(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088606
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】駆動装置、及び、駆動装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M1/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060257
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2019567837の分割
【原出願日】2018-09-06
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/001897
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌隆
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回路規模を縮小しつつ、短いデットタイムでトランジスタの誤動作を抑制する駆動装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】駆動装置100は、正電源配線HC1の正電源電圧VCC1と、負電源配線HE1の負電源電圧VEE1から生成した制御信号SG1を、トランジスタSW1の制御端子GATE1に出力して、トランジスタHC1の動作を制御するゲートドライバ回路G1と、正電源配線HC2の正電源電圧VCC2と負電源配線HE2の負電源電圧VEE2とから生成した制御信号SG2を、トランジスタSW2の制御端子GATE2に出力して、前記トランジスタが相補的にオン/オフするように、トランジスタSW2の動作を制御するゲートドライバ回路G2と、制御信号SG1に基づいて、出力端子TOUTの電位を基準として正電源電圧VCC1とは逆極性の負電源電圧VEE1を生成して負電源配線HE1に印加するチャージポンプ回路P1と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧が印加される電源端子と、
接地された接地端子と、
一端が前記電源端子に接続され、他端が出力端子に接続された第1のトランジスタと、
一端が前記出力端子に接続され、他端が前記接地端子に接続された第2のトランジスタと、
第1の電圧を出力する第1の直流電源と、
アノードに前記第1の電圧が印加され且つカソードが第1の正電源配線に接続された第1のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記出力端子に接続された第1のブートストラップ用コンデンサを有する第1のブートストラップ回路と、
一端が前記出力端子に接続され、他端が第1の負電源配線に接続された第1の安定化用コンデンサと、
前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路と、
第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路と、
前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路と、を備える
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
第2の電圧を出力する第2の直流電源と、
アノードに前記第2の電圧が印加され且つカソードが前記第2の正電源配線に接続された第2のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第2のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記接地端子に接続された第2のブートストラップ用コンデンサを有する第2のブートストラップ回路と、
一端が前記接地端子に接続され、他端が第2の負電源配線に接続された第3の安定化用コンデンサと、
一端が前記第2のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され、他端が前記第2の負電源配線に接続された第4の安定化用コンデンサと、
前記第2の制御信号に基づいて、前記接地端子の電位を基準として前記第2の正電源電圧とは反対の極性の前記第2の負電源電圧を生成して前記第2の負電源配線に印加する第2のチャージポンプ回路と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1のチャージポンプ回路は、
前記第1の正電源配線、前記第1の負電源配線、前記第1のトランジスタの前記制御端子、及び、前記出力端子に、接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2のチャージポンプ回路は、
前記第2の正電源配線、前記第2の負電源配線、前記第2のトランジスタの前記制御端子、及び、前記接地端子に、接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1のゲートドライバ回路は、
前記第1の制御信号により、前記第1のトランジスタの動作をPWM制御し、
前記第2のゲートドライバ回路は、
前記第2の制御信号により、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作をPWM制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1の制御信号による前記第1のトランジスタのPWM制御と、前記第2の制御信号による前記第2のトランジスタのPWM制御との関係においては、両方のトランジスタがオフするデットタイムが設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第1のチャージポンプ回路は、
一端が前記第1のトランジスタの前記制御端子に接続された第1のポンプ用抵抗と、
コレクタが前記第1の正電源配線に接続され、ベースが前記第1のポンプ用抵抗の他端に接続された第1のポンプ用バイポーラトランジスタと、
