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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088693
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】機能性部材の固定装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20220608BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20220608BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A61N1/36
A61F7/00
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019077964
(22)【出願日】2019-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】519374830
【氏名又は名称】株式会社オービットヘルスケア
(72)【発明者】
【氏名】平井 崇久
【テーマコード(参考)】
4C053
4C099
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB23
4C053BB36
4C053JJ24
4C053JJ27
4C053JJ33
4C099CA09
4C099NA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、両脚における大腿又は下腿の同面を同時に適度な圧力で目的の作用部位の範囲に機能性部材を当接させることが可能となる固定装置を提供する。
【解決手段】皮膚接触部位に与えられる電気的な刺激、保温、加温、過熱、保冷又は冷却のいずれか一つ以上の用途に使用される大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置であって、当該固定装置は長尺の柔軟性のある板状の本体部を有し、当該板状の本体部の長尺方向における中央部分に短尺方向に配置される中央重り部材と、前記板状の本体部における長尺方向の両端に配置される端部重り部材と、前記中央重り部材と端部重り部材」との間2か所に又は端部重り部材との間に単数又は複数連接して配置されている機能性部材を有し、前記重り部材の存在下に利用者の作用部位である大腿又は下腿を前記機能性部材で被覆することで作用部分の固定と前記作用を担保し、前記用途での使用を可能にする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚接触部位に与えられる電気的な刺激、保温、加温、過熱、保冷又は冷却のいずれか一つ以上の用途に使用される大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置であって、当該固定装置は長尺の柔軟性のある板状の本体部を有し、当該板状の本体部の長尺方向における中央部分に短尺方向に配置される中央重り部材と、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材と、前記中央重り部材と端部重り部材との間2か所に又は端部重り部材との間に連接して、単数又は複数配置されている機能性部材を有し、前記重り部材の存在下に利用者の作用部位である大腿又は下腿を前記機能性部材で被覆することで作用部分の固定と前記作用を担保し、前記用途での使用を可能にする機能性部材の固定装置。
【請求項2】
前記中央重り部材又は端部重り部材が、機能性部材に電流を供給するための電池、二次電池又はACアダプタ用のソケットを有することを特徴とする請求項1に記載された機能性部材の固定装置。
【請求項3】
前記機能性部材が、単数又は複数の電極を有し、電池又は二次電池から供給された電流を大腿又は下腿を解して通電可能なように構成したことを特徴とする請求項2に記載された機能性部材の固定装置。
【請求項4】
前記機能性部材が、電気、磁気、遠赤外線、温湿布、化学発熱体又は蓄熱材のうちいずれか一つ以上を内蔵し、接触させる大腿又は下腿を暖め又は消炎・鎮痛機能、筋委縮改善機能を有することを特徴とする請求項1に記載された大腿又は下腿を被覆するために好適な機能性部材の固定装置。
【請求項5】
