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特開2022-88616再発性神経膠腫および進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の治療に使用するための薬剤の調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088616
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】再発性神経膠腫および進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の治療に使用するための薬剤の調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/336 20060101AFI20220607BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220607BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220607BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A61K31/336
A61P35/00
A61P35/04
A61P25/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062257
(22)【出願日】2022-04-04
(62)【分割の表示】P 2020013217の分割
【原出願日】2014-06-02
(31)【優先権主張番号】61/829,739
(32)【優先日】2013-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513037661
【氏名又は名称】デル マー ファーマスーティカルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン デニス エム
(72)【発明者】
【氏名】ケント シー スー
(72)【発明者】
【氏名】アン ステイノ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード シュウォルツ
(72)【発明者】
【氏名】サレー カネカル
(72)【発明者】
【氏名】ハワード エー バリス ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー バシャ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ガーナー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置に適した方法及び組成物を提供する。
【解決手段】治療有効量のへキシトール誘導体を備え、前記治療有効量は、21日周期の治療サイクルのうち1,2,3日目の各日における投与量が10mg/mから40mg/mである、再発性神経膠腫、進行性の二次性脳腫瘍から選択される悪性腫瘍を治療するための薬剤の調製方法である。前記へキシトール誘導体は、ジアンヒドロガラクチトールまたはジアセチルジアンヒドロガラクチトールである、前記調製方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のへキシトール誘導体を備え、
前記治療有効量は、21日周期の治療サイクルのうち1,2,3日目の各日における投与量が10mg/mから40mg/mである、
再発性神経膠腫、進行性の二次性脳腫瘍から選択される悪性腫瘍を治療するための薬剤の調製方法。
【請求項2】
前記へキシトール誘導体は、ジアンヒドロガラクチトールまたはジアセチルジアンヒドロガラクチトールである、請求項1に記載の薬剤の調製方法。
【請求項3】
前記悪性腫瘍は再発性神経膠腫であり、前記再発性神経膠腫は多形性膠芽腫である、請求項1に記載の薬剤の調製方法。
【請求項4】
前記悪性腫瘍は再発性神経膠腫であり、前記再発性神経膠腫は少なくともテモゾロミドまたはベバシズマブのいずれかに抵抗性を有している、請求項1に記載の薬剤の調製方法。
【請求項5】
前記へキシトール誘導体は、ジアンヒドロガラクチトールである、請求項1に記載の薬剤の調製方法。
【請求項6】
前記悪性腫瘍は進行性の二次性脳腫瘍であり、
前記進行性の二次性脳腫瘍は、乳腺癌、小細胞肺癌、黒色腫からなる群から選択される悪性腫瘍が転移した脳腫瘍である、請求項1に記載の薬剤の調製方法。
【請求項7】
賦形剤、溶媒、充填剤、希釈材、緩衝材、防腐剤、または添加剤をさらに備える、請求項1に記載の薬剤の製造方法。
【請求項8】
治療有効量のへキシトール誘導体を備え、
前記治療有効量は、21日周期の治療サイクルのうち1,2,3日目の各日における投与量が10mg/mから40mg/mである、
再発性神経膠腫、進行性の二次性脳腫瘍から選択される悪性腫瘍の治療薬。
【請求項9】
前記へキシトール誘導体は、ジアンヒドロガラクチトールまたはジアセチルジアンヒドロガラクチトールである、請求項8に記載の治療薬。
【請求項10】
前記悪性腫瘍は再発性神経膠腫であり、前記再発性神経膠腫は多形性膠芽腫である、請求項8に記載の治療薬。
【請求項11】
前記悪性腫瘍は再発性神経膠腫であり、前記再発性神経膠腫は少なくともテモゾロミドまたはベバシズマブのいずれかに抵抗性を有している、請求項8に記載の治療薬。
【請求項12】
前記へキシトール誘導体はジアンヒドロガラクチトールである、請求項8に記載の治療薬。
【請求項13】
前記悪性腫瘍は進行性の二次性脳腫瘍であり、
前記進行性の二次性脳腫瘍は、乳腺癌、小細胞肺癌、黒色腫からなる群から選択される悪性腫瘍が転移した脳腫瘍である、請求項8に記載の治療薬。
【請求項14】
賦形剤、溶媒、充填剤、希釈材、緩衝材、防腐剤、または添加剤をさらに備える、請求項8に記載の治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、K.C.Shiらによって2013年5月31日に出願され、発明の名称が、「再発性悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍を治療するためのジアンヒドロガラクチトール並びにその類似体及び誘導体の使用」(“Use of Dianhydrogalactitol and Analogs and Derivatives Thereof to Treat Recurrent Malignant Glioma or Progressive Secondary Brain Tumor.”)である米国特許仮出願第61/829,739号の利益を請求するものである。この米国仮出願の内容は、本参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍を治療するためのジアンヒドロガラクチトール又はその類似体若しくは誘導体の使用方法及びそれを含む組成物に向けられる。
【背景技術】
【0003】
ヒトを苦しめる多くの致命的な病気に対する治療法の探索及び識別は、依然として、経験的及び時には偶然に発見された方法のままである。基礎科学研究から実際的な患者管理における改善までの多くの進歩がなされたが、特に、癌、炎症状態、感染症、及び他の状態などの致命的疾患に対しては、有用な治療法の合理的かつ成功裏の発見において多大な失望が依然として残っている。
【0004】
「癌との闘い」は、国立衛生研究所(NIH)の米国国立癌研究所(NCI)によって、1970年代初期に開始したため、様々な戦略及び計画が、癌の予防、診断、処置及び治療のために創成及び実施されてきた。最も古くから及びほぼ間違いなく最も成功した計画の一つは、腫瘍に対する生物学的活性のための小さな化学物質(1500より小さい分子量)の合成及びスクリーニングであった。この計画は、化学合成及び生物学的スクリーニングから、多くのタイプの致命的な悪性腫瘍に対する治療法を見出す目的で、ヒトでの臨床試験への論理的進行のための前臨床試験までの事象の進行を改善及び効率化するために組織された。天然産物並びに原核生物、無脊椎動物、植物採集物、及び世界中からの他の供給源からの抽出物のスクリーニングに加えて、学術的及び工業的原料からの数十万の化学化合物の合成及びスクリーニングは、潜在的な新規で有用な薬剤としての新規なリード構造の識別のための主要なアプローチであったとともに、主要なアプローチであり続ける。このことは、ワクチン、治療抗体、サイトカイン、リンホカイン、腫瘍血管発生(血管新生)阻害剤又は腫瘍細胞の遺伝的組成及び他の生物学的応答修飾物質を変えるための遺伝子療法及びアンチセンス療法を用いてヒト免疫系を刺激するように設計された生物療法を含む他の計画に加えてである。
【0005】
NCI、学術的又は工業的な研究開発研究所における国内外の他の政府機関によって援助される作業の結果、生物学的、化学的及び臨床的情報の特別組織が形成された。さらに、大型の化学ライブラリが創設されるとともに、成功裏に使用されてきたインビトロ及びインビボの生物学的スクリーニングに大いに特徴付けられてきた。しかしながら、これらの計画を前臨床的に及び臨床的に後援する過去30年に亘って費やされた何百億ドルから、有効な治療薬の成功裏の開発をもたらしたほんの少数の化合物が、同定又は発見されてきた。それでもなお、インビトロ及びインビボの生物学的システム、及び臨床研究に至るさらなる動物研究を保証するために使用される「決定木」が認証されてきた。これらの計
画、生物学的モデル、臨床試験プロトコル及びこの作業により開発された他の情報は、任意の新規治療薬の発見及び開発にとって依然として重要である。
【0006】
前臨床試験及び臨床評価のための連邦政府の規制上の要件を満たした化合物の多くは、不運にもヒトの臨床試験において失敗に終わるか、期待外れであった。多くの化合物は、最大耐量(MTD)及び副作用プロファイルを決定するために使用されるヒト臨床第I相用量漸増試験の過程で発見された厄介な又は特異な副作用を有することが見出された。幾つかの場合において、これらの毒性又はこれらの毒性の程度は、前臨床毒性試験において同定されなかったか、予期されなかった。他の場合では、特定の腫瘍タイプ、分子標的又は生物学的経路に対して潜在的な固有活性をインビトロ及びインビボ研究で示唆した化学物質が、政府(例えば、米国食品医薬品局)の認定した施設内治験審査委員会(IRB)で承認された臨床試験で、特定の癌適応症/タイプの特定試験が評価されたヒト第II相臨床試験において成功しなかった。さらに、潜在的な新規薬剤は、有意な臨床的有効性が示されることができなかった無作為化第III相臨床試験において評価された場合がある;そのような場合は、また、大きな失望及び期待外れの要因であった。最終的に、多数の化合物が商品化に到達したが、それらの最終的な臨床的有用性は、単剤療法(25%より小さい奏効率)及び厄介な用量制限副作用(グレードIII及びIV)(例えば、骨髄抑制、神経毒性、心臓毒性、胃腸毒性、又は他の有意な副作用)としての低い有効性によって制限されてきた。
【0007】
多くの場合において、ヒト臨床試験への治験化合物の開発及び移行に多大な時間及び費用を生じた後、そして臨床的失敗が生じた場合は、より良好な類似物を創生するために、異なる構造であるが潜在的に関連した作用機序を有する薬剤を探求するために、又は、薬剤の他の修飾を企てるために、実験室に戻る傾向が見られた。幾つかの場合において、選択された患者又は癌適応症における副作用プロファイル又は治療効果によるある程度の改善を行う目的で、さらなる第I相又は第II相臨床試験を試みるための努力がなされてきた。そのような場合の多くにおいて、結果は、製品登録に向けてのさらなる臨床開発を保証するための有意に十分な改善を実現しなかった。市販品にとってさえ、それらの最終的な用途は、準最適な性能によって依然として制限されている。
【0008】
癌患者のために承認された治療法が極めて少ないこと、及び、癌は、多数の病因を伴う疾患の一群であるとともに、治療的介入による患者の奏効及び生存は、疾患適応症、浸潤及び転移拡大の段階、患者の性別、年齢、健康状態、治療歴又は他の疾患、治療効果を促進又は遅らせることができる遺伝子マーカー、及び他の要因を含む処置の成功又は失敗の役割を果たす多くの要因との複合体であるという認識に伴って、短期間での治療の機会は、実現が難しいままである。さらに、癌の発生率は、米国癌協会による米国内の2003年に対して予測された約4%の増加に伴って増加し続けており、130万以上の新規の癌症例が推測されている。それに加えて、乳癌に対するマンモグラフィ及び前立腺癌に対するPSA検査などの診断における進歩に伴って、より多くの患者が、より若い年齢で診断されている。癌を治療することの困難性のために、患者の治療の選択肢は、しばしば、急速に使い尽くされ、さらなる治療計画が切実に必要となっている。最も限られた患者集団にとってさえ、任意の付加的な治療機会は、極めて価値があるであろう。本発明は、ジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適に投与された化学化合物の治療的有効性を改善するための発明に関する組成物及び方法に焦点を合わせている。
【0009】
関連文献として、Foye,W.O.、“Cancer Chemotherapeutic Agents(癌化学療法剤)”American Chemical Society,1995、並びにDorr,R.T.及びVon Hoff,D.D.、“Cancer Chemotherapy Handbook(化学療法ハンドブック)”Appleton and Lange、1994が挙げられる。
【0010】
したがって、準最適に投与される化学化合物及び治療組成物の治療効果を改善する組成物及び方法の必要性が存在する。多形性膠芽腫などの悪性神経膠腫を治療するための、並びに乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因するものなどの進行性の二次性脳腫瘍を治療するための方法及び組成物に対する特別な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、準最適に投与された化学化合物及び治療組成物の治療効果を改善するための組成物及び方法に関して上記の必要性を満たす。具体的には、本発明は癌、特に多形性膠芽腫などの悪性神経膠腫並びに乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因する癌患者における進行性の二次性脳腫瘍に苦しむ患者における、準最適な性能を有する化学的薬剤の有用性を改善するための新規組成物及び方法に関する。本発明は、新規な改善、薬剤成分、剤形、賦形剤、溶媒、希釈剤、薬物送達システム、防腐剤、より正確な薬剤投与、改善された用量決定及びスケジュール、毒性モニタリング及び改良、毒性を回避する又は低減するための技術又は薬剤、診断キットの使用、又は薬物動態若しくは代謝モニタリングアプローチを介した表現型又は遺伝子型決定の使用による治療薬を用いたより良好な結果を有する患者を識別/予測するための技術及びツールを記載する。本発明は、また、薬物送達システム、新規プロドラッグ、ポリマー複合体、新規投与経路、化合物の活性を増強するか、準最適な細胞効果又は亜致死障害の修復を抑制するための、あるいは、アポトーシスなどのより破壊的な細胞相中に細胞を「押し込む」ための他の薬剤の使用にも関する。幾つかの場合において、これらの準最適な治療法の使用は、放射線照射又は他の従来の化学療法剤、あるいは、抗体、ワクチン、サイトカイン、リンホカインなどの生物学的薬剤、遺伝子及びアンチセンス治療、もしくは、他の生物学的薬剤と一緒に、新規アプローチ及び有意な改善を提供するであろう。
【0012】
本発明の組成物及び方法において、用語「準最適な治療法」は、第I相毒性試験が、さらなるヒトの臨床評価を除外した薬剤を含む。この用語は、また、制限された(25%より小さい奏効率)又は有意差のない腫瘍応答が識別された第II相試験からのそのような薬剤を含む。また、準最適な治療法は、その結果が、単剤療法としての臨床成績(すなわち、奏効率)が25%未満であるか、副作用が広範な有用性を制限するのに十分に厳しくて商品化又は市販薬に対する政府機関による申請又は承認を保証するのには医学的に又は統計的に重要ではない、そのような薬剤、第III相臨床試験の対象を含む。準最適な臨床活性を有する薬剤として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない;ジアンヒドロガラクチトール及びジアセチルジアンヒドロガラクチトール並びにそれらの誘導体若しくは類似体などの置換ヘキシトール。より詳細には、本発明の方法及び組成物はまた、ジアンヒドロガラクチトール及びジアセチルジアンヒドロガラクチトール、特にジアンヒドロガラクチトールを含む置換ヘキシトールに焦点を合わせている。
【0013】
本発明の一態様は、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置のための方法であり、該方法はジアンヒドロガラクチトール、ジアンヒドロガラクチトールの誘導体又は類似体、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール、及びジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体又は類似体からなる群から選択されるヘキシトール誘導体の治療有効量を投与することを含む。
【0014】
本発明の別の一態様は、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置のためのヘキシトール誘導体の投与の有効性を改善するための及び/又は副作用を低減するための方法であって、以下のステップ;
(1)悪性腫瘍の処置のためのヘキシトール誘導体の投与の有効性及び/又は副作用の発生と関連付けられた少なくとも一つの要因又はパラメータを同定するステップ;及び
(2)悪性腫瘍の処置のためのヘキシトール誘導体の投与の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減するために、要因又はパラメータを変更するステップ
を含む方法。
【0015】
この方法において、要因又はパラメータは、
(1)用量変更;
(2)投与経路;
(3)投与スケジュール;
(4)病期の選択;
(5)患者の選択;
(6)患者/疾患の表現型;
(7)患者/疾患の遺伝子型;
(8)前/後処置の調製;
(9)毒性管理;
(10)薬物動態学的/薬力学的モニタリング;
(11)薬物の組み合わせ
(12)化学増感;
(13)化学増強;
(14)処置後の患者の管理;
(15)代替医療/治療のサポート;
(16)バルク製剤の改善;
(17)希釈剤系;
(18)溶媒系;
(19)賦形剤;
(20)剤形;
(21)投薬キット及び包装;
(22)薬物送達系;
(23)薬物複合体形態;
(24)化合物類似体;
(25)プロドラッグ;
(26)多剤システム;
(27)生物学的治療の増強;
(28)生物学的治療の耐性変更;
(29)放射線治療の増強;
(30)新規な作用機序;
(31)選択的標的細胞集団治療法;及び
(32)活性増強剤の使用
からなる群から選択することができる。
【0016】
薬物療法は、癌などの過剰増殖性疾患を治療するために適用することができる。具体的には、薬物療法は、多形性膠芽腫などの悪性神経膠腫及び乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因するものなどの進行性の二次性脳腫瘍を治療するために適用することができる。一つの選択肢では、薬物療法は、癌幹細胞に対して細胞傷害活性を有する。
【0017】
一般的に、準最適に適用される薬物療法は、置換ヘキシトールの投与を含む。一つの選択肢において、好ましくは、置換ヘキシトールは、ジアンヒドロガラクチトール及びその誘導体又は類似体からなる群より選択される。この選択肢において、より好ましくは、置換ヘキシトールは、ジアンヒドロガラクチトールである。別の選択肢において、好ましくは、置換ヘキシトールは、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール及びその誘導体又は類似体からなる群より選択される。この選択肢において、より好ましくは、置換ヘキシトー
ルは、ジアセチルジアンヒドロガラクチトールである。
【0018】
以下の選択肢は、薬物療法の有効性を改善するために及び/又は副作用を低減するために、上記の要因又はパラメータの変更とともに、ジアンヒドロガラクチトール、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール、あるいは、以下に記載の幾つかの場合において、ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールの何れかの誘導体又は類似体の使用について記載している。
【0019】
本発明の別の態様は、
(i)非修飾のヘキシトール誘導体に比べて、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、治療有効量の修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、若しくはプロドラッグ;
(ii)(a)治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、若しくはプロドラッグ;及び
(b)少なくとも1つのさらなる治療薬、化学増感に供される治療薬、化学増強に供される治療薬、希釈剤、賦形剤、溶媒系、又は薬物送達系
とを含む組成物であって、非修飾のヘキシトール誘導体に比べて、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する組成物:
(iii)非修飾のヘキシトール誘導体に比べて、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、剤形中に組み入れられた治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、若しくはプロドラッグ;
(iv)非修飾のヘキシトール誘導体に比べて、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、投薬キット及び包装中に組み入れられた治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、若しくはプロドラッグ;並びに
(v)非修飾のアルキル化ヘキシトール誘導体に比べて、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、バルク製剤の改善に供される治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、若しくはプロドラッグ
からなる群から選択される選択肢を含む、再発性神経膠腫の治療又は乳腺腺癌、小細胞肺癌、若しくは黒色腫の転移に起因するものなどの進行性の二次性脳腫瘍を治療するための、上記ヘキシトール誘導体を用いて準最適に施された薬物治療の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減するための組成物である。
【0020】
典型的には、組成物は、癌治療、特に再発性の多形性膠芽腫などの悪性神経膠腫の治療や、乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因するものなどの進行性の二次性脳腫瘍の処置に対して増大した有効性や低減した副作用を有する。一つの選択肢では、組成物は、癌幹細胞に対して細胞傷害活性を有する。一般的に、非修飾の治療剤はジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールである。
【0021】
本発明の別の態様は、悪性腫瘍の処置のための上記ヘキシトール誘導体の2つ以上の異なる投与分を、別々に包装して含むキットである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のこれらと他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照することにより、より理解するであろう。
図1図1は、MGMT陰性小児ヒトGBM細胞株SF188(第1パネル)、MGMT陰性ヒトGBM細胞株U251(第2パネル)及びMGMT陽性ヒトGBM細胞株T98G(第3パネル)でのジアンヒドロガラクチトール(VAL-083)及びテモゾロミド(TMZ)の活性を示す;個々の細胞株で、MGMT及びアクチン(対照として)の検出を示す免疫ブロットが、細胞株の特性を提供する表の下に示されている。
図2図2は、用量依存性の全身曝露を示すジアンヒドロガラクチトールの血漿濃度-時間プロファイルを示す(1コホート当たり3人の対象の平均)。
図3図3は、2サイクルのジアンヒドロガラクチトール処置後のヒト対象のMRIスキャン結果を示す。異常亢進の太いコンフルエント領域が減少し、今ではより不均一に現れる(左2つのスキャン、T=0;右2つのスキャン、T=64日)。
【発明の詳細な説明】
【0023】
本発明は、特に多形性膠芽腫などの悪性神経膠腫癌患者に対して、あるいは乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因する癌などの進行性の二次性脳腫瘍の治療に対して準最適な性能を有するジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む化学薬剤の有用性を改善するための新規な組成物及び方法に関する。
【0024】
本発明は、新規開発の改良された薬剤成分、剤形、賦形剤、溶媒、希釈剤、薬物送達システム、防腐剤、より正確な薬剤投与、改善された用量決定及びスケジュール、毒性モニタリング及び改良、毒性を回避する又は低減するための技術又は薬剤、診断キットの使用、あるいは、薬物動態又は代謝モニタリングアプローチを介した表現型又は遺伝子型の使用による治療薬を用いたより良好な結果を有するような患者を同定/予測するための技術及びツール、薬物送達システム、新規プロドラッグ、ポリマー複合体、新規投与経路、化合物の活性を増強するための、又は、準最適な細胞効果又は亜致死障害の修復を抑制するための、あるいは、アポトーシス等のより破壊的な細胞相中に細胞と「押し込む」ための他の薬剤の使用を記載する。幾つかの場合において、本発明の実施例として、放射線、他の従来の化学療法剤、又は、抗体、ワクチン、サイトカイン、リンホカイン等の生物学的薬剤、遺伝子及びアンチセンス治療、あるいは、他の化学的療法剤又は生物学的療法剤と併用したこれらの準最適な治療法の使用が挙げられる。
【0025】
定義によれば、用語「準最適な治療法」は、第I相毒性試験が、さらなるヒトの臨床評価を除外した薬剤を含む。この用語は、また、制限された又は有意差のない腫瘍応答が識別された第II相試験からのそのような薬剤を含む。さらに、準最適な治療法はまた、その結果が、単剤療法としての奏効率が25%未満であるか、副作用が広範な有用性を制限するのに十分に厳しいために商品化又は市販薬に対する政府機関による申請又は承認を保証するのには医学的に又は統計的に重要ではない、そのような薬剤、第III相臨床試験の対象も含む。準最適な臨床活性を有する薬剤として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない;ジアンヒドロガラクチトール及びジアセチルジアンヒドロガラクチトール。
【0026】
(I)準最適な治療法
一般的に、準最適な治療活性を有する化合物の例として、以下のクラスの化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない;DNA/核酸結合/反応薬、トポイソメラーゼ阻害剤、抗チューブリン剤、シグナル伝達阻害剤、タンパク質合成阻害剤、DNA転写酵素の阻害剤、DNA/RNA挿入剤、DNAマイナーグルーブバインダー、ステロイドホルモン作用を阻害する薬剤、光化学的に活性な薬剤、免疫修飾剤、低酸素選択的サイ
トトキシン、化学的放射線増感剤及び保護剤、アンチセンス核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド治療薬、免疫修飾剤、抗腫瘍抗生物質、癌ワクチン等の生物学的薬剤、抗体療法、サイトカイン、リンホカイン、遺伝子治療、核酸治療及び細胞療法。幾つかの場合において、化合物は、二つ以上のこれらのクラスに含まれる;そのような化合物は、また、本発明の範囲内である。
【0027】
幾つかの場合において、化合物又は組成物は、一つ以上の適応症に対する近年の臨床用途となっているが、悪性腫瘍に関連する細胞型の観点から、又は、悪性腫瘍の悪性度の観点から、例えば、異なるタイプの悪性腫瘍などの他の適応症に対して、依然として準最適であると見なされている。そのような化合物又は組成物は、本発明の範囲内である。特定の例としては、ジアンヒドロガラクチトール、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール、並びにそれらの誘導体及び類似体が含まれる。
【0028】
とりわけ、本発明は、ガラクチトール、置換ガラクチトール、及びそれらの誘導体又は類似体に向けられ、ジアンヒドロガラクチトール及びジアセチルジアンヒドロガラクチトール、並びにそれらの誘導体又は類似体を含む。
【0029】
ジアンヒドロガラクチトールの構造は、以下の式(I)によって示される。
【0030】
【化1】
【0031】
また、例えば、ヒドロキシル基の水素が低級アルキル基で置換されているか、エポキシド環に結合している水素が低級アルキル基で置換されているか、あるいは、低級アルキル基で置換されるか、例えば、ハロ基で置換されたヒドロキシル基を有する同じ炭素に結合したメチル基を有するジアンヒドロガラクチトールの誘導体又は類似体は、本発明の範囲内である。
【0032】
ジアセチルジアンヒドロガラクチトールの構造は、以下の式(II)によって示される。
【0033】
【化2】
【0034】
また、例えば、アセチル部分の一部であるメチル基が低級アルキル基で置換されているか、エポキシド環に結合している水素が低級アルキル基で置換されているか、あるいは、低級アルキル基で置換されるか、例えば、ハロ基で置換されたアセチル基を有する同じ炭素に結合したメチル基を有するジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体又は類似体は、本発明の範囲内である。
【0035】
ジアンヒドロガラクチトールの特に適切な誘導体又は類似体は、以下からなる群から選択されるジアンヒドロガラクチトールの誘導体である:(i)ジアンヒドロガラクチトールの2つのヒドロキシル基の水素の一方又は両方が低級アルキルで置換されているジアンヒドロガラクチトールの誘導体;(ii)2つのエポキシド環に結合している水素の1つ又は複数が低級アルキルで置換されているジアンヒドロガラクチトールの誘導体;(iii)ジアンヒドロガラクチトールに存在する、ヒドロキシル基を有する同じ炭素に結合しているメチル基の一方又は両方がC-C低級アルキルで置換されているジアンヒドロガラクチトールの誘導体;及び(iv)ジアンヒドロガラクチトールに存在する、ヒドロキシル基を有する同じ炭素に結合しているメチル基の一方又は両方が、メチル基の水素をハロ基で置換することによって、ハロ基で置換されているジアンヒドロガラクチトールの誘導体。
【0036】
ジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体又は類似体は、以下からなる群から選択されるジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体である:(i)アセチル部分の一部であるメチル基の一方又は両方がC-C低級アルキルで置換されているジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体、(ii)エポキシド環に結合している水素の一方又は両方が低級アルキルで置換されているジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体、(iii)アセチル基を有する同じ炭素に結合しているメチル基の一方又は両方がC-C低級アルキルで置換されているジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体、及び(iv)ヒドロキシル基を有する同じ炭素に結合しているメチル基の一方又は両方が、ハロ基でメチル基の水素を置換することによりハロ基で置換されているジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体。
【0037】
他の誘導体及び類似体は、当技術分野で知られている。これらの誘導体又は類似体は、該誘導体又は類似体の薬理学的活性に実質的に影響しない1つ以上の基で必要に応じて置換することができる。これらの基は、当技術分野で一般に知られている。任意の置換基として使用することができる多数の一般的な基の定義が以下に提供される;しかしながら、これらの定義からの任意の基の省略が、そのような基は任意の置換基のための化学的及び薬理学的要件が満たされる限り、任意の置換基として使用することができないことを意味すると解釈することはできない。
【0038】
本明細書で用いられる「アルキル」の用語は、随意に置換されていてよい炭素原子1個から12個までの、非分枝、分枝、若しくは環状の飽和炭化水素残基、又はこれらの組み合わせを意味し、該アルキル残基は非置換の場合、C及びHだけを含んでいる。非分枝又は分枝の飽和炭化水素残基は炭素原子1個から6個までであるのが典型的であり、これを本明細書で「低級アルキル」と呼ぶ。アルキル残基が環状であり、環を含む場合、炭化水素残基は少なくとも3個の炭素原子を含むことが理解され、3個というのは環を形成する最小の数である。本明細書で用いられる「アルケニル」の用語は、炭素-炭素二重結合を1つ又は複数有する、非分枝、分枝、又は環状の炭化水素残基を意味する。本明細書で用いられる「アルキニル」の用語は、炭素-炭素三重結合を有する、非分枝、分枝、又は環状の炭化水素残基を意味し、該残基は二重結合も1つ又は複数含むことができる。「アルケニル」又は「アルキニル」の使用に関して、複数の二重結合が存在しても芳香環を生成することはできない。本明細書で用いられる「ヒドロキシアルキル」、「ヒドロキシアルケニル」、及び「ヒドロキシアルキニル」の用語はそれぞれ、置換基としてヒドロキシル基を1つ又は複数含むアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を意味し、以下に詳述する通り、さらなる置換基が随意に含まれてもよい。本明細書で用いられる「アリール」の用語は、よく知られている芳香族性の特徴を有する単環又は縮合二環部分を意味し、例としてフェニル及びナフチルが含まれ、これらは随意に置換されていてもよい。本明細書で用いられる、「ヒドロキシアリール」の用語は、置換基としてヒドロキシル基を1つ又は複数含むアリール基を意味し、以下にさらに詳述する通り、さらなる置換基が随意に含まれていてもよい。本明細書で用いられる「ヘテロアリール」の用語は、芳香族性の特徴を有し、O、S、及びNから選択されるヘテロ原子を1つ又は複数含む、単環又は縮合二環系を意味する。ヘテロ原子が含まれることにより、5員環及び6員環での芳香族性が可能となる。典型的な複素環式芳香族系には、単環C-C複素環式芳香族基、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、及びイミダゾリル、並びにこれら単環複素環式芳香族基をフェニル環と、又は任意の複素環式芳香族単環基と縮合してC-C10二環式基を形成することにより形成される縮合二環部分、例えば、インドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ピラゾリルピリジル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、及び当技術分野において知られている他の環系が含まれる。環系にわたる非局在化電子分布に関して芳香族性の特徴を有する、あらゆる単環又は縮合環二環系がこの定義に含まれる。この定義は、また、少なくとも分子の残りの部分に直接結合している環が、芳香族性に特徴的である非局在化電子分布を含めた芳香族性の特徴を有する場合の二環式基も含む。典型的に、環系は5個から12個の環員原子、及び最高4個のヘテロ原子を含んでおり、ヘテロ原子はN、O、及びSからなる群から選択される。しばしば、単環式ヘテロアリールは、環員を5個から6個含み、N、O、及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を最高3個含み、しばしば、二環式ヘテロアリールは、環員を8個から10個含み、N、O、及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を最高4個含む。ヘテロアリール環構造におけるヘテロ原子の数及び配置は、芳香族性及び安定性の周知の制約にしたがうものであり、この場合、安定性は、複素環式芳香族基が生理学的温度の水にさらされても速やかに分解することなく十分安定であることを必要とする。本明細書で用いられる「ヒドロキシヘテロアリール」の用語は、置換基としてヒドロキシル基を1つ又は複数含むヘテロアリール基を意味し、以下にさらに詳述する通り、さらなる置換基が随意に含まれてもよい。本明細書で用いられる「ハロアリール」及び「ハロヘテロアリール」の用語は、少なくとも1つのハロ基で置換されているアリール基及びヘテロアリール基をそれぞれ意味し、「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲンを意味し、ハロゲンが塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択されるのが典型的であり、以下に詳述する通り、さらなる置換基が随意に含まれてもよい。本明細書で用いられる「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、及び
「ハロアルキニル」の用語は、少なくとも1つのハロ基で置換されているアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基をそれぞれ意味し、「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲンを意味し、ハロゲンが塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選択されるのが典型的であり、以下に詳述する通り、さらなる置換基が随意に含まれてもよい。
【0039】
本明細書で用いられる「随意に置換されている」の用語は、随意に置換されていると言及する特定の基(単数若しくは複数)が非水素の置換基を有していなくてもよく、又はこの基(単数若しくは複数)が、生じる分子の化学的及び薬理学的活性に整合する1つ又は複数の非水素の置換基を有していてもよいことを示す。別段の特定がなければ、存在することができるこのような置換基の合計数は、記載されている非置換形態の基の上に存在する水素原子の合計数に等しく、このような置換基は最大数より少ない数で存在し得る。随意の置換基がカルボニル酸素(C=O)などの二重結合により結合している場合、該カルボニル基は、随意の置換基が結合している炭素原子の利用可能な原子価を2つ占めるので、したがって含まれ得る置換基の合計数は、利用可能な原子価の数に応じて減少し得る。本明細書で用いられる「置換されている」の用語は、「随意に置換されている」の一部として用いられていても、又はその他に用いられていても、特定の基、部分、又はラジカルを修飾するために用いられる場合は、1つ又は複数の水素原子が、各々、相互に独立に、同じ又は異なる置換基(単数若しくは複数)で置換されていることを意味する。
【0040】
特定の基、部分、又はラジカルにおける飽和炭素原子を置換するのに有用な置換基には、限定されるものではないが、-Z、=O、-OZ、-SZ、=S、-NZ、=NZ、=N-OZ、トリハロメチル、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、=N、-N、-S(O)、-S(O)NZ、-S(O)O、-S(O)OZ、-OS(O)OZ、-OS(O)O、-OS(O)OZ、-P(O)(O、-P(O)(OZ)(O)、-P(O)(OZ)(OZ)、-C(O)Z、-C(S)Z、-C(NZ)Z、-C(O)O、-C(O)OZ、-C(S)OZ、-C(O)NZ、-C(NZ)NZ、-OC(O)Z、-OC(S)Z、-OC(O)O、-OC(O)OZ、-OC(S)OZ、-NZC(O)Z、-NZC(S)Z、-NZC(O)O、-NZC(O)OZ、-NZC(S)OZ、-NZC(O)NZ、-NZC(NZ)Z、-NZC(NZ)NZが含まれ、式中、Zは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各Zは、独立して水素若しくはZであり、各Zは、独立してZであり、又は代替的に、2つのZはこれらが結合している窒素原子と一緒になって4-、5-、6-、若しくは7員シクロヘテロアルキル環構造を形成し、このシクロヘテロアルキル環構造には、N、O、及びSからなる群から選択される同じ又は異なるヘテロ原子1個から4個が随意に含まれてもよい。具体的な例として、-NZは、-NH、-NH-アルキル、-N-ピロリジニル、及びN-モルホリニルを含むことを意味するが、これら特定の代替基に限定されることはなく、当技術分野において知られている他の代替基を含む。同様に、別の具体的な一例として、置換アルキルは、-アルキレン-O-アルキル、-アルキレン-ヘテロアリール、-アルキレン-シクロヘテロアリ-ル、-アルキレン-C(O)OZ、-アルキレン-C(O)NZ、及び-CH-CH-C(O)-CHを含むことを意味するが、これら特定の代替基に限定されず、当技術分野において知られている他の代替基を含む。1つ又は複数の置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、限定されないがシクロアルキル及びシクロヘテロアルキルを含む環状環を形成することができる。
【0041】
同様に、特定の基、部分、又はラジカルにおける不飽和炭素原子を置換するのに有用な
置換基には、これらに限定されるものではないが、-Z、ハロ、-O、-OZ、-SZ、-S、-NZ、トリハロメチル、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、-N、-S(O)、-S(O)O、-S(O)OZ、-OS(O)OZ、-OS(O)O-、-P(O)(O、-P(O)(OZ)(O)、-P(O)(OZ)(OZ)、-C(O)Z、-C(S)Z、-C(NZ)Z、-C(O)O、-C(O)OZ、-C(S)OZ、-C(O)NZ、-C(NZ)NZcZ、-OC(O)Z、-OC(S)Z、-OC(O)O、-OC(O)OZ、-OC(S)OZ、-NZC(O)OZ、-NZC(S)OZ、-NZC(O)NZ、-NZC(NZ)Z、及び-NZC(NZ)NZが含まれ、Z、Z、及びZは上記に定義した通りである。
【0042】
同様に、ヘテロアルキル及びシクロヘテロアルキル基における窒素原子を置換するのに有用な置換基には、これらに限定されるものではないが、-Z、ハロ、-O、-OZ、-SZ、-S、-NZ、トリハロメチル、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、-S(O)、-S(O)O、-S(O)OZ、-OS(O)OZ、-OS(O)O、-P(O)(O、-P(O)(OZ)(O)、-P(O)(OZ)(OZ)、-C(O)Z、-C(S)Z、-C(NZ)Z、-C(O)OZ、-C(S)OZ、-C(O)NZ、-C(NZ)NZ、-OC(O)Z、-OC(S)Z、-OC(O)OZ、-OC(S)OZ、-NZC(O)Z、-NZC(S)Z、-NZC(O)OZ、-NZC(S)OZ、-NZC(O)NZ、-NZC(NZ)Z、及び-NZC(NZ)NZが含まれ、Z、Z、及びZは上記に定義した通りである。
【0043】
本明細書に記載される化合物は、1つ又は複数のキラル中心及び/又は二重結合を含むことができ、そのため二重結合異性体(すなわち、E及びZなどの幾何異性体)、エナンチオマー、又はジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。本発明は各々の単離されている立体異性体型(例えば、エナンチオマー的に純粋な異性体、E及びZ異性体、並びに他の立体異性体)、並びにラセミ混合物、ジアステレオマーの混合物、及びE異性体とZ異性体の混合物を含む、様々な度合いのキラル純度又はEとZの割合の立体異性体の混合物を含む。したがって、本発明が1つ又は複数の立体異性体に具体的に限定されない限り、本明細書に示す化学構造は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何異性的に純粋な、エナンチオマー的に純粋な、又はジアステレオマー的に純粋な)、並びにエナンチオマー混合物及び立体異性体混合物を含めて、記載された化合物の可能なエナンチオマー及び立体異性体を全て包含する。エナンチオマーの混合物及び立体異性体の混合物は、当業者にはよく知られている分離技術又はキラル合成技術を用いて、これらの成分のエナンチオマー又は立体異性体に分割することができる。本発明は各々の単離されている立体異性体型、及びラセミ混合物を含めた様々な度合いのキラル純度の立体異性体の混合物を含む。本発明はまた、様々なジアステレオマーも包含する。他の構造が特定の異性体を示すように見えるかもしれないが、これは便宜上に過ぎず、本発明を描写された異性体に限定しようとするものではない。化学名が化合物の異性体型を特定しない場合、化学名は、化合物の可能な異性体型又は異性体型の混合物のあらゆる形態を意味する。
【0044】
化合物はいくつかの互変異性体型で存在することもあり、本明細書における1つの互変異性体の記述は便宜上にすぎず、示されている型の他の互変異性体を包含することも理解される。したがって、特に1つの互変異性体に限定されない限り、本明細書に示す化学構造は、記述する化合物の可能な互変異性体型を全て包含する。本明細書で用いられる「互変異性体」の用語は、相互に非常に容易に変化するため平衡状態で一緒に存在することができる異性体を意味し、平衡状態は、安定性を考慮して互変異性体の1つを強く優先する
ことがある。例えば、ケトン型及びエノール型は、1つの化合物の2つの互変異性体型である。
【0045】
本明細書で用いられる「溶媒和物」の用語は、溶媒和(溶媒分子と、溶質の分子若しくはイオンとの組み合わせ)によって形成される化合物、又は溶質のイオン若しくは分子、すなわち本発明の化合物と1つ若しくは複数の溶媒分子からなる凝集物を意味する。水が溶媒である場合、相当する溶媒和物は「水和物」である。水和物の例には、これだけには限定されないが、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、六水和物、及び他の水を含む種が含まれる。当業者であれば、本発明の化合物の薬学的に許容される塩及び/又はプロドラッグは、溶媒和物の形態においても存在し得ることを理解されたい。溶媒和物は、本発明の化合物の調製の一部である水和によって、又は本発明の無水化合物による水分の自然の吸収によって形成されるのが一般的である。
【0046】
本明細書で用いられる「エステル」の用語は、分子の-COOH官能基のいずれかが-COOR官能基によって置換されている本発明の化合物のあらゆるエステルを意味し、エステルのR部分は、安定なエステル部分を形成する任意の炭素含有基であり、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、及びこれらの置換されている誘導体が含まれる。本発明の化合物の加水分解性のエステルは、化合物のカルボキシルが加水分解性のエステル基の形態において存在する化合物である。すなわち、これらのエステルは薬学的に許容され、インビボで相当するカルボキシル酸に加水分解され得る。
【0047】
上記の置換基の他に、アルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、代替的に、又は追加的に、C-Cアシル、C-Cヘテロアシル、C-C10アリール、C-Cシクロアルキル、C-Cヘテロシクリル、又はC-C10ヘテロアリールによって置換することができ、これらの置換基の各々は随意に置換されていてもよい。また、さらに、環のメンバーを5個から8個有する環を形成することができる2つの基が、同じ又は隣接する原子上に存在する場合、該2つの基は随意に、これらが結合する置換基における原子(単数又は複数)と一緒になってこのような環を形成することができる。
【0048】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、及び「ヘテロアルキニル」等は、対応する炭化水素(アルキル、アルケニル、及びアルキニル)基と同様に定義されるが、「ヘテロ」の用語は、主鎖残基内に1~3個のO、S、若しくはNヘテロ原子又はこれらの組み合わせを含む基を意味し、したがって対応するアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基の少なくとも1つの炭素原子が、特定のヘテロ原子の1つによって置換されて、それぞれヘテロアルキル、ヘテロアルキニル、又はヘテロアルキニル基を形成する。化学的安定性の理由から、別段の特定がなければ、このような基は、ニトロ基又はスルホニル基におけるようにN又はS上にオキソ基が存在する場合を除いて、2つを超える近接するヘテロ原子を含まないことも理解される。
【0049】
本明細書で用いられる「アルキル」は、シクロアルキル基及びシクロアルキルアルキル基を含むが、「シクロアルキル」の用語は本明細書において、環の炭素原子により接続されている炭素環式の非芳香族基を記載するのに用いることができ、「シクロアルキルアルキル」は、アルキルリンカーを介して分子に接続されている炭素環式の非芳香族基を記載するのに用いることができる。
【0050】
同様に、「ヘテロシクリル」は、環員として少なくとも1つのヘテロ原子(典型的にはN、O、及びSから選択される)を含み、環原子(C(炭素連結)又はN(窒素連結)であってもよい)を介して分子に接続している、非芳香族性環状基を記載するのに用いるこ
とができ、「ヘテロシクリルアルキル」は、リンカーを介して別の分子に接続しているような基を記載するのに用いることができる。ヘテロシクリルは完全に飽和していても、又は部分的に飽和していてもよいが、非芳香族性である。シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクリル基、及びヘテロシクリルアルキル基に適するサイズ及び置換基は、アルキル基に対して上記に記載したものと同じである。ヘテロシクリル基は、環員としてN、O、及びSから選択されるヘテロ原子を1個、2個、又は3個含むのが典型的であり、N又はSは、ヘテロシクリル系におけるこれらの原子上に一般的に見られる基で置換されていてもよい。本明細書で用いられる、これらの用語には、結合している環が芳香族性でない限り、二重結合を1つ又は2つ含む環も含まれる。置換シクロアルキル基及び置換ヘテロシクリル基には、基の結合位置が、芳香族/複素環式芳香族の環に対してではなくシクロアルキル又はヘテロシクリル環に対して存在するのであれば、芳香族環又は複素環式芳香族環に縮合しているシクロアルキル環又はヘテロシクリル環も含まれる。
【0051】
本明細書で用いられる「アシル」は、カルボニル炭素原子の2つの利用可能な原子価の位置の1つに結合している、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はアリールアルキル基を含む基を包含し、ヘテロアシルは、カルボニル炭素以外の少なくとも1つの炭素が、N、O、及びSから選択されるヘテロ原子によって置換されている、相当する基を意味する。
【0052】
アシル基及びヘテロアシル基は、これらが結合している任意の基又は分子にカルボニル炭素原子の利用可能な原子価により結合する。これらの基は、典型的には、ホルミル、アセチル、ピバロイル、及びベンゾイルを含むC-Cアシル基、並びにメトキシアセチル、エトキシカルボニル、及び4-ピリジノイルを含むC-Cヘテロアシル基である。
【0053】
同様に、「アリールアルキル」及び「ヘテロアリールアルキル」は、アルキレンなどの連結基によりこれらの結合位置に結合する、芳香族環系及び複素環式芳香族環系を意味し、連結基には置換又は非置換の、飽和又は不飽和の、環状又は非環式のリンカーが含まれる。リンカーは、典型的には、C-Cアルキルである。これらのリンカーは、カルボニル基も含むことができ、それゆえこれらはアシル又はヘテロアシル部分として置換基を提供できるようになる。アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基におけるアリール環又はヘテロアリール環は、アリール基に対して上記に記載したと同じ置換基で置換されていてもよい。アリールアルキル基は、アリール基に対して上記に定義した基で随意に置換されているフェニル環、及び非置換又は1つ若しくは2つのC-Cアルキル基又はヘテロアルキル基で置換されているC-Cアルキレンを含むのが好ましく、アルキル基又はヘテロアルキル基は随意に環化してシクロプロパン、ジオキソラン、又はオキサシクロペンタンなどの環を形成することができる。同様に、ヘテロアリールアルキル基は、アリール基上で典型的な置換基として上記に記載した基で随意に置換されているC-C単環ヘテロアリール基、及び非置換又は1個若しくは2個のC-Cアルキル基又はヘテロアルキル基で置換されているC-Cアルキレンを含むのが好ましく、あるいはヘテロアリールアルキル基は、随意に置換されているフェニル環、又はC-C単環ヘテロアリール、及び非置換又は1個若しくは2個のC-Cアルキル基又はヘテロアルキル基で置換されているC-Cヘテロアルキレンを含み、アルキル基又はヘテロアルキル基は随意に環化してシクロプロパン、ジオキソラン、又はオキサシクロペンタンなどの環を形成することができる。
