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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088568
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】デポー製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/436 20060101AFI20220607BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220607BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220607BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220607BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20220607BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220607BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220607BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A61K31/436
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/22
A61K47/26
A61P27/02
A61P7/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022056589
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2018567866の分割
【原出願日】2017-06-29
(31)【優先権主張番号】62/356,613
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/440,658
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】508027589
【氏名又は名称】デュレクト コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000177634
【氏名又は名称】参天製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】タムラズ,ウィルマ
(72)【発明者】
【氏名】スー,フェイ-チン・リン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ウェイキ
(72)【発明者】
【氏名】山田 和人
(72)【発明者】
【氏名】松本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ムドゥンバ,スリーニバス
(72)【発明者】
【氏名】岡部 高明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シロリムスを有効成分とする、徐放性眼科用デポー製剤を提供する。
【解決手段】硝子体内に投与されることを特徴とする組成物であって、有効医薬成分、高粘度液体担体材料(HVLCM)、第1の疎水性溶媒、および親水性溶媒を含み、前記有効医薬成分がシロリムスを含み、前記HVLCMが、イソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、前記第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、前記親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、前記組成物が、ビタミンEをさらに含み、ビタミンEに対するSAIBの重量比が0.4を超える、組成物。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む組成物であって、
(i)前記有効医薬成分がシロリムスを含み、ならびに/または
(ii)前記組成物が25℃および1気圧で溶液であり、および/もしくは前記組成物
が25℃および1気圧で約1cP~約150cPの範囲の粘度を有する、組成物。
【請求項2】
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%の範囲
の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約20重量%の範囲の量
で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲
の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記HVLCMが、イソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む、請求項1~4のいず
れか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の前記有効医薬成分を含む、請求
項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記有効医薬成分が、シロリムスを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物
【請求項8】
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約10重量%~約95重量%の
範囲の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の
範囲の量で存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約35重量%~約45重量%の
範囲の量で存在する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の
範囲の量で存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1の疎水性溶媒が、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸n-プロピル、
安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソブチル、安息香酸sec-ブチル
、安息香酸tert-ブチル、安息香酸イソアミル、および安息香酸ベンジルのうちの少
なくとも1つを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含む、請求項1~12のいずれか一項に
記載の組成物。
【請求項14】
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約70重量%の範囲の量
で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約2重量%~約60重量%の範囲の量
で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約7重量%の範囲の量で
存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記親水性溶媒が、エタノール、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、プロピレングリコール、
ジメチルアセトアミド(DMA)、およびポリエチレングリコール(PEG)のうちの少
なくとも1つを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記親水性溶媒が、エタノールを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物
【請求項19】
前記親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含む、請求項1~18のいず
れか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記エタノールが、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量
で存在する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記PEGが、前記組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範囲の量で
存在する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記PEGが、前記組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量で
存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
抗酸化剤をさらに含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記抗酸化剤が、ビタミンEを含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記ビタミンEが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の
量で存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記ビタミンEが、前記組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の
量で存在する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
SAIBを含み、約0.5~約10の範囲のSAIB:ビタミンEの重量比を有する、
請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
前記有効医薬成分が、シロリムスを含み、
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲
の量で存在し、
前記HVLCMが、SAIBを含み、
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の
範囲の量で存在し、
前記第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
前記エタノールが、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量
で存在し、
前記PEGが、前記組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で
存在し、
前記組成物が、さらにビタミンEを含み、
前記ビタミンEが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の
量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
のシロリムスを含み、
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲
の量のイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約30重量%~約45重量%の
範囲の量の安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、(i)前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範
囲の量のエタノール、および(ii)前記組成物の重量に基づいて約40重量%~約50
重量%の範囲の量のPEGを含み、
前記組成物が、該組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビ
タミンEをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて約30重量%~約45重量%の範囲の量の安息香酸ベンジ
ル、
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量のエタノール、
前記組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量のPEG400、
および
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから本質
的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
のシロリムスを含み、
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲
の量のイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の
範囲の量の安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量
のエタノールを含み、
前記組成物が、前記組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量の
ビタミンEをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量の安息香酸ベンジ
ル、
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量のエタノール、およ

前記組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから
本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて約10重量%を越えない量のSAIB、
安息香酸ベンジル、
エタノールおよびPEG400からなる群から選択される前記親水性溶媒、ならびに
約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから本質的になる組成物であって
、SAIBとビタミンEとの重量比が約0.5を超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
薬学的に許容される、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
注射用に製剤化される、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物の重量に基づいて約3重量%の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて約1重量%の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて約43.7重量%の量の安息香酸ベンジル、
前記組成物の重量に基づいて約4.8重量%の量のエタノール、
前記組成物の重量に基づいて約46.5重量%の量で存在するPEG400、および
前記組成物の重量に基づいて約1重量%の量のビタミンEを含む、請求項1に記載の組
成物。
【請求項37】
眼状態を煩う対象を治療する方法であって、前記方法は、
それを必要とする対象の眼に組成物を投与することを含み、前記組成物が、前記眼状態
を治療することができる有効量の有効医薬成分を含み、前記組成物が、
有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、方法。
【請求項38】
眼状態を煩う対象を治療する方法であって、前記方法は、
それを必要とする対象の眼に請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物を投与する
ことを含み、前記組成物が、前記眼状態を治療することができる有効量の有効医薬成分を
含む、方法。
【請求項39】
前記眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む、請
求項37または38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記投与が、注射を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
薬剤として使用するための、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記有効医薬成分が眼科用薬物を含む、眼状態の治療に使用するための、請求項1~3
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む、請
求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記有効医薬成分が眼科用薬物を含む、眼状態の治療のための医薬の製造のための、請
求項1~36のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項45】
前記眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む、請
求項44に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科用医薬デポー製剤を含む医薬デポー製剤およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ブドウ膜炎、滲出型および萎縮型加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME
)、糖尿病網膜症(DR)、および角膜真菌症などのある種の眼科的状態は、長期の治療
を必要とする。薬物治療は全身的に(例えば経口的に)行うことができる一方、そのよう
な治療は全身を薬物に曝露し、治療を最も必要とする領域に治療を集中させることができ
ない。眼科用デポー製剤は、患者の身体の薬物への全身曝露を減少させ、投与頻度を減少
させながら、治療を必要とする領域に治療を集中させることが可能であるべきである。
【0003】
しかし、眼科用デポー製剤は、他の埋込剤(implant)およびデポー製剤よりも
開発が困難である。眼科用デポーは、視力に影響を及ぼすのを最小限に抑え、好ましくは
完全に避けなければならないが、眼は限られた空間を持ち、圧力および/または歪みに敏
感であり得る。したがって、例えば、眼科用デポー製剤は、体液中であろうとまたは結膜
下であろうと、物理的な大きさ、すなわち体積が制限されるべきである。しかし、デポー
製剤は、(適用方法は、病院または臨床現場での注射によるなど、典型的には侵襲的かつ
不便であるので)頻繁な再適用の必要性を避けるために十分な有効医薬成分(API)を
同時に含むべきである。
【0004】
体液中の(例えば、硝子体内の)デポーに関しては、これらが流体環境に置かれるので
、デポーが凝集していることも重要である。凝集していないデポーは、多くの別々の小球
に分かれ得る。これらの小球は、凝集したデポーよりも大きな集団表面積を有し、これは
API放出速度に影響し得る。非常に多くの小球はまた、視力に悪影響を与える可能性が
ある。
【0005】
眼科用(例えば、硝子体内)デポーなどの埋込まれるまたは注射される製剤は、侵襲性
が高く不便であり、医療従事者による投与が必要となり得る。したがって、デポー製剤は
、通常、医薬組成物が患者に投与された後に制御放出または持続放出を示し、好ましくは
長期にわたって継続的な薬物効力を示すことが有利であると考えられる。
【0006】
眼科用デポー製剤を含む改善されたデポー製剤および眼科的状態の治療方法が長期にわ
たって必要とされている。例えば、シロリムスデポー製剤および眼科的状態を治療するた
めのその使用方法が、長期にわたって必要とされている。活性成分の徐放を提供すること
ができる眼科用デポー製剤を含むデポー製剤の必要性が、長期にわたって必要とされてい
る。有効医薬成分、高粘度液体担体材料(HVLCM)、疎水性溶媒、および親水性溶媒
から本質的になる組成物(該組成物は、徐放の速度または程度に実質的に影響を及ぼす他
の賦形剤を含まないことが好ましい)を介して徐放を達成するデポー製剤、好ましくは眼
科用デポー製剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示のある種の非限定的な態様を以下に提供する。
1.有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒
を含む組成物であって、25℃および1気圧で溶液であり、および/または25℃および
1気圧で約1cP~約150cPの範囲の粘度を有する、組成物。
【0008】
2.有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度液
体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約50重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒
を含む組成物であって、25℃および1気圧で溶液であり、および/または25℃およ
び1気圧で約1cP~約150cPの範囲の粘度を有する、組成物。
【0009】
3.有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度液
体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒
を含む組成物であって、25℃および1気圧で溶液であり、および/または25℃およ
び1気圧で約1cP~約150cPの範囲の粘度を有する、組成物。
【0010】
4.シロリムスを含む有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0011】
5.シロリムスを含む有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度液
体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約50重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0012】
6.シロリムスを含む有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度液
体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0013】
7.有効医薬成分、
第1の疎水性溶媒、
第1の疎水性溶媒とは異なる第2の疎水性溶媒であって、クエン酸トリアルキルおよび
クエン酸アセチルトリアルキルのうちの少なくとも1つを含み、該クエン酸トリアルキル
および該クエン酸アセチルトリアルキルの各々のアルキル基が、同一であるか異なり、3
~5個の炭素原子を有する、第2の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0014】
8.有効医薬成分、
ポリアルキレングリコール、
第1の疎水性溶媒、および
ポリアルキレングリコールとは異なる親水性溶媒を含む、組成物。
【0015】
9.シロリムスを含む有効医薬成分、
約40重量%~約55重量%の範囲の量で存在するポリアルキレングリコール、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約50重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
ポリアルキレングリコールとは異なる親水性溶媒を含む、組成物。
【0016】
10.有効医薬成分、
ポロキサマー、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0017】
11.有効医薬成分、
抗酸化剤、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0018】
12.有効医薬成分、
抗酸化剤、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約50重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0019】
13.有効医薬成分、
抗酸化剤、
組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量で存在する第1の疎水
性溶媒、および
親水性溶媒を含む、組成物。
【0020】
14.高粘度液体担体材料(HVLCM)をさらに含む、態様7~13のいずれか1つ
に記載の組成物。
【0021】
15.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約50重量%の範囲の
量で存在する、態様1、4、および14のいずれか1つに記載の組成物。
【0022】
16.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約50重量%の範囲の
量で存在する、態様1、4、および14のいずれか1つに記載の組成物。
【0023】
17.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在する、態様1、4、および14のいずれか1つに記載の組成物。
【0024】
18.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量
で存在する、態様15に記載の組成物。
【0025】
19.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約20重量%の範囲の量で
存在する、態様15に記載の組成物。
【0026】
20.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約5重量%~約15重量%の範囲の量で
存在する、態様19に記載の組成物。
【0027】
21.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在する、態様15に記載の組成物。
【0028】
22.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.8重量%~約10重量%の範囲の
量で存在する、態様1~6および14のいずれか1つに記載の組成物。
【0029】
23.HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の範囲の量
で存在する、態様1~6および14のいずれか1つに記載の組成物。
【0030】
24.HVLCMが、イソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む、態様1~6および
14~23のいずれか1つに記載の組成物。
【0031】
25.組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の有効医薬成分を含む、態様
1~24のいずれか1つに記載の組成物。
【0032】
26.組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の有効医薬成分を含む、態様2
5に記載の組成物。
【0033】
27.有効医薬成分が抗生物質を含む、態様1~26のいずれか1つに記載の組成物。
【0034】
28.有効医薬成分がシロリムスを含む、態様1~3、7、8、および10~27のい
ずれか1つに記載の組成物。
【0035】
29.有効医薬成分が、シロリムス以外の物質を含む、態様1~28のいずれか1つに
記載の組成物。
【0036】
30.有効医薬成分が、シロリムス以外の眼科用薬物を含まない、態様1~28のいず
れか1つに記載の組成物。
【0037】
31.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約10重量%~約95重量%の範
囲の量で存在する、態様1~30のいずれか1つに記載の組成物。
【0038】
32.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範
囲の量で存在する、態様31に記載の組成物。
【0039】
33.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範
囲の量で存在する、態様32に記載の組成物。
【0040】
34.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約55重量%の範
囲の量で存在する、態様1~31のいずれか1つに記載の組成物。
【0041】
35.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範
囲の量で存在する、態様34に記載の組成物。
【0042】
36.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約45重量%の範
囲の量で存在する、態様35に記載の組成物。
【0043】
37.第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範
囲の量で存在する、態様31に記載の組成物。
【0044】
38.第1の疎水性溶媒が、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸n-プロピル
、安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソブチル、安息香酸sec-ブチ
ル、安息香酸tert-ブチル、安息香酸イソアミル、および安息香酸ベンジルのうちの
少なくとも1つを含む、態様1~37のいずれか1つに記載の組成物。
【0045】
39.第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含む、態様1~38のいずれか1つに
記載の組成物。
【0046】
40.第1の疎水性溶媒が、1,1,1,2テトラフルオロエタンを含まない、態様1
~39のいずれか1つに記載の組成物。
【0047】
41.第1の疎水性溶媒が、フッ素化炭化水素を含まない、態様1~39のいずれか1
つに記載の組成物。
【0048】
42.第1の疎水性溶媒が、噴霧剤を含まない、態様1~39のいずれか1つに記載の
組成物。
【0049】
43.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約70重量%の範囲の量で
存在する、態様1~42のいずれか1つに記載の組成物。
【0050】
44.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約2重量%~約60重量%の範囲の量で
存在する、態様1~42のいずれか1つに記載の組成物。
【0051】
45.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で
存在する、態様43に記載の組成物。
【0052】
46.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて10重量%未満の量で存在する、態様1
~45のいずれか1つに記載の組成物。
【0053】
47.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約7重量%の範囲の量で存
在する、態様46に記載の組成物。
【0054】
48.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて5重量%未満の量で存在する、態様1~
47のいずれか1つに記載の組成物。
【0055】
49.親水性溶媒が、エタノール、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、プロピレングリコール
、ジメチルアセトアミド(DMA)、およびポリエチレングリコール(PEG)のうちの
少なくとも1つを含む、態様1~48のいずれか1つに記載の組成物。
【0056】
50.親水性溶媒が、エタノールを含む、態様1~49のいずれか1つに記載の組成物
【0057】
51.親水性溶媒が、ATECを含む、態様1~49のいずれか1つに記載の組成物。
【0058】
52.親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびATECを含む、態様1~51のい
ずれか1つに記載の組成物。
【0059】
53.親水性溶媒が、PEGを含む、態様1~52のいずれか1つに記載の組成物。
【0060】
54.親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含む、態様1~7および1
0~49のいずれか1つに記載の組成物。
【0061】
55.親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約3重量%~約55重量%の範囲の量で
存在する、態様1~7および10~54のいずれか1つに記載の組成物。
【0062】
56.エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で
存在する、態様50、52、54、および55のいずれか1つに記載の組成物。
【0063】
57.エタノールが、組成物の重量に基づいて約3重量%~約10重量%の範囲の量で
存在する、態様50、52、54、および56のいずれか1つに記載の組成物。
【0064】
58.PEGが、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で存
在する、態様53~57のいずれか1つに記載の組成物。
【0065】
59.PEGが、組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範囲の量で存
在する、態様58に記載の組成物。
【0066】
60.PEGが、組成物の重量に基づいて約40重量%~約55重量%の範囲の量で存
在する、態様58に記載の組成物。
【0067】
61.PEGが、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量で存
在する、態様59に記載の組成物。
【0068】
62.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルをさらに含
み、該クエン酸トリアルキルおよび該クエン酸アセチルトリアルキルの各々のアルキル基
が、同一であるかまたは異なり、3~5個の炭素原子を有する、態様1~6および8~6
1のいずれか1つに記載の組成物。
【0069】
63.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルが、組成物
の重量に基づいて約10重量%~約95重量%の範囲の量で存在する、態様7または62
に記載の組成物。
【0070】
64.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルが、組成物
の重量に基づいて約35重量%~約65重量%の範囲の量で存在する、態様7または62
に記載の組成物。
【0071】
65.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルが、組成物
の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で存在する、態様7または62
に記載の組成物。
【0072】
66.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルが、組成物
の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量で存在する、態様65に記載の
組成物。
【0073】
67.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルのアルキル
基の炭素原子の数が4である、態様7および62~66のいずれか1つに記載の組成物。
【0074】
68.クエン酸トリアルキルが、クエン酸トリ-n-ブチルであり、クエン酸アセチル
トリアルキルがクエン酸アセチルトリ-n-ブチルである、態様7および62~67のい
ずれか1つに記載の組成物。
【0075】
69.クエン酸トリアルキルおよび/またはクエン酸アセチルトリアルキルが、クエン
酸アセチルトリ-n-ブチルを含む、態様7および62~67のいずれか1つに記載の組
成物。
【0076】
70.水を含む、態様1~69のいずれか1つに記載の組成物。
【0077】
71.1重量%未満の水を含む、態様1~70のいずれか1つに記載の組成物。
【0078】
72.0.5重量%未満の水を含む、態様1~70のいずれか1つに記載の組成物。
【0079】
73.ポリマーを任意選択により含む有効医薬成分を除いてポリマーを含まない、態様
1~7、11~52、55~57、および62~72のいずれか1つに記載の組成物。
【0080】
74.ポリアルキレングリコールおよびポロキサマーのうちの少なくとも1つを含み、
ポリマーを任意選択により含む有効医薬成分を除いてポリマーを含まない、態様1~72
のいずれか1つに記載の組成物。
【0081】
75.ポリマーをさらに含む、態様1~72のいずれか1つに記載の組成物。
【0082】
76.ポリマーが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約30重量%の範囲の量
で存在する、態様75に記載の組成物。
【0083】
77.ポリマーが、ポリエステルを含む、態様75または76に記載の組成物。
【0084】
78.ポリマーが、ポリ(乳酸)(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、およびポリカプロ
ラクトンのうちの少なくとも1つを含む、態様75~77のいずれか1つに記載の組成物
【0085】
79.界面活性剤をさらに含む、態様1~78のいずれか1つに記載の組成物。
【0086】
80.ポロキサマー、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ヒドロキシステ
アリン酸、モノオレイン酸ソルビタン、およびモノラウリン酸ソルビタンから選択される
少なくとも1つのメンバーをさらに含む、態様1~78のいずれか1つに記載の組成物。
【0087】
81.少なくとも1つのメンバーが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10
重量%の範囲の量で存在する、態様80に記載の組成物。
【0088】
82.クエン酸トリエチルをさらに含む、態様1~81のいずれか1つに記載の組成物
【0089】
83.パルミチン酸アスコルビルをさらに含む、態様1~82のいずれか1つに記載の
組成物。
【0090】
84.ポロキサマーをさらに含む、態様1~9、11~72、および75~83のいず
れか1つに記載の組成物。
【0091】
85.ポロキサマーが、約0.5重量%~約10重量%の範囲の量で存在する、態様1
0または84に記載の組成物。
【0092】
86.ポロキサマーが、約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在する、態様10
または84に記載の組成物。
【0093】
87.ポロキサマーが、約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在する、態様10
または84に記載の組成物。
【0094】
88.酸前駆体をさらに含む、態様1~87のいずれか1つに記載の組成物。
【0095】
89.組成物中の有効医薬成分の少なくとも98%が、5℃/60%相対湿度で18週
間、2mlのクリンプシールしたガラスバイアル中での保存後に残る、態様1~88のい
ずれか1つに記載の組成物。
【0096】
90.組成物中の有効医薬成分の少なくとも90%が、25℃/60%相対湿度で18
週間、2mlのクリンプシールしたガラスバイアル中での保存後に残る、態様1~89の
いずれか1つに記載の組成物。
【0097】
91.抗酸化剤をさらに含む、態様1~10および14~90のいずれか1つに記載の
組成物。
【0098】
92.抗酸化剤が、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の範囲の量で
存在する、態様11~13および91のいずれか1つに記載の組成物。
【0099】
93.抗酸化剤が、ビタミンEを含む、態様11~13、91、および92のいずれか
1つに記載の組成物。
【0100】
94.ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約50重量%の範囲の量で
存在する、態様93に記載の組成物。
【0101】
95.ビタミンEが、組成物の重量に基づいて10重量%未満の量で存在する、態様9
3および94のいずれか1つに記載の組成物。
【0102】
96.ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在する、態様95に記載の組成物。
【0103】
97.ビタミンEが、組成物の重量に基づいて5重量%未満の量で存在する、態様11
~13および93~96のいずれか1つに記載の組成物。
【0104】
98.ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量
で存在する、態様97に記載の組成物。
【0105】
99.HVLCMとビタミンEとの重量比が、約60:1~約1:2の範囲である、態
様93に記載の組成物。
【0106】
100.HVCLMとビタミンEとの重量比が、約10:1~約1:1.8の範囲であ
る、態様93に記載の組成物。
【0107】
101.HVLCMとビタミンEとの重量比が、約5:1~約1:1.5の範囲である
、態様93に記載の組成物。
【0108】
102.HVLCMとビタミンEとの重量比が、約2:1~約1:1.5の範囲である
、態様93に記載の組成物。
【0109】
103.HVLCMが、SAIBを含む、態様99に記載の組成物。
【0110】
104.HVLCMが、SAIBを含む、態様100に記載の組成物。
【0111】
105.HVLCMが、SAIBを含む、態様101に記載の組成物。
【0112】
106.HVLCMが、SAIBを含む、態様102に記載の組成物。
【0113】
107.SAIBを含み、約0.5~約10の範囲のSAIB:ビタミンEの重量比を
有する、態様93に記載の組成物。
【0114】
108.HVLCMとビタミンEとの重量比が、該重量比のHVLCMおよびビタミン
Eからなる混合物の25℃および1気圧での密度が少なくとも1g/mlとなるものであ
る、態様93~107のいずれか1つに記載の組成物。
【0115】
109.上記密度が、少なくとも1.05g/mlである、態様108に記載の組成物
【0116】
110.脂質エステルをさらに含む、態様1~109のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
111.脂肪酸エステルをさらに含む、態様1~110のいずれか1つに記載の組成物
【0118】
112.乳酸ラウリルおよびラウリルグリコールのうちの少なくとも1つをさらに含む
、態様1~111のいずれか1つに記載の組成物。
【0119】
113.25℃および1気圧で1.02g/ml~1.15g/mlの範囲の密度を有
する、態様1~112のいずれか1つに記載の組成物。
【0120】
114.25℃および1気圧で約1cP~約150cPの範囲の粘度を有する、態様1
~113のいずれか1つに記載の組成物。
【0121】
115.25℃および1気圧で約5cP~約50cPの範囲の粘度を有する、態様1~
113のいずれか1つに記載の組成物。
【0122】
116.25℃および1気圧で約10cP~約30cPの範囲の粘度を有する、態様1
~113のいずれか1つに記載の組成物。
【0123】
117.エマルジョン以外である、態様1~116のいずれか1つに記載の組成物。
【0124】
118.100μLの組成物を0.1重量%のドデシル硫酸ナトリウムを含むリン酸緩
衝生理食塩水からなる5mLの放出媒体中に注入して試料を形成し、該試料を37℃で3
0rpmで回転するオービタルシェーカー上に置くことによってアッセイしたときに、組
成物からの有効医薬成分の累積放出%がT=24時間で50%未満である、態様1~11
7のいずれか1つに記載の組成物。
【0125】
119.有効医薬成分がシロリムスを含み、親水性溶媒がエタノールを含む、態様1~
118のいずれか1つに記載の組成物。
【0126】
120.HVLCMが、イソ酪酸酢酸スクロースを含む、態様119に記載の組成物。
【0127】
121.第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含む、態様119または120に記
載の組成物。
【0128】
122.ビタミンEを含む、態様119~121のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
123.クエン酸アセチルトリ-n-ブチルを含む、態様119~122のいずれか1
つに記載の組成物。
【0130】
124.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で存在
し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