前記機能性部材が、氷、冷水又は保冷剤、冷湿布のうちいずれか一以上からなる冷却効果又は消炎・鎮痛効果を有する部材を内蔵し、接触させる大腿又は下腿を保冷又は冷却、消炎・鎮痛機能を有することを特徴とする請求項1に記載された機能性部材の固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包帯を巻く際の様な第三者の助力や技能を使用せずに、両脚における大腿又は下腿等、広範囲を同時に温め、冷却し、電流等を印加することが可能な機能性部材を適度な圧力で保持することができる固定装置に関する。特に第三者の助力や技能を使用することなく、間歇的に機能性部材を被作用部位に保持することが可能となる固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、治療又はケアを目的として、患部等の被作用部位を温めたり、冷却したり、マッサージ等の他動運動などによるケアが行われている。血流改善の為に温めや保温、急性期炎症に対して被作用部位を冷やす等の治療又はケアが一般的に行われている。また、被作用部位に疼痛がある場合は、マッサージや電気刺激によって症状緩和が行われている。例えば、低周波治療器に関する技術としては、特許文献1~3が知られている。
【0003】
通常、これらの治療又はケア行為は、湿布や加温剤、冷却剤等が作用部位に密着する面に粘着性のある素材を用いることで作用部位に貼付したり、湿布や加温剤、冷却剤等を被作用部位に置いた上から、面ファスナー付の巻き付け素材やサポーター、包帯等帯状の布で等で巻き付けて固定する方法で行われている。またマッサージについては、人力による他動的施術や低周波治療器等を使用して行われている。
しかし、間歇的に粘着性を有するシートを使用した場合、必然的に新しい同シートを貼り替える手間とコストが生じている。例えば、低周波治療器では、電極の皮膚への接触面としてゲル素材のシート(ゲルシート)が採用されることが多いが、利用者が同一の場合、粘着性の低下のためゲルシートの張替えが必要であり、利用者が多数であれば交換頻度も増加し、同時に手間とコストが増加する。
また、固定法については、面ファスナー付の巻き付け素材やサポーター、包帯で巻き付けて固定する方法が採用されるが、固定方法に手間がかかるという問題は残ったままである。また、被作用部位や対象者の状況によっては間歇的な固定に第三者の助力や技術が必要になるケースもある。サポーターで固定する技術としては、例えば、特許文献4,5等が知られている。
さらにマッサージや電気刺激による症状緩和する治療又はケアについては、有資格者の施術が必要であり、時間的又は場所的な制約が問題点として挙げられる。
【0004】
本発明者は、医療現場や家庭での患部等の被作用部位を温めたり、冷却したり、マッサージ等の他動運動的ケアの現状と問題点を抽出し、上記の問題点を解決する片側大腿の前面~側面の一部又は背面~側面の一部、下腿の背面~側面の一部を被覆するために好適な固定装置を創作した。
本発明者は、まずは坐位で両脚が動かない前提のもと、片側の大腿前面の被作用部位の上に粘着性素材が使われていない携帯用使い捨てカイロ(機能性部材)を1つ置いて、その上を帯状の布を巻き付けて被覆する方法を試みた。かかる方法によって、粘着性の素材を使用することもなく、従来の固定法の手間もなく、設置(固定)方法が簡便なため第三者の技術は不要であり、従来よりも少ない助力で簡単に使用することができ、更にマッサージや電気刺激による症状緩和する治療又はケアの時間的又は場所的な制約を改善することができる。さらに、坐位で両脚が動かない前提のもと、作用部位を片側大腿背面に接する形で大腿の下に敷く(本装置の作用部位の上に座る)ことで、利用者自身の体重付与による十分な固定強度のもと作用効果を発揮できることが分かった。
しかし上記方法では、1度に効果発現できる作用部位が1つの本装置で片側大腿の前面又は背面、下腿の背面の1箇所のみであり、作業効率の点が課題として挙げられた。両脚の大腿又は下腿の同面(前面又は背面)を1つの装置で同時に作用させることを構造上の変更で実現し、利便性高めるため重りを使用することとした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-026138号公報
【特許文献2】特開2010-131316号公報
【特許文献3】特開2017-192545号公報
【特許文献4】特開2017-086273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、粘着性の素材や面ファスナー付の巻き付け素材やサポーター、包帯を使用せずに、特殊な技能を必要とせず、機能シート等を張り替える手間とコストをおさえ、間歇的に機能性部材を固定する装置を提供することを目的とする。
また本発明は、両脚における大腿又は下腿の同面(前面又は背面)を同時に適度な圧力で目的の作用部位の範囲に機能性部材を当接させることが可能となる固定装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、被作用部位や対象者の状況に則して間歇的に使用することが可能となり、非粘着性の機能性素材を利用可能であり、その都度新しい粘着性を有する機能性部材に交換することなく、第三者の助力や技能を使用せずに、手軽に何度でも使用可能となる固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を達成するために以下の構成を採用した。