【0054】
アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基が随意に置換されていると記載される場合、置換基は、基のアルキル若しくはヘテロアルキルの部分、又はアリール若しくはヘテロアリールの部分のいずれかにあってよい。アルキル又はヘテロアルキルの部分に随意に存在する置換基は、一般にアルキル基に対して上記に記載したものと同じであり、ア
リール又はヘテロアリールの部分に随意に存在する置換基は、一般にアリール基に対して上記に記載したものと同じである。
【0055】
本明細書で用いられる「アリールアルキル」基は、非置換の場合は炭化水素基であり、環及びアルキレン又は同様のリンカーにおける炭素原子の合計数によって記載する。したがって、ベンジル基はC7-アリールアルキル基であり、フェニルエチルはC8-アリールアルキルである。
【0056】
上記の「ヘテロアリールアルキル」は、連結基を介して結合しているアリール基を含む部分を意味し、アリール部分の少なくとも1つの環原子又は連結基における1つの原子がN、O、及びSから選択されるヘテロ原子であるという点で「アリールアルキル」と異なる。ヘテロアリールアルキル基は、本明細書において、組み合わされる環及びリンカーにおける原子の合計数にしたがって記載するものであり、これらにはヘテロアルキルリンカーを介して連結されるアリール基、アルキレンなどの炭化水素リンカーを介して連結されるヘテロアリール基、及びヘテロアルキルリンカーを介して連結されるヘテロアリール基が含まれる。このように、例えば、C7-ヘテロアリールアルキルには、ピリジルメチル、フェノキシ、及びN-ピロリルメトキシが含まれる。
【0057】
本明細書で用いられる「アルキレン」は、二価の炭化水素基を意味し、二価であることから、これは他の2つの基を一緒に連結することができる。典型的には、これは-(CH-を意味し、式中nは1~8であり、好ましくはnは1~4であり、特定される場合は、アルキレンが他の基によって置換されていてもよく、他の長さであってもよく、利用可能な原子価が鎖の反対側の末端である必要はない。
【0058】
一般的に、置換基に含まれる任意のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、又はアリール基若しくはアリールアルキル基は、それ自体、さらなる置換基によって随意に置換されていてもよい。これらの置換基の性質は、置換基に別段の記載がなければ主要な置換基自体に関して記載したものと同様である。
【0059】
本明細書で用いられる「アミノ」は、-NHを意味するが、アミノが「置換されている」又は「随意に置換されている」と記載される場合、この用語はNR’R”を含み、式中、各R’及びR”は独立してH又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、若しくはアリールアルキル基であり、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアリールアルキル基は、各々、相当する基に対して適切であると本明細書に記載する置換基で随意に置換されており、R’基及びR”基、並びにこれらが結合している窒素原子は、3員から8員環を随意に形成することができ、この3員から8員環は、飽和でも、不飽和でも、又は芳香族でもよく、環員としてN、O、及びSから独立に選択されるヘテロ原子を1~3個含んでおり、アルキル基に適すると記載されている置換基で随意に置換されており、あるいはNR’R”が芳香族基である場合、これはヘテロアリール基に典型的であると記載される置換基で随意に置換されている。
【0060】
本明細書で用いられる「炭素環」、「カルボシクリル」、又は「炭素環式」の用語は、環に炭素原子だけを含む環状環を意味し、「複素環」又は「複素環式」の用語は、ヘテロ原子を含む環を意味する。カルボシクリルは、完全に飽和されていても、又は部分的に飽和されていてもよいが、非芳香族性である。例えば、カルボシクリルはシクロアルキルを包含する。炭素環式及び複素環式の構造は、単環式、二環式、又は多環式の環系を有する化合物を包含し、このような系は、芳香族、複素環式、及び炭素環式の環を混合することができる。混合された環系は、記載される化合物の残りに結合している環に従って記載される。
【0061】
本明細書で用いられる「ヘテロ原子」の用語は、窒素、酸素、又はイオウなど、炭素又は水素ではない任意の原子を意味する。ヘテロ原子が鎖又は環の主鎖又は骨格の一部である場合、ヘテロ原子は少なくとも2価でなければならず、N、O、P、及びSから選択されるのが一般的である。
【0062】
本明細書で用いられる「アルカノイル」の用語は、カルボニル(C=O)基に共有結合しているアルキル基を意味する。「低級アルカノイル」の用語は、アルカノイル基のアルキル部分がC-Cであるアルカノイル基を意味する。アルカノイル基のアルキル部分は、上記に記載する通り、随意に置換されていてもよい。「アルキルカルボニル」の用語を代わりに用いることができる。同様に、「アルケニルカルボニル」及び「アルキニルカルボニル」の用語は、カルボニル基に連結しているアルケニル基又はアルキニル基をそれぞれ意味する。
【0063】
本明細書で用いられる「アルコキシ」の用語は、酸素原子に共有結合しているアルキル基を意味し、アルキル基がヒドロキシル基の水素原子を置き換えると考えてもよい。「低級アルコキシ」の用語は、アルコキシ基のアルキル部分がC-Cであるアルコキシ基を意味する。アルコキシ基のアルキル部分は、上記に記載した通り、随意に置換されていてもよい。本明細書で用いられる「ハロアルコキシ」の用語は、アルキル部分が1つ又は複数のハロ基で置換されているアルコキシ基を意味する。
【0064】
本明細書で用いられる「スルホ」の用語は、スルホン酸(-SOH)置換基を意味する。
【0065】
本明細書で用いられる「スルファモイル」の用語は、構造-S(O)NHの置換基を意味し、該基のNH部分の窒素は、上記に記載した通り、随意に置換されていてもよい。
【0066】
本明細書で用いられる「カルボキシル」の用語は、構造-C(O)Hの基を意味する。
【0067】
本明細書で用いられる「カルバミル」の用語は、構造-C(O)NHの基を意味し、該基のNH部分の窒素は、上記に記載した通り、随意に置換されていてもよい。
【0068】
本明細書で用いられる「モノアルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」の用語は、構造-Alk-NH-Alk及びAlk-N(Alk)(Alk)の基を意味し、式中、Alk、Alk、及びAlkは、上記に記載したアルキル基を意味する。
【0069】
本明細書で用いられる「アルキルスルホニル」の用語は、構造-S(O)-Alkの基を意味し、Alkは上記に記載したアルキル基を意味する。「アルケニルスルホニル」及び「アルキニルスルホニル」の用語は、同様に、それぞれアルケニル基及びアルキニル基に共有結合で結合しているスルホニル基を意味する。「アリールスルホニル」の用語は、構造-S(O)-Arの基を意味し、式中、Arは上記に記載したアリール基を意味する。「アリールオキシアルキルスルホニル」の用語は、構造-S(O)-Alk-O-Arの基を意味し、Alkは上記に記載したアルキル基であり、Arは上記に記載したアリール基である。「アリールアルキルスルホニル」の用語は、構造-S(O)-AlkArの基を意味し、Alkは上記に記載したアルキル基であり、Arは上記に記載したアリール基である。
【0070】
本明細書で用いられる「アルキルオキシカルボニル」の用語は、アルキル基を含むエステル置換基を意味し、この場合カルボニル炭素が分子に対する結合位置である。一例は、CHCHOC(O)-である、エトキシカルボニルである。同様に、「アルケニルオキシカルボニル」、「アルキニルオキシカルボニル」、及び「シクロアルキルカルボニル」の用語は、それぞれアルケニル基、アルケニル基、又はシクロアルキル基を含む同様のエステル置換基を意味する。同様に、「アリールオキシカルボニル」の用語は、アリール基を含むエステル置換基であって、カルボニル炭素が分子に対する結合位置であるエステル置換基を意味する。同様に、「アリールオキシアルキルカルボニル」の用語は、アルキル基を含むエステル置換基であって、該アルキル基自体がアリールオキシ基によって置換されているエステル置換基を意味する。
【0071】
置換基の他の組み合わせが、当技術分野において知られており、例えば、Jungらの米国特許第8,344,162号に記載されており、その内容はこの参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、「チオカルボニル」の用語、及び「チオカルボニル」を含む置換基の組み合わせには、カルボニル基における通常の二重結合した酸素を二重結合のイオウで置換されている基が含まれる。「アルキリデン」の用語及び同様の専門用語は、特定する通り、水素原子2つが1個の炭素原子から除去され、その結果、該基が構造の残部に二重結合している、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はシクロアルキル基を意味する。
【0072】
ジアンヒドロガラクチトール及び他の置換ヘキシトールは、再発性悪性神経膠腫と進行性の二次性脳腫瘍のみならず、他の悪性腫瘍で使用するための多くの利点を有している。これらの薬剤は、癌幹細胞(CSC)の増殖を抑制し、O-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)による薬物の不活性化に耐性である。ジアンヒドロガラクチトールは、NでのDNAの架橋を引き起こす新規なアルキル化剤である。
【0073】
ジアンヒドロガラクチトール、ジアンヒドロガラクチトールの誘導体若しくは類似体、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール、又はジアンヒドロガラクチトールの誘導体若しくは類似体などのヘキシトール誘導体は、医薬組成物の形態で投与することができ、該医薬組成物は、ヘキシトール誘導体に加えて、少なくとも1つの賦形剤、溶剤、充填剤、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、又は添加剤を含む。本発明方法での使用に適した医薬組成物に関するさらなる詳細が、以下に記載される。
【0074】
典型的には、悪性腫瘍は再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される。一般的に、再発性神経膠腫は、多形性膠芽腫である。一般的に、多形性膠芽腫は、テモゾロミド及びベバシズマブの少なくとも1つに実質的に耐性である。一般的に、進行性の二次性脳腫瘍は、乳腺腺癌、小細胞肺癌、及び黒色腫からなる群から選択される悪性腫瘍の転移である。
【0075】
前化学療法及び放射線療法により、二次性脳腫瘍の患者は、骨髄抑制になりがちであり、GBM患者よりも異なるMTD(最大耐量)を有することができる。これは、免疫系の機能を評価し、可能な骨髄抑制をモニタリングすることによって決定することができる。骨髄抑制は、赤血球、白血球、又は血小板の少なくとも1つの濃度を測定することによってモニタリングすることができる。骨髄抑制の存在又は重症度をモニタリング又は決定するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、J.E.Higgsら、「チオプリン薬を服用する場合、骨髄抑制のリスクが増大した中等度TPMT活性を有する患者」“Are Patients with Intermediate TPMT Activity at Increased Risk for Myelosuppression When Taking Thiopurine Medications”、Pharmacogenomics 11:177-188(2010)に記載されて
おり、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
(II)用量変更
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法のための改善は、化合物が投与される時間の変更、化合物の代謝の速度を制御する用量調節剤、正常組織保護剤の使用、及びその他の変更によってなされる。全般的な例として、注入スケジュールの変動(例えば、ボーラス静注対持続的注入)、免疫応答を改善するため若しくは骨髄抑制剤によって引き起こされる貧血を予防するために白血球数を増大するためのリンホカインの使用(例えば、G-CSF、GM-CSF、EPO)、又は5-FUに対するロイコボリン若しくはシスプラチン処置に対するチオ硫酸塩などの救助薬の使用が含まれる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍を処置するためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールについての具体的な本発明の例には、数時間から数日間の持続的静脈注入;週2回投与;5mg/m/日を超える用量;患者の忍容性に基づく1mg/m/日からの投薬の漸増;代謝を調節するためのカフェインの使用;代謝を調節するためのイソニアジドの使用;用量投与の選択的及び間欠的な増量;ボーラスによる5mg/m/日から増量する単回用量及び複数回用量の投与;30mg/m未満の経口用量;130mg/mを超える経口用量;最大40mg/mで3日間の経口用量、次いで18~21日間の最下点/回復期間;長期間(例えば、21日間)の低レベルでの投薬;より高レベルでの投薬;21日を超える最下点/回復期間を有する投薬;単一細胞毒性剤としてアルキル化ヘキシトール誘導体の使用;即時放出投薬;徐放投薬;制御放出投薬;免疫系の機能の低下を制御又は制限するための用量の低減;骨髄抑制を制御又は制限するための用量の低減;1.5mg/m(33日周期での累積用量9mg/m)の用量;3.0mg/m(33日周期での累積用量18mg/m)の用量;5.0mg/m(33日周期での累積用量30mg/m)の用量;10mg/m(33日周期での累積用量60mg/m)の用量;15mg/m(33日周期での累積用量90mg/m)の用量;20mg/m(33日周期での累積用量120mg/m)の用量;25mg/m(33日周期での累積用量150mg/m)の用量;30mg/m(33日周期での累積用量180mg/m)の用量;40mg/m(33日周期での累積用量240mg/m)の用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、その後10mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、それから10mg/mに増量し、その後15mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから15mg/mに増量し、その後20mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから15mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、その後25mg/mに増量する用量;1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから15mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、それから25mg/mに増量し、その後30mg/mに増量する用量;及び1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから15mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、それから25mg/mに増量し、それから30mg/mに増量し、その後40mg/mに増量する用量が挙げられる。前化学療法及び放射線療法により、二次性脳腫瘍の患者は、骨髄抑制になりがちであり、GBM患者よりも異なるMTD(最大耐量)を有することができる。これは、免疫系の機能を評価し、可能な骨髄抑制をモニタリングすることによって測定することができる。骨髄抑制は、赤血球、白血球、又は血小板の
少なくとも1つの濃度を測定することによってモニタリングすることができる。免疫系の機能を維持又は骨髄抑制を防止するために必要であれば、そのときには用量を調整することができる。
【0077】
(III)投与経路
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法に対する改善は、化合物を投与する経路における変更によってなされる。一般的な例としては、経口投与から静脈内投与、及びその逆の経路の変更、又は皮下、筋肉内、動脈内、腹腔内、病巣内、リンパ管内、腫瘍内、くも膜下腔内、嚢内、頭蓋内などの特定経路の使用が含まれる。再発性悪性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍を治療するためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトーなどの置換ヘキシトール誘導体に対する具体的な本発明の例には、局所投与;経口投与;徐放性経口送達;髄腔内投与;動脈内投与;連続注入投与;又は間欠的注入投与を含む。
【0078】
(IV)投与スケジュール
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法に対する改善は、化合物が投与される時間の変更によって行われる。一般的な例として、毎月投与から毎週投与又は毎日投与への変更、すなわち、スケジュールの変更が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールの具体的な本発明の例としては、連日投与;3週間の毎週投与、2週間の毎週投与、隔週投与;1~2週の休薬期間を有する3週間の隔週投与;間欠的増量投薬;1週間の連日投与と何週間もの間の1週間に1度の投与;最大40mg/mの3日間投与、次いで18~21日間の最下点/回復期間;長期間(例えば、21日間)の低レベルでの投与;より高レベルでの投与;21日を超える最下点/回復期間;又は単一の治療剤としてのアルキル化ヘキシトール誘導体の使用が挙げられる。
【0079】
(V)病期
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法に対する改善は、化合物が投与される診断時/進行時の病期の変化によってなされる。一般的な例として、切除不能な局所性疾患のための化学療法の使用、転移拡散の予防、疾患の進行の抑制又はより悪性の病期への転換の抑制のための予防的使用が挙げられる。ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための特に発明に関する例として、多形性膠芽腫などの再発性神経膠腫の治療のための使用、又は乳腺腺癌、小細胞肺癌、若しくは黒色腫などの転移によって引き起こされる進行性の二次性脳腫瘍の治療のための使用が挙げられる。
【0080】
(VI)患者選定
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、化合物の使用から最も耐えるか、又は利益を得る患者のタイプへの変更によって行われる。一般的な例として、高齢の患者のための小児薬用量の使用、肥満患者のための変更された用量の使用;糖尿病、肝硬変などの合併症疾患状態、又は、化合物の特徴を独自に引き出すかもしれない他の状態の活用が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍を処置するためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールに対する具体的な発明に関する例として、高レベルの代謝酵素、ヒストン脱アセチル化酵素、プロテインキナーゼ、オルニチン脱炭酸酵素を有する疾患状態の患者;低レベルの代謝酵素、ヒストン脱アセチル化酵素、プロテインキナーゼ、オルニチン脱炭酸酵
素を有する疾患状態の患者;血小板減少症、好中球減少症に対する低感受性又は高感受性を有する患者;GI(胃腸)毒性に忍容でない患者;jun、GPCR及びシグナル伝達タンパク質、VEGF、前立腺特異的遺伝子、プロテインキナーゼ、又はテロメラーゼの過剰発現又は過少発現を有する患者が挙げられる。
【0081】
(VII)患者/疾患の表現型
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、化合物の使用に耐える、代謝する及び有効に活かす患者の能力のより正確な識別によって行われる。一般的な例として、化学療法剤を処理/代謝するための患者の能力、又は、潜在的に特異的な細胞系、代謝系、器官系表現型によって生じる毒性に対する患者の感受性をより特徴付けるための診断ツール及びキットの使用が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、患者の特異的な表現型を確認するための、並びに、代謝酵素及び代謝物、ヒストン脱アセチル化酵素、プロテインキナーゼ、オルニチン脱炭酸酵素、VEGF、前立腺特異的遺伝子、プロテインキナーゼ、テロメラーゼ、jun、GPCRの測定のための診断ツール、技術、キット及びアッセイ;酵素状態のための代替化合物投与又は低用量薬物予備試験が挙げられる。
【0082】
(VIII)患者/疾患の遺伝子型
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、有効性、毒性、代謝、又は薬剤の治療的有効性に影響を与える他の因子を予測するために価値があるかもしれない独特の特徴のための患者の遺伝子型を試験及び分析することによって行われる。一般的な例として、遺伝子標的に対する特定薬剤の使用を特に調整又は監視するためにも取られる及び分析されるかもしれない腫瘍又は正常組織(例えば、白血球)の生検標本、特有の腫瘍遺伝子発現パターンの研究、有効性を向上させるための又は特異的な薬剤感受性のある正常組織毒性を回避するための、SNP(一塩基多型)の分析が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールについての特に発明に関する例としては、患者の特定の遺伝子型を確認するための診断ツール、技術、キット及び分析、遺伝子/タンパク質発現チップ及び分析、一塩基多型(SNP)評価、ヒストン脱アセチル化酵素、オルニチン脱炭酸酵素、GPCR、プロテインキナーゼ、テロメラーゼ、及びjunに対するSNP;代謝酵素及び代謝物の同定及び測定が挙げられる。
【0083】
(IX)前/後処置の調製
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、化学療法剤の使用前又は使用後の患者の特殊な調製によって行われる。一般的な例としては、代謝酵素の誘導又は阻害、感受性のある正常組織又は器官系の特異的予防が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、コルヒチン又は類似体の使用、プロベネシドなどの利尿薬の使用、ウリカーゼの使用、ニコチンアミドの非経口使用、持続放出型のニコチンアミドの使用、ポリADPリボースポリメラーゼの阻害剤の使用、カフェインの使用、ロイコボリン救援療法の使用、感染管理、降圧剤の使用が挙げられる。
【0084】
(X)毒性の管理
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、可能性のある副作用又は毒性を予防
又は低減するための付加的な薬剤又は手順の使用によって行われる。一般的な例として、鎮吐剤、嘔吐抑制剤の使用、好中球減少、貧血、血小板減少を制限又は予防するための血液学的支持剤の使用、ビタミン剤の使用、抗うつ剤の使用、性的不全に対する処置、及び他の支持的手法が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例として、コルヒチン又は類似体の使用;プロベネシドなどの利尿薬の使用;ウリカーゼの使用;ニコチンアミドの非経口的使用;持続放出型のニコチンアミドの使用、ポリADPリボースポリメラーゼの阻害剤の使用;カフェインの使用;ロイコボリン救援療法の使用;持続放出型のアロプリノールの使用;非経口アロプリノールの使用;骨髄移植促進剤、血液又は血小板輸液、NEUPOGEN、G-CSF、GM-CSFの使用;疼痛管理技術の使用;抗炎症薬の使用;輸液の使用;コルチコステロイドの使用;インスリン管理薬剤の使用;解熱剤の使用;制嘔吐処置;下痢止め処置;N-アセチルシステインの使用、及び抗ヒスタミン剤の使用が挙げられる。
【0085】
(XI)薬物動態学的/薬力学的モニタリング
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、患者の薬物血漿中濃度を最大限にするとともに、毒性代謝物の生成を監視するための、投与後の薬物濃度の監視、及び、薬物-薬物相互作用の観点から有効であるか又は有害である可能性のある補助薬物の監視の使用によって行われる。一般的な例として、薬物血漿タンパク結合の監視、及び、他の薬物動態学的又は薬力学的変数の監視が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例として、薬物血漿濃度の多重決定、血中又は尿中の代謝物の多重決定が挙げられる。
【0086】
(XII)薬物併用
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、有効性又は副作用の管理において相加作用又は相乗作用の改善を超えて提供することができる、独特の薬物の組み合わせを活用することによってなされる。一般的な例としては、アルキル化剤と代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤と抗チューブリン剤が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な本発明に関する例としては、トポイソメラーゼ阻害剤と組み合わせて、疑似ヌクレオシドとの使用、疑似ヌクレオチドとの使用、チミジル酸シンターゼ阻害剤との使用、シグナル伝達阻害剤との使用、シスプラチン又は白金類似体との使用;ニトロソ尿素(BCNU、Gliadelウエハー、CCNU、ニムスチン(ACNU)、ベンダムスチン(Treanda))などのアルキル化剤との使用;ジアンヒドロガラクチトール又は別のアルキル化ヘキシトール誘導体と異なる場所でDNAを損傷するアルキル化剤(TMZ、BCNU、CCNU、及び全てグアニンのOでDNAを損傷する他のアルキル化剤、ジアンヒドロガラクチトールはNで架橋連結する)との使用、一官能性アルキル化剤との使用、二官能性アルキル化剤との使用、抗チューブリン剤との使用、代謝拮抗剤との使用、ベルベリンとの使用、アピゲニンとの使用、アモナフィドとの使用、コルヒチン又はその類似体との使用、ゲニステインとの使用、エトポシドとの使用、シタラビンとの使用、カンポテシンとの使用、ビンカアルカロイドとの使用、トポイソメラーゼ阻害剤との使用、5-フルオロウラシルとの使用、クルクミンとの使用、NF-κB阻害剤との使用、ロスマリン酸との使用、ミトグアゾンとの使用、テトランドリンとの使用、テモゾロミド(TMZ)との使用;アバスチン(VEGF阻害剤)、リツキサン、ハーセプチン、アービタックスなどの抗体などの生物療法と組み合わせた使用;癌ワクチン治療と組み合わせた使用、エピジェネティックモジ
ュレーターとの使用、転写因子阻害剤との使用、タキソールとの使用、ホモハリングトニンとの使用、ピリドキサールとの使用、スピロゲルマニウムとの使用、カフェインとの使用、ニコチンアミドとの使用、メチルグリオキサルビスグアニルヒドラゾンとの使用、Rhoキナーゼ阻害剤との使用、1,2,4-ベンゾトリアジンオキシドとの使用、アルキルグリセロールとの使用、Mer、Ax1、又はTyro-3受容体キナーゼの阻害剤との使用、ATRキナーゼの阻害剤との使用、Fmsキナーゼ、Kitキナーゼ、MAP4K4キナーゼ、TrkAキナーゼ、又はTrkBキナーゼのモジュレーターとの使用、エンドキシフェンとの使用、mTOR阻害剤との使用、Mnk1aキナーゼ、Mkn1bキナーゼ、Mnk2aキナーゼ、又はMnk2bキナーゼの阻害剤との使用、ピルビン酸キナーゼM2のモジュレーターとの使用、ホスホイノシチド3-キナーゼのモジュレーターとの使用、システインプロテアーゼ阻害剤との使用、フェンホルミンとの使用、シンドビスウイルス系のベクターとの使用、Smacのミメチックとして働き、IAPを阻害してアポトーシスを促進するペプチドミメチックとの使用、Rafキナーゼ阻害剤との使用、核移行モジュレーターとの使用、酸性セラミダーゼ阻害剤及びコリンキナーゼ阻害剤との使用、チロシンキナーゼ阻害剤との使用、抗CS1抗体との使用、プロテインキナーゼCK2の阻害剤との使用、抗グアニリルシクラーゼC(GCC)抗体との使用、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との使用、カンナビノイドとの使用、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストとの使用、Bcl-2又はBcl-xLの阻害剤との使用、Stat3経路阻害剤との使用、ポロ様キナーゼ1(Plk1)の阻害剤との使用、GBPAR1アクチベータとの使用、セリン-スレオニンプロテインキナーゼ及びポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性のモジュレーターとの使用、タキサンとの使用、ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤との使用、アロマターゼの阻害剤との使用、ベンズイミダゾール系の抗腫瘍薬との使用、O6-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェラーゼ(MGMT)阻害剤との使用、CCR9阻害剤との使用、酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤との使用、ペプチドミメチック大環状分子との使用、コラン酸アミドとの使用、置換されているオキサザホスホリンとの使用、抗TWEAK受容体抗体との使用、ErbB3結合タンパク質との使用、グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性化抗腫瘍化合物との使用、置換されているホスホロジアミデートとの使用、MEKKプロテインキナーゼの阻害剤との使用、COX2阻害剤との使用、シメチジン及びシステイン誘導体との使用、抗IL6受容体抗体との使用、抗酸化剤との使用、チューブリン重合化のイソキサゾール阻害剤との使用、PARP阻害剤との使用、Auroraプロテインキナーゼ阻害剤との使用、前立腺特異的膜抗原に結合するペプチドとの使用、CD19結合剤との使用、ベンゾジアゼピンとの使用、トール様受容体(TLR)アゴニストとの使用、架橋二環式スルファミドとの使用、上皮成長因子受容体キナーゼの阻害剤との使用、アクチン結合活性を有するT2ファミリーのリボヌクレアーゼとの使用、ミルシノン酸A又はその類似体との使用、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤との使用、p53とMDM2との間の相互作用の阻害剤との使用、受容体チロシンキナーゼMETの阻害剤との使用、ラルガゾール又はラルガゾール類似体との使用、AKTプロテインキナーゼの阻害剤との使用、2’-フルオロ-5-メチル-β-L-アラビノフラノシルウリジン又はL-デオキシチミジンとの使用、HSP90モジュレーターとの使用、JAKキナーゼの阻害剤との使用、PDK1プロテインキナーゼの阻害剤との使用、PDE4阻害剤との使用、癌原遺伝子c-Metチロシンキナーゼの阻害剤との使用、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの阻害剤との使用、ATDCの発現を阻害する薬剤(TRIM29)との使用、核受容体のコアクチベーターペプチドとの相互作用のプロテオミメチック阻害剤との使用、XIAPファミリータンパク質のアンタゴニストとの使用、腫瘍標的化スーパー抗原との使用、Pimキナーゼの阻害剤との使用、CHK1又はCH2キナーゼの阻害剤との使用、アンジオポエチン様4タンパク質の阻害剤との使用、Smoアンタゴニストとの使用、ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニストとの使用、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤との使用、アデノシンA3受容体アンタゴニストとの使用、癌ワクチンとの使用、JAK2阻害剤との使用、又はSrc阻害剤との使用が含まれる。
(XIII)化学増感
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、単独で用いた場合には測定可能な活性が観察されないが、他の治療薬と組み合わせると相加作用又は相乗作用を超えた有効性における改善が観察される、化学増感剤として置換ヘキシトール誘導体を活用することによってなされる。一般的な例として、ミソニダゾールとアルキル化剤の併用、チラパザミンとシスプラチンの併用が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な本発明に関する例としては、トポイソメラーゼ阻害剤と組み合わせた化学増感剤として、疑似ヌクレオシドとの併用、疑似ヌクレオチドとの併用、チミジル酸シンターゼ阻害剤との併用、シグナル伝達阻害剤との併用、シスプラチン又は白金類似体との併用、BCNU、Gliadelウエハー、CCNU、ベンダムスチン(Treanda)、若しくはテモゾロミド(Temodar)などのアルキル化剤との併用、抗チューブリン剤との併用、代謝拮抗剤との併用、ベルベリンとの併用、アピゲニンとの併用、アモナフィドとの併用、コルヒチン又はその類似体との併用、ゲニステインとの併用、エトポシドとの併用、シタラビンとの併用、カンポテシンとの併用、ビンカアルカロイドとの併用、トポイソメラーゼ阻害剤との併用、5-フルオロウラシルとの併用、クルクミンとの併用、NF-κB阻害剤との併用、ロスマリン酸との併用、ミトグアゾンとの併用、又はテトランドリンとの併用が含まれる。
【0087】
(XIV)化学増強
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、単独では最小の治療活性が観察されるが他の治療学的に独特な薬物と組み合わせると相加作用又は相乗作用を超えた有効性における改善が観察される、化学増強剤として置換ヘキシトールを活用することによってなされる、一般的な例としては、アモナフィドとシスプラチン又は5-FUとの併用が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、トポイソメラーゼ阻害剤と組み合わせた化学増強剤として、疑似ヌクレオシドとの併用、疑似ヌクレオチドとの併用、チミジル酸シンターゼ阻害剤との併用、シグナル伝達阻害剤との併用、シスプラチン又は白金類似体との併用、BCNU、BCNUウエハー、Gliadel、ベンダムスチン(Treanda)などのアルキル化剤との併用、抗チューブリン剤との併用、代謝拮抗剤との併用、ベルベリンとの併用、アピゲニンとの併用、アモナフィドとの併用、コルヒチン又はその類似体との併用、ゲニステインとの併用、エトポシドとの併用、シタラビンとの併用、カンポテシンとの併用、ビンカアルカロイドとの併用、トポイソメラーゼ阻害剤との併用、5-フルオロウラシルとの併用、クルクミンとの併用、NF-κB阻害剤との併用、ロスマリン酸との併用、ミトグアゾンとの併用、又はテトランドリンとの併用が含まれる。
【0088】
(XV)処置後患者の管理
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、化合物を用いて処置された患者に対する最大限の利点を可能にするための薬剤、処置及び診断によって行われる。一般的な例としては、疼痛管理、栄養補給、鎮吐剤、嘔吐抑制療法、抗貧血療法、抗炎症薬が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例として、疼痛管理に関連した療法との併用、栄養補給、鎮吐剤、嘔吐抑制療法、抗貧血療法、抗炎症薬、解熱剤、免疫刺激剤との併用が挙げられる。
【0089】
(XVI)代替医療/治療サポート
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、有効性を向上させるための又は副作用を低減させるための、未承認/非従来的な療法又は方法の使用によって行われる。一般的な例として、催眠、鍼治療、瞑想、植物薬及び抽出物、応用運動学及び祈祷が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例として、催眠、鍼治療、瞑想、NF-κB阻害剤(例えば、パルテノライド、クルクミン、ロスマリン酸)を含む合成的に又は抽出により生成された植物薬、天然の抗炎症薬(レイン、パルテノライドを含む)、免疫刺激剤(例えば、Echinaceaにおいて見られる免疫刺激剤)、抗菌剤(例えば、ベルベリン)、フラボノイド、イソフラボン、及びフラボン(例えば、アピゲネニン、ゲニステイン、ゲニスチン、6”-O-マロニルゲニスチン、6”-O-アセチルゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6”-O-マロニルダイジン、6”-O-アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、6”-O-マロニルグリシチン、及び6-O-アセチルグリシチン)、応用運動学が挙げられる。
【0090】
(XVII)バルク製剤の改善
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、医薬バルク物質における変更によって行われる。一般的な例として、塩の生成、同種の結晶構造、純粋異性体が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、塩の生成、同種の結晶構造、純粋な異性体、増加した純度、及びより少ない残留溶媒及び重金属が挙げられる。
【0091】
(XVIII)希釈システム
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、投与用の化合物を可溶化及び送達/提示するために使用される希釈剤における変更によって行われる。一般的な例として、水に溶けにくい化合物のためのクレモフォール-EL、シクロデキストリンが挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、乳剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルホルムアミド(NMF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、エタノール、ベンジルアルコール、デキストロース含有注射用水、クレモフォール、シクロデキストリン、PEGの使用が挙げられる。
【0092】
(XIX)溶剤システム
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、投与用又はさらなる希釈用のために、化合物を可溶化するのに使用される又は必要とされる溶剤の変更によって行われる。一般的な例として、エタノール、ジメチルアセトアミド(DMA)が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、乳剤、DMSO、NMF、DMF、DMA、エタノール、ベンジルアルコール、デキストロース含有注射用水、クレモフォール、PEG、塩系の使用が挙げられる。
【0093】
(XX)賦形剤
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、適切な投与のための化学化合物を安定化及び提示するのに必要な物質/賦形剤、緩衝剤、又は防腐剤における変更によって行われる。一般的な例として、マンニトール、アルブミン、EDTA、亜硫酸水素ナトリウム、及びベンジルアルコールが挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、マンニトールの使用、アルブミンの使用、EDTAの使用、亜硫酸水素ナトリウムの使用、ベンジルアルコールの使用、炭酸塩緩衝剤の使用、リン酸緩衝剤の使用、ポリエチレングリコールの使用(PEG)の使用、ビタミンAの使用、ビタミンDの使用、ビタミンEの使用、エステラーゼ阻害剤の使用、チトクロームP450阻害剤の使用、多剤耐性(MDR)阻害剤の使用、有機樹脂の使用、界面活性剤の使用、ペリリルアルコール若しくはその類似体の使用、又はチャネル形成受容体の活性化因子の使用が挙げられる。
【0094】
(XXII)剤形
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、投与経路、効果持続期間、必要な血漿濃度、副作用の正常組織及び代謝酵素への曝露に依存する化合物の可能な剤形における変更によって行われる。一般的な例として、錠剤、カプセル、局所用ゲル、クリーム、パッチ、及び坐剤が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、錠剤、カプセル、局所用ゲル、局所用クリーム、パッチ、坐剤、凍結乾燥製剤の使用;即時放出製剤の使用;徐放性製剤の使用;制御放出型製剤の使用;又はカプセル液剤の使用が挙げられる。
【0095】
(XXII)投薬キット及び包装
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、剤形、容器/施栓系、混合、用量調合及び提示の正確性における変更によって行われる。一般的な例として、光から保護するための琥珀色バイアル、及び特殊コーティングを有する栓が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、光から保護するための琥珀色バイアル、及び貯蔵寿命の安定性を改善するための特殊コーティングを有する栓の使用が挙げられる。
【0096】
(XXIII)薬物送達システム
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、簡便性、効果持続期間、毒性の低下などの製剤の潜在的な特性を向上させるための送達システムの使用によって行われる。一般的な例として、ナノ結晶、生分解性ポリマー、リポソーム、徐放性注射用ゲル、及びミクロスフェアが挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、経口用財形の使用;ナノ結晶の使用;ナノ粒子の使用;共溶媒の使用;スラリーの使用;シロップ剤の使用;生分解性ポリマーの使用;リポソームの使用;徐放性注射用ゲルの使用;微小球の使用;又は上皮成長因子受容体結合ペプチドを有する組成物を標的とする使用が挙げられる。
【0097】
(XXIV)薬物複合体
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、有効性、毒性、薬物動態、代謝又は投与経路を変更するために、共有結合、イオン結合又は水素結合された部分を有する親分子への変更によって行われる。一般的な例として、ポリエチレングリコール、ポリラクチド、ポリグリコリド、アミノ酸、ペプチド又は多価リンカーなどのポリマー系が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、ポリエチレングリコールなどのポリマー系の使用;ポリラクチドの使用;ポリグリコリドの使用;アミノ酸の使用;ペプチドの使用;多価リンカーの使用;免疫グロブリンの使用;シクロデキストリンポリマーの使用;改変されたトランスフェリンの使用;疎水性又は疎水性-親水性ポリマーの使用;ホスホノギ酸部分エステルとの複合体の使用;荷電した架橋剤を組み込んだ細胞結合剤との複合体の使用;又はリンカーを介したβ-グルクロニドとの複合体の使用が挙げられる。
【0098】
(XXV)化合物類似体
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、有効性を変更するか、毒性を低減するかもしれない付加的な化学官能性、薬理特性、投与経路、又は、治療的効果のための他の関連因子を有する分子の親構造への変更によって行われる。一般的な例として、親油性を増加又は減少させるための側鎖の変更、反応性、電子親和力、結合能、塩形態を変更するための付加的な化学官能性が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、親油性を増加又は減少させるための側鎖の変更、反応性、電子親和力、結合能、塩形態を変更するための付加的な化学官能性が挙げられる。
【0099】
(XXVI)プロドラッグ
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、改善された薬理特性が本体内への導入後に分子の部分が好ましい活性分子を示すために切断されるような活性分子の変異体を用いて獲得されるような分子への変更によって行われる。一般的な例として、酵素感受性エステル、二量体、及びシッフ塩基が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、酵素感受性エステルの使用、二量体の使用、シッフ塩基の使用、ピリドキサ-ル錯体の使用;カフェイン錯体の使用;一酸化窒素放出性プロドラッグの使用;線維芽細胞活性化タンパク質α切断性オリゴペプチドを有するプロドラッグの使用;アセチル化剤又はカルバミル化剤との反応の生成物であるプロドラッグの使用;ヘキサン酸複合体プロドラッグの使用;ポリマー-薬剤複合体プロドラッグの使用;酸化還元活性化に供されるプロドラッグの使用が挙げられる。
【0100】
(XXVII)多剤システム
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、適切に投与された場合、特有の有益な効果を実現することができる付加的な化合物及び生物学的薬剤の使用によって行われる。一般的な例として、多剤耐性の阻害剤、特定薬剤耐性阻害剤、選択的酵素の特異的阻害剤、シグナル伝達阻害剤及び修復阻害が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、多剤耐性の阻害剤の使用;特定薬剤耐性阻害剤の使用;選択的酵素の特異的阻害剤の使
用;シグナル伝達阻害剤の使用;修復阻害の使用;又は重複する副作用を有しないトポイソメラーゼ阻害剤の使用が挙げられる。
【0101】
(XXVIII)生物学的治療の増強
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、増感剤/増強剤として生物学的反応修飾物質と組み合わせたそれらの使用によって行われる。一般的な例として、増感剤/増強剤として生物学的反応修飾物質、サイトカイン、リンホカイン、治療抗体、アンチセンス治療及び遺伝子治療と組み合わせた使用が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、増感剤/増強剤として、生物反応修飾物質;サイトカイン;リンホカイン;治療抗体;アバスチン、ハーセプチン、リツキサン、及びアービタックスなどのアンチセンス治療;遺伝子治療;リボザイム;及びRNA干渉と組み合わせた使用が挙げられる。
【0102】
(XXIX)生物学的治療の耐性変更
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、生物学的治療薬の効果的な使用に対して生じた耐性又は完全な耐性を克服するためにそれらの薬物の選択的使用を活用することによって行われる。一般的な例として、生物反応修飾物質、サイトカイン、リンホカイン、治療抗体、アンチセンス治療及び遺伝子治療の効果に対する腫瘍の耐性が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、生物反応修飾物質;サイトカイン;リンホカイン;治療抗体;アンチセンス治療;アバスチン、リツキサン、ハーセプチン、アービタックスなどによる治療法;遺伝子治療、リボザイム;及びRNA干渉の効果に対する腫瘍耐性に対する使用が挙げられる。
【0103】
(XXX)放射線治療の強化
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、電離放射線、光線療法、温熱療法又は高周波療法と組み合わせたそれらの薬物の使用を活用することによって行われる。一般的な例として、低酸素細胞増感剤、放射線増感剤/保護剤、光線感作物質、放射線修復阻害剤が挙げられる。ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための特に発明に関する例として、低酸素細胞増感剤、放射線増感剤/増強剤、光線感作物質、放射線修復阻害剤が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、低酸素細胞増感剤、放射線増感剤/保護剤、光線感作物質、放射線修復阻害剤、チオール枯渇剤、脈管標的剤との併用;放射性シード、放射性核種、放射線標識抗体及び小線源療法との併用が挙げられる。
【0104】
(XXXI)新規の作用機序
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、分子の有用性をより活用するための理解及び正確性をより深めるために、化合物の多様な作用機序、生物学的標的を決定することによって、それらの薬物の有用性を最適化することによって行われる。一般的な例として、慢性骨髄性白血病(CML)に対するGleevec、急性前骨髄球性白血病(APL)に対する三酸化ヒ素、APLに対するレチノイン酸が挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又
はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、ポリADPリボースポリメラーゼの阻害剤、脈管構造又は血管拡張に影響を与える薬剤、腫瘍標的薬剤、シグナル伝達阻害剤、EGFR阻害、プロテインキナーゼCの阻害、ホスホリパーゼCのダウンレギュレーション、junのダウンレギュレーション、ヒストン遺伝子、VEGF、オルニチン脱炭酸酵素、jun D、v-jun、GPCR、プロテインキナーゼA、テロメラーゼ、前立腺特異的遺伝子、プロテインキナーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素との併用が挙げられる。
【0105】
(XXXII)選択的標的細胞集団治療法
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適の化学療法に対する改善は、化合物の効果が最大限に引き出されることができるそれらの選択的細胞集団に対する化合物のより正確な同定及び暴露によって行われる。一般的な例として、低酸素細胞に対するチラパザミン及びマイトマイシンC、及び有糸分裂に入る細胞に対するビンカアルカロイドが挙げられる。再発性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールのための具体的な発明に関する例としては、放射線感受性細胞、放射線耐性細胞、エネルギー枯渇細胞又は内皮細胞に対する使用が挙げられる。
【0106】
(XXXIII)活性増強剤の使用
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法のための改善は、置換ヘキシトールの活性を増強する薬剤を使用して行われる。一般的な例としては、ニコチンアミド、カフェイン、テタンドリン、又はベルベリンとの併用が挙げられる。再発性悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のための置換ヘキシトールについての具体的な本発明の例としては、ニコチンアミドとの併用;カフェインとの併用;又はベルベリンとの併用が挙げられる。
【0107】
(XXXIV)骨髄抑制対抗薬剤の使用
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法のための改善は、骨髄抑制に対抗するための薬剤を使用して行われる。再発性悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のための置換ヘキシトール誘導体の具体的な本発明の例としては、骨髄抑制に対抗するためのジチオカルバメートの使用を含む。
【0108】
(XXXV)置換ヘキシトールの血液脳関門通過能を増強する薬剤の使用
ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトールを含む準最適な化学療法のための改善は、血液脳関門を通過する置換ヘキシトールの能力を増大させる薬剤を使用することによって行われる。再発性悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍などの悪性腫瘍の処置のためのジアンヒドロガラクチトールなどの置換ヘキシトール誘導体の具体的な例としては、キメラペプチド;ビオチン化置換ヘキシトール誘導体に結合したアビジン又はアビジン融合タンパク質のいずれかを含む組成物;ペグ化されており、置換ヘキシトール誘導体を組み込んでいる中性リポソーム(該ポリエチレングリコール鎖は、少なくとも一つの可搬型のペプチド又は標的化剤に結合されている);アビジン-ビオチン結合を介して置換ヘキシトール誘導体に連結されたヒトインスリン受容体に結合するヒト化マウス抗体;及びアビジン-ビオチン結合を介してヘキシトールに連結されている融合タンパク質が挙げられる。
