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特開2022-88558情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088558
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20220607BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055723
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2020161102の分割
【原出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】520373475
【氏名又は名称】クレディ・スイス証券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】彭 國傑
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】笹井 智行
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仕組債の取引条件と期待収益との関係を迅速に把握することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、取引ユーザ端末200から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付部10と、仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出するか又は取引ユーザ端末200から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出する算出部20と、算出結果を出力する出力部90と、を有する。取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、算出部20が変更後の取引条件に基づく期待収益を算出し、出力部90が期待収益を出力する。期待収益の変更が行われた場合には、算出部20が変更後の取引条件を算出し、出力部90が取引条件を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付部と、
前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する、又は取引
ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出する算出部
と、
前記算出部による算出結果を出力する出力部と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引
条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引条件を算出し、当
該取引条件を前記出力部が出力する情報処理装置。
【請求項2】
前記取引条件は仕組債の利息情報を含み、
前記算出部は、変更後の前記仕組債の利息情報を用いて前記期待収益を算出する、又は
変更後の前記期待収益を用いて前記仕組債の利息情報を算出する請求項1に記載の情報処
理装置。
【請求項3】
前記仕組債の利息情報を変更した場合には前記期待収益だけが変更され、前記期待収益
を変更した場合には前記仕組債の利息情報だけが変更される請求項2に記載の情報処理装
置。
【請求項4】
前記利息情報は、第一利息情報と、第一利息よりも低い利息である第二利息情報とを有
し、
前記算出部は、変更後の前記仕組債の第一利息情報又は第二利息情報を用いて前記期待
収益を算出する、又は変更後の前記期待収益を用いて前記仕組債の第一利息情報又は第二
利息情報を算出する請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記参照銘柄に基づいて前記取引条件を読み出す読出部をさらに備え、
前記参照銘柄に基づく前記取引条件の少なくとも一部を変更することで、前記算出部が
変更後の取引条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記参照銘柄に基づく前記取引条件における期待収益を変更することで、前記算出部が
変更後の取引条件を算出し、当該取引条件を前記出力部が出力する請求項1乃至4のいず
れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は複数の参照銘柄に関する情報を受け付け、
前記算出部は、前記読出部が読み出した複数の参照銘柄に基づいて取引条件を算出する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部はスケジュール要求を受け付け、
前記スケジュール要求が受け付けられると、前記出力部は仕組債の判定日及びクーポン
支払日を出力する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部は発注を受け付け、
前記発注を受け付けると、対象となっている仕組債の発注を行う発注部が設けられる請
求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
記憶部は取引ユーザの電子メール情報を記憶し、
前記発注が行われると前記電子メール情報に基づいて取引条件に関する情報を送信する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出部による算出が行われると、各仕組債に関する取引情報及び期待収益を一覧表
で順次表示するように前記出力部が出力する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報
