1のフレーム要素に対して第2のフレーム要素を有し、プレートを平坦な平面内に保持している。
【
図3b】
図3bは、アセンブリの
図1の断面軸A-Aを示す概略図であり、第1のフレーム要素に対して第2のフレーム要素を有し、プレートを平らな平面内に保持している。
【
図3c】
図3cは、アセンブリの
図1の断面軸B-Bを示す概略図(断面図)であり、第2のフレーム要素が第1のフレーム要素に対して反っており、プレートを凹状の湾曲した平面内に保持している。
【
図3d】
図3dは、アセンブリの
図1の断面軸A-Aを示す概略図(断面図)であり、第2のフレーム要素が第1のフレーム要素に対して反っており、プレートを凹状の湾曲した平面内に保持している。
【
図4a】
図4aは、第1のフレーム要素の斜視図である。
【
図4b】
図4bは、凸状のパネルと凹状の第1のフレーム要素のフレームとの概略図であり、プレート2も凹状に制御されている。
【
図4c】
図4cは、ねじ116aおよび116bを示す側面図である。
【
図5a】
図5aは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5b】
図5bは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5c】
図5cは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5d】
図5dは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5e】
図5eは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5f】
図5fは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5g】
図5gは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図5h】
図5hは、フレーム形状を構成するためのねじ構成を含むアセンブリの実施形態の側面図と斜視図である。
【
図6】
図6は、アセンブリの一実施形態の第1の方向からの概略断面図である。
【
図7】
図7は、プレート2の湾曲をもたらすための別の実施形態の概略側面図である。
【
図9】
図9は、光学式タッチシステムおよび対応する検出線の上面図を示す。
【
図10a】
図10aは、光学式タッチシステムの平坦なタッチ面の等角図である。
【
図10b】
図10bは、平坦なタッチ面を有する光学式タッチシステムの断面図である。
【
図11a】
図11aは、x軸に湾曲したプロファイルを有する光学式タッチシステムのタッチ面の等角図である。
【
図11b】
図11bは、x軸に湾曲したプロファイルを有するタッチ面を有する光学式タッチシステムのx軸に沿った断面図を示す。
【
図11c】
図11cは、x軸に湾曲したプロファイルを有するタッチ面を有する光学式タッチシステムのx軸に沿った断面図を示す。
【
図12a】
図12aは、光学式タッチシステムのタッチ面の上面図である。
【
図12b】
図12bは、x軸に湾曲したプロファイルとy軸に湾曲したプロファイルとを有する光学式タッチシステムのタッチ面の等角図である。
【
図12c】
図12cは、x軸に湾曲したプロファイルとy軸に湾曲したプロファイルとを有するタッチ面を有する光学タッチシステムのx軸に沿った断面図である。
【
図12d】
図12dは、x軸に湾曲したプロファイルとy軸に湾曲したプロファイルとを有するタッチ面を有する光学タッチシステムのy軸に沿った断面図を示す。
【
図13a】
図13aは、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光されるべく、タッチ面の端部の点から発せられタッチ面を横切って伝播する光の断面レンダリングを示す。
【
図13b】
図13bは、放射光の角度に関して、湾曲したタッチ面の端部の点から放出され、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光された光のグラフを示す。
【
図14a】
図14aは、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光されるように、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、湾曲したタッチ面を横切って伝播する光の断面レンダリングを示す。
【
図14b】
図14bは、放射光の角度に関して、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光された光のグラフを示す。
【
図15a】
図15aは、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光されるように、タッチ面の端部の点から放射され、タッチ面を横切って伝播する光の断面レンダリングを示す。
【
図15b】
図15bは、放射光の角度に関して、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光された光のグラフを示す。
【
図16a】
図16aは、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光されるように、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、湾曲したタッチ面を横切って伝播する光の断面レンダリングを示す。
【
図16b】
図16bは、放射光の角度に関して、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光された光のグラフを示す。
【
図17a】
図17aは、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光されるように、タッチ面の端部の点から放射され、タッチ面を横切って伝播する光の断面レンダリングを示す。
【
図17b】
図17bは、放射光の角度に関して、湾曲したタッチ面の端部の点から放射され、タッチ面の反対側の端部のデテクタで受光された光のグラフを示す。
【
図18a】
図18aは、x軸に沿った放物線状曲面に対する実際のタッチ面の湾曲を示す。
【
図18b】
図18bは、x軸に沿った実際のタッチ面と放物線状曲面との間の偏差を示す。
【
図19a】
図19aは、x軸に沿った放物線状曲面に対する実際のタッチ面の湾曲を示す。
【
図19b】
図19bは、x軸に沿った実際のタッチ面と放物線状曲面との間の偏差を示す。
【
図20a】
図20aは、一実施形態によるタッチ面の変位輪郭の上面図を示す。
【
図21a】
図21aは、別の実施形態によるタッチ面のための変位輪郭の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となるように、かつ本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されている。添付の図面に示される実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図していない。図面において、同じ番号は同じ要素を指す。
【0019】
光学式タッチ感応システムでは、ガラスプレートなどのシステムのプレート2を、LCDパネルまたは追加のフレームなどのパネル1の反対側に配置することができる。プレート2は通常ほぼ平坦である。統合した後のプレート2の周囲が問題となり、プレート2の4つの側部/縁部はすべて、タッチ面すなわち光が透過するプレート2の側から見て平面であるか僅かに凹面でなければならない。この一態様は、プレート2の周囲を保持または支持する機械部品が凸状にならないようにすることである。場合によっては、プレート2を保持するためのいくつかの構成要素(バックカバー、キャリア、エッジカバー、ねじボスなど)がある。アセンブリの堅い構成要素ほど、それがプレート2の最終形状を支配することになる。
【0020】
従来技術の解決策では、プレート2を縁部/周囲で保持するフレームは、プレートに多少のねじれをもたらす可能性がある(角部が完全に平らな平面上にない)。ねじれはプレートの対角線に沿って凸状になることがあるため、最小限に抑えるか排除する必要がある。ねじれの許容度は、例えば、ガラスの仕様、製品、サイズ、一体型ガラスの周囲形状、およびVESAマウントの取り付け方に依存する。
【0021】
図1は、プレートの縁部および/または対角線に沿ってなど、プレートに沿って凸状となるの防止するフレームアセンブリ100、200の実施形態を示す。いくつかの実施形態は、凸面を回避し、タッチシステムをさらに改善するために凹面を誘発する場合さえある。フレーム109は、第1のフレーム要素102で形成される。取り付け要素112およびスペーシング要素116が、以下の実施形態において説明される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、プレート2とパネル1を保持または支持するように構成されているアセンブリ100、200は、プレート2の湾曲が制御されるようにプレート2に制御された力を加える。
図2a~2cおよび
図3a~3dに示す実施形態では、力はプレート2の支持部分101a、101bにトルクを加える。
図4a~4cの実施形態では、力は実質的に真っ直ぐであり、プレート2に対して垂直である。以下では、
図2a~2c、
図3a~3d、
図4a~4c、および