【0109】
したがって、本発明の別の態様は、
(1)TKI耐性悪性腫瘍を処置するためのアルキル化ヘキシトール誘導体の投与の
有効性及び/又は副作用の発生に関連する少なくとも1つの要因又はパラメータを同定するステップと、
(2)TKI耐性悪性腫瘍を処置するためのアルキル化ヘキシトール誘導体の投与の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減するための要因又はパラメータを変更するステップ、
とを含むTKI耐性悪性腫瘍を処置するためのアルキル化ヘキシトール誘導体の投与の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減する方法である。
【0110】
典型的に、要因又はパラメータは、
(1)用量変更;
(2)投与経路;
(3)投与スケジュール;
(4)病期の選択;
(5)患者の選択;
(6)患者/疾患の表現型;
(7)患者/疾患の遺伝子型;
(8)前/後処置の調製;
(9)毒性管理;
(10)薬物動態学的/薬力学的モニタリング;
(11)薬物の組み合わせ;
(12)化学増感;
(13)化学増強;
(14)処置後の患者管理;
(15)代替医療/治療サポート;
(16)バルク製剤の改善;
(17)希釈剤系;
(18)溶媒系;
(19)賦形剤;
(20)剤形;
(21)投薬キット及び包装;
(22)薬物送達系;
(23)薬物複合体形態;
(24)化合物の類似体;
(25)プロドラッグ;
(26)多剤システム;
(27)生物学的治療の増強;
(28)生物学的治療の耐性変更;
(29)放射線治療の増強;
(30)新規な作用機序;
(31)選択的標的細胞集団治療法;
(32)活性増強剤との併用;
(33)骨髄抑制に対抗する薬剤との併用;及び
(34)血液脳関門を通過する置換ヘキシトールの能力を増強する薬剤との併用からなる群から選択される。
【0111】
いくつかの選択肢では、アルキル化ヘキシトール誘導体の投与の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減する方法が、癌幹細胞に対して細胞毒性効果を発揮する。
【0112】
前記改善が用量の変更によって行われ、該用量の変更が、限定されるものではないが、
(a)数時間から数日間の持続的静脈注入;
(b)週2回投与;
(c)5mg/m/日を超える用量;
(d)患者の忍容性に基づく1mg/m/日からの投薬の漸増;
(e)代謝を調節するためのカフェインの使用;
(f)代謝を調節するためのイソニアジド(isonazid)の使用;
(g)投薬の選択的及び間欠的な増量;
(h)ボーラスによる5mg/m/日から増量する単回用量及び複数回用量の投与;
(i)30mg/m未満の経口用量;
(j)130mg/mを超える経口用量;
(k)3日間最高40mg/mの経口用量、次いで18~21日間の最下点/回復期間;
(l)長期間(例えば、21日間)、低レベルの投薬;
(m)高レベルの投薬;
(n)21日を超える最下点/回復期間を有する投薬;
(o)単一の細胞毒性薬剤としてのアルキル化ヘキシトール誘導体の使用;
(p)即時放出投薬;
(q)徐放投薬;
(r)制御放出投薬;
(s)免疫系の機能の低下を制御又は制限するための用量の低減;
(t)骨髄抑制を制御又は制限するための用量の低減;
(u)1.5mg/mの用量(33日周期での累積用量9mg/m);
(v)3.0mg/mの用量(33日周期での累積用量18mg/m);
(w)5.0mg/mの用量(33日周期での累積用量30mg/m);
(x)10mg/mの用量(33日周期での累積用量60mg/m);
(y)15mg/mの用量(33日周期での累積用量90mg/m);
(z)20mg/mの用量(33日周期での累積用量120mg/m);
(aa)25mg/mの用量(33日周期での累積用量150mg/m);
(ab)30mg/mの用量(33日周期での累積用量180mg/m);
(ac)40mg/mの用量(33日周期での累積用量240mg/m);
(ad)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量する用量;
(ae)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量する用量;
(af)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、その後10mg/mに増量する用量;
(ag)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、それから10mg/mに増量し、その後20mg/mに増量する用量;
(ah)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、その後25mg/mに増量する用量;
(ai)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、それから25mg/mに増量し、その後30mg/mに増量する用量;及び
(aj)1.5mg/mから始め、3.0mg/mに増量し、次いで5.0mg/mに増量し、そして10mg/mに増量し、それから20mg/mに増量し、それから25mg/mに増量し、それから30mg/mに増量し、その後40mg/mに増量する用量
からなる群から選択される少なくとも1つの用量の変更である。
【0113】
他の投薬量の順序は、上記の投薬ステップの1つから開始し、他の投薬ステップを経て
増量させて使用することができる;1つ以上のステップが、臨床応答に応じて省略することができる。
【0114】
即時放出投薬の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Flannerらによる米国特許第8,299,052号に記載されている。遅放出性投薬の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Vergnaultらへの米国特許第8,303,986号に記載されている。制御放出投薬の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Dzierbaらへの米国特許第8,304,577号に記載されている。制御放出投薬は、限定されるものではないが、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリラート、及び架橋されている、又は両親媒性のヒドロゲルのブロック共重合体などの、生分解性ポリマーの使用により実現することができる。
【0115】
従来の化学療法と放射線療法により、二次性脳腫瘍の患者は、骨髄抑制になりやすく、GBM患者よりも異なるMTD(最大耐量)を有する可能性がある。これは、免疫系の機能を評価し、可能性のある骨髄抑制をモニタリングすることによって決定することができる。免疫系の機能を維持又は骨髄抑制を防止するために必要であれば、用量は、その後、調整することができる。免疫機能の臨床評価の方法は、当該分野で周知であり、この参照により本明細書に組み込まれるP.Hutchinsonら、「腎移植患者における免疫機能の実験室評価」(Laboratory Assessment of Immune Function in Renal Transplant Patients)、Nephrol.Dial.Transplant.18:983-989(2003)に記載されており、リンパ球サブセットの評価、マイトジェン誘導T細胞応答、好中球の貪食能の測定、及び反応性酸素種(ROS)の生成を含む。骨髄抑制の臨床的評価のための方法は、当技術分野で周知であり、R.E.Parchmentら、「細胞毒性薬物療法のインビトロ試験からの血液毒性(骨髄抑制)の予測」(Predicting Hematological Toxicity (Myelosuppression)
of Cytotoxic Drug Therapy from in Vitro
Tests)、Ann.Oncol.9:357-364(1998)及びJ.W.Winterら、「チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性の評価は、炎症性腸疾患患者におけるアザチオプリン療法後の骨髄抑制を予測する遺伝子型よりも優れている」(Assessment of Thiopurine Methyltransferase
Activity Is Superior to Genotype in Predicting Myelosuppression Following Azathioprine Therapy in Patients with Inflammatory Bowel Disease)、Aliment.Pharmacol.Ther.25:1069-1077(2007)に記載されており,この参照により両文献が本明細書に組み込まれ、CFU-GM(顆粒球-マクロファージコロニー形成細胞)を検出するためのクローン原性アッセイ、チオプリンメチルトランスフェラーゼ遺伝子の遺伝子型解析、及びチオプリンメチルトランスフェラーゼ活性のアッセイが含まれる。
【0116】
改善が投与経路によって行われる場合、投与経路は、限定されないが、
(a)局所投与;
(b)経口投与;
(c)徐放性の経口送達;
(d)くも膜下腔内投与;
(e)動脈内投与;
(f)持続的注入;
(g)間欠的注入;
(h)30分間の静脈内投与などの静脈内投与;
(i)長期注入による投与;
(j)IVプッシュによる投与;及び
(k)腹腔内投与
からなる群から選択される少なくとも1つの投与経路である。
【0117】
改善が投与スケジュールによって行われる場合、該投与スケジュールは、限定されないが、
(a)毎日投与;
(b)毎週投与;
(c)3週間毎週投与;
(d)週2回投与;
(e)1~2週の休薬期間を有する3週間の週2回投与;
(f)間欠的なブースト用量の投与;及び
(g)複数週の間、1週間毎日投与
からなる群から選択される少なくとも1つの投与スケジュールである。
【0118】
前記改善が病期の選択によって行われ、該病気の選択が、限定されるものではないが、
(a)再発性悪性神経膠腫の治療のための使用;及び
(b)乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移を起因とする進行性の二次性脳腫瘍の治療のための使用
からなる群から選択される少なくとも1つの病期の選択である。
【0119】
改善が患者の選択によって行われる場合、患者の選択は、限定されないが、
(a)ヒストン脱アセチル化酵素及びオルニチン脱炭酸酵素からなる群から選択される高レベルの代謝酵素によって特徴付けられる疾患状態を有する患者を選択すること;
(b)血小板減少症及び好中球減少症からなる群から選択される状態に対する感受性が低い又は高い患者を選択すること;
(c)GI毒性に忍容性ではない患者を選択すること;
(d)c-Jun、GPCR、シグナル伝達タンパク質、VEGF、前立腺特異的遺伝子、及びプロテインキナーゼからなる群から選択される遺伝子の過剰発現又は過少発現によって特徴付けられる患者を選択すること;
からなる群から選択される基準によって行われる患者の選択である。
【0120】
細胞の癌原遺伝子であるc-Junは、c-Fosと組み合わさって、AP-1初期応答転写因子を形成するタンパク質をコードしている。この癌原遺伝子は転写において主要な役割を果たし、転写及び遺伝子発現に影響を及ぼす大多数のタンパク質と相互作用する。癌原遺伝子は、子宮内膜及び腺上皮細胞の細胞を含めた数々の組織の部分を形成する細胞の増殖及びアポトーシスにも関与する。Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、重要なシグナル伝達性受容体である。Gタンパク質共役受容体のスーパーファミリーには、多数の受容体が含まれる。これらの受容体は、タンパク質の膜貫通領域を代表すると予想される、7つの疎水性ドメインを含むアミノ酸配列によって特徴付けられる内在性膜タンパク質である。これらは広範囲の生物体において見出され、これらのヘテロ三量体Gタンパク質との相互作用の結果、細胞の内部に対するシグナルの伝達に関与する。これらは、脂質類似体、アミノ酸誘導体、エピネフリン及びドーパミンなどの小分子を含めた様々な範囲の薬剤、並びに様々な感覚刺激に応答する。多くの知られているGPCRの性質は、参照により本明細書に取り込まれる、S.Watson&S.Arkinstall,“The G-Protein Linked Receptor Facts Book)”(Academic Press、London、1994)に要約されている。GPCR受容体には、限定されないが、アセチルコリン受容体、β-アドレナリン作動性受容体、β-アドレナリン作動性受容体、セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン)受容
体、ドーパミン受容体、アデノシン受容体、アンジオテンシンII型受容体、ブラジキニン受容体、カルシトニン受容体、カルシトニン遺伝子関連受容体、カンナビノイド受容体、コレシストキニン受容体、ケモカイン受容体、サイトカイン受容体、ガストリン受容体、エンドセリン受容体、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体、ガラニン受容体、グルカゴン受容体、グルタミン酸受容体、黄体形成ホルモン受容体、絨毛性ゴナドトロピン受容体、濾胞刺激ホルモン受容体、甲状腺刺激ホルモン受容体、性腺刺激ホルモン放出因子受容体、ロイコトリエン受容体、神経ペプチドY受容体、オピオイド受容体、副甲状腺ホルモン受容体、血小板活性化因子受容体、プロスタノイド(プロスタグランジン)受容体、ソマトスタチン受容体、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体、バソプレッシン及びオキシトシン受容体が含まれる。
【0121】
改善が患者又は疾患の表現型の分析によって行われる場合、患者又は疾患の表現型の分析は、限定されないが、
(a)患者の特定の表現型を確認するための、診断ツール、診断技術、診断キット、又は診断アッセイの使用;
(b)ヒストン脱アセチル化酵素、オルニチン脱炭酸酵素、VEGF、前立腺特異的遺伝子の遺伝子産物であるタンパク質、junの遺伝子産物であるタンパク質、プロテインキナーゼ、デスモグレイン-3、及びカスパーゼ由来のネオエピトープからなる群から選択されるマーカーを測定するための方法の使用;
(c)代理化合物の投薬;並びに
(d)酵素の状態に対する低用量の予備試験
からなる群から選択される方法により行われる患者又は疾患の表現型の分析の方法である。
【0122】
腫瘍のリンパ節への転移のマーカーとしてのタンパク質デスモグレイン-3の測定、及び対象からの試料中のデスモグレイン-3の量に基づいた好適な治療の選択は、参照により本明細書に取り込まれる、Gutkindらによる米国特許出願公開第2012/0087892号に記載されている。
【0123】
抗悪性腫瘍薬によって誘発されるアポトーシスを含む、アポトーシスの指標としてのカスパーゼ由来のネオエピトープの測定は、参照により本明細書に組み込まれる、Wellsらによる米国特許出願公開第2012/0028266号に記載されている。
【0124】
改善が、患者又は疾患の遺伝子型の分析によって行われる場合、患者又は疾患の遺伝子型の分析は、限定されないが、
(a)患者の特定の遺伝子型を確認するための、診断ツール、診断技術、診断キット、又は診断アッセイの使用;
(b)遺伝子チップの使用;
(c)遺伝子発現分析の使用;
(d)一塩基多型(SNP)分析の使用;及び
(e)代謝産物又は代謝酵素のレベルの測定
からなる群から選択される方法によって行われる患者又は疾患の遺伝子型の分析の方法である。
【0125】
遺伝子チップの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Essentials of Genomic and Personalized Medicine(ゲノム医療と個別化医療における本質)(G.S.Ginsburg & H.F.Willard,eds.、Academic Press,Amsterdam,2010)のA.J.Lee & S.Ramaswamy、「生物学的発見と患者ケアにおけるDNAマイクロアレイ」(DNA Microarrays in Biological D
iscovery and Patient Care)、ch.7、pp.73-88に記載されている。
【0126】
方法が、一塩基多型(SNP)の分析の使用である場合、SNP分析は、ヒストン脱アセチル化酵素、オルニチン脱炭酸酵素、VEGF、前立腺特異的遺伝子、c-Jun、及びプロテインキナーゼからなる群から選択される遺伝子に対して行うことができる。SNP分析の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Essentials of Genomic and Personalized Medicine(ゲノム医療と個別化医療における本質)(G.S.Ginsburg & H.F.Willard,eds.、Academic Press、Amsterdam、2010)のS.Levyand Y.-H.Rogers、「ヒトゲノム変異の検出のためのDNAシークエンシング」(DNA Sequencing for the Detection of
Human Genome Variation)、ch.3、pp.27-37に記載されている。
【0127】
コピー数の変動の分析及びDNAのメチル化の分析など、さらに他の遺伝子技術も用いることができる。コピー数の変動の分析は、参照により本明細書に組み込まれる、Essentials of Genomic and Personalized Medicine(ゲノム医療と個別化医療における本質)(G.S.Ginsburg & H.F.Willard,eds.、Academic Press、Amsterdam、2010)のC.Leeら、「コピー数の変化とヒトの健康」(Copy Number Variation and Human Health)、ch.5、pp.46-59に記載されている。DNAのメチル化の分析は、参照により本明細書に組み込まれる、Essentials of Genomic and Personalized
Medicine(ゲノム医療と個別化医療における本質)(G.S.Ginsburg& H.F.Willard,eds.、Academic Press、Amsterdam、2010)のS.Cottrelletal、「DNAメチル化分析:ヒトの疾患への新しい洞察の提供」(DNA Methylation Analysis:Providing New Insight into Human Disease)、ch.6、pp.60-72に記載されている。
【0128】
改善が、前/後処置の調製によって行われる場合、前/後処置の調製は、限定されないが、
(a)コルヒチン又はその類似体の使用;
(b)尿酸排泄促進剤の使用;
(c)ウリカーゼの使用;
(d)ニコチンアミドの非経口使用;
(e)持続放出形態のニコチンアミドの使用;
(f)ポリ-ADPリボースポリメラーゼの阻害剤の使用;
(g)カフェインの使用;
(h)ロイコボリン救援療法の使用;
(i)感染の制御;及び
(j)降圧薬の使用
からなる群から選択される前/後処置の調製の方法である。
【0129】
尿酸排泄促進薬には、限定されないが、プロベネシド、ベンズブロマロン、及びスルフィンピラゾンが含まれる。特に好ましい尿酸排泄促進薬はプロベネシドである。プロベネシドを含む尿酸排泄促進薬には利尿作用もあってよい。
【0130】
Poly-ADPリボースポリメラーゼ阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる
、G.J.Southan & C.Szabo,「ポリ(ADPリボース)阻害剤」(Poly(ADP-Ribose)Inhibitors),Curr.Med.Chem.10:321-240(2003)に記載されており、ニコチンアミド、3-アミノベンズアミド、置換3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン及びイソキノリン-1(2H)-オン、ベンズイミダゾール、インドール、フタラジン-1(2H)-オン、キナゾリノン、イソインドリノン、フェナントリジノン、並びに他の化合物が含まれる。
【0131】
ロイコボリン救援療法は、メトトレキセートを投与している患者に葉酸(ロイコボリン)を投与することを含む。ロイコボリンは葉酸の還元型であり、ジヒドロ葉酸還元酵素を迂回し、造血機能を回復する。ロイコボリンは静脈内又は経口のいずれかで投与することができる。
【0132】
一選択肢において、前/後処置が尿酸排泄促進薬の使用である尿酸排泄促進薬はプロベネシド又はその類似体である。
【0133】
改善が毒性管理によって行われる場合、毒性管理は、限定されないが、
(a)コルヒチン又はその類似体の使用、
(b)尿酸排泄促進薬の使用、
(c)ウリカーゼの使用、
(d)ニコチンアミドの非経口使用、
(e)持続放出形態のニコチンアミドの使用、
(f)ポリ-ADPリボースポリメラーゼの阻害剤の使用、
(g)カフェインの使用、
(h)ロイコボリン救援療法の使用、
(i)持続放出性のアロプリノールの使用、
(j)アロプリノールの非経口使用
(k)骨髄移植の使用、
(l)血液細胞刺激薬の使用、
(m)血液又は血小板注入の使用、
(n)フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))、G-CSF、及びGM-CSFからなる群から選択される薬剤の投与、
(o)疼痛管理技術の適用、
(p)抗炎症薬の投与、
(q)輸液の投与、
(r)コルチコステロイドの投与、
(s)インスリンコントロール薬物の投与、
(t)解熱薬の投与、
(u)抗嘔吐処置の施術、
(v)止瀉処置の施術、
(w)N-アセチルシステインの投与、
(x)抗ヒスタミン薬の投与、及び
(y)胃毒性を低減するための薬剤の投与
からなる群から選択される毒性管理の方法であってもよい。
【0134】
フィルグラスチムは、組換えDNA技術によって生成される顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)類似体であり、顆粒球の増殖及び分化を刺激するのに用いられ、好中球減少症を処置するのに用いられる;G-CSFは、同様に用いることができる。GM-CSFは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子であり、幹細胞を刺激して顆粒球(好酸球、好中球、及び好塩基球)並びに単球を生成する;これの投与は感染症を予防又は処置する
のに有用である。
【0135】
抗炎症薬は当技術分野において周知であり、コルチコステロイド及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が含まれる。抗炎症活性のあるコルチコステロイドには、限定されないが、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、ベクロメタゾン二プロピオン酸塩、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオシノロンアセトニド、及びフルドロコルチゾンが含まれる。非ステロイド性抗炎症薬には、限定されないが、アセチルサリチル酸(アスピリン)、サリチル酸ナトリウム、コリンマグネシウムトリサリチル酸、サルサレート、ジフルニサル、スルファサラジン、オルサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ジクロフェナク、ケトロラック、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフィン、オキサプロジン、メフェナム酸、メクロフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、ナブメトン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラク、ニメスリド、アセクロフェナク、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンフェナク、アンピロキシカム、アパゾン、アラプロフェン、アザプロパゾン、ベンダザック、ベノキサプロフェン、ベンジダミン、ベルモプロフェン、ベンズピペリロン、ブロムフェナク、ブクロキシ酸、ブマジゾン、ブチブフェン、カルプロフェン、シミコキシブ、シンメタシン、シンノキシカム、クリダナク、クロフェゾン、クロニキシン、クロピラク、ダルブフェロン、デラコキシブ、ドロキシカム、エルテナク、エンフェナム酸、エピリゾール、エスフルルビプロフェン、エテンザミド、エトフェナメート、エトリコキシブ、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンクロジン、フェンドサール、フェンチアザック、フェプラゾン、フィレナドール、フロブフェン、フロリフェニン、フロスリド、フルビチンメタンスルホネート、フルフェナム酸、フルフェニザール、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルプロフェン、フルプロクアゾン、フロフェナク、イブフェナク、イムレコキシブ、インドプロフェン、イソフェゾラク、イソキセパック、イソキシカム、リコフェロン、ロブプロフェン、ロモキシカム、ロナゾラク、ロキサプロフェン、ルマリコキシブ、マブプロフェン、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モラゾン、ネパファナク、ニフルム酸、ニトロフェナク、ニトロフルルビプロフェン、ニトロナプロキセン、オルパノキシン、オキサセプロール、オキシンダナク、オキシピナク、オキシフェンブタゾン、パミコグレル、パルセタサル、パレコキシブ、パルサルミド、ペルビプロフェン、ペメドラク、フェニルブタゾン、ピラゾラク、ピルプロフェン、プラノプロフェン、サリシン、サリチルアミド、サリチルサリチル酸、サチグレル、スドキシカム、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルマート、タゾフェロン、テブフェロン、テニダップ、テノキシカム、テポキサリン、チアプロフェン酸、チアラミド、チルマコキシブ、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トリフルサール、トロペシン、ウルソール酸、バルデコキシブ、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ジドメタシン、及びゾメピラック、並びにこれらの塩、溶媒和物、類似体、同族体、生物学的等価体、加水分解生成物、代謝産物、前駆体、及びプロドラッグが含まれる。
【0136】
コルチコステロイドの臨床的使用は、参照により本明細書に組み込まれる、「グッドマン&ギルマンの治療法の薬理学的基礎」(Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(L.L.Brunton,ed.、11th ed.、McGraw-Hill,New
York,2006)のB.P.Schimmer & K.L.Parker,「副腎皮質刺激ホルモン;副腎皮質ステロイド及びそれらの合成類似体; 副腎皮質ホルモンの合成及び作用の阻害剤」(Adrenocorticotropic Hormone;Adrenocortical Steroids and Their Synthetic Analogs;Inhibitors of the Synthesis
and Actions of Adrenocortical Hormones)
、ch.59、pp.1587-1612に記載されている。
【0137】
抗嘔吐処置には、限定されないが、オンダンセトロン、メトクロプラミド、プロメタジン、シクリジン、ヒヨスチン、ドロナビノール、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メジジン、ドラセトロン、グラニセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、ドンペリドン、ハロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ロラゼパム、及びチエチルペラジンが含まれる。
【0138】
止瀉処置には、限定されないが、ジフェノキシラート、ジフェノキシン、ロペラミド、コデイン、ラセカドトリル、オクトレオシド、及びベルベリンが含まれる。
【0139】
N-アセチルシステインは、生物学的に利用可能なイオウも提供する、抗酸化薬及び粘液溶解薬である。
【0140】
胃毒性を低減するための薬剤には、限定されないが、フェルギノール(参照により本明細書に組み込まれる、C.Arecheら、「マウス及びラットにおけるフェルギノールの胃保護活性:胃液分泌、内因性プロスタグランジン及び非タンパク質スルフヒドリルへの影響」(Gastroprotective Activity of Ferruginol in Mice and Rats: Effects on Gastric Secretion, Endogenous Prostaglandins and Non-Protein Sulfhydryls)、J.Pharm.Pharmacol.60:245-251(2008))が含まれる。
【0141】
改善が薬物動態学的/薬力学的モニタリングによって行われる場合、薬物動態学的/薬力学的モニタリングは、限定されないが、
(a)血漿レベルの複数回の測定、及び
(b)血中又は尿中の少なくとも1つの代謝産物の複数回の測定
からなる群から選択される方法である。
【0142】
血漿レベルの測定、又は血中若しくは尿中の少なくとも1つの代謝産物の測定は、イムノアッセイにより行われるのが一般的である。イムノアッセイを行うための方法は、当技術分野において周知であり、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、競合的イムノアッセイ、ラテラルフローテストストリップを用いるイムノアッセイ、及び他のアッセイ方法が含まれる。
【0143】
改善が薬物の組み合わせによって行われる場合、薬物の組み合わせは、限定されないが、
(a)疑似ヌクレオシドとの使用;
(b)疑似ヌクレオチドとの使用;
(c)チミジル酸シンターゼ阻害剤との使用;
(d)シグナル伝達阻害剤との使用;
(e)シスプラチン又は白金類似体との使用;
(f)アルキル化剤との使用;
(g)抗チューブリン剤との使用;
(h)代謝拮抗剤との使用;
(i)ベルベリンとの使用;
(j)アピゲニンとの使用;
(k)コルヒチン又はその類似体との使用;
(l)ゲニステインとの使用;
(m)エトポシドとの使用;
(n)シタラビンとの使用;
(o)カンプトテシンとの使用;
(p)ビンカアルカロイドとの使用;
(q)トポイソメラーゼ阻害剤との使用;
(r)5-フルオロウラシルとの使用;
(s)クルクミンとの使用;
(t)NF-κB阻害剤との使用;
(u)ロスマリン酸との使用;
(v)ミトグアゾンとの使用;
(w)メイソインジゴとの使用;
(x)イマチニブとの使用;
(y)ダサチニブとの使用;
(z)ニロチニブとの使用;
(aa)エピジェネティックモジュレーターとの使用;
(ab)転写因子阻害剤との使用;
(ac)タキソールとの使用;
(ad)ホモハリングトニンとの使用;
(ae)ピリドキサールとの使用;
(af)スピロゲルマニウムとの使用;
(ag)カフェインとの使用;
(ah)ニコチンアミドとの使用;
(ai)メチルグリオキサルビスグアニルヒドラゾンとの使用;
(aj)Rhoキナーゼ阻害剤との使用;
(ak)1,2,4-ベンゾトリアジンオキシドとの使用;
(al)アルキルグリセロールとの使用;
(am)Mer、Ax1、又はTyro-3受容体キナーゼの阻害剤との使用、
(an)ATRキナーゼの阻害剤との使用;
(ao)Fmsキナーゼ、Kitキナーゼ、MAP4K4キナーゼ、TrkAキナーゼ、又はTrkBキナーゼのモジュレーターとの使用;
(ap)エンドキシフェンとの使用;
(aq)mTOR阻害剤との使用;
(ar)Mnk1aキナーゼ、Mkn1bキナーゼ、Mnk2aキナーゼ、又はMnk2bキナーゼの阻害剤との使用;
(as)ピルビン酸キナーゼM2のモジュレーターとの使用;
(at)ホスホイノシチド3-キナーゼのモジュレーターとの使用;
(au)システインプロテアーゼ阻害剤との使用;
(av)フェンフォルミンとの使用;
(aw)シンドビスウイルス系のベクターとの使用;
(ax)Smacのミメチックとして作用し、IAPを阻害してアポトーシスを促進するペプチドミメチックとの使用;
(ay)Rafキナーゼ阻害剤との使用;
(az)核移行モジュレーターとの使用;
(ba)酸性セラミダーゼ阻害剤及びコリンキナーゼ阻害剤との使用;
(bb)チロシンキナーゼ阻害剤との使用;
(bc)抗CS1抗体との使用;
(bd)プロテインキナーゼCK2の阻害剤との使用;
(be)抗グアニリルシクラーゼC(GCC)抗体との使用;
(bf)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との使用;
(bg)カンナビノイドとの使用;
(bh)グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストとの使用;
(bi)Bcl-2又はBcl-xLの阻害剤との使用;
(bj)Stat3経路阻害剤との使用;
(bk)ポロ様キナーゼ1(Plk1)の阻害剤との使用;
(bl)GBPAR1アクチベータとの使用;
(bm)セリン-スレオニンプロテインキナーゼ及びポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性のモジュレーターとの使用;
(bn)タキサンとの使用;
(bo)ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤との使用;
(bp)アロマターゼの阻害剤との使用;
(bq)ベンズイミダゾール系の抗腫瘍薬との使用;
(br)O6-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェラーゼ(MGMT)阻害剤との使用;
(bs)CCR9阻害剤との使用;
(bt)酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤との使用;
(bu)ペプチドミメチック大環状分子との使用;
(bv)コラン酸アミドとの使用;
(bw)置換オキサザホスホリンとの使用;
(bx)抗TWEAK受容体抗体との使用;
(by)ErbB3結合タンパク質との使用;
(bz)グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性化抗腫瘍化合物との使用;
(ca)置換ホスホロジアミデートとの使用;
(cb)MEKKプロテインキナーゼの阻害剤との使用;
(cd)COX-2阻害剤との使用;
(ce)シメチジン及びシステイン誘導体との使用;
(cf)抗IL-6受容体抗体との使用;
(cg)抗酸化剤との使用;
(ch)チューブリン重合のイソキサゾール阻害剤との使用;
(ci)PARP阻害剤との使用;
(cj)Auroraプロテインキナーゼ阻害剤との使用;
(ck)前立腺特異的膜抗原に結合するペプチドとの使用;
(cl)CD19結合剤との使用;
(cm)ベンゾジアゼピンとの使用;
(cn)トール様受容体(TLR)アゴニストとの使用;
(co)架橋二環式スルファミドとの使用;
(cp)上皮成長因子受容体キナーゼの阻害剤との使用;
(cq)アクチン結合活性を有するT2ファミリーのリボヌクレアーゼとの使用;
(cr)ミルシノン酸A又はその類似体との使用;
(cs)サイクリン依存性キナーゼの阻害剤との使用;
(ct)p53とMDM2との間の相互作用の阻害剤との使用;
(cu)受容体チロシンキナーゼMETの阻害剤との使用;
(cv)ラルガゾール又はラルガゾール類似体との使用;
(cw)AKTプロテインキナーゼの阻害剤との使用;
(cx)2’-フルオロ-5-メチル-β-L-アラビノフラノシルウリジン又はL-デオキシチミジンとの使用;
(cy)HSP90モジュレーターとの使用;
(cz)JAKキナーゼの阻害剤との使用;
(da)PDK1プロテインキナーゼの阻害剤との使用;
(db)PDE4阻害剤との使用;
(de)癌原遺伝子c-Metチロシンキナーゼの阻害剤との使用;
(df)インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの阻害剤との使用;
(dg)ATDCの発現を阻害する薬剤(TRIM29)との使用;
(dh)核受容体のコアクチベーターペプチドとの相互作用のプロテオミメチック阻害剤との使用;
(di)XIAPファミリータンパク質のアンタゴニストとの使用;
(dj)腫瘍標的化スーパー抗原との使用;
(dk)Pimキナーゼの阻害剤との使用;
(dl)CHK1又はCHK2キナーゼの阻害剤との使用;
(dm)アンジオポエチン様4タンパク質の阻害剤との使用;
(dn)Smoアンタゴニストとの使用;
(do)ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニストとの使用;
(dp)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤との使用;
(dq)アデノシンA3受容体アンタゴニストとの使用;
(dr)癌ワクチンとの使用;
(ds)JAK2阻害剤との使用;及び
(dt)Src阻害剤との使用
からなる群から選択される薬物の組み合わせである。
【0144】
トポイソメラーゼ阻害剤には、限定されないが、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、アムサクリン、エトポシド、エトポシド燐酸塩、テニポシド、ドキソルビシン、及び4-[2-(3,5-ジオキソ-1-ピペラジニル)-1-メチルプロピル]ピペラジン-2,6-ジオン(ICRF-193)が挙げられる。
【0145】
疑似ヌクレオシドには、限定されないが、シトシンアラビノシド、ゲムシタビン、及びフルダラビンが含まれ、他の疑似ヌクレオシドは当技術分野において知られている。
【0146】
疑似ヌクレオチドには、限定されないが、フマル酸テノホビルジソプロキシル及びアデホビルジピボキシルが含まれ、他の疑似ヌクレオチドは当技術分野において知られている。
【0147】
チミジル酸合成酵素阻害剤には、限定されないが、ラルトトレキセド、ペメトレキセド、ノラトレキセド、ZD9331、GS7094L、フルオロウラシル、及びBGC945が含まれる。
【0148】
シグナル伝達阻害剤は、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、A.V.Leeら、「シグナル伝達阻害剤の新しい作用機序:受容体チロシンキナーゼダウンレギュレーション及びシグナルトランス活性化の遮断」“New Mechanisms of Signal Transduction Inhibitor Action:Receptor Tyrosine Kinase Down-Regulation and Blockade of Signal Transactivation”、Clin.Cancer Res.9:516s(2003)に記載されている。
【0149】
アルキル化剤には、限定されないが、参照により本明細書に組み込まれる、Chaoらによる米国特許第7,446,122号に記載されている、Shionogi 254-S、アルド-ホスファミド類似体、アルトレタミン、アナキシロン、Boehringer Mannheim BBR-2207、ベンダムスチン、ベストラブシル、ブドチタン、Wakunaga CA-102、カルボプラチン、カルムスチン、Chinoin-139、Chinoin-153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、American Cyanamid CL-286558、Sanofi CY-233、シプラテート、Degussa D-19-384、Sumimoto DAC
HP(Myr)、ジフェニルスピロムスチン、二白金細胞増殖抑制剤、Erbaジスタマイシン誘導体、Chugai DWA-2114R、ITI E09、エルムスチン、Erbamont FCE-24517、エストラムスチンリン酸エステルナトリウム、フォテムスチン、Unimed G-6-M、Chinoin GYKI-17230、ヘプスルファム、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マホスファミド、メルファラン、ミトラクトール、Nippon Kayaku NK-121、NCI NSC-264395、NCI NSC-342215、オキサリプラチン、Upjohn PCNU、プレドニムスチン、Proter PTT-119、ラニムスチン、セムスチン、SmithKline SK&F-101772、Yakult Honsha SN-22、スピロムスチン、Tanabe Seiyaku TA-077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチン、及びトリメラモールが含まれる。
【0150】
抗チューブリン剤には、限定されないが、ビンカアルカロイド、タキサン、ポドフィロトキシン、ハリコンドリンB、及びホモハリコンドリンBが含まれる。
【0151】
代謝拮抗剤には、限定されないが、メトトレキセート、ペメトレキセド、5-フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、ゲムシタビン、6-メルカプトプリン、及びペントスタチン、アラノシン、AG2037(Pfizer)、5-FU-フィブリノゲン、アカンチ葉酸、アミノチアジアゾール、ブレキナルナトリウム、カルモフール、Ciba-Geigy CGP-30694、シクロペンチルシトシン、シタラビンホスフェートステアレート、シタラビン複合体、Lilly DATHF、Merrill-Dow DDFC、デアザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、Yoshitomi DMDC、ドキシフルリジン、Wellcome EHNA、Merck&Co.EX-015、ファザラビン、フロクスウリジン、フルダラビンホスフェート、N-(2’-フラニジル)-5-フルオロウラシル、Daiichi Seiyaku FO-152、イソプロピルピロリジン、Lilly LY-188011、Lilly LY-264618、メトベンザプリム、メトトレキセート、Wellcome
MZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC-127716、NCI NSC-264880、NCI NSC-39661、NCI NSC-612567、Warner-Lambert PALA、ピリトレキシム、プリカマイシン、Asahi Chemical PL-AC、Takeda TAC-788、チオグアニン、チアゾフリン、Erbamont TIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、チロシンプロテインキナーゼ阻害剤、Taiho UFT、及びウリシチンが含まれる。
【0152】
ベルベリンには抗生物質活性があり、炎症誘発性サイトカイン及びEセレクチンの発現を防止及び抑制し、アディポネクチン発現を増大する。
【0153】
アピゲニンは、シクロスポリンの有害作用を逆転することができるフラボンであり、単独又は糖と誘導体化してのいずれかで、化学的保護活性を有する。
【0154】
コルヒチンは、タンパク質チューブリンに結合することによって活性を発揮する三環性アルカロイドである。コルヒチンの類似体には、限定されないが、コルヒセインアミド、N-デスアセチルチオコルヒチン、デメコルチン、N-アセチルヨードコルヒノール、トリメチルコルヒチン酸(TMCA)メチルエーテル、N-アセチルコルヒノール、TMCAエチルエーテル、イソコルヒチン、イソコルヒセインアミド、イソ-TMCAメチルエーテル、コルヒセイン、TMCA、N-ベンゾイルTMCA、コルヒコサミド、コルヒコシド、コルヒノール及びコルヒノン酸が含まれる(いずれも参照により本明細書に組み込まれる、M.H.Zweig & C.F.Chignell、「ラット脳微小管タンパク質といくつかのコルヒチン類似体、ビンブラスチン及びポドフィロトキシンの相互作用」“Interaction of Some Colchicine Analogs
,Vinblastine and Podophyllotoxin with Rat Brain Microtubule Protein”、Biochem.Pharmacol.22:2141-2150(1973)及びB.Yangら、「環C修飾コルヒチン類似体の合成と生物学的評価」(Syntheses and Biological Evaluation of Ring C-Modified Colchicine Analogs)、Bioorg.Med.Chem.Lett.20:3831-3833(2010))。
【0155】
ゲニステインは、体系名5,7-ジヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロメン-4-オンを有するイソフラボンである。ゲニステインは、PPARの活性化、いくつかのチロシンキナーゼの阻害、トポイソメラーゼの阻害、抗酸化活性、Nrf2抗酸化応答の活性化、エストロゲン受容体ベータの活性化及び哺乳類ヘキソース輸送体GLUT2の阻害を含む多くの生物学的活性を有する。
【0156】
エトポシドは、主にトポイソメラーゼII阻害剤として作用する抗癌剤である。エトポシドは、DNA及びトポイソメラーゼII酵素と共に3要素複合体を形成し、DNA鎖が再連結するのを妨害し、したがって、DNA鎖の破損を誘導し、癌細胞のアポトーシスを促進する。
【0157】
シタラビンは、リボースをアラビノースで置換したヌクレオシド類似体である。それはDNAに組み入れることができ、DNA及びRNAポリメラーゼ並びにヌクレオチドレダクターゼの両方も阻害する。シタラビンは、急性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病の処置に特に有用であるが、他の悪性腫瘍に対して種々の薬剤と併用して使用することができる。
【0158】
カンプトテシンには、カンプトテシン、ホモカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、DB67、BNP1350、エキサテカン、ラルトテカン、ST1481、及びCKD602が含まれる。これらの化合物は、トポイソメラーゼI阻害剤として作用し、癌細胞においてDNA合成をブロックする。
【0159】
ビンカアルカロイドには、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビンが含まれる。
【0160】
トポイソメラーゼ阻害剤には、トポイソメラーゼI阻害剤及びトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。トポイソメラーゼI阻害剤には、カンプトテシン及びラメラリンDが含まれる。トポイソメラーゼII阻害剤には、アモナフィド並びにその誘導体及び類似体に加えて、エトポシド、テニポシド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エリプチシン及びオーリントリカルボン酸が含まれる。ゲニステイン、ケルセチン及びレスベラトロールなどの植物から得られた天然に生じる多くのフェノール性化合物は、トポイソメラーゼI及びトポイソメラーゼIIの両方に対して阻害活性を表す。
【0161】
5-フルオロウラシル化合物は、チミジル酸シンターゼ阻害剤として作用し、それによってDNA合成を阻害する塩基類似体である。チミジンの十分な供給が不足すると、迅速に分裂する癌細胞は、チミン飢餓死として知られるプロセスによって死滅する。
【0162】
クルクミンには、抗腫瘍、抗炎症、抗酸化、抗虚血、抗関節炎、及び抗アミロイドの性質があると考えられており、肝臓保護活性もある。
【0163】
NF-κB阻害剤には、限定されないが、ボルテゾミブが含まれる。
【0164】
ロスマリン酸は、抗炎症活性も有する、天然に存在するフェノール性抗酸化剤である。
【0165】
ミトグアゾンは、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼの競合的阻害による、ポリアミン生合成の阻害剤である。
【0166】
メイソインジゴは、いくつかのおそらく新規の作用機序によって活性を有する。メイソインジゴは、AML細胞系のG(O)/G1停止及びHT-29結腸細胞系のG2/M停止を含む細胞周期特異的効果を有する。原発AML細胞におけるp21及びp27の上方制御及びBcl-2のダウンレギュレーション並びにAML細胞(化学療法に非感受性のDKO)におけるBak及びBaxの上方制御並びにK562細胞における新規カスパーゼ依存性経路を含むいくつかの機序によって、アポトーシスも刺激する。メイソインジゴはまた、ミトコンドリアに影響を及ぼすが、Bcl-2、Bax及びBidタンパク質発現には変化がない。メイソインジゴはまた、HL-60骨髄細胞において、プロカスパーゼ3、8、9及びPARPの切断を刺激する。メイソインジゴはまた、おそらく相乗的で補完的な複数の細胞標的を対象とする。例えば、c-myb遺伝子発現のダウンレギュレーションを伴って、ヒト骨髄芽球性白血病細胞の分化を促進する。また、W256細胞におけるDNA及びRNA合成の阻害、微小管集合、グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3β(GSK-3β)(5-50nM)、CDK1/サイクリンB、及びCDK5/p25(タウ微小管タンパク質リン酸化)を促進する。さらに、メイソインジゴは、β-カテニン及びc-mycを減少させ(HL-60細胞において、K562では減少させない)、GSK-3βを阻害し、β-カテニン及びc-mycタンパク質発現をダウンレギュレーションすることによって、Wnt経路に影響を及ぼす。メイソインジゴはまた、CD11bを上方制御して骨髄分化を促進し、Jurkat細胞においてAhi-1の上方制御を促進する(c-Mybのリン酸化を誘導する)。さらに、メイソインジゴは、VEGF防御、VCAM-1、HUVECにおける管腔形成の減少及びECV304アポトーシスを含む血管新生抑制効果を表す。
【0167】
イマチニブは、受容体チロシンキナーゼ酵素ABLの阻害剤であり、慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍及びその他の過剰増殖障害を処置するために使用される。
【0168】
ダサチニブは、BCR/ABL及びSrcファミリーチロシンキナーゼの阻害剤で、慢性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病を処置するために使用される。
【0169】
ニロチニブは、慢性骨髄性白血病の処置に承認されたもう1つのチロシンキナーゼ阻害剤であり、キナーゼBCR/ABL、KIT、LCK、EPHA3及び多くのその他のキナーゼを阻害する。ニロチニブの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Aloyzらの米国特許出願公開第2011/0028422号に記載されている。
【0170】
エピジェネティックモジュレーターには、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、S.K.Sharmaらの「ポリアミン系小分子エピジェネティック調節因子」“Polyamine-Based Small Molecule Epigenetic Modulators”,Med.Chem.Commun.3:14-21(2012)及びL.G.Wang & J.W.Chiao,「エピジェネティックな調節を介するフェネチルイソチオシアネートの前立腺癌の化学的予防活性(総説)」,“Prostate Cancer Chemopreventive Activity of Phenethyl Isothiocyanate Through Epigenetic Regulation(Review)”,Int.J.Oncol.37:533-539(2010)に記載されたポリアミンをベースにしたエピジェネティックモジュレーターなどのポリアミン系エピジェネティックモジュレーターが含まれる。
【0171】
転写因子阻害剤には、1-(4-ヘキサフェニル)-2-プロパン-1-オン、3-フルオロ-4-[[2-ヒドロキシ-2-(5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニル)アセチル]アミノ]-安息香酸(BMS961)、4-[5-[8-(1-メチルエチル)-4-フェニル-2-キノリニル]-1H-ピロロ-2-安息香酸(ER-50891)、7-エテニル-2-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-5-ベンゾキサゾロール(ERB041)及びその他の化合物が含まれる。転写因子阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる、「有機小分子による転写因子の阻害」,“Inhibition of Transcription Factors with Small Organic Molecules”,Curr.Opin.Chem.Biol.12:464-471(2008)に記載されている。