処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、対象となっている仕組債に対する勧誘件数を出力可能となる請求項1乃
至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
記憶部は取引ユーザの電子メール情報を記憶し、
取引が成立すると前記電子メール情報に基づいて、判定日及びクーポン支払日を含む取
引条件に関する情報を送信する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
受付部が、取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける工程
と、
算出部が、前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する
、又は取引ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出
する工程と、
出力部が、前記算出部による算出結果を出力する工程と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引
条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引条件を算出し、当
該取引条件を前記出力部が出力する情報処理方法。
【請求項14】
情報処理装置にインストールするためのプログラムであって、
プログラムをインストールされた情報処理装置は、
取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付機能と、
前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する、又は取引
ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出する算出機
能と、
前記算出部による算出結果を出力する出力機能と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出機能が変更後の取
引条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力機能が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出機能が変更後の取引条件を算出し、
当該取引条件を前記出力機能が出力するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕組債に関する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融市場では仕組債という金融商品が存在している。仕組債では、スワップやオプショ
ン等のデリバティブを利用することにより、ニーズに合うキャッシュフローを生み出すこ
とが行われる。このような仕組債に関する技術導入も試みられており、例えば特許文献1
では、投資家から集めた資金を実績連動クーポンが支払われる債券に投資する投資信託会
社が管理する情報処理システムが提案されている。この情報処理システムでは、仮想ポー
トフォリオ算出部が投資信託会社の投資戦略に基づき仮想ポートフォリオを算出し、資産
配分情報通知部が、仮想ポートフォリオ算出部により算出された仮想ポートフォリオに基
づく運用シミュレーション情報を、実績連動クーポンの利率を決定するための基礎データ
として、債券の発行体が管理する第3情報処理システムにネットワークを介して通知する
態様となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―21415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従前と異なる観点からアプローチした発明であり、仕組債の取引条件と期待
収益との関係を迅速に把握することができる情報処理装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による情報処理装置は、
取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付部と、
前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する、又は取引
ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出する算出部
と、
前記算出部による算出結果を出力する出力部と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引
条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引条件を算出し、当
該取引条件を前記出力部が出力してもよい。
【0006】
本発明による情報処理装置において、
前記取引条件は仕組債の利息情報を含み、
前記算出部は、変更後の前記仕組債の利息情報を用いて前記期待収益を算出する、又は
変更後の前記期待収益を用いて前記仕組債の利息情報を算出してもよい。
【0007】
本発明による情報処理装置において、
前記仕組債の利息情報を変更した場合には前記期待収益だけが変更され、前記期待収益
を変更した場合には前記仕組債の利息情報だけが変更されてもよい。
【0008】
本発明による情報処理装置において、
前記利息情報は、第一利息情報と、第一利息よりも低い利息である第二利息情報とを有
し、
前記算出部は、変更後の前記仕組債の第一利息情報又は第二利息情報を用いて前記期待
収益を算出する、又は変更後の前記期待収益を用いて前記仕組債の第一利息情報又は第二
利息情報を算出してもよい。
【0009】
本発明による情報処理装置は、
前記参照銘柄に基づいて前記取引条件を読み出す読出部をさらに備え、