コレクタが前記第1のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続され、ベースが前記第1のポンプ用抵抗の他端に接続され、エミッタが前記出力端子に接続された第2のポンプ用バイポーラトランジスタと、
一端が前記第1のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続された第2のポンプ用抵抗と、
一端が前記第2のポンプ用抵抗の他端に接続された第1のポンプ用コンデンサと、
アノードが前記第1のポンプ用コンデンサの他端に接続され、カソードが前記出力端子に接続された第1のポンプ用ダイオードと、
カソードが前記第1のポンプ用コンデンサの他端に接続された第2のポンプ用ダイオードと、
一端が第2のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記出力端子に接続されたに接続された第2のポンプ用コンデンサと、
一端が前記第2のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記第1の負電源配線に接続された第3のポンプ用抵抗と、
アノードが前記第1の負電源配線に接続され、カソードが前記出力端子に接続された第1のポンプ用ツェナーダイオードと、
一端が前記第1の負電源配線に接続され、他端が前記出力端子に接続された第3のポンプ用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第2のチャージポンプ回路は、
一端が前記第2のトランジスタの前記制御端子に接続された第4のポンプ用抵抗と、
コレクタが前記第2の正電源配線に接続され、ベースが前記第4のポンプ用抵抗の他端に接続された第3のポンプ用バイポーラトランジスタと、
コレクタが前記第3のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続され、ベースが前記第4のポンプ用抵抗の他端に接続され、エミッタが前記接地端子に接続された第4のポンプ用バイポーラトランジスタと、
一端が前記第3のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続された第5のポンプ用抵抗と、
一端が前記第5のポンプ用抵抗の他端に接続された第4のポンプ用コンデンサと、
アノードが前記第4のポンプ用コンデンサの他端に接続され、カソードが前記接地端子に接続された第3のポンプ用ダイオードと、
カソードが前記第4のポンプ用コンデンサの他端に接続された第4のポンプ用ダイオードと、
一端が第4のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記接地端子に接続された第5のポンプ用コンデンサと、
一端が前記第4のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記第2の負電源配線に接続された第6のポンプ用抵抗と、
アノードが前記第6のポンプ用抵抗の他端に接続され、カソードが前記接地端子に接続された第2のポンプ用ツェナーダイオードと、
一端が前記第2の負電源配線に接続され、他端が前記接地端子に接続された第6のポンプ用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項9】
直流電圧が印加される電源端子と、接地された接地端子と、一端が前記電源端子に接続され、他端が出力端子に接続された第1のトランジスタと、一端が前記出力端子に接続され、他端が前記接地端子に接続された第2のトランジスタと、第1の電圧を出力する第1の直流電源と、アノードに前記第1の電圧が印加され且つカソードが第1の正電源配線に接続された第1のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記出力端子に接続された第1のブートストラップ用コンデンサを有する第1のブートストラップ回路と、一端が前記出力端子に接続され、他端が第1の負電源配線に接続された第1の安定化用コンデンサと、前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路と、第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路と、前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路と、を備える駆動装置の制御方法であって、
前記第1のゲートドライバ回路により、前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した前記第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御し、
前記第2のゲートドライバ回路により、前記第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した前記第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御し、
前記第1のチャージポンプ回路により、前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する
ことを特徴とする駆動装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、及び、駆動装置の制御方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタとが相補的にオン/オフするように制御する駆動装置がある(例えば、特開2016-67194参照)。
【0003】
この従来の駆動装置において、既述の2つのトランジスタ(nチャネルFET)をオン/オフ動作させる時、ハイサイドトランジスタがオンすると、ハイサイドトランジスタのソースの電位及び、ローサイドトランジスタのドレイン電位が上昇して、dv/dtが上昇する。
【0004】
この時、ローサイドトランジスタのドレイン - ゲート間の寄生容量及びゲート抵抗を介して電流が流れ込むことにより、ローサイドトランジスタのゲート電位が上昇する。
【0005】