【0172】
テトランドリンは、化学構造6,6’,7,12-テトラメトキシ-2,2’-ジメチル-1β-ベルバマンを有し、抗炎症、免疫性、及び抗アレルギーの効果を有し、キニジンと同様の抗不整脈効果を有するカルシウムチャネルブロッカーである。これは、ステファニア・テトランダ(Stephania tetranda)及び他のアジアの薬草から単離されている。
【0173】
VEGF阻害剤には、VEGFに対するモノクローナル抗体であるベバシズマブ(Avastin)、イトラコナゾール、及びスラミン、並びにマトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤であるバチマスタット及びマリマスタット、並びにカンナビノイド及びその誘導体が含まれる。
【0174】
癌ワクチンは開発中である。一般に、癌ワクチンは、正常細胞には生じない、癌細胞に生じるタンパク質(単数又は複数)に対する免疫応答に基づくものである。癌ワクチンには、転移性のホルモン不応性前立腺癌に対するProvenge、腎臓癌に対するOncophage、肺癌に対するCimaVax-EGF、乳癌、結腸癌、膀胱癌、及び卵巣癌などのHer2/neu発現性の癌に対するMOBILAN、Neuvenge、乳癌に対するStimuvax、並びにその他が含まれる。癌ワクチンは、参照により本明細書に組み込まれる、S,Pejawar-Gaddy及びO.Finnの「ワクチン:成果と課題」“Cancer Vaccines:Accomplishments and Challenges”、Crit.Rev.Oncol.Hematol.、67:93-102(2008)に記載されている。
【0175】
癌治療におけるメチルグリオキサルビスグアニルヒドラゾンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、D.D.Von Hoffの「MGBG:古い薬への新しい教示」“MGBG: Teaching an Old Drug New Tricks”,Ann.Oncol.5:487-493(1994)に記載されている。
【0176】
(R)-(+)-N-(4-ピリジル)-4-(1-アミノエチル)ベンズアミド、エタクリン酸、4-[2(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)アクリロイル]ケイ皮酸、(+)-トランス-4-(1-アミノエチル)-1-(4-ピリジルカルバモイル)シクロヘキサン、(+)-10トランス-N-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-4-(1-アミノエチル)シクロヘキサンカルボキサミド及び(R)-(+)-N-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-4-(1-アミノエチル)ベンズアミドなどのRhoキナーゼ阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Fujiiらの米国特許第6,930,115号に記載された通りである。
【0177】
3-ヒドロキシ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、3-アミノ-7-トリフルオロメチル-1,2,4-ベンゾトリアジン1-オキシド、3-アミノ-7-
カルバミル-1,2,4-ベンゾトリアジン1-オキシド、7-アセチル-3-アミノ-1,2,4-ベンゾトリアジン1-オキシドオキシム、3-アミノ-6(7)デシル-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、1,2,4-ベンゾトリアジンジオキシド、7-クロロ-3-ヒドロキシ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、7-ニトロ-3-アミノ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、3-(3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ)-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、7-ニトロ-3-(2-N,N-ジエチルアミノエチルアミノ)-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、7-アリルオキシ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、7-(3-N-エチルアセトアミド-2-アセトキシプロポキシ)1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、7-ニトロ-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、3-プロピル-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシド、及び3-(1-ヒドロキシエチル)-1,2,4-ベンゾトリアジン1,4-ジオキシドなどの1,2,4-ベンゾトリアジンオキシドの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Brownの米国特許第6,277,835号に記載された通りである。
【0178】
アルキルグリセロールの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Firsheinの米国特許第6,121,245号に記載されている。
【0179】
Mer、Ax1又はTyro-3受容体チロシンキナーゼの阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Grahamらの米国特許出願公開第2012/0230991号に記載されている。これらの阻害剤は、モノクローナル抗体を含む抗体又は融合タンパク質である。
【0180】
ATRキナーゼの阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Charrierらの米国特許出願公開第2012/0177748号に記載されている。ATRキナーゼのこれらの阻害剤は、2-アミノ-N-フェニル-5-(3-ピリジル)ピリジン-3-カルボキサミド、5-(4-(メチルスルホニル)フェニル-3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミン、及び5-(1-エチルスルホニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-3-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-アミンなどの置換ピリジン化合物である。
【0181】
Fmsキナーゼ、Kitキナーゼ、MAP4K4キナーゼ、TrkAキナーゼ又はTrkBキナーゼの1つ又は複数の活性を変更する化合物の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Ibrahimらの米国特許出願公開第2012/0165329号に記載されている。これらの化合物には、(6-メトキシ-ピリジン-3-イルメチル)[5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イルメチル)-ピリミジン-2-イル]-アミン、(5-フルオロ-2-メトキシ-ピリジン-3-イルメチル)-[5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イルメチル)-ピリミジン-2-イル]-アミン、及び(5-フルオロ-6-メトキシ-ピリジン-3-イルメチル)-[5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イルメチル)-ピリミジン-2-イル]-アミンが含まれる。Trkキナーゼ、特にTrkAを阻害する化合物は、参照により本明細書に組み込まれる、Wuらの米国特許出願公開第2011/0301133号に記載されている。
【0182】
エンドキシフェンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Ahmadらの米国特許出願公開第2012/0164075号に記載されている。
【0183】
mTOR阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Burkeらの米国特
許出願公開第2012/0129881号に記載されている。適切なmTOR阻害剤には、限定されないが、40-O-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシンが含まれる。これらのmTOR阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Laneの米国特許出願公開第2011/0301184号に記載されているように、Rafキナーゼ阻害剤と一緒に使用することができる。Rafキナーゼ阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Ibrahimらの米国特許出願公開第2010/0286178号に記載されており、これらの化合物には、限定されないが、プロパン-1-スルホン酸{2,4-ジフルオロ-3-[5-(2-メトキシ-ピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル]-フェニル}-アミド、プロパン-1-スルホン酸[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロ-フェニル]-アミド、プロパン-1-スルホン酸[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2-フルオロ-フェニル]-アミド、N-[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロ-フェニル]-2,5-ジフルオロ-ベンゼンスルホンアミド、N-[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロ-フェニル]-3-フルオロ-ベンゼンスルホンアミド、ピロリジン-1-スルホン酸[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロ-フェニル]-アミド、及びN,N-ジメチルアミノ-スルホン酸[3-(5-シアノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロ-フェニル]-アミドが含まれる。これらのmTOR阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Bhagwatらの米国特許出願公開第2009/0274698号に記載されているように、悪性腫瘍細胞においてpAktレベルを上昇させる化合物と一緒に使用することができる。化学療法薬、ラパマイシンの類似体及びその他の薬剤を含むpAktレベルを上昇させる多くの化合物が記載されている。mTOR阻害剤の使用はまた、参照により組み込まれる、Jinらの米国特許第8,268,819号に記載されており、これらのmTOR阻害剤はヘキサヒドロオキサジノプテリン化合物である。
【0184】
Mnk1aキナーゼ、Mnk1bキナーゼ、Mnk2aキナーゼ又はMnk2bキナーゼの阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Austenらの米国特許出願公開第2012/0128686号に記載されている。これらの化合物には、チエノピリミジンが含まれる。1種又は複数のこれらのキナーゼのさらなるチエノピリミジン阻害剤は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Heckelらの米国特許出願公開第2011/0212103号及びLehmann-Lintzらの米国特許出願公開第2011/0212102号に記載されている。
【0185】
ピルビン酸キナーゼM2のモジュレーターの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Salituroらの米国特許出願公開第2012/0122885号に記載されている。ピルビン酸キナーゼM2の適切なモジュレーターには、限定されないが、1-(3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-N-(3,5-ジメチルフェニル)-1H-イミダゾール-5-スルホンアミド;1-(3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-N-(5-メトキシフェニル)-1H-イミダゾール-5-スルホンアミド;及びN-(4-メトキシフェニル)-1-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-H-イミダゾール-5-スルホンアミドが含まれる。
【0186】
ホスホイノシチド3-キナーゼのモジュレーターの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Renらの米国特許出願公開第2012/0122838号に記載されている。ホスホイノシチド3-キナーゼの阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Lambらの米国特許出願公開第2010/0209420号及び参照により本明細書に
組み込まれる、Buhrらの米国特許出願公開第2009/0209340号に記載されており、これらの阻害剤にはピリドピリミドンが含まれる。ホスホイノシチド3-キナーゼの阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Blaquiereらの米国特許第8,242,104号に記載されており、これらの阻害剤にはベンゾオキサゼピンが含まれる。ホスホイノシチド3-キナーゼの阻害剤はまた、Renらの米国特許第8,193,182号に記載されており、これらの阻害剤にはイソキノリン-1(2H)-オンが含まれる。ホスホイノシチド3-キナーゼの阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Doらの米国特許第7,928,428号に記載されており、これらの阻害剤にはベンゾピラン及びベンゾキセピンが含まれる。
【0187】
システインプロテアーゼ阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Caoらの米国特許出願公開第2012/0114765号に記載されている。適切なシステインプロテアーゼ阻害剤には、限定されないが、1-[5-(2,4-ジクロロフェニルスルファニル)-4-ニトロ-2-チエニル]エタノン、1-[5-(2,4-ジフルオロフェニルスルファニル)-4-ニトロ-2-チエニル]エタノン、及び1-{4-ニトロ-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニルスルファニル]-2-チエニル}エタノンが含まれる。
【0188】
フェンフォルミンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Thompsonの米国特許出願公開第2012/0114676号に記載されている。
【0189】
シンドビスをベースにしたウイルスベクターの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Merueloらの米国特許出願公開第2011/0318430号に記載されている。これらのベクターは、親和性の高いラミニン受容体を高レベルで発現する固形腫瘍に結合することができる。
【0190】
Smacのミメチックとして働き、IAPを阻害してアポトーシスを促進するペプチドミメチックの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Condonらの米国特許出願公開第2011/0305777号に記載されている。
【0191】
核移行モジュレーター、特にCrm1の阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Shachamらの米国特許出願公開第2011/0275607号に記載されている。Crm1のこれらの阻害剤には、限定されないが、(Z)-3-[3-(3-クロロフェニル)[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸エチルエステル、(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸エチルエステル、(Z)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸イソプロピルエステル、(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸イソプロピルエステル、(Z)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸t-ブチルエステル、(Z)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリル酸t-ブチルエステル、(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-N-フェニル-アクリルアミド、(E)-N-(2-クロロフェニル)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリルアミド、(4-{(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリロイルアミノ}-フェニル-)-カルバミン酸t-ブチルエステル、(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-N-(4-メトキシフェニル)-アクリルアミド、(E)-3-[3-(3-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-N-メチル-N-フェニル-アクリルアミド、及び(E)-N-(4-アミノフェニル)-3-[3-(3
-クロロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾール-1-イル]-アクリルアミドが含まれる。
【0192】
チロシンキナーゼ阻害剤の使用は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、チロシンキナーゼのトリメトキシフェニル阻害剤を対象とするZhangらの米国特許出願公開第2011/0206661号及びチロシンキナーゼのキノリン阻害剤を対象とする米国特許出願公開第2011/0195066号に記載されている。チロシンキナーゼ阻害剤の使用はまた、チロシンキナーゼのアミノピリジン阻害剤を対象とする、参照により本明細書に組み込まれる、Zhangらの米国特許出願公開第2011/053968号に記載されている。チロシンキナーゼ阻害剤の使用はまた、参照により本明細書に組み込まれる、チロシンキナーゼのインダゾール阻害剤を対象とする米国特許出願公開第2010/0291025号に記載されている。チロシンキナーゼ阻害剤の使用はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Renらの米国特許出願公開第2010/0190749号に記載されており、これらのチロシンキナーゼ阻害剤は、ベンゾキサゾール化合物であり、この種の化合物はまた、mTOR及びホスホイノシチド3-キナーゼなどの脂質キナーゼを阻害することができる。チロシンキナーゼ阻害剤の使用はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Lajeunesseらの米国特許第8,242,270号に記載されており、これらのチロシンキナーゼ阻害剤は2-アミノチアゾール-5-芳香族カルボキサミドである。
【0193】
酸性セラミダーゼ阻害剤及びコリンキナーゼ阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Ramirez de Molinaらの米国特許出願公開第2011/0256241号に記載されている。
【0194】
抗CS1抗体の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Afarの米国特許出願公開第2011/0165154号に記載されている。
【0195】
タンパク質キナーゼCK2阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Haddachらの米国特許出願公開第2011/0152240号に記載されている。これらのタンパク質キナーゼCK2阻害剤には、ピラゾロピリミジンが含まれる。三環系化合物を含むさらなるタンパク質キナーゼCK2阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Haddachらの米国特許出願公開第2011/0071136号に記載されており、これらのタンパク質キナーゼCK2阻害剤は、Pimキナーゼ又はその他のキナーゼも阻害することができる。複素環置換ラクタムを含むさらなるタンパク質キナーゼCK2阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Haddachらの米国特許出願公開第2011/0071115号に記載されており、これらのタンパク質キナーゼCK2阻害剤は、Pimキナーゼ又はその他のキナーゼも阻害することができる。
【0196】
抗グアニリルシクラーゼC(GCC)抗体の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Namらの米国特許出願公開第2011/0110936号に記載されている。
【0197】
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Thalerらの米国特許出願公開第2011/0105474号に記載されている。これらのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤には、限定されないが、(E)-N-ヒドロキシ-3-{4-[(E)-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{3-[(E)-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{3-[(E)-3-オキソ-3-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-3-[3-((E)-3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソ-
プロペニル)-フェニル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{3-[(E)-3-オキソ-3-(シス-3,4,5-トリメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-3-{3-[(E)-3-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-3-オキソ-プロペニル]-フェニル}-N-ヒドロキシ-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{4-[(E)-3-オキソ-3-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-3-[4-((E)-3-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル-3-オキソ-プロペニル)-フェニル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{4-[(E)-3-オキソ-3-(シス-3,4,5-トリメチル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{4-[(E)-3-オキソ-3-((1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-プロペニル]-フェニル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{5-[(E)-3-オキソ-3-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{5-[(E)-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{6-[(E)-3-オキソ-3-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド;(E)-N-ヒドロキシ-3-{6-[(E)-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド;(E)-3-(6-{(E)-3-[4-(3-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-3-オキソ-プロペニル}-ピリジン-2-イル)-N-ヒドロキシ-アクリルアミド;(E)-3-{6-[(E)-3-(4-ベンゾイル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-N-ヒドロキシ-アクリルアミド塩酸塩;(E)-3-(6-{(E)-3-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-3-オキソ-プロペニル}-ピリジン-2-イル)-N-ヒドロキシ-アクリルアミド塩酸塩;(E)-N-ヒドロキシ-3-{6-[(E)-3-オキソ-3-(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド塩酸塩;(E)-N-ヒドロキシ-3-{6-[(E)-3-オキソ-3-(4-ピリミジン-2-イル-ピペラジン-1-イル)-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-アクリルアミド塩酸塩;(E)-3-(6-{(E)-3-[4-(4-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-3-オキソ-プロペニル}-ピリジン-2-イル)-N-ヒドロキシ-アクリルアミド塩酸塩;及び(E)-3-{6-[(E)-3-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ピリジン-2-イル}-N-ヒドロキシ-アクリルアミド塩酸塩が含まれる。スピロ環誘導体を含むさらなるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Varasiらの米国特許出願公開第2011/039840号に記載されている。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤のプロドラッグは、参照により本明細書に組み込まれる、Millerらの米国特許第8,227,636号に記載されている。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Kozikowskiらの米国特許第8,222,451号に記載されている。二置換アニリン化合物を含むヒストン脱アセチル化酵素阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Heidebrechtらの米国特許第8,119,685号に記載されている。アリール縮合スピロ環化合物を含むヒストン脱アセチル化酵素阻害剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Hamblettらの米国特許第8,119,852号に記載されている。
【0198】
カンナビノイドの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Velasco Diezらの米国特許出願公開第2011/0086113号に記載されている。適切なカンナビノイドには、限定されないが、テトラヒドロカンナビノール及びカンナビジオールが
含まれる。
【0199】
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Karasikらの米国特許出願公開第2011/0046071号に記載されている。適切なGLP-1受容体アゴニストは、エキセンディン-4である。
【0200】
抗アポトーシスタンパク質の阻害剤Bcl-2又はBcl-xLの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Martinらの米国特許出願公開第2011/0021440号に記載されている。
【0201】
Stat3経路阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Liらの米国特許出願公開第2010/0310503号に記載されている。これらのStat3経路阻害剤には、限定されないが、2-(1-ヒドロキシエチル)-ナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン、2-アセチル-7-クロロ-ナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン、2-アセチル-7-フルオロ-ナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン、2-アセチルナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン,及び2-エチル-ナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンが含まれる。
【0202】
ポロ様キナーゼ1(Plk1)の阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Stengelらの米国特許出願公開第2010/0278833号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、チオフェン-イミダゾピリジンが含まれ、該チオフェン-イミダゾピリジンには、限定されないが、5-(6-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、5-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、5-(3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-3-イル)-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、1-(5-カルバモイル-4-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-2-チエニル)-N-(2-メトキシエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボキサミド、1-(5-カルバモイル-4-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-2-チエニル)-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-カルボキサミド、5-{6-[ジエチルアミノ)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル}-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、5-{6-[(シクロプロピルアミノ)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル}-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、5-{6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル}-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミド、及び5-[6-(ヒドロキシメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-3-{[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}チオフェン-2-カルボキサミドが含まれる。
【0203】
GBPAR1アクチベータの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Aristaらの米国特許出願公開第2010/0261758号に記載されている。これらのGBPAR1アクチベータには、限定されないが、複素環アミドが含まれる。これらの化合物には、限定されないが、N-(3,5-ジクロロフェニル)-3-メチル-N-ナフタレン-2-イルメチル-イソニコチンアミド、(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2-メトキシベンジル)-3-メチル-イソニコチンアミド、3-メチル-N-フェニル-N-ピリジン-3-イルメチル-イソニコチンアミド、N-ナフタレン-2-イルメチル-
1-オキシ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-(3,5-ジクロロフェニル)-3-メチル-N-(2-トリフルオロメトキシベンジル)-イソニコチンアミド、4-メチル-オキサゾール-5-カルボン酸ベンジル-フェニルアミド、N-ベンジル-N-フェニルイソニコチンアミド、N-ベンジル-N-p-トリルイソニコチンアミド、N-ベンジル-2-フルオロ-N-フェニルイソニコチンアミド、N-ベンジル-3,5-ジクロロ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-2-クロロ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-2-クロロ-6-メチル-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-3-メチル-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-3-クロロ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-2,5-ジクロロ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-2-メチル-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-2-シアノ-N-フェニル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-N-フェネチル-イソニコチンアミド、N-ベンジル-N-(2-フルオロメトキシ-フェニル)-イソニコチンアミド、及びN-ベンジル-N-(4-クロロフェニル)-イソニコチンアミドが含まれる。さらなるGBPAR1アクチベータは、参照により本明細書に組み込まれる、Aristaの米国特許出願公開第2010/0048579号に記載されており、ピリダジン、ピリジン、及びピラン誘導体が含まれる。
【0204】
セリン-スレオニンタンパク質キナーゼ及びポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)活性のモジュレーターの使用は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Chuaらの米国特許出願公開第2009/0105233号及びDryginらの米国特許出願公開第2010/0173013号に記載されている。セリン-スレオニンタンパク質キナーゼは、限定されないが、CK2、CK2α2、Pim-1、CDK1/サイクリンB、c-RAF、Mer、MELK、DYRK2、Flt3、Flt3(D835Y)、Flt4、HIPK3、HIPK2、及びZIPKである。
【0205】
タキサンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Singhらの米国特許出願公開第2010/0166872号に記載されている。タキサンは、限定されないが、パクリタキセル又はドセタキセルである。
【0206】
ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Gantらの米国特許出願公開第2010/0150896号に記載されている。ジヒドロ葉酸還元酵素のこれらの阻害剤には、限定されないが、ジアミノキナゾリンが含まれる。
【0207】
アロマターゼの阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Gantらの米国特許出願公開第2010/0111901号に記載されている。アロマターゼのこれらの阻害剤には、限定されないが、トリアゾールが含まれる。
【0208】
ベンズイミダゾール系の抗腫瘍薬の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Gohらの米国特許出願公開第2010/0098691号に記載されている。ベンズイミダゾール系の抗腫瘍薬は、限定されないが、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-イソプロピル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブチル-1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-(2-メチルスルファニル-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-エトキシメチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-イソブチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミ
ノ-エチル)-2-イソブチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブチル-1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブタ-3-イニル-1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブタ-3-エニル-1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブタ-3-エニル-1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ブタ-3-イニル-1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-2-エトキシメチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-2-(2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-N-ヒドロキシ-3-[1-(3-イソプロピルアミノ-プロピル)-2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)-1-H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-アクリルアミド、(E)-3-[2-(2,2-ジメチル-プロピル)-1-(2-イソプロピルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-2-(2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-2-イソブチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-ヘキサ-3-エニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-2-(2,4,4-トリメチル-ペンチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-シクロヘキシル-1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル-1-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-2-ヘキサ-3-エニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-2-ヘキサ-3-エニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ヘキサ-3-エニル-1-(2-イソプロピルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[2-ヘキサ-3-エニル-1-(3-イソプロピルアミノ-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-エチルアミノ-エチル)-2-ヘキサ-3-エニル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジエチルアミノ-エチル)-2-ヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-N-ヒドロキシ-3-[1-(3-イソプロピルアミノ-プロピル)-2-(2,4,4-トリメチル-ペンチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-アクリル
アミド、(E)-3-[2-(2,2-ジメチル-プロピル)-1-(3-イソプロピルアミノ-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、(E)-3-[1-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-2-(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-N-ヒドロキシ-アクリルアミド、及び(E)-N-ヒドロキシ-3-[2-イソブチル-1-(2-イソプロピルアミノ-エチル)-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル]-アクリルアミドである。
【0209】
-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェラーゼ(MGMT)阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Liuらの米国特許出願公開第2010/0093647号に記載されている。適切なMGMT阻害剤には、限定されないが、O-ベンジルグアニン、O-2-フルオロピリジニルメチルグアニン、O-3-ヨードベンジルグアニン、O-4-ブロモフェニルグアニン、O-5-ヨードフェニルグアニン、O-ベンジル-8-オキソグアニン、O-(p-クロロベンジル)グアニン、O-(p-メチルベンジル)グアニン、O-(p-ブロモベンジル)グアニン、O-(p-イソプロピルベンジル)グアニン、O-(3,5-ジメチルベンジル)グアニン、O-(p-n-ブチルベンジル)グアニン、O-(p-ヒドロキシメチルベンジル)グアニン、O-ベンジルヒポキサンチン、N-アセチル-O-ベンジルグアニン、N-アセチル-O-ベンジル-8-オキソ-グアニン、2-アミノ-6-(p-メチル-ベンジル-チオ)プリン、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)-9-[(エトキシカルボニル)メチル]プリン、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)-9-(ピバロイルオキシメチル)プリン、2-アミノ-6-(ベンジル-チオ)プリン、O-ベンジル-7,8-ジヒドロ-8-オキソグアニン、2,4,5-トリアミノ-6-ベンジルオキシピリミジン、O-ベンジル-9-[(3-オキソ-5α-アンドロスタン-17β-イルオキシカルボニルメチル]グアニン、O-ベンジル-9-[(3-オキソ-4-アンドロステン-17β-イルオキシカルボニル)メチル(グアニン、8-アミノ-O-ベンジルグアニン(8-アミノ-BG)、2,4-ジアミノ-6-ベンジルオキシ-5-ニトロソピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ベンジルオキシ-5-ニトロピリミジン、及び2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-ニトロピリミジンが含まれる。
【0210】
CCR9阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Lehrらの米国特許出願公開第2010/0075963号に記載されている。これらのCCR9阻害剤には、限定されないが、ベンジルスルホニルインドールが含まれる。
【0211】
酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Baumannらの米国特許出願公開第2010/0022482号に記載されている。典型的に、これらの化合物は、ビフェニル誘導体である。
【0212】
ペプチドミメチック大環状分子の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Nashらの米国特許出願公開第2009/0275519号に記載されている。
【0213】
コラン酸アミドの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Schreinerらの米国特許出願公開第2009/0258847号に記載されている。これらのコラン酸アミドには、限定されないが、置換4-(3-ヒドロキシ-10,13-ヒドロキシメチル-ヘキサデカヒドロ-シクロペンタ(a)-フェナントレン-17-イル)ペンタン酸アミドが含まれる。
【0214】
置換オキサザホスホリンの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0202540号に記載されている。オキサザホスホリンは、限定されないが、イホスファミド及びシクロホスファミドであり得る。
【0215】
抗TWEAK受容体抗体の使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Culpの米国特許出願公開第2009/0074762号に記載されている。TWEAK受容体は、腫瘍壊死受容体スーパーファミリーの1員であり、多くの固形腫瘍の癌細胞表面で発現する。
【0216】
ErbB3結合タンパク質の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Zhangらの米国特許出願公開第2008/0269133号に記載されている。
【0217】
グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性化(GST活性化)抗腫瘍化合物の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Brownらの米国特許出願公開第2008/0166428号に記載されている。好ましいGST活性化抗腫瘍化合物は、カンホスファミドである。
【0218】
置換ホスホロジアミデートの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、2-{[2-(置換アミノ)エチル]スルホニル}エチルN,N,N’,N’-テトラキス(2-クロロエチル)-ホスホロジアミデートを記載した、Maらの米国特許出願公開第2008/0125398号、及びこの参照により本明細書に組み込まれる、2-({2-オキソ-2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]エチル}スルホニル)エチルN,N,N’,N’-テトラキス(2-クロロエチル)ホスホロジアミデートを記載したLuiらの米国特許出願公開第2008/0125397号に記載されている。置換ホスホロジアミデートの使用はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、スルホニルエチル及びチオエチルホスホロジアミデートを記載したAllenらの米国特許出願公開第2008/0039429号にも記載されている。
【0219】
MEKKプロテインキナーゼの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Sikorskiらの米国特許出願公開第2006/0100226号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、2-[3-(3,4-ジクロロ-ベンジルアミノ)-ベンジルスルファニル]-4-(3-メトキシ-フェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-5-カルボニトリル、2-[3-(3,4-ジクロロ-ベンジルアミノ)-ベンジルスルファニル]-4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-5-カルボニトリル、及び2-[3-(3,4-ジクロロ-ベンジルアミノ)-ベンジルスルファニル-4-(4-メトキシ-3-チオフェン-2-イル-フェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-5-カルボニトリルなどの2-チオピリミジノンが含まれる。
【0220】
COX-2阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Masferrerらの米国特許出願公開第2004/0072889号に記載されている。適切なCOX-2阻害剤には、限定されないが、セレコキシブ、パレコキシブ、デラコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ、及びメロキシカムが含まれる。
【0221】
シメチジン及びN-アセチルシステインの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Weidnerの米国特許出願公開第2003/0158118号に記載されている。シメチジン又はN-アセチルシステインの誘導体も使用することができる。
【0222】
抗IL-6受容体抗体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Nakamuraらの米国特許出願公開第2002/0131967号に記載されている。抗体は、ヒト化抗体であってもよい。
【0223】
抗酸化剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Chineryらの米国
特許出願公開第2001/0049349号に記載されている。適切な抗酸化剤には、限定されないが、ピロリジンジチオカルバマート、プロブコール(4,4’-(イソプロピリデンジチオ)ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、ビタミンC、ビタミンE、及び6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸が含まれる。
【0224】