前記参照銘柄に基づく前記取引条件の少なくとも一部を変更することで、前記算出部が
変更後の取引条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記参照銘柄に基づく前記取引条件における期待収益を変更することで、前記算出部が
変更後の取引条件を算出し、当該取引条件を前記出力部が出力してもよい。
【0010】
本発明による情報処理装置において、
前記受付部は複数の参照銘柄に関する情報を受け付け、
前記算出部は、前記読出部が読み出した複数の参照銘柄に基づいて取引条件を算出して
もよい。
【0011】
本発明による情報処理装置において、
前記受付部はスケジュール要求を受け付け、
前記スケジュール要求が受け付けられると、前記出力部は仕組債の判定日及びクーポン
支払日を出力してもよい。
【0012】
本発明による情報処理装置において、
前記受付部は発注を受け付け、
前記発注を受け付けると、対象となっている仕組債の発注を行う発注部が設けられても
よい。
【0013】
本発明による情報処理装置において、
記憶部は取引ユーザの電子メール情報を記憶し、
前記発注が行われると前記電子メール情報に基づいて取引条件に関する情報が送信して
もよい。
【0014】
本発明による情報処理装置において、
前記算出部による算出が行われると、各仕組債に関する取引情報及び期待収益を一覧表
で順次表示するように前記出力部が出力してもよい。
【0015】
本発明による情報処理装置において、
記憶部は取引ユーザの電子メール情報を記憶し、
取引が成立すると前記電子メール情報に基づいて、判定日及びクーポン支払日を含む取
引条件に関する情報を送信してもよい。
【0016】
本発明による情報処理装置において、
前記出力部は、対象となっている仕組債に対する勧誘件数を出力可能となってもよい。
【0017】
本発明による情報処理方法は、
受付部が、取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける工程
と、
算出部が、前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する
、又は取引ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出
する工程と、
出力部が、前記算出部による算出結果を出力する工程と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引
条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力部が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出部が変更後の取引条件を算出し、当
該取引条件を前記出力部が出力してもよい。
【0018】
本発明によるプログラムは、
情報処理装置にインストールするためのプログラムであって、
プログラムをインストールされた情報処理装置は、
取引ユーザ端末から仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付機能と、
前記仕組債の取引条件に基づいて取引ユーザが得られる期待収益を算出する、又は取引
ユーザ端末から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の一部を算出する算出機
能と、
前記算出部による算出結果を出力する出力機能と、
を備え、
前記取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、前記算出機能が変更後の取
引条件に基づく期待収益を算出し、当該期待収益を前記出力機能が出力し、
前記期待収益の変更が行われた場合には、前記算出機能が変更後の取引条件を算出し、
当該取引条件を前記出力機能が出力してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、従前と異なる観点からアプローチした発明であり、仕組債の
取引条件と期待収益との関係を迅速に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態による情報処理装置のブロック図。
図2】本発明の実施の形態における表示部での表示態様を示した図。
図3図2に示した状態の後、表示部での表示態様を示した図。
図4図3に示した状態の後、表示部での表示態様を示した図。
図5】本発明の実施の形態において、スケジュール要求が入力された際の表示部での表示態様を示した図。
図6】本発明の実施の形態において、電子メールでの送信が入力された際の態様を示した図。
図7】本発明の実施の形態において、発注が入力された際の表示部での表示態様を示した図。
図8図7において「オーダーする」が選択された際における、表示部での表示態様を示した図。
図9図8においてオーダーが確定された際における、表示部での表示態様を示した図。
図10】取引が成立した際における、表示部での表示態様を示した図。
図11】本発明の実施の形態における表示部で「ドキュメント」をクリックした際の態様を示した図。
図12図11において「Trading PTD(日本語)」を選択した際の態様を示した図。
図13図12に続いて同じ仕組債のPTD(契約締結前交付書面)の発行要求を受け付けた場合の表示態様を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態
《構成》
本実施の形態の情報処理装置は、一つの装置から構成されてもよいし複数の装置から構
成されてもよい。また、複数の装置から情報処理装置が構成される場合には、各装置が同
じ部屋等の同じ空間に設けられる必要はなく、異なる部屋、異なる建物、異なる地域等に
設けられてもよい。本実施の形態において「又は」は「及び」の意味も含んでいる。つま
り、例えば、本実施の形態において「A又はB」とは、「A」、「B」並びに「A及びB