親水性溶媒が、エタノールを含み、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0131】
125.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様124に記載の組成物。
【0132】
126.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて7重量%~約15重量%の範囲の量で存在する、態様125に記載の
組成物。
【0133】
127.ポロキサマーであって、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%
の範囲の量で存在する、ポロキサマーをさらに含む、態様124~126のいずれか1つ
に記載の組成物。
【0134】
128.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約20重量%の範囲の量で存在し

HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

PEGが、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で存在し、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0135】
129.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様128に記載の組成物。
【0136】
130.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.25重量%~約5重量%の範囲の量で存在する、態様129に
記載の組成物。
【0137】
131.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量で存
在し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

PEGが、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量で存在し、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0138】
132.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
のシロリムスを含み、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のイ
ソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約45重量%の範囲の量
の安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、(i)組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量の
エタノール、および(ii)組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲
の量のPEGを含み、
組成物が、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミン
Eをさらに含む、態様1~131のいずれか1つに記載の組成物。
【0139】
133.組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のSAIB、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約45重量%の範囲の量の安息香酸ベンジル、
組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量のエタノール、
組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量のPEG400、およ

組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから本質
的になる、態様1~132のいずれか1つに記載の組成物。
【0140】
134.組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
組成物の重量に基づいて約10重量%を越えない量のSAIB、
安息香酸ベンジル、
エタノールおよびPEG400からなる群から選択される親水性溶媒、ならびに
約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから本質的になる組成物であって
、SAIBとビタミンEとの重量比が約0.5を超える、態様1~133のいずれか1つ
に記載の組成物。
【0141】
135.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様131~134のいずれか1つに記載の組成物。
【0142】
136.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.025重量%~約2.5重量%の範囲の量で存在する、態様1
35に記載の組成物。
【0143】
137.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量で存
在し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0144】
138.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様137の組成物。
【0145】
139.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.025重量%~約2.5重量%の範囲の量で存在する、態様1
38に記載の組成物。
【0146】
140.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の
量で存在し、
有効医薬成分が、シロリムスを含み、
組成物が、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量で存在す
る高粘度液体担体材料(HVLCM)をさらに含み、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
第2の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約30重量%~約60重量%の範囲の量
で存在し、
第2の疎水性溶媒が、クエン酸アセチルトリ-n-ブチル(ATBC)を含み、
親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

親水性溶媒が、エタノールを含み、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で存在
する、態様7に記載の組成物。
【0147】
141.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様140に記載の組成物。
【0148】
142.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.025重量%~約2.5重量%の範囲の量で存在する、態様1
41に記載の組成物。
【0149】
143.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量で存在
し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約7重量%の範囲の量で存在し、
親水性溶媒が、エタノールを含み、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在
する、態様7に記載の組成物。
【0150】
144.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様143に記載の組成物。
【0151】
145.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約10重量%~約13重量%の範囲の量で存在する、態様144に記
載の組成物。
【0152】
146.組成物中に存在する有効医薬成分の量が、組成物の重量に基づいて約3重量%
であり、
組成物中に存在するHVLCMの量が、組成物の重量に基づいて約47.5重量%であ
り、
組成物中に存在する第1の疎水性溶媒の量が、組成物の重量に基づいて約43.7重量
%であり、
組成物中に存在するエタノールの量が、組成物の重量に基づいて約4.8重量%であり

組成物中に存在するビタミンEの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%である、態
様143に記載の組成物。
【0153】
147.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様146に記載の組成物。
【0154】
148.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約12重量%の量で存在する、態様147に記載の組成物。
【0155】
149.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約5重量%~約15重量%の範囲の量で存在し

HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約45重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

PEGが、組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範囲の量で存在し、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0156】
150.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様149に記載の組成物。
【0157】
151.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約1重量%~約4重量%の範囲の量で存在する、態様150に記載の
組成物。
【0158】
152.組成物中に存在する有効医薬成分の量が、組成物の重量に基づいて約3重量%
であり、
組成物中に存在するHVLCMの量が、組成物の重量に基づいて約9.7重量%であり

組成物中に存在する第1の疎水性溶媒の量が、組成物の重量に基づいて約38.8重量
%であり、
組成物中に存在するエタノールの量が、組成物の重量に基づいて約4.8重量%であり

組成物中に存在するPEGの量が、組成物の重量に基づいて約42.7重量%であり、
組成物中のビタミンEの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%である、態様149
に記載の組成物。
【0159】
153.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様152に記載の組成物。
【0160】
154.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約2.5重量%の量で存在する、態様153に記載の組成物。
【0161】
155.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の範囲の量で存在
し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

PEGが、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量で存在し、
組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0162】
156.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様155に記載の組成物。
【0163】
157.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%の範囲の量で存在する、態様156に記
載の組成物。
【0164】
158.組成物中に存在する有効医薬成分の量が、組成物の重量に基づいて約3重量%
であり、
組成物中に存在するHVLCMの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%であり、
組成物中に存在する第1の疎水性溶媒の量が、組成物の重量に基づいて約43.7重量
%であり、
組成物中に存在するエタノールの量が、組成物の重量に基づいて約4.8重量%であり

組成物中に存在するPEGの量が、組成物の重量に基づいて約46.5重量%であり、
組成物中のビタミンEの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%である、態様155
に記載の組成物。
【0165】
159.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様158に記載の組成物。
【0166】
160.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.25重量%の量で存在する、態様159に記載の組成物。
【0167】
161.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在し、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の範囲の量で存在
し、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、少なくともエタノールを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在
する、態様4に記載の組成物。
【0168】
162.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様161の組成物。
【0169】
163.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%の範囲の量で存在する、態様162に記
載の組成物。
【0170】
164.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
で存在し、
組成物が、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の範囲の量で存在する
高粘度液体担体材料(HVLCM)をさらに含み、
HVLCMが、SAIBを含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約35重量%~約50重量%の範囲の量
で存在し、
第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
第2の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約40重量%~約50重量%の範囲の量
で存在し、
第2の疎水性溶媒が、クエン酸アセチルトリ-n-ブチル(ATBC)を含み、
親水性溶媒が、エタノールを含み、
エタノールが、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在し

組成物が、さらにビタミンEを含み、
ビタミンEが、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量で存在
する、態様7に記載の組成物。
【0171】
165.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様164に記載の組成物。
【0172】
166.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%の範囲の量で存在する、態様165に記
載の組成物。
【0173】
167.組成物中に存在する有効医薬成分の量が、組成物の重量に基づいて約3重量%
であり、
組成物中に存在するHVLCMの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%であり、
組成物中に存在する第1の疎水性溶媒の量が、組成物の重量に基づいて約43.7重量
%であり、
組成物中に存在する第2の親水性溶媒の量が、組成物の重量に基づいて約46.5重量
%であり、
組成物中に存在するエタノールの量が、組成物の重量に基づいて約4.8重量%であり