図5a~5gの実施形態を個別に説明する。しかしながら、これらの実施形態は、
図6a~6cに示す組み合わせのように、さらなる実施形態を提供するために組み合わせてもよい。
【0023】
図2a~2dは、フレームアセンブリ100が第1のフレーム要素102と1以上の第2のフレーム要素103a、103bとを含む実施形態を示す。第1のフレーム要素102は、パネル1の背面を少なくとも部分的に覆って延在する後部ブラケットフレームを形成することができる。第2のフレーム要素103a、103bはホルダまたは支持ブラケットを形成し得る。さらに、第2のフレーム要素103a、103bは、プレート2および/またはパネル1の周囲の少なくとも一部分に沿って延在し得る。別個の第2のフレーム要素103a、103bが、プレート2および/またはパネル1の異なる側の周囲に少なくとも部分的に沿って延在し得る。例えば、2つの第2のフレーム要素103a、103bが、プレート2および/またはパネル1の対向する周囲に沿って延びてもよい。あるいは、4つの第2のフレーム要素103a、103bがプレート2および/またはパネル1の周囲に沿って、すなわち長方形のプレート2および/またはパネル1の各辺に沿って1つずつ延在してもよい。
【0024】
図4a~4cに示されるように、パネル1は、第1のフレーム要素102と第2のフレーム要素103a、103bとの間に保持されてもよい。プレート2は、支持部分101a、101bを形成する第2のフレーム要素103a、103bの一部の第1の側で支持または保持されてもよい。パネル1は、パネル1の支持部分を形成する支持部分101a、101bの第2の側によって保持または支持されてもよい。接着テープのような接着剤104が、支持部分101a、101bとプレート2との間に配置されてもよい。支持部分101a、101bとパネル1との間にガスケット105を配置してもよい。
【0025】
一実施形態では、要素102、103(要素103aおよび103bを含んで図示されている)は、単一片から形成されている。
【0026】
第2のフレーム要素103a、103bは、第1のフレーム要素102に取り付けることができる。
【0027】
図2a~2cおよび
図3a~3dの実施形態では、第2のフレーム要素103a、103bは、ねじ、溶接、リベットなどの1以上の取り付け部材106a、106bによって第1のフレーム要素102に取り付けられる。したがって、第2のフレーム要素103a、103bは、第1のフレーム要素102にしっかりと取り付けられる。
【0028】
第1のフレーム要素102は、第1のフレーム要素102の周囲に延びるフランジ107a、107bを含み得る。同様に、第2のフレーム要素103a、103bはフランジ108a、108bを含み得る。組み立てられたとき、第1のフレーム要素102のフランジ107a、107bは、第2のフレーム要素103a、103bのフランジ108a、108bと当接するように配置することができる。第1のフレーム要素102のフランジ107a、107bは、取り付け部材106a、106bによって第2のフレーム要素103a、103bのフランジ108a、108bと一緒に保持されてもよい。
【0029】
第1のフレーム要素102は、第1の平面内に延びるフレーム109(
図1に示す)を形成する。フレーム109は、パネル1の第1の側の周りに少なくとも部分的に延びるように構成される。パネル1の第1の側は、パネル1の裏側であり得る。いくつかの実施形態において、フレーム109は、3~10cmといった幅を有する。フレーム109は、パネル1の第1の側の縁から第1の側の中央に向かって延びることができる。したがって、フレーム109は四角形であり、単一の材料片から作ることができる。
【0030】
図3a、3bに示されるように、アセンブリ100は、バックカバー111を支持するための1以上の支持領域110a、110bを含み得る。支持領域110a、110bは、フレーム109が延びる第1の平面と実質的に平行な平面内に延在し得る。支持領域110a、110bは、フレーム109とバックカバー111とが離間するように、フレーム109よりも第2のフレーム要素103a、103bの支持部分101a、101bからさらに離れて位置することができる。図示の実施形態では、支持領域110a、110bは、フランジ107a、107bと第1のフレーム要素102のフレーム109との間に設けられている。バックカバー111は、ネジなどの取り付け要素によって支持領域110a、110bに取り付けられる。
【0031】
他の実施形態では、支持領域110a、110bは、第2のフレーム要素103a、103bのフランジ108a、108bによって提供される。第1のフレーム要素102のフランジ107a、107bは、フランジ108a、108bと第2のフレーム要素103a、103bの支持部分101a、101bとの間で第2のフレーム要素103a、103bに接続され得る。
【0032】
第2のフレーム要素103a、103bは支持部分101a、101bを形成してもよい。例えば、第2のフレーム要素103a、103bは、断面が少なくとも部分的にL字形の細長い部材を形成することができる。組み立てられたとき、第2のフレーム要素103a、103bがパネル1の周囲に沿って延び、支持部分101a、101bがフレーム109とほぼ反対側の第2の平面内で少なくとも部分的に延び、かつ第1の平面から離間してパネルの周囲を包むようにパネルの周囲を取り囲む。それによって、第2のフレーム要素103a、103bは、パネル1の第2の側、例えば、パネル2の前面の少なくとも一部に延びるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第2のフレーム要素103a、103bは、第1の部分と第2の部分とを有する。第1の部分は、第2の部分に対して角度をつけて設けられてもよい。第2の部分は支持部分101a、101bを形成し、フレーム109とは反対側の第2の平面内に延びるように構成されてもよい。第1の部分は、第2の部分と第1のフレーム要素102との間に延びてもよい。また、第1の部分は、組み立てられたときにプレート2の縁部または側面に沿って延びてもよい。第1のフレーム要素102は、第2のフレーム要素103a、103bの第1の部分に接続することができる。第1の部分は第2の部分に対して実質的に垂直であり得る。
【0034】
図3a~3dに示されるように、第1のフレーム要素102は、それらが互いに対して固定されるように、第2のフレーム要素103a、103bの第1の部分に取り付けられてもよい。さらに、第2のフレーム要素103は、第1のフレーム要素102に対して傾斜可能である。第1フレーム要素102に加えられた力は、支持部分101a、101bが第1のフレーム要素102に向かって傾斜するように、第2のフレーム要素103に伝達される。したがって、トルクによって、第2のフレーム要素103a、103bの第2の部分、すなわちプレート2を支持する支持部分101a、101bの、第1のフレーム要素102に対する傾斜を制御することができ、これが
図3c、3dに湾曲した矢印で示されている。いくつかの実施形態では、
図3a、3bに示すように、支持部分101a、101bの傾斜角は中立になるように制御され、すなわち支持部分101a、101bの傾斜角はパネル1と実質的に平行になるように制御され、および/または、プレート2が平坦面になるように制御される。他の実施形態では、
図3cおよび
図3dに示すように、支持部分101a、101bの傾斜角は、タッチ面に対して負になるように制御され、すなわち支持部分101a、101bの自由端がフレーム109に向かって傾斜するように制御される。後者の場合、プレート2は、プレート2のタッチ面からパネル1に向かう方向にわずかに凹形状が与えられる。これらの場合のそれぞれにおいて、プレートが凸となるが回避されるので、タッチ感応システムの光エミッタからの光を受光するデテクタについての視野が改善されるように湾曲が制御される。ここでも、視野が改善されると、タッチ感応システムの精度が向上し、より少ない光予算が可能になる。さらに、支持部分101a、101bは、周縁部でプレート2を越えて短い距離だけ延在する必要があるので、曲率を制御することができると同時にアセンブリがコンパクトとなる。また、プレートの中心に接触することなく、曲率を制御することができる。凹面を適用すると、システムの感度をさらに向上させることができる。
【0035】
図2a~2dおよび
図3a~3dは、第1のフレーム要素102をパネルに取り付けるための取り付け要素112の実施形態を示す。複数の取り付け要素112(例えば、三重の要素112a、112b、および112cとして示されているように)を、
図4aで円として示されるフレーム109の各隅におくなど、フレーム109の周りに配置してもよい。各取り付け要素は一群のネジ112a、112b、112c、113a、113bを含むことができる。各ネジはフレーム109の穴内に配置することができ、これはネジ止めよい。取り付け要素はそれぞれ、少なくとも2つのネジ112a、112b、112c、113a、113bを含み得る。ネジ112a、113aの少なくとも一方は、フレーム109にネジを切ってパネル1を押すことによって、フレーム109をパネル1から離れるように変位させるように配置されてもよく、これが
図2dにおいて矢印で示されている。ネジ112b、112c、113bのうちの少なくとも他の1つは、例えばパネルにネジ山を、フレーム109に穴を設けることによって、フレーム109をパネル1に向かって変位させるように配置され、これも
