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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088657
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20220607BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20220607BHJP
【FI】
A24D3/17
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063868
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2020542300の分割
【原出願日】2019-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0153011
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ポン ス
(72)【発明者】
【氏名】コ、トン キョン
(72)【発明者】
【氏名】ノ、チェ ソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、サン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジュン ソプ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】冷却機能は保持しつつ、コスト低減を図るエアロゾル生成物品を提供する。
【解決手段】エアロゾル生成物品3は、媒質部31、媒質部31の下流側端部に向かうように配置され、第1中空を含む第1中空チューブ32、第1中空チューブ32の下流側に連続して配置され、第1中空より大径であるか、同径である第2中空を含む第2中空チューブ332と冷却要素331とを含む冷却部33、冷却部33の下流側端部に向かうように配置されるフィルタ部34、及び媒質部31、第1中空チューブ32、冷却部33、及びフィルタ部34のうち、少なくとも一部を覆い包むラッパ36を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置に挿入され、前記エアロゾル生成装置のヒータによって加熱されてエアロゾルを生成するエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成物品であって、
前記エアロゾル生成物質を含み、上流側端部の全体表面が外部に露出されて前記上流側端部の前記全体表面を通じて空気が流入される媒質部と、
前記媒質部の下流側端部に向かうように配置され、第1中空を含む第1中空チューブと、
前記第1中空チューブの下流側に連続して配置され、前記第1中空より大径であるか、同径である第2中空を含む第2中空チューブと冷却要素とを含む冷却部と、
前記冷却部の下流側端部に向かうように配置されるフィルタ部と、
前記媒質部、前記第1中空チューブ、前記冷却部、及び前記フィルタ部のうち、少なくとも一部を覆い包むラッパと、を含み、
前記第2中空チューブは、酢酸セルロースを含
前記第2中空チューブの長さと前記冷却要素の長さは、それぞれ4mm~10mmの範囲内に含まれ、
前記冷却要素と前記第2中空チューブは、上流側から下流側に順次に配置される、ことを特徴とするエアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記第2中空チューブ長は、前記第1中空チューブ長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記第1中空チューブの前記第1中空の直径は、2mm~4.5mmの範囲内であり、前記第2中空チューブの前記第2中空の直径は、3mm~5mmの範囲内であり、前記第2中空の直径は、前記第1中空の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記冷却要素と前記第2中空チューブは、それぞれラッパによって覆い包まれ、
前記覆い包まれた冷却要素と第2中空チューブは、1枚のラッパによって再び取り囲まれることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記冷却要素は、ラッパによって覆い包まれ、
前記覆い包まれた冷却要素と前記第2中空チューブは、1枚のラッパによって覆い包まれることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記第1中空チューブは、酢酸セルロースを含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記冷却要素は、ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成物品に係り、さらに詳細には、冷却要素と中空チューブとを有する冷却部を含むエアロゾル生成物品に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成物品の短所を克服する代替方法に係わる需要が増大している。例えば、エアロゾル生成物品を燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物品内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルを生成する方法に係わる需要が増大している。これにより、加熱式エアロゾル生成物品または加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成物品は、エアロゾルを一定温度以下に冷却させるための冷却要素を含んでもよい。冷却要素は、ユーザが安全にエアロゾルを吸入可能にする長所を有するが、製造コストが高く、エアロゾル生成物品のコストを上昇させる短所も有する。これにより、エアロゾル生成物品の冷却機能を保持しつつ、コストを低減するための研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷却機能は保持しつつ、コスト低減を図るエアロゾル生成物品を提供することである。本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、さらに他の技術的課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によるエアロゾル生成物品は、媒質部と、前記媒質部の下流側端部に向かうように配置され、第1中空を含む第1中空チューブと、前記第1中空チューブの下流側に連続して配置され、前記第1中空より大径であるか、同径である第2中空を含む第2中空チューブと冷却要素とを含む冷却部と、前記冷却部の下流側端部に向かうように配置されるフィルタ部と、前記媒質部、前記第1中空チューブ、前記冷却部、及び前記フィルタ部のうち、少なくとも一部を覆い包むラッパと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、エアロゾル生成物品のエアロゾル成分伝達機能及び冷却機能は保持しつつ、製造コストを低減することができる。発明の効果は、前述した内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された一例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