」のいずれかを意味している。
【0022】
本実施の形態の情報処理装置は、例えばプログラムをインストールすることで生成され
てもよい。このプログラムは記録媒体に記録されてもよく、この記録媒体は非一過性の記
録媒体であってもよい。本実施の形態によるプログラムは以下に示す情報処理装置を生成
するために利用され、本実施の形態による記録媒体は当該プログラムを記録するために利
用されてもよい。
【0023】
本実施の形態の情報処理装置は、例えば仕組債のプライシング、執行等を可能とする装
置である。図1に示すように、本実施の形態の情報処理装置は、取引ユーザ端末200か
ら仕組債に関する複数の取引条件の入力を受け付ける受付部10と、仕組債の取引条件に
基づいて取引ユーザが投資家等の個別ユーザから得られるであろう期待収益を算出する算
出部20と、算出部20による算出結果を出力する出力部90と、を有してもよい。算出
部20は、取引ユーザ端末200から入力された期待収益から仕組債に関する取引条件の
少なくとも一部を算出するようにしてもよい。本実施の形態における「期待収益」とは、
仕組債を投資家等に売却した際に見込まれる収益であり、当該意味であれば表現の仕方は
どのようなものであっても含まれる。本願の図2乃至図9では「期待収益」の一例として
「手数料」という用語を用いているが、これに限られることはない。
【0024】
算出部20による期待収益及び取引条件の算出は、予め定められた算出式に基づいて行
われてもよく、当該算出式は記憶部60に記憶されていてもよい。また、算出部20によ
って取引条件を算出する場合には、変動可能な一つ又は複数の取引条件が決まっており、
期待収益を変更することで変動可能な取引条件が変更されるようにしてもよい。また、固
定される一つ又は複数の取引条件が決まっており、期待収益を変更することで固定される
取引条件以外の取引条件が算出部20によって変更されるようにしてもよい。変動可能な
取引条件又は固定される取引条件は予め定まっていてもよいが、取引ユーザが入力部11
0から指定できるようにしてもよい。予め定まっている変動可能な取引条件又は固定され
る取引条件が記憶部60に記憶されており、所定の権限を有する権限者によってのみ、変
動可能な取引条件又は固定される取引条件が変更可能となってもよい。当該変更を行う場
合にはパスワードが要求されてもよいし、予め登録された端末からのアクセスについての
み当該変更を許可するようにしてもよい。
【0025】
算出部20が人工知能機能を有してもよい。この場合には、記憶部60に記憶された過
去の取引条件と収益の実績データから、この度用いられる取引条件に基づく期待収益を算
出してもよいし、この度用いられる期待収益に基づいて取引条件を算出するようにしても
よい。算出部20は機械学習を行うようにしてもよく、新たな取引条件及び期待収益が入
力されると、当該入力された情報を用いて機械学習が行われるようにしてもよい。当該学
習は、所定の期間で行われてもよく、各営業日の終了後に行われてもよいし、各週末に行
われてもよいし、一ヶ月に一回行われてもよい。算出部20が人工知能機能を有する場合
には、採用変数と当該採用変数に対する採用係数が記憶部60に記憶されており、これら
採用変数と採用係数によって、期待収益や取引条件が算出されるようにしてもよい。算出
部20が人工知能機能を有している場合においても、前述した態様と同様、期待収益から
取引条件を算出する場合には、変動可能な一つ又は複数の取引条件が決まっており、期待
収益を変更することで変動可能な取引条件が変更されるようにしてもよい。また、固定さ
れる一つ又は複数の取引条件が決まっており、期待収益を変更することで固定される取引
条件以外の取引条件が算出部20によって変更されるようにしてもよい。変動可能な取引
条件又は固定される取引条件は予め定まっていてもよいが、取引ユーザが入力部110か
ら指定できるようにしてもよい。予め定まっている変動可能な取引条件又は固定される取
引条件が記憶部60に記憶されており、所定の権限を有する権限者によってのみ、変動可
能な取引条件又は固定される取引条件が変更可能となってもよい。
【0026】
取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合には、算出部20が変更後の取引条件
に基づく期待収益を算出し、その都度、当該期待収益を出力部90が出力してもよい。他
方、期待収益の変更が行われた場合には、その都度、算出部20が変更後の取引条件を算
出し、当該取引条件を出力部90が出力してもよい。
【0027】
仕組債としては、金利デリバティブ系、為替デリバティブ系、エクイティデリバティブ
系、クレジットデリバティブ系等を挙げることができ、より具体的には、他社株転換社債
(EB債)、リンク債等を挙げることができる。
【0028】
取引条件は仕組債の利息情報を含んでもよい。算出部20は仕組債の利息情報を変更す
ることで期待収益を算出し直してもよい。また、算出部20は期待収益を変更することで
仕組債の利息情報を変更するようにしてもよい。この態様を採用した場合には、投資家等
の個別ユーザから得られる期待収益と仕組債における利息情報とが連動することになる。
一例としては、投資家から得られる期待収益A+仕組債における利息情報B×係数Zは一
定値であり、投資家から得られる期待収益Aが増加すると仕組債における利息情報Bが減
少し、逆に、投資家から得られる期待収益Aが減少すると仕組債における利息情報Bが増
加するようにして、算出部20が算出してもよい。また、算出部20は、一定の割合で利
息情報と期待収益とを連動させて計算してもよく、例えば期待収益がαだけ増加した場合
には、利息情報がα×Rだけ減少するように算出を行い、他方、期待収益がβだけ減少し
た場合には、利息情報がβ×Rだけ増加するように算出を行ってもよい。期待収益と利息
情報の関係性は記憶部60に記憶されていてもよい。この関係性は情報処理装置を導入し