組成物中のビタミンEの量が、組成物の重量に基づいて約1重量%である、態様164
に記載の組成物。
【0174】
168.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様167に記載の組成物。
【0175】
169.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.25重量%の量で存在する、態様168に記載の組成物。
【0176】
170.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量
のシロリムスを含み、
HVLCMが、組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のイ
ソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
第1の疎水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量
の安息香酸ベンジルを含み、
親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量のエタノ
ールを含み、
組成物が、組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミン
Eをさらに含む、態様1~169のいずれか1つに記載の組成物。
【0177】
171.組成物の重量に基づいて約1重量%~約5重量%の範囲の量のシロリムス、
組成物の重量に基づいて約0.1重量%~約10重量%の範囲の量のSAIB、
組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量の安息香酸ベンジル、
組成物の重量に基づいて約1重量%~約10重量%の範囲の量のエタノール、および
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のビタミンEから本質
的になる、態様1~170のいずれか1つの組成物。
【0178】
172.SAIBが、2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロ
ースを含む、態様170または171の組成物。
【0179】
173.2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたスクロースが、組成
物の重量に基づいて約0.025重量%~約1重量%の範囲の量で存在する、態様172
に記載の組成物。
【0180】
174.シロリムスを含む有効医薬成分、
組成物をそれを必要とする患者に投与したときに医薬有効成分の放出プロフィールを延
長させるための手段を含む、組成物。
【0181】
175.組成物をウサギに単回用量として眼内投与したときに、図13のC908の放
出プロフィールの±20%以内の医薬有効成分の放出プロフィール中央値を提供する、態
様1~174のいずれか1つに記載の組成物。
【0182】
176.単回用量が、30μLを含む、態様175に記載の組成物。
【0183】
177.有効医薬成分が、0.9mgのシロリムスを含む、態様175または176の
いずれか1つに記載の組成物。
【0184】
178.組成物をウサギに単回用量として眼内投与したときに、投与後1ヶ月で組成物
から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の1
%~20%または2~15%の範囲である、態様1~177のいずれか1つに記載の組成
物。
【0185】
179.組成物をウサギに単回用量として眼内投与したときに、投与後3ヶ月で組成物
から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の1
0%~60%または20%~50%の範囲である、態様1~178のいずれか1つに記載
の組成物。
【0186】
180.組成物をウサギに単回用量として眼内投与したときに、投与後6ヶ月で組成物
から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の3
0%~100%または40%~90%の範囲である、態様1~179のいずれか1つに記
載の組成物。
【0187】
181.組成物を37℃で0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウムを含むリン酸緩
衝生理食塩水中に置いたときに、リン酸緩衝食塩水中の1日の配置で組成物から放出され
る医薬有効成分の量が、組成物中の医薬有効成分の総量の5%~50%または10%~4
0%の範囲である、態様1~180のいずれか1つに記載の組成物。
【0188】
182.置かれる組成物が、75μLを含む、態様181に記載の組成物。
【0189】
183.有効医薬成分が、組成物の重量に基づいて3重量%を含む、態様181または
182のいずれかに記載の組成物。
【0190】
184.組成物を37℃で0.1%(w/v)SDSを含むリン酸緩衝生理食塩水中に
置いたときに、リン酸緩衝食塩水中の5日の配置で組成物から放出される医薬有効成分の
量が、組成物中の医薬有効成分の総量の5%~75%または10%~50%の範囲である
、態様1~183のいずれか1つに記載の組成物。
【0191】
185.組成物を37℃で0.1%(w/v)SDSを含むリン酸緩衝生理食塩水中に
置いたときに、リン酸緩衝食塩水中の10日の配置で組成物から放出される医薬有効成分
の量が、組成物中の医薬有効成分の総量の5%~85%または15%~60%の範囲であ
る、態様1~184のいずれか1つに記載の組成物。
【0192】
186.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与したときに、少なくとも3ヶ月の
期間、有効医薬成分の治療上有効な濃度を維持するのに十分な割合の成分を含む、態様1
~185のいずれか1つに記載の組成物。
【0193】
187.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与したときに、少なくとも3ヶ月の
期間、有効医薬成分の治療上有効な網膜脈絡膜濃度を維持するのに十分な割合で成分を含
む、態様1~186のいずれか1つに記載の組成物。
【0194】
188.SAIBおよびビタミンEを含み、約0.5~約20の範囲のSAIB:ビタ
ミンEの重量比を有する、態様1~187のいずれか1つに記載の組成物。
【0195】
189.薬学的に許容される、態様1~188のいずれか1つに記載の組成物。
【0196】
190.注射用に製剤化される、態様1~189のいずれか1つに記載の組成物。
【0197】
191.組成物の重量に基づいて約3重量%の量のシロリムス、
組成物の重量に基づいて約1重量%の量のSAIB、
組成物の重量に基づいて約43.7重量%の量の安息香酸ベンジル、
組成物の重量に基づいて約4.8重量%の量のエタノール、
組成物の重量に基づいて約46.5重量%の量で存在するPEG400、および
組成物の重量に基づいて約1重量%の量のビタミンEを含む、態様1~190のいずれ
か1つに記載の組成物。
【0198】
192.眼状態を煩う対象を治療する方法であって、該方法は、組成物をそれを必要と
する対象の眼に投与することを含み、該組成物が、眼状態を治療することができる有効量
の有効医薬成分を含み、該組成物が、
有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、方法。
【0199】
193.眼状態を煩う対象を治療する方法であって、該方法は、組成物をそれを必要と
する対象の眼に投与することを含み、該組成物が、眼状態を治療することができる有効量
の有効医薬成分を含み、該組成物が、
有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度
液体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約30重量%~約50重量%の範囲の量で存在する第1の疎
水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、方法。
【0200】
194.眼状態を煩う対象を治療する方法であって、該方法は、組成物をそれを必要と
する対象の眼に投与することを含み、該組成物が、眼状態を治療することができる有効量
の有効医薬成分を含み、該組成物が、
有効医薬成分、
組成物の重量に基づいて約0.5重量%~約15重量%の範囲の量で存在する高粘度
液体担体材料(HVLCM)、
組成物の重量に基づいて約80重量%~約95重量%の範囲の量で存在する第1の疎
水性溶媒、および
親水性溶媒を含む、方法。
【0201】
195.眼状態を煩う対象を治療する方法であって、該方法は、態様1~191のいず
れか1つに記載の組成物をそれを必要とする対象の眼に投与することを含み、該組成物が
、眼状態を治療することができる有効量の有効医薬成分を含む、方法。
【0202】
196.眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む
、態様192~195のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
197.眼状態が、ブドウ膜炎または滲出型加齢黄斑変性症を含む、態様192~19
5のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
198.投与が、注射を含む、態様192~197のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
199.最大50μlの組成物が注射される、態様198に記載の方法。
【0206】
200.約20μl~約30μlの組成物が注射される、態様198に記載の方法。
【0207】
201.組成物が、27G~30Gの範囲のサイズを有する針で注射される、態様19
2~200のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
202.組成物が、約1cm~約3cmの範囲の長さを有する針で注射される、態様1
92~201のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
203.投与される有効医薬成分の総量の少なくとも20%が、組成物が対象の硝子体
内に注射された後3ヶ月において対象の硝子体中に残存する、態様192~202のいず
れか1つに記載の方法。
【0210】
204.眼状態を煩う対象を治療する方法であって、該方法は、態様1~191のいず
れか1つに記載の組成物をそれを必要とする対象の硝子体に投与することを含み、該組成
物が、眼状態を治療することができる有効量の有効医薬成分を含む、方法。
【0211】
205.態様1~191のいずれか1つに定義される組成物を患者に投与することを含
む方法であって、
該組成物が、図13のC908の放出プロフィールの±20%以内の医薬有効成分の放
出プロフィール中央値を提供する、方法。
【0212】
206.態様192~態様204のいずれか1つで定義された方法である、態様205
に記載の方法。
【0213】
207.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、投与後1ヶ月で組成物から放
出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の1%~2
0%または2%~15%の範囲である、態様192~206のいずれか1つに記載の方法
【0214】
208.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、ヒト患者への投与後3ヶ月で
組成物から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総
量の10%~60%または20%~50%である、態様192~207のいずれか1つに
記載の方法。
【0215】
209.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、投与後6ヶ月で組成物から放
出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の30%~
100%または40%~90%である、態様192~208のいずれか1つに記載の方法
【0216】
210.組成物が、0.1mg~500mgの医薬有効成分を含む、態様192~20
9のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
211.医薬有効成分の血漿C最大値が、1ng/mL~10ng/mLの範囲である
、態様192~210のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
212.医薬有効成分の血漿C最大値が、10ng/ml未満である、態様192~2
11のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
213.医薬として使用するための、態様1~191のいずれか1つに定義される組成
物。
【0220】
214.有効医薬成分が眼科用薬物を含む、眼状態の治療に使用するための、態様1~
191のいずれか1つに定義される組成物。
【0221】
215.眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む
、態様214に記載の使用のための組成物。
【0222】
216.眼状態が、ブドウ膜炎または滲出型加齢黄斑変性症を含む、態様214に記載
の使用のための組成物。
【0223】
217.有効医薬成分が、シロリムスを含む、態様213~216のいずれか1つに記
載の使用のための組成物。
【0224】
218.態様213~217のいずれか1つに記載の使用のための組成物であって、該
使用が、組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与することを含み、投与後1ヶ月で組
成物から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量
の1%~20%または2%~15%の範囲である、組成物。
【0225】
219.態様213~218のいずれか1つに記載の使用のための組成物であって、該
使用が、組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与することを含み、投与後3ヶ月で組
成物から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量
の10%~60%または20%~50%の範囲である、組成物。
【0226】
220.態様213~219のいずれか1つに記載の使用のための組成物であって、該
使用が、組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与することを含み、ヒト患者への投与
後6ヶ月で組成物から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有
効成分の総量の30%~100%または40%~90%の範囲である、組成物。
【0227】
221.0.1mg~500mgの医薬有効成分を含む、態様213~220のいずれ
か1つに記載の使用のための組成物。
【0228】
222.医薬有効成分の血漿C最大値が1ng/mL~10ng/mLの範囲である、
態様213~221のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
【0229】
223.医薬有効成分の血漿C最大値が10ng/ml未満である、態様214~22
2のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
【0230】
224.態様1~191のいずれか1つに定義される組成物中の成分の組み合わせの使
用、または眼状態治療用の医薬の製造のための組成物の使用であって、有効医薬成分が眼
科用薬物を含む、使用。
【0231】
225.眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む
、態様224に記載の使用。
【0232】
226.眼状態が、ブドウ膜炎または滲出型加齢黄斑変性症を含む、態様224に記載
の使用。
【0233】
227.有効医薬成分がシロリムスを含む、態様224~226のいずれか1つに記載
の使用。
【0234】
228.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、投与後1ヶ月で組成物から放
出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の1%~2
0%または2%~15%の範囲である、態様224~227のいずれか1つに記載の使用
【0235】
229.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、ヒト患者への投与後3ヶ月で
組成物から放出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総
量の10%~60%または20%~50%の範囲である、態様224~228のいずれか
1つに記載の使用。
【0236】
230.組成物をヒト患者に単回用量として眼内投与し、投与後6ヶ月で組成物から放
出される医薬有効成分量の中央値が、投与時の組成物中の医薬有効成分の総量の30%~
100%または40%~90%の範囲である、態様224~229のいずれか1つに記載
の使用。
【0237】
231.組成物が0.1mg~500mgの医薬有効成分を含む、態様224~230
のいずれか1つに記載の使用。
【0238】
232.医薬有効成分の血漿C最大値が1ng/mL~10ng/mLの範囲である、
態様224~231のいずれか1つに記載の使用。
【0239】
233.医薬有効成分の血漿C最大値が10ng/ml未満である、態様224~23
2のいずれか1つに記載の使用。
【0240】
234.態様1~191のいずれか1つに記載の組成物を水、リン酸緩衝液、体液、ま
たは擬似体液と接触させることを含む、デポーの形成方法。
【0241】
235.態様1~191のいずれか1つに記載の組成物を対象の硝子体液と接触させる
ことを含む、デポーの形成方法。
【0242】
236.態様1~191のいずれか1つに記載の組成物を含む単位剤形であって、0.
4mg~1mgの医薬有効成分を含む、単位剤形。
【0243】
237.組成物がバイアル内に含まれる、態様236に記載の単位剤形。
【0244】
238.組成物がシリンジ内に含まれる、態様236に記載の単位剤形。
【0245】
239.組成物が無針注射器内に含まれる、態様236に記載の単位剤形。
【0246】
240.態様1~191のいずれか1つに記載の組成物を含む容器。
【0247】
241.態様1~191のいずれか1つに記載の組成物を含む無針注射器であって、該
組成物が医薬有効成分を含む、無針注射器。
【図面の簡単な説明】
【0248】
図1a】本開示のいくつかの組成物からのインビトロ薬物放出を示す。
図1b】本開示のいくつかの組成物からのインビトロ薬物放出を示す。
図1c】本開示のいくつかの組成物からのインビトロ薬物放出を示す。
図2】0.05%のヒアルロン酸(HA)媒体中の本開示の組成物からのインビトロ薬物放出を示す。
図3】0.1%SDSを含むPBS媒体中のシロリムス製剤の累積放出プロフィールを示す。
図4】本開示の組成物の硝子体内デポーから得られた6ヶ月間の硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図5】ウサギレチノイド脈絡膜(RC)中のシロリムスを示す(6ヶ月のデータ)。
図6】実施例5において以下でより詳細に記載するように硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図7】実施例5において以下でより詳細に記載するように時間経過によるRC中のシロリムス濃度を示す。
図8】実施例5において以下でより詳細に記載するように硝子体内デポーの配置後のシロリムス血中濃度を示す。
図9】硝子体内デポー中の残存用量を示す。各点は、平均±標準偏差(3~4つの眼)を表す。時間0は、名目値(nominal value)(100%)である。
図10】実施例9において以下でより詳細に記載するように硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図11】実施例9において以下でより詳細に記載するように時間経過によるRC中のシロリムス濃度を示す。
図12】実施例9において以下でより詳細に記載するように硝子体内デポーの配置後のシロリムス血中濃度を示す。
図13】実施例10において以下で詳細に説明するように硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図14】実施例10において以下に詳細に記載されるように時間経過によるRC中のシロリムス濃度を示す。
図15】実施例10において以下でより詳細に記載するように硝子体内デポーの配置後のシロリムス血中濃度を示す。
図16】実施例11において以下に詳細に説明されるように硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図17】実施例11において以下に詳細に記載されるように時間経過によるRC中のシロリムス濃度を示す。
図18】実施例11において以下でより詳細に記載するように硝子体内デポーの配置後のシロリムス血中濃度を示す。
図19】実施例12において以下に詳細に説明するように硝子体液中に残存するシロリムスを示す。
図20】実施例12において以下に詳細に説明するように時間経過によるRC中のシロリムス濃度を示す。
図21】実施例12において以下に詳細に説明するように硝子体内デポーの配置後のシロリムス血中濃度を示す。
図22】SAIB:VEの重量比の関数として、SAIBおよびビタミンEからなる混合物の25℃での密度をプロットする。
図23】有効医薬成分としてフルオシノロンを含む本発明の組成物の放出プロフィールを示す。
図24】有効医薬成分としてトリアムシノロンを含む本発明の組成物の放出プロフィールを示す。
図25】有効医薬成分としてイブプロフェンを含む本発明の組成物の放出プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0249】
本明細書では、数量は、好ましい上限値の組および好ましい下限値の組として記載する
ことができる。好ましい範囲は、好ましい上限値および好ましい下限値から形成される任
意の範囲、ならびに2つの好ましい下限値および2つの好ましい上限値から形成される任
意の範囲を含む。実施例はまた、量(例えば、重量パーセント、比など)を開示する。好
ましい範囲には、例で開示された2つの値から形成される範囲、例で開示された1つの値
から形成される範囲、および下限値または上限値の組のいずれかに開示された別の値がま
た含まれる。全てのそのような範囲が、本明細書において明示的に開示される。
【0250】
本開示による製剤は、一般に、担体組成物中に有効医薬成分(API)を含む。いくつ
かの場合において、担体組成物は、高粘度液体担体材料(HVLCM)、疎水性溶媒、親
水性溶媒、および抗酸化剤の1つ以上を含む。いくつかの場合において、担体組成物は、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、疎水性溶媒、親水性溶媒、ポリマー、抗酸化剤、お
よび他の賦形剤の1つ以上を含む。
【0251】
デポー製剤に好適である任意の生物活性物質(BAS)もしくは有効医薬成分(API
)または活性化合物を、本開示の組成物に使用することができる。さらに、本明細書中で
使用されるように、BAS、API、または活性化合物のいずれか1つに関して本明細書
に記載される投与、用量、重量パーセント、および本開示の類似の態様に関する記載は、
別に注記しない限り、他の物質、成分、または化合物にも適用することを意図している。
いくつかの例示的な類のAPIには、免疫抑制剤、抗炎症剤、および抗生物質が含まれる
。本明細書に記載される生物活性物質、API、および活性化合物にはまた、それらの薬
学的に許容されるプロドラッグ、誘導体、類似体、塩、誘導体、およびエステルが含まれ
る。
【0252】
本明細書で使用される「生物活性物質」という用語は、薬物、ペプチド、タンパク質、
炭水化物(単糖類、オリゴ糖類、および多糖類を含む)、核タンパク質、ムコタンパク質
、リポタンパク質、合成ポリペプチドもしくはタンパク質、もしくはタンパク質に連結さ
れた小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸(cDNAもしくはRNAまたはそれらの
断片を含む、任意の形態のDNA)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド
(アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む)、遺伝子、脂質、ホルモン、またはそれらの
組み合わせを含む、無機または有機分子を指し、これらは、鳥類およびヒトを含む哺乳類
を含むがこれらに限定されるものではない動物にインビボで投与したときに生物学的効果
を生ずる。
【0253】
好適なタンパク質には、ヒト成長ホルモン、線維芽細胞増殖因子(FGF)、エリスロ
ポエチン(EPO)、血小板由来成長因子(PDGF)、顆粒球コロニー刺激因子(g-
CSF)、ウシソマトトロピン(BST)、腫瘍壊死因子(TNF)、トランスフォーミ
ング増殖因子-β(TGF-β)、インターロイキン、インシュリン、およびα-インタ
ーフェロン、β-インターフェロンなどのインターフェロンが含まれるが、これらに限定
するものではない。
【0254】
本明細書で使用される薬物(または有効医薬成分、API)という用語は、疾患または
障害の治療、治癒、または予防のために医薬として内的または外的に使用される任意の物
質を指し、免疫抑制剤、麻酔剤、鎮痛剤、化学療法剤、ステロイド(レチノイドを含む)
、ホルモン、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗増殖剤、抗ヒスタミン剤、抗凝固剤
、抗光老化剤、メラノトロピックペプチド(melanotropic peptide
)、非ステロイド性およびステロイド性抗炎症化合物、抗精神病薬、ならびにUV吸収剤
を含む放射線吸収剤を含むが、これらに限定されない。
【0255】
生物活性物質という用語はまた、作用剤、例えば、防虫剤、殺虫剤、殺菌剤、殺鼠剤、
ならびに植物栄養素および成長促進剤を含む。
【0256】
薬学的に許容されるという用語は、ヒトまたは動物の使用、好ましくはヒトの使用を含
むことができる医薬的使用のために安全かつ有効なことを意味する。薬学的に許容される
組成物は、好ましくは、動物またはヒトにおける病状を治療するための使用に好適である
。薬学的に許容される組成物は、好ましくは、1つ以上の有効医薬成分および1つ以上の
医薬的に許容される賦形剤の組み合わせを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれ
らからなる。
【0257】
免疫抑制剤には、マクロライドラクトン、シクロスポリンなどを含むデポー製剤に有用
な任意の免疫抑制剤が含まれる。免疫抑制剤には、APIが任意の特定の製剤またはその
使用において免疫抑制剤として主に使用されなくても、免疫抑制活性を有するAPIが含
まれる。
【0258】
使用することができる治療薬には、細胞タンパク質のイムノフィリンファミリーのメン
バーに結合することよって作用する化合物が含まれるが、これに限定されない。このよう
な化合物は、「イムノフィリン結合化合物」として知られる。イムノフィリン結合化合物
には、マクロライドラクトン化合物の「リムス(limus)」ファミリーが含まれるが
、これに限定されない。使用することができるリムス化合物の例には、シロリムス(ラパ
マイシン)ならびにその水溶性類似体SDZ-RAD(Novartis)、TAFA-
93(Isotechnika)、タクロリムス、エベロリムス、RAD-001(No
vartis)、ピメクロリムス、テムシロリムス、CCI-779(Wyeth)、A
P23841(Ariad)、AP23573(Ariad)、およびABT-578(
Abbott Laboratories)が含まれるが、これらに限定されない。使用
することができるリムス化合物類似体および誘導体には、米国特許第5,527,907
号、第6,376,517号、第6,329,386号、および第6,890,546号
(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される化合物
が含まれるが、これらに限定されない。治療剤にはまた、リムス化合物の類似体、プロド
ラッグ、塩、誘導体、およびエステルが含まれる。
【0259】
本開示のいくつかの組成物において、治療剤は、リムス化合物を含むか、本質的にそれ
からなるか、またはそれからなる。本開示のいくつかの組成物において、治療剤は、イム
ノフィリン結合化合物を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。本開示
のいくつかの組成物において、治療剤は、mTOR阻害剤またはその類似体、誘導体、塩
、エステル、もしくはプロドラッグ(例えばTAFA93)を含むか、本質的にそれらか
らなるか、またはそれらからなる。本開示のいくつかの組成物において、治療剤は、シク
ロフィリンまたはFK-506結合タンパク質(FKBP)を含むか、本質的にそれらか
らなるか、またはそれらからなる。
【0260】
使用することができる他のシロリムス誘導体には、7-エピ-ラパマイシン、7-チオ
メチル-ラパマイシン、7-エピ-トリメトキシフェニル-ラパマイシン、7-エピーチ
オメチル-ラパマイシン、7-デメトキシ-ラパマイシン、32-デメトキシ-ラパマイ
シン、2-デスメチル-ラパマイシン、ラパマイシンのモノ-およびジ-エステル誘導体
、ラパマイシンの27-オキシム、ラパマイシンの42-オキソ類似体、二環ラパマイシ
ン、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、ラパマイシンアリールスルホ
ネートおよびスルファメート、31位および42位のモノエステルおよびジエステル、3
0-デメトキシラパマイシン、ならびにVezina et al.,“Rapamyc
in(AY-22,989),A New Antifungal Antibioti
c.I.Taxonomy Of The Producing Streptomyc
ete And Isolation Of The Active Principl
e”J.Antibiot.(Tokyo)28:721-726(1975)、Seh
gal et al.,“Rapamycin(AY-22,989),A New A