図4】エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施例によるエアロゾル生成物品は、媒質部と、前記媒質部の下流側端部に向かうように配置され、第1中空を含む第1中空チューブと、前記第1中空チューブの下流側に連続して配置され、前記第1中空より大径であるか、同径である第2中空を含む第2中空チューブと冷却要素とを含む冷却部と、前記冷却部の下流側端部に向かうように配置されるフィルタ部と、前記媒質部、前記第1中空チューブ、前記冷却部、及び前記フィルタ部のうち、少なくとも一部を覆い包むラッパを含む。
【0009】
上述したエアロゾル生成物品において、前記第2中空チューブ長は、前記第1中空チューブ長よりも短い。
【0010】
上述したエアロゾル生成物品において、前記第2中空チューブ長と前記冷却要素の長さは、それぞれ4mm~10mmの範囲内に含まれる。
【0011】
上述したエアロゾル生成物品において、前記冷却要素と前記第2中空チューブは、それぞれラッパによって覆い包まれ、前記覆い包まれた冷却要素と第2中空チューブは、1枚のラッパによって再び覆い包まれる。
【0012】
上述したエアロゾル生成物品において、前記冷却要素は、ラッパによって覆い包まれ、前記覆い包まれた冷却要素と前記第2中空チューブは、1枚のラッパによって覆い包まれる。
【0013】
上述したエアロゾル生成物品において、前記第1中空チューブと前記第2中空チューブは、酢酸セルロースを含む。
【0014】
上述したエアロゾル生成物品において、前記冷却要素は、ポリマー繊維を含む。
【0015】
上述したエアロゾル生成物品において、前記冷却要素と前記第2中空チューブは、上流側から下流側に順次に配置される。
【0016】
実施形態で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されねばならない。
【0017】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0018】
以下の実施例において、用語「上流」及び「下流」は、ユーザが喫煙物品を使用して空気を吸引するとき、外部からエアロゾル生成物品内部に空気が流入される部分が「上流」であり、エアロゾル生成物品内部から外部に空気が排出される部分が「下流」である。用語「上流」及び「下流」は、エアロゾル生成物品を構成するセグメント間の相対的な位置または方向を示すために使用された用語である。
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】
図1は、エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された一例を示す図面である。
【0022】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、及びヒータ13を含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、エアロゾル生成物品2が挿入される。
【0023】
図1に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0024】
図1には、バッテリ11、制御部12、及びヒータ13が一列に配置されているように図示されているが、それに限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、及びヒータ13の配置は変更される。
【0025】
エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱する。エアロゾル生成物品2内のエアロゾル生成物質は加熱されたヒータ13によって温度が上昇して、これによってエアロゾルが生成される。
【0026】
必要によって、エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にもエアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0027】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給する。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給する。
【0028】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11及びヒータ13だけでなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0029】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせによって具現される。また、他の形態のハードウェアによって具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0030】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、エアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、エアロゾル生成物品の内部に位置する。したがって、加熱されたヒータ13は、エアロゾル生成物品内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0031】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、前記例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に予め設定されていても、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0032】