(1)皮膚接触部位に与えられる電気的な刺激、保温、加温、過熱、保冷又は冷却のいずれか一つ以上の用途に使用される大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置であって、当該固定装置は長尺の柔軟性のある板状の本体部を有し、当該板状の本体部の長尺方向における中央部分に短尺方向に配置される「中央重り部材」と、前記板状の本体部における長尺方向の両端に配置される「端部重り部材」と、前記「中央重り部材」と「端部重り部材」との間2か所に又は「端部重り部材」との間に単数又は複数連接して配置されている機能性部材を有し、前記重り部材の存在下に利用者の作用部位である大腿又は下腿を前記機能性部材で被覆することで作用部分の固定と前記作用を担保し、前記用途での使用を可能にする固定装置である。
【0008】
ここで、長尺の板状の本体部は、例えば、織物、編み物、レース、フェルト、不織布、等の繊維によって形成される。その他、柔軟性のある材料であれば他の材料を使用しても良い。例えば、ゴム等の天然樹脂や高分子化合物からなる合成樹脂であっても良い。電流を印加する用途に使用される場合は、絶縁材料で形成するのが好ましい。ただし、電流を印加する用途に使用される場合であっても、本体部と機能性部材との間に絶縁体が配置されている場合は、導電材料や半導体材料を使用することも可能である。
また機能性部材とは、電流、電気的な刺激、保温、加温、加熱、保冷又は冷却のいずれか一以上の用途を達成される機能を有する部材のことである。例えば、低周波治療器の如く、単数又は複数の電極を配置することによって、電池又は二次電池から電流を供給し、大腿又は下腿を解して通電可能なように構成したものである。又は振動部材に電流を供給し、マッサージ効果を発揮するように構成しても良い。その他、磁気、遠赤外線、温湿布、化学発熱体、蓄熱材、氷、冷水、保冷剤、冷湿布、ケイ酸塩鉱物又はラジウム鉱石等でも良い。
また本発明に使用される中央重り部材や端部重り部材は、本体部に直接当接していても良いが、紐状のものに重りを垂下して配置したものも含まれる。
また機能性部材の配置については、中央重り部材と端部重り部材との間に1体ずつ配置しても良いし、上下又は左右に2体ずつ配置しても良いし、3体以上を細かく配置しても良い。また中央重り部材と端部重り部材は本体部上に外付けで配置しても良いし、内蔵しても良い。中央重り部材等が外付け又は内蔵の如何に拘わらず、固体装置の本体部表面は平滑でも良く、重り部材等の形状によっては、本体部表面の中央部の両面又は片面や端部の両面又は片面が突出する形状となる場合もある。
また本発明で使用する中央重り部材及び端部重り部材は、他の重り部材以外の本体部の他の箇所より重さのある部材であれば、含まれる重りの数は単数複数を問わず、どのような形状、材料等であっても該当する。例えば、本発明に係る固定装置を大腿上に置く際に、両脚の固定をしっかり行うため、中央重り部材と端部重り部材を併せて4か所に重りを配置する態様や、重りが連なって存在するような構造であっても良い。すなわち4か所に配置する場合には、端部重り部材として両端2か所に、中央重り部材として2か所(両脚の内側にそれぞれ2か所)に重りを配置することができる。中央の2か所は、それぞれ両脚の内側に、分かれて(又は複数の一連のものとして)配置され、両脚の固定を高める機能を有する。
更に本発明に係る固定装置は、大腿又は下腿を被覆するために好適であるが、人体における脚等を包み込む形で使用されるため、大腿又は下腿のみならず大腿又は下腿を被覆するために、実際には大腿の前面~側面の一部又は背面~側面の一部、下腿の背面~側面の一部も被覆されることになる。
【0009】
(2)前記「中央重り部材」又は「端部重り部材」が、機能性部材に電流を供給するための電池、二次電池又はACアダプタ用のソケットを有することを特徴とする上記(1)に記載された大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置である。 本発明に使用される電池としては、マンガン乾電池、フッ化黒鉛リチウム一次電池、二酸化マンガンリチウム電池、塩化チオニルリチウム電池、二硫化鉄リチウム一次電池、アルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀電池等が挙げられる。さらに二次電池としては、ニッケル水素電池、ニッケル・カドミウム電池、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池等が挙げられる。電池及び二次電池の形状は、中央又は両端のいずれかの重り部位に収納できるものであれば、いずれの形状であっても良いが、円筒形、9V形、コイン形、ボタン形、ビン形、ガム形、角形等が上げられる。重り部材は、ソケットを有していても良い。ソケットを有することによって、外部のコンセントに接続されたACアダプタよりケーブルを介して直流電力を電池や二次電池に供給することが可能となる。