図2dにおいて矢印で示されている。
【0036】
図2aは、取り付け要素がそれぞれ少なくとも3本のネジ112a、112b、112cを含む実施形態を示す。3つのネジ112a、112b、112cはすべて、支持部分101a、101bの周縁部よりも第1のフレーム要素102の中心に近い位置に配置されており、すなわち各ネジ112a、112b、112cの長軸の仮想延長部114a、114b、114cが、
図2aに示すように、断面で見たときに支持部分101a、101bの外側を通る。図示の実施形態では、第1のネジ112aが第2のネジ112bと第3のネジ112cとの間に配置されている。
図2aは1つの組のネジのみを示す。しかしながら、一組のネジをフレーム109の周囲の任意の位置に配置して、第1のフレーム要素102をパネル1に取り付けることができる。
【0037】
図2bは、各組のネジが2つのネジ113a、113bのみからなる実施形態を示す。第1のネジ113aは支持部分101a、101bに対向して配置され、すなわち第1のネジ113aの長軸の仮想延長部115aは、
図2bに示すように、断面で見たときに例えばその中心を通るように支持部分101bを貫通する。2つのネジのうちの第2のネジ113bは、支持部分101bの周縁部よりも第1のフレーム要素102の中心に近い位置に配置され、すなわち、長手方向軸の仮想延長部115bは、
図2bに示すように、断面で見たときに支持部分101bの外側を通る。
【0038】
図2dに示すように、第1のネジ112aはフレーム109をパネル1から離れるように変位させるように構成されている。これは、ネジの頭部がパネル1に当接した状態で第1のネジが係合するフレーム102内のネジ穴112iによって実現し得る。第2のネジ112bは、フレーム109をパネルの方へ変位させるように配置されている。これは、第2のネジ112bの頭部がフレームの表面に当接している状態で第2のネジ112bが係合する、パネル1内のネジ穴112fによって実現し得る。ネジ112aおよび/または112bを使用することによって、フレーム/パネルの曲げまたは回転を制御するために、フレーム102および/またはパネル2に力を加えることができる。
【0039】
図2bの実施形態では、第1のネジ113bが支持部分101a、101bの上に位置合わせされているので、フレームの曲げまたは回転を制御するためにネジが2つだけ必要とされる。
【0040】
図2a~2bでは、一組のネジのみが示されている。しかしながら、プレート2およびパネル1を支持するために、一組のネジをフレーム109の周縁部の任意の位置に配置することができる。
【0041】
図2cは、
図2a、2bの実施形態の組み合わせ、すなわち、2つおよび3つのネジを有するネジの複数組がフレーム109の周りに配置され得ることを示す。これにより、柔軟性が提供される。
【0042】
図2a~2c、
図3cおよび
図3dに示すように、各組のネジ112a、112b、112c、113a、113bは、フレーム109に力を加えることができる。したがって、
支持部分101a、101bの傾斜、ひいてはプレートの湾曲が制御されるようにフレーム109の湾曲を制御することを介して第2のフレーム要素103a、103bにトルクを加えることができる。
図3aに示すアセンブリでは、フレームが実質的に平らでパネル1と平行になるように正味の力が加えられる。
図3cおよび3dに示すアセンブリでは、支持部分101a、101bから離れる正味の力がフレーム109に加えられ、プレート2のタッチ面から見たときにわずかに凹状になる。結果として、トルクが第2のフレーム要素103a、103bに提供され、それによってプレート2の縁部または周囲に沿って支持部分101a、101bが傾斜する。したがって、第1のフレーム要素109の曲率を制御すると、プレートの曲率を制御することができる。プレート2は、プレート2のタッチ面から見て凹状になっていてもよい。
【0043】
図4a~4c、
図5a~5gおよび
図6a~6cは、フレーム109の形状の代替的または追加的な制御が導入され得る実施形態を例示する。
図4aに示すように、取り付け要素112をフレーム109の角部に配置することができる。取り付け要素112は、
図2a~2cおよび
図3a~3dに関して上述したように、一群のネジ112a、112b、112c、113a、113bを含むことができる。取り付け要素112は、パネル1をフレーム109の方へ引っ張るように構成されてもよい。これは、上述のように支持部分101a、101bを傾けて、あるいは傾けずに行うことができる。少なくとも1つのスペーシング要素116(スペーシング要素116がネジ112および別個のスペーシング構成要素を含み得る)が、2つの取り付け要素112の間でフレーム109の周囲に沿って配置され得る。スペーシング要素116は、パネル1から離れる方向にフレーム109に力を加えるようにアセンブリ内に配置されている。それによって、スペーシング要素112によって加えられた力は、支持部分101a、101bが上述のように傾斜するように第2のフレーム要素103a、103bに伝達され、それによってプレート2の曲率が制御される。
【0044】
図4bに示されるように、フレーム109の一般的な形状は凹状であるが、パネル1の一般的な形状は凸状であり得る。パネルはまた、その剛性に応じて実質的に平面のままであり得る。結果として生じるプレート2の形状は凹面となる。このため、フレーム109の各側は湾曲した経路をたどるように制御されてもよい。湾曲は、各スペーシング要素116によって加えられる力を調節することによって、および/またはフレーム109の各側に沿ったスペーシング要素116の数を介して制御することができる。その結果、支持部分101a、101bは、少なくとも支持部分101a、101bの自由端において、湾曲した経路をたどることができる。したがって、支持部分101a、101bの少なくとも一部は、湾曲した平面内に延在することができる。
【0045】
第2のフレーム要素103a、103bが分解されるか、第1のフレーム要素102にのみ取り付けられた場合、それは弛緩状態を有し得る。弛緩状態では、支持部分101a、101bは実質的に平らな平面内に延在する。第2のフレーム要素103a、103bは、例えば取り付け要素112およびスペーシング要素116によって、弛緩状態から撓み状態または応力状態へと撓むことができる。取り付け要素112が設けられている支持部分101a、101bの両端部における傾斜レベルは、スペーシング要素116が設けられる端部間の傾斜レベルよりも小さくてもよい。結果として、第2のフレーム要素103a、103bは、撓み状態または応力状態に撓むことができる。撓み状態または応力状態では、支持部分101a、101bはその長さに沿って湾曲した平面内に延在する。支持部分101a、101bの自由端または先端部などの支持部分101a、101bに沿ったこの面の断面は、支持部分101a、101bの長さの少なくとも一部に沿って放物線状凹面曲線を形成することができる。一緒にネジ構成を形成することができる取り付け要素112とスペーシング要素116の組み合わせは、第1のフレーム要素102と組み立てられたときに、第2のフレーム要素103a、103bを撓み状態または応力状態に保持することができる。
【0046】
スペーシング要素116は、その先端がパネル1の表面に係合または当接した状態でフレーム109のネジ山に螺合する単一のネジによって提供されてもよい。あるいは、パネル1は、スペーシング要素116がネジ込まれるネジ穴を含み、したがってスペーシング要素116はフレーム109をパネル11の方へ移動させるために用いることができる。さらに、要素116は、ワッシャ、スペーサなどのスペーサ要素を含み得る。
図3a、3bならびに
図6aにおいて、2つのスペーシング要素116a、116bが例示目的のために示されており、別々の実施形態を形成してもよい。他の実施形態では、単一のスペーサ要素116a、116bを用いてもよい。スペーシング要素116a、116bの頭部はバックカバー111に当接し、スペーシング要素116a、116bはフレーム109と係合し、このフレーム109はバックカバー111に向かって引っ張られてもよい。その結果、フレーム109が凹状になる。いくつかの実施形態では、スペーシング要素116aはパネル1に当接も係合もせず、パネル1はフレーム109に加えられる力によって影響を受けなくてもよい。他の実施形態では、スペーシング要素116bは、当該スペーシング要素116bの先端がパネル1の表面に当接するように十分に長い。これにより、プレート2の形状のさらなる制御が追加される。
【0047】
いくつかの実施形態では、フレームアセンブリ100は、フレーム109の角部から間隔をあけて配置された複数のスペーシング要素116を含む。1または複数のスペーシング要素116をフレーム109の各辺または各側に沿って配置することができる。単一のスペーシング要素116が各辺に沿って配置されている場合、それはフレーム109の角部間の中央にあることが好ましい。
【0048】
各スペーシング要素116は、所定の長さを有するネジを含み得る。これは、頭部と先端部がそれぞれの表面に当接するようにネジを完全に着座させることができ、それによってプレート2の所定の曲率が得られることを意味する。湾曲のレベルは、頭部と当該頭部が当接する表面との間に配置された1または複数のスペーサによって調整することができる。これは、複数のスペーシング要素116が単一の側に沿って配置されている場合、あるいは異なる側が異なる長さを有する場合に特に有用である。スペーサが多く設けられるほど、フレーム109に加えられる力は少なくなる。代替として、