た証券会社といった組織において定められていてもよく、当該関係性は所定の権限を持っ
た管理者によって入力されたり、修正されたりするようにしてもよい。但し、このような
態様に限られることはなく、各担当者が自己の取り扱う仕組債に関して、当該関係性を適
宜修正できるようにしてもよい。
【0029】
利息情報は、後述する高クーポンにおける第一利息情報(高利息情報)と低クーポンに
おける第二利息情報(低利息情報)とを有してもよい。利息情報と期待収益とが連動する
態様を採用する場合には、期待収益を変更することで第一利息情報だけ、第二利息情報だ
け、又は第一利息情報及び第二利息情報の両方だけが変動する態様を採用してもよい。期
待収益を変更することでいずれの利息情報が変動するかは、予め定まっていてもよいし、
取引ユーザが入力部110から入力するようにしてもよい。また、期待収益を変更するこ
とで第一利息情報及び第二利息情報の両方が変動する場合には、両者の変更割合が予め定
まっており又は入力部110から入力されるようになっており、当該割合に従って第一利
息情報及び第二利息情報の両方が変動してもよい。また、第一利息情報及び第二利息情報
の各々について上限値及び/又は下限値が定まっており、上限値よりは大きくならず、ま
た下限値よりは小さくならないようにして、第一利息情報及び第二利息情報の各々が変動
してもよい。
【0030】
取引ユーザ端末200は典型的には証券会社等の販売会社の担当者(典型的には商品購
入担当者)が利用するパソコン、タブレット等の端末である。この担当者が、本実施の形
態の情報処理装置を用いて、例えば仕組債の利息と期待収益との関係を調整して、仕組債
を作成することになる。証券会社等の販売会社の担当者は投資家の要望を受けて仕組債を
購入することになるが、取引条件は販売会社の担当者と投資家との間で決定されることに
なるのが一般的である。この際には、商品購入担当者と投資家とが直接やり取りを行って
もよいし、商品購入担当者と投資家との間に営業担当者が入り、営業担当者を介して、取
引条件が決定されてもよい。例えば投資家がノックインの値を指定して、どれくらいの利
息のクーポンが出るのかを販売会社の営業担当者に尋ねた場合には、販売会社の営業担当
者が商品購入担当者に問い合わせを行い、商品購入担当者が情報処理装置に投資家から指
定されていない条件(期待収益も含む。)を入力して、算出されたクーポンの利息情報を
投資家に伝えるようにしてもよい。
【0031】
例えば、証券会社等の販売会社の担当者がa1%の期待収益を取得したといと考えた場
合には、a1%という期待収益を入力部110から入力することで、取引条件が算出され
ることになる。この場合、取引条件のうち利息情報だけを変動させるという設定をしても
よく、その場合には、a1%という期待収益を入力することで、当該a1%に対応するb
1%という利息情報が算出部20によって算出される。逆に、b2%という利息情報を入
力したうえで算出を行ってもよく、この場合には、b2%という利息情報を入力部110
から入力することで、期待収益やその他の取引条件が算出されることになる。利息情報だ
けが期待収益と連動するという態様を採用した場合には、入力されたb2%に対応するa
2%という期待収益が算出されることになる。変動させる取引情報としては利息情報とは
限られない。例えば、ノックインのパーセンテージを変動させることで期待収益を変動さ
せてもよいし、逆に期待収益を変動させることでノックインのパーセンテージを変動させ
てもよい。これらの各設定は入力部110から行われ、記憶部60で記憶されてもよいし
、予め定められており、所定の権限者のみが設定を変更できるようにしてもよい。各取引
条件は取引を識別する取引識別番号といった取引識別情報とともに記憶部60で記憶され
てもよい。この場合には、取引識別情報を入力部110から入力することで取引条件が取
引ユーザ端末200で読み出され、表示部150で表示されてもよい。また、取引識別情
報と担当者識別情報とが関連付けられて記憶部60で記憶されており、情報処理装置にア
クセスした担当者の担当者識別情報に基づいて、当該担当者の入力した取引条件が自動で
読み出され、表示部150で表示されてもよい。なお、この読出しは、一営業日といった
所定の期間においてのみ有効に行われてもよく、当該所定の期間が経過した時点で消去部
90によって消去されるようになってもよい。
【0032】
受付部10は参照銘柄に関する情報を受け付けてもよい(図2乃至図4参照)。図2
図4では「zzz株式会社」を参照銘柄として入力した態様を示している。図2で示すよ
うに「zzz株式会社」を参照銘柄として入力することで、参照銘柄に関する情報が受付部
10で受け付けられることになる。その結果、当該参照銘柄(図2に示す態様では「zzz
株式会社」という銘柄)に基づいて取引条件を読み出す読出部30が設けられてもよい(
図1及び図3参照)。受付部10で複数(例えば3銘柄以上)の参照銘柄を受け付けるこ
とができてもよく、この場合には、算出部20が読出部30の読み出した複数の参照銘柄
に基づいて取引条件を算出するようにしてもよい。また、受け付けられた複数の参照銘柄
を用いて仕組債を作成する作成部40が設けられてもよい。作成部40は、受け付けられ
た複数の参照銘柄のうちパフォーマンスの悪い方を参照にして、ノックイン等を判定する
ようにした仕組債を作成してもよい。ただし、これに限られることはなく、作成部40は
、受け付けられた参照銘柄のうちパフォーマンスの良い方を選択して、ノックイン等を判
定するようにした仕組債を作成してもよい。どのような条件を選択するかは取引ユーザ端
末200からの入力に従ってもよい。複数の参照銘柄を用いて取引条件を設定することで
、より自由度の増した仕組債を作成することができ、ひいては利息及び手数料(期待収益
の一例)といった条件をより自由に設定することを期待できる。
【0033】
参照銘柄を入力すると、記憶部60から当該参照銘柄におけるデフォルトの取引条件が