一方、他の例において、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、エアロゾル生成物品を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0033】
図1には、ヒータ13がエアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置されているように図示されているが、それに限定されない。例えば、ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または、外部を加熱する。
【0034】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置されても、エアロゾル生成物品2の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品2の外部に配置される。また、ヒータ13の形状は、図1に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0035】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、及びヒータ13以外に汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、エアロゾル生成物品挿入感知センサーなど)を含んでもよい。
【0036】
また、エアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成物品2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造にも作製される。
【0037】
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されてもよい。
【0038】
エアロゾル生成物品2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分21とフィルタなどを含む第2部分22に区分される。または、エアロゾル生成物品2の第2部分22にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒状またはカプセル状のエアロゾル生成物質が第2部分22に挿入されてもよい。
【0039】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分21全体が挿入され、第2部分22は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分21の一部のみ挿入されても、第1部分21及び第2部分22の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分22を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分21を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分22を通過してユーザの口に伝達される。
【0040】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してエアロゾル生成物品2の内部に流入されてもよい。
【0041】
以下、図2及び図3を参照して、エアロゾル生成物品の一例について説明する。
【0042】
図2及び図3は、エアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
【0043】
図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成物品3は、媒質部31、第1中空チューブ32、冷却部33、及びフィルタ部34を含む。図1を参照して上述した第1部分21は、媒質部31を含み、第2部分22は、第1中空チューブ32、冷却部33、及びフィルタ部34を含む。
【0044】
媒質部31は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、媒質部31は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、媒質部31には、メンソールまたは補習剤などの加香液が、媒質部31に噴射されることで添加することができる。
【0045】
媒質部31は、多様にも作製される。例えば、媒質部31は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、媒質部31は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0046】
また、媒質部31は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、媒質部31を取り囲む熱伝導物質は、媒質部31に伝達される熱を均一に分散させ、媒質部に加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、媒質部31を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に図示されていないが、媒質部31は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、さらなるサセプタをさらに含んでもよい。
【0047】
第1中空チューブ32は、酢酸セルロースフィルタでもある。第1中空チューブ32は、内部に第1中空371を含むチューブ状の構造物でもある。言い換えれば、第1中空チューブ32は、直径D1を有する第1中空371を含み、第1中空371は、エアロゾルが通過するチャネルの役割を行う。第1中空チューブ32の長さは、4mmないし30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、それに限定されない。望ましくは、第1中空チューブ32の長さは、10mmにもなるが、それに限定されない。第1中空371の直径D1は、2mmないし4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、それに限定されない。望ましくは、第1中空チューブ32の直径D1は、3.4mmにもなるが、それに限定されない。
【0048】
冷却部33は、ヒータ13が媒質部31を加熱することで生成されたエアロゾルを冷却させる。冷却部33は、冷却要素331と第2中空チューブ332を含む。