そして、当該ゲート電位がローサイドトランジスタの閾値電圧Vthを超えると、ローサイドトランジスタがオンして、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタとがアーム短絡となる。
【0006】
ここで、例えば、従来の駆動装置(
図4)では、ブートストラップ方式の電源を適用することにより、単一の電源で構成して、トランジスタをオン/オフ動作させるための補助電源の回路規模を小さくするものがある。
【0007】
しかし、この従来の駆動装置では、負電源を生成することができないため、デッドタイムを大きくする必要がある(
図5)。
【0008】
このように、従来の駆動装置では、回路規模を縮小しつつ、短いデットタイムでトランジスタの誤動作を抑制することができない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、回路規模を縮小しつつ、短いデットタイムでトランジスタの誤動作を抑制することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施形態に従った駆動装置は、
直流電圧が印加される電源端子と、
接地された接地端子と、
一端が前記電源端子に接続され、他端が出力端子に接続された第1のトランジスタと、
一端が前記出力端子に接続され、他端が前記接地端子に接続された第2のトランジスタと、
第1の電圧を出力する第1の直流電源と、
アノードに前記第1の電圧が印加され且つカソードが第1の正電源配線に接続された第1のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記出力端子に接続された第1のブートストラップ用コンデンサを有する第1のブートストラップ回路と、
一端が前記出力端子に接続され、他端が第1の負電源配線に接続された第1の安定化用コンデンサと、
前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路と、
第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路と、
前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
前記駆動装置において、
前記第1のトランジスタは、一端が前記電源端子に接続され、他端が前記出力端子に接続された第1のnチャネルMOSトランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、一端が前記出力端子に接続され、他端が前記接地端子に接続された第2のnチャネルMOSトランジスタである
ことを特徴とする。
【0012】
前記駆動装置において、
一端が前記第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され、他端が前記第1の負電源配線に接続された第2の安定化用コンデンサをさらに備える
ことを特徴とする。
【0013】
前記駆動装置において、
第2の電圧を出力する第2の直流電源と、
アノードに前記第2の電圧が印加され且つカソードが前記第2の正電源配線に接続された第2のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第2のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記接地端子に接続された第2のブートストラップ用コンデンサを有する第2のブートストラップ回路と、
一端が前記接地端子に接続され、他端が第2の負電源配線に接続された第3の安定化用コンデンサと、
一端が前記第2のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され、他端が前記第2の負電源配線に接続された第4の安定化用コンデンサと、
前記第2の制御信号に基づいて、前記接地端子の電位を基準として前記第2の正電源電圧とは反対の極性の前記第2の負電源電圧を生成して前記第2の負電源配線に印加する第2のチャージポンプ回路と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【0014】
前記駆動装置において、
前記第1のチャージポンプ回路は、
前記第1の正電源配線、前記第1の負電源配線、前記第1のトランジスタの前記制御端子、及び、前記出力端子に、接続されている
ことを特徴とする。
【0015】
前記駆動装置において、
前記第2のチャージポンプ回路は、
前記第2の正電源配線、前記第2の負電源配線、前記第2のトランジスタの前記制御端子、及び、前記接地端子に、接続されている
ことを特徴とする。
【0016】
前記駆動装置において、
前記第1のブートストラップ用コンデンサの容量値は、前記第1の安定化用コンデンサの容量値と等しくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0017】
前記駆動装置において、
前記第2のブートストラップ用コンデンサの容量値は、前記第3の安定化用コンデンサの容量値と等しくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0018】
前記駆動装置において、
前記第1の安定化用コンデンサの容量値は、第2の安定化用コンデンサの容量値よりも、大きくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0019】
前記駆動装置において、
前記第3の安定化用コンデンサの容量値は、第4の安定化用コンデンサの容量値よりも、大きくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0020】
前記駆動装置において、
前記第1のゲートドライバ回路は、
前記第1の制御信号により、前記第1のトランジスタの動作をPWM制御し、
前記第2のゲートドライバ回路は、
前記第2の制御信号により、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作をPWM制御する
ことを特徴とする。
【0021】
前記駆動装置において、
前記第1の制御信号による前記第1のトランジスタのPWM制御と、前記第2の制御信号による前記第2のトランジスタのPWM制御との関係においては、両方のトランジスタがオフするデットタイムが設定されている