ntifungal Antibiotic II.Fermentation,Iso
lation And Characterization”J.Antibiot.(
Tokyo)28:727-732(1975)、Sehgal et al.,“De
methoxyrapamycin(AY-24,668),A New Antifu
ngal Antibiotic”J.Antibiot.(Tokyo)36:351
-354(1983)、およびPaiva et al.,“Incorporatio
n Of Acetate,Propionate,And Methionine I
nto Rapamycin By Streptomycetes hygrosco
picus”J Nat Prod 54:167-177(1991)、WO 92/
05179、EP 467606、Caufield et al.,“Hydroge
nated Rapamycin Derivatives”米国特許第5,023,2
62号、Kao et al.,“Bicyclic Rapamycins”米国特許
第5,120,725号、Kao et al.,“Rapamycin Dimers
”米国特許第5,120,727号、Failli et al.,“Silyl Et
hers Of Rapamycin”米国特許第5,120,842号、Failli
et al.,“Rapamycin 42-Sulfonates And 42-
(N-carboalkoxy) Sulfamates Useful As Imm
unosuppressive Agents”米国特許第5,177,203号、Ni
colaou et al.,“Total Synthesis Of Rapamy
cin”J.Am.Chem.Soc.115:4419-4420(1993)、Ro
mo et al,“Total Synthesis Of(-)Rapamycin
Using An Evans-Tishchenko Fragment Coup
ling”J.Am.Chem.Soc.115:7906-7907(1993)、な
らびにHayward et al,“Total Synthesis Of Rap
amycin Via A Novel Titanium-Mediated Ald
ol Macrocyclization Reaction”J.Am.Chem.S
oc.,115:9345-9346(1993)(これらの各々は、その全体が参照に
より本明細書に組み込まれる)に記載されている他の誘導体が含まれるが、これらに限定
されない。
【0261】
化合物のリムスファミリーは、本明細書に記載の疾患および状態の治療、予防、阻害、
発症の遅延、または退行の誘起のための製剤および方法に使用することができる。
【0262】
薬理学的物質の非限定的な例には、抗感染剤、例えば、ニトロフラゾン、プロピオン酸
ナトリウム、抗生物質(ペニシリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロ
ロテトラサイクリン、バシトラシン、ナイスタチン、ストレプトマイシン、ネオマイシン
、ポリミキシン、グラミシジン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、およびアジ
スロマイシンを含む)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファメタジン、ス
ルファジアジン、スルファメラジン、およびスルフィソオキサゾールを含むスルホンアミ
ド、ならびにイドクスウリジン、ガンシクロビル、トリフルリジン、およびビダラビンを
含む抗ウイルス剤;抗炎症剤、例えば、NSAIDS(アセチルサリチル酸、イブプロフ
ェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、
エトドラク、インドメタシン、ケトロラク、ナブメトン、オキシプロジン、ピロキシカム
、サルサレート、およびトルメチンを含む)、ステロイドまたはグルココルチコステロイ
ド(プレドニゾロン、プレドニゾン、メドロール、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニ
ソリド、フルチカゾン、およびトリアムシノロンを含む);鎮痛剤、例えば、NSAID
S、オピオイド(モルヒネ、フェンタニル、トラマドール、オキシコドン、メタドン、ヒ
ドロコドン、ヒドロモルホン、ロペラミド、メペリジン、タペンタドール、オキシモルホ
ン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、レボル
ファノール、コデイン、およびジヒドロコデインを含む)、およびパラセタモール(アセ
トアミノフェン);抗アレルギー剤、例えば、アンタゾリン、メタピリテン、クロルフェ
ニラミン、ピリラミンプロフェンピリダミン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、酢酸ヒド
ロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21-ホスフェート、フルオシノロン、
トリアムシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、プレドニゾロン21-コハク酸ナトリ
ウム、および酢酸プレドニゾロン;脱感作剤、例えば、ブタクサ花粉抗原、花粉症花粉抗
原、粉塵抗原、および乳抗原;ワクチン、例えば、天然痘、黄熱病、ジステンパー、豚コ
レラ、水痘、抗毒素、猩紅熱、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、鳩痘、百日咳
、インフルエンザ、狂犬病、流行性耳下腺炎、麻疹、灰白髄炎、ニューカッスル病;充血
除去剤、例えば、フェニレフリン、ナファゾリン、およびテトラヒドラゾリン;縮瞳薬お
よび抗コリンエステラーゼ剤、例えば、ピロカルピン、サルチル酸エスペリン、カルバコ
ール、フルオロリン酸ジイソプロピル、ヨウ化ホスホリン、および臭化デカカリウム;副
交感神経遮断剤、例えば、硫酸アトロピン、シクロペントラート、ホマトロピン、スコポ
ラミン、トロピカミド、ユーカトロピン、およびヒドロキシアンフェタミン;交感神経刺
激剤、例えば、エピネフリン;抗精神病薬、例えば、オランザピン、リスペリドン;麻薬
性拮抗薬、例えば、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルノテン;鎮静剤および催眠剤、例
えば、ペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタール、セコバルビタールナトリウ
ム、コデイン、(α-ブロモイソバレリル)尿素、カルブロマール;精神賦活剤、例えば
、3-(2-アミノプロピル)酢酸インドールおよび3-(2-アミノブチル)酢酸イン
ドール;精神安定剤、例えば、レセルピン、クロルプロマイリン、およびチオプロパザー
ト;麻酔剤、例えば、ベンゾカイン、ブピバカイン、エチドカイン、リドカイン、メピバ
カイン、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパラカイン、ロピバカイン、テ
トラカイン、レボブピバカイン、クロロプロカイン、ブタカイン、プロポキシカイン、フ
ェナカイン、ヘキシルカイン、イソブカイン、シクロメチカイン、ベノキシナート、ジペ
ロドン、ジブカイン、メプリルカイン、ジメチソキン、プラモキシン、ブタンベン、ジク
ロニン(デキサメタゾンまたはエピネフリンなどの増強剤を含むおよび含まない);三環
系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリンまたはノルトリプチリン;アンドロゲンステロイ
ド、例えば、メチル-テストステロンおよびフルオリメステロン;エストロゲン、例えば
、エストロン、17-fl-エストラジオール、エチニルエストラジオール、およびジエ
チルスチルベストロール;プロゲステロン剤、例えば、プロゲステロン、メゲストロール
、メレンゲストロール、クロルマジノン、エチステロン、ノルエチノドレル、19-ノル
プロゲステロン、ノルエチンドロン、メドロキシプロゲステロン、および17-O-ヒド
ロキシプロゲステロン;体液性薬剤、例えば、PGEI、PGE2、およびPGF2など
のプロスタグランジン;解熱剤、例えば、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、およびサ
リチルアミド;鎮痙剤、例えば、アトロピン、メタンテリン、パパベリン、および臭化メ
トスコポラミン;抗マラリア剤、例えば、4-アミノキノリン、8-アミノキノリン、ク
ロロキン、およびピリメタミン;抗ヒスタミン剤、例えば、ジフェンヒドラミン、ジメン
ヒドリナート、トリペレナミン、ペルフェナジン、およびクロルフェナジン;心臓作用剤
、例えば、ジベンズヒドロフルメチアジド、フルメチアジド、クロロチアジド、およびア
ミノトレート;スタチン、例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン
、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、および関連化合物;抗喘息剤、例え
ば、クロモリン;骨吸収抑制剤、例えば、非限定的な例としてアレンドロネート、リセン
ドロネート、ゾレンドロネート、パミドロネート、およびイバンドロネートを含む、ビス
ホスホネート;カルシウム調節ホルモン、例えば、カルシトニン;栄養剤、例えば、天然
および合成生理活性ペプチド;ならびに成長因子、細胞接着因子、サイトカイン、および
生体応答調節物質を含むタンパク質が含まれる。
【0263】
本開示のいくつかの組成物において、有効医薬成分は眼状態を治療することができ、例
えば、それは眼状態を治療することができる物質を含む。このような物質は、眼科用薬物
としても知られている。本開示のいくつかの組成物において、有効医薬成分はシロリムス
以外の眼科用薬物を含まず、いくつかの態様では、有効医薬成分は眼科用薬物を含まない
【0264】
活性化合物は、所望の効果を達成するのに有効な量を宿主のヒトまたは動物に送達する
のに十分な量で組成物中に含まれる。組成物に組み込まれる薬物または生物活性剤の量は
、所望の放出プロフィール、生物学的効果に必要な薬物の濃度、および薬物の所望の放出
期間に依存する。
【0265】
組成物中の活性化合物の濃度はまた、薬物の吸収、不活性化、および排泄速度、ならび
に当業者に既知の他の因子に依存する。用量の値はまた、緩和すべき状態の重症度によっ
て変化することに留意されたい。任意の特定の対象にとって、個々の必要性および組成物
の投与を管理または監督する者の専門的判断に従って、特定の投与計画を経時的に調整す
べきであり、本明細書に記載の濃度範囲は単なる例示であって、特許請求の範囲に記載の
組成物の範囲または実施を限定することを意図しない。組成物は、1回の用量で投与され
てもよく、または様々な時間間隔で投与するために多くのより少ない用量に分割されても
よい。
【0266】
生物活性物質は、典型的には、生物活性物質を必要とする患者に有効量を投与すること
ができる量および/または濃度で存在する。量および/または濃度は、使用される生物活
性物質に依存し、投与の場所にも依存し得る。生物活性物質の量および/または濃度は、
本明細書を参考にして用いて当業者が決定することができる。一般的事項として、より高
い濃度は、より小さい体積を有するデポーの投与を可能にし得るので、好ましい。濃度は
、性能(例えばバイオアベイラビリティ)に影響を及ぼし、および/または他の有害作用
を有し得るのでBASまたは他の成分が沈殿する可能性が高いほどに、一般に高くすべき
ではない。いくつかの眼科用デポーの場合において、高濃度/低体積が好ましいが、沈殿
は、視力に影響を及ぼし、および/またはBAS(例えばシロリムス)のバイオアベイラ
ビリティに影響を与え得るので、避けるべきである。本開示を限定することなく、生物活
性物質は、典型的には、組成物の重量に基づいて、少なくとも0.05重量%、0.1重
量%、0.5重量%、1重量%、または2重量%の量で本組成物中に存在する。生物活性
物質は、典型的には、組成物の重量に基づいて、最大で20重量%、10重量%、7重量
%、5重量%、4重量%または3重量%の量で組成物中に存在する。いくつかの場合にお
いて、生物活性物質は、組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量で存在
するシロリムスを含む。
【0267】
本開示の組成物は、1つ以上の生物活性物質(BAS)、API、または活性化合物を
含むことができる。2つ以上のBASが使用される場合、それらは同じ治療類または異な
る治療類から得ることができる。例えば、有効医薬成分は、シロリムスおよび少なくとも
1つのさらなる治療薬、例えば、少なくとも1つのさらなる眼薬を含んでいてもよい。い
くつかの可能なBASの組み合わせには、シロリムスおよびタクロリムス、シロリムスお
よびシクロスポリン、ならびにシロリムスおよびプレドニゾロンが含まれる。
【0268】
本開示の組成物は、好ましくは眼科用デポー用に薬学的に許容される、薬学的に許容さ
れる高粘度液体担体材料(HVLCM)を含むことが好ましい。HVLCMは、非ポリマ
ー性で非水溶性であり、37℃で少なくとも5,000cP(任意選択により、少なくと
も10,000、15,000、20,000、25,000、または50,000cP
)の粘度を有する。HVLCMは、周囲または対象の生理学的条件下で結晶化しないこと
が好ましい。用語「非水溶性」は、周囲条件下、例えば室温または23℃で1重量%未満
の程度まで水に可溶性である材料を指す。用語「非ポリマー性」は、本文脈において、エ
ステルの酸部分に反復単位を本質的に有さないエステルまたは混合エステル、および酸部
分の官能単位が少数回繰り返される酸部分を有するエステルまたは混合エステル(すなわ
ちオリゴマー)を指す。一般に、エステルの酸部分中に6つ以上の同一かつ隣接する反復
単位または-量体(-mer)を有する材料は、本明細書で使用する用語「非ポリマー性
」によって除外されるが、二量体、三量体、四量体、または五量体を含む材料は、この用
語の範囲に含まれる。
【0269】
HVLCMは、イソ酪酸酢酸スクロース(「SAIB」)を含むか、本質的にそれから
なるか、またはそれからなることができる。SAIBは、例示的なHVLCMである。
【0270】
「SAIB」との用語は、8個の天然のヒドロキシル基がそれぞれ-COCH(アセ
チル)または-COCH(CH(イソブチリル)部分でエステル化されたスクロー
スの分子を指す。SAIBは、市販の商品であり、例えば、天然のスクロースヒドロキシ
ル基のアセチルおよびイソブチリル置換基の異なるパターン(例えば、アセチルおよびイ
ソブチリル部分の異なる比率および/またはアセチルおよびイソブチリル部分の異なる環
位置)を有する化合物の混合物の形態で販売されている。当業者は、SAIBが、典型的
には、好ましくは2つの酢酸および6つのイソ酪酸部分で名目上(nominally)
エステル化されたスクロース分子を含む、置換の異なる「アイソフォーム」の混合物を含
むことを理解するであろう。したがって、HVLCMは、天然のスクロース分子が2つの
酢酸および6つのイソ酪酸部分でエステル化されたSAIBを含むか、本質的にそれから
なるか、またはSAIBからなることができ、その構造は米国特許第5,747,058
号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0271】
SAIBは、経口で非毒性であり、食品産業においてエマルジョンを安定化させるため
に使用される。それは非常に粘性の液体であり、熱をわずかに加えることによりまたは溶
媒の添加により粘度の劇的な変化があるという独特の性質を有する。それは、非常に多く
の生体適合性溶媒に可溶性である。溶液中またはエマルジョン中にある場合、SAIBは
、注射またはエアロゾルスプレーによって適用することができる。SAIBは、物質の送
達速度に影響を及ぼし得るセルロースエステルおよび他のポリマーと混和性である。
【0272】
HVLCMは、非ポリマー性ポリアルキレンポリオールを含むか、本質的にそれからな
るか、またはそれからなることができる。非ポリマー性ポリエチレングリコール(PEG
)は、好ましいポリアルキレンポリオールである。HVLCMがPEGを含む場合、PE
Gは、好ましくは、約220または200ダルトン未満の分子量を有する。すなわち、好
ましくはn≦5であり、ここで、nはPEG中のエチレングリコール単位の平均数である
。PEGを含むHVLCMにおけるnの好ましい値には、n=5、4、3、または2が含
まれる。
【0273】
他の実施形態では、HVLCMは、ステアリン酸エステル、例えば、プロピレングリコ
ール、グリセリル、ジエチルアミノエチル、およびグリコールのステアリン酸エステル、
ステアリン酸アミドおよび他の長鎖脂肪酸アミド、例えば、N,N’-エチレンジステア
ラミド、ステアリンアミドMEAおよびDEA、エチレンビステアラミド、ココアミンオ
キシド、長鎖脂肪アルコール、例えば、セチルアルコールおよびステアリルアルコール、
長鎖エステル、例えば、ミリスチルミリステート、エルカ酸ベヘニ、およびリン酸グリセ
リルであることができる。HVLCMは、アセチル化ジステアリン酸スクロース(Cro
desta A-10)を含むことができる。
【0274】
HVLCMは、粘度および/または凝集性などの所望の特性を達成する任意の量で組成
物中に存在する。HVLCMは、好ましくは、医薬組成物の重量に基づいて、99.5重
量%以下、95重量%以下、85重量%以下、60重量%以下、または50重量%以下の
量で存在する。HVLCMは、好ましくは、医薬組成物の重量に基づいて、0.1重量%
以上、0.5重量%以上、1重量%以上、10重量%以上、25重量%以上、または40
重量%以上の量で本発明の医薬組成物中に存在する。これらの量または実施例に開示され
た量の組み合わせから形成される全ての範囲、例えば、0.5重量%~50重量%、25
重量%~85重量%、および10重量%~40重量%はまた好ましい。いくつかの場合に
おいて、HVLCMは、約0.1重量%~60重量%、例えば、約0.5重量%~約50
重量%、約30重量%~約60重量%、および約0.1重量%~約10重量%(例えば、
約0.5重量%~約5重量%)の範囲の量で存在するSAIBを含む。
【0275】
本開示の組成物は、眼科用デポー用に薬学的に許容されるものを含む、薬学的に許容さ
れる疎水性溶媒を含むことが好ましい。有用な疎水性溶媒は、1重量%未満、好ましくは
0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の水への溶解度を示す。0.05重
量%未満の水への溶解度を有する疎水性溶媒が特に好ましい。溶解度は、25℃で測定す
る。疎水性溶媒のいくつかの例には、安息香酸ベンジル(BB)、ミリスチン酸イソプロ
ピル(IPM)、パルミチン酸イソプロピル、クエン酸アセチルトリアルキル(例えば、
クエン酸アセチルトリブチル(ATBC))、およびクエン酸トリアルキル(例えば、ク
エン酸トリブチル(TBC))が含まれる。BBおよびIPMは、市販の製品である。安
息香酸ベンジルは、好ましい疎水性溶媒である。
【0276】
他の好適な疎水性溶媒には、トリグリセリド(例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグ
リセリド(Miglyol 810))およびフタル酸ジメチル、ならびに脂肪酸エステ
ルおよびエーテル、例えば、オレイン酸エチルおよびカプリル酸エチルが含まれる。
【0277】
使用する場合、クエン酸トリアルキル(TAC)は、以下の式(A)で表される化合物
を含むか、またはそれから本質的になることができる。式(A)において、R、R
およびRは、それぞれ3~5個の炭素原子を有する同一または異なるアルキル基を示す
。アルキル基は、直鎖または分枝アルキル基が好ましく、炭素数4の直鎖または分枝アル
キル基がより好ましい。いくつかの好ましいクエン酸トリアルキルには、n-プロピル基
、n-ブチル基、n-ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、
tert-ブチル基、イソペンチル基等を有するものが挙げられる。3つのn-ブチル基
を有するクエン酸トリアルキル(本明細書ではクエン酸トリブチルまたはTBCと呼ばれ
る)がより好ましい。
【化1】
【0278】
一般式(A)において、R、R、およびRは、それぞれ、同一でも異なっていて
もよい。好ましくは、R、R、およびRは同じである。
【0279】
使用する場合、クエン酸アセチルトリアルキル(ATAC)は、以下の式(B)で表さ
れる化合物を含むか、それから本質的になり、これはクエン酸トリアルキルアセチルおよ
び2-アセトキシプロパン-1,2,3-トリアルキルトリカルボン酸とも呼ばれる。式
(B)中、R、R、およびRはそれぞれ、炭素数3~5のアルキル基を表す。アル
キル基は、直鎖または分枝アルキル基が好ましく、炭素数4が好ましい。いくつかの好ま
しいクエン酸アセチルトリアルキルには、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペン
チル基等を有するものが含まれる。3つのn-ブチル基を有するクエン酸アセチルトリア
ルキル(本明細書では、クエン酸アセチルトリブチルまたはATBCと呼ばれる)がより
好ましい。
【化2】
【0280】
一般式(B)において、R、R、およびRはそれぞれ、同一でも異なっていても
よい。好ましくは、R、R、およびRは同じである。
【0281】
疎水性溶媒として、TACまたはATACを単独で使用してもよいし、または互いに組
み合わせて使用してもよい。TACおよび/またはATACは、1つ以上の他の疎水性溶
媒と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用する場合、任意の比率のTA
C:ATACを使用することができる。TAC:ATAC(体積:体積)のいくつかの比
率は、0:100、0.1:99.9、5:95、10:90、15:85、30:70
、50:50、70:30、85:15、90:10、95:5、99.9:0.1、お
よび100:0である。これらの比の任意の2つから形成される範囲はまた、好ましい。
【0282】
本開示の組成物は、組成物に好適な特性を付与するために任意の量の疎水性溶媒を含む
ことができる。本開示の組成物は、疎水性溶媒を含む場合、好ましくは、少なくとも、0
.1重量%、1重量%、2重量%、10重量%、20重量%、30重量%、および40重
量%を含む。本開示の組成物は、疎水性溶媒を含む場合、好ましくは99重量%、95重
量%、90重量%、80重量%、70重量%、60重量%、および50重量%を含む。い
くつかの場合において、本開示の組成物は、組成物の重量に基づいて約80重量%~約9
5重量%の疎水性溶媒を含む。いくつかの場合において、疎水性溶媒は、組成物の重量に
基づいて、約30重量%~約60重量%、または約35重量%~約45重量%の範囲の量
の安息香酸ベンジルを含む。他の場合において、疎水性溶媒は、組成物の重量に基づいて
、約30重量%~約60重量%、または約35重量%~約50重量%の範囲の量のATB
Cを含む。
【0283】
本開示の組成物は、眼科用デポー用に薬学的に許容されるものを含む、薬学的に許容さ
れる親水性溶媒を含むことが好ましい。親水性溶媒は、使用する場合、好ましくは非ポリ
マー性であり、例えば、ポリアルキレングリコールまたはポリエチレングリコール以外で
ある。親水性溶媒は、好ましくは、25℃で測定したときに、少なくとも、1重量%、2
重量%、10重量%、25重量%、50重量%、および水と相溶性であることを含むそれ
以下の水への溶解度を有する。疎水性溶媒を使用する場合、親水性溶媒は疎水性溶媒より
も大きい水溶性を示す。いくかの好ましい親水性溶媒には、エタノール、乳酸エチル(E
L)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ポ
リアルキレンポリオール、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレンカーボネート
、グリセリン、およびトリアセチン(TA)が含まれる。
【0284】
市販の親水性溶媒は、少量の水を含み得る。本発明の医薬組成物中の水を低減または除
去することが望ましい場合、無水(または乾燥)親水性溶媒を使用することが有利であり
得る。親水性溶媒は無水(または低含水)形態で市販で入手することができ、および/ま
たは水を含有する親水性溶媒を乾燥することができる。これらの同じ考慮事項は、本発明
の組成物の他の成分および本開示の医薬組成物に適用される。水と共沸混合物を形成する
成分(例えば、エタノール)は、好ましくは、無水形態で使用される。無水エタノールに
は、例えば、99.5%EtOH、200プルーフとして示される製品、および/または
0.005%未満の水を含む製品が含まれる。
【0285】
エタノール、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、ポリ
アルキレンポリオール、およびトリアセチンはすべて、広く市販されている商業製品であ
る。使用する場合、エタノールは変性しないことが好ましい。いくつかの場合において、
エタノールは、組成物の重量に基づいて、約1重量%~約10重量%(例えば約1重量%
~約7重量%、例えば約1重量%~約5重量%)の範囲の量で存在する。
【0286】
親水性溶媒がポリアルキレンポリオールを含む場合、親水性溶媒として作用するために
、ポリアルキレンポリオールが周囲温度、例えば23℃で液体でなければならないという
ことに注意しながら、任意の分子量(または重合度)を使用することができる。好ましい
ポリアルキレンポリオールは、ポリエチレングリコール(PEG)である。PEG300
(n約7)、PEG400(n約9)、およびPEG600(n約13)は23℃で液体
であり、PEG800(n約18)は23℃でのペースト状である。親水性溶媒として好
ましいPEGには、PEG 600、PEG 400、およびPEG 300、例えばP
EG 400が含まれる。
【0287】
使用する場合、親水性溶媒は、一般に、組成物の最大70重量%、最大60重量%、最
大50重量%、最大40重量%、最大30重量%、最大20重量%、最大15重量%、ま
たは最大10重量%の量で存在する。一般的に下限はないが、親水性溶媒を使用する場合
、一般に、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なく
とも3重量%、少なくとも4重量%、または少なくとも5重量%の量で存在する。いくつ
かの場合において、親水性溶媒は、組成物の重量に基づいて、約1重量%~約20重量%
、または約2重量%~約10重量%の範囲の量のエタノールを含む。いくつかの場合にお
いて、親水性溶媒は、組成物の重量に基づいて、約30重量%~約60重量%、または約
40重量%~約50重量%の範囲の量のPEGを含む。いくつかの場合において、本発明
の組成物は、エタノールおよびPEGの両方を含むことができ、例えば、エタノールおよ
びPEGの量はそれぞれ本明細書に概説されている例示的な量に含まれる。
【0288】
十分に低い分子量(例えば、n≦5)のPEGはHVLCMおよび親水性溶媒の両方と
して作用することが可能であり、その場合、総量は、2つの成分の間で分配してもよいし
、または2つの成分のうちの1つだけに分類してもよい。
【0289】
いくつかの場合において、ビヒクル製剤は、SAIB、BB、およびエタノールを含む
。いくつかの他の場合において、ビヒクル製剤は、SAIB、BB、およびエタノール、
ならびに製剤により望ましい放出プロフィールを提供するさらなる成分を含む。いくつか
の場合において、製剤は、哺乳動物対象、例えばヒト対象(または患者)への単回用量と
して眼内投与される組成物からのシロリムスの再現性のある放出を提供する。
【0290】
本開示の組成物は、任意選択により、1つ以上のポリマーを含む。ポリマーを含めるこ
とにより、組成物に有益な特性を与えることができる。例えば、ポリマーの使用は、AP
I放出を遅くするのに役立ち、より持続する放出速度を与えるのに役立つことができる。
これは、デポーの寿命を延ばすのに役立つ。放出速度を低下させることは、薬物曝露を制
御することにも役立ち、および/もしくは安全かつ有効なレベルへの曝露を制御し、なら
びに/または過度な曝露を排除または軽減することにも役立つことができる。
【0291】
いくつかの好ましいポリマーには、ポロキサマー、ポリアルキレンポリオール、ポリ(
乳酸)(グリコール酸)、ポリ(乳酸)(またはポリラクチド)、ポリカプロラクトン、
ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリアンヒドリド、ポリアミン、ポリウレタン、
ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケ
タール、ポリカーボネート、ポリホスホエステル、ポリオキシエステル、ポリオルトカー
ボネート、ポリホスファゼン、コハク酸エステル、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)
、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、キチン
、キトサン、ヒアルロン酸、ならびにそれらのコポリマー、ターポリマー、および混合物
が含まれる。室温で液体であるか、または開示された組成物に室温で可溶性であるポリマ
ーが好ましい。
【0292】
ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖
とともにポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖を含む、
非イオン性トリブロックコポリマーである。ポロキサマーは市販され、SYNPERON
ICS、PLURONICS、KOLLIPHORなどの様々な商品名で販売されている
。任意の好適な等級を使用することができるが、ポロキサマーP188が好ましい。
【0293】
ポリマーがポリアルキレンポリオールを含む場合、HVLCMではなく本開示において
ポリマーとして作用するために、ポリアルキレンポリオールが5より大きい重合度(すな
わち、n>5)を有しなければならないということに注意しながら、任意の分子量(また
は重合度)を使用することができる。好ましいポリアルキレンポリオールは、ポリエチレ
ングリコール(PEG)である。そのようなポリマーとして、PEG300(n約7)、
PEG400(n約9)、およびPEG800(n約18)が好ましい。
【0294】
好適な分子量のPEGは、ポリマー(例えば、n>5)および親水性溶媒(例えば、n
<18)の両方として作用することが可能であり、その場合、総量は、2つの成分の間で
分配されてもよいし、または2つの成分のうちの1つにだけ分類されてもよい。