【0010】
又は電気、磁気、遠赤外線、化学発熱体又は蓄熱材のうちいずれか一以上を内蔵し、大腿又は下腿を暖めるものが挙げられる。例えば、磁気として使用される磁性体の特性としては、高周波磁場の照射によって発熱量が増大することが知られている。また、遠赤外線は放射による熱エネルギーを使用した加熱が可能である。例えば、セラミックを加温し電磁波を放射することが知られており、このような作用を利用することによって、機能部分を発熱させることが可能である。不織布等に空気中で酸化発熱する鉄粉、食塩、高分子吸水材、活性炭等を入れたもの、酢酸水溶液等の溶液と金属片を封入したビニールパック、電池式・充電式カイロ、電子レンジカイロ、白金触媒式カイロ等が挙げられる。
【0011】
(3)前記機能性部材が、単数又は複数の電極を有し、電池又は二次電池から供給された電流を大腿又は下腿を解して通電可能なように構成したことを特徴とする上記(2)に記載された大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置である。
(4)前記機能性部材が、電気、磁気、遠赤外線、温湿布、化学発熱体又は蓄熱材のうちいずれか一つ以上を内蔵し、接触させる大腿又は下腿を暖め又は消炎・鎮痛機能、筋委縮改善機能を有することを特徴とする上記(1)に記載された大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置である。
本発明に係る機能性部材により、大腿及び下腿に電流又は電気的な刺激を与えることによって、被作用部位における鎮痛作用や、筋委縮改善(筋肥大)や、血流改善といった効果を達成することができる。
【0012】
(5)前記機能性部材が、氷、冷水又は保冷剤、冷湿布のうちいずれか一以上からなる冷却効果又は消炎・鎮痛効果を有する部材を内蔵し、接触させる大腿又は下腿を保冷又は冷却、消炎・鎮痛機能を有することを特徴とする上記(1)に記載された大腿又は下腿を被覆するために好適な固定装置である。
本発明において、患部の熱冷まし等の用途に使用する際には、保冷剤を機能部分に内蔵しても良い。例えば、氷や冷水、水と高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロース・ナトリウム等)、防腐剤及び形状安定剤等を含有したもの等が挙げられる。
【0013】
本発明に係る機能性部材により、被作用部位における保冷又は冷却が可能となり、鎮痛や、損傷部位の応急処置、すなわち冷却によって血流と組織での酸素消費を抑え、ダメージを受けた組織の二次的な低酸素症を抑制させることが可能となり、また抗炎症作用や、筋肉の緊張を和らげるリラクゼーション効果を達成することができる。
また、機能性部材により被作用部位を加熱することによって、鎮痛や、血管拡張、血液循環の改善により筋疲労の回復促進や、加温による下肢の冷えの軽快・改善といった効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る機能性部材の固定装置は、粘着性の素材や面ファスナー付の巻き付け素材やサポーター、包帯を使用せずに、特殊な技能を必要とせず、機能シート等を張り替える手間とコストをおさえ、間歇的に機能性部材を固定する装置を提供する効果を奏する。
また本発明に係る機能性部材の固定装置は、両脚における大腿又は下腿の同面(前面又は背面)を同時に適度な圧力で目的の作用部位の範囲に機能性部材を当接させることが可能となる固定装置を提供する効果を奏する。
さらに本発明に係る機能性部材の固定装置は、被作用部位や対象者の状況に則して間歇的に使用することが可能となり、その都度新しい粘着性を有する機能性部材に交換することなく、第三者の助力や技能を使用せずに、手軽に何度でも使用可能となる固定装置を提供する優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態1を示す斜視図である。
図2図1に示した実施形態1に係る機能性部材の固定装置の使用方法の一例を示す部分的な斜視図である。
図3】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態2を示す斜視図である。
図4図3に示した実施形態2に係る機能性部材の固定装置の作用効果を説明するための概念図である。
図5】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態3を示す斜視図である。
図6図5に示した実施形態3に係る機能性部材の固定装置の使用方法の一例を示す部分的な斜視図である。