ことを特徴とする。
【0022】
前記駆動装置において、
前記第1のチャージポンプ回路は、
一端が前記第1のトランジスタの前記制御端子に接続された第1のポンプ用抵抗と、
コレクタが前記第1の正電源配線に接続され、ベースが前記第1のポンプ用抵抗の他端に接続された第1のポンプ用バイポーラトランジスタと、
コレクタが前記第1のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続され、ベースが前記第1のポンプ用抵抗の他端に接続され、エミッタが前記出力端子に接続された第2のポンプ用バイポーラトランジスタと、
一端が前記第1のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続された第2のポンプ用抵抗と、
一端が前記第2のポンプ用抵抗の他端に接続された第1のポンプ用コンデンサと、
アノードが前記第1のポンプ用コンデンサの他端に接続され、カソードが前記出力端子に接続された第1のポンプ用ダイオードと、
カソードが前記第1のポンプ用コンデンサの他端に接続された第2のポンプ用ダイオードと、
一端が第2のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記出力端子に接続されたに接続された第2のポンプ用コンデンサと、
一端が前記第2のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記第1の負電源配線に接続された第3のポンプ用抵抗と、
アノードが前記第1の負電源配線に接続され、カソードが前記出力端子に接続された第1のポンプ用ツェナーダイオードと、
一端が前記第1の負電源配線に接続され、他端が前記出力端子に接続された第3のポンプ用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする。
【0023】
前記駆動装置において、
前記第2のチャージポンプ回路は、
一端が前記第2のトランジスタの前記制御端子に接続された第4のポンプ用抵抗と、
コレクタが前記第2の正電源配線に接続され、ベースが前記第4のポンプ用抵抗の他端に接続された第3のポンプ用バイポーラトランジスタと、
コレクタが前記第3のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続され、ベースが前記第4のポンプ用抵抗の他端に接続され、エミッタが前記接地端子に接続された第4のポンプ用バイポーラトランジスタと、
一端が前記第3のポンプ用バイポーラトランジスタのエミッタに接続された第5のポンプ用抵抗と、
一端が前記第5のポンプ用抵抗の他端に接続された第4のポンプ用コンデンサと、
アノードが前記第4のポンプ用コンデンサの他端に接続され、カソードが前記接地端子に接続された第3のポンプ用ダイオードと、
カソードが前記第4のポンプ用コンデンサの他端に接続された第4のポンプ用ダイオードと、
一端が第4のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記接地端子に接続された第5のポンプ用コンデンサと、
一端が前記第4のポンプ用ダイオードのアノードに接続され、他端が前記第2の負電源配線に接続された第6のポンプ用抵抗と、
アノードが前記第6のポンプ用抵抗の他端に接続され、カソードが前記接地端子に接続された第2のポンプ用ツェナーダイオードと、
一端が前記第2の負電源配線に接続され、他端が前記接地端子に接続された第6のポンプ用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係る実施形態に従った駆動装置の制御方法は、
直流電圧が印加される電源端子と、接地された接地端子と、一端が前記電源端子に接続され、他端が出力端子に接続された第1のトランジスタと、一端が前記出力端子に接続され、他端が前記接地端子に接続された第2のトランジスタと、第1の電圧を出力する第1の直流電源と、アノードに前記第1の電圧が印加され且つカソードが第1の正電源配線に接続された第1のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が前記第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が前記出力端子に接続された第1のブートストラップ用コンデンサを有する第1のブートストラップ回路と、一端が前記出力端子に接続され、他端が第1の負電源配線に接続された第1の安定化用コンデンサと、前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路と、第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路と、前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路と、を備える駆動装置の制御方法であって、
前記第1のゲートドライバ回路により、前記第1の正電源配線の第1の正電源電圧と前記第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した前記第1の制御信号を、前記第1のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタの動作を制御し、
前記第2のゲートドライバ回路により、前記第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した前記第2の制御信号を、前記第2のトランジスタの制御端子に出力して、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、前記第2のトランジスタの動作を制御し、