図5hに示されるように、所定の高さの差を他の方法、例えばフレームを所定の高さに平削りすることにより生じさせ、より連続的な支持構造を実現してもよい。
【0049】
図5a~5hは、上述の第1のフレーム要素102と組み合わせることができるアセンブリ200の実施形態を示している。
図5a~5hに示す実施形態は、プレート2を上部にして、先に示した実施形態とは反転して示されている。
【0050】
図5a、5bに示すように、フレームアセンブリ200は、第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203とを含む。第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203は、それぞれ支持部分201a、201bを有する細長い部材であり得る。第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203は、例えば、断面L字型であり得る。第1のフレーム要素202および第2のフレーム要素203のそれぞれの第1の部分は、パネル1の縁部に沿って延びるように構成されてもよい。第1のフレーム要素202および第2の要素203のそれぞれの第2の部分は、支持部分201a、201bを形成し、組み立てられたときに、プレート2の表面上にプレート2の周囲から1~3cmなどの短い距離だけ延びるように構成されてもよい。さらに、第2のフレーム要素203は、組み立てられたときに、プレート2の周縁部が各フレーム要素202、203の第2の部分の間に配置されるように、第1のフレーム要素202の頂部に配置されてもよい。したがって、各支持部分201a、201bは、
図5gに示されるように、プレート2の対向する表面を支持または係合することができる。
【0051】
図5c~5dに示すようないくつかの実施形態では、ガスケット205(例えばガスケット205a、205b、205c、205d、205e)が第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203との間に配置されている。ガスケットは、例えば、第1のフレーム要素202の支持部分201a上に配置される。また、シール204aを第2のフレーム要素203の支持部分201b上に配置することができる。
【0052】
ガスケット205は、その長さに沿って、すなわち第1のフレーム要素202の長さに沿って様々な厚さを有することができる。これにより、
図5f~5gに示すように、第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203との間に捕捉されたときにプレート2の周縁部の所望の湾曲形状を得ることが可能になる。例えば、ガスケット205は対向する端部を有し、対向する端部間は前記端部よりも薄くてもよい。これにより、プレート2の周縁部の所定の凹面を得ることができる。ガスケットは十分に堅く、圧迫されたときでもその端部は厚い。ガスケット205は、端部で約1.5~2.0mm、中心部で約1mmの薄とすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ガスケット205はその長さに沿って複数の区画を有する。各区画の厚さは異なり得る。例えば、ガスケットの第1の区画205aがその一方の端部に設けられ、ガスケットの第2の区画205bがその他方の端部の設けられる。第1の区画205aおよび第2の区画205bは、第1の厚さを有し、これは各区画で等しくてもよい。ガスケットの少なくとも第3の区画205cが、第1の区画205aと第2の区画205bとの間に配置されている。第3の区画205cは第2の厚さを有する。第1の厚さは第2の厚さよりも厚い。例えば、厚さの差は約0.5~2mm、好ましくは約1.0mmである。厚さの違いは、ガスケット205の長さや、凹部が導入されるプレート2の縁部に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、第4および第5の区画205d、205eが、それぞれ第1および第2の区画205a、205bと第3の区画205cとの間に設けられてもよい。第4および第5の区画205d、205eにより、構成200によって提供される凹状曲線形状のさらなる制御を追加することができる。第1および第2の区画205a、205bのそれぞれの長さは、ガスケット205の全長の約2~20%であり得る。第3の区画の長さは、ガスケット205の全長の約60~96%であり得る。第4および第5の区画205d、205eのそれぞれの長さは、ガスケット205の全長の約10~20%であり得る。いくつかの実施形態では、第4および第5の区画205d、205eの合計長さは、第3の区画205cの長さよりも短く、第1および第2の区画205a、205aの合計長さは、第4および第5の区画205d、205eの合計長さよりも短い。これにより、フレームアセンブリ200の長さに沿って放物線状凹面曲線が得られる。
【0054】
図5eに見られるように、第1のフレーム要素202の支持部分201aと第2のフレーム要素203の支持部分201bとの間の距離は、組み立てられた状態で不連続であり得る。
【0055】
プレート2の凹部を維持するために、支持部分201a、201bの間の距離が組み立てられた状態に維持されるように、第1のフレーム要素202と第2のフレーム要素203とを一緒に保持することができる。第1のフレーム要素202は、第1のフレーム要素202の第2の部分などに、第1のフレーム要素202の両端に配置された第1の穴217aと第2の穴217bを有する。第1および第2の穴217a、217bは第1の平面に配置されている。第3の穴217cが、第1の穴217aと第2の穴217bとの間の中央など、第1の穴217aと第2の穴との間に配置されている。第3の穴217cは、第1の平面とは異なる平面に設けられている。第1および第2の穴217a、217bが配置されている平面と、第3の穴217cが配置されている平面との間の距離またはオフセットは、第1および第2の区画205a、205bと第3の区画205cの間の厚さの差と実質的に同じであり、すなわち約0.5~2mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の穴217a、217bは、第1のフレーム要素202の長さに沿ってガスケット205の第1および第2の区画205a、205bのそれぞれの中心にある。
【0056】
同様に、第2のフレーム要素203は、当該第2のフレーム要素203の両端に配置された第1の穴218aと第2の穴218bとを含むことができる。第2のフレーム要素203の第1の穴218aと第2の穴218bとの間に第3の穴218cが配置されてもよい。第2のフレーム要素203の第1の穴218a、第2の穴218b、および第3の穴218cは、第2のフレーム要素203が第1のフレーム要素202から切り離されたときに概して同一平面内に配置される。第2のフレーム要素203は、第1のフレーム要素202よりも剛性が低いか弱く、第2のフレーム要素203の各穴218a、218b、218cが第1のフレーム要素202の穴217a、217b、217cと整列するように撓み可能であり得る。したがって、第2のフレーム要素203の支持部分201bは、フレームアセンブリ200の組み立てられた状態では湾曲している面内に延びるように撓むことができる。ネジ219a、219b、219cを整列した穴217a、217b、217c、218a、218b、218cに挿入することができ、パネルに直接係合し、またはパネル1のネジ穴に係合してもよく、これによりフレーム要素202、203が組み立て状態に保持される。穴217a、217b、217c;218a、218b、218cの他の相対配置を考えることができ、各フレーム要素202、203の中心穴217c、218cは、第2のフレーム要素203の弛緩状態では位置がずれているが、第2のフレーム要素203が撓み状態または応力状態になると位置合わせされる。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1のフレーム要素202はフレーム側部を形成し、第2のフレーム要素203はエッジカバーを形成する。
図4a~4cに関して説明したフレーム109と一緒に用いる場合、フレーム側部は、
図4a~4cの実施形態の第2のフレーム要素を置換することができる。したがって、フレーム側部は、フレーム109にほぼ対向する支持面を有する支持部分201aを含み、ガスケット205を支持するように構成される。
【0058】
図6に示すように、構成要素(例えば、シール要素204a)を支持部分201aとプレート2との間に設けることができる。
図6は、力220が第2のフレーム要素203aに加えられたときに生じる力およびトルクを示す。第2の力221が支持部分201に加えられる。したがって、図示の構成では反時計回りに、正味トルク222が発生する。点線223で示すように、プレート2は湾曲した経路をとる。
【0059】