【0049】
冷却部33の長さまたは直径は、エアロゾル生成物品300の形態によって多様に決定される。例えば、冷却部33の長さは、7mmないし20mmの範囲内で適切に採用される。望ましくは、冷却部33の長さは、約14mmにもなるが、それに限定されない。
【0050】
冷却要素331は、相変異作用によってエアロゾルを冷却させることができる。例えば、冷却要素331を形成する材料は、熱エネルギーの吸収を要する溶融またはガラス遷移のような相変異作用を起こす。エアロゾルが冷却要素331に進入する温度で吸熱反応が起こることにより、冷却要素331を通過するエアロゾルの温度が低くなる。
【0051】
冷却要素331の長さは、4mmないし10mmの範囲内で適切に採用される。望ましくは、冷却要素331の長さは、約7mmにもなるが、それに限定されない。
【0052】
一例として、冷却要素331は、高分子物質または生分解性高分子物質のみによって作製される。ここで、高分子物質は、ゼラチン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)及びそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。また、生分解性高分子物質としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、酢酸セルロース、ポリε-カプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHAs)及び澱粉系熱可塑性樹脂が含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
具体的に、冷却要素331は、純粋なポリ乳酸のみによっても作製される。例えば、冷却要素331は、純粋なポリ乳酸によって作製された繊維ストランド(以下、「繊維ストランド」と称する)を1本以上用いて作製された3次元構造物形状でもある。ここで、繊維ストランドの太さ、長さ、冷却要素331を構成する繊維ストランドの本数、繊維ストランドの形状は、多様でもある。冷却要素331が純粋なポリ乳酸によって作製されることにより、エアロゾルが冷却要素331を通過する過程での特定物質の発生が防止される。
【0054】
第2中空チューブ332は、酢酸セルロースフィルタでもある。第2中空チューブ332は、内部に第2中空372を含むチューブ状の構造物でもある。言い換えれば、第2中空チューブ332は、直径D2を有する第2中空372を含み、第2中空372は、エアロゾルが通過するチャネルの役割を行う。
【0055】
第2中空チューブ332の長さは、4mmないし10mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、それに限定されない。望ましくは、第2中空チューブ332の長さは、約7mmにもなるが、それに限定されない。例えば、第2中空チューブ332の長さは、第1中空チューブ331よりも短いものが採用されるが、それに限定されない。他の例として、第2中空チューブ332の長さは、冷却要素331の長さよりも短いか、同一であるが、それに限定されない。
【0056】
第2中空372の直径D2は、3mmないし5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、それに限定されない。望ましくは、第2中空チューブ332の直径D2は、4mmにもなるが、それに限定されない。さらに望ましくは、第2中空チューブ332の直径D2は、第1中空チューブ331の直径D1よりも大きいか、同一であるが、それに限定されない。すなわち、第1中空チューブ331の直径D1に対する第2中空チューブ332の直径D2の比率は、1.0以上でもあるが、それに限定されない。
【0057】
フィルタ部34は、喫煙時にユーザの口と接触する後端末端部に配置される。フィルタ部34の長さは、4mmないし20mmの範囲内で適切に採用される。例えば、フィルタ部34の長さは、約12mmにもなるが、それに限定されない。
【0058】
フィルタ部34を作製する過程で、フィルタ部34に加香液を噴射することで、香味が発生するようにも作製される。または、加香液が塗布された別途の繊維をフィルタ部34の内部に挿入してもよい。媒質部31で生成されたエアロゾルは、冷却部33を通過することにより、冷却され、冷却されたエアロゾルがフィルタ部34を介してユーザに伝達される。したがって、フィルタ部34に加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進される効果が発生する。
【0059】
また、フィルタ部34には、少なくとも1つのカプセル35が含まれる。ここで、カプセル35は、香料を含む内用液を被膜で覆い包む構造でもある。例えば、カプセル35は、球状または円筒状を有してもよい。
【0060】
エアロゾル生成物品3は、少なくとも1枚のラッパ36によって包装される。ラッパ36には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、エアロゾル生成物品3は、1枚のラッパ36によって包装される。他の例として、エアロゾル生成物品3は、2以上のラッパ36によって重畳的に包装されてもよい。
【0061】
例えば、第1ラッパ361によって媒質部31が包装され、第2ラッパ362によって第1中空チューブ32が包装され、第3ラッパ363によって冷却要素331が包装され、第4ラッパ364によって第2中空チューブ332が包装され、第6ラッパ366によってフィルタ部34が包装される。個別ラッパによって包装された冷却要素331及び第2中空チューブ332が第5ラッパ365によって再包装される。個別ラッパによって包装された冷却要素331及び第2中空チューブ332が第5ラッパ365によって必ずしも再包装されるものではなく、第5ラッパ365によって再包装されない場合もある。そして、媒質部31、第1中空チューブ32、冷却要素331、第2中空チューブ332、及びフィルタ部34が結合され、第7ラッパ367によってエアロゾル生成物品3全体が再包装される。
【0062】
他の例として、第1ラッパ361によって媒質部31が包装され、第2ラッパ362によって第1中空チューブ32が包装され、第3ラッパ363によって冷却要素331が包装され、第6ラッパ366によってフィルタ部34が包装される。個別ラッパによって包装された冷却要素331と個別ラッパによって包装されていない第2中空チューブ332が第5ラッパ365によって包装される。冷却要素331及び第2中空チューブ332が第5ラッパ365によって必ずしも包装されるものではなく、第5ラッパ365によって包装されない場合もある。そして、媒質部31、第1中空チューブ32、冷却要素331、第2中空チューブ332、及びフィルタ部34が結合され、第7ラッパ367によってエアロゾル生成物品3全体が再包装される。