前記第1のチャージポンプ回路により、前記第1の制御信号に基づいて、前記出力端子の電位を基準として前記第1の正電源電圧とは反対の極性の前記第1の負電源電圧を生成して前記第1の負電源配線に印加する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係る駆動装置は、直流電圧が印加される電源端子と、接地された接地端子と、一端が電源端子に接続され、他端が出力端子に接続された第1のトランジスタと、一端が出力端子に接続され、他端が接地端子に接続された第2のトランジスタと、第1の電圧を出力する第1の直流電源と、アノードに第1の電圧が印加され且つカソードが第1の正電源配線に接続された第1のブートストラップ用ダイオード、及び、一端が第1のブートストラップ用ダイオードのカソードに接続され且つ他端が出力端子に接続された第1のブートストラップ用コンデンサを有する第1のブートストラップ回路と、一端が出力端子に接続され、他端が第1の負電源配線に接続された第1の安定化用コンデンサと、第1の正電源配線の第1の正電源電圧と第1の負電源配線の第1の負電源電圧とから生成した第1の制御信号を、第1のトランジスタの制御端子に出力して、第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路と、第2の正電源配線の第2の正電源電圧と第2の負電源配線の第2の負電源電圧とから生成した第2の制御信号を、第2のトランジスタSW2の制御端子に出力して、第1のトランジスタと第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路と、第1の制御信号に基づいて、出力端子の電位を基準として第1の正電源電圧とは反対の極性の第1の負電源電圧を生成して第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路と、を備える。
【0026】
このように、本発明の駆動装置では、負電圧を生成するための電源回路を省略して回路規模を縮小しつつ、第1のドライバ回路が出力する第1のトランジスタの制御信号により第1のチャージポンプ回路を動作させて、正電源電圧から負電源電圧を生成するようにして、当該負電源電圧を用いて第1のトランジスタの閾値電圧とオフ時の制御信号との間のマージンを確保して、デットタイムを短くする。
【0027】
すなわち、本発明の駆動装置によれば、回路規模を縮小しつつ、短いデットタイムでトランジスタの誤動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施例1に係る駆動装置100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す駆動装置100の動作波形の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例2に係る駆動装置200の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、従来の駆動装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す従来の駆動装置の動作波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例0030】
図1は、実施例1に係る駆動装置100の構成の一例を示す図である。また、
図2は、
図1に示す駆動装置100の動作波形の一例を示す図である。
【0031】
図1に示すように、駆動装置100は、第1のトランジスタSW1と第2のトランジスタSW2とを相補的にオン/オフするように制御して、出力端子TOUTから所定の電圧を出力するようになっている。
【0032】
ここで、この駆動装置100は、例えば、
図1に示すように、電源端子TSと、接地端子TGNDと、第1のトランジスタSW1と、第2のトランジスタSW2と、第1のボディダイオードD1と、第2のボディダイオードD2と、第1の直流電源X1と、第2の直流電源X2と、第1のブートストラップ回路BS1と、第1の安定化用コンデンサAC1と、第2の安定化用コンデンサAC2と、第2のブートストラップ回路BS2と、第3の安定化用コンデンサAC3と、第4の安定化用コンデンサAC4と、第1のゲートドライバ回路G1と、第2のゲートドライバ回路G2と、第1のチャージポンプ回路P1と、第2のチャージポンプ回路P2と、を備える。
【0033】
そして、電源端子TSは、直流電源BATの正極が接続され、直流電圧が印加されるようになっている。
【0034】
また、接地端子TGNDは、直流電源BATの負極が接続され、接地されている。
【0035】
また、第1のトランジスタ(ハイサイドトランジスタ)SW1は、一端(ドレイン)が電源端子TSに接続され、他端(ソース)が出力端子TOUTに接続されている。
【0036】
また、第1のボディダイオードD1は、カソードが第1のトランジスタSW1の一端(ドレイン)に接続され、アノードが第1のトランジスタSW1の他端(ソース)に接続されている。
【0037】
ここで、第1のトランジスタSW1は、例えば、
図1に示すように、一端(ドレイン)が電源端子TSに接続され、他端(ソース)が出力端子TOUTに接続された第1のnチャネルMOSトランジスタである。
【0038】
なお、この第1のトランジスタSW1は、NPN型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0039】
また、第2のトランジスタ(ローサイドトランジスタ)SW2は、一端(ドレイン)が出力端子TOUTに接続され、他端(ソース)が接地端子TGNDに接続されている。
【0040】
また、第2のボディダイオードD2は、カソードが第2のトランジスタSW2の一端(ドレイン)に接続され、アノードが第2のトランジスタSW2の他端(ソース)に接続されている。
【0041】
ここで、第2のトランジスタSW2は、例えば、
図1に示すように、一端(ドレイン)が出力端子TOUTに接続され、他端(ソース)が接地端子TGNDに接続された第2のnチャネルMOSトランジスタである。
【0042】
なお、この第2のトランジスタSW2は、NPN型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0043】
また、第1の直流電源X1は、第1の電圧V1を出力するようになっている。
【0044】
この第1の直流電源X1は、例えば、
図1に示すように、負極が接地され、正極が第1のブートストラップ用ダイオードBD1のアノードに接続された第1のバッテリである。
【0045】