図7に示す実施形態では、プレート2の湾曲をもたらすための代替の構成が提供されている。この実施形態では、支持ブロック301がガラス板2を支持するように配置されている。支持ブロック301は、第2のフレーム要素103aからある角度を成すテーパエッジ303を有する表面部分を有する。プレート2が、第1のフレーム要素102およびシール204aからの圧力201bから支持ブロック301の上面に押し付けられる。圧力201bはプレート2をブロック301の上面の輪郭に追従させ、プレート2が第2のフレーム要素103aの面に対してある角度で湾曲面へと押し込まれる。プレート2の得られる経路が、湾曲経路310によって示されている。テーパした表面部分303は、第2のフレーム要素103aから0.5度から3度の間の角度である。
【0060】
図8に示す実施形態では、
図5a~5gに示す実施形態の変形例が提供されている。この実施形態では、第2のフレーム要素203は、第2のフレーム要素203の縁部203cから部分410が取り去られるように変更されている。これにより、プレート2の曲率が生じるように第2のフレーム要素203を曲げるのに必要な力が減少する。部分410は、平削り工程によって、彫刻工程または切断工程によって除去されてもよく、または第2のフレーム要素203が成形工程などを介して部分410なしで形成されてもよい。部分410は、最も狭い点における第2のフレーム要素203の深さを5~20%減少させるのが好ましい。
【0061】
アセンブリの実施形態のフレーム要素は、シートメタルから作られ、所望のデザイン、厚さを与えられ、および/または上述の力、形状、トルクなどが得られるような異なる材料から作られてもよい。
【0062】
実施形態は、光学式タッチ感応システムのパネル1とプレート2を組み立てるための方法を含む。この方法は、本明細書に提示された実施形態によるフレーム要素を提供することを含む。この方法はさらに、第1のフレーム要素を第2のフレーム要素に取り付けるステップと、アセンブリの支持部分でプレートを支持するステップと、支持部分が平坦または湾曲した面内に延在するように、第1のフレームアセンブリおよび第2のフレームアセンブリの少なくとも一方をパネルに取り付けるステップを含む。また、この方法は、支持部分が第1のフレーム要素の少なくとも一部と概ね対向する第2の面内に少なくとも部分的に延在するとともに、第1の面から離間するように、第2のフレーム要素を第1のフレーム要素に取り付けることを含む。第1のフレーム要素の湾曲は、当該第1のフレーム要素に取り付けられたスペーシング要素によって制御することができ、それによって支持部分を傾けてプレートの曲率を制御することができる。
【0063】
図9は、タッチ感応装置99の一例の平面図を示す。複数のエミッタ30aが、タッチ面20を横切って光を伝播させるために、タッチプレート10の周囲に分布されている。複数のデテクタ30bが、伝播する光の一部を受光するために、タッチ面20の周囲に分布されている。各エミッタ30aからの光は、複数の光路50上のいくつかの異なるデテクタ30bに伝播する。
【0064】
上記の実施形態は、プレートの形状および湾曲の制御を達成する方法を説明するものである。以下の実施形態は、タッチセンサシステムの性能改善を達成するためのプレートの望ましい形状を説明する。光路50は、概念的には、エミッタ30aとデテクタ30bの対の間でタッチ面20を横切って延びる「検出線」として表すことができる。上面図で見られるように、エミッタ30aおよびデテクタ30bは集合的に、タッチ面20上に検出線50のグリッド(「検出グリッド」)を規定する。検出グリッド内の交点の間隔が、タッチ感応装置99の空間分解能、すなわちタッチ面20上で検出することができる最小の物体を規定する。検出線の幅はエミッタおよび対応するデテクタの幅の関数である。広いエミッタからの光を検出する広いデテクタは、幅広い表面被覆率を有する広い検出線を提供し、タッチ被覆率を提供しない検出線間のスペースを最小にする。広い検出線の不利な点は、別々の物体を区別する能力が低下し、信号対雑音比が低下することである。
【0065】
本明細書で使用される場合、エミッタ30aは、所望の波長範囲の放射を放出できる任意のタイプのデバイス、例えばダイオードレーザ、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザ)、LED(発光ダイオード)、白熱灯、ハロゲンランプなどでありうる。エミッタ30aはまた、光ファイバの端部で構成されてもよい。エミッタ30aは任意の波長範囲の光を発生させることができる。以下の実施例は、光が赤外線(IR)、すなわち約750nmを超える波長で生成されるものと仮定する。同様に、デテクタ30bは、光デテクタ、CCD装置、CMOS装置などの(同じ波長範囲の)光を電気信号に変換することができる任意の装置とすることができる。
【0066】
デテクタ30bは集合的に出力信号を提供し、それは信号プロセッサ130によって受信されサンプリングされる。出力信号は、「投射信号」とも呼ばれるいくつかのサブ信号を含み、各サブ信号は、エミッタ30aのうちの1つから光デテクタ30bの1つによって受光される光のエネルギィを表す。実施形態によっては、信号プロセッサ130は、個々の投影信号を分離するために出力信号を処理する必要がある。投影信号は、個々の検出線50上でデテクタ30bによって受光された光の受光エネルギィ、強度またはパワーを表す。物体が検出線50を部分的または完全に塞ぐと、この検出線における受光エネルギィは減少または「減衰」される。
【0067】
信号プロセッサ130は、位置(例えば、x、y座標系における)、形状、または面積などの接触物体の特性を特定するように投影信号を処理するように構成され得る。この特定は、米国特許第7432893号および国際公開第2010/015408号に開示されているように、減衰された検出線に基づく簡単な三角測量を含んでもよく、あるいは、タッチ面20を横切る減衰値(単純化のため「減衰パターン」と呼ぶ)の分布を再現するためのより高度な処理を含んでもよく、各減衰値が局所的な光の減衰度合いを表す。減衰減衰パターンは、接触物体の位置、形状または面積を特定するために、信号プロセッサ130または別個の装置(図示せず)によってさらに処理されてもよい。減衰パターンは、投影信号値に基づく画像再構成のための利用可能な任意のアルゴリズムで生成することができ、それには例えばフィルタ補正逆投影法といったトモグラフィ再構成方法、FFTベースのアルゴリズム、ART(代数的再構成法)、SART(同時代数再構成法)などが含まれる。あるいは、減衰パターンは、1または複数の基底関数を適合させることによって、および/またはベイズ反転などの統計的方法によって生成され得る。タッチ判定に使用するために設計されたそのような再構成関数の例は、WO2009/077962、WO2011/049511、WO2011/139213、WO2012/050510、およびWO2013/062471に見ることができ、これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
図示の例では、装置99はまた、エミッタ30aの活性化、および場合によってはデテクタ30bからのデータの読み出しを選択的に制御するように接続されたコントローラ120を含む。実施形態に応じて、エミッタ30aおよび/またはデテクタ30bは、順次にまたは同時に、例えば、US8581884に開示されているように作動させることができる。信号プロセッサ130とコントローラ120とは別々のユニットとして構成されていてもよいし、単一のユニットに組み込まれていてもよい。信号プロセッサ130およびコントローラ120の一方または両方は、処理装置140によって実行されるソフトウェアによって少なくとも部分的に実装され得る。
【0069】
図10aは、従来技術による実質的に平坦な長方形のタッチプレート10を示す。この例では、タッチプレートは、ガラス、プラスチック、またはPMMA(ポリ(メチルメタクリレート))などの任意の他の材料でできている。2つの軸が
図10aに定義されている。x軸は、長方形の一対の長辺と平行かつ等距離に、タッチ面の平坦面に沿って延びる軸として定義される。y軸は、長方形の一対の短辺と平行かつ等距離に、タッチ面の平坦面に沿って延びる軸として定義される。タッチプレート10の上面の少なくとも一部はタッチ面20を含む。
【0070】
図10bは、従来技術によるタッチ装置の一例を示す図である。
図10bは断面図でタッチ装置を示し、この断面図はプレート10のx軸に沿っている。光はエミッタ30aによって放出され、透過プレート10を通ってタッチ面20を通り、エッジ反射体70の反射面80によって反射されて、タッチ面20と実質的に平行な平面内を移動する。次に、光は、透過プレート10の反対側の端部でエッジ反射体70の反射面80によって偏向されるまで続き、そこで光は透過プレート10を通ってデテクタ30b上に戻って偏向される。物体がタッチ面20に当たると、タッチ面20の光の一部が遮られる。この遮蔽がタッチ装置によって検出され、物体の存在、大きさ、および/または形状の特定に使用される。エミッタおよびデテクタは、エミッタからの光がタッチ面に送達され、タッチ面からデテクタに送達されるように、他のいくつかの構成で配置されてもよい。他の既知の配置は、タッチ面の上にエミッタとデテクタを配置し、反射面を使用せずに直接光を送受信するものである。光はまた、導波管、光ファイバケーブル、または他の光学部品によってタッチ面に送達されてもよい。
【0071】
図11aは、
図10aに示すものと同様のタッチプレート10の実施形態を示すが、タッチプレート10が湾曲している。この実施形態では、プレートは、y軸の方向において実質的に平坦なままであるが、x軸に関して凹面方向に湾曲している。この実施形態では、x軸は、長方形の対の長辺と平行かつ等距離に延びる軸として定義される。タッチ面の放物線または放物面の頂点は、タッチ面がタッチプレートの縁部に対して最も深いところである。x軸がタッチプレートの縁部の高さに配置されている場合、プレートの曲率は、x軸からタッチ面の距離を用いて測定することができる。