チューブリン重合のイソキサゾール阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Sunらの米国特許第8,269,017号に記載されている。チューブリン重合の適切なイソキサゾール阻害剤には、限定されないが、2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)アセトアミド塩酸塩;2-アミノ-3-ヒドロキシ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)プロパンアミド塩酸塩;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)プロパンアミド;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)-4-(メチルチオ)ブタンアミド塩酸塩;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)ブタンアミド;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)-3-フェニルプロパンアミド塩酸塩;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)-4-メチルペンタンアミド塩酸塩;2-アミノ-N-(2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-4-イル)-フェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパンアミド塩酸塩;1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-2-メチル-プロピル-アンモニウムクロリド;1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-2-メチル-ブチル-アンモニウムクロリド;2-ヒドロキシ-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-プロピル-アンモニウムクロリド;2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリド;C-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-C-フェニル-メチル-アンモニウムクロリド;2-(1H-インドール-2-イル)-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリド;2-ベンゾフラン-2-イル-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリド;2-カルボキシル-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリド;3-カルボキシル-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-プロピル-アンモニウムクロリド;3-カルバモイル-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-プロピル-アンモニウムクロリド;2-カルバモイル-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリド;及び2-(3H-イミダゾール-4-イル)-1-{2-メトキシ-5-[5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イソオキサゾール-4-イル]-フェニルカルバモイル}-エチル-アンモニウムクロリドが
含まれる。
【0225】
ピリダジノンPARP阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Brancaらの米国特許第8,268,827号に記載されている。ピリダジノンPARP阻害剤には、限定されないが、6-{4-フルオロ-3-[(3-オキソ-4-フェニルピペラジン-1-イル)カルボニル]ベンジル}-4,5-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロアセタート;6-{3-[(4-シクロヘキシル-3-オキソピペラジン-1-イル)カルボニル]-4-フルオロベンジル}-4,5-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩;6-{3-[(4-シクロペンチル-3-オキソピペラジン-1-イル)カルボニル]-4-フルオロベンジル}-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン;6-{4-フルオロ-3-[(3-オキソ-4-フェニルピペラジン-1-イル)カルボニル]ベンジル}-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;4-エチル-6-{4-フルオロ-3-[(3-オキソ-4-フェニルピペラジン-1-イル)カルボニル]ベンジル}ピリダジン-3(2H)-オントリフルオロ酢酸塩;6-{3-[(4-シクロヘキシル-3-オキソピペラジン-1-イル)カルボニル]-4-フルオロベンジル}-4-エチルピリダジン-3(2H)-オントリフルオロ酢酸塩;3-{4-フルオロ-3-[(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)カルボニル]ベンジル}-4,5-ジメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩;3-(4-フルオロ-3-{[4-(4-フルオロベンジル)-3-オキソピペラジン-1-イル]カルボニル}ベンジル)-4,5-ジメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩;6-(3-{[4-(2-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロベンジル)-4,5-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩;6-(3-{[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロベンジル)-4,5-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩;及び6-(3-{[4-(3,4-ジフルオロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル]カルボニル}-4-フルオロベンジル)-4,5-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロピリダジン-1-イウムトリフルオロ酢酸塩が含まれる。その他のPARP阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、Mooreらの米国特許第8,143,447号に記載されており、これらの化合物にはニトロベンズアミド誘導体が含まれる。
【0226】
Auroraプロテインキナーゼ阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Mortimoreらの米国特許第8,268,811号に記載されている。Auroraプロテインキナーゼ阻害剤には、限定されないが、チアゾール類及びピラゾール類が含まれる。Auroraプロテインキナーゼ阻害剤の使用はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、Binchらの米国特許第8,129,399号に記載されており、これらのAuroraプロテインキナーゼ阻害剤には、限定されないが、アミノピリジン類が含まれる。
【0227】
前立腺特異的膜抗原(PSMA)に結合するペプチドの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Denmeadeらの米国特許第8,258,256号に記載されている。
【0228】
CD19結合剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、McDonaghらの米国特許第8,242,252号に記載されている。これらのCD19結合剤には、限定されないが、抗CD19抗体が含まれる。
【0229】
ベンゾジアゼピン類の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Glickの
米国特許第8,242,109号に記載されている。
【0230】
トール様受容体(TLR)アゴニストの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Howbertらの米国特許第8,242,106号に記載されている。適切なTLRアゴニストには、限定されないが、(1E,4E)-2-アミノ-N,N-ジプロピル-8-(4-(ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)-3H-ベンゾ[b]アゼピン-4-カルボキサミドが含まれる。
【0231】
架橋二環式スルファミド類の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Lewisらの米国特許第8,242,103号に記載されている。
【0232】
上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Kuriyanらの米国特許第8,242,080号に記載されている。一般的には、これらのEGFRキナーゼの阻害剤は、非対称性の活性化二量体の界面を標的とする。
【0233】
アクチン結合活性を有するT2ファミリーのリボヌクレアーゼの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Roizらの米国特許第8,236,543号に記載されている。一般的に、リボヌクレアーゼは、活性型又は不活性型のリボ核酸分解型のいずれかでアクチンに結合する。
【0234】
ミルシノン酸A又はその類似体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Leeらの米国特許第8,232,318号に記載されている。
【0235】
サイクリン依存性キナーゼの阻害剤の使用は、Shippsらの米国特許第8,227,605号に記載されており、これらの阻害剤には、限定されないが、2-アミノチアゾール-4-カルボン酸アミドが含まれる。サイクリン依存性キナーゼの阻害剤の使用はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、Mallamsらの米国特許第7,700,773号に記載されており、これらの阻害剤には、限定されないが、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-c]ピリミジン、及び2H-インダゾール化合物の4-シアノ、4-アミノ及び4-アミノメチル誘導体、並びにイミダゾ[1,2-a]ピリジン及びイミダゾ[1,5-a]ピラジン化合物の5-シアノ、5-アミノ、及び5-アミノメチル誘導体が含まれる。
【0236】
p53とMDM2との間の相互作用の阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Wangらの米国特許第8,222,288号に記載されている。
【0237】
受容体チロシンキナーゼMETの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Dinsmoreらの米国特許第8,222,269号に記載されている。これらの受容体チロシンキナーゼMETの阻害剤には、限定されないが、5H-ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン誘導体が含まれる。受容体チロシンキナーゼMETの阻害剤はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、Jewellらの米国特許第8,207,186号に記載されている。これらの化合物には、限定されないが、ベンゾシクロヘプタピリジンが含まれ、5H-ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン誘導体が含まれる。
【0238】
ラルガゾール又はラルガゾール類似体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Williamsらの米国特許第8,217,076号に記載されている。
【0239】
プロテインキナーゼAKTの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる
、Furuyamaらの米国特許第8,207,169号に記載されており、これらの阻害剤には、限定されないが、トリアゾロピリドピリジンが含まれ、置換[1,2,4]トリアゾロ[4’,3’:1,6]ピリド[2,3-b]ピラジンが含まれる。
【0240】
2’-フルオロ-5-メチル-β-L-アラビノフラノシルウリジン又はL-デオキシチミジンの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Chengの米国特許第8,207,143号に記載されている。
【0241】
HSP90活性を調節する化合物の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Yingらの米国特許第8,188,075号に記載されている。これらの化合物には、限定されないが、置換トリアゾールが含まれ、3-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-[4-(2-メトキシエトキシ)-ナフタレン-1-イル]-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(2-メチル-4-ブロモフェニル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(6-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(6-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(6-プロポキシ-ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシ-5-エチル-フェニル)-4-(5-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(6-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(2,6-ジエチルフェニル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(2-メチル-6-エチルフェニル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-5-メルカプトトリアゾール;3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(1-エチル-インドール-4-イル)-5-メルカプトトリアゾール;及び3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-5-イル)-5-メルカプトトリアゾールが挙げられる。
【0242】
JAKキナーゼ又はPDKキナーゼの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Guerinらの米国特許第8,183,245号に記載されている。JAKキナーゼには、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2が含まれる。これらの種類のキナーゼの適切な阻害剤には、限定されないが、5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-(6-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-[6-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピラジン-2-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;3-[6-(シクロヘキシルオキシ)ピラジン-2-イル]-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;N-メチル-6-[5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]-N-ピペリジン-4-イルピラジン-2-アミン;3-[6-(ピペリジン-4-イルオキシ)ピラジン-2-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;3-{6-[(3R)-ピペリジン-3-イルオキシ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン;及び3-{6-[(3S)-ピペリジン-3-イルオキシ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンが含まれる。
【0243】
ホスホジエステラーゼIV型(PDE4)の阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Mullerらの米国特許第8,158,672号に記載されている。
PDE4の阻害剤には、フルオロアルコキシ-置換1,3-ジヒドロイソインドリル化合物が含まれる。
【0244】
c-Met癌原遺伝子受容体チロシンキナーゼの阻害剤の使用はこの参照により本明細書に組み込まれる、Zhuoらの米国特許第8,143,251号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、トリアゾロトリアジンが含まれ、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b][1,2,4]トリアジンが含まれる。c-Met癌原遺伝子受容体チロシンキナーゼの阻害剤はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、Cuiらの米国特許第8,106,197号に記載されており、これらの阻害剤にはアミノヘテロアリール化合物が含まれる。
【0245】
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの阻害剤の使用は、参照として組み込まれる、Combsらの米国特許第8,088,803号に記載されており、これらの阻害剤には、限定されないが、1,2,5-オキサジアゾール誘導体が含まれる。
【0246】
ATDC(TRIM29)発現を阻害する薬剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Simeoneらの米国特許第8,088,749号に記載されている。これらの薬剤には、RNA干渉によって機能を果たすオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0247】
核受容体のコアクチベーターペプチドとの相互作用のプロテオミメチック阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Hamiltonらの米国特許第8,084,471号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、2,3’,3”-三置換テルフェニルが含まれる。
【0248】
XIAPファミリータンパク質のアンタゴニストの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Chenらの米国特許第7,910,621号に記載されている。これらのアンタゴニストには、限定されないが、エンベリンが含まれる。
【0249】
腫瘍標的化スーパー抗原の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Hedlundらの米国特許第7,763,253号に記載されている。
【0250】
Pimキナーゼの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Bearssらの米国特許第7,750,007号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン及びピラゾロ[1,5-a]ピリミジン化合物が含まれる。
【0251】
CHK1又はCHK2キナーゼの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Tepeの米国特許第7,732,436号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、インドロアゼピン及びその酸アミン塩が含まれる。
【0252】
アンジオポエチン様4タンパク質の阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Gerberらの米国特許第7,740,846号に記載されている。これらの阻害剤には、限定されないが、モノクローナル抗体を含む抗体が含まれる。
【0253】
Smoの阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Balkovecらの米国特許第7,691,997号に記載されている。Smo、すなわちスムーズンドは、ヘッジホッグタンパク質によるシグナル伝達のメディエータである。適切な阻害剤には、限定されないが、5-(1,1-ジフルオロエチル)-3-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,2,4-オキサジアゾール;5-
(3,3-ジフルオロシクロブチル)-3-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,2,4-オキサジアゾール;5-(1-フルオロ-1-メチルエチル)-3-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,2,4-オキサジアゾール;2-(1,1-ジフルオロエチル)-5-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾール;2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-5-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾール;及び2-(1-フルオロ-1-メチルエチル)-5-(4-{4-メチル-5-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ビシクロ[2.2.2]オクタ-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾールが含まれる。
【0254】
ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニストの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Cookeらの米国特許第7,652,038号に開示されている。ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニストには、限定されないが、メカミラミン、ヘキサメトニウム、ジヒドロ-β-エリスロイジン、d-ツボクラリン、ペンピジン、クロリソンダミン、エリソジン、カンシル酸トリメタファン、ペントリニウム、ブンガロトキシン、スクシニルコリン、テトラエチルアンモニウム、トリメタファン、クロリソンダミン、及びトリメチジニウムが含まれる。
【0255】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Zhuらの米国特許第7,557,107号に記載されている。これらのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤には、三環性化合物が含まれる。
【0256】
アデノシンA3受容体アンタゴニストの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Leungらの米国特許第6,326,390号に記載されている。これらのアデノシンA3受容体アンタゴニストには、三環性非キサンチンアンタゴニスト及びトリアゾロキナゾリンが含まれる。
【0257】
この参照により本明細書に組み込まれる、Atadjaらの米国特許出願公開第2010/0069458号は、前述したようなアルキル化ヘキシトール誘導体と一緒に使用することができる以下のさらなる治療薬の使用を開示している:
(1)限定されないが、ベナゼプリル、エナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、ペリンドプリル及びトランドラプリルを含むACE阻害剤;
(2)限定されないが、5-ヨードツベルシジンを含むアデノシンキナーゼ阻害剤;
(3)限定されないが、ミトタンを含む副腎皮質アンタゴニスト;
(4)限定されないが、デグエリン及び1,5-ジヒドロ-5-メチル-1-β-D-リボフラノシル-1,4,5,6,8-ペンタアザアセナフチレン-3-アミンを含むAKT経路阻害剤(タンパク質キナーゼB阻害剤);
(5)限定されないが、フマギリン、シコニン、トラニラスト、ウルソール酸;スラミン、サリドマイド;レナリドミド;限定されないが、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-メチルアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-アニリノ-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-ベンジルアミノ-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-メトキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-ベンジルオキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメ
チル)フタラジン、1-(3-メトキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(2-メトキシアニリノ}-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-トリフルオロメチルアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-フルオロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-ヒドロキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-ヒドロキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-アミノアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3,4-ジクロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-ブロモアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-クロロ-4-メトキシアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(4-シアノアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-クロロ-4-フルオロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、1-(3-メチルアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン、を含むフタラジン及びこの参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、BoldらのPCT特許出願国際公開第98/035958号で開示されたその他のフタラジン;1-(3,5-ジメチルアニリノ)-4-(ピリジン-4-イルメチル)-イソキノリンを含む、この参照により全体が本明細書に組み込まれる、AltmannらのPCT特許出願国際公開第00/09495号で開示されたイソキノリン;E-1-(3-メチルアニリノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)ビニル]フタラジン、Z-1-(3-メチルアニリノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)ビニル]フタラジン、1-(3-メチルアニリノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)エチル]フタラジン、1-(3-メチルアニリノ)-4-[{2-(ピリジン-4-イル)ビニル]フタラジン、1-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルアニリノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)エチル]フタラジン、1-(4-クロロアニリノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)エチル]フタラジン、1-(3-クロロベンジルアミノ)-4-[(2-(ピリジン-3-イル)エチル]フタラジン、1-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルアニリノ)-4-[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]フタラジン、1-(4-クロロアニリノ)-4-[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]フタラジン、1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルアニリノ)-4-[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]フタラジン、及び1-(4-tert-ブチルアニリノ)-4-[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]フタラジンを含む、この参照により全体が本明細書に組み込まれる、BoldらのPCT特許出願国際公開第00/59509号で開示されたフタラジン;及びモノクローナル抗体を含む血管新生阻害剤;
(6)限定されないが、アネコルタブ、トリアムシロノン、ヒドロコルチゾン、11α-エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン及びデキサメタゾンを含む血管新生抑制ステロイド;
(7)限定されないが、ニルタミド及びビカルタミドを含む抗アンドロゲン薬;
(8)限定されないが、トレミフェン、レトロゾール、テストラクトン、アナストロゾール、ビカルタミド、フルタミド、エグゼメスタン、タモキシフェン、フルベストラント、及びラロキシフェンを含む抗エストロゲン薬;
(9)限定されないが、硝酸ガリウム(III)水和物及びパミドロン酸二ナトリウムを含む抗高カルシウム血症薬;
(10)限定されないが、2-[[3-(2,3-ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ]-エタノール、ガンボギン酸、エンベリン、及び三酸化ヒ素を含むアポトーシス誘導因子;
(11)限定されないが、バルサルタンを含むATI受容体アンタゴニスト;
(12)限定されないが、ビヌクレイン2を含むオーロラキナーゼ阻害剤;
(13)限定されないが、(a)限定されないが、アタメスタン、エキセメスタン、及びホルメスタンを含むステロイド、並びに(b)限定されないが、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、
ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、及びレトロゾールを含む非ステロイドを含むアロマターゼ阻害剤;
(14)限定されないが、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、及びゾレドロン酸を含むビスホスホナート;
(15)限定されないが、テレイン酸を含むBrutonチロシンキナーゼ阻害剤;
(16)限定されないが、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、及びチロホスチン8を含むカルシニューリン阻害剤;
(17)限定されないが、5-イソキノリンスルホン酸4-[(2S)-2-[(5-イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]-3-オキソ-3-(4-フェニル-1-ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル及びN-[2-[[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミドを含むCaMキナーゼII阻害剤;
(18)限定されないが、[[2-(4-ブロモフェノキシ)-5-ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]-ホスホン酸を含むCD45チロシンホスファターゼ阻害剤;
(19)限定されないが、2,3-ビス[(2-ヒドロイエチル)チオ]-1,4-ナフタレンジオンを含むCDC25ホスファターゼ阻害剤;
(20)限定されないが、デブロモヒメニアルジシンを含むCHKキナーゼ阻害剤;
(21)プロテイン若しくは脂質キナーゼ活性又はプロテイン若しくは脂質ホスファターゼ活性を標的化/低減する化合物、あるいは、限定されないが、プロテインチロシンキナーゼ及び/又はセリン及び/又はスレオニンキナーゼ阻害剤又は脂質キナーゼ阻害剤を含むさらなる抗血管新生化合物、限定されないが;
(a)限定されないが、[6-[4-(4-エチル-ピペラジン-1-イルメチル)-フェニル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンピリミジン-4-イル]-(R)-1-フェニル-エチル)-アミン(AEE788として知られている)、BAY43-9006及び(4-tert-ブチル-フェニル)-94-ピリジン-4-イルメチル-イソキノリン-1-イル)-アミンなどのPCT特許出願国際公開第00/09495号で開示されたイソキノリン化合物を含む、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン誘導体を含む、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)又は血管内皮増殖因子(VEGF)の活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(b)限定されないが、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668及びGFB-111を含む血小板由来成長因子受容体(PDGFR)の活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(c)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(d)限定されないが、国際公開第02/092599号で開示された化合物及びそれらの誘導体の4-アミノ-5-フェニル-7-シクロブチル-ピロロ[2,3-d]ピリミジン誘導体を含むインスリン様増殖因子受容体1(IGF-1R)の活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(e)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(f)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的化、減少又は阻害する化合物;
(g)c-Met受容体の活性を標的化、減少又は阻害する化合物;
(h)Ret受容体チロシンキナーゼの活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(i)Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼの活性を標的化、減少又は阻害する化合物;
(j)限定されないが、イマチニブを含むC-kit受容体チロシンキナーゼの活性を標的化、減少又は阻害する化合物;
(k)c-Ablファミリーの1員又はその遺伝子融合生成物、例えばBCR-Ablキナーゼの活性を標的化、低減又は阻害する化合物、例えば、限定されないが、イマチ
ニブ、6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(4-フルオロ-3-メチルフェニル)アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PD180970)、メチル-4-[N-(2’,5’-ジヒドロキシベンジル)アミノ]ベンゾアート(チロホスチンAG957)、4-[[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ]安息香酸トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ-1-イルエステル(アダホスチン又はNSC680410)、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(3-メチルスルファニルアニリノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン(PD173955)、及びダサチニブ(desatinib)を含む、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体など;
(l)プロテインキナーゼC(PKC)及びセリン/スレオニンキナーゼのRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK及びRas/MAPKファミリーメンバー又はPI(3)キナーゼファミリー又はPI(3)-キナーゼ関連キナーゼファミリーのメンバー、及び/又はサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的化、低減又は阻害する化合物、特に、限定されないが、ミドスタウリンなどの米国特許第5,093,330号で開示されたそれらのスタウロスポリン誘導体、さらなる化合物の例には、例えば、UCN-01;サフィンゴール、ソラフェニブ、ブリオスタチン1;ペリフォシン;イルモフォシン;3-[3-[2,5-ジヒドロ-4-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-3-イル]-1H-インドール-1-イル]プロピルカルバミミドチオ酸エステル(RO318220)、3-[(8S)-8-[(ジメチルアミノ)メチル]-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[1,2-a]インドール-10-イル]-4-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(RO320432)、12-(2-シアノエチル)-6,7,12,13-テトラヒドロ-13-メチル-5-オキソ-5H-インドロ[2,3-a]ピロロ[3,4-c]カルバゾール(GO6976);Isis3521;(S)-13-[(ジメチルアミノ)メチル]-10,11,14,15-テトラヒドロ-4,9:16,21-ジメテノ-1H,13H-ジベンゾ[e,k]ピロロ[3,4-h][1,4,13]オキサジアザシクロヘキサデセン-1,3(2H)-ジオン(LY333531)、LY379196;PCT特許出願国際公開第00/09495号で開示されたものなどのイソキノリン化合物;限定されないが、ティピファルニブ及びロナファルニブを含むファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;2-(2-クロロ-4-ヨード-フェニルアミノ)-N-シクロプロピルメトキシ-3,4-ジフルオロ-ベンズアミド(PD184352);及びPI3K阻害剤QAN697が含まれる;
(m)限定されないが、イマチニブメシラート、チロホスチン、ピリミジルアミノベンズアミド及びそれらの誘導体などのプロテイン-チロシンキナーゼの活性を標的化、低減又は阻害する化合物;チロホスチンは、好ましくは低分子量(M<1500)化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩、特にベンジリデンマロニトリル種又はS-アリールベンゼンマロニトリル又は二基質キノリン種の化合物から選択される化合物、さらに特にチロホスチンA23/RG-50810、チロホスチンAG99、チロホスチンAG213、チロホスチンAG1748、チロホスチンAG490、チロホスチンB44、チロホスチンB44(+)エナンチオマー、チロホスチンAG555、AG494、チロホスチンAG556;チロホスチンAG957及びアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル又はNSC680410)からなる群から選択される任意の化合物である;
(n)限定されないが、(R)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-4-[(1-フェニルエチル)-アミノ]-7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジンなどの、一般的に、及び具体的に、TraxlerらのPCT特許出願国際公開第97/02266号に開示されている化合物、タンパク質又はモノクローナル抗体などの上皮成長因子ファミリーの受容体チロシンキナーゼ(ホモ二量体又はヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的化、低減又は阻害する化合物、又はZimme
rmannの欧州特許出願公開第0564409号、ZimmermannらのPCT特許出願国際公開第99/03854号、Barkerらの欧州特許出願公開第0520722号、Barkerらの欧州特許出願公開第0566226号、Wissnerらの欧州特許出願公開第0787722号、Arnoldらの欧州特許出願公開第0837063号、Schnurらの米国特許第5,747,498号、McMahonらのPCT特許出願国際公開第97/30034号、SchnurのPCT特許出願国際公開第97/49688号、BridgesらのPCT特許出願国際公開第97/38983号、限定されないが、N-(3-エチルニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)-4-キナゾリンアミン(CP358774又はエルロチニブ)を含むSchnurらのPCT特許出願国際公開第96/30347号、限定されないが、N-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イルプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ)を含むGibsonらのPCT特許出願国際公開第96/33980号;及び限定されないが、化合物6-アミノ-4-(3-メチルフェニル-アミノ)-キナゾリン(ZM105180)を含むBarkerらのPCT特許出願国際公開第95/03283号;限定されないが、トラスツズマブ及びセツキシマブを含むモノクローナル抗体;並びに、限定されないが、カネルチニブ、ペリチニブ、ラパチニブ及びBoldのPCT特許出願国際公開第03/013541号で開示された7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体を含むその他の小分子阻害剤;
(22)限定されないが、オカダ酸又はそれらの誘導体などのホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTEN又はCDC25の阻害剤を含むプロテイン又は脂質ホスファターゼの活性を標的化、低減又は阻害する化合物;
(23)限定されないが、レチノイン酸、α-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、及びδ-トコトリエノールを含む細胞の分化プロセスを誘導する化合物;
(24)限定されないが、3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシベンジリデン)-5-ヨード-1,3-ジヒドロインドール-2-オン及び3-(ジメチルアミノ)-N-[3-[(4-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]-4-メチルフェニル]-ベンズアミドを含むcRAFキナーゼ阻害剤;
(25)限定されないが、N9-イソプロピル-オロモウシン、オロモウシン、プルバラノールB、ロアスコビチン、ケンパウロン、及びプルバラノールAを含むサイクリン依存性キナーゼ阻害剤;
(26)限定されないが、N-[(1S)-3-フルオロ-2-オキソ-1-(2-フェニル]エチル)プロピル]アミノ]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-4-モルホリンカルボキサミドを含むシステインプロテアーゼ阻害剤;
(27)限定されないが、プリカマイシン及びダクチノマイシンを含むDNAインターカレーター;
(28)限定されないが、ブレオマイシンを含むDNA鎖切断剤;
(29)限定されないが、N-((3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミドを含むE3リガーゼ阻害剤;
(30)限定されないが、FTY720を含むEDG結合剤;
(31)限定されないが、リュープロリド及び酢酸メゲストロールを含む内分泌性ホルモン;
(32)限定されないが、α-ヒドロキシファルネシルホスホン酸、2-[[(2S)-2-[[(2S,3S)-2-[[(2R)-2-アミノ-3-メルカプトプロピル]アミノ]-3-メチルペンチル]オキシ]-1-オキソ-3-フェニルプロピル]アミノ]-4-(メチルスルホニル)-1-メチルエチル酪酸エステル(2S)及びマヌマイシンAを含むファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
(33)限定されないが、2-シアノ-3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(1-メチルエチル)フェニル]-N-(3-フェニルプロピル)-(2-E)-2-プロペンアミドを含むFlk-1キナーゼ阻害剤;
(34)限定されないが、N-ベンゾイル-スタウロスポリン、ミドスタウリン、及びN-(2-ジエチルアミノエチル)-5-[(Z)-(5-フルオロ-2-オキソ-1H-インドール-3-イリデン)メチル]-2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド(スニチニブ)を含むFlt-3阻害剤;
(35)限定されないが、アバレリクス、ゴセレリン、及び酢酸ゴセレリンを含むゴナドレリンアゴニスト;
(36)限定されないが、ホスホマンノペンタオースサルフェート(PI-88)を含むヘパラナーゼ阻害剤;
(37)限定されないが、N-ヒドロキシ-3-[4-[[(2-ヒドロキシエチル)[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-アミノ]メチル]フェニル]-2E-2-プロペンアミド、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、4-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ベンジル]-カルバミン酸ピリジン-3-イルメチルエステル及びそれらの誘導体、酪酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド、デプデシン、トラポキシン、HC毒素、及びフェニル酪酸ナトリウムを含む、限定されないが、BairらのPCT特許出願国際公開第02/22577号で開示された化合物を含むヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤;
(38)限定されないが、17-アリルアミノ,17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体、その他のゲルダナマイシン関連化合物、ラディシコール、及び5-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピル-フェニル)-4-(4-モルホリン-4-イルメチル-フェニル)-イソキサゾール-3-カルボン酸エチルアミドを含むHSP90阻害剤;
(39)限定されないが、3-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-(2E)-2-プロペンニトリルを含むIκBα阻害剤(IKKs);
(40)限定されないが、ヒドロキシ-2-ナフタレニルメチルホスホン酸を含むインスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
(41)限定されないが、ピラゾールアンスロン及び没食子酸エピガロカテキンを含むc-Jun N-末端キナーゼ阻害剤;
(42)限定されないが、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドセタキセル、パクリタキセル、ディスコデルモリド、コルヒチン、及びエポチロンB又はそれらの誘導体などのエポチロン及びその誘導体を含む微小管結合剤;
(43)限定されないが、N-[2-[[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミドを含むマイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼ阻害剤;
(44)限定されないが、トランス-4-ヨード,4’-ボラニル-カルコンを含むMDM2阻害剤;
(45)限定されないが、ビス[アミノ[2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリルを含むMEK阻害剤;
(46)限定されないが、ベンガミド及びその誘導体を含むメチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;
(47)限定されないが、アクチノニン、没食子酸エピガロカテキン、コラーゲンペプチドミメチック及び非ペプチドミメチック阻害剤、ヒドロキサマートなどのテトラサイクリン誘導体、バチマスタット、マリマスタット、プリモマスタット、TAA211、N-ヒドロキシ-2(R)-[[(4-メトキシフェニル)スルホニル](3-ピコリル)アミノ]-3-メチルブタンアミド塩酸塩(MMI270B)及びAAJ996を含むMMP阻害剤;
(48)限定されないが、チロホスチンAG879を含むNGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
(49)限定されないが、3-(ジメチルアミノ)-N-[3-[(4-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]-4-メチルフェニル]-ベンズアミドを含むp38MAPキナーゼ
阻害剤;
(50)限定されないが、9,10-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-1-メトキシ-9,10-ジオキソ-2-アントラセンカルボキサルデヒド及びチロホスチン46を含むp56チロシンキナーゼ阻害剤;
(51)限定されないが、チロホスチンAG1296、チロホスチン9,2-アミノ-4-(1H-インドール-5-イル)-1,3-ブタジエン-1,1,3-トリカルボニトリル、及びイマチニブを含むPDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;
(52)限定されないが、ワートマニン及びケルセチン二水和物を含むホスファチジルイノシトール3-キナーゼ阻害剤;
(53)限定されないが、カンタリジン酸、カンタリジン、及び(E)-N-[4-(2-カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル-L-α-グルタミル-L-ロイシンアミドを含むホスファターゼ阻害剤;
(54)限定されないが、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、及びZD0473を含む白金剤;
(55)限定されないが、
(a)限定されないが、カンタリジン酸及びカンタリジンを含むPP1及びPP2A阻害剤;
(b)限定されないが、L-P-ブロモテトラミゾールシュウ酸塩、ベンジルホスホン酸、及び(5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-3-(1-オキソヘキサデシル)-2(5H)-フラノンを含むチロシンホスファターゼ阻害剤
を含むプロテインホスファターゼ阻害剤;
(56)限定されないが、-[1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1H-インドール-3-イル]-4-(1H-インドール-3-イル)-1H-ピロロ-2,5-ジオン、スフィンゴシン、スタウロスポリン、チロホスチン51、及びヒペリシンを含むPKC阻害剤;