また、第1のブートストラップ回路BS1は、例えば、
図1に示すように、第1のブートストラップ用ダイオードBD1と、第1のブートストラップ用コンデンサBC1と、を有する。
【0046】
そして、第1のブートストラップ用ダイオードBD1は、例えば、
図1に示すように、アノードが第1の直流電源X1の正極に接続され、アノードに第1の電圧V1が印加され、カソードが第1の正電源配線HC1に接続されている。
【0047】
また、第1のブートストラップ用コンデンサBC1は、例えば、
図1に示すように、一端が第1のブートストラップ用ダイオードBD1のカソードに接続され、他端が出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0048】
なお、この第1のブートストラップ用コンデンサBC1の容量値は、例えば、第1の安定化用コンデンサAC1の容量値と等しくなるように設定されている。
【0049】
また、第1の安定化用コンデンサAC1は、一端が出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続され、他端が第1の負電源配線HE1に接続されている。
【0050】
また、第2の安定化用コンデンサAC2は、一端が第1のブートストラップ用ダイオードBD1のカソードに接続され、他端が第1の負電源配線HE1に接続されている。
【0051】
なお、第1の安定化用コンデンサAC1の容量値は、この第2の安定化用コンデンサAC2の容量値よりも、大きくなるように設定されている。
【0052】
また、第1のゲートドライバ回路(ハイサイドゲートドライバ回路)G1は、第1の正電源配線HC1の第1の正電源電圧VCC1と第1の負電源配線HE1の第1の負電源電圧VEE1とから生成した第1の制御信号SG1を、第1のトランジスタSW1の制御端子(第1のゲート端子GATE1)に出力して、第1のトランジスタSW1の動作を制御するようになっている。
【0053】
特に、この第1のゲートドライバ回路G1は、第1の制御信号SG1により、第1のトランジスタSW1の動作をPWM制御するようになっている。
【0054】
また、第2のゲートドライバ回路(ローサイドゲートドライバ回路)G2は、第2の正電源配線HC2の第2の正電源電圧VCC2と第2の負電源配線HE2の第2の負電源電圧VEE2とから生成した第2の制御信号SG2を、第2のトランジスタSW2の制御端子(第2のゲート端子GATE2)に出力して、第1のトランジスタSW1と第2のトランジスタSW2とが相補的にオン/オフするように、第2のトランジスタSW2の動作を制御するようになっている。
【0055】
特に、この第2のゲートドライバ回路G2は、第2の制御信号SG2により、第1のトランジスタSW1と第2のトランジスタSW2とが相補的にオン/オフするように、第2のトランジスタSW2の動作をPWM制御するようになっている。
【0056】
なお、上記第1の制御信号SG1による第1のトランジスタSW1のPWM制御と、第2の制御信号SG2による第2のトランジスタSW1のPWM制御との関係においては、両方のトランジスタSW1、SW2がオフする(貫通電流が流れないようにする)デットタイムが設定されている(
図2)。
【0057】
また、第1のチャージポンプ回路P1は、第1のトランジスタSW1を制御する第1の制御信号SG1に基づいて、出力端子TOUTの電位(第1のソース端子SOURSE1の電位)を基準として第1の正電源電圧VCC1とは反対の極性の第1の負電源電圧VEE1を生成して、第1の負電源配線HE1に印加するようになっている。
【0058】
このように、第1のチャージポンプ回路P1は、負電源生成回路として動作するようになっている。
【0059】
この第1のチャージポンプ回路P1は、例えば、
図1に示すように、第1の正電源配線HC1、第1の負電源配線HE1、第1のトランジスタSWの制御端子(第1のゲート端子GATE1)、及び、出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に、接続されている。
【0060】
より詳しくは、この第1のチャージポンプ回路P1は、例えば、
図1に示すように、第1のポンプ用抵抗RP1と、第1のポンプ用バイポーラトランジスタMP1と、第2のポンプ用バイポーラトランジスタMP2と、第2のポンプ用抵抗RP2と、第1のポンプ用コンデンサCP1と、第1のポンプ用ダイオードDP1と、第2のポンプ用ダイオードDP2と、第2のポンプ用コンデンサCP2と、第3のポンプ用抵抗RP3と、第1のポンプ用ツェナーダイオードVP1と、第3のポンプ用コンデンサCP3と、を備える。
【0061】
そして、第1のポンプ用抵抗RP1は、一端が第1のトランジスタSW1の制御端子(第1のゲート端子GATE1)に電気的に接続されている。
【0062】
また、第1のポンプ用バイポーラトランジスタMP1は、コレクタが第1の正電源配線HC1に接続され、ベースが第1のポンプ用抵抗RP1の他端に接続されている。
【0063】
また、第2のポンプ用バイポーラトランジスタMP2は、コレクタが第1のポンプ用バイポーラトランジスタMP1のエミッタに接続され、ベースが第1のポンプ用抵抗RP1の他端に接続され、エミッタが出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0064】
また、第2のポンプ用抵抗RP2は、一端が第1のポンプ用バイポーラトランジスタMP1のエミッタに接続されている。
【0065】
また、第1のポンプ用コンデンサCP1は、一端が第2のポンプ用抵抗RP2の他端に接続されている。
【0066】
また、第1のポンプ用ダイオードDP1は、アノードが第1のポンプ用コンデンサCP1の他端に接続され、カソードが出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0067】
また、第2のポンプ用ダイオードDP2は、カソードが第1のポンプ用コンデンサCP1の他端に接続されている。
【0068】
また、第2のポンプ用コンデンサCP2は、一端が第2のポンプ用ダイオードDP2のアノードに接続され、他端が出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0069】