図7】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態4を示す斜視図である。
図8】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態5を示す斜視図である。
図9】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態6を示す斜視図である。
図10図9に示した実施形態6に係る機能性部材の固定装置の作用効果を説明するための概念図である。
図11】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態7を示す斜視図である。
図12】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態8を示す斜視図である。
図13】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態9を示す斜視図である。
図14】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態10を示す斜視図である。
図15】本発明の機能性部材の固定装置に係る実施形態11を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る機能性部材の固定装置に係る実施形態について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1
図1に示す如く、実施形態1に係る機能性部材の固定装置10は、長尺の柔軟性のある板状の本体部1を有し、当該板状の本体部1の長尺方向における中央部分に短尺方向に配置される中央重り部材2と、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材3,4が設けられている。 更に実施形態1に係る機能性部材の固定装置10は、前記中央重り部材2と端部重り部材3との間に機能性部材7が配置されている。また前記中央重り部材2と端部重り部材4との間には機能性部材8が配置されている。 本実施形態1における板状の本体部1は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態1における機能性部材7,8は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。
本実施形態1における中央重り部材2には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、機能性部材7,8に電流を供給することができる。
【0017】
図2は、実施形態1に係る機能性部材の固定装置10の使用方法を示す斜視図である。椅子等に腰かけた対象者Pの両脚における大腿部の上に、図2に示す如く、本実施形態1に係る機能性部材7,8を配置する。すなわち、機能性部材の固定装置10を、機能性部材7,8が被作用部位である大腿部における皮膚接触部位に当接するように、裏返して配置する。この際、両脚における大腿部の間に中央重り部材2が沈み込むように降下するとともに、両端に配置されている端部重り部材3,4が大腿部の外側に沈み込むように効果する。このため、大腿部の皮膚接触部位には、機能性部材7,8が適切な圧力によって当接することとなる。このような状態で、機能性部材7,8に電流を供給することによって、電気刺激を皮膚接触部位に印加することによって、症状の緩和や治療又はケアを行うことができる。
【0018】
本実施形態1に係る機能性部材の固定装置10を使用することによって、現在使用されている固定方法における手間が大幅に省略される。すなわち、現在は機能性部材を巻き付け素材、サポーター、包帯等で大腿部に巻き付けて固定する必要がある。そのため、治療等を行う際には、その都度、第三者の助力や技能が必要になる場合が多かった。また、現在の固定装置では、一脚の大腿部に一体の固定装置が必要であった。そのため、両脚の症状を緩和等するためには、一脚の大腿部に一体ずつの固定装置を取り付ける必要があるため、固定装置が二体必要になり、コスト的な問題や、手間もかかっていた。両脚をまとめて一体の固定装置で巻き付けることも考えられるが、安全性等の問題から、現実的な使用は困難であると推察される。
したがって、本実施形態1に係る機能性部材の固定装置10を使用することによって、第三者の助力や技能を使用することなく、誰でも気軽に機能性部材を所望の皮膚接触部位に固定することができるという有利な効果が発生することになる。
【0019】
実施形態2
図3に示す如く、実施形態2に係る機能性部材の固定装置20は、長尺の柔軟性のある板状の本体部11を有し、当該板状の本体部11の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部11に内蔵されるように中央重り部材12と、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材13,14が内蔵されている。