読み出され、表示部150で表示されるようにしてもよい。読み出される取引条件及び変
更できる取引条件としては、クーポンの期間、利払いの期間(毎月、三か月毎、六カ月毎
等)、クーポンストライク、高クーポン、低クーポン、ノックアウト水準、ノックイン水
準、ストライク(行使価格)、決済通貨等に関する情報であってもよい。ノックインタイ
プについては、プット、フォワード等が選択できるようになってもよい。ノックアウトタ
イプについては、バミューダ、アメリカン、ヨーロピアン等が選択できるようになっても
よい。発注方法としては、成行、前場/後場の寄り/引け等から選択できるようになって
もよい。取引条件における手数料が算出部20によって算出されて、表示部150で表示
されてもよい。また、取引条件における手数料が記憶部60に記憶されており、記憶部6
0における当該手数料が表示部150で表示されてもよい。参照銘柄としては、所定の企
業の株価、為替、日経平均(登録商標)、ニューヨークダウ平均といった平均株価等を用
いてもよい。参照銘柄はリスト表示される内容から選択できるようになってもよいし、用
語検索によって検索できるようになってもよい。
【0034】
参照銘柄に基づいて読み出された仕組債の取引条件を適宜変更できるようにしてもよい
。一例としては、前述したとおり、入力部110によって仕組債の利息情報である高クー
ポンである第一利息情報及び/又は低クーポンである第二利息情報を変更することで算出
部20が手数料を算出し直してもよいし、入力部110によって手数料を変更することで
取引条件を算出部20が算出し直してもよい(図4参照)。算出部20による算出は取引
条件が入力された後で「算出する」というボタンをクリックすることで開始されてもよい
図4参照)。
【0035】
高クーポンになるか低クーポンになるかを判定するクーポン判定基準が設定可能となっ
てもよい(図3では「クーポンストライク%」として記載している。)。仮にクーポン判
定基準が当初価格X(例えばzzz株式会社の基準価格設定日における価格)の80.00
%の場合には、判定日における価格YがXの80.00%以上の場合には第一利息情報(
図3では「高クーポン%P.A.」「2%」として記載している。)に基づく利息が支払
われることとなり、また判定日における価格YがX×80.00%未満の場合には第二利
息情報(図3では「低クーポン%P.A.」「0.1%」として記載している。)に基づ
く利息が支払われることになる。
【0036】
なお、ノックインとは、予め定められた期間(観察期間)に、対象銘柄の株価・価格等
が一定の水準(ノックイン判定水準)以下になることをいう。ノックインになった場合に
は、対象銘柄の現物(株式・上場投信)に転換されて償還され、参照銘柄の株式が投資家
に受け渡すようにしてもよい。この処理は情報処理装置が行ってもよい。
【0037】
ノックアウトとは、予め定められた期間(観察期間)又は予め定められた日にちに、対
象銘柄の株価・価格等が一定の水準(ノックアウト判定水準)以上になることをいう。ノ
ックアウトになった場合には、額面金額とクーポン(利息)が支払われてもよい。この処
理も情報処理装置が行ってもよい。
【0038】
生成された仕組債は記憶部60で記憶され、その内容が一列ごとに表示されるようにし
てもよい(図2乃至図4参照)。算出部20による算出が行われると、出力部90は各仕
組債に関する取引情報及び期待収益の一例である手数料を一覧表で順次出力し、当該出力
結果が表示部150で表示されてもよい。この際、新しい仕組債が表示部150の上側で
順次表示されるようにしてもよい(図2及び図4参照)。この仕組債による利息や手数料
は所定の期間(例えば一営業日)は保証されるようにしてもよく、当該所定の期間は生成
された複数の仕組債が列ごとに表示されてもよい。
【0039】
仕組債を読み出す際には、複数のパターンを同時に読み出すようにしてもよい。一例と
して、複数の銘柄を記入できるようにしてもよく、この場合には、銘柄だけが異なる仕組
債が読み出されてもよい。また、複数の期間やその他の条件を選択できるようにしてもよ
い。一例として、複数のチェックボックスが表示され、複数のチェックボックスが選択さ
れた場合には、当該複数のチェックボックスによる条件に基づいて複数のパターンからな
る仕組債が読み出されるようにしてもよい。
【0040】
株式等は価格が変動することから、発注のタイミングによって手数料が異なることがあ
る。このため、一覧で表示されている取引条件における手数料と、現時点での取引条件に
おける手数料とが異なることがある。このため、再計算を選択すると(図2及び図3にお
ける「リフレッシュ」が押下されると)、最新の条件に基づいて手数料が算出されるよう
にしてもよい。
【0041】
証券会社等の販売会社では、営業部に所属して投資家とのやり取りを行う営業担当者と
、商品部に所属し仕組債の購入を行う商品購入担当者が異なる場合がある。この場合には
、営業担当者は投資家から希望する仕組債の条件を聞き出し、商品購入担当者に当該条件
を伝えることになる。商品購入担当者には多数の営業担当者から仕組債の情報が入ってく
ることから、前述したように、生成された仕組債が記憶部60で記憶され、その内容が一
列ごとに表示される場合には、営業担当者から正式な購入依頼が来たときには、表示され
ているいずれかの仕組債について発注を行うだけでよくなる点で有益である。
【0042】
参照銘柄に応じて表示部150での表示態様が変わる態様を採用してもよい。例えば参
照銘柄が日本株である場合には少なくとも日本株を売買できる時間(午前9時から午後3
時)の間は算出された条件からなる仕組債を表示し続け、当該仕組債を発注できるように
してもよい。参照銘柄が米株等の海外である場合には予め定められた時間(午前8時から
午後8時)の間は算出された条件の仕組債を表示し続け、当該仕組債を発注できるように
してもよい。発注の方法としては、成行、前場又は後場の寄り又は引け、指値等が選択で