また、第3のポンプ用抵抗RP3は、一端が第2のポンプ用ダイオードDP2のアノード(第2のポンプ用コンデンサCP2の一端)に接続され、他端が第1の負電源配線HE1に接続されている。
【0070】
また、第1のポンプ用ツェナーダイオードVP1は、アノードが第3のポンプ用抵抗RP3の他端(第1の負電源配線HE1)に接続され、カソードが出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0071】
また、第3のポンプ用コンデンサCP3は、一端が第1の負電源配線HE1に接続され、他端が出力端子TOUT(第1のソース端子SOURSE1)に接続されている。
【0072】
このような構成を有する第1のチャージポンプ回路P1は、第1のトランジスタSW1を制御する第1の制御信号SG1に基づいて、出力端子TOUTの電位(第1のソース端子SOURSE1の電位)を基準として第1の正電源電圧VCC1とは反対の極性の第1の負電源電圧VEE1を生成して、第1の負電源配線HE1に印加するようになっている。
【0073】
また、第2の直流電源X2は、第2の電圧V2を出力するようになっている。
【0074】
この第2の直流電源X2は、例えば、
図1に示すように、負極が接地され、正極が第2のブートストラップ用ダイオードBD2のアノードに接続された第2のバッテリである。
【0075】
なお、上述の第1の直流電源X1と第2の直流電源X2とは、
図1の例では、別々の構成として記載されているが、共通の電源であってもよい。
【0076】
また、第2のブートストラップ回路BS2は、例えば、
図1に示すように、第2のブートストラップ用ダイオードBD2と、第2のブートストラップ用コンデンサBC2と、を有する。
【0077】
そして、第2のブートストラップ用ダイオードBD2は、アノードが第1の直流電源X1の正極に接続され、アノードに第2の電圧V2が印加され、カソードが第2の正電源配線HC2に接続されている。
【0078】
また、第2のブートストラップ用コンデンサBC2は、一端が第2のブートストラップ用ダイオードBD2のカソードに接続され、他端が接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0079】
また、第3の安定化用コンデンサAC3は、一端が接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続され、他端が第2の負電源配線HE2に接続されている。
【0080】
なお、第2のブートストラップ用コンデンサBC2の容量値は、例えば、この第3の安定化用コンデンサAC3の容量値と等しくなるように設定されている。
【0081】
また、第4の安定化用コンデンサAC4は、一端が第2のブートストラップ用ダイオードBD2のカソードに接続され、他端が第2の負電源配線HE2に接続されている。
【0082】
なお、第3の安定化用コンデンサAC4の容量値は、この第4の安定化用コンデンサAC4の容量値よりも、大きくなるように設定されている。
【0083】
また、第2のチャージポンプ回路P2は、第2のトランジスタSW2を制御する第2の制御信号SG2に基づいて、接地端子TGNDの電位(第2のソース端子SOURSE2の電位)を基準として第2の正電源電圧VCC2とは反対の極性の第2の負電源電圧VEE2を生成して第2の負電源配線HE2に印加するようになっている。
【0084】
このように、この第2のチャージポンプ回路P2は、負電源生成回路として動作するようになっている。
【0085】
なお、負電圧生成回路として、
図1に示す第2のチャージポンプ回路P2に代えて、第2の正電源電圧VCC2とは反対の極性の第2の負電源電圧VEE2を生成して第2の負電源配線HC2に印加する3端子のレギュレータを用いるようにしてもよい。
【0086】
この第2のチャージポンプ回路P2は、例えば、
図1に示すように、第2の正電源配線HC2、第2の負電源配線HE2、第2のトランジスタSW2の制御端子(第2のゲート端子GATE2)、及び、接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に、接続されている。
【0087】
より詳しくは、この第2のチャージポンプ回路P2は、例えば、
図1に示すように、第4のポンプ用抵抗RP4と、第3のポンプ用バイポーラトランジスタMP3と、第4のポンプ用バイポーラトランジスタMP4と、第5のポンプ用抵抗RP5と、第4のポンプ用コンデンサCP4と、第3のポンプ用ダイオードDP3と、第4のポンプ用ダイオードDP4と、第5のポンプ用コンデンサCP5と、第6のポンプ用抵抗RP6と、第2のポンプ用ツェナーダイオードVP2と、第6のポンプ用コンデンサCP6と、を備える。
【0088】
そして、第4のポンプ用抵抗RP4は、一端が第2のトランジスタSW2の制御端子(第2のゲート端子GATE2)に電気的に接続されている。
【0089】
また、第3のポンプ用バイポーラトランジスタMP3は、コレクタが第2の正電源配線HC2に接続され、ベースが第4のポンプ用抵抗RP4の他端に接続されている。
【0090】
また、第4のポンプ用バイポーラトランジスタMP4は、コレクタが第3のポンプ用バイポーラトランジスタMP3のエミッタに接続され、ベースが第4のポンプ用抵抗RP4の他端に接続され、エミッタが接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0091】
また、第5のポンプ用抵抗RP5は、一端が第3のポンプ用バイポーラトランジスタMP3のエミッタに接続されている。
【0092】
また、第4のポンプ用コンデンサCP4は、一端が第5のポンプ用抵抗RP5の他端に接続されている。
【0093】
また、第3のポンプ用ダイオードDP3は、アノードが第4のポンプ用コンデンサCP4の他端に接続され、カソードが接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0094】
また、第4のポンプ用ダイオードDP4は、カソードが第4のポンプ用コンデンサCP4の他端に接続されている。
【0095】