図11bは、
図11aのタッチプレート10のx軸に沿った断面図を示す。
【0072】
図11cは、湾曲したタッチプレート10の例示的実施形態を示す。タッチプレート10は、x軸に沿って1900mmの幅を有し、y軸に沿って1070mmの高さを有する。この例示的な実施形態では、ガラスは、タッチ面がx軸に対して放物曲線に従うように形作られている。タッチ面20の中点Oは、タッチ面の中心であってx軸の中点である。タッチ面20の曲率が放物線である場合、タッチ面とx軸との間の最大距離aは、タッチ面の中点Oにある。
【0073】
図11dは、最大許容凹面距離aおよび最大許容凸面距離bを示す。最大許容凸面距離bは、実質的に凸であるタッチ面の一部がエミッタとデテクタ間の光の遮蔽およびタッチ信号の著しい損失をもたらす可能性があるので、重要な考慮事項であり得る。最大許容凸面距離bは、本実施例では負の数である。
【0074】
一実施形態では、垂直に配向されたタッチプレートの距離aの範囲は、タッチシステムの歩留まりや性能を向上させるために制限される。この範囲はタッチシステムのサイズに応じて設定される。ガラス形状の非放物線状のずれおよび一体化における凸状性が、凸状の一体化されたタッチ面をもたらさないようにするためには、最小値が必要とされる。タッチされた物体の良い接触検出および離脱検出を可能にするために、最終的なタッチシステムの光照射野の高さが合理的に低く保たれることを保証するには、最大値が必要とされる。好ましくは、距離aの範囲は0~2.5mmである。
【0075】
本実施例では、最大距離aは凹面ガラスについては正の数である。したがって、タッチ面の曲率は以下のようにモデル化することができる。
F(x)=-a+cx
2
本実施形態例では、
図11cのタッチ面の長さ1900mmの断面とx軸との間の最大距離aは2.0mmである。したがって、タッチ面20に対する理想的な放物曲線は、以下の通りである。
F(x)=5.5*l0
-6*x
2-2.0
ここで、F(x)は位置xにおけるx軸とタッチ面との間の距離であり、x軸が縁部と交差する場所では、F(x)は縁部の中点でゼロである。
【0076】
図12a、12bは、
図11aに示すものと同様のタッチプレート10の実施形態を示すが、タッチプレート10は2軸で湾曲している。
図12aはタッチプレート10の平面図を示し、
図12bは等角図を示す。この実施形態では、プレートはx軸に対して凹面方向に湾曲しており、y軸に対しても凹面方向に湾曲している。
図11aに示す実施形態と同様に、x軸は、長方形の対の長辺と平行で等距離にあり、タッチ面上の中点Oを通る軸として定義される。したがって、プレートの曲率は、x軸からタッチ面の距離から測定することができる。同様に、y軸は、長方形の対の短辺と平行で等距離にあり、タッチ面の中点Oを通る軸として定義される。したがって、この軸に沿ったプレートの曲率は、y軸からのタッチ面の距離から測定することができる。
【0077】
図12c、12dは、
図12a、12bのタッチプレート10のx軸およびy軸に沿ったそれぞれの断面図を示す。湾曲したタッチプレート10の例示的実施形態である。タッチプレート10は、x軸に沿って1900mmの幅を有し、y軸に沿って1070mmの高さを有する。この例示的な実施形態では、ガラスは、タッチ面がx軸に対して放物曲線に従うように形作られている。タッチ面10の中心点Oは、タッチ面の中心であり、x軸の中点と平行である。タッチ面10の曲率が放物線状である場合、タッチ面とx軸との間の最大距離aは中心点Oにある。最大距離aは、本実施例における凹面ガラスの場合、正の数である。したがって、タッチ面の曲率は次のようにモデル化することができる。
z(x,y)=-a+b*x
2+c*x
2y
2+d*y
2
ここでzは、x軸およびy軸で定義される面とタッチ面との間の距離であり、xとyはガラス面内の座標である。
【0078】
y=0(すなわち、プレートの中央)についてx方向に沿って測定して2.0mmの最大距離でプレートの周囲に平らな周縁部を有する実施形態例では、以下のようになる。
z(x,y)=-2+5.56e-06*x2-4.74e-11*x2y2+1.7e-05*y2
【0079】
別の例示的な実施形態では、プレートの周囲に凹状の周辺部を有し、y=0(スクリーンの中央から短辺まで)においてx方向に沿って測定した最大距離2.0mmと、x=0(スクリーンの中央から長辺まで)においてy方向に沿って測定した最大距離1.5mmとを有する。上端と下端の距離が最大1.0mm、左右の端の距離が最大0.5mmである。
z(x,y)=-2.5+5.56e-06*x2-2.37e-11*x2*y2+1.28e-05*y2
【0080】
図13aは、x軸に湾曲したプロファイルを有する湾曲したタッチプレート10のタッチ面の例示的な実施形態を横切って伝播する光のx軸に沿った断面図を示す。この断面図では、点光源1310からの光の伝播経路が示されている。点線1320は、デテクタ面1340によって受光されない点光源1310aから放射された光の伝播経路を示す。実線1330は、デテクタ面1340によって受光された点光源1310から放出された光の伝播経路を示す。図示されるように、光の一部はデテクタの上に失われ、一部はデテクタの下に失われ、そして光の一部はデテクタ面で受光される。(タッチ面に映っている)デテクタの鏡像に向かって発光点から見ている人は、デテクタのサイズが実際のデテクタよりも2.2倍大きいと感じるであろう。この拡大効果は、軸を外した放物面鏡を用いた効果である。タッチシステムの特定のケースでは、これは、平坦なタッチ面と比較した場合、2.2倍の検出信号のブーストをもたらす。このブーストは信号にのみ適用され、他の方法でデテクタが受光する周囲光には有意に適用されない。好ましい実施形態では、タッチシステムのデテクタおよびエミッタは、(直接または間接的に)タッチ面から3mm以下であり、検出線の長さは100から2500mmの範囲であり、入射角は90度に非常に近い。これにより、タッチ面上の装飾、汚れ、またはアンチグレアコーティングは、反射に実用的な影響を与えないので、実際には鏡面である。
【0081】
図13bは、
図13aのモデルの縁部における光路のz座標に対する点光源1310からの放射光の角度のグラフを提供する。デテクタ表面のz座標範囲が縦軸で示されている。その範囲内のz座標で受け取られた点光源1310によって放出された光は、デテクタによって受け取られる。
【0082】
図14aは、
図13aの実施形態の断面図を示す。この断面図では、第2の点光源1410からの光の伝搬経路が示されている。この例では、検出信号のブーストは約3.3である。
図14bは、第2の点光源1410についての
図13bに対応するグラフを示す。
【0083】
図15aは、
図13aの実施形態の断面図を示す。この断面図では、第3の点光源1510からの光の伝播経路が示されている。
図15bは、第3点光源1510についての
図13bの対応するグラフを示す。この例では、検出信号のブーストは約3.03である。
【0084】
図16aは、
図13aの実施形態の断面図を示す。この断面図では、第4の点光源1610からの光の伝播経路が示されている。
図16bは、第4の点光源1610についての
図13bの対応するグラフを示す。この例では、検出信号のブーストは約2.71である。
【0085】
図17aは、
図13aの実施形態の断面図を示す。この断面図では、第5の点光源1710からの光の伝播経路が示されている。
図17bは、第5の点光源1710についての
図13bの対応するグラフを示す。この例では、検出信号のブーストは約2.19である。
【0086】
図13a~17bは、異なるエミッタ位置がタッチ面の異なる部分を利用することを実証している。反射体として働くタッチ面の部分は、ガラスの実際の形状、ならびにエミッタおよびデテクタ開口面1340の配置およびサイズに依存するであろう。
【0087】
しかしながら、タッチプレート10を完全な形状で製造、位置決め、または保持することはできない。したがって、タッチ面が追従する曲線と理想的な放物線状曲線との間にある程度の偏差が予想される。
【0088】
図18aは、数学的に定義される放物曲線と、現実世界の放物線状のタッチ面のグラフを示す。
図18aの例示的実施形態では、湾曲したタッチプレート10は、x軸に沿って1900mmの幅と、y軸に沿って1070mmの高さとを有する(ここで、x軸とy軸は、
図12a、4bに示される実施形態におけるように定義される)。この例示的実施形態では、ガラスは、タッチ面がx軸に対して放物曲線1810をたどるように形作られる。タッチ面とx軸との間の最大距離aは10mmである。数学的に定義された放物線は1820と定義されている。グラフは、点線1820で表される、数学的に定義された放物線と実際のタッチ面1810との間の偏差を示す。ここでは、実際のタッチ面は非対称に反っている。
図10bは、対角線の長さが2180mmで比率が16:9の、短辺から中央までの断面であり、熱強化ガラスは凹面距離が6mm未満、放物線偏差が0.5mm未満の最大限界値かそのすぐ範囲内である。
【0089】
タッチ面1810の放物線状の適合は、S字形の誤差を有する。そのような非対称的な反りは、製造時の焼き戻しプロセスの急冷段階における搬送ローラの問題または不均一な温度分布の結果である可能性がある。