【0295】
ポリラクチドは、乳酸のみに基づくことができる乳酸系ポリマーであるか、または本開
示に従って達成され得る有利な結果に実質的に影響を及ぼさない少量の他のコモノマーを
含んでいてもよい、乳酸、グリコール酸、および/またはカプロラクトンなどに基づくコ
ポリマーであることができる乳酸系ポリマーである。本明細書で使用する場合、「乳酸」
との用語は、異性体であるL-乳酸、D-乳酸、DL-乳酸、およびラクチドを含み、「
グリコール酸」との用語は、グリコリドを含む。次のポリマー:一般にPLAと称するポ
リラクチドポリマー、一般にPLGAと称するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポ
リマー、およびポリ(カプロラクトン-co-乳酸)(PCL-co-LA)の1つ以上
が最も好ましい。ポリマーは、約100:0~約10:90、例えば100:0~15:
85、好ましくは約75:25~約30:70、より好ましくは約60:40~約40:
60の乳酸/グリコール酸のモノマー比を有することができ、特に有用なコポリマーは、
約50:50の乳酸/グリコール酸のモノマー比を有する。
【0296】
ポリ(カプロラクトン-co-乳酸)(PCL-co-LA)ポリマーは、好ましくは
、約10:90から約90:10、約50:50から、好ましくは約35:65から約6
5:35であり、より好ましくは約25:75~約75:25のカプロラクトン/乳酸の
コモノマー比を有する。ある種の実施形態では、乳酸系ポリマーは、約0%~約90%の
カプロラクトン、約0%~約100%の乳酸、および約0%~約60%のグリコール酸の
混合を含むことができる。
【0297】
他の好適なポリマーには、PEG-PLGA、ポリ(ビニルアルコール)、およびポリ
(オルトエステル)が含まれる。
【0298】
ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されて、約1,00
0~約120,000、例えば、約5,000~約50,000または約8,000~約
30,000の平均分子量を有することができる。例えば、乳酸系ポリマーは、好ましく
は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されて、約1,000~約12
0,000、好ましくは約5,000~約50,000、より好ましくは約8,000~
約30,000の平均分子量を有する。米国特許第5,242,910号に示されるよう
に、ポリマーは、米国特許第4,443,340号の教示に従って調製することができる
。あるいは、乳酸系ポリマーは、米国特許第5,310,865号に記載の技術に従って
、乳酸または乳酸およびグリコール酸の混合物(さらなるコモノマーを含むまたは含まな
い)から直接調製することができる。これらの特許の全ての内容は、参照により組み込ま
れる。好適な乳酸系ポリマーは市販されている。例えば、8,000、10,000、3
0,000、および100,000の分子量を有する50:50の乳酸:グリコール酸コ
ポリマーは、以下に記載する、Boehringer Ingelheim Chemi
cals,Inc.(Petersburg,Va.)、Medisorb Techn
ologies International L.P.(Cincinnati,Oh
io)、およびLactel Absorbable Polymers(以前はBir
mingham Polymers,Inc.)から入手可能である。
【0299】
好適なラクチドポリマーの例には、ポリ(D,L-ラクチド)RESOLER L10
4、PLA-L104、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)50:50 RE
SOMER RG502、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)50:50 R
ESOMER RG502H、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)50:50
RESOMER RG503、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)50:5
0 RESOMER RG506、ポリL-ラクチドMW 2000(RESOLER
L 206、RESOLER L 207、RESOMER L 209、RESOLE
R L 214);ポリD,L-ラクチド(RESUMER R 104、RESUME
R R 202、RESUMER R 203、RESOMER R 206、RESO
MER R 207、RESOMER R 208);ポリL-ラクチド-co-D,L
-ラクチド90:10(RESOLER LR 209);ポリグリコリド(RESOM
ER G 205);ポリD,L-ラクチド-co-グリコリド50:50(RESOM
ER RG 504H、RESOLER RG 504、RESOLER RG 505
);ポリDL-ラクチド-co-グリコリド75:25(RESOMER RG 752
、RESOMER RG755、RESOMER RG 756);ポリD,L-ラクチ
ド-co-グリコリド85:15(RESOMER RG 858);およびポリL-ラ
クチド-co-トリメチレンカーボネート70:30(RESOLER LT 706)
(Boehringer Ingelheim Chemicals,Inc.、Pet
ersburg,Va.)が含まれるが、これらに限定されない。
【0300】
さらなる例には、DL-ラクチド/グリコリド100:0(MEDISORBポリマー
100 DL高、MEDISORBポリマー100 DL低);DL-ラクチド/グリコ
リド85/15(MEDISORBポリマー8515 DL高、MEDISORBポリマ
ー8515 DL低); DL-ラクチド/グリコリド75/25(MEDISORB
ポリマー7525 DL 高、MEDISORB ポリマー7525 DL 低);DL
-ラクチド/グリコリド65/35(MEDISORB ポリマー6535 DL 高、
MEDISORB ポリマー6535 DL 低); DL-ラクチド/グリコリド54
/46(MEDISORB ポリマー5050 DL 高、MEDISORB ポリマー
5050 DL 低);およびDL-ラクチド/グリコリド54/46(MEDISOR
B ポリマー5050 DL 2A(3)、MEDISORB ポリマー5050 DL
3A(3)、MEDISORB ポリマー5050 DL 4A(3))(Medis
orb Technologies International LP、Cincin
nati、OH)、ならびにポリD,L-ラクチド-co-グリコリド50:50、ポリ
D,L-ラクチド-co-グリコリド65:35、ポリD,L-ラクチド-co-グリコ
リド75:25、ポリD,L-ラクチド-co-グリコリド85:15、ポリDL-ラク
チド、ポリL-ラクチド、ポリグリコリド、ポリε-カプロラクトン、ポリDL-ラクチ
ド-co-カプロラクトン25:75、ならびにポリDL-ラクチド-co-カプロラク
トン75:25(Birmingham Polymers,Inc.、Birming
ham,Ala.)が含まれるが、それらに限定されない。
【0301】
ポリマーは、医薬組成物の最大で40重量%、30重量%、20重量%、または10重
量%の量で存在することができる。使用する場合、ポリマーは、医薬組成物の少なくとも
、0.1重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、または5重量%の量で存在
し得る。
【0302】
上に開示したポロキサマーは、界面活性剤特性を有する。本開示の組成物は、1つ以上
の界面活性剤を任意選択により含むことができる。界面活性剤は、親水性および疎水性成
分(例えば、エタノールおよびSAIBまたは疎水性溶媒のいずれか)の両方を有する組
成物において特に有用であり得る。デポー製剤、例えば、眼科用デポー製剤での使用に好
適である任意の界面活性剤を使用することができる。非イオン性界面活性剤は、眼科用組
成物に好ましい。いくつかの好適な界面活性剤には、例えば、ポロキサマー、ポリエトキ
シル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ヒドロキシステアリン酸、プロピレングリコール脂
肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルが含まれる。ポロキサマーが好ましい。
いくつかの場合において、ポロキサマーは、組成物の重量に基づいて0.1重量%~約5
重量%の範囲の量で存在する。
【0303】
いくつかのポリエトキシル化ヒマシ油には、ポリオキシル5ヒマシ油、ポリオキシル9
ヒマシ油、ポリオキシル15ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40ヒ
マシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、およびポリオキシル60硬化ヒマシ油が含まれ
る。いくつかの好ましいポリエトキシル化ヒマシ油には、ミシガン州ミッドランドのBA
SF Corporationから入手可能な、ポリオキシル35ヒマシ油(例えばKO
LLIPHOR EL)、ポリオキシル40硬ヒマシ油(例えばCREMOPHOR R
H40)、およびポリオキシル60硬化ヒマシ油(例えばCREMOPHOR RH60
)が含まれる。
【0304】
ポリオキシエチル化ステアリン酸は、ステアリン酸マクロゴールとしても知られるステ
アリン酸ポリオキシエチレンを含み、一連のステアリン酸のポリエトキシル化誘導体を含
む。それらは、一般に、ステアリン酸ポリエチレングリコールおよびジステアリン酸ポリ
エチレングリコールを含む。本開示における使用に好適ないくつかのポリエトキシル化ス
テアリン酸には、ステアリン酸ポリオキシル2、ステアリン酸ポリオキシル4、ステアリ
ン酸ポリオキシル6、ステアリン酸ポリオキシル8、ステアリン酸ポリオキシル12、ス
テアリン酸ポリオキシル20、ステアリン酸ポリオキシル2、ステアリン酸ポリオキシル
30、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル50、ステアリン酸ポ
リオキシル100、ステアリン酸ポリオキシル2、ステアリン酸ポリオキシル150、ジ
ステアリン酸ポリオキシル4、ジステアリン酸ポリオキシル8、ジステアリン酸ポリオキ
シル12、ジステアリン酸ポリオキシル32、およびジステアリン酸ポリオキシル150
が含まれる。ステアリン酸マクロゴールは、MYRJ(Croda)、HODAG(Ca
lgene)KESSCO(Stepan Co.)、およびPROTAMATE(Pr
otameen Chemicals)を含む商品名でいくつかの供給業者から市販され
ている。
【0305】
他の好適な界面活性剤には、ポリソルベート80(Tween 80)、Soluto
l HS-15、コハク酸d-トコフェリルポリエチレングリコール1000(TPGS
)、ステアリン酸ポリオキシル8(モノステアリン酸PEG400)、およびステアリン
酸ポリオキシル40(モノステアリン酸PEG1750)が含まれる。
【0306】
脂肪酸エステルは、好適な界面活性剤である。これらの中でも、プロピレングリコール
脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルが好適な非イオン性界面活性剤であり、
モノエステル、セスキエステル、およびジエステルを含む。ソルビタン脂肪酸エステルは
、トリエステルをさらに含むことができる。これらのエステルの脂肪酸部分は、典型的に
はC12~C18である。好ましい脂肪酸部分には、ステアリン酸エステル、イソステア
リン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、およびオレイン酸エステ
ルが含まれる。いくつかの好ましいエステルとしては、モノオレイン酸ソルビタン、モノ
ラウリン酸プロピレングリコールおよびモノラウリン酸ソルビタンが挙げられる。
【0307】
カルボン酸の脂肪酸エステル(好ましくはC12~C18)はまた好ましい。これらに
は、乳酸、リンゴ酸、アジピン酸、およびミリスチン酸のエステルが含まれる。いくつか
の好適な界面活性剤には、Ceraphyl 31(乳酸ラウリルエステル、Ashla
nd Inc.)、Labrafac PG(ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレング
リコールNF、Gattefosse)、およびLauroglycol 90(モノラ
ウリン酸プロピレングリコール(タイプII)EP/NF、 Gattefosse)が
含まれる。
【0308】
他の好適な界面活性剤には、PEG 300カプリル酸/カプリン酸グリセリド(So
ftigen 767)、PEG 300リノール酸グリセリド(Labrafil M
-2125CS)、モノオレイン酸グリセリル(PECEOL)、モノラウリン酸プロピ
レングリコール(Lauroglycol FCC)が含まれる。
【0309】
界面活性剤が使用される場合、任意の好適な量を使用することができる。本開示の医薬
組成物は、組成物の重量に基づいて、最大50重量%の界面活性剤、最大40重量%の界
面活性剤、最大30重量%の界面活性剤、最大20重量%の界面活性剤、最大10重量%
の界面活性剤、最大5重量%の界面活性剤、最大4重量%の界面活性剤、最大3重量%の
界面活性剤、最大2重量%の界面活性剤、最大1.5重量%の界面活性剤、または最大1
重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含む本開示の医薬組成物は、典型
的には、組成物の重量に基づいて、少なくとも0.01重量%の界面活性剤、少なくとも
0.1重量%の界面活性剤、少なくとも0.2重量%の界面活性剤、少なくとも0.4重
量%の界面活性剤、少なくとも0.6重量%の界面活性剤、または少なくとも0.8重量
%の界面活性剤を含む。例えば、界面活性剤の量は、0.01重量%~5重量%、0.2
重量%~3重量%、または0.6重量%~2重量%とすることができる。
【0310】
これらの賦形剤のいくつかは、例えば疎水性溶媒および/または界面活性剤としての複
数の機能を有する。成分が、界面活性剤特性を有する巨大分子(例えば、ポロキサマー、
ポリエトキシル化ヒマシ油など)などの複数の機能を有する場合、成分は、機能、例えば
界面活性剤およびポリマー成分の間で分配されてもよいし、または2つの成分のうちの1
つにだけ分類されてもよい。
【0311】
本開示の組成物は、任意選択により、少なくとも1つの抗酸化剤、好ましくは眼科用デ
ポーでの使用に好適な抗酸化剤を含む。抗酸化剤は、デポー剤が投与部位において酸化を
受け得る場合に特に好ましい。例えば、硝子体デポーが光に曝露されて、従って光開始フ
リーラジカル形成を享受し得るので、フリーラジカルを中和することができる抗酸化剤を
含むことが好ましい。そのような実施形態では、少なくとも1つの抗酸化剤は、好ましく
は、トコフェロール、トコトリエノール、またはそれらの組み合わせを含む。抗酸化剤は
、好ましくは、本開示の組成物に可溶性である。他の好適な抗酸化剤は、グルタチオン、
リポ酸、尿酸、カロテン(例えば、ビタミンAならびにその誘導体および類似体)、メラ
トニン、ユビキノール(補酵素Q)、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、システイン
、エデト酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(B
HA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、モノチオグリセロ
ール、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、およびメタ重亜硫酸カリウムのうち
の1つ以上を含む。トコフェロールならびにその誘導体および類似体が好ましく、その中
でビタミンEが好ましい。ビタミンEは、抗酸化特性を有するトコフェロールのすべての
形態を含み、ビタミンEアセテート、α-トコフェロール、およびγ-トコフェロールを
含み、DL-α-トコフェロールなどのD-、L-、およびDL-形態を含む。
【0312】
抗酸化剤、例えばトコフェロールが使用される場合、それは、好適な期間、組成物に有
用な抗酸化特性を付与する任意の量で存在することができる。好ましい期間は、製品の品
質保持期限であり、例えばその有効使用期限までである。好ましい期間は、3ヶ月、6ヶ
月、12ヶ月または1年、18ヶ月または1.5年、24ヶ月または2年、30ヶ月また
は2.5年、3年、および4年を含む。
【0313】
使用する場合、抗酸化剤は、好ましくは、組成物の重量を基準として、最大で、50重
量%、10重量%、5重量%、1重量%、0.1重量%、または0.01重量%の量で存
在する。好ましい範囲には、これらの値および/または実施例における値から形成される
範囲が含まれる。いくつかの場合において、ビタミンEは、組成物の重量に基づいて0.
1重量%~5重量%の範囲の量で存在する。
【0314】
眼科用デポー製剤中で使用される場合、HVLCM、好ましくはSAIBは、いくつか
の予期しない有益な特性を有するようである。HVLCM、例えばSAIBは、デポーの
粘度および/または凝集性を調節するが、その存在は延長された硝子体内放出プロフィー
ルにも寄与し、その間、デポーの密度はデポーが浮遊しないように留めておくことができ
る。HVLCMの少なくとも約0.5重量%を含むことが特に有利であり得る。
【0315】
好ましい実施形態では、HVLCMは、溶媒と混合されたときに粘度が有意に低下して
低粘度液体担体ビヒクルを形成し、これはAPIと組み合わされて医薬組成物を形成する
ことができる。低粘度医薬組成物は、シリンジまたは他の埋込手段の内および外に容易に
流れるので、典型的には、高粘度組成物よりも体内に配置するのが容易である。医薬組成
物は、任意の所望の粘度を有することができる。25℃および1気圧で、約400cP未
満、より具体的には200cP未満、100cP未満、50cP未満、または25cP未
満の医薬組成物の粘度範囲は、典型的にはインビボ適用に有用であることが見出されてい
る。下限目標粘度はないが、粘度は一般に、25℃および1気圧で、少なくとも1cP、
少なくとも2cP、少なくとも4cP、少なくとも6cP、少なくとも8cP、少なくと
も10cP、または少なくとも15cPである。
【0316】
SAIBおよびビタミンE(VE)を含む組成物において、安全かつ有効な組成物を提
供する任意のSAIB:VEの重量比を使用することができる。本発明のいくつかの態様
において、SAIB:VEの重量比は、組成物の密度(使用前、注射時、および長期(例
えば、1、2、4、6、または12ヶ月)の密度)を制御するように選択することができ
る。例えば、SAIBおよびVEを含む眼科用デポー組成物において、SAIB:VEの
重量比は、10、7.5、5、3、2、1、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3ま
たは0.2であることができる。これらの値の各々は、SAIB:VEの比に対する開い
たまたは閉じた上限または下限(例えば、「少なくとも1」または「1未満」)であり得
る。SAIB:VEの重量比の好適な範囲(開いたまたは閉じた端点を有する)には、こ
れらの値の任意の対から形成される範囲が含まれる。例えば、SAIB:VEの重量比は
、0.5~10、0.5~5、0.5~2、または1~3とすることができる。SAIB
/VE比を選択する1つの方法は、組成物が、(例えば、組成物が硝子体内に浮遊しない
ように)硝子体内に残存し得る任意の他の賦形剤を含まないとみなすことである。
【0317】
いくつかの場合において、過酸化物は既知の強力な酸化剤であり、化学不安定性を引き
起こし得るので、医薬組成物は低い過酸化物含量を有することが有利であり得る。そのよ
うな場合、低い過酸化物含量を有する成分から医薬組成物を調製することが有利であり得
る。SAIBの製造方法は過酸化物の生成をもたらし得ることが知られている。SAIB
を含む低過酸化医薬組成物が必要であるかまたは所望される場合、低過酸化SAIBを使
用することが有利であり得る。低過酸化SAIBは、米国特許公開第2012/0330
005号に開示されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる
【0318】
光が材料に遭遇すると、それらはいくつかの異なる方法で物理的に相互作用し得る。こ
れらの作用は、光の性質(波長、周波数、エネルギーなど)および材料の性質に依存する
。光波は、一般に、例えば吸収、反射、および透過/屈折のいくつかの組み合わせによっ
て物体と作用する。透明性は、光が材料を非拡散的に通過することを可能にする物理的性
質である。半透明性は、光が材料を拡散的に通過する性質を指す。不透明性は、光が材料
を通過できない性質を指す。光学的に透明な材料は、光がほとんど拡散、反射、または吸
収されることなく、それに当たる光の多くを透過させる。光を透過させない材料は、不透
明と呼ばれる。
【0319】
硝子体内デポーなどの本開示のある種の態様において、医薬組成物の光学的透明性は、
有益かつ好ましい特性である。他の態様において、医薬組成物は、好ましくは半透明また
は不透明である。光学的透明性が所望される場合、本開示の組成物は、少なくとも、光の
約75%、光の約80%、光の約85%、光の約90%、光の約95%を非拡散的に透過
することができる。本開示の組成物は、最大で、光の100%、光の99%、光の98%
、光の97%、または光の96%を非拡散的に透過することができる。非拡散的に透過さ
れる光の割合は、特定の周波数(例えば、420~440nm、535~555nm、お
よび/または565~580nm)で測定されてもよいし、または可視スペクトルにわた
って平均化されてもよい。
【0320】
本開示の組成物は、滅菌濾過されてもよい。
【0321】
本開示の組成物は、様々な条件下で保存することができる。例えば、本開示の組成物は
、約0℃~約30℃、例えば、約2℃~約25℃、約4℃~約20℃、約5℃~約15℃
、または約7℃~約10℃の範囲の温度で保存することができる。本開示の組成物は、様
々な容器、例えばガラス容器に保存することができる。
【0322】
本開示の組成物は、局所組成物または液体デポー剤で治療可能な任意の状態を治療する
ために使用することができる。シロリムスで治療可能であり得る眼科的状態には、その全
体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8367097号に開示されている条
件が含まれる。本開示のデポー製剤は、例えば、眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症、糖尿
病網膜症、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症、ポリープ性脈絡膜血管症、
網膜内血管腫様増殖、近視性脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、眼腫瘍、放射線網膜症、
虹彩ルベオーシス、血管新生緑内障、増殖性硝子体網膜症(PVR)、原発開放隅角緑内
障、続発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、分泌過多緑内障、原発閉塞隅角緑内障、続発
閉塞隅角緑内障、プラトー虹彩緑内障、混合型緑内障、発達緑内障、ステロイド緑内障、
落屑緑内障、アミロイド緑内障、血管新生緑内障、悪性緑内障、水晶体嚢性緑内障、プラ
トー虹彩症候群、眼圧亢進症、ブドウ膜炎、眼内感染症などのための薬物として有用であ
り得る。疾患として、それは、より好ましくは、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、原発開
放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、原発性閉塞緑内障、高眼圧症、ブドウ膜炎、眼内感染症
などの予防剤または治療剤として使用することができる。好ましい状態には、ブドウ膜炎
、滲出型および萎縮型加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、糖尿病網
膜症(DR)、ならびに角膜真菌症が含まれるが、これらに限定されない。
【0323】
組成物が、所与の列挙の特定の成分から「本質的になる」と言う場合、組成物が特定の
成分からなるか、または、1つ以上の不特定の成分がその意図する使用に対して組成物を
不適当なものとしない限り、特定の成分および1つ以上の不特定の成分を含むかのいずれ
かを示すことができる。例えば、所与の状態を治療するのに好適である所与の有効医薬成
分を含むそのような組成物において、組成物を該状態の治療に不適当なものとしない限り
、1つ以上の不特定の成分が存在してもよい。典型的には、所与の列挙の特定の成分から
「本質的になる」組成物において、特定の成分以外の任意の成分の全重量は、組成物の重
量に基づいて、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以
下、最も好ましくは2重量%以下である。
【0324】
眼科的に使用される場合、本開示の組成物は、硝子体および/または結膜下デポーとし
て適用することができる。
【0325】
典型的には、組成物は、医薬組成物で予め充填された標準的な皮下用シリンジ、カテー
テル、またはトロカールから注射される。注射が、ヒトまたは動物の眼、皮下、筋肉内、
血管内(高/低流速)、心筋内、外膜、腫瘍内、または脳内の部分、創傷部位、密関節腔
(tight joint spaces)、または体腔中である場合、対象への不快感
を軽減するために、しばしば、最小サイズの針(すなわち最小直径)またはカテーテルを
使用して注射を行うことが好ましい。いくつかの場合において、投与には、硝子体内およ
び/または結膜下注射が含まれる。注射部位に適した任意の針またはカテーテルのサイズ
を使用することができる。(例えば、痛みまたは損傷を軽減するために)より大きいゲー
ジサイズが一般に好ましい。しかし、ゲージが過度に大きくなると、注射時間が長くなる
か、または毛細管現象および粘度によって注入力が増加したりするなど複雑になり得る。
16ゲージ以上、20ゲージ以上、22ゲージ以上、24ゲージ以上、25ゲージ以上、
26ゲージ以上、27ゲージ以上、28ゲージ以上、または29ゲージ以上の範囲の針ま
たはカテーテルにより医薬組成物を注射できることが望ましい。針またはカテーテルは、
通常、34ゲージ以下、33ゲージ以下、32ゲージ以下、31ゲージ以下、または30
ゲージ以下である。
【0326】
シリンジを使用する場合、注射部位に適した任意の針長さを使用することができる。針
は、好ましくは、先端が標的デポー部位に有効に到達するのに十分な長さである。針は、
好ましくは、オペレータ(例えば、医師または看護師)がシリンジおよび/または注射手
順の制御を維持するのに十分短い。眼科用デポーの場合、針は、少なくとも0.5cm、
1cm、1.5cm、または2cmの長さにすることができる。眼科用デポーの場合、針
は、最大4cm、3cm、または2.5cmの長さにすることができる。
【0327】
当業者は、本明細書を指針として用いて適当な針の大きさ(例えば、ゲージおよび/ま
たは長さ)を決定することができる。
【0328】
本開示のデポー製剤を連続的に投与する場合、間隔が所望の薬効を発揮するのに十分で
あれば投与間隔に特に制限はないが、例えば、3日に1回~5年に1回、例えば、1ヶ月
に1回~9ヶ月毎に1回、または6ヶ月毎に1回~8ヶ月毎に1回の間隔で投与すること
が好ましい。例えば、組成物は、3日に1回、5日に1回、1週間に1回、2週間に1回
、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4回に1回、5ヶ月に1回、6ヶ月に1
回、7ヶ月に1回、8ヶ月に1回、9ヶ月に1回、1年に1回、2年に1回、3年に1回
、4年に1回、または5年に1回の間隔で投与することができ、好ましいが、2ヶ月に1
回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回、5ヶ月に1回、6ヶ月に1回、または1年に1回間隔
で投与することがしばしば好ましい。さらに、投与間隔は適宜変更することができる。
【実施例0329】
以下の実施例で引用される材料は多くの供給業者から市販されている。いくつかの商業
的供給業者が本明細書において開示される。他の商業的供給業者が製品に対して応じるこ
とができる。製品の商業的供給可能な業者の名を示すことは、決して本開示を限定するも
のではない。
【0330】
ポリマー(PLGA:ドデカノール開始、L/G 85/15、分子量13.9KDa
)、(PLA:ドデカノールにより開始、分子量13.9KDa)、および(ポリカプロ
ラクトンPCL:ドデカノールにより開始、分子量95.3KDa)は、Durect
CorporationからLACTELブランドとして市販されている。SAIBは、
Durect Corporationから入手した。
【0331】
溶媒には、ベンジルアルコール(BA)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、
無水非変性200プルーフエタノール、USPグレード、例えばSpectrum Ch
emicalsから市販されているものが含まれる。N-メチル-2-ピロリドン(NM
P)は、ISPから市販されている。Super Refined PEG400-LQ
-(MH)はCRODAから市販されており、ジメチルスルホキシド(DMSO)はGa
ylordから市販されている。ヒマシ油は、Spectrum Chemicalsか
ら市販されている。KolliSolve(登録商標)GTA(トリアセチン)はBAS
Fから市販されており、クエン酸トリエチル(TEC)99%はSigma Aldri
chから市販されている。高純度クエン酸アセチルトリブチル(ATBC)NF、USP
グレードは、Mutchler Inc.から市販されている。
【0332】
シンペロニックPE/F68-FL-CQ(Poloxamer188)は、CROD
Aから市販されている。Sigma-Aldrichから市販されているダルベッコリン
酸緩衝生理食塩水(PBS)、ヒアルロン酸(HA)、およびドデシル硫酸ナトリウム(
SDS)は、放出媒体の調製に使用される。
【0333】
ビタミンE(DL-α-トコフェロール)は、BASFから市販されている。
【0334】
Sirolimusは、AltheaからSanten Pharmaceutica
l Companyを介して市販されている。
【0335】
実施例1
以下の表1および2を参照して、シロリムスの溶解度を室温で溶媒中で、および安息香
酸ベンジルおよびエタノールの混合物中で試験した。
【表1】