(57)限定されないが、ロトレリンを含むPKCデルタキナーゼ阻害剤;
(58)限定されないが、(RS)-2,5-ジアミノ-2-(ジフルオロメチル)ペンタン酸(DMFO)を含むポリアミン合成阻害剤;
(59)限定されないが、アクラシノマイシンA、グリオトキシン、及びボルテゾミブを含むプロテアソーム阻害剤;
(60)限定されないが、(E)-N-[4-(2-カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル-L-α-グルタミル-L-ロイシンアミドを含むPTP1B阻害剤;
(61)限定されないが、チロホスチンAG126、チロホスチンAG1288、チロホスチンAG1295、ゲルダナマイシン、及びゲニステインを含むプロテインチロシンキナーゼ阻害剤;
(62)限定されないが、1-(1,1-ジメチルエチル)-3-(1-ナフタレニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン及び3-(4-クロロフェニル)-1-(1,1-ジメチルエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミンを含むSRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;
(63)限定されないが、ピセアタンノールを含むSykチロシンキナーゼ阻害剤;
(64)限定されないが、チロホスチンAG490及び2-ナフチルビニルケトンを含むJanus(JAK-2及び/又はJAK-3)チロシンキナーゼ阻害剤;
(65)限定されないが、(2S)-2-[[(2S)-2-[(2S,3S)-2-[(2R)-2-アミノ-3-メルカプトプロピル]アミノ]-3-メチルペンチル]オキシ]-1-オキソ-3-フェニルプロピル]アミノ]-4-(メチルスルホニル)-ブタン酸1-メチルエチルエステル(L-744832)、DK8G557及びチピファルニブを含むRas癌遺伝子アイソフォームの阻害剤;
(66)限定されないが、イソトレチノイン及びトレチノインを含むレチノイド;
(67)限定されないが、ヒドロキシウレア及び2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオンを含むリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤;
(68)限定されないが、5,6-ジクロロ-1-β-D-リボフラノシルベンズイミダゾールを含むRNAポリメラーゼII伸長阻害剤;
(69)限定されないが、この参照により本明細書に組み込まれる、Stanekらの米国特許第5,461,076号で開示され5-アミジノ-1-テトラロン-2’-アミジノヒドラゾン及びその他の化合物を含むS-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤;
(70)限定されないが、ソラフェニブ及び2-アミノプリンを含むセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;
(71)限定されないが、エベロリムス、テムシロリムス、ゾタロリムス、ラパマイシン、ラパマイシンの誘導体及び類似体、デフォロリムス、AP23841、シロリムス、及びエベロリムスを含むセリン/スレオニンmTORキナーゼの活性又は機能を標的化、低減又は阻害する化合物;
(72)限定されないが、オクトレオチド及びパシレオチド(SOM230)を含むソマトスタチン受容体アンタゴニスト;
(73)限定されないが、テルビナフィン(terbinadine)を含むステロール生合成阻害剤;
(74)限定されないが、テロメスタチンを含むテロメラーゼ阻害剤;並びに
(75)限定されないが、
(a)限定されないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン及びその類似体、9-ニトロカンプトテシン及び高分子カンプトテシン複合体PNU-16614、AngelucciらのPCT特許出願国際公開第99/17804号に記載された高分子カンプトテシン複合体、10-ヒドロキシカンプトテシン酢酸塩、エトポシド、イダルビシン塩酸塩、テニポシド、ドキソルビシン、エピルビシン塩酸塩、ミトキサントロン塩酸塩、及びダウノルビシン塩酸塩を含むトポイソメラーゼI阻害剤;及び
(b)限定されないが、そのリポソーム製剤を含むドキソルビシン、そのリポソーム製剤を含むダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロン、エトポシド、及びエニポシドなどのアンスラサイクリンを含むトポイソメラーゼII阻害剤;
を含むトポイソメラーゼ阻害剤;
(76)限定されないが、3-(4-ジメチルアミノベンジリデニル)-2-インドリノンを含むVEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;並びに
(77)限定されないが、デノスマブを含むRANKL阻害剤。
【0258】
改善が化学増感によって行われる場合、化学増感は、限定されないが、
(a)トポイソメラーゼ阻害剤;
(b)疑似ヌクレオシド;
(c)疑似ヌクレオチド;
(d)チミジル酸シンターゼ阻害剤;
(e)シグナル伝達阻害剤;
(f)シスプラチン又は白金類似体;
(g)アルキル化剤;
(h)抗チューブリン剤;
(i)代謝拮抗剤;
(j)ベルベリン;
(k)アピゲニン;
(l)コルヒチン又はコルヒチンの類似体;
(m)ゲニステイン;
(n)エトポシド;
(o)シタラビン;
(p)カンプトテシン;
(q)ビンカアルカロイド;
(r)5-フルオロウラシル;
(s)クルクミン;
(t)NF-κB阻害剤;
(u)ロスマリン酸;及び
(v)ミトグアゾン
からなる群から選択される薬剤と組み合わせた、化学増感剤としてアルキル化ヘキシトール誘導体の使用を含むことができる。
【0259】
改善が化学増強作用によって行われる場合、化学増強作用は、限定されないが、
(a)疑似ヌクレオシド;
(b)疑似ヌクレオチド;
(c)チミジル酸シンターゼ阻害剤;
(d)シグナル伝達阻害剤;
(e)シスプラチン又は白金類似体;
(f)アルキル化剤;
(g)抗チューブリン剤;
(h)代謝拮抗剤;
(i)ベルベリン;
(j)アピゲニン;
(k)コルヒチン又はコルヒチンの類似体;
(l)ゲニステイン;
(m)エトポシド;
(n)シタラビン;
(o)カンプトテシン;
(p)ビンカアルカロイド;
(q)トポイソメラーゼ阻害剤;
(r)5-フルオロウラシル;
(s)クルクミン;
(t)NF-κB阻害剤;
(u)ロスマリン酸;
(v)ミトグアゾン;及び
(w)生物学的治療薬
からなる群から選択される薬剤と組み合わせた、化学増強剤としてアルキル化ヘキシトール誘導体の使用を含むことができる。
【0260】
一選択肢において、化学増強作用が、アルキル化ヘキシトール誘導体の活性によるアルキル化剤の化学増強作用を伴う場合、アルキル化剤は、BCNU、BCNUウエハー(Gliadel)、CCNU、ベンダムスチン(Treanda)、ロムスチン、ACNU、及びテモゾロミド(temozolimide)(Temodar)からなる群から選択することができる。
【0261】
化学増強作用に供される薬剤が生物学的治療薬である場合、該生物学的治療薬は、限定されないが、アバスチン、ハーセプチン、リツキサン、及びアービタックスからなる群から選択される生物学的治療薬であり得る。
【0262】
改善が処置後の管理によって行われる場合、該処置後の管理は、限定されないが、
(a)疼痛管理に関連する治療;
(b)栄養のサポート;
(c)制吐薬の投与;
(d)抗嘔吐治療;
(e)抗炎症薬の投与;
(f)解熱薬の投与;及び
(g)免疫刺激薬の投与
からなる群から選択される方法であり得る。
【0263】
改善が代替医療/処置後のサポートによって行われる場合、代替医療/処置後のサポートは、限定されないが、
(a)催眠術;、
(b)鍼治療;
(c)瞑想;
(d)合成的に又は抽出により創生された植物薬;及び
(e)応用運動学
からなる群から選択される方法であり得る。
【0264】
一選択肢において、方法が合成又は抽出のいずれかにより創生された植物薬である場合、該合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬は、
(a)NF-κB阻害剤;
(b)天然の抗炎症薬;
(c)免疫刺激薬;
(d)抗微生物薬;及び
(e)フラボノイド、イソフラボン、又はフラボン
からなる群から選択することができる。
【0265】
合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬がNF-κB阻害剤である場合、NF-κB阻害剤は、パルテノリド、クルクミン、及びロスマリン酸からなる群から選択することができる。合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬が天然の抗炎症薬である場合、天然の抗炎症薬は、レイン及びパルテノリドからなる群から選択することができる。合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬が免疫刺激薬である場合、免疫刺激薬はエキナセア(Echinacea)中に見出される産物であっても、又はエキナセアから単離されてもよい。合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬が抗微生物薬である場合、抗微生物薬はベルベリンであってもよい。合成又は抽出のいずれかにより創生される植物薬がフラボノイド又はフラボンである場合、フラボノイド、イソフラボン、又はフラボンは、アピゲニン、ゲニステイン、アピゲネニン、ゲニステイン、ゲニスチン、6”-O-マロニルゲニスチン、6”-O-アセチルゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6”-O-マロニルダイジン、6”-O-アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、6”-O-マロニルグリシチン、及び6-O-アセチルグリシチンからなる群から選択することができる。
【0266】
改善がバルク製剤の変更によって行われる場合、該バルク製剤の変更は、限定されないが、
(a)塩の形成;
(b)均質な結晶構造としての調製;
(c)純粋な異性体としての調製;
(d)純度の増大;
(e)残留溶媒含量がより低い調製;及び
(f)残留重金属含量がより低い調製
からなる群から選択されるバルク製剤の改善であってもよい。
【0267】
改善が希釈剤の使用によって行われる場合、希釈剤は、限定されないが、
(a)エマルジョン;
(b)ジメチルスルホキシド(DMSO);
(c)N-メチルホルムアミド(NMF);
(d)ジメチルホルムアミド(DMF);
(e)ジメチルアセトアミド(DMA);
(f)エタノール;
(g)ベンジルアルコール;
(h)デキストロース含有注射用水;
(i)クレモフォール;
(j)シクロデキストリン;及び
(k)PEG
からなる群から選択される希釈剤であってもよい。
【0268】
改善が溶媒系の使用によって行われる場合、溶媒系は、限定されないが、
(a)エマルジョン;
(b)DMSO;
(c)NMF;
(d)DMF;
(e)DMA;
(f)エタノール;
(g)ベンジルアルコール;
(h)デキストロース含有注射用水;
(i)クレモフォール;
(j)PEG;及び
(k)塩系
からなる群から選択される溶媒系であってもよい。
【0269】
改善が賦形剤の使用によって行われる場合、該賦形剤は、限定されないが、
(a)マンニトール;
(b)アルブミン;
(c)EDTA;
(d)亜硫酸水素ナトリウム;
(e)ベンジルアルコール;
(f)炭酸緩衝剤;
(g)リン酸緩衝剤;
(h)PEG;
(i)ビタミンA;
(j)ビタミンD;
(k)ビタミンE;
(l)エステラーゼ阻害剤;
(m)チトクロームP450阻害剤;
(n)多剤耐性(MDR)阻害剤;
(o)有機樹脂;
(p)界面活性剤;
(q)ペリリルアルコール、又はその類似体;及び
(r)チャネル形成型受容体のアクチベータ
からなる群から選択される賦形剤であってもよい。
【0270】
適切なエステラーゼ阻害剤には、限定されないが、エベラクトンA及びエベラクトンBが含まれる。
【0271】
適切なシトクロムP450阻害剤には、限定されないが、1-アミノベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシ-N’-(4-ブチル-2-メチルフェニル)ホルムアミジン、ケトコナゾール、メトキサレン、メチラポン、ロケホルチンC、プロアジフェン、2,3’,4,5’-テトラメチルスチルベン、及びトロレアンドマイシンが含まれる。
【0272】
適切なMDR阻害剤には、限定されないが、5’-メトキシヒドノカルピン、INF240、INF271、INF277、INF392、INF55、レセルピン、及びGG918が含まれる。MDR阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、M.Zloh & S.Gibbons、「MDR9阻害剤の分子類似性(Molecular Similarity of MDR9 Inhibitors)」Int.J.Mol.Sci.5:37-47(2004)に記載されている。
【0273】
適切な有機樹脂には、限定されないが、この参照により本明細書に組み込まれる、Rodgersらの米国特許第8,158,616号に記載されたような部分的に中和されたポリアクリル酸が含まれる。
【0274】
適切な界面活性剤には、限定されないが、ポリソルベート又はポロキサマーなどの非イオン性界面活性剤が含まれ、この参照により本明細書に組み込まれる、BjornらのPCT特許出願国際公開第1997/039768号に記載されている。
【0275】
抗腫瘍薬の輸送を改善するためのペリリルアルコール又はその類似体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Chenらの米国特許出願公開第2012/0219541号に記載されている。
【0276】
チャネル形成受容体のアクチベータの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Beanらの米国特許出願公開第2010/0311678号に記載されている。このようなチャネル形成受容体のアクチベータには、限定されないが、カプサイシン、リドカイン、オイゲノール、アルバニル(N-アラキドノイルバニルアミン)、アナンダミド、2-アミノエトキシジフェニルボラート、レシニフェラトキシン、ホルボール12-フェニルアセタート13-アセタート20-ホモバニラート(PPAHV)、オルバニル、N-オレオイルドーパミン、N-アラキドニルドーパミン、6’-ヨードレシニフェラトキシン(6’-IRTX)、C18N-アシルエタノールアミン、12-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸などのリポキシゲナーゼ誘導体、阻害剤システインノット(ICK)ペプチド(バニロトキシン)、ピペリン、N-[2-(3,4-ジメチルベンジル)-3-(ピバロイルオキシ)プロピル]-2-[4-(2-アミノエトキシ)-3-メトキシフェニル]アセトアミド、N-[2-(3,4-ジメチルベンジル)-3-(ピバロイルオキシ)プロピル]-N’-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)チオウレア、SU200N-(4-t-ブチルベンジル)-N’-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)チオウレア)、トランサシン、桂皮アルデヒド、アリル-イソチオシアナート、ジアリルジスルフィド、イシリン、桂皮油、ウィンターグリーン油、チョウジ油、アクロレイン、カラシ油、ATP、2-メチルチオ-ATP、2’及び3’-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)-ATP、ATP-5’-O-(3-チオトリホスファート)、メントール、ユーカリプトール、リナロール、ゲラニオール、及びヒドロキシシトロネラールが含まれる。
【0277】
改善が剤形の使用によって行われる場合、該剤形は、限定されないが、
(a)錠剤;
(b)カプセル剤;
(c)局所用ゲル剤;
(d)局所用クリーム剤;
(e)パッチ剤;
(f)坐剤;
(g)凍結乾燥した投薬充填物;
(h)即時放出製剤;
(i)徐放製剤;
(j)放出制御製剤;及び
(k)カプセル液剤
からなる群から選択される剤形であってもよい。
【0278】
錠剤、カプセル剤、及び局所用ゲル剤、局所用クリーム剤、又は坐剤における医薬組成物の製剤は当技術分野においてよく知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、Griffinらによる米国特許出願公開第2004/0023290号に記載されている。
【0279】
経皮パッチ剤などのパッチ剤としての医薬組成物の製剤は当技術分野においてよく知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、Erosらへの米国特許第7,728,042号に記載されている。
【0280】
凍結乾燥した投薬充填物も、当技術分野においてよく知られている。ジブロモズルシトール及びその誘導体に適用できる、このような凍結乾燥した投薬充填物を調製するための一般的な一方法は、以下のステップを含む:
(1)薬物を、10℃未満に予め冷却した注射用水に溶解する。最終体積を冷注射用水で希釈して40mg/mL溶液とする。
【0281】
(2)バルク溶液を、0.2μmフィルターを通して、無菌条件下、受け容器中に濾過する。調合及び濾過は1時間以内に完了しなければならない。
【0282】
(3)名目上1.0mLの濾過した溶液を、無菌条件下、制御された標的範囲の滅菌ガラスバイアル中に充填する。
【0283】
(4)充填後、全てのバイアルに、「凍結乾燥位置」に挿入したゴム製のストッパを配置し、予め冷却した凍結乾燥機に積載する。凍結乾燥機は、棚温度を+5℃に設定し、1時間保持し、次いで棚温度を-5℃に調整し、1時間保持し、-60℃に設定したコンデンサーのスイッチを入れる。
【0284】
(5)次いで、バイアルを30℃以下に凍結し、3時間以上、典型的には4時間保持する。
【0285】
(6)次いで真空のスイッチを入れ、棚温度を-5℃に調整し、第1の乾燥を8時間行い、棚温度を再び-5℃に調整し、乾燥を少なくとも5時間行う。
【0286】
(7)コンデンサー(-60℃に設定)及び真空のスイッチを入れた後、第2の乾燥を開始する。第2の乾燥において、棚温度を1時間から3時間、典型的には1.5時間、+5℃、次いで1時間から3時間、典型的には1.5時間、25℃、最後に少なくとも5時間、典型的には9時間、又は生成物が完全に乾燥するまで、35~40℃に制御する。
【0287】
(8)濾過した不活性ガス(例えば、窒素)で真空破壊する。凍結乾燥機中でバイアルに栓をする。
【0288】
(9)凍結乾燥機のチャンバーからバイアルを取り出し、アルミニウム製フリップオフシールで密封する。全てのバイアルを肉眼で点検し、認可ラベルを貼る。
【0289】
即時放出性製剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、van Dalenらの米国特許第8,148,393号に記載されている。即時放出性製剤には、例えば、従来のフィルムコーティング錠剤が含まれる。
【0290】
徐放製剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、Wenらの米国特許第8,178,125号に記載されている。徐放製剤には、例えば、マイクロエマルジョン又は液晶が含まれる。
【0291】
制御放出製剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Oshlackらの米国特許第8,231,898号に記載されている。制御放出製剤には、例えば、制御放出材料を含むマトリックスを含めることができる。このような制御放出材料には、ガム、セルロースエーテル、アクリル性樹脂、タンパク質由来材料、ワックス、シェラック及び水素添加ヒマシ油又は水素添加植物油などの油などの親水性及び/又は疎水性材料を含めることができる。しかし、マスタードをベースにしたアルキル化剤の制御放出を行うことができる任意の薬学的に許容される疎水性又は親水性制御放出材料を本発明によって使用することができる。好ましい制御放出ポリマーには、エチルセルロースなどのアルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及び共重合体、並びにセルロースエーテル、特にヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)及びカルボキシアルキルセルロースが含まれる。好ましいアクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及び共重合体には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキル共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミン共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリラート、ポリアクリルアミド、ポリ(無水メタクリル酸)並びにメタクリル酸グリシジル共重合体が含まれる。
【0292】
改善が投薬キット及び包装の使用によって行われる場合、該投薬キット及び包装は、限定されないが、光線から保護するための琥珀色バイアルの使用、及び保存安定性を改善するための特殊化したコーティングを有するストッパの使用からなる群から選択される投薬キット及び包装であってもよい。
【0293】
改善が薬物送達系の使用によって行われる場合、該薬物送達系は、限定されないが、
(a)経口剤形;
(b)ナノ結晶;
(c)ナノ粒子;
(d)共溶媒;
(e)スラリー剤;
(f)シロップ剤;
(g)生分解性ポリマー;
(h)リポソーム;
(i)徐放性注射用ゲル;
(j)ミクロスフェア;及び
(k)上皮増殖因子受容体結合ペプチドを有する標的化組成物
からなる群から選択される薬物送達系であってもよい。
【0294】
ナノ結晶は、この参照により本明細書に組み込まれる、Hoveyらへの米国特許第7,101,576号に記載されている。
【0295】
薬物送達のためのナノ粒子は、この参照により本明細書に組み込まれる、Boschらの米国特許第8,258,132号に記載されている。典型的に、このようなナノ粒子の有効成分の平均粒径は、約1000nm未満、より好ましくは約400nm未満、最も好ましくは約250nm未満である。ナノ粒子は、限定されないが、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ベンザルコニウムクロリド、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween20(登録商標)及びTween80(登録商標)などの市販のTween(登録商標)(ICI Speciality Chemicals));ポリエチレングリコール(例えば、カルボワックス3550(登録商標)及び934(登録商標)(Union Carbide))、ポリオキシエチレンステアラート、コロイド状シリコンジオキシド、ホスファート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、エチレンオキシド及びホルムアミドとの4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオン及びトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロック共重合体である、プルロニックF68(登録商標)及びF108(登録商標));ポロキサミン(例えば、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのエチレンジアミンへの連続付加から得られる4官能基性ブロック共重合体である、ポロキサミン908(登録商標)としても知られているテトロニック908(登録商標)(BASF Wyandotte Corporation、Parsippany、N.J.))、テトロニック1508(登録商標)(T-1508)(BASF Wyandotte Corporation)、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(例えば、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルであるAerosol OT(登録商標)(American Cyanamid))、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DOSS)、ドクサートナトリウム(Ashland Chem.Co.、Columbus、Ohio);ラウリル硫酸ナトリウムであるDuponol P(登録商標)(DuPont)、アルキルアリールポリエーテルスルホナートであるTriton X-200(登録商標)(Rohm and Haas)、ステアリン酸スクロース及びジステアリン酸スクロースの混合物であるCrodestas F-110(登録商標)(Croda Inc.);Olin-IOG(登録商標)又はSurfactant10-G(登録商標)としても知られているp-イソノニルフェノキシ-ポリ-(グリシドール)(Olin Chemicals、Stamford,Conn.);Crodestas SL-40(登録商標)(Croda、Inc.)及びC1837CH(CON(CH)-OCH(CHOH)(CHOH)であるSA9OHCO(Eastman Kodak Co.);デカノイル-N-メチルグルカミド;n-デシルβ-D-グルコピラノシド;n-デシルβ-D-マルトピラノシド;n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド;n-ドデシルβ-D-マルトシド;ヘプタノイル-N-メチル-グルカミド;n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド;n-ヘプチルβ-D-チオグルコシド;n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド;ノナニル-N-メチルグルカミド;n-ノナニルβ-D-グルコピラノシド;オクタノイル-N-メチルグルカミド;n-オクチルβ-D-グルコピラノシド;及びオクチルβ-D-チオグルコピラノシドなどの表面安定剤でコーティングすることができる。薬物送達のためのナノ粒子はまた、この参照により本明細書に組み込まれる、Carrollらの米国特許出願公開
第2010/209479号に記載されている。これらのナノ粒子には、カーボンナノチューブなどのカーボンナノ粒子が含まれる。
【0296】
薬学的に許容される共溶媒は、この参照により本明細書に組み込まれる、Navratilらの米国特許第8,207,195号に記載されており、限定されないが、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレン(単数又は複数)、エチレングリコール、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、ピリジン、ジオキサン、及びジエチルエーテルが含まれる。
【0297】
医薬製剤で使用するためのスラリー剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Laxminarayanの米国特許出願公開第2006/0229277号に記載されている。
【0298】
医薬製剤で使用するためのシロップ剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、Stoitらの米国特許第8,252,930号に記載されている。このようなシロップ剤には、有効成分並びに糖又は糖アルコール及びエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールの混合物などのシロップ形成成分を含めることができる。所望するならば、このような液体調製物は、着色剤、香味剤、保存剤、サッカリン及びカルボキシメチルセルロース又はその他の増粘剤を含有していてもよい。
【0299】
生分解性ポリマーは、この参照により本明細書に組み込まれる、Okumuらへの米国特許第7,318,931号に記載されている。生分解性ポリマーは、経時的なポリマーの分子量における低下により測定されるように、生物体の内部に配置した場合に分解する。ポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を含めた様々な方法によって決定することができ、重量平均又は数平均として表されるのが一般的である。pH7.4及び温度37℃のリン酸緩衝食塩水(PBS)における場合、その重量平均分子量が、SECによって測定して6か月の期間を超えて少なくとも25%低下する場合、ポリマーは生分解性である。有用な生分解性ポリマーには、ポリエステル、例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、及びポリ(ヒドロキシ酪酸);ポリ無水物、例えば、ポリ(無水アジピン酸)及びポリ(無水マレイン酸);ポリジオキサノン;ポリアミン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリエステルアミド;ポリオルトエステル;ポリアセタール;ポリケタール;ポリカーボナート;ポリオルトカーボナート;ポリホスファゼン;ポリ(リンゴ酸);ポリ(アミノ酸);ポリビニルピロリドン;ポリ(メチルビニルエーテル);ポリ(シュウ酸アルキレン);ポリ(コハク酸アルキレン);ポリヒドロキシセルロース;キチン;キトサン;並びにこれらの共重合体及び混合物が含まれる。
【0300】
リポソームは、薬物送達ビヒクルとしてよく知られている。リポソームの調製は、この参照により本明細書に組み込まれる、Wengらによる欧州特許出願公開第1332755号に記載されている。リポソームは、この参照により本明細書に組み込まれる、Huangらの米国特許出願公開第2012/0213844号に記載されているように、EGFR受容体を標的化することができる短いオリゴペプチド配列を取り込むことができる。あるいは、リポソームには、この参照により本明細書に組み込まれる、Boulikasの米国特許出願公開第2012/0183596号に記載されているように、核移行シグナル/膜融合ペプチド複合体を含み、標的化リポソーム複合体を形成することができる。
【0301】
徐放性注射用ゲルは当技術分野においてよく知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、B.Jeongら、「PEG-PLGA-PEGトリブロック共
重合体の生物分解性注射用熱感受性ヒドロゲルからの薬物の放出(Drug Release from Biodegradable Injectable Thermosensitive Hydrogel of PEG-PLGA-PEG Triblock Copolymers)」、J.Controlled Release、63:、155-163(2000)に記載されている。
【0302】
薬物送達用のミクロスフェアの使用は当技術分野において知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、H.Okada及びH.Taguchi、「薬物送達における生物分解性ミクロスフェア(Biodegradable Microspheres in Drug Delivery)」、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Sys.、12:1-99(1995)に記載されている。
【0303】
上皮成長因子受容体結合ペプチドの標的化組成物との使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Trikhaらの米国特許出願公開第2010/0151003号に記載されている。
【0304】
改善が薬物複合体形態の使用によって行われる場合、該薬物複合体形態は、限定されないが、
(a)ポリマー系;
(b)ポリラクチド;
(c)ポリグリコリド;
(d)アミノ酸;
(e)ペプチド;
(f)多価リンカー;
(g)免疫グロブリン;
(h)シクロデキストリンポリマー;
(i)修飾されているトランスフェリン;
(j)疎水性又は疎水性-親水性ポリマー;
(k)ホスホノギ酸部分エステルとの複合体;
(l)荷電した架橋剤を組み込む細胞結合剤との複合体;及び
(m)リンカーによるβ-グルクロニドとの複合体
からなる群から選択される薬物複合体形態であってもよい。
【0305】
ポリラクチド複合体は当技術分野においてよく知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、R.Tong及びC.Cheng、「カンプトテシン-ポリラクチド複合体及びナノ複合体の制御された合成(Controlled Synthesis of Camptothecin-Polylactide Conjugates and Nanoconjugates)」、Bioconjugate Chem.、21:111-121(2010)に記載されている。
【0306】
ポリグリコリド複合体も当技術分野においてよく知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、ElmalehらによるPCT特許出願国際公開第2003/070823号に記載されている。
【0307】
多価リンカーは当技術分野において知られており、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、Silvaらによる米国特許出願公開第2007/0207952号に記載されている。例えば、多価リンカーは、反応性システインと反応するためのチオフィリック基、及び複数の生物学的に活性な部分のリンカーに対する結合を可能にする複数の求核基(例えば、NH若しくはOH)又は求電子基(例えば、活性エステル)を含むことができる。
【0308】
イムノグロブリンとの複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Oguchiらの米国特許第4,925,662号に開示されている。複合体は、カルボジイミド、グルタルアルデヒド又はジエチルマロンイミダートなどの架橋剤の使用によって調製する。
【0309】
シクロデキストリンポリマー、治療活性薬剤とのそれらの複合体及び粒子と一緒にした投与は、この参照により本明細書に組み込まれる、Fetzerの米国特許出願公開第2012/0213854号に記載されている。
【0310】
修飾トランスフェリンとの複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Kameiらの米国特許出願公開第2011/0288023号に記載されている。
【0311】
疎水性又は疎水性-親水性ポリマーとの複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Crawfordらの米国特許出願公開第2011/0268658号に記載されている。これらのポリマーには、モノ-、ジ-又はトリペプチドを含めることができる。これらのポリマーにはまた、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、又はキトサンを含めることができる。
【0312】
ホスホノギ酸の部分的エステルとの複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Sahaらの米国特許出願公開第2010/227831号に記載されている。
【0313】
荷電した架橋剤を組み入れる細胞結合剤との複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Chariらの米国特許第8,236,319号に記載されている。
【0314】
リンカーによるβ-グルクロニドとの複合体は、この参照により本明細書に組み込まれる、Jeffreyの米国特許第8,039,273号に記載されている。
【0315】
多くの組み合わせの官能基を架橋連結するのに適する試薬が、当技術分野において知られている。例えば、求電子基は、タンパク質又はポリペプチドに存在するものを含めた、多くの官能基と反応することができる。反応性アミノ酸と求電子試薬との様々な組み合わせが当技術分野において知られており、用いることができる。例えば、チオール基を含めたN-末端システインは、ハロゲン又はマレイミドと反応することができる。チオール基は、ハロゲン化アルキル、ハロアセチル誘導体、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、ハロゲン化アリールなどのアリール化剤、その他など、多数のカップリング剤と反応性を有することが知られている。これらは、この参照により本明細書に組み込まれる、G.T.Hermanson、「バイオ複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、(Academic Press、San Diego、1996)、pp.146-150に記載されている。システイン残基の反応性は、隣接するアミノ酸残基の適切な選択により最適化することができる。例えば、システイン残基に隣接するヒスチジン残基は、システイン残基の反応性を増大させる。反応性アミノ酸と求電子試薬との他の組み合わせは、当技術分野において知られている。例えば、マレイミドは、特に高いpH範囲で、リジンの側鎖のε-アミノ基などのアミノ基と反応することができる。ハロゲン化アリールも、このようなアミノ基と反応することができる。ハロアセチル誘導体は、ヒスチジンのイミダゾリル側鎖の窒素、メチオニンの側鎖のチオエーテル基、及びリジンの側鎖のε-アミノ基と反応することができる。限定されないが、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、塩化スルホニル、エポキシド、オキシラン、カーボナート、イミドエステル、カルボジイミド、及び無水物を含めた、リジンの側鎖のε-アミノ基と反応する他の求電子試薬の多く
が知られている。これらは、参照により本明細書に組み込まれる、G.T.Hermanson、「バイオ複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、(Academic Press、San Diego、1996)、pp.137-146に記載されている。さらに、求電子試薬は、ジアゾアルカン及びジアゾアセチル化合物、カルボニルジイミダゾール(carbonydilmidazole)、及びカルボジイミドなど、アスパルタート及びグルタマートのものなどのカルボキシラート側鎖と反応することが知られている。これらは、この参照により本明細書に組み込まれる、G.T.Hermanson、「バイオ複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、(Academic Press、San Diego、1996)、pp.152-154に記載されている。さらに、求電子試薬は、反応性ハロアルカン誘導体を含む、セリン及びスレオニンの側鎖におけるヒドロキシ基などのヒドロキシ基と反応することが知られている。これらは、この参照により本明細書に組み込まれる、G.T.Hermanson、「バイオ複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、(Academic Press、San Diego、1996)、pp.154-158に記載されている。別の代替の一実施形態において、求電子試薬及び求核試薬(すなわち、求電子試薬と反応性である分子)の相対的な位置は、タンパク質が、求核試薬と反応性である求電子基を有するアミノ酸残基を有し、標的分子がその中に求核基を有するように逆転される。これには、上記した、アルデヒド(求電子試薬)のヒドロキシルアミン(求核試薬)との反応が含まれるが、その反応よりも一般的であり、他の基を求電子試薬及び求核試薬として用いてもよい。適切な基は有機化学においてよく知られており、さらに詳しく記載する必要はない。
【0316】
架橋結合のための反応基のさらなる組み合わせは、当技術分野において知られている。例えば、アミノ基は、イソチオシアナート、イソシアナート、アシルアジド、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、塩化スルホニル、アルデヒド、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、カーボナート、アルキル化剤、イミドエステル、カルボジイミド、及び無水物と反応することができる。チオール基は、酸化及び混合ジスルフィドの形成によって、ハロアセチル又はハロゲン化アルキル誘導体、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、アシル化剤、又は他のチオール基と反応することができる。カルボキシ基は、ジアゾアルカン、ジアゾアセチル化合物、カルボニルジイミダゾール、カルボジイミドと反応することができる。ヒドロキシル基は、エポキシド、オキシラン、カルボニルジイミダゾール、N,N’-ジスクシンイミジルカーボナート、N-ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルマート、ペルヨーダート(酸化のため)、アルキルハロゲン、又はイソシアナートと反応することができる。アルデヒド基及びケトン基は、ヒドラジン、シッフ塩基を形成する試薬、及び還元的アミノ化反応又はマンニッヒ縮合反応における他の基と反応することができる。架橋結合反応に適するさらに他の反応は、当技術分野において知られている。このような架橋結合試薬及び反応は、この参照により本明細書に組み込まれる、G.T.Hermanson、「バイオ複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、(Academic Press、San Diego、1996)に記載されている。
【0317】
改善が化合物類似体の使用によって行われる場合、該化合物類似体は、限定されないが、
(a)親油性を増大又は減少させるための側鎖の変更;
(b)反応性、電子親和性及び結合能力からなる群から選択される特性を変化させるためのさらなる化学官能基の追加;並びに
(c)塩形態の変更
からなる群から選択される化合物類似体であってもよい。
【0318】
改善がプロドラッグ系の使用によって行われる場合、該プロドラッグ系は、限定されな
いが、
(a)酵素感受性エステルの使用;
(b)二量体の使用;
(c)シッフ塩基の使用;
(d)ピリドキサール複合体の使用;
(e)カフェイン複合体の使用;及び
(f)一酸化窒素放出性プロドラッグの使用;
(g)線維芽細胞活性化タンパク質α-切断性オリゴペプチドを有するプロドラッグの使用;
(h)アセチル化剤又はカルバミル化剤との反応の生成物であるプロドラッグの使用;
(i)ヘキサノアート複合体であるプロドラッグの使用;
(j)ポリマー-薬剤複合体であるプロドラッグの使用;及び
(k)酸化還元活性化に供されるプロドラッグの使用
からなる群から選択されるプロドラッグ系であってもよい。
【0319】
本明細書で使用したように、用語「プロドラッグ」とは、開示した化合物又は化合物の薬学的に許容される形態をもたらすために、インビボで変換される化合物を意味する。いくつかの実施形態では、プロドラッグは、生理学的条件下で、又は加溶媒分解によって本明細書で記載したような生物学的に活性のある化合物に転換され得る化合物である。したがって、用語「プロドラッグ」とは、薬学的に許容される生物学的に活性のある化合物の前駆体を意味する。プロドラッグは、対象に投与されたときは不活性であってもよいが、その後、例えば、加水分解(例えば、血液中又は組織内での加水分解)によってインビボにおいて活性化合物に転換される。ある場合には、プロドラッグは、プロドラッグが由来する親化合物よりも物理的及び/又は送達特性が改善されている。プロドラッグは、哺乳類生物において、溶解性、組織適合性又は遅延放出の利点をもたらすことが多い(この参照により本明細書に組み込まれる、H.Bundgard、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(Elsevier、Amsterdam、1988)、pp.7~9、21~24)。プロドラッグの考察は、いずれもこの参照により本明細書に組み込まれる、T.Higuchiら、「新規送達系としてのプロドラッグ(Pro-Drugs as Novel Delivery Systems)」ACS
Symposium Series、Vol.14及びE.B.Roche、ed.、「薬物設計における生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」(American Pharmaceutical
Association & Pergamon Press、1987)に表されている。プロドラッグの利点の例としては、限定されないが、親化合物と比較して生理学的pHでの非経口投与のための水溶解性の増強、消化管からの吸収増強又は長期貯蔵のための薬物安定性の増強などの物理的特性を含めることができる。
【0320】
用語「プロドラッグ」はまた、プロドラッグを対象に投与するとき、インビボにおいて活性化合物を放出する任意の共有結合した担体を含むことを意味する。本明細書で記載したような治療有効化合物のプロドラッグは、治療有効化合物中の1個又は複数の官能基を、修飾が日常的な操作で、又はインビボにおいて切断されて、親の治療有効化合物をもたらすような方法で修飾することによって調製することができる。プロドラッグには、有効化合物のプロドラッグを対象に投与したとき、切断されて遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基又は遊離メルカプト基のそれぞれを形成するヒドロキシ基、アミノ基又はメルカプト基が任意の基に共有結合した化合物が含まれる。プロドラッグの例には、限定されないが、アルコールのホルマート又はベンゾアート誘導体あるいは反応に利用可能なアミン官能基を有する治療活性薬剤のアセトアミド、ホルムアミド又はベンズアミド誘導体などが含まれる。
【0321】
例えば、治療活性薬剤又は治療活性薬剤の薬学的に許容される形態がカルボン酸官能基を含有するならば、プロドラッグは、カルボン酸基の水素原子をC1-8アルキル、C2-12アルカノイルオキシメチル、炭素原子4から9個を有する1-(アルカノイルオキシ)エチル、炭素原子5から10個を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)エチル、炭素原子3から6個を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、炭素原子4から7個を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素原子5から8個を有する1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素原子3から9個を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、炭素原子4から10個を有する1-(N-(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3-フタリジル、4-クロトノラクトニル、γ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N(C-C)アルキルアミノ(C-C)アルキル(3-ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル-(C-C)アルキル、N,N-ジ(C-C)アルキルカルバモイル-(C-C)アルキル及びピペリジノ-、ピロリジノ-又はモルホリノ(C-C)アルキルなどの基で置換することによって形成されるエステルを含むことができる。
【0322】
同様に、開示した化合物又は化合物の薬学的に許容される形態がアルコール官能基を含有するならば、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を(C-C)アルカノイルオキシメチル、1-((C-C))アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C-C)アルカノイルオキシ)エチル(C-C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N(C-C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C-C)アルカノイル、α-アミノ(C-C)アルカノイル、アリールアシル及びα-アミノアシル又はα-アミノアシル-α-アミノアシルなどの基で置換することによって形成することができ、各α-アミノアシル基は、天然に生じるL-アミノ酸、P(O)(OH)、P(O)(O(C-C)アルキル)又はグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基の除去によって生じるラジカル)などの基で置換することにより形成することができる。
【0323】
開示した化合物又は化合物の薬学的に許容される形態がアミン官能基を組み入れるならば、プロドラッグは、アミン基の水素原子を、R-カルボニル、RO-カルボニル、NRR’-カルボニルなどの基で置換することによって形成することができ、R及びR’は、それぞれ独立して(C-C10)アルキル、(C-C)シクロアルキル、ベンジルであるか、又はR-カルボニルは天然のα-アミノアシル若しくは天然のα-アミノアシル-天然のα-アミノアシル、C(OH)C(O)OYであり、YはH、(C-C)アルキル若しくはベンジル、C(OY)Yであり、Yは(C-C)アルキルであり、Yは(C-C)アルキル、カルボキシ(C-C)アルキル、アミノ(C-C)アルキル又はモノ-N若しくはジ-N,N(C-C)アルキルアミノアルキル、C(Y)Yであり、YはH又はメチルであり、そしてYはモノ-N若しくはジ-N,N(C-C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン-1-イル又はピロリジン-1-イルなどの基で置換することにより形成することができる。
【0324】
プロドラッグ系の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、T.Jarvinenら、「プロドラッグのデザイン及び製薬上の応用(Design and Pharmaceutical Applications of Prodrugs)」、Drug Discovery Handbook、(S.C.Gad、ed.、Wiley-Interscience、Hoboken、NJ、2005)、ch.17、pp.733-796に記載されている。この出版物は、プロドラッグとして酵素感受性エステルの使用について記載している。プロドラッグとしての二量体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Allegrettiらへの米国特許第7,879,896号に記載されている。プロドラッグにおけるペプチドの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、S.Prasadら、「手軽なリンカーとしてリジル-リジンを用いた単