【0090】
図18bは、数学的に定義された放物曲線と
図18aの現実世界の放物線状のタッチ面との間の偏差のグラフを示す。
【0091】
以下の表は、最適なタッチ面の形状を得るためにタッチ面の形状に対する好ましい一連の制限を規定する。用語「反り」は、中心点Oと交差するそれぞれの軸からのタッチ面のz軸方向の距離を規定する。
凸bは、
図18aに示されている。放物線誤差は
図18bに示されている。
【0092】
図19aは、数学的に定義された放物曲線と、
図18aのものと同様のガラスとの別のグラフを示すが、
図19aのガラスは範囲外であり、タッチシステムの製造には推奨されない。
図19aに示す大きな凹面の1つの理由は、製造時の焼入れプロセスにおける高低の冷却パラメータの間の差が大きすぎる状態で焼戻しプロセスが実行されたことであり得る。数学的に定義された放物曲線は1920で定義されている。グラフは、数学的に定義された放物曲線と実際のタッチ面1910との間の誤差を示す。
【0093】
図19bは、数学的に定義された放物曲線と、
図19aの現実世界の放物線タッチ面との間の誤差のグラフを示す。
図19aの実世界の放物線状のタッチ面は、対称的であるがより高次の反り(例えば、W形)の一例を示す。そのような反りは、信号ブーストを著しく低下させる可能性があり、製造焼き戻しプロセス中の対称的な温度問題(例えば、ガラスの中心部または縁部が熱すぎる)によって引き起こされる可能性がある。
【0094】
図20aは、タッチ面が放物面を形成する実施形態を示す。
図20aでは、タッチ面の4つの角を交差する平坦面に対するタッチ面の深さを示す等高線を用いてタッチ面の上面図が示されている。各等高線に表示されている数字は、等高線の深さを表す。x軸、y軸、および対角線軸dがすべて示されている。x軸は、長方形の対の長辺と平行に等距離にある軸として定義される。y軸は、長方形の対の短辺と平行に等距離に延びる軸として定義される。対角線軸dは、1つの角から対角線上の反対側の角まで対角線上に延びる軸として定義される。この実施形態では、タッチ面10のx軸、y軸、および対角線dはそれぞれ、タッチ面の深さに対して放物線を描く。
図20bでは、対角線軸dは、左下角部から右上角部まで延びるように示されている。
図20aの例示的実施形態では、湾曲したタッチプレート10は、x軸に沿って1900mmの幅と、y軸に沿って1070mmの高さとを有する。
【0095】
図20b~20dは、
図20aに示す実施形態のための任意の放物線構成を示す。
図20bは、x軸の下およびx軸に対する、タッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、x軸に沿った位置(左軸)を基準にして表示されている。
図20cは、y軸の下およびy軸に対する、タッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、y軸に沿った位置(左軸)を基準にして表示されている。
図20dは、対角線軸の下および対角線軸に対する、タッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、対角軸に沿った位置(左軸)を基準にして表示されている。
【0096】
図20a~20dに示す実施形態は、ほとんどのエミッタとデテクタの間を移動する信号に対して実質的な信号ブーストを提供するタッチ面を示している。しかしながら、タッチ面の非平坦な周縁部は、そのようなシステムの製造および組み立てをより複雑にする。
【0097】
図21aは、タッチ面が
図20aに示す実施形態のものとは別の放物面を形成する実施形態を示す。
図20aと同様に、
図21aは、タッチ面10の四辺を横切る平面に対するタッチ面の深さを示す等高線を有するタッチ面の上面図を示している。各等高線に表示されている数字は、等高線の深さを表す。x軸、y軸、および対角線軸dがすべて示されている。x軸は、長方形の対の長辺と平行に等距離にある軸として定義される。本実施形態では、タッチ面10のx軸は、タッチ面の深さに対して放物線を描く。y軸は、長方形の対の短辺と平行に等距離に延びる軸として定義される。この実施形態では、タッチ面10のy軸もまた、タッチ面の深さに対して放物線を描く。対角線軸dは、1つの角から対角線上の反対側の角まで対角線上に延びる軸として定義される。
図21bでは、対角線軸dは、左下隅から右上隅まで延びるように示されている。
図21aの例示的実施形態では、湾曲したタッチプレート10は、x軸に沿って1900mmの幅とy軸に沿って1070mmの高さを有する。この実施形態のタッチ面の周縁部は平坦であるか、または平坦に近い。タッチ面の周縁部が平坦または平坦に近い実施形態では、いくつかの検出線の下の面は完全な放物線ではない。反りが1~2.5mmの範囲にあるほぼ完璧な一体型ガラス形状であっても、実際にはいくつかの検出線(非常に小さい部分)の方が板ガラスよりも信号が少なくなる。この小さな欠点は、重要な全体信号の改善によって相殺される。さらに、タッチ面の周縁部が平坦または平坦に近いタッチシステムは、製造および組み立てがより容易であり得る。
【0098】
図21bは、x軸の下およびx軸に対する、タッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、x軸に沿った位置(左軸)を基準にして表示されている。
図21cは、y軸の下およびy軸に対する、タッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、y軸に沿った位置(左軸)を基準にしている。
図21dは、対角線軸の下および対角線軸に対するタッチ面の所望の放物線のグラフを示す。x軸からの偏差(下軸)は、対角軸に沿った位置(左軸)を基準にして表示されている。
【0099】
上記で開示された特定の実施形態の特徴および属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、それらすべては本開示の範囲内に入ることが明らかである。
【0100】
本明細書で使用される条件付き用語、例えば、「できる」、「する」、「でもよい」、「することができる」などは、特に断らない限り、または使用される文脈内で他に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/または状態を含み、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き用語は、一般に、著者の示唆または意図なしで、特徴、要素および/または状態が1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、または1つまたは複数の実施形態がこれらの特徴、要素および/または状態が、任意の特定の実施形態に含まれるかまたはその実施形態で実行されるべきであると企図するものではない。
【0101】
本発明を特定の実施形態を参照して説明した。しかしながら、上記以外の他の実施形態も本発明の範囲内で同様に可能である。本発明の範囲内で、上述したものとは異なる方法ステップを提供することができる。本発明の異なる特徴およびステップは、記載されたもの以外の他の組み合わせで組み合わせることができる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ感応装置であって、
タッチ面を有するプレートと、
ディスプレイパネルと、
前記タッチ面を横切って伝播するように第1の光線を発するように前記タッチ面の周りに配置された一組のエミッタと、
前記タッチ面の周りに配置され前記一組のエミッタからの光を受光する一組の光デテクタであって、各光デテクタは、2以上のエミッタからの光を受光するように構成されている、一組の光デテクタと、
前記一組の光デテクタの出力信号に基づいて、前記タッチ面上の物体の位置を特定するように構成された処理要素と、
前記プレートおよびディスプレイパネルを支持し、前記タッチ面が第1の軸に関して凹面方向に湾曲し、前記第1の軸と交差する第2の軸に関して凹面方向に湾曲するように前記プレートに制御された力をかけて凹面を生じさせるように構成されたフレームアセンブリとを具えることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項2】
請求項1のタッチ感応装置において、前記タッチ面は、第1の放物線に従って前記第1の軸に湾曲していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項3】
請求項1のタッチ感応装置において、前記タッチ面は、第2の放物線に従って前記第2の軸に湾曲していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項4】
請求項1のタッチ感応装置において、前記タッチ面が放物面を形成することを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項5】
請求項4のタッチ感応装置において、前記第1の放物線の放物面が楕円の放物面であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項6】
請求項1のタッチ感応装置において、前記タッチ面の第1の軸の各点は、数学的な放物線の0.5ミリメートルの範囲内であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項7】