また、第5のポンプ用コンデンサCP5は、一端が第4のポンプ用ダイオードCP4のアノードに接続され、他端が接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0096】
また、第6のポンプ用抵抗RP6は、一端が第4のポンプ用ダイオードDP4のアノード(第5のポンプ用コンデンサCP5の一端)に接続され、他端が第2の負電源配線HE2に接続されている。
【0097】
また、第2のポンプ用ツェナーダイオードVP2は、アノードが第6のポンプ用抵抗RP6の他端(第2の負電源配線HE2)に接続され、カソードが接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0098】
また、第6のポンプ用コンデンサCP6は、一端が第2の負電源配線HE2に接続され、他端が接地端子TGND(第2のソース端子SOURSE2)に接続されている。
【0099】
このような構成を有する第2のチャージポンプ回路P2は、第2のトランジスタSW2を制御する第2の制御信号SG2に基づいて、接地端子TGNDの電位(第2のソース端子SOURSE2の電位)を基準として第2の正電源電圧VCC2とは反対の極性の第2の負電源電圧VEE2を生成して第2の負電源配線HE2に印加するようになっている。
【0100】
ここで、以上のような構成を有する駆動装置100の制御方法の一例について、説明する。
【0101】
既述のように、第1のゲートドライバ回路G1は、第1の正電源配線HC1の第1の正電源電圧VCC1と第1の負電源配線HE1の第1の負電源電圧VEE1とから生成した第1の制御信号SG1を、第1のトランジスタSW1の制御端子(第1のゲート端子GATE1)に出力して、第1のトランジスタSW1の動作を制御する。
【0102】
さらに、第2のゲートドライバ回路G2は、第2の正電源配線HC2の第2の正電源電圧VCC2と第2の負電源配線HE2の第2の負電源電圧VEE2とから生成した第2の制御信号SG2を、第2のトランジスタSW2の制御端子(第2のゲート端子GATE2)に出力して、第1のトランジスタSW1と第2のトランジスタSW2とが相補的にオン/オフするように、第2のトランジスタSW2の動作を制御する。
【0103】
これにより、第1のトランジスタSW1と第2のトランジスタSW2とが相補的にオン/オフするように制御され、出力端子TOUTから所定の電圧が出力されることとなる。
【0104】
一方、既述のように、第1のチャージポンプ回路P1は、第1のトランジスタSW1を制御する第1の制御信号SG1に基づいて、出力端子TOUTの電位(第1のソース端子SOURSE1の電位)を基準として第1の正電源電圧VCC1とは反対の極性の第1の負電源電圧VEE1を生成して、第1の負電源配線HE1に印加する。
【0105】
さらに、第2のチャージポンプ回路P2は、第2のトランジスタSW2を制御する第2の制御信号SG2に基づいて、接地端子TGNDの電位(第2のソース端子SOURSE2の電位)を基準として第2の正電源電圧VCC2とは反対の極性の第2の負電源電圧VEE2を生成して第2の負電源配線HE2に印加する。
【0106】
このように、本実施例1に係る駆動装置100では、負電圧を生成するための電源回路を省略して回路規模を縮小しつつ、第1のドライバ回路が出力する第1のトランジスタの制御信号により第1のチャージポンプ回路を動作させて、正電源電圧から負電源電圧を生成するようにして、当該負電源電圧を用いて第1のトランジスタの閾値電圧Vthとオフ時の制御信号(ゲート電圧)との間のマージンを確保して、デットタイムを短くする(
図2)。
【0107】
すなわち、本実施例1に係る駆動装置100によれば、回路規模を縮小しつつ、短いデットタイムでトランジスタの誤動作を抑制することができる。
【0108】
なお、本実施例1に係る駆動装置100において、必要に応じて、第2の安定化用コンデンサAC2、第2のブートストラップ回路BS2の第2のブートストラップ用ダイオードBD2、及び第4の安定化用コンデンサAC4の何れか、若しくは全てを省略してもよい。
既述のように、実施例1に係る駆動装置100において、必要に応じて、第2の安定化用コンデンサAC2、第2のブートストラップ回路BS2の第2のブートストラップ用ダイオードBD2、及び第4の安定化用コンデンサAC4の何れか、若しくは全てを省略してもよい。
以上のように、本発明の一態様に係る駆動装置は、直流電圧が印加される電源端子TS、及び、接地された接地端子TGNDと、一端が電源端子TSに接続され、他端が出力端子TOUTに接続された第1のトランジスタSW1と、一端が出力端子TOUTに接続され、他端が接地端子TGNDに接続された第2のトランジスタSW2と、第1の電圧V1を出力する第1の直流電源X1と、アノードに第1の電圧V1が印加され且つカソードが第1の正電源配線HC1に接続された第1のブートストラップ用ダイオードBD1、及び、一端が第1のブートストラップ用ダイオードBD1のカソードに接続され且つ他端が出力端子TOUT(SOURSE1)に接続された第1のブートストラップ用コンデンサBC1を有する第1のブートストラップ回路BS1と、一端が出力端子TOUT(SOURSE1)に接続され、他端が第1の負電源配線(VEE1)に接続された第1の安定化用コンデンサAC1と、第1の正電源配線の第1の正電源電圧VCC1と第1の負電源配線の第1の負電源電圧VEE1とから生成した第1の制御信号SG1を、第1のトランジスタSW1の制御端子(ゲート)に出力して、第1のトランジスタの動作を制御する第1のゲートドライバ回路G1と、第2の正電源配線HC2の第2の正電源電圧VCC2と第2の負電源配線の第2の負電源電圧VEE2とから生成した第2の制御信号を、第2のトランジスタSW2の制御端子(ゲート)に出力して、第1のトランジスタと第2のトランジスタとが相補的にオン/オフするように、第2のトランジスタの動作を制御する第2のゲートドライバ回路G2と、第1の制御信号SG1に基づいて、出力端子TOUTの電位(第1のソース端子SOURSE1の電位)を基準として第1の正電源電圧VCC1とは反対の極性の第1の負電源電圧VEE1を生成して第1の負電源配線に印加する第1のチャージポンプ回路P1と、を備える。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。