【表2】
【0336】
以下の表4を参照して、シロリムス(SRL)を様々な溶媒に溶解し、8日後に室温で
濃度試験を行った。試料は光から保護されたが、周囲湿度に曝露された。
【0337】
化学安定性試験:
約2mLのシロリムス製剤を、周囲湿度下でそれぞれ2mlのクリンプシールしたガラ
スバイアル中に配置し、光曝露から保護して5℃および25℃で保存した。試料をHPL
Cにより分析して、シロリムス濃度を決定した。HPLC装置およびパラメーターは以下
の通りであった:
【表3】


【表4】
【0338】
シロリムス溶液製剤の調製:
表5に示す重量比のポリマーを溶媒/溶媒混合物に溶解し、均一になるまで混合した。
表5に示す重量比のSAIBをポリマー/溶媒溶液に添加し、均一な溶液が形成されるま
で50℃で混合した。3重量%~5重量%濃度のシロリムスを各ビヒクルに溶解した。
【0339】
インビトロ薬物放出試験:
50~100μLのシロリムス製剤を、37℃で平衡化した5mLの放出媒体(0.1
%SDSまたは0.05%HAを含むPBS)に注入した。試料を、37℃で30rpm
または50rpmで回転するオービタルシェーカー上に置いた。サンプリングは、異なる
時点(例えば、いくつかの製剤について1、4、8、24時間、および最大50日)で放
出媒体全体を取り出し、37℃で平衡化した新鮮な放出媒体溶液に置き換えることにより
行った。サンプリング中に薬物デポーに触れないように注意した。試料をHPLCで分析
して、シロリムス濃度を決定した。
【0340】
実施例1の結果:
水性媒体および溶媒中のシロリムスの溶解度:
0.1%SDSの添加により、PBS中のシロリムスの水溶性が高まる(表1)。
シロリムスの溶解度は、安息香酸ベンジルまたはエタノール中の溶解度と比較して、安息
香酸ベンジル/エタノールの混合物中で増加した。表2に見られるように、安息香酸ベン
ジル/エタノールの比が7のときに最も高い溶解性が観察された。
【0341】
放出試験媒体中のシロリムスの化学安定性および溶媒との混和性:
表3は、薬物放出試験の放出媒体としての使用のための0.1%SDSを含有するPB
S中での安定性を示す。溶媒とシロリムスとの混和性を試験した。表4は、室温で溶媒中
に保存した後のシロリムスの回収を示す。
【表5】