きるようになってもよい。
【0043】
受付部10はスケジュール要求を受け付けてもよい(図5参照)。入力部110からの
スケジュール要求が受付部10で受け付けられると(図5では「スケジュール」がクリッ
クされると)、出力部90は対象となっている仕組債に関して判定日及びクーポン支払日
(利息支払日)を出力してもよい。単純計算したクーポン支払日が土日や祝日の場合には
、クーポン支払日が平日になるように調整部50(図1参照)で調整された上で、出力部
90による出力が行われてもよい。
【0044】
記憶部60は取引ユーザの電子メール情報を記憶していてもよい(図6参照)。電子メ
ールを送信することが選択されると(図6では「Eメール」がクリックされると)、各種
条件、計算結果、評価日、利払日スケジュール等が登録された1つ又は複数の電子メール
アドレスに対して送信部70(図1参照)から送信されてもよい。この態様を採用した場
合には、対象となっている仕組債の情報を、例えば営業担当者や投資家に電子メールによ
って伝えることができる点で有益である。
【0045】
受付部10は書類の発行要求を受け付けてもよい(図11参照)。入力部110からの
書類の発行要求が受付部10で受け付けられると(図11では「ドキュメント」がクリッ
クされると)、タームシート及びPTD(契約締結前交付書面)を発行するためのボタン
が表示部150で表示されてもよい。この画面でタームシートのボタンがクリックされて
仮条件確認書の発行要求が受付部10で受け付けられると、仮条件確認書が表示され、か
つ当該仮条件確認書を印刷及び保存することが可能となってもよい。このような態様を採
用した場合には、仮条件確認書を簡易に入手することができる点で有益である。
【0046】
PTD(契約締結前交付書面)のボタンがクリックされてPTD(契約締結前交付書面
)の発行要求が受付部10で受け付けられた場合には、管理情報の一例である管理番号を
要求する画面が表示されてもよい(図12参照)。管理番号が入力されると、PTD(契
約締結前交付書面)が印刷及び保存することが可能となってもよい。また、PTD(契約
締結前交付書面)の発行要求を受け付けた場合には、管理番号とともに勧誘番号が表示さ
れ、当該情報も印刷及び保存することが可能となってもよい。このように管理番号ととも
に勧誘番号を表示することで、所定の管理番号の対象となっている仕組債の勧誘件数を表
示し、当該仕組債を何件勧誘したかを容易に管理することができるようになる点で有益で
ある。図13では、図12に続いて同じ仕組債のPTD(契約締結前交付書面)の発行要
求を受け付けた場合の表示内容であるが、図12で示した同じ管理番号のもと、勧誘件数
が「2」となっている。
【0047】
受付部10は仕組債取引に関する発注を受け付けてもよい。受付部10が発注を受け付
けると、対象となっている仕組債の発注を行う発注部80(図1参照)が設けられてもよ
い。表示部150に表示されている仕組債毎に表示されている「発注」のボタンをクリッ
クすることで、当該仕組債が発注されてもよい(図7参照)。「発注」のボタンをクリッ
クした場合には、図7で示されるような「オーダーの詳細」に関する情報が表示されても
よい。また図7で示すように、このような「オーダーの詳細」に基づいて「オーダー」す
るか「キャンセル」するかが適宜選択できるようになってもよい。さらに「オーダー」す
ることを選択することで成立条件が表示部150で表示され、「確定ボタン」を押下する
ことで(図8では「オーダーを確定する」というボタンをクリックすることで)、取引の
確定が行われてもよい。クオート結果より「発注」→詳細確認後「オーダーする」→最終
確認としての「オーダーを確定する」という3段階の過程を経ることで、誤発注のリスク
を低減できる点で有益である。誤発注のリスクを低減させるという観点からすると発注を
確定するために4段階以上の過程を経るようにしてもよい。
【0048】
「発注」のボタンがクリックされる等して発注が行われると、電子メール情報に基づい
て取引条件に関する情報が送信されてもよい(図9参照)。当該電子メールは登録されて
いる1つ又は複数の電子メールアドレスに送信されてもよい。
【0049】
発注された情報を表示部110で表示し、確認できるようにしてもよい。また、発注さ
れた情報は所定の形式(例えばcsvファイル)で出力できるようになってもよい。当該情
報には、トレード識別用コード、参照資産、発注金額、額面金額、期間、約定日、受渡日
、全ての評価日、全ての利払日、行使水準及び/又は価格、ノックアウト水準及び/又は
価格、ノックイン水準及び/又は価格、利率判定水準及び/又は価格、クーポン水準及び
/又は金額、期待収益の一例である手数料等が含まれてもよい。
【0050】
一ヶ月、一週間といった所定の期間におけるクオート数、トレード数、元本合計、手数
料合計(収益合計)等が出力部90によって出力できるようになってもよい。
【0051】
「成行」ではない発注であり、取引が成立していない場合には、取引の取り消し及び修
正を行うことができるようになってもよい。取引の修正を行う場合には、取引条件の変更
を再度行ってもよいし、取引条件のうちオーダータイプだけを変更するようにしてもよい
。取引が成立した際には、図10に示すような取引完了の報告が登録された電子メールア
ドレスに送信されてもよい。
【0052】
上記実施の形態における受付部10、算出部20、読出部30、作成部40、調整部5
0、送信部70、発注部80等を含む各構成要素は、ICチップ、LSI等の集積回路等
に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU、
メモリ等を用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各構成要素は、1又は複
数の集積回路により実現されてよく、複数の構成要素が1つの集積回路によって実現され
てもよい。