【0063】
このようにエアロゾル生成物品3の冷却部33は、冷却要素331と第2中空チューブ332とを含む。すなわち、冷却部33の全長は、冷却要素331の距離と第2中空チューブ332との和と同一である。一般的に冷却要素331の製造コストは、第2中空チューブ332の製造コストよりも高いので、冷却部33の全長で冷却要素331が占める長さが長くなるほど、エアロゾル生成物品3の製造コストが上昇する。エアロゾル生成物品3のコストを節減するために短い冷却要素331を使用することができるが、過度に短い冷却要素331を使用すれば、冷却部33のエアロゾル冷却機能が低下するので、適切な長さの冷却要素331が使用されねばならない。
【0064】
また、媒質部31で生成されたエアロゾルは、冷却部33で冷却されつつ粒子サイズが大きくなる。第2中空372の直径D2が小さくなるほど、粒子サイズが大きくなったエアロゾルと第2中空チューブ332との衝突確率が高くなる。エアロゾルが第2中空チューブ332と衝突しつつ、一部成分が第2中空チューブ332に吸収されて、媒質部31で生成されたエアロゾルがユーザに十分に伝達されないので、適切な直径の第2中空372を有する第2中空チューブ332が使用されねばならない。
【0065】
表1は、一実験例によって、エアロゾル生成物品3から排出されたエアロゾルの成分及び温度を比較した表である。一実験例において使用された冷却部33の全長は、14mmであり、第1中空チューブ32の内径D1は、3.4mmである。冷却部33を冷却要素331のみで構成した場合と、冷却部33を長さ7mmの冷却要素331及び長さ7mm、内径D24mmの第2中空チューブ332で構成した場合に対して実験が行われた。
【0066】
【表1】
【0067】
表1によれば、冷却部33の全長14mmにおいて冷却要素331の長さが14mmである場合と7mmである場合とを比較したとき、両方の場合で排出されたエアロゾルの成分及び温度は、類似した値を有する。すなわち、冷却部33の全長14mmにおいて、冷却要素331の長さを7mmと、第2中空チューブ332の長さを7mmとして構成しても所望の冷却効果が得られることを確認することができる。また、第2中空チューブ332の内径D2が第1中空チューブ331の内径D1よりも大径を有しても、ユーザにエアロゾル成分を十分に伝達可能であることが分かる。
【0068】
表2は、一実験例によって、エアロゾル生成物品3から排出されたエアロゾルの成分を比較した表である。一実験例において使用された冷却部33の全長は、14mmであり、第1中空チューブ32の内径D1は、3.4mmである。冷却部33を冷却要素331のみで構成した場合と、冷却部33を長さ7mmの冷却要素331及び長さ7mm、内径D2 3.4mmの第2中空チューブ332で構成した場合に対して実験が行われた。
【0069】
【表2】
【0070】
表2によれば、冷却部33が冷却要素331のみで構成された場合と、7mmの冷却要素331及び長さ7mm、内径D2 3.4mmの第2中空チューブ332で構成された場合とを比較したとき、両方の場合で排出されたエアロゾルの成分は、類似した値を有する。すなわち、第2中空チューブ332の内径D2が第1中空チューブ331の内径D1と同径を有しても、ユーザにエアロゾル成分を十分に伝達可能であることが分かる。表1及び表2によって、冷却部33が冷却要素331のみを含まず、冷却要素331と第2中空チューブ332とを含んでも、冷却効果が保持されることが分かる。また、第2中空チューブ332の内径D2が第1中空チューブ32の内径D1より大径であるか、同径であっても、ユーザにエアロゾル成分を十分に伝達可能であることが分かる。
【0071】
したがって、冷却部33が冷却要素331及び第2中空チューブ332を含むように構成して、エアロゾル生成物品3のエアロゾル成分伝達機能及び冷却機能は保持しつつ、製造コストを低減することができる。
【0072】
図4は、エアロゾル生成物品の他の例を示す図面である。
【0073】
図4を参照すれば、エアロゾル生成物品4は、媒質部41、第1中空チューブ42、冷却部43、及びフィルタ部44を含む。
【0074】
図2及び図3に図示されたエアロゾル生成物品3と比較すれば、図4に図示されたエアロゾル生成物品4は、冷却要素431及び第2中空チューブ432の配置された順序が反対である。それ以外の構成は、図2及び図3に図示されたエアロゾル生成物品3と同一である。
【0075】
表3は、一実験例によって、エアロゾル生成物品4から排出されたエアロゾルの成分及び温度を比較した表である。一実験例において使用された冷却部43の全長は、14mmであり、第1中空チューブ42の内径D3は、3.4mmである。冷却部を冷却要素のみで構成した場合、冷却部33を図3に図示された配置によって長さ7mmの冷却要素331及び長さ7mm、内径D2 4mmの第2中空チューブ332で構成した場合、冷却部43を、図4に図示された配置によって、長さ7mmの冷却要素431及び長さ7mm、内径D4 4mmの第2中空チューブ432で構成した場合について実験が行われた。
【0076】
【表3】
【0077】
表3に基づいて、図3に図示されたように、冷却要素331を上流側に配置し、第2中空チューブ332を下流側に配置した場合(以下、第1場合)と、図4に図示されたように、冷却要素431を下流側に配置し、第2中空チューブ432を上流側に配置した場合(以下、第2場合)との実験結果を比較する。第2場合で排出されたニコチンの量は、0.80mgであり、第1場合で排出されたニコチンの量である0.98mgと比較するとき、ユーザに伝達されるニコチンの量が約18%減少した。また、第2場合で排出されたエアロゾルの最高温度及び平均温度は、85.0℃及び65.9℃であって、第1場合で排出されたエアロゾルの最高温度81.4℃及び平均温度65.0℃よりいずれも高かった。
【0078】
したがって、図4に図示されたように、冷却要素431を下流側に配置し、第2中空チューブ432を上流側に配置した場合と比較して、図3に図示されたように、冷却要素331を上流側に配置し、第2中空チューブ332を下流側に配置した場合、ユーザにさらに優れた喫煙品質を提供可能であることが分かる。
【0079】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲内で変形された形態に具現可能であることを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4