【表6】
【0342】
プロトタイプ製剤の評価:
シロリムス溶液製剤は、低粘度であった(27Gおよび30G針により注射可能)。P
BS、0.1%SDS中でのインビトロ薬物放出試験は、37℃で≧50日間(図1a、
1b、および1c)、およびHA中では≧18日間(図2(組成物C115のみについて
試験した))の薬物放出を示した。図1において、組成物C105bはビヒクルV105
を使用したが、シロリムス濃度は4.5重量%であった。
【0343】
表6のデータは、シロリムスが、NMP(C107、C108、およびC110)を含
有する製剤を除いて、25℃および5℃で最低2ヶ月間、周囲湿度に曝露された製剤中で
安定であったことを示している。25℃および5℃での保存は、市販品の好ましい条件で
ある。本開示の好ましい組成物のために、不活性条件下および/または零度以下の温度下
でシロリムス製剤を保存する必要はない。
【0344】
以下の表5および6に列挙されたビヒクルおよび医薬組成物を製造した。
【表7】

【表8】

【表9】
【0345】
実施例2
シロリムス溶液製剤の調製:
ポロキサマー188を安息香酸ベンジルおよびエタノールの混合物(重量比は表8に示
す)に溶解し、均一になるまで混合した。SAIB(表8に示す重量比)を添加し、均一
な溶液が形成されるまで50℃で混合した。溶液を冷却した後、トリアセチンまたはクエ
ン酸アセチルトリエチル(表8に示す重量比)を添加し、十分に混合した。3重量%~4
.5重量%のシロリムスを各ビヒクルに溶解した。
【0346】
化学安定性試験:
約2mLのシロリムス製剤を、周囲湿度下でそれぞれ2mLのクリンプシールしたガラ
スバイアル中に置き、光曝露から保護して5℃および40℃で保存した。
【0347】
実施例2の結果:
インビトロ試験:
試験した製剤組成を表9に列挙する。
【表10】

【表11】
【0348】
表10は、ポロキサマーを含むおよび含まない製剤の化学安定性データの比較を示す。
【表12】
【0349】
実施例3
粘度試験:
ビヒクルの粘度を、Brookfield DVIII+プログラマブルレオメーター
を用いて測定した。測定は、CPE-52スピンドルを備えたコーンプレートを用いて行
った。粘度は、Brookfield TC-602D冷蔵槽(Refrigerate
d Bath)/プログラマブルコントローラによって維持された25±0.5℃で測定
した。
【0350】
化学安定性試験
約2mLのシロリムス製剤を、周囲湿度下でそれぞれ2mlのクリンプシールしたガラ
スバイアル中に置き、光曝露から保護して5℃、25℃、および40℃で保存した。
【0351】
製剤の調製
1%ポロキサマー188を安息香酸ベンジルおよびエタノールの混合物に溶解し(表1
3に示す)、均一になるまで混合した。SAIB(表13に示す比率で)を添加し、均一
な溶液が形成されるまで50℃で混合した。溶液を室温に冷却した後、PEG400また
はクエン酸アセチルトリブチル(表13に示す比)を添加し、十分に混合した。ビタミン
Eを添加し、十分に混合した。シロリムスを3%濃度で添加し、全てが溶解するまで撹拌
した。
【0352】
表11に列挙した組成物を、水性放出媒体中の粘度、化学安定性、およびシロリムス放
出(最大24時間)について評価した。これらの組成物は、表12に示すように低い粘度
を有していた。
【表13】

【表14】
【0353】
5℃、25℃、および40℃で1週間および2週間保存した後のシロリムス製剤の化学
安定性を表13に示す。
【表15-1】

【表15-2】
【0354】
40℃で2週間保存した後のシロリムス製剤の化学安定性の概要、および37℃で0.
1%SDSを含むPBS中で24時間後に放出された累積シロリムス%を表14および図
3に列挙する。
【表16】

【表17】
【0355】
HVLCMの量が増加するにつれて、組成物の粘度は一般に増加した。例えば、SAI
Bの量が1%から49%に増加するにつれて、組成物の粘度は11cPから46cPに増
加した。HVLCM、例えばSAIBの量は、シロリムスの化学安定性に影響を及ぼさな
いようであった。HVLCM、例えばSAIBの量は、薬物(例えば、シロリムス)放出
の初期速度にわずかな影響しか及ぼさないようであった。ATBCの存在下では、SAI
B(1~10重量%)は化学安定性にほとんど影響を及ぼさないようであった。
【0356】
ポリマー、例えばポロキサマーは、薬物、例えばシロリムスの初期インビトロ放出の速
度を低下させるようであった。1重量%のポリマー、例えばポロキサマーは、組成物の粘
度に影響しないようであった。ATBCを含む製剤では、1%ポロキサマーの存在下での
1%ビタミンEは、化学安定性を促進する効果がほとんどまたは全くないようであった。
【0357】
評価された化学安定性促進剤の中で、トコフェロール(例えば、ビタミンE)は、シロ
リムスの化学安定性の最も有効な促進剤であるようであった。トコフェロールは、ポロキ
サマーの有無にかかわらず、ATBCの存在下でシロリムスの安定性を促進するようであ
った。ビタミンEを1重量%から10重量%に増加させることは、化学安定性を有意にさ
らに促進するようではなかった。
【0358】
実施例4:インビボPK研究
表15に示す成分および量を有する医薬組成物を調製した。
【0359】
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、20または30マイク
ロリットルの製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後1ヶ月、2ヶ月
、3ヶ月および6ヶ月において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体
液および網膜脈絡膜を単離した。シロリムスの量は、タンデム質量分析と組み合わせて液
体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【表18-1】

【表18-2】
【0360】
硝子体液中のシロリムスの残存率を表16に示す(4~6個の眼に基づく)。網膜脈絡
膜中のシロリムス濃度を表17に示す(3~6個の眼に基づく)。残存量は、平均±標準
偏差として示される。
【表19】

【表20】
【0361】
図4および5は、デポーに残存しているシロリムスの量および硝子体液中のシロリムス
濃度の6ヶ月間のデータを示す。
【0362】
C401およびC407と称する製剤を、別々の機会においてそれらの同じ成分および
比率で製造した。表16および17、ならびに図4および5に示すように、SAIB、B
B、およびEtOHからなるビヒクルを有する製剤C401およびC407のシロリムス
放出プロフィールに変動があった。
【0363】
実施例5:インビボPK試験
表18に示す成分および量を有する医薬組成物を調製した。
【0364】
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、20または30マイク
ロリットルの製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後1ヶ月、2ヶ月
、3ヶ月および6ヶ月において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体
液および網膜脈絡膜を単離した。シロリムスの量は、タンデム質量分析と組み合わせて液
体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【表21】
【0365】
表19は、硝子体内デポー中のシロリムスの残存率を示す。表20は、網膜/脈絡膜中
のシロリムス濃度を示す。量は、平均±標準偏差(2~4個の眼に基づく)として示す。
【表22】