一のプロドラッグとしての多数の抗癌ペプチドの送達(Delivering Multiple Anticancer Peptides as a Single Prodrug Using Lysyl-Lysine as a Facile Linker)」、J.Peptide Sci.13:458-467(2007)に記載されている。プロドラッグとしてのシッフ塩基の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Epsteinらへの米国特許第7,619,005号に記載されている。プロドラッグとしてのカフェイン複合体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Ungerらへの米国特許第6,443,898号に記載されている。一酸化窒素放出プロドラッグの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、N.Nathらの「JS-K、一酸化窒素放出プロドラッグ、白血病ジャーカット細胞におけるβ-カテニン/TCFシグナル伝達の変更:S-ニトロシル化の機序の証明(JS-K、a Nitric Oxide-Releasing Prodrug、Modulates β-Catenin/TCF Signaling in Leukemic Jurkat Cells:Evidence of an S-Nitrosylated Mechanism)」Biochem.Pharmacol.80:1641-1649(2010)に記載されている。線維芽細胞活性化タンパク質α切断性オリゴペプチドを有するプロドラッグの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Garin-Chesaらの米国特許出願公開第2002/0155565号に記載されている。アセチル化剤又はカルバミル化剤との反応の生成物であるプロドラッグの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、J.H.Lin & J.Y.H.Luの「創薬及び薬剤開発における薬物動態及び代謝の役割(Role of Pharmacokinetics and Metabolism in Drug Discovery and Development)」Pharmacol.Rev.4:403-449(1997)に記載されている。ヘキサノアート複合体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、Mickleの米国特許第8,101,661号に記載されている。ポリマー-薬剤複合体の使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、R.Satchiらの「PDEPT:ポリマー-指向性酵素プロドラッグ治療(PDEPT:Polymer-Directed Enzyme Prodrug Therapy)」Br.J.Cancer 85:1070-1076(2001)に記載されている。酸化還元活性化に供されるプロドラッグの使用は、この参照により本明細書に組み込まれる、S.H.van Rijt & P.J.Sadlerの「抗癌剤の開発における生物無機化学の現在の応用及び将来の可能性(Current Applications and Future Potential for Bioinorganic Chemistry in the
Development of Anticancer Drugs)」Drug Discov.Today 14:1089-1097(2009)に記載されている。
【0325】
改善が多剤システムの使用によって行われる場合、該多剤システムは、限定されないが、
(a)多剤耐性の阻害剤;
(b)特異的な薬物耐性阻害剤;
(c)選択的酵素の特異的阻害剤;
(d)シグナル伝達阻害剤;
(e)メイソインジゴ;
(f)イマチニブ;
(g)ヒドロキシ尿素;
(h)ダサチニブ;
(i)カペシタビン;
(j)ニロチニブ;
(k)修復阻害剤;及び
(l)副作用が重複しないトポイソメラーゼ阻害剤
からなる群から選択される、多剤システムであってもよい。
【0326】
多剤耐性の阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、Inomataらへの米国特許第6,011,069号に記載されている。
【0327】
特異的な薬物耐性の阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、T.Hideshimaら、「プロテオソーム阻害剤PS-341は増殖を阻害し、アポトーシスを誘発し、ヒト多発性骨髄腫細胞における薬物耐性を克服する(The Proteasome Inhibitor PS-341 Inhibits Growth,Induces Apoptosis,and Overcomes Drug Resistance in Human Multiple Myeloma Cells)」、Cancer Res.、61:、3071-3076(2001)に記載されている。
【0328】
特異的酵素の選択的阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、D.Leungらの「複合プロテオームにおける酵素の強力で選択的な可逆的阻害剤の発見(Discovering Potent and Selective Reversible Inhibitors of Enzymes in Complex Proteomes)」Nature Biotechnol.21:687-691(2003)に記載されている。
【0329】
修復阻害は、この参照により本明細書に組み込まれる、N.M.Martin、「DNA修復阻害及び癌治療(DNA Repair Inhibition and Cancer Therapy)」、J.Photochem.Photobiol.B、63:162-170(2001)に記載されている。
【0330】
改善が生物学的治療の増強によって行われる場合、該生物学的治療の増強は、限定されないが、
(a)生物学的応答変更因子;
(b)サイトカイン;
(c)リンホカイン;
(d)治療抗体;
(e)アンチセンス治療;
(f)遺伝子治療;
(g)リボザイム;及び
(h)RNA干渉
からなる群から選択される治療薬又は治療技術と組み合わせて、増感剤/増強剤として、使用することにより行うことができる。
【0331】
生物学的応答変更因子は、この参照により本明細書に組み込まれる、T.E.G.K.Murthyらの「生物学的応答変更因子(Biological Response Modifiers)」Int.J.Pharmtech Res.2:2152-2160(2010)に記載されている。
【0332】
アンチセンス治療は、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、B.Weissら、「生物学的プロセスを研究及び変更するためのアンチセンスRNA遺伝子治療(Antisense RNA Gene Therapy for Studying and Modulating Biological Processes)」、Cell.Mol.Life Sci.、55、334-358(1999)に記載されている。
【0333】
リボザイムは、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、S.Pascolo、「RNAベースの治療(RNA-Based Therapies)」、Drug Discovery Handbook、(S.C.Gad、ed.、Wiley-Interscience、Hoboken、NJ、2005)、ch.27、pp.1273-1278に記載されている。
【0334】
RNA干渉は、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、S.Pascolo、「RNAベースの治療(RNA-Based Therapies)」、Drug Discovery Handbook、(S.C.Gad、ed.、Wiley-Interscience、Hoboken、NJ、2005)、ch.27、pp.1278-1283に記載されている。
【0335】
生物学的治療の増強が、増感剤/増強剤として治療抗体と組み合わせた使用である場合、治療抗体は、限定されないが、ベバシズマブ(Avastin)、リツキシマブ(Rituxan)、トラスツズマブ(Herceptin)、及びセツキシマブ(Erbitux)からなる群から選択される治療抗体であり得る。
【0336】
改善が生物学的治療の耐性の変更の使用によって行われる場合、該生物学的治療の耐性の変更は、限定されないが、
(a)生物学的応答変更因子;
(b)サイトカイン;
(c)リンホカイン;
(d)治療抗体;
(e)アンチセンス治療;
(f)遺伝子治療;
(g)リボザイム;及び
(h)RNA干渉
からなる群から選択される治療薬又は治療技術にも耐性である悪性腫瘍に対する使用であり得る。
【0337】
別の一選択肢では、改善が生物学的治療の耐性の変更の使用によって行われるとき、
該生物学的治療の耐性の変更は、限定されないが、
(a)生物学的応答変更因子;
(b)サイトカイン;
(c)リンホカイン;
(d)治療用抗体;
(e)アンチセンス治療;
(f)遺伝子治療;
(g)リボザイム;及び
(h)RNA干渉
からなる群から選択される治療薬又は技術にも耐性であるAHI1遺伝子における変異又は調節不全に付随する悪性腫瘍に対する使用であり得る。
【0338】
生物学的治療の耐性の変更が、治療抗体に耐性である腫瘍に対する使用である場合、治療抗体は、限定されないが、ベバシズマブ(Avastin)、リツキシマブ(Rituxan)、トラスツズマブ(Herceptin)、及びセツキシマブ(Erbitux)からなる群から選択される治療抗体であり得る。
【0339】
改善が放射線治療の増強によって行われる場合、該放射線治療の増強は、限定されないが、
(a)低酸素細胞増感剤との使用;
(b)放射線増感剤/保護剤との使用;
(c)光増感剤との使用;
(d)放射線修復阻害剤との使用;
(e)チオール枯渇剤との使用;
(f)血管標的薬との使用;
(g)DNA修復阻害剤との使用;
(h)放射性シードとの使用;
(i)放射性核種との使用;
(j)放射標識した抗体との使用;及び
(k)近接照射療法との使用
からなる群から選択される放射線治療増強剤又は治療技術であり得る。
【0340】
アルキル化ヘキシトール誘導体は、TKI-耐性悪性腫瘍を処置するための放射線と組み合わせて用いることができる。
【0341】
低酸素細胞増感剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、C.C.Lingら、「様々な放射線照射線量率での低酸素細胞増感剤の効果(The Effect of Hypoxic Cell Sensitizers at Different Irradiation Dose Rates)」、Radiation Res.、109、396-406(1987)に記載されている。放射線増感剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、T.S.Lawrence、「放射線増感剤及び標的化治療(Radiation Sensitizers and Targeted Therapies)」、Oncology、17(補完13)23-28(2003)に記載されている。放射線保護剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、S.B.Vuyyuriら、「粘膜炎を防ぐための新規な経口放射線保護剤としてのD-メチオニンの評価(Evaluation of D-Methionine as a Novel Oral Radiation Protector for Prevention of Mucositis)」、Clin.Cancer Res.、14:2161-2170(2008)に記載されている。光増感剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、R.R.Allison及びC.H.Sibata、「腫瘍の光線力学的治療の光増感剤:臨床再調査(Oncologic Photodynamic Therapy Photosensitizers:A Clinical Review)」、Photodiagnosis Photodynamic Ther.7:61-75(2010)に記載されている。放射線修復阻害剤及びDNA修復阻害剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、M.Hingoraniら、「放射線誘発性DNA損傷の評価が複製欠損アデノウイルスベクターからの発現を増強する(Evaluation of Repair of Radiation-Induced DNA Damage Enhances Expression from Replication-Defective Adenoviral Vectors)」、Cancer Res.68:9771~9778(2008)に記載されている。チオール枯渇剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、K.D.Heldら、「チオール枯渇剤フマル酸ジメチルによる哺乳動物細胞の放射線照射後増感(Postirradiation Sensitization of Mammalian Cells by the Thiol-Depleting Agent Dimethyl Fumarate)」、Radiation Res.、127、75-80(1991)に記載されている。血管標的剤は、A.L.Seynhaeveら、「腫瘍壊死因子αは、より良好な腫瘍の応答の一因であるマウスメラノーマにおけるリポソームの均一な分布を媒介する(Tumor Necrosis Factor α Mediates Homogeneous Distribution of Liposomes in Murine Melanoma
that Contributes to a Better Tumor Response)」、Cancer Res.67:9455-9462(2007)に記載されている。
【0342】
改善が新規な作用機序の使用による場合、該新規な作用機序は、限定されないが、
(a)ポリADPリボースポリメラーゼの阻害剤;
(b)脈管構造に影響を及ぼす薬剤;
(c)血管拡張を促進する薬剤;
(d)発癌性標的剤;
(e)シグナル伝達阻害剤;
(f)EGFR阻害を誘発する薬剤;
(g)プロテインキナーゼC阻害を誘発する薬剤;
(h)ホスホリパーゼCのダウンレギュレーションを誘発する薬剤;
(i)junのダウンレギュレーションを含む薬剤;
(j)ヒストン遺伝子の発現を調節する薬剤;
(k)VEGFの発現を調節する薬剤;
(l)オルニチン脱炭酸酵素の発現を調節する薬剤;
(m)junDの発現を調節する薬剤;
(n)v-junの発現を調節する薬剤;
(o)GPCRの発現を調節する薬剤;
(p)プロテインキナーゼAの発現を調節する薬剤;
(q)プロテインキナーゼA以外のプロテインキナーゼの発現を調節する薬剤;
(r)テロメラーゼの発現を調節する薬剤;
(s)前立腺特異的遺伝子の発現を調節する薬剤;及び
(t)ヒストン脱アセチル化酵素の発現を調節する薬剤
からなる群から選択される標的又は機序との治療上の相互作用である新規な作用機序である。
【0343】
ポリADP-リボースポリメラーゼの阻害剤には、ベリパリブ(veliparib)(ABT-888)、AGO14699、イニパリブ(BSI-201)、カルボプラチン、ゲムシタビン、INO-1001、MK4827、ニコチンアミド、オラパリブ、パクリタキセル、テモゾロミド及びトポテカンが含まれ、この参照により本明細書に組み込まれる、E.A.Comen & M.Robson、「乳癌の治療戦略としてのポリ(ADP)-リボースポリメラーゼの阻害(Inhibition of Poly(ADP)-Ribose Polymerase as a Therapeutic Strategy for Breast Cancer)」Oncology 24:55-62(2010)に記載されている。血管拡張を促進する薬剤には、レボシメンダンが含まれ、この参照により本明細書に組み込まれる、W.G.Tollerら、「レボシメンダン、新規の変力作用薬及び血管拡張薬(Levosimendan,a New Inotropic and Vasodilator Agent)」Anesthesiology 104:556-569(2006)に記載されている。EGFR阻害は、この参照により本明細書に組み込まれる、G.Giaccone及びJ.A.Rodriguez、「EGFR阻害剤:肺癌の処置から学んだこと(EGFR Inhibitors:What Have We Learned from the Treatment of Lung Cancer)」、Nat.Clin.Pract.Oncol.、11:554-561(2005)に記載されている。プロテインキナーゼC阻害は、参照により本明細書に組み込まれる、H.C.Swannie及びS.B.Kaye、「プロテインキナーゼC阻害剤(Protein Kinase C Inhibitors)」、Curr.Oncol.Rep.4:37-46(2002)に記載されている。ホスホリパーゼCのダウンレギュレーションは、この参照により本明細書に組み込
まれる、A.M.Martelliら、「フレンド細胞の核におけるホスホイノシチドシグナリング:ホスホリパーゼCβのダウンレギュレーションは細胞分化に関連する(Phosphoinositide Signaling in Nuclei of Friend Cells:Phospholipase C β Downregulation Is Related to Cell Differentiation)」、Cancer Res.54:2536-2540(1994)に記載されている。Jun(特にc-Jun)のダウンレギュレーションは、この参照により本明細書に組み込まれる、A.A.P.Zadaら、「CD44ライゲーション時の急性骨髄性白血病におけるc-Jun発現のダウンレギュレーション及び細胞周期調節分子(Downregulation of c-Jun Expression and Cell Cycle Regulatory Molecules in Acute Myeloid Leukemia Cells Upon CD44 Ligation)」、Oncogene、22:2296-2308(2003)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのヒストン遺伝子の役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、B.Calabrettaら、「ヒト悪性骨髄細胞におけるG1特異的遺伝子の発現の変更(Altered Expression of G1-Specific Genes in Human Malignant Myeloid Cells)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:1495-1498(1986)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのVEGFの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、A.Zielkeら、「ヒトクロム親和細胞腫のVEGF媒介性血管形成は悪性腫瘍に関連し、実験的腫瘍において抗VEGF抗体によって阻害される(VEGF-Mediated Angiogenesis of Human Pheochromocytomas Is Associated to Malignancy and Inhibited by anti-VEGF Antibodies in Experimental Tumors)」、Surgery、132:1056-1063(2002)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのオルニチン脱炭酸酵素の役割は、参照により本明細書に組み込まれる、J.A.Nilssonら、「Myc誘発性リンパ腫形成におけるオルニチン脱炭酸酵素標的化は腫瘍形成を防ぐ(Targeting Ornithine Decarboxylase in Myc-Induced Lymphomagenesis Prevents Tumor Formation)」、Cancer Cell、7:433-444(2005)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのユビキチンCの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、C.Aghajanianら、「進行型固形悪性腫瘍における新規なプロテアソーム阻害剤PS341のフェーズI臨床試験(A Phase I Trial of the Novel Proteasome Inhibitor PS341 in Advanced Solid Tumor Malignancies)」、Clin.Cancer Res.、8:2505-2511(2002)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのJunDの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、M.M.Caffarelら、「JunDはΔ-テトラヒドロカンナビノールのヒト乳癌細胞に対する抗増殖効果に関与する(JunD Is Involved in the Antiproliferative Effect of Δ-Tetrahydrocannibinol on Human Breast Cancer Cells)」、Oncogene、27:5033-5044(2008)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのv-Junの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、M.Gaoら、「v-Jun及びc-Junの分化効果及びアンタゴニスト効果(Differential and Antagonistic Effects of v-Jun and c-Jun)」、Cancer Res.、56:4229-4235(1996)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのプロテインキナーゼAの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、P.C.Gordgeら、「正常乳房組織と比べた悪性におけるプロテインキナーゼA及びプロ
テインキナーゼCの上昇(Elevation of Protein Kinase A and Protein Kinase C in Malignant as Compared With Normal Breast Tissue)」、Eur.J.Cancer、12:2120-2126(1996)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのテロメラーゼの役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、E.K.Parkinsonら、「癌化学療法のための新規且つ潜在的な選択標的としてのテロメラーゼ(Telomerase as a Novel and Potentially Selective Target for Cancer Chemotherapy)」、Ann.Med.、35:466-475(2003)に記載されている。治療的介入に対する標的としてのヒストン脱アセチル化酵素の役割は、この参照により本明細書に組み込まれる、A.Melnick及びJ.D.Licht、「血液悪性腫瘍における治療標的としてのヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylases as Therapeutic Targets in Hematologic Malignancies)」、Curr.Opin.Hematol.、9:322-332(2002)に記載されている。
【0344】
改善が選択的標的細胞集団治療法の使用によって行われる場合、該選択的標的細胞集団治療法の使用は、限定されないが、
(a)放射線感受性細胞に対する使用;
(b)放射線耐性細胞に対する使用;及び
(c)エネルギー枯渇細胞に対する使用
からなる群から選択される使用である。
【0345】
改善は、電離放射線とのアルキル化した組み合わせの使用によっても行われてもよい。
【0346】
改善が、アルキル化ヘキシトール誘導体の活性を増強する薬剤と共に使用することによって行われる場合、該アルキル化ヘキシトール誘導体の活性を増強する薬剤は、限定されないが、
(a)ニコチンアミド;
(b)カフェイン;
(c)テトランドリン;及び
(d)ベルベリン
からなる群から選択される薬剤である。
【0347】
改善が骨髄抑制に対抗する薬剤の使用によって行われるとき、骨髄抑制に対抗するための薬剤はジチオカルバメートであるが、これに限定されない。この参照により本明細書に組み込まれるBorchらの米国特許第5,035,878号は、骨髄抑制の治療のためのジチオカルバメートを開示している。ジチオカルバメートは、式RNCS(S)M又はRNCSS-SC(S)NRの化合物であり、ここで、R、R、R、及びRは、同一又は異なって、非置換の、若しくはヒドロキシルにより置換された、脂肪族基、肪環式基、又はヘテロ脂環式基であるか;又は前記R及びRの一方とR及びRの一方が水素であってもよく;又はR、R、R、及びRのR基の対が置換されて窒素原子と一緒になって、5員若しくは6員のN-複素環であってもよく、これは脂肪族又は環酸素若しくは第二の環窒素で中断されている脂肪族であることができ、そしてMは、水素又は分子の残りの部分が負に帯電している場合には、1当量の薬学的に許容されるカチオンである。Borchらの米国特許第5,294,430号は、この参照により本明細書に組み込まれる、骨髄抑制の治療のための更なるジチオカルバメートを開示している。一般に、これらは、式(D-I):
【0348】
【化3】
の化合物であり、式中、
(i)R及びRは、同一又は異なって,C-Cアルキル基、C-Cシクロアルキル基、又はC-Cヘテロシクロアルキル基であるか;又は
(ii)R及びRの一方が、限定されることはないが、水素であるか;又は
(iii)R及びRは、窒素原子と一緒になって、5員若しくは6員のN-複素環であってもよく、これは脂肪族又は環酸素若しくは第二の環窒素で中断されている脂肪族であるか、そして
(iv)Mは水素又は分子の残りの部分が負に帯電している場合には、1当量の薬学的に許容されるカチオンであるか;又は
(v)Mは式(D-II):
【0349】
【化4】
の部分であり、式中、R及びRは、RとRと同様に定義される。式(D-I)で定義される基がアニオンである場合、カチオンはアンモニウムカチオンであり得るか、又は例えば、Na、K、又はZn+2などのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの一価若しくは二価の金属から誘導されることができる。ジチオカルバミン酸の場合には、式(D-I)で定義される基は、イオン化可能な水素原子に結合されている;一般的に、水素原子は約5.0より上のpHで解離する。使用することのできるジチオカルバメートは、N-メチルジチオカルバメート、N-エチルジチオカルバメート、ヘキサメチレネジチオカルバミン酸、ナトリウムジ(β-ヒドロキシエチル)ジチオカルバメート、様々なジプロピル、ジブチル及びジアミルジチオカルバメート、ナトリウムN-メチル、N-シクロブチルメチルジチオカルバメート、ナトリウムN-アリル-N-シクロプロピルメチルジチオカルバメート、シクロヘキシルメチルジチオカルバメート、シクロヘキシルアミルジチオカルバメート、ジベンジルジチオカルバメート、ナトリウムジメチレン-ジチオカルバメート、様々なペンタメチレンジチオカルバミン酸塩、ナトリウムピロリジン-N-カルボジチオエート、ナトリウムピペリジン-N-カルボジチオエート、ナトリウムモルホリン-N-カルボジチオエート、α-フルフリルジチオカルバメート及びイミダゾリンジチオカルバメートである。他の選択肢は、式(D-I)のRが、6個までの炭素原子を有する、ヒドロキシ置換又は、好ましくは、(ビス乃至ペンタ)ポリヒドロキシ置換低級アルキル基である化合物である。例えば、Rは、HO-CH-CHOH-CHOH-CHOH-CHOH-CH-であり得る。そのような化合物において、Rは、H又は低級アルキル(非置換であるか、又は1個以上のヒドロキシル基で置換されている)であり得る。Rが、H、メチル、又はエチルであるとき、立体の問題を最小限に抑えることができる。したがって、このタイプの特に好ましい化合物は、N-メチルグルカミンジチオカルバメート塩であり、これらの塩の最も好ましいカチオンは、ナトリウム又はカリウムである。他の好ましいジチオカルバメートとしては、アニオンがジ-n-ブチルジチオカルバメート、ジ-n-プロピルジチオカルバメート、ペンタメチレンジチオカルバメート、又はテトラメチレンジチオカルバメートであるアルカリ又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。
【0350】
改善が血液脳関門を通過する置換ヘキシトールの能力を増加させる薬剤を使用すること
によって行われるとき、該血液脳関門を通過する置換ヘキシトールの能力を増加させる薬剤は、限定されることはないが、
(a)式(D-III):
【0351】
【化5】
の構造のキメラペプチド
(式中、(A)Aはソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、バソプレシン、αインターフェロン、エンドルフィン、ムラミルジペプチド又はACTH4-9類似体;及び(B)Bはインスリン、IGF-I、IGF-II、トランスフェリン、カチオン(塩基性)アルブミン又はプロラクチンである);又は式(D-III)の構造のキメラペプチド(式中、AとBとの間のブリッジを結合するジスルフィドが、部分式(D-III(a)):
【0352】
【化6】
のブリッジで置換されており、ここで、該ブリッジは、ブリッジ試薬としてシステアミン及びEDACを用いて形成される);又は式(D-III)の構造のキメラペプチド(式中、AとBとの間のブリッジを結合するジスルフィドが、部分式(D-III(b)):
【0353】
【化7】
のブリッジで置換されており、ここで、該ブリッジは、ブリッジ試薬としてグルタルアルデヒドを用いて形成される);
(b)インスリン、トランスフェリン、抗受容体モノクローナル抗体、カチオン化タンパク質、及びレクチンからなる群から選択されるタンパク質をその中に含むアビジン-ビオチン薬剤複合体を形成するために、ビオチン化置換ヘキシトール誘導体に結合したアビジン又はアビジン融合タンパク質のいずれかを含む組成物;
(c)PEG化され、置換ヘキシトール誘導体を組み込んだ中性リポソーム(ここで、ポリエチレングリコール鎖は、少なくとも一つの可搬型のペプチド又は標的化剤に結合している);
(d)アビジン-ビオチン結合を介して置換ヘキシトール誘導体に連結されたヒトインスリン受容体に結合するヒト化マウス抗体;及び
(e)第1セグメントと第2セグメントとを含む融合タンパク質(第1セグメントは、抗体の可変領域に結合した後、抗体-受容体を介したエンドサイトーシスを受ける細胞の表面抗原を認識する抗体の可変領域を含み、そして、必要に応じて、さらに抗体の定常領域の少なくとも1つのドメインを含み、第2セグメントは、アビジン、アビジンムテイン、化学的に修飾されたアビジン誘導体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイ
ン、及び化学的に修飾されたストレプトアビジン誘導体からなる群から選択されるタンパク質ドメインを含み、ここで融合タンパク質は、ビオチンへの共有結合により置換ヘキシトールに連結している)
である。
【0354】
この血液脳関門への浸透を改善する薬剤は、この参照により本明細書に組み込まれる、W.M.Pardridge、“The Blood-Brain Barrier: Bottleneck in Brain Drug Development(血液脳関門、脳の医薬品開発における障害)”、NeuroRx 2:3-14(2005)に開示されている。
【0355】
これらの薬剤の一つのクラスは、この参照により本明細書に組み込まれる、Pardridgeの米国特許第4,801,575号に開示されており、該米国特許は、血液脳関門を通過する薬剤の送達のためのキメラペプチドを開示している。これらのキメラペプチドは、式(D-IV):
【0356】
【化8】
(式中、
(i)Aはソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、バソプレシン、αインターフェロン、エンドルフィン、ムラミルジペプチド又はACTH4-9類似体である;及び
(ii)Bはインスリン、IGF-I、IGF-II、トランスフェリン、カチオン(塩基性)アルブミン又はプロラクチンである)の一般構造のペプチドを含む。別の選択肢では、AとBの間のブリッジを結合するジスルフィドが、部分式(D-IV(a)):
【0357】
【化9】
のブリッジで置換されており、部分式(D-III(a))のブリッジは、システアミン及びEDACを架橋剤として使用するときに形成される。さらに別の選択肢では、AとBの間のブリッジを結合するジスルフィドは、部分式(D-IV(b)):
【0358】
【化10】
のブリッジで置換されており、部分式(D-III(b))のブリッジは、グルタルアルデヒドを架橋剤として用いた場合に、ブリッジが形成される。
【0359】
Pardridgeらの米国特許第6,287,792号は、この参照により本明細書
に組み込まれるが、アビジン-ビオチン薬剤複合体を形成するために、ビオチン化剤に結合したアビジン又はアビジン融合タンパク質のいずれかを含む、血液脳関門を通過する薬剤の送達のための方法及び組成物を開示している。アビジン融合タンパク質は、インスリン若しくはトランスフェリン、抗受容体モノクローナル抗体、カチオンタンパク質、又はレクチンなどのタンパク質のアミノ酸配列を含むことができる。
【0360】
Pardridgeらの米国特許第6,372,250号は、この参照により本明細書に組み込まれるが、リポソームを用いる、血液脳関門を通過する薬剤を送達するための方法及び組成物を開示している。リポソームは、中性リポソームである。中性リポソームの表面はペグ化されている。ポリエチレングリコール鎖は、可搬型のペプチド又は他の標的化剤に結合している。適切な標的化剤としては、インスリン、トランスフェリン、インスリン様成長因子、又はレプチンが挙げられる。代替的に、リポソームの表面は、2つの異なる可搬型ペプチドと結合することができたが、1つは内因性BBB受容体を標的とするペプチドであり、もう1つは内因性BCM(脳細胞の原形質膜)を標的とするペプチドである。後者は、ニューロン、グリア細胞、周皮細胞、平滑筋細胞、又はミクログリアなどの脳内の特定の細胞に特異的である可能性がある。標的化ペプチドは、内因性リガンドの同じ受容体に結合する受容体の内因性ペプチドリガンド、内因性リガンドの類似体、又はペプチド模倣モノクローナル抗体であってもよい。トランスフェリン受容体特異的ペプチド模倣モノクローナル抗体は、可搬型ペプチドとして使用することができる。ヒトインスリン受容体に対するモノクローナル抗体は、可搬型ペプチドとして使用することができる。リポソームの表面への血液脳関門標的化剤を結合するために使用される結合剤は、例えば、スフィンゴミエリン、ポリエチレングリコール(PEG)又は他の有機ポリマーなどの周知のポリマー結合剤のいずれかとすることができるが、PEGが好適である。リポソームは、好ましくは、200ナノメートル未満の直径を有する。50~150ナノメートルの直径を有するリポソームが好ましい。特に約80ナノメートルの外径を有するリポソーム又は他のナノ容器が好ましい。リポソームの適切な種類は、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロール-3-ホスホコリン(POPC)、ジホスファチジルホスホコリン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、又はコレステロールなどの中性リン脂質で作られる。可搬型ペプチドは、以下のようにリポソームに連結される:インスリン又はHIRMAbなどの可搬型ペプチドは、チオール化され、PEG鎖のごく一部の先端のマレイミド基に結合されるか;あるいはトランスフェリン又はTfRMAbなどの可搬型ペプチド上の表面のカルボキシル基は、N-メチル-N’-3-(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDAC)などのカルボキシル活性化基を有するPEG鎖の先端のヒドラジド(Hz)部分に結合している;可搬型ペプチドは、チオール化され、ジスルフィドリンカーを介してN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)と反応させたリポソームに結合されるか;又は可搬型のペプチドは、アビジン-ビオチン技術でもってリポソームの表面に結合されるか、例えば、可搬型のペプチドは、モノビオチン化され、アビジン又はストレプトアビジン(SA)に結合され、それがPEG鎖の表面に付着される。
【0361】
Pardridgeらの米国特許第7,388,079号は、この参照により本明細書に組み込まれるが、ヒトインスリン受容体に結合するヒト化マウス抗体の使用を開示している;ヒト化マウス抗体は、アビジン-ビオチン結合を介して送達すべき薬剤に結合することができる。
【0362】
Pardridgeらの米国特許第8,124,095号は、この参照により本明細書に組み込まれるが、内因性の血液脳関門受容体媒介輸送系に結合することが可能であり、BBBを通過する治療剤の輸送のためのベクターとして利用できるモノクローナル抗体を開示している。モノクローナル抗体は、例えば、ヒトBBBでヒトインスリン受容体と結合する抗体である。
【0363】
Morrisonらによる米国特許出願公開第2005/0085419号は、この参照により本明細書に組み込まれるが、受容体媒介エンドサイトーシスを介して細胞への多種多様の薬剤の送達のための、第1セグメントと第2セグメントとを含む融合タンパク質を開示している:第1セグメントは、抗体の可変領域に結合した後、抗体-受容体媒介エンドサイトーシスを受ける細胞の表面抗原を認識する抗体の可変領域を含み、そして、必要に応じて、さらに抗体の定常領域の少なくとも1つのドメインを含み、第2セグメントは、アビジン、アビジンムテイン、化学的に修飾されたアビジン誘導体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、及び化学的に修飾されたストレプトアビジン誘導体からなる群から選択されるタンパク質ドメインを含む。典型的には、抗原はタンパク質である。典型的には、細胞の表面上のタンパク質抗原は、トランスフェリン受容体又はインスリン受容体などの受容体である。また、本発明は、完全な抗体分子を形成するように、相補的な軽鎖又は重鎖と、重鎖又は軽鎖のいずれかである融合タンパク質を組み込んだ抗体構築物を含む。治療薬は、非タンパク質分子であり、ビオチンに共有結合することができる。
【0364】
本発明の別の態様は、多形性膠芽腫などの再発性悪性神経膠腫の治療のため、あるいは乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色種の転移により引き起こされるような進行性の二次性脳腫瘍の治療のための上記置換ヘキシトール誘導体を用いる準最適に投与された薬物治療の有効性を改善し、及び/又は副作用を低減するための組成物であって、
(i)治療有効量の修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、修飾されていないヘキシトール誘導体と比較して、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する修飾されているヘキシトール誘導体又は修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ;
(ii)組成物であって、
(a)治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ、及び
(b)少なくとも1つのさらなる治療薬、化学増感に供される治療薬、化学増強作用に供される治療薬、希釈剤、賦形剤、溶媒系、薬物送達系、骨髄抑制に対抗するための薬剤、又は血液脳関門を通過するためのヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグの能力を増加させる薬剤
を含み、修飾されていないヘキシトール誘導体と比較して、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する組成物;
(iii)投与形態に組み入れられた治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、修飾されていないヘキシトール誘導体と比較して、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有するヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ;
(iv)投薬キット及び包装に組み入れられた治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、修飾されていないヘキシトール誘導体と比較して、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、投薬キット及び
包装に組み入れられたヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ;並びに
(v)バルク製剤の改善に供される治療有効量のヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、修飾されていないヘキシトール誘導体と比較して、再発性神経膠腫及び進行性の二次性脳腫瘍からなる群から選択される悪性腫瘍の処置に対して治療効果の増大又は副作用の低減を有する、バルク製剤の改善に供されるヘキシトール誘導体、修飾されているヘキシトール誘導体、又はヘキシトール誘導体若しくは修飾されているヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグを含む。
【0365】
前述したように、アルキル化ヘキシトール誘導体は、限定されないが、ジアンヒドロガラクチトール、ジアンヒドロガラクチトールの誘導体若しくは類似体、ジアセチルジアンヒドロガラクチトール、又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールの誘導体若しくは類似体であり得る。
【0366】
1つの選択肢では、医薬組成物は、癌幹細胞に対する細胞毒性効果を発揮するために製剤化される。
【0367】
一選択肢では、組成物は、
(i)アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ、並びに
(ii)
(a)トポイソメラーゼ阻害剤;
(b)疑似ヌクレオシド;
(c)疑似ヌクレオチド;
(d)チミジル酸シンターゼ阻害剤;
(e)シグナル伝達阻害剤;
(f)シスプラチン又は白金類似体;
(g)アルキル化剤;
(h)抗チューブリン剤;
(i)代謝拮抗剤;
(j)ベルベリン;
(k)アピゲニン;
(l)アモナフィド;
(m)ビンカアルカロイド;
(n)5-フルオロウラシル;
(o)クルクミン;
(p)NF-κB阻害剤;
(q)ロスマリン酸;
(r)ミトグアゾン;
(s)テトランドリン;
からなる群から選択されるさらなる治療薬、を含む薬物の組み合わせを含む。
【0368】
これらの選択肢では、さらなる治療薬がアルキル化剤の場合、アルキル化剤には、限定されないが、BCNU、BCNUウエハー、CCNU、ベンダムスチン(トレアンダ)及びテモゾロミド(テモダール)からなる群から選択されるアルキル化剤である。
【0369】
一選択肢では、組成物は、
(i)アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ、並びに
(ii)
(a)トポイソメラーゼ阻害剤;
(b)疑似ヌクレオシド;
(c)疑似ヌクレオチド;
(d)チミジル酸シンターゼ阻害剤;
(e)シグナル伝達阻害剤;
(f)シスプラチン又は白金類似体;
(g)アルキル化剤;
(h)抗チューブリン剤;
(i)代謝拮抗剤;
(j)ベルベリン;
(k)アピゲニン;
(l)コルヒチン又はコルヒチンの類似体;
(m)ゲニステイン;
(n)エトポシド;
(o)シタラビン;
(p)カンプトテシン;
(q)ビンカアルカロイド;
(r)5-フルオロウラシル;
(s)クルクミン;
(t)NF-κB阻害剤;
(u)ロスマリン酸;及び
(v)ミトグアゾン
からなる群から選択される化学増感に供される治療薬を含み、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグは化学増感剤として作用する。
【0370】
さらに別の一選択肢では、組成物は、
(i)アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ、並びに
(ii)
(a)疑似ヌクレオシド;
(b)疑似ヌクレオチド;
(c)チミジル酸シンターゼ阻害剤;
(d)シグナル伝達阻害剤;
(e)シスプラチン又は白金類似体;
(f)アルキル化剤;
(g)抗チューブリン剤;
(h)代謝拮抗剤;
(i)ベルベリン;
(j)アピゲニン;
(k)コルヒチン又はコルヒチンの類似体;
(l)ゲニステイン;
(m)エトポシド;
(n)シタラビン;
(o)カンプトテシン;
(p)ビンカアルカロイド;
(q)トポイソメラーゼ阻害剤;
(r)5-フルオロウラシル;
(s)クルクミン;
(t)NF-κB阻害剤;
(u)ロスマリン酸;
(v)ミトグアゾン;及び
(w)生物学的治療薬
からなる群から選択される化学増強に供される治療薬を含み、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグは化学増強剤として作用する。
【0371】
これらの選択肢では、さらなる治療薬は生物学的治療薬であり、該生物学的治療薬は、限定されないが、アバスチン、ハーセプチン、リツキサン及びアービタックスからなる群から選択される生物学的治療薬である。
【0372】
さらに別の一選択肢では、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグは、バルク製剤の改善に供され、該バルク製剤の改善は、
(a)塩の形成;
(b)均質な結晶構造としての調製;
(c)純粋な異性体としての調製;
(d)純度の増大;
(e)残留溶媒含量がより低い調製;及び
(f)残留重金属含量がより低い調製
からなる群から選択される。
【0373】
さらに別の一選択肢では、組成物は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ及び希釈剤を含み、希釈剤は、
(a)エマルジョン;
(b)ジメチルスルホキシド(DMSO);
(c)N-メチルホルムアミド(NMF);
(d)ジメチルホルムアミド(DMF);
(e)ジメチルアセトアミド(DMA);
(f)エタノール;
(g)ベンジルアルコール;
(h)デキストロース含有注射用水;
(i)クレモフォール;
(j)シクロデキストリン;及び
(k)PEG
からなる群から選択される。
【0374】
さらに別の一選択肢では、組成物は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されて
いるアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ及び溶媒系を含み、該溶媒系は、
(a)エマルジョン;
(b)DMSO;
(c)NMF;
(d)DMF;
(e)DMA;
(f)エタノール;
(g)ベンジルアルコール;
(h)デキストロース含有注射用水;
(i)クレモフォール;
(j)PEG;及び
(k)塩系
からなる群から選択される。
【0375】
さらに別の一選択肢では、組成物は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ及び賦形剤を含み、賦形剤は、
(a)マンニトール;
(b)アルブミン;
(c)EDTA;
(d)亜硫酸水素ナトリウム;
(e)ベンジルアルコール;
(f)炭酸緩衝剤;
(g)リン酸緩衝剤;
(h)PEG;
(i)ビタミンA;
(j)ビタミンD;
(k)ビタミンE;
(l)エステラーゼ阻害剤;
(m)シトクロムP450阻害剤;
(n)多剤耐性(MDR)阻害剤;
(o)有機樹脂;
(p)界面活性剤;
(q)ペリリルアルコール又はその類似体;及び
(r)チャネル形成受容体のアクチベータ
からなる群から選択される。
【0376】
さらに別の一選択肢では、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグは、
(a)錠剤;
(b)カプセル剤;
(c)局所用ゲル剤;
(d)局所用クリーム剤;
(e)パッチ剤;
(f)坐剤;
(g)凍結乾燥した投薬充填物;
(h)即時放出製剤;
(i)徐放製剤;
(j)制御放出製剤;及び
(k)カプセル液剤
からなる群から選択される剤形に配合される。
【0377】
さらに別の一選択肢では、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグは、光線から保護するための琥珀色バイアル及び有効期間の安定性を改善するための特殊化されたコーティングを有するストッパからなる群から選択される投薬キット及び包装に組み入れられる。
【0378】
さらに別の一選択肢では、組成物は、
(i)アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグ;及び
(ii)薬物送達系が、
(a)経口用剤形、
(b)ナノ結晶、
(c)ナノ粒子、
(d)共溶媒、
(e)スラリー、
(f)シロップ、
(g)生分解性ポリマー、
(h)リポソーム、
(i)徐放性注射用ゲル、
(j)ミクロスフェア、及び
(k)上皮成長因子受容体結合ペプチドを含む標的化組成物
からなる群から選択される薬物送達系、を含む。
【0379】
本発明による組成物のさらに別の一選択肢では、治療薬は、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体であり、該修飾は、
(a)親油性を増大又は減少させるための側鎖の変更;
(b)反応性、電子親和性及び結合能力からなる群から選択される特性を変更させるためのさらなる化学官能基の追加;及び
(c)塩形態の変更
からなる群から選択される。
【0380】
本発明による組成物のさらに別の一選択肢では、治療薬は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体若しくは類似体であり、治療薬は薬物複合体形態の組成物中に存在し、該薬物複合体は、
(a)ポリマー系;
(b)ポリラクチド;
(c)ポリグリコリド;
(d)アミノ酸;
(e)ペプチド;
(f)多価リンカー;
(g)免疫グロブリン;
(h)シクロデキストリンポリマー;
(i)修飾されたトランスフェリン;
(j)疎水性又は疎水性-親水性ポリマー;
(k)ホスホノギ酸部分的エステルとの複合体;
(l)荷電した架橋剤を組み入れた細胞結合剤との複合体;及び
(m)リンカーによるβ-グルクロニドとの複合体
からなる群から選択される薬物複合体である。
【0381】
本発明による組成物のさらに別の一選択肢では、治療薬は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体若しくは類似体であり、該治療薬は、プロドラッグ系の形態であり、該プロドラッグ系は、
(a)酵素感受性エステル;
(b)二量体;
(c)シッフ塩基;
(d)ピリドキサール錯体;
(e)カフェイン錯体;
(f)一酸化窒素放出性プロドラッグ;
(g)線維芽細胞活性化タンパク質α切断性オリゴペプチドを有するプロドラッグ;
(h)アシル化剤又はカルバミル化剤との反応の生成物;
(i)ヘキサノアート複合体;
(j)ポリマー-薬剤複合体;及び
(k)酸化還元活性化に供されるプロドラッグ
からなる群から選択される。
【0382】
本発明による組成物のさらに別の一選択肢では、治療薬は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、該組成物はさらに多剤システムを形成するために少なくとも1種のさらなる治療薬を含み、少なくとも1種のさらなる治療薬は、
(a)多剤耐性の阻害剤;
(b)特異的な薬物耐性阻害剤;
(c)選択的酵素の特異的阻害剤;
(d)シグナル伝達阻害剤;
(e)修復酵素の阻害剤;及び
(f)副作用が重複しないトポイソメラーゼ阻害剤
からなる群から選択される。
【0383】
本発明による組成物のさらに別の一選択肢では、治療薬は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体若しくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体若しくはプロドラッグであり、該組成物は骨髄抑制に対抗する薬剤をさらに含む。典型的には、骨髄抑制に対抗する薬剤は、ジチオカルバメートである。
【0384】
本発明による組成物のさらに別の選択肢において、治療薬は、アルキル化ヘキシトール誘導体、修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体、又はアルキル化ヘキシトール誘導体もしくは修飾されているアルキル化ヘキシトール誘導体の誘導体、類似体、もしくはプロドラッグであり、該組成物は、さらに、血液脳関門を通過する置換ヘキシトールの能力を増加させる薬剤を含み、該薬剤は、以下からなる群から選択される:
(a)式(D-III):
【0385】
【化11】
(式中、(A)Aはソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、バソプレシン、αインターフェロン、エンドルフィン、ムラミルジペプチド又はACTH4-9類似体;及び(B)Bはインスリン、IGF-I、IGF-II、トランスフェリン、カチオン(塩基性)アルブミン又はプロラクチンである);又は式(D-III)の構造のキメラペプチド(式中、AとBとの間のブリッジを結合するジスルフィドが、部分式(D-III(a)):
【0386】
【化12】
のブリッジで置換されており、ここで、該ブリッジは、ブリッジ試薬としてシステアミン及びEDACを用いて形成される);又は式(D-III)の構造のキメラペプチド(式中、AとBとの間のブリッジを結合するジスルフィドが、部分式(D-III(b)):