【0053】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ説明していないも
のを中心に説明する。
【0054】
取引条件の少なくとも一部の変更が行われた場合に、算出部20が変更後の取引条件に
基づく期待収益を算出し、当該期待収益を出力部90が出力する態様を採用した場合には
、取引条件を変更した際に、変更後の取引条件に基づく期待収益を迅速に算出し、例えば
営業担当者や投資家に対して変更後の期待収益を迅速に提示することができる。なお、本
実施の形態の情報処理装置を営業担当者自身が利用している場合には、当該営業担当者が
変更後の取引条件に基づく期待収益を迅速に算出し、投資家に当該期待収益を迅速に伝え
ることができる。
【0055】
期待収益の変更が行われた場合に、算出部20が変更後の取引条件を算出し、当該取引
条件を出力部90が出力する態様を採用した場合には、変更した期待収益に基づいた取引
条件を迅速に算出し、営業担当者や投資家に対して変更後の取引条件を迅速に提示するこ
とができる。
【0056】
仕組債の利息条件の変更が行われた場合に、算出部20が期待収益だけを変更し、変更
後の利息条件に基づく期待収益を算出する態様を採用した場合には、利息条件の変更によ
って期待収益だけを変更した結果を営業担当者等に対して迅速に提示することができる。
このため、ノックイン情報等のその他の条件は変更することなく、利息条件を変更した結
果による期待収益を簡易に把握することができる。
【0057】
期待収益の変更が行われた場合に、算出部20が仕組債の利息情報だけを変更し、変更
後の期待収益に基づく利息条件を算出する態様を採用した場合には、期待収益の変更によ
って利息条件だけを変更した結果を営業担当者等に対して迅速に提示することができる。
このため、ノックイン情報等のその他の条件は変更することなく、期待収益を変更した結
果による利息条件を簡易に把握することができる。
【0058】
「期待収益」と「利息情報」を連動させることで、確保できる期待収益と、第一利息情
報又は第二利息情報といった利息情報とを適宜調整することができ、投資家に提示する利
息と受け取る期待収益との関係を迅速に把握することができ、投資家に当該仕組債を勧め
るかどうかといった判断の指標に用いることもできる。
【0059】
算出部20による算出が行われると、出力部90が各仕組債に関する取引情報及び期待
収益を一覧表で順次出力する態様を採用した場合には、営業担当者や投資家から問い合わ
せを受けた取引情報とその期待収益の一覧を画面で確認することができる。一般的には多
数の問い合わせが行われるが、それらの中から対象となっている取引情報とその期待収益
を簡易に把握することができる。典型的な例では、X日の朝の早い時間にY取引について
の問い合わせがあり、同日の午後にY取引についての発注依頼が営業担当者からあった場
合に、列挙されている複数の取引の中から、該当するY取引を容易に選択することができ
る。
【0060】
参照銘柄に基づいて取引条件が読み出される読出部30が設けられる態様を採用した場
合には、参照銘柄を入力するだけでデフォルトの取引条件を読み出すことができる。例え
ば、参照銘柄を入力するだけで、期間、クーポンストライク、高クーポン、低クーポンに
、ノックアウト、ノックイン、ストライク、決済通貨等に関する情報を読み出すことがで
きる。なお、参照銘柄毎の情報は仕組債を作成する担当者が予め記憶部60に記憶させて
おいた情報であってもよいし、外部機関の情報を読み込むことで作成された情報が記憶部
60に記憶されていてもよい。また、読出部30が外部機関の情報を読み出すようにして
もよい。また、作成部40で作成された情報が記憶部60で記憶され、記憶部60で記憶
されている最新の情報が読み出されてもよいし、取引ユーザ端末200の識別情報に関連
付けられた最新の情報が読み出されてもよいし、担当者の識別情報に関連付けられた最新
の情報が読み出されてもよい。
【0061】
受付部10でスケジュール要求が受け付けられた場合に出力部90が判定日及びクーポ
ン支払日を出力する態様を採用した場合には、担当者がスケジュール要求を入力するだけ
で、判定日及びクーポン支払日が読み出され、これらを迅速に把握することができる。
【0062】
受付部10が仕組債取引に関する発注を受け付け、発注部が対象となっている仕組債の
発注を行う態様を採用した場合には、対象となっている仕組債を容易に発注することがで
きる。多数の仕組債が列挙して表示部150で表示されている場合には、列挙されている
仕組債から適宜選択して発注を行うことができることは、非常に有益である。
【0063】
記憶部60が取引ユーザの電子メール情報を記憶し、発注が行われると、電子メール情
報に基づいて取引条件に関する情報が送信される態様を採用した場合には、発注に関する
情報を簡易に取得することができる。発注に関する情報は投資家等に伝達することが必要
になるが、本態様を採用した場合には、別途、発注情報をまとめる必要がなく、受信した
発注情報又は当該発注情報を適宜加工し、投資家等に伝達することができる。
【0064】
本実施の形態の情報処理装置によれば、主要銘柄について日々のプライス変動を観測し
たり、ワンクリックで様々な銘柄とのプライス比較を行ったり、プライシング結果を目線
に合わせるために各種条件を即座に変更すること等が可能となり、柔軟な活用を行うこと
ができる。
【0065】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明
するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の
範囲に記載された発明が限定されることはない。
【符号の説明】
【0066】
10 受付部
20 算出部
30 作成部
90 出力部
200 取引ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13