【表23】
【0366】
図6および7は、デポーに残存しているシロリムスの量および硝子体液中のシロリムス
濃度の6ヶ月間のデータを示す。
【0367】
30日間隔でシロリムスの血中濃度を測定した。結果を図8に示す。
【0368】
実施例6:インビボPK試験
使用した溶媒は以下の通りである:SAIBおよびクエン酸アセチルトリブチル(Si
gma-Aldrichから市販されているものなど)、安息香酸ベンジルおよびエタノ
ール(99.5)(ナカライテスク, Inc.から市販されているものなど)、ビタミ
ンE(理研ビタミンから市販されているものなど)。
【0369】
シロリムスは、Santen Pharmaceutical Companyを含む
多くの供給業者から市販されている。
【0370】
シロリムス溶液製剤の調製:
標準的なボトル中で、240mgのシロリムスを測定し、4.4mLの予め混合したS
D/BB/EtOH(10/40/5、v/v/v)、3.6mLの予め混合したBB/
EtOH(40/5、v/v)、または3.68mLの予め混合したVitE/BB/E
tOH(1/40/5、v/v/v)を添加することによって溶解した。次に、クエン酸
アセチルトリブチル3.6mL、4.4mL、または4.32mLをそれぞれ添加して混
合し、それにより、SD/BB/EtOH/ATBC(10/40/5/45、v/v/
v/v)、BB/EtOH/ATBC(40/5/55、v/v/v)、またはVitE
/BB/EtOH/ATBC(1/40/5/54、v/v/v/v)の製剤を調製した
。EtOH/PEG400/SRL(4/92/4、w/w/w)を含む対照組成物も調
製した。組成および用量を表21に示す。
【表24】
【0371】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30マイクロリットル
の試験製剤または20マイクロリットルのPEG400/EtOH(94/2)中の4%
シロリムスを単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後4週間および12週間
において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体液を単離した。硝子体
内のシロリムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせて液体クロマトグラフィーを用い
て測定した。
【0372】
表22は、硝子体内デポー中の用量の残存量を示す。
【表25】
【0373】
図9は、デポー中に残存するシロリムスの量の12週間のデータを示す。デポーを硝子
体液から分離して除くことはできないので、デポー中に残存するシロリムスの量は、本開
示において、硝子体液およびデポーの組み合わせ中のシロリムスの量と同等であるとみな
す。
【0374】
実施例7:医薬組成物
表23aおよび23bのように組成物を調製する。賦形剤の量は、重量部として表され
る。医薬組成物は、3mg/mlの濃度のシロリムスを含有する。
【表26】

【表27】
【0375】
実施例8
徐放性評価試験:
本開示のデポー製剤の動物での薬物徐放性を評価した。
【0376】
試験品の調製:
標準ボトル中で、240mgのシロリムスを計量し、0.8mLのジメチルスルホキシ
ド、7.2mLのクエン酸アセチルトリエチルを添加し、混合することによって溶解した
後、次いで孔径0.20μmのフィルターで濾過滅菌することにより、比較組成物C80
1の製剤を調製した。
【0377】
標準的なボトル中に、240mgのシロリムスを計量し、予め混合した3.6mLの安
息香酸ベンジル/エタノール(体積比40:5)または3.68mLのビタミンE/安息
香酸ベンジル/エタノール(体積比1:40:5)を添加することにより溶解した後、ク
エン酸アセチルトリ-n-ブチル4.4mLまたは4.32mLを添加し、混合し、次い
で孔径0.20μmのフィルターで濾過滅菌することにより、製剤C802およびC80
3を調製した。
【0378】
ウサギの薬物動態評価:
30G針を備えたハミルトンシリンジを用いて、アルビノウサギの眼1個あたり0.0
3mLのC801(比較品)、C802、およびC803のデポー製剤を硝子体内投与し
た。投与後4週間後および12週間において、ペントバルビタールナトリウムの静脈内投
与により麻酔薬で安楽死させ、眼球を摘出した。摘出した眼球を直ちに凍結し、硝子体を
デポー製剤を含む状態で回収した。LC-MS/MSを用いて各回収時点の硝子体中のシ
ロリムス濃度を測定し、投与後の薬物残存量を評価した。
【0379】
試験結果および考察:
試験結果を表24に示す。
【表28】
【0380】
表24に示すように、比較製剤C801の投与後4週間ではシロリムス投与量の10.
0%のみが残存していたが、製剤C802の投与量の71.1%が残存し、製剤C803
の投与量の83.7%が残存していた。
【0381】
以上の結果より、本デポー製剤により徐放性が向上することが確認された。
【0382】
実施例9:医薬組成物およびインビボPK研究
表25のように組成物を調製した。賦形剤の量は、重量部として表される。医薬組成物
は、30mg/gの濃度のシロリムスを含有した。
【表29】
【0383】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼剤
を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30マイクロリットルの
試験製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後4週間および12週間で
安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体液を単離した。硝子体内のシロ
リムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせて液体クロマトグラフィーを用いて測定し
た。
【0384】
表26は、硝子体内デポー中の用量の残存量を示す。図10は、デポーに残存するシロ
リムスの量についての製剤C901~C905に関する6ヶ月間のデータを示す。上記の
ように、デポーに残存するシロリムスの量は、本開示において、硝子体液およびデポーの
組み合わせ中のシロリムスの量と同等であるみなす。
【表30】
【0385】
表27および図11は、網膜脈絡膜中のシロリムス濃度についての製剤C901~C9
05に関する6ヶ月間のデータを示す。
【表31】
【0386】
製剤C901~C905について、シロリムスの血中濃度を30日間隔で測定した。結
果を図12に示す。
【0387】
実施例10:医薬組成物およびインビボPK研究組成物を表28のように調製した。賦形
剤の量は、重量部として表される。医薬組成物は、30mg/gの濃度のシロリムスを含
有した。
【表32】
【0388】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼剤
を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30マイクロリットルの
試験製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後4週間および12週間に
おいて安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体液を単離した。硝子体内
のシロリムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせて液体クロマトグラフィーを用いて
測定した。
【0389】
表29は、硝子体内デポー中の残存用量を示す。図13は、デポーに残存するシロリム
スの量についての製剤C906~C909に関する6ヶ月間のデータを示す。上記のよう
に、デポーに残存するシロリムスの量は、本開示において、合わせることによる硝子体液
およびデポー中のシロリムスの量と同等であるみなす。
【表33】
【0390】
表30および図14は、網膜脈絡膜中のシロリムス濃度についての製剤C906~C9
09に関する6ヶ月間のデータを示す。
【表34】
【0391】
製剤C906~C909について、シロリムスの血中濃度を30日間隔で測定した。結
果を図15に示す。
【0392】
実施例11:医薬組成物およびインビボPK研究
表31のように組成物を調製した。賦形剤の量は、重量部として表される。医薬組成物
は、30mg/gの濃度のシロリムスを含有した。
【表35】
【0393】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30マイクロリットル
の試験製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。ウサギを投与後4週間および12週間
において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解離し、硝子体液を単離した。硝子体
内のシロリムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせて液体クロマトグラフィーを用い
て測定した。
【0394】
表32および図16は、硝子体液中に残存するシロリムスの量についての製剤C907
~C909、C914、およびC915に関する6ヶ月間のデータを示す。
【表36】
【0395】
表33および図17は、網膜脈絡膜中のシロリムス濃度についての製剤C907~C9
09、C914、およびC915に関する6ヶ月間のデータを示す。
【表37】
【0396】
製剤C907~C909、C914、およびC915について、シロリムスの血中濃度
を30日間隔で測定した。結果を図18に示す。
【0397】
実施例12:医薬組成物およびインビボPK研究
組成物を表34に示すように調製した。賦形剤の量は、重量部として表される。医薬組
成物は、30mg/gの濃度のシロリムスを含有した。
【表38】
【0398】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.5%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30マイクロリットル
の試験製剤を単回で左右両側に硝子体注射した。ウサギを投与後4週間および12週間後
において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し、硝子体液を単離した。硝子体
内のシロリムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせて液体クロマトグラフィーを用い
て測定した。
【0399】
表35および図19は、硝子体液中に残存するシロリムスの量についての製剤C914
に関する3ヶ月間のデータを示す。
【表39】
【0400】
表36および図20は、網膜脈絡膜中のシロリムス濃度につての製剤C914に関する
3ヶ月間のデータを示す。
【表40】
【0401】
製剤C914について、シロリムスの血中濃度を30日間隔で測定した。結果を図21
に示す。
【0402】
実施例13
組成を表37に示す。賦形剤の量は、重量部として表される。医薬組成物は、10~3
5mg/gの濃度のシロリムスを含有した。
【0403】
試験品の調製:
安息香酸ベンジル、エタノール、およびクエン酸トリ-n-ブチルアセチルをボトル中
で計量し、よく混合した。ビタミンEを加えて混合した。表37に記載の濃度のシロリム
スを添加し、全て溶解するまで溶液を撹拌した。得られた溶液を、0.2μm孔径の滅菌
フィルターを用いて滅菌濾過した。
【表41】
【0404】
シロリムス溶液製剤の硝子体内注射後のウサギPK研究:
雄日本白色ウサギを全身麻酔し、その後、塩酸オキシブプロカイン(0.4%)の点眼
剤を投与することにより、両眼を表面上にて麻酔した。ウサギに、30または50マイク
ロリットルの試験製剤を単回で左右両側に硝子体内注射した。耳介動脈を介して血液を採
取した。ウサギを投与後4週間において安楽死させた。摘出した眼を凍結しながら解剖し
、硝子体液および網膜脈絡膜を単離した。硝子体液、網膜脈絡膜、および全血中のシロリ
ムスの量を、タンデム質量分析と組み合わせた液体クロマトグラフィーを用いて測定した
【0405】
表38は、硝子体液中に残存するシロリムスの量についての製剤C1001~C100
6に関する1ヶ月間のデータを示す。
【表42】
【0406】
表39は、網膜脈絡膜中のシロリムス濃度についての製剤C1001~C1006に関
する1ヶ月間のデータを示す。
【表43】
【0407】
製剤C1001~C1006について、シロリムスの血中濃度を測定した。結果を表4
0に示す。
【表44】
【0408】
実施例14:医薬組成物
表41に示すように組成物を調製する。賦形剤の量は、重量部として表される。医薬組
成物は、30mg/gの濃度のシロリムスを含有する。
【表45】
【0409】
実施例15:SAIB/ビタミンE混合物
SAIB/ビタミンE混合物の調製:
SAIBをビタミンEに(表42に示す重量比で)溶解し、混合物を均一になるまで混
合した。
【0410】
密度試験:
約2mLの混合物を密度計に注入し、25℃で混合物の密度を測定した。
【0411】
表42に示すように、密度はSAIB:ビタミンEの重量比によって増加した。さらに
図22に示すように、SAIB:ビタミンEの重量比および25℃での密度の線形相関
があった。線形近似式
【0412】
密度(25℃)=0.0016×(SAIB:ビタミンEの重量比)+0.9445
によれば、密度が1である場合、SAIB:ビタミンEの重量比は約34.7%である。
従って、SAIB:ビタミンEの重量比が約34.7%未満であるとき、混合物は水中に
浮遊することができる。
【0413】
硝子体液は、水(約1.0053g/ml)よりわずかに高い密度を有し、一般に25
℃ではなく体温(37℃)である。SAIBおよびビタミンEを含む本デポー製剤は、硝
子体液中に注射され、APIおよび他の賦形剤を放出する。放出時間の終わりには、ほと
んど全ての他の賦形剤が放出されているので、デポーは主にSAIB、ビタミンE、およ
びAPIからなる。デポー製剤中のSAIB:ビタミンEの重量比が約38%未満である
場合、デポー製剤は硝子体液中に浮遊し、患者に不快感を与え得る。
【表46】
【0414】
実施例16:フルオシノロンアセトニド製剤
表43に記載の組成物は、3%w/wのフルオシノロンをビヒクルに添加することによ
って調製した。得られた製剤は、いくらか過剰な固形物を含む溶液であった。表43中の
賦形剤の量は、重量部として表される。
【表47】
【0415】
フルオシノロン製剤のインビトロ放出試験:
23G針を有する1mLのEXELシリンジを用いて、50μLの製剤を5mLの放出
媒体(0.2%SDSを含むPBS、37℃で平衡化)に注入した。試料を、37℃で5
0rpmで回転するオービタルシェーカー上に置いた。各時点で、4.5mLの媒体を取
り出し、新鮮な4.5mLと交換した。サンプリング中に薬物デポーに触れないように注
意した。試料をHPLCで分析して、フルオシノロン濃度を決定した。試料を3つ組で調
製した。フルオシノロン製剤の放出プロフィールを図23に示す。
【0416】
実施例17:トリアムシノロン製剤
表44に示す組成物は、3%w/wトリアムシノロンをビヒクルに添加することによっ
て調製した。得られた製剤は、いくらか過剰な固形物を含む溶液であった。表44中の賦
形剤の量は、重量部として表される。
【表48】
【0417】
トリアムシノロン製剤のインビトロ放出試験:
23G針を有する1mL のEXELシリンジを用いて、50μLの製剤を5mLの放
出媒体(0.2%SDSを含むPBS、37℃で平衡化)に注入した。試料を、37℃で
50rpmで回転するオービタルシェーカー上に置いた。各時点で、4.5mLの媒体を
取り出し、新鮮な4.5mLと交換した。サンプリング中に薬物デポーに触れないように
注意した。試料をHPLCで分析して、トリアムシノロンの濃度を測定した。試料を3つ
組で調製した。トリアムシノロン製剤の放出プロフィールを図24に示す。
【0418】
実施例18:イブプロフェン製剤
表45に記載の組成物は、ビヒクルに3%w/wのイブプロフェンを添加することによ
って調製した。得られた製剤は、透明な溶液であった。表45中の賦形剤の量は、重量部
として表される。
【表49】
【0419】
イブプロフェン製剤のインビトロ放出試験:
23G針を有する1mLのEXELシリンジを用いて、50μLの製剤を5mLの放出
媒体(0.2%SDSを含むPBS、37℃で平衡化)に注入した。試料を、37℃で5
0rpmで回転するオービタルシェーカー上に置いた。各時点で、4.5mLの媒体を取
り出し、新鮮な4.5mLと交換した。サンプリング中に薬物デポーに触れないように注
意した。試料をHPLCで分析し、イブプロフェン濃度を決定した。試料を3つ組で調製
した。イブプロフェン製剤の放出プロフィールを図25に示す。
【0420】
前述の実施例に開示され、本開示を通じて教示された組成物(医薬品およびビヒクル)
はすべて、インビトロ試験、動物試験、および/または臨床試験を含む、前臨床試験およ
び/または臨床試験に使用することができ、そのいずれも、特性(例えば、薬物放出速度
)、薬物動態学、薬力学、毒物学、安全性、および/または効力について指向し得る。組
成物は、そのような治療を必要とするヒトまたは動物において、ヒト(臨床使用)または
動物(獣医学的使用)で治療的に使用することができる。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硝子体内に投与されることを特徴とする組成物であって、
有効医薬成分、
高粘度液体担体材料(HVLCM)、
第1の疎水性溶媒、および
親水性溶媒を含み、
前記有効医薬成分がシロリムスを含み、
前記HVLCMが、イソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
前記第1の疎水性溶媒が、安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、少なくともエタノールおよびPEGを含み、
前記組成物が、ビタミンEをさらに含み、
ビタミンEに対するSAIBの重量比が0.4を超える、組成物。
【請求項2】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のシロリムスを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲の量のイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて30重量%~60重量%の範囲の量の安息香酸ベンジルを含む、請求項1~3のいずれかの一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のエタノールを含む、請求項1~4のいずれかの一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記親水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて30重量%~60重量%の範囲の量のPEGを含む、請求項1~5のいずれかの一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記親水性溶媒が、組成物の重量に基づいて0.01重量%~5重量%の範囲の量のビタミンEを含む、請求項1~6のいずれかの一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のシロリムスを含み、
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲の量のイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて30重量%~60重量%の範囲の量の安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、(i)前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のエタノール、および(ii)前記組成物の重量に基づいて30重量%~60重量%の範囲の量のPEGを含み、
前記組成物が、該組成物の重量に基づいて0.01重量%~5重量%の範囲の量のビタミンEをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記有効医薬成分が、前記組成物の重量に基づいて1重量%~5重量%の範囲の量のシロリムスを含み、
前記HVLCMが、前記組成物の重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲の量のイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含み、
前記第1の疎水性溶媒が、前記組成物の重量に基づいて30重量%~45重量%の範囲の量の安息香酸ベンジルを含み、
前記親水性溶媒が、(i)前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のエタノール、および(ii)前記組成物の重量に基づいて40重量%~50重量%の範囲の量のPEGを含み、
前記組成物が、該組成物の重量に基づいて0.01重量%~2重量%の範囲の量のビタミンEをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の重量に基づいて1重量%~5重量%の範囲の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて30重量%~45重量%の範囲の量の安息香酸ベンジル、
前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のエタノール、
前記組成物の重量に基づいて40重量%~50重量%の範囲の量のPEG400、および
前記組成物の重量に基づいて0.01重量%~2重量%の範囲の量のビタミンEから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物の重量に基づいて1重量%~5重量%の範囲の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて0.1重量%~10重量%の範囲の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて80重量%~90重量%の範囲の量の安息香酸ベンジル、
前記組成物の重量に基づいて1重量%~10重量%の範囲の量のエタノール、および
前記組成物の重量に基づいて0.01重量%~2重量%の範囲の量のビタミンEから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の重量に基づいて約3重量%の量のシロリムス、
前記組成物の重量に基づいて約1重量%の量のSAIB、
前記組成物の重量に基づいて約43.7重量%の量の安息香酸ベンジル、
前記組成物の重量に基づいて約4.8重量%の量のエタノール、
前記組成物の重量に基づいて約46.5重量%の量で存在するPEG400、および
前記組成物の重量に基づいて約1重量%の量のビタミンEを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
薬剤として使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
眼状態の治療に使用するための、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記眼状態が、ブドウ膜炎、糖尿病黄斑浮腫、または滲出型加齢黄斑変性症を含む、請求項14に記載の組成物。
【外国語明細書】