【0387】
【化13】
のブリッジで置換されており、ここで、該ブリッジは、ブリッジ試薬としてグルタルアルデヒドを用いて形成される);
(b)インスリン、トランスフェリン、抗受容体モノクローナル抗体、カチオン化タンパク質、及びレクチンからなる群から選択されるタンパク質をその中に含むアビジン-ビオチン薬剤複合体を形成するために、ビオチン化置換ヘキシトール誘導体に結合したアビジン又はアビジン融合タンパク質のいずれかを含む組成物;
(c)PEG化され、置換ヘキシトール誘導体を組み込んだ中性リポソーム(ここで、ポリエチレングリコール鎖は、少なくとも一つの可搬型のペプチド又は標的化剤に結合している);
(d)アビジン-ビオチン結合を介して置換ヘキシトール誘導体に連結されたヒトインスリン受容体に結合するヒト化マウス抗体;及び
(e)第1セグメントと第2セグメントとを含む融合タンパク質(第1セグメントは、抗体の可変領域に結合した後、抗体-受容体媒介エンドサイトーシスを受ける細胞の表面で抗原を認識する抗体の可変領域を含み、そして、必要に応じて、さらに抗体の定常領域の少なくとも1つのドメインを含み、第2セグメントは、アビジン、アビジンムテイン、化学的に修飾されたアビジン誘導体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、及び化学的に修飾されたストレプトアビジン誘導体からなる群から選択されるタンパク質ドメインを含み、ここで融合タンパク質は、ビオチンへの共有結合により置換ヘキシトールに連結している)。
【0388】
本発明による医薬組成物がプロドラッグを含む場合、プロドラッグ、及び化合物の活性代謝産物は、当技術分野において知られているルーチンの技術を用いて同定することがで
きる。例えば、Bertoliniら、J.Med.Chem.、40、2011-2016(1997);Shanら、J.Pharm.Sci.、86(7)、765-767;Bagshawe、Drug Dev.Res.、34、220-230(1995);Bodor、Advances in Drug Res.、13、224-331(1984);Bundgaard、プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)、(Elsevier Press、1985);Larsen、プロドラッグの設計と応用(Design and Application of Prodrugs)、薬物の設計と開発(Drug Design and Development)(Krogsgaard-Larsenら、eds.、Harwood Academic Publishers、1991);Dearら、J.Chromatogr.、B、748、281-293(2000);Spraulら、J.Pharmaceutical & Biomedical Analysis、10、601-605(1992);及びProxら、Xenobiol.、3、103-112(1992)を参照されたい。
【0389】
本発明による医薬組成物中の薬理学的に活性な化合物が、十分に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基、又は十分に酸性の官能基及び十分に塩基性の官能基の両方を所有する場合、これらの基(単数又は複数)はしたがって、多くの任意の無機塩基又は有機塩基、並びに無機酸及び有機酸と反応して薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩の例としては、薬理学的に活性な化合物の、鉱酸若しくは有機酸又は無機塩基との反応によって調製される塩が含まれ、例えば、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩を含む塩などが挙げられる。薬理学的に活性な化合物が1つ又は複数の塩基性官能基を有する場合、所望の薬学的に許容される塩は、当技術分野において利用可能なあらゆる適切な方法により調製することができ、例えば、遊離の塩基を無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)と、又は有機酸(例えば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(例えば、グルクロン酸又はガラクツロン酸など)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸又は酒石酸など)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸など)、芳香族酸(例えば、安息香酸又はケイ皮酸など)、スルホン酸(例えば、p-トルエンスルホン酸又はエタンスルホン酸など)又はその他との処理などが挙げられる。薬理学的に活性な化合物が1つ又は複数の酸性官能基を有する場合、所望の薬学的に許容される塩は、遊離の酸を無機塩基又は有機塩基、例えば、アミン(1級、2級、若しくは3級)、アルカリ金属水酸化物、又はアルカリ土類金属水酸化物などと処理するなど、当技術分野において利用可能なあらゆる適切な方法により調製することができる。適切な塩の実例としては、グリシン及びアルギニンなどのアミノ酸に由来する有機塩、アンモニア、1級、2級、及び3級アミン、並びにピペリジン、モルホリン、及びピペラジンなど環状アミン、並びにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びリチウムに由来する無機塩が含まれる。
【0390】
固体である薬剤の場合、本発明の化合物及び塩は、様々な結晶又は多型で存在すること
ができ、これらは全て本発明及び特定の処方の範囲内にあることを意味することが、当業者には理解される。
【0391】
本発明による医薬組成物の単位用量に含まれる、上記のジアンヒドロガラクチトール又はジアンヒドロガラクチトールの類似体若しくは誘導体などの、所定の薬理学的に活性な薬剤の量は、特定の化合物、疾患状態及び疾患の重症度、処置を必要とする対象の同一性(例えば、体重)などの因子に応じて変化するが、それでも当業者であれば日常的に決定することができる。このような医薬組成物は、治療有効量の薬理学的に活性な薬剤、及び不活性な薬学的に許容される担体又は希釈剤を含むのが典型的である。これらの組成物は、経口投与又は非経口投与など、選択される投与経路に適切な単位剤形に調製されるのが典型的である。上記の薬理学的に活性な薬剤は、治療有効量のこのような薬理学的に活性な薬剤を有効成分として、従来の手順にしたがって、適切な製薬上の担体又は希釈剤と組み合わせることにより調製される従来の剤形で投与することができる。これらの手順は、適宜所望の調製物に、成分を混合し、造粒及び圧縮し、又は溶解することを含むことができる。使用する製薬上の担体は、固体でも、又は液体でもよい。固体の担体の例として、ラクトース、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などがある。液体の担体の例として、シロップ、ラッカセイ油、オリーブ油、水などがある。同様に、担体又は希釈剤は、単独又はロウ、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルメタクリレートなどと一緒のモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなど、当技術分野において知られている遅延型又は持続放出の材料を含むことができる。
【0392】
様々な製薬上の形態を用いることができる。したがって、固体の担体を用いる場合、調製物は打錠されても、粉末若しくはペレットの形態で硬ゼラチンカプセル中に配置されても、又はトローチ剤若しくはロゼンジ剤の形態であってもよい。固体の担体の量は変動することができるが、一般に約25mgから約1gまでである。液体の担体を用いる場合、調製物は、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤、アンプル若しくはバイアル中の滅菌注射用液剤若しくは懸濁剤、又は非水性液体懸濁剤の形態である。
【0393】
安定な水溶性の剤形を得るために、上記の薬理学的に活性な薬剤の薬学的に許容される塩は、コハク酸又はクエン酸の0.3M溶液などの有機酸又は無機酸の水溶液に溶解される。可溶性の塩の形態が利用可能でない場合は、薬剤を、適切な共溶媒、又は共溶媒の組み合わせに溶解してもよい。適切な共溶媒の例には、限定されないが、全容積の0~60%の範囲の濃度の、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリンなどが含まれる。例示的な一実施形態において、式Iの化合物をDMSO中に溶解し、水で希釈する。組成物は、水又は等張食塩水又はデキストロース溶液などの好適な水性ビヒクル中の、塩の形態の有効成分の溶液形態であってもよい。
【0394】
本発明の組成物において用いられる薬剤の実際の用量は、用いられる特定の複合体、調合される特定の組成物、投与様式及び特定の部位、宿主並びに処置される疾患及び/又は状態に応じて変化することが認識されよう。本発明の医薬組成物における有効成分の実際の用量レベルは、対象に対して毒性であることなく、特定の対象、組成物、及び投与様式に対して所望の治療応答を実現するのに有効である有効成分の量を得るように、変更することができる。選択される用量レベルは、特定の治療薬の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄速度、状態の重症度、対象に影響を及ぼす他の健康上考慮すべき事項、並びに対象の肝機能及び腎機能の状態を含めた様々な薬物動態学的因子に依存する。これはまた、処置の持続期間、他の薬物、使用する特定の治療薬と組み合わせて用いる化合物及び/又は材料、並びに処置する対象の年齢、体重、状態、全身の健康状態、及び以前の病歴にも依存する。最適の用量を決定するための方法は、当技術分野において
、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(薬学の科学と実践)、Mack Publishing Co.、20th ed.、2000などに記載されている。所定の一連の状態に最適の用量は、当業者であれば、従来の用量決定試験を用いて、薬剤に対する実験データに鑑みて確認することができる。経口投与に対して、一般的に用いられる例示的な一日量は、好適な間隔で繰り返される処置の経過で、約0.001mg/kg体重から約3000mg/kg体重である。いくつかの実施形態において、一日量は約1mg/kg体重から3000mg/kg体重である。
【0395】
患者における典型的な一日の用量は、1日1回又は2回投与して約500mgから約3000mgの間のいずれかであってよく、例えば、6000mgの合計用量に対して、1日2回3000mgを投与することができる。一実施形態において、用量は約1000mgから約3000mgである。別の一実施形態において、用量は約1500mgから約2800mgの間である。他の実施形態において、用量は約2000mgから約3000mgの間である。
【0396】
対象における血漿濃度は、約100μMから約1000μMの間であってよい。いくつかの実施形態において、血漿濃度は約200μMから約800μMの間であってよい。他の実施形態において、濃度は約300μMから約600μMである。さらに他の実施形態において、血漿濃度は約400μMから約800μMの間であってよい。プロドラッグの投与は、完全に活性な形態の重量レベルに化学的に等価である、重量レベルで投薬されるのが典型的である。
【0397】
本発明の組成物は、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、空中浮遊(levitating)、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥などの従来の技術により、医薬組成物を調製するのに一般的に知られている技術を用いて製造することができる。医薬組成物は、従来の様式で、1つ又は複数の生理学的に許容される担体を用いて調合することができ、生理学的に許容される担体は、有効化合物を調製物に処理加工するのを促進する賦形剤及び補助剤から選択することができ、製薬上用いることができる。
【0398】
好適な製剤は、選択される投与経路に依存する。例えば、本発明の薬剤は、水溶液中に、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理学的食塩緩衝液などの生理学的に適合性の緩衝剤中に調合することができる。経粘膜投与については、浸透させようとするバリアに好適な浸透剤が製剤において用いられる。このような浸透剤は、当技術分野において一般に知られている。
【0399】
経口投与に対して、化合物は、活性化合物を当技術分野において知られている薬学的に許容される担体と組み合わせることにより容易に調合することができる。このような担体により、本発明の化合物が、処置すべき患者の経口摂取用に、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、溶液剤、懸濁剤などとして調合できるようになる。経口使用のための医薬製剤は、有効成分(薬剤)と混合した固体の賦形剤を用いて、随意に得られた混合物を粉砕し、所望により、錠剤又は糖衣錠剤のコアを得るために、適切な補助剤を加えた後顆粒の混合物を加工して得ることができる。適切な賦形剤には、充填剤、例えば、ラクトース、ショ糖、マンニトール、又はソルビトールを含む、糖;及びセルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、ゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又はポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。所望により、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムを加えてもよい。
【0400】
糖衣錠剤のコアに適切なコーティングを施す。この目的に、濃縮した糖の溶液を用いることができ、濃縮した糖の溶液は随意に、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含むことができる。識別のために、又は有効薬剤の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は色素を、錠剤又は糖衣錠剤のコーティングに加えてもよい。
【0401】
経口的に用いることができる医薬製剤には、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られた、ソフトシールドカプセル剤が含まれる。プッシュフィットカプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、及び随意に安定化剤と混合した有効成分を含むことができる。軟カプセル剤において、有効薬剤は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解又は懸濁されていてもよい。さらに、安定化剤を加えてもよい。経口投与用の製剤は全て、このような投与に適する用量でなければならない。頬側投与に対して、組成物は、従来の様式で調合された、錠剤又はロゼンジ剤の形態を取ることができる。
【0402】
非経口投与用の医薬製剤は、水性溶液又は懸濁液を含むことができる。適切な親油性の溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油又はオレイン酸エチル又はトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステルが含まれる。水性注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなど、懸濁液の粘度を高める物質を含むことができる。懸濁剤はまた、組成物の溶解性又は分散性を高めて高濃度の溶液剤の調製を可能にする適切な安定化剤又はモジュレーターを随意に含むことができ、又は懸濁化剤若しくは分散剤を含むことができる。経口使用のための医薬製剤は、薬理学的に活性な薬剤を固体の賦形剤と組み合わせ、得られた混合物を随意に粉砕し、所望により適切な補助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠剤のコアを得ることにより得ることができる。適切な賦形剤には、特に、ラクトース、ショ糖、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)がある。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの、崩壊性の調節物質を加えることができる。
【0403】
安定化剤などの他の成分、例えば、クエン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、還元剤、アスコルビン酸、ビタミンE、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、BHA、アセチルシステイン、モノチオグリセロール、フェニル-α-ナフチルアミン、又はレシチンなどの抗酸化剤を用いることができる。また、EDTAなどのキレート化剤も用いることができる。医薬組成物及び医薬製剤の領域において慣例的な他の成分、例えば、錠剤又は丸剤における滑沢剤、着色剤、又は香味剤を用いることができる。また、従来の製薬上の賦形剤又は担体も用いることができる。製薬上の賦形剤は、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖又はデンプンのタイプ、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、及び生理学的に適合性の溶媒を含むことができる。他の製薬上の賦形剤は、当技術分野においてよく知られている。例示的な薬学的に許容される担体には、限定されないが、任意の及び/又は全ての溶媒、例えば、水性及び非水性溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤及び/又は抗真菌剤、等張剤及び/又は吸収遅延剤などが含まれる。薬学上活性な物質に対するこのような媒体及び/又は薬剤の使用は、当技術分野においてよく知られている。従来の任意の媒体、担体、又は薬剤が有効成分(単数若しくは複数)と不適合である場合を除いて
、本発明による組成物における従来の任意の媒体、担体、又は薬剤の使用が考えられる。補足的な有効成分も、特に上記した通り、組成物中に組み入れることができる。本発明において用いる任意化合物を投与するために、調製物は、食品医薬品局生物製剤基準(FDA Office of Biologics Standards)又は薬物を規制する他の監督官庁によって求められる、無菌性、発熱原性、全般的な安全性、及び純度の基準を満たしていなければならない。
【0404】
鼻腔内又は吸入による投与に対して、本発明にしたがって用いるための化合物を、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切な気体を用いて、加圧包装又はネブライザーからのエアロゾルスプレーの提示の形態で送達するのが便利である。加圧エアロゾル剤の場合、用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することにより決定することができる。吸入器又は注入器などにおいて用いるための、ゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物の粉末混合物、及びラクトース又はデンプンなどの適切な粉末ベースを含んで調合することができる。
【0405】
化合物は、注射により、例えば、ボーラス注射又は持続的注入により非経口投与するために調合することができる。注射用製剤は、単位剤形において、例えば、アンプル又はマルチドーズ容器において、保存料を添加して提示することができる。組成物は、油性又は水性のビヒクル中の、懸濁剤、溶液剤、又は乳剤などの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの調合剤を含むことができる。
【0406】
非経口投与用の医薬製剤には、水溶性形態における有効化合物の水溶液剤が含まれる。さらに、有効薬剤の懸濁剤を、適切な油性注射懸濁剤として調製することができる。適切な親油性の溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁剤の粘度を高める物質を含むことができる。懸濁剤は、化合物の溶解性を高めて高濃度の溶液の調製を可能にする、適切な安定化剤又は薬剤も随意に含むことができる。
【0407】
あるいは、有効成分は、使用前に、滅菌パイロジェンフリー水などの適切なビヒクルで構成するための粉末形態であってもよい。化合物は、例えば、カカオ脂又は他のグリセリドなど従来の坐剤基剤を含む、坐剤又は滞留性浣腸剤などの直腸用組成物に調合することもできる。
【0408】
上記製剤の他に、化合物はまた、デポ製剤として調合することができる。このような長時間持続製剤は、埋込みにより(例えば、皮下若しくは筋肉内に)、又は筋肉内注射により投与することができる。このように、例えば、化合物を適切なポリマー材料若しくは疎水性材料と(例えば、許容される油中でのエマルジョンとして)、又はイオン交換樹脂と、あるいはやや溶けにくい誘導体として、例えば、やや溶けにくい塩として、調合することができる。
【0409】
疎水性化合物に対する例示的な製薬上の担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性の有機ポリマー、及び水相を含む共溶媒系である。共溶媒系はVPD共溶媒系であってもよい。VPDは、3%w/vベンジルアルコール、8%w/v非極性界面活性剤であるポリソルベート80、及び65%w/vポリエチレングリコール300、残りを無水エタノールの量で構成した溶液である。VPD共溶媒系(VPD:5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1に希釈したVPDを含んでいる。この共溶媒系は疎水性化合物を良好に溶解し、全身投与した時に、それ自体は低毒性をもたらす。当然、共溶媒系の比率は、その溶解性及び毒性の特徴を壊さずに、大幅に変動することができる。さらに
、共溶媒成分の同一性は変動することができ、例えば、他の低毒性の非極性界面活性剤をポリソルベート80の代わりに用いることができ、ポリエチレングリコールの分画サイズは変動することができ、ポリビニルピロリドンなど、他の生体適合性ポリマーがポリエチレングリコールに置き換わってもよく、他の糖又は多糖類がデキストロースに置換されてもよい。
【0410】
あるいは、疎水性の医薬化合物のための他の送達系を用いることができる。疎水性薬物のための送達ビヒクル又は担体の知られている例は、リポソーム及びエマルジョンである。ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒も、通常大きな毒性という犠牲をはらうものの、用いることができる。さらに、化合物は、治療薬を含んでいる固体の疎水性ポリマーの半透性マトリクスなどの持続放出系を用いて送達することができる。様々な持続放出材料が確立されており、当業者には知られている。持続放出カプセル剤は、その化学的性質に応じて、数週間から最高100日間を超えて化合物を放出することができる。治療用試薬の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質を安定化するためのさらなる戦略を用いることができる。
【0411】
医薬組成物は、適切な固相又はゲル相の担体又は賦形剤も含むことができる。このような担体又は賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0412】
医薬組成物は、当技術分野において知られている様々な方法によって投与することができる。投与経路及び/又は投与様式は、所望の結果に応じて変動する。投与経路に応じて、薬理学的に活性な薬剤は、標的の組成物又は他の治療薬を、薬剤を不活性化し得る酸及び他の化合物の作用から保護するための材料でコーティングされてもよい。従来の製薬上の実務を用いて、このような医薬組成物を対象に投与するのに適する製剤又は組成物を提供することができる。限定されないが、例えば、静脈内投与、非経口投与、腹腔内投与、静脈内投与、経皮投与、皮下投与、筋肉内投与、尿道内投与、又は経口投与など、任意の適切な投与経路を用いることができる。悪性腫瘍、又は処置しようとする他の疾患、障害、若しくは状態、並びに処置しようとする対象を冒している他の状態の重症度に応じて、医薬組成物の全身性又は局在性のいずれかの送達を、処置の過程において用いることができる。上記医薬組成物は、特定の疾患又は状態の処置を意図するさらなる治療薬と一緒に投与することができ、特定の疾患又は状態は、医薬組成物が処置を意図する同じ疾患若しくは状態であってもよく、関連の疾患若しくは状態であってもよく、又は無関係の疾患若しくは状態であってもよい。
【0413】
本発明による医薬組成物は、当技術分野においてよく知られており、日常的に実践されている方法にしたがって調製することができる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(薬学の科学と実践)、Mack Publishing Co.、20th ed.、2000、及びSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems(持続放出及び制御放出の薬物送達系)、J.R.Robinson、ed.、Marcel Dekker,Inc.、New York、1978を参照されたい。医薬組成物は、GMP条件下で製造するのが好ましい。非経口投与用の製剤は、例えば、賦形剤、滅菌水又は食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物起源の油、又は水素化ナフタレンを含むことができる。生体適合性の、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド共重合体、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体を用いて、化合物の放出を制御してもよい。本発明の分子に潜在的に有用な他の非経口送達系には、エチレン-酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、及び埋込み可能な注入系が含まれる。吸入用製剤は、ラクトースなどの賦形剤を含むことができ、例えば、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココー
ル酸及びデオキシコール酸を含む水溶液であってもよく、又は投与用の油性溶液若しくはゲルであってもよい。
【0414】
本発明による医薬組成物は、通常、複数の機会に対象に投与される。単一用量間の間隔は、毎週、毎月、又は毎年であってよい。間隔は、治療応答又は当技術分野においてよく知られている他のパラメータによって指摘される通り、不規則であってもよい。あるいは、医薬組成物を持続放出製剤として投与することができ、その場合は、頻度のより低い投与が必要とされる。用量及び頻度は、医薬組成物に含まれる薬理学的に活性な薬剤の、対象における半減期に応じて変動する。用量及び投与の頻度は、処置が予防的であるか又は治療的であるかに応じて変動することができる。予防的適用では、比較的低い用量を、長期間にわたって比較的まばらな間隔で投与する。対象の中には、残りの人生の間、治療を受け続ける者もあり得る。治療的適用では、疾患の進行が低減し、又は終結するまで、好ましくは対象が疾患の症状の部分的な、又は完全な回復を示すまで、比較的短い間隔での比較的高い用量が、時には必要とされる。その後、対象に予防的投与計画を施すことができる。
【0415】
本適用の目的では、上記したように、処置中の疾患、障害、若しくは状態に関連する1つ若しくは複数の改善性の症状を観察することにより、又は処置中の疾患、障害、若しくは状態に関連する1つ若しくは複数の改善性の臨床パラメータを観察することにより、処置をモニタリングすることができる。
【0416】
持続放出製剤又は制御放出製剤は、当技術分野においてよく知られている。例えば、持続放出又は制御放出製剤は、(1)経口マトリックスの持続放出若しくは制御放出製剤、(2)経口多層の持続放出若しくは制御放出錠剤製剤、(3)経口多粒子の持続放出若しくは制御放出製剤、(4)経口浸透圧性の持続放出若しくは制御放出製剤、(5)経口チュアブルの持続放出若しくは制御放出製剤、又は(6)皮膚の持続放出若しくは制御放出パッチ製剤であってもよい。
【0417】
制御されている薬物送達の薬物動態学上の原理は、例えば、この参照により本明細書に組み込まれる、B.M.Silberら、「制御されている薬物送達の薬物動態学上/薬力学上の基礎(Pharmacokinetic/Pharmacodynamic Basis of Controlled Drug Delivery」、Controlled Drug Delivery:Fundamentals and Applications(J.R.Robinson及びV.H.L.Lee,ed.、2d ed.、Marcel Dekker、New York、1987)、ch.5、pp.213-251に記載されている。
【0418】
当業者であれば、この参照により本明細書に組み込まれる、V.H.K.Liら、「薬物の性質及び薬物投与経路の持続放出系及び制御放出系に対する影響(Influence of Drug Properties and Routes of Drug Administration on the Design of Sustained and Controlled Release Systems)」、Controlled Drug Delivery:Fundamentals and Applications(J.R.Robinson&V.H.L.Lee,eds.、2d
ed.、Marcel Dekker、New York、1987)、ch.1、pp.3-94に開示されている原理にしたがうなどの、上記製剤を変更することにより、本発明による薬理学的に活性な薬剤を含んでいる制御放出又は持続放出のための製剤を容易に調製することができる。この調製のプロセスは、典型的に、水溶性、分配係数、分子サイズ、安定性、並びにタンパク質及び他の生物学的巨大分子に対する非特異的な結合など、薬理学的に活性な薬剤の物理化学的性質を考慮に入れるものである。この調製のプロ
セスは、薬理学的に活性な薬剤に対する、吸収、分配、代謝、作用の持続時間、副作用の可能な存在、及び安全域などの生物学的因子も考慮に入れるものである。したがって、当業者であれば、特定の適用に対して上記の所望の性質を有する製剤に、製剤を変更することができる。
【0419】
Nardellaによる米国特許第6,573,292号、Nardellaによる米国特許第6,921,722号、Chaoらへの米国特許第7,314,886号、及びChaoらによる米国特許第7,446,122号は、癌を始めとする数々の疾患及び状態の処置において、様々な薬理学的に活性な薬剤及び医薬組成物を使用する方法、並びにこのような薬理学的に活性な薬剤及び医薬組成物の治療効果を決定する方法を開示するものであり、全てこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0420】
典型的に、ジアンヒドロガラクチトールの治療有効量は、約40mg/mである。ジアセチルジアンヒドロガラクチトールの治療有効量は、分子量の違いを考慮すると類似している。
【0421】
典型的に、ジアンヒドロガラクチトールは、静脈内又は経口からなる群から選択される経路によって投与する。好ましくは、ジアンヒドロガラクチトールは、静脈内投与する。ジアセチルジアンヒドロガラクチトールでは類似の経路を使用することができる。
【0422】
この方法はさらに、治療有効線量の電離放射線の投与のステップを含むことができる。
【0423】
本発明の別の態様は、悪性腫瘍の処置について上述したように、別々に包装されたヘキシトール誘導体の二つ以上の異なる用量を含むキットである。一般的に、ヘキシトール誘導体は、ジアンヒドロガラクチトール又はジアセチルジアンヒドロガラクチトールである。アルキル化ヘキシトール誘導体がジアンヒドロガラクチトールである場合、キットは、限定されるものではないが、以下の用量の組み合わせを含む:(i)1.5mg/m及び3.0mg/m;(ii)1.5mg/m、3.0mg/m、及び5.0mg/m;(iii)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、及び10mg/m;(iv)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、10mg/m、及び15mg/m;(v)10mg/m;(iv)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、10mg/m、15mg/m、及び20mg/m;(vi)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、10mg/m、15mg/m、20mg/m、及び25mg/m;(vii)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、10mg/m、15mg/m、20mg/m、25mg/m、及び30mg/m;並びに(viii)1.5mg/m、3.0mg/m、5.0mg/m、10mg/m、15mg/m、20mg/m、25mg/m、30mg/m、及び40mg/m。これらの代替的な用量の2つ又はそれ以上を含む用量の他の組み合わせも可能である。ヘキシトール誘導体は、医薬組成物の形態であってもよい。用量分は、薬学的用量の包装に従来使用されているようなブリスターパックに集めることができる。キットはさらに使用説明書を含むことができる。
【0424】
本発明は、以下の実施例により説明される。この実施例は、例示の目的のみのために含まれ、かつ本発明を限定するものではない。
【実施例0425】
再発性悪性神経膠腫又は進行性の二次性脳腫瘍を有する患者を治療するためのジアンヒドロガラクチトールの使用
脳腫瘍は、治療のための最も挑戦的な悪性腫瘍の一つである。再発性疾患を有する患者に対する生存期間中央値は、多形性膠芽腫(GBM)については<6ヶ月である。中枢神
経系(CNS)の転移は、脳に広がった腫瘍に到達することができない全身療法の改善に基づく癌死亡率の主要な原因として進行してきた。
【0426】
最先端の全身療法は、テモゾロミドであるが、O-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェラーゼ(MGMT)活性が原因の耐性が予後不良に関係している。このような耐性は大幅に生存率を低下させている。
【0427】
ジアンヒドロガラクチトールは、血液脳関門を容易に通過し、脳組織に蓄積する画期的医薬品の二官能性NDNA-アルキル化剤である。ジアンヒドロガラクチトールは、N-グアニンでストランド間のDNA架橋を引き起こし(この参照により本明細書に組み込まれるE.Institorisら、“Absence of Cross-Resistance Between Two Alkylating Agents:BCNU vs. Bifunctional Galactitol(二つのアルキル化剤との間の交叉耐性の非存在:BCNU対二官能性ガラクチト-ル)”、Cancer Chemother.Pharmacol.24:311-313(1989))、それはGBMに使用される他のアルキル化剤の機構とは別個である。抗悪性腫瘍剤としてのジアンヒドロガラクチトールの使用は、この参照により本明細書に組み込まれるL.Nemethら、“Pharmacologic and Antitumor Effects of 1,2:5,6-Dianhydrogalactitol(NSC-132313)(1,2:5,6-ジアンヒドロガラクチトールヒドロ(NSC-132313)の薬理学的及び抗腫瘍効果)”Cancer Chemother.Rep.56:593-602(1972)に記載されている。過去の臨床データは、さらに、TMZとBCNUと比較して、同等の又は増加した生存と安全性の向上を示唆し、ジアンヒドロガラクチトール及びTMZとBCNU両者との間に交差耐性がないことを報告し、他の薬剤でうまくいかなかったGBM患者の治療におけるジアンヒドロガラクチトールの潜在的有効性をサポートしている。ジアンヒドロガラクチトールは、神経膠腫の治療のために、FDA及びEMAによって希少疾病用医薬品として認可されている。前臨床研究は、ジアンヒドロガラクチトールがGBMを含む広範囲の癌に対して抗腫瘍活性を有することを示唆している。
【0428】
インビトロ研究において、ジアンヒドロガラクチトールは、小児及び成人のGBM細胞株、並びにGBM癌幹細胞において活性を示した。特に、ジアンヒドロガラクチトールは、インビトロでMGMT活性に起因する耐性を克服することができる。
【0429】
中枢神経系(CNS)腫瘍における臨床試験での広範な安全性データ及び有望な有効性に照らして、我々は最大耐量(MTD)を確立し、GBMにおける将来の有効性試験のための用量及び投与計画を識別するための新たな臨床試験を開始した。
【0430】
用量制限毒性は骨髄抑制となることが予想され、その管理が近年改善した。
【0431】
ジアンヒドロガラクチトールの開発初期において、放射線療法と組み合わせた35日サイクルで送達された125mg/mの累積静注投与は、脳腫瘍における放射線療法単独よりも優れていることが示された(この参照により本明細書に組み込まれるR.T.Eaganら、“Dianhydrogalactitol and Radiation Therapy.Treatment of Supratentorial Glioma(ジアンヒドロガラクチトール及び放射線療法。テント上グリオーマの処置)”JAMA 241:2046-2050(1979))。
【0432】
上記に示したように、O-メチルグアニンメチルトランスフェラーゼ(MGMT)の発現は、テモゾロミド(TMZ)で処置したGBM患者の予後不良とリンクしている。ジ
アンヒドロガラクチトールの細胞毒性活性は、インビトロでのMGMT関連化学療法耐性(図1)とは無関係であり、従って、TMZ耐性GBMに有効である可能性を有する。
【0433】
本試験では、33日サイクルでの累積用量は、9mg/m(コホート1)~240mg/m(コホート7)の範囲である。最高120mg/mの33日サイクル累積用量を有する5つの投薬コホートは、薬物関連の重篤な有害事象なしで試験を完了し、MTDにはまだ達していなかった。コホート6(33日累積用量:180mg/m)の登録が開始された。本試験の最終的なコホート、即ちコホート7(33日累積用量:240mg/m)は、コホート6で用量制限毒性(DLT)がないことを条件として開始されるであろうし、その結果は、安全性と有効性の登録試験の設計を決定する。
【0434】
本実施例で報告された試験の方法論は、次のとおりである:非盲検の単群第I/II相用量漸増試験は、(i)主要なWHOグレードIVの悪性GBMで現在再発中であることを組織学的に確認された初期診断、又は(ii)標準的な脳放射線療法に失敗した進行性の二次性脳腫瘍であり、少なくとも1回の全身療法後の脳腫瘍の進行を有する患者におけるジアンヒドロガラクチトールの安全性、忍容性、薬物動態及び抗腫瘍活性を評価するために設計された。試験は、MTD又は最大の特定用量に達するまで、3+3用量漸増設計を採用している。患者は、各21日の処置サイクルの1日目、2日目、及び3日目に割り当てられた用量でジアンヒドロガラクチトールの静脈内投与を受ける。第II相では、追加の患者は、腫瘍応答を測定するために、MTD(又は他の選択された最適な第II相用量)で処置される。登録したすべての患者は、適切な場合には、以前に手術及び/又は放射線で治療されており、禁忌がない限り、ベバシズマブとTMZの両方で効果が無かった必要がある。これらの試験に関して、次が選択基準の概要である:(1)患者は18歳以上である必要がある。(2)主要なWHOグレードIVの悪性グリオーマ(神経膠芽腫)で現在再発中であること、又は進行性の二次性脳腫瘍であることを組織学的に確認された初期診断があり、患者は標準的な脳放射線療法で効果がなく、少なくとも1回の全身療法後の脳腫瘍の進行を有する。(3)GBMの場合は、患者は適切な場合、以前に手術及び/又は放射線でGBMの治療をされており、いずれか一方又は両方が禁忌でない限り、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))及びテモゾロミド(Temodar(登録商標))の両方で効果がなかった必要がある。(4)患者は、少なくとも12週間の予測余命を有している必要がある。除外基準の概要は以下のとおりである:(1)登録診断以外の新生物の現在の病歴がある。従前に局所療法単独で処置され、治癒した癌患者が考慮される。(2)疾患の軟髄膜への広がりの証拠がある。(3)患者が最初の治療(0日)に先立って60日以内にカルムスチンウエハー(Gliadel(登録商標)ウエハー)含有プロリフェプロスパン20で前治療を受けていた。(4)患者が脳内薬剤で前治療を受けていた。(5)患者が、脳のベースラインMRIで最近の出血の証拠を示す。(6)患者がチトクロームP450とCYP3Aの強力な阻害剤である併用薬をサイクル1の1日目の最大14日前まで服用している(ピモジド、ジルチアゼム、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、及びキニジン、並びにアミオダロンの最大90日前まで服用している。
【0435】
これらの結果は、以下のとおりである:薬物関連の重篤な有害事象が検出されておらず、最大耐量(MTD)は、30mg/mまでの用量に到達しなかった。コホート7(40mg/m)の登録と評価は進行中である。高用量は、コホート6(30mg/m)で義務付けられた安全性の観察期間の完了を条件として登録することができる。登録患者は、難治性の進行性GBMと悲惨な予後を提示している。これまでに登録されたすべてのGBM患者は、第1選択薬のテモゾロミドで奏効せず、一人を除く全患者は、第2選択薬ベバシズマブ療法が奏効しなかった。試験のこの部分の主要エンドポイントは、登録指向の臨床試験の進歩のための近代的な投与計画を決定することである。腫瘍体積は毎秒サイクル後に測定され、試験期間中の任意の時点で継続的進行の証拠を示す患者は、試験が中止されるが、サイクル1毒性はMTDの決定のために捕捉される。この設計では、緩徐な
腫瘍増殖のため患者の利益の厳密な評価を行うことができない。腫瘍体積は、RANO基準に基づく研究過程で評価される。初期のコホートで報告された応答(安定疾患又は部分応答)を示す2人の患者は、試験とは無関係な有害事象による中止の前に、28サイクル(84週間)の最大応答の臨床徴候を改善した。現在までに、コホート6(30mg/m)の2人の患者の1人は、1サイクルの処置後に安定した疾患を示した。コホート6の結果の解析が進行中である。これらの予備的データは、より高用量コホートの継続的な診査をサポートする。
【0436】
図1は、MGMT陰性小児ヒトGBM細胞株SF188(第1パネル)、MGMT陰性ヒトGBM細胞株U251(第2パネル)及びMGMT陽性ヒトGBM細胞株T98G(第3パネル)でのジアンヒドロガラクチトール(VAL-083)及びテモゾロミド(TMZ)の活性を示す;個々の細胞株で、MGMT及びアクチン(対照として)の検出を示す免疫ブロットが、細胞株の特性を提供する表の下に示されている。
【0437】
ジアンヒドロガラクチトールは、GBM細胞株SF188、U251、及びT98Gにおいて、MGMT(図1)の活性とは独立して、腫瘍の成長を阻害するのにTMZよりも良好であった。ジアンヒドロガラクチトールはさらに、正常なヒトの神経幹細胞への影響を最小限に抑えながら、神経球増殖アッセイで、癌幹細胞(BT74、GBM4及びGBM8)の成長を80~100%阻害した(この参照により本明細書に組み込まれるK.Huら、“VAL083,a Novel N7 Alkylating Agent,Surpasses Temozolomide Activity and Inhibits Cancer Stem Cells Providing a New Potential Treatment Option for Glioblastoma Multiforme(VAL083、即ち新規N7アルキル化剤は、テモゾロミドの活性を上回り、多形性膠芽腫のための新しい可能性のある治療選択肢を提供する癌幹細胞を阻害する)”、Cancer Res.72(8)Suppl.1:1538(2012))。
【0438】
薬物動態分析は、短い、血漿1~2時間の半減期を有する用量依存性の全身曝露を示す;20mg/mでの平均Cmaxは、266ng/mL(0.18μg/ml又は約1.8μM)である。コホート6(30mg/m)の薬物動態分析は進行中である。今日のLC-MS-MS法(この参照により本明細書に組み込まれるR.T.Eaganら、“Clinical and Pharmacologic Evaluation of Split-Dose Intermittent Therapy with Dianhydrogalactitol(ジアンヒドロガラクチトールで分割投与間欠的治療の臨床及び薬理学的評価)”、Cancer Treat.Rep.66:283-287(1982))よりも感度の低いバイオ分析方法を使用する前臨床試験において、約3~4倍の高用量(60~72mg/m)の静脈内注入は、1.9μg/mlから5.6μg/mlの範囲のCmaxに達し、濃度-時間曲線は、双指数関数的であり、現在の試験における知見に似ていた。薬物動態は直線的であり、より高いレベルは、現在の試験において高用量で達成することができることを示唆している以前に公開されたデータと一致している。インビトロ試験は、コホート4、5及び6で得られたジアンヒドロガラクチトールのμM濃度)が、様々な神経膠腫細胞株(図1に示されるように)に対して有効であることを示している。図2は、用量依存的な全身曝露を示すジアンヒドロガラクチトールの血漿濃度-時間プロファイルを示す(1コホートにつき3人の対象の平均値)。
【0439】
【表1】
【0440】
前治療、重篤な有害事象(SAE)、用量制限毒性(DLT)及び評価対象患者の腫瘍応答。
【0441】
表2は他の治療法と比較したジアンヒドロガラクチトールの歴史的臨床データの比較
を示す。
【0442】
【表2】
【0443】
ジアンヒドロガラクチトールの歴史的臨床データは、GBMの治療における改善された安全性プロファイルを有する標準的な化学療法と同様に、比肩し得る又は向上した生存の可能性を支持する。
【0444】
表2中の参考文献は以下のとおりである:“(Eagan(1979))”は、R.T.Eaganら、“Dianhydrogalactitol and Radiation Therapy.Treatment of Supratentorial Glioma(ジアンヒドロガラクチトール及び放射線療法。テント上グリオーマの処置)”、JAMA 241:2046-2050(1979)であり;“Stupp(2005)”は、R.Stuppら、“Radiotherapy Plus Concomitant and Adjuvant Temozolomide for Glioblastoma(神経膠芽腫に対する放射線療法+併用アジュバントのテモゾロミド)”、New.Engl.J.Med.352:987-996(2005)であり、この参
照により参考文献の両方が本明細書に組み込まれる。
【0445】
表3は、本実施例で報告された試験の投与スケジュールをまとめた表である。
【0446】
【表3】
【0447】
図3は、ジアンヒドロガラクチトール治療2サイクルの前(T=0日:左側)と後(T=64日:右側)の患者(患者#26)のMRIスキャンを示す。異常増殖の太いコンフルエント領域が減少して、今ではより不均一に現れている。
【0448】
要約すると、ジアンヒドロガラクチトールは以前のテモゾロミド又はベバシズマブを用いた治療に耐性であることが証明された再発性多形性膠芽腫に対する活性を示す。ジアンヒドロガラクチトールはまた、乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移から生じる腫瘍を含む進行性の二次脳腫瘍に対する活性も示す。したがって、ジアンヒドロガラクチトールは、中枢神経系のこれらの悪性腫瘍の処置、特に、悪性腫瘍がテモゾロミド又はベバシズマブなどの治療薬に耐性であることが分かっている状況における処置のための新しい治療手順を提供する。
【0449】
特に、ジアンヒドロガラクチトールは、歴史的なNCI後援の臨床試験で新たに診断された再発性のGBM対して以前に有望な臨床活性を示した。ジアンヒドロガラクチトールは、GBM細胞株に対してインビトロで強力なMGMT非依存性の細胞傷害活性を有する。薬物動態の分析は、20mg/mで短い血漿1~2時間の半減期及びCmax<26
5ng/mL(1.8μM)の曝露における用量依存性の増加を示す(図2参照)。薬物動態データは、以前の試験の文献と一致しており、脳腫瘍におけるジアンヒドロガラクチトールの活性を示唆している;20mg/mのコホートで達成される血漿濃度は、インビトロで神経膠腫細胞の増殖を阻害するのに十分である。ジアンヒドロガラクチトール療法はこれまでに良く容認されている;薬物関連の重篤な有害事象は何も検出されていない。コホート6(30mg/m)の完了後にも最大耐量(MTD)には到達していなかった;コホート7(40mg/m)の登録及び解析が進行中である。
【0450】
従来の化学療法と放射線療法により、二次性脳腫瘍の患者は、骨髄抑制になりやすく、GBM患者よりも異なるMTD(最大耐量)を有する可能性がある。これは、免疫系の機能を評価し、可能性のある骨髄抑制をモニタリングすることによって決定することができる。
【0451】
本発明の効果
本発明は、再発性悪性神経膠腫、特に多形性膠芽腫を治療するための、及び進行性の二次性脳腫瘍、特に乳腺腺癌、小細胞肺癌、又は黒色腫の転移に起因する腫瘍を治療するための有効な方法及び組成物を提供する。これらの方法及び組成物は、十分に忍容され、有意な副作用を引き起こさない。それらは、放射線療法、外科手術、又は他の化学療法剤と共に使用することができる。
【0452】
本発明の方法は、中枢神経系の悪性腫瘍を含む、対象における多くの疾患及び状態を治療するための医薬の製造のための産業上の利用可能性を有する。本発明による組成物は、医薬組成物として産業上の利用可能性を有する。
【0453】
本発明の方法クレームは、請求項において列挙又は暗示する自然の法則の具体的な適用に加えて、自然の法則の一般的適用を超える特定の方法ステップを提供し、方法ステップを実践するものは当技術分野において従来知られているもの以外のステップを用いることを要求し、ゆえに請求項の範囲をその中に列挙する特定の適用に制限するものである。ある状況では、これらの請求項は、既存の薬物を用いる新たな方法に対するものである。
【0454】
本明細書において説明的に記載した本発明は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の要素(単数又は複数)、限定(単数又は複数)の非存在下で適切に実施することができる。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などの用語は、広範に、制限なく読まれるべきである。さらに、本明細書において用いる用語及び表現は、記述の用語として用いており、限定的なものでなく、示され且つ記載される未来の均等物、又はその任意の部分を排除する意図は、このような用語及び表現の使用において無く、請求する本発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認められる。このように、本発明を、好ましい実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示する改変及び変更を当業者は行使することができ、このような改変及び変更は、本明細書に開示する本発明の範囲内であるとみなされることを理解されたい。本発明を、本明細書に広範且つ全般的に記載してきた。一般的な開示の範囲内に入る、より狭い種及び亜属のグループ分けの各々も、これら本発明の一部分を形成する。これには、切り取られた物質がその中に明確に存在するか否かにかかわらず、任意の主題を属から取り除く条件又は否定的な限定により、各発明の包括的な記載が含まれる。
【0455】
さらに、本発明の特徴又は態様をマーカッシュグループに関して記載する場合、当業者であれば、発明がマーカッシュグループの任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループによって本明細書にそれにより記載されることも認めるであろう。上記の記載は、説明的なものを意図し、限定的ではないことも理解されたい。当業者には、上記の記載を再
吟味すれば、多くの実施形態がより明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の記載を参考にして決定するものではなく、その代わりにこのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全ての範囲と一緒に、添付の特許請求の範囲を参考にして決定しなければならない。特許公報を含めた、全ての論文及び参考文献の開示が、参照により本明細書に組み込まれる。

図1
図2
図3