更に実施形態2に係る機能性部材の固定装置20は、前記中央重り部材12と端部重り部材13との内部に機能性部材17が内蔵されている。本体部には、機能性部材17を脱着するための図示しない取り出し口が形成されていることが好ましい。取り出し口には、面ファスナーやその他の取り付け方法を使用しても良い。また前記中央重り部材12と端部重り部材14との内部には、同様に機能性部材18が内蔵されている。
本実施形態2における板状の本体部11は、柔軟性のある高分子化合物からなる合成樹脂によって形成されている。また本実施形態2における機能性部材17,18は、冷却効果を有する冷湿布である。このような機能性部材17,18の作用効果によって、対象者の被作用部位を冷却することができる。
【0020】
図4は、実施形態2に係る機能性部材の固定装置20の作用効果を説明するための概念図である。椅子等に腰かけた対象者の両脚における大腿部の上に、図4に示す如く、本実施形態2に係る機能性部材の固定装置20を配置する。
図4に示す如く、本実施形態に係る機能性部材の固定装置20は、機能性部材17,18が対象者の被作用部位である大腿部における皮膚接触部位に当接するように、裏返して配置される。
本実施形態2に係る機能性部材の固定装置20を使用することによって、ゲルシート等の粘着を有するシート等を使う必要はなくなる。そのため従来は、間歇的に何度も使用する場合に、使い捨てのシートを貼り替える必要があったが、本実施形態2に係る機能性部材の固定装置20を使用することによって、使用済の機能性部材17,18を取り換えることによって、簡易に冷却効果を保持することが可能となる。
【0021】
また、機能性部材の固定装置20は、図4(1)に示す如く、両端の間隔を狭くした状態(L1)では、両脚における大腿部の間に中央重り部材12が沈み込むように降下するとともに、両端に配置されている端部重り部材13,14が大腿部の外側に沈み込むように効果する。このため、大腿部の皮膚接触部位には、機能性部材17,18が適切な圧力によって当接することとなる。このような状態で、機能性部材17,18を被作用部位に接触させることによって、症状の緩和や治療又はケアを行うことができる。
また両脚の間隔を広くとった状態(L2)では、両脚における大腿部の間に中央重り部材12が図4(b)に示す如く上昇することになる。このような作用によって、本実施形態2に係る機能性部材の固定装置20を使用することによって、現在使用されている固定方法における手間が大幅に省略される。すなわち、現在は機能性部材を巻き付け素材、サポーター、包帯等で大腿部に巻き付けて固定する必要がある。そのため、治療等を行う際には、その都度、第三者の助力や技能が必要になる場合が多かった。また、現在の固定装置では、一脚の大腿部に一体の固定装置が必要であった。そのため、両脚の症状を緩和等するためには、一脚の大腿部に一体ずつの固定装置を取り付ける必要があるため、固定装置が二体必要になり、コスト的な問題や、手間もかかっていた。両脚をまとめて一体の固定装置で巻き付けることも考えられるが、安全性等の問題から、現実的な使用は困難であると推察される。
したがって、本実施形態2に係る機能性部材の固定装置20を使用することによって、第三者の助力や技能を使用することなく、誰でも気軽に機能性部材を所望の皮膚接触部位に固定することができるという有利な効果が発生することになる。
【0022】
実施形態3
図5に示す如く、実施形態3に係る機能性部材の固定装置30は、長尺の柔軟性のある板状の本体部21を有し、当該板状の本体部21の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部21に内蔵されるように中央重り部材22と、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材23,24が内蔵されている。実施形態2と実施形態3に係る機能性部材の固定装置20,30の相違点は、中央重り部材と端部重り部材の内蔵されている部分の形状が、外形上膨出しているのが実施形態2に係る機能性部材の固定装置20であり、実施形態3に係る機能性部材の固定装置30の当該部分は平面形状である点である。
更に実施形態3に係る機能性部材の固定装置30は、前記中央重り部材22と端部重り部材23との内部に機能性部材27が内蔵されている。本体部には、機能性部材27を脱着するための図示しない取り出し口が形成されていることが好ましい。また前記中央重り部材22と端部重り部材24との内部には、同様に機能性部材28が内蔵されている。
本実施形態3における板状の本体部21は、織物繊維によって形成されている。また本実施形態3における機能性部材27,28は、不織布等に空気中で酸化発熱する鉄粉を含有する化学発熱体である。このような機能性部材27,28の作用効果によって、対象者の被作用部位を温めることができる。