請求項6のタッチ感応装置において、前記数学的な放物線は、z(x,y)=a+bx2+cx2y2+dy2によって定義され、式中zは深さであり、xとyはガラスの平面における座標であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項8】
請求項1のタッチ感応装置において、前記プレートは、ガラスまたはプラスチックのシートを含むことを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項9】
タッチ感応装置であって、
ディスプレイパネルと、
タッチ面を有する上面を具えるプレートと、
前記プレートの周辺部の近くに配置され、前記プレートのタッチ面にわたって光を発するように構成された一組のエミッタと、
前記プレートの周辺部の近くに配置され、前記一組のエミッタからの光を受光するように構成されたデテクタと、
前記ディスプレイパネルおよび前記プレートを支持するように構成されたフレームアセンブリとを具え、
前記プレートは、第1の軸に沿った第1の凹状湾曲と、第2の軸に沿った第2の凹状湾曲とを有し、
前記デテクタおよび前記エミッタは、直接的または間接的に前記タッチ面の上方3mm以下に配置されていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項10】
請求項9のタッチ感応装置において、前記デテクタおよび前記エミッタは、直接的または間接的に、前記タッチ面の任意の点から前記タッチ面に垂直な軸に沿って測ったときに前記タッチ面の上方3mm以下に配置されていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項11】
請求項9のタッチ感応装置において、前記プレートの湾曲が得られるように前記フレームアセンブリの一部が曲がっていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項12】
請求項9のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリが前記プレート用の支持部分を具え、当該支持部分の一部が曲がっていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項13】
請求項9のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリが前記プレート用の支持部分を具え、当該支持部分と前記プレートの上面との間にシール要素が設けられていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項14】
請求項9のタッチ感応装置において、前記第2の軸は前記第1の軸と交差していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項15】
請求項9のタッチ感応装置において、前記プレートのタッチ面は、前記第1の軸に関して凹面方向に湾曲し、前記第1の軸と交差する前記第2の軸に関して凹面方向に湾曲することを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項16】
請求項9のタッチ感応装置において、前記第1の凹状湾曲は放物線状であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項17】
請求項9のタッチ感応装置において、前記第2の凹状湾曲は放物線状であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項18】
請求項9のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリは、前記プレートに凹面を生じさせるように構成されていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項19】
請求項9のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリは、
前記ディスプレイパネルを支持するように構成された第1のフレーム要素と、
前記プレートの周辺部の少なくとも一部の周りに配置された第2のフレーム要素であって、前記プレートの縁部に沿って延びる部分と、前記プレートの表面にほぼ平行に構成された支持部分とを有する第2のフレーム要素とを具えることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項20】
請求項9のタッチ感応装置において、前記プレートはガラスプレートであることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項21】
タッチ感応装置であって、
ディスプレイパネルと、
タッチ面を有する上面を具えるプレートと、
前記プレートの周辺部の近くに配置され、前記プレートのタッチ面にわたって光を発するように構成された一組のエミッタと、
前記プレートの周辺部の近くに配置され、前記一組のエミッタからの光を受光するように構成されたデテクタと、
前記ディスプレイパネルおよび前記プレートを支持するように構成されたフレームアセンブリとを具え、
前記プレートは、第1の軸に沿った第1の凹状湾曲と、第2の軸に沿った第2の凹状湾曲とを有し、
前記プレートのサイズは少なくとも55インチ(139.7cm)であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項22】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートの湾曲が得られるように前記フレームアセンブリの一部が曲がっていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項23】
請求項21のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリが前記プレート用の支持部分を具え、当該支持部分の一部が曲がっていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項24】
請求項21のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリが前記プレート用の支持部分を具え、当該支持部分と前記プレートの上面との間にシール要素が設けられていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項25】
請求項21のタッチ感応装置において、前記第2の軸は前記第1の軸と交差していることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項26】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートのタッチ面は、前記第1の軸に関して凹面方向に湾曲し、前記第1の軸と交差する前記第2の軸に関して凹面方向に湾曲することを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項27】
請求項21のタッチ感応装置において、前記第1の凹状湾曲は放物線状であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項28】
請求項21のタッチ感応装置において、前記第2の凹状湾曲は放物線状であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項29】
請求項21のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリは、前記プレートに凹面を生じさせるように構成されていることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項30】
請求項21のタッチ感応装置において、前記フレームアセンブリは、
前記ディスプレイパネルを支持するように構成された第1のフレーム要素と、
前記プレートの周辺部の周りに配置された第2のフレーム要素であって、前記プレートの縁部に沿って延びる部分と、前記プレートの表面にほぼ平行に構成された支持部分とを有する第2のフレーム要素とを具えることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項31】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートのサイズは55インチ(139.7cm)~86インチ(218.44cm)であることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項32】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートの幅は少なくとも1900mmであることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項33】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートの高さは少なくとも1070mmであることを特徴とするタッチ感応装置。
【請求項34】
請求項21のタッチ感応装置において、前記プレートはガラスプレートであることを特徴とするタッチ感応装置。
【外国語明細書】