【0023】
図6は、実施形態3に係る機能性部材の固定装置30の使用方法を示す斜視図である。椅子等に腰かけた対象者Pの両脚における大腿部の下に、図6に示す如く、本実施形態3に係る機能性部材27,28を敷くように配置する。すなわち、機能性部材の固定装置30を、機能性部材27,28が被作用部位である大腿部の裏側における皮膚接触部位に当接するように、裏返して敷設する。この際、中央重り部材22は、両脚の間に配置され、両端に配置されている端部重り部材23,24は大腿部の外側に配置されることになる。このため、対象者Pの自重により皮膚接触部位には、機能性部材27,28が適切な圧力によって当接することとなる。
【0024】
本実施形態3に係る機能性部材の固定装置30を使用することによって、現在使用されている固定方法における手間が大幅に省略される。すなわち、現在は機能性部材を巻き付け素材、サポーター、包帯等で大腿部に巻き付けて固定する必要がある。そのため、治療等を行う際には、その都度、第三者の助力や技能が必要になる場合が多かった。また、現在の固定装置では、一脚の大腿部に一体の固定装置が必要であった。そのため、両脚の症状を緩和等するためには、一脚の大腿部に一体ずつの固定装置を取り付ける必要があるため、固定装置が二体必要になり、コスト的な問題や、手間もかかっていた。両脚をまとめて一体の固定装置で巻き付けることも考えられるが、安全性等の問題から、現実的な使用は困難であると推察される。また本実施形態3に係る機能性部材の固定装置30は、対象者の選択によって、大腿部の上面にも裏面にも任意に配置でき、その場合に特殊な部材や技能は要しない点に特徴がある。
したがって、本実施形態3に係る機能性部材の固定装置30を使用することによって、第三者の助力や技能を使用することなく、誰でも気軽に機能性部材を所望の皮膚接触部位に固定することができるという有利な効果が発生することになる。
【0025】
実施形態4
図7に示す如く、実施形態4に係る機能性部材の固定装置40は、長尺の柔軟性のある板状の本体部31を有し、当該板状の本体部31の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部31に内蔵されるように中央重り部材32が内蔵されている。また、端部重り部材33,34との間に一体の機能性部材37が連接して内蔵されている。
本実施形態4における板状の本体部31は、柔軟性のある高分子化合物からなる合成樹脂によって形成されている。また本実施形態4における機能性部材37は、冷却効果を有する冷湿布である。このような機能性部材37の作用効果によって、対象者の被作用部位を冷却することができる。
本実施形態4に係る機能性部材の固定装置40を使用することによって、第三者の助力や技能を使用することなく、誰でも気軽に機能性部材を所望の皮膚接触部位に固定することができるという有利な効果が発生することになる。
【0026】
実施形態5
図8に示す如く、実施形態5に係る機能性部材の固定装置50は、長尺の柔軟性のある板状の本体部41を有し、当該板状の本体部41の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部41に内蔵されるように中央重り部材を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態5に係る機能性部材の固定装置50では、図8に示す如く4体の中央重り部材42,45,46,49が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。また、四体又はそれ以上の重りを用いることでこの調整が不要になる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。また、実施形態5に係る機能性部材の固定装置50を使用することによって、重りが三体の場合と比較して、利用者に対して本発明品のサイズが大きい時に、中間の重りが下(床面方向)について重りによる固定力の低下(分散)を防ぐことができる利点がある。
【0027】
また本実施形態5に係る固定装置50では、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材43,44が内蔵されている。
更に実施形態5に係る機能性部材の固定装置50は、前記中央重り部材42,46と端部重り部材43との間の内部に機能性部材47が内蔵されている。本体部41には、機能性部材47を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。また前記中央重り部材45,49と端部重り部材44との間の内部には、同様に機能性部材48が内蔵されている。
本実施形態5における板状の本体部41は、織物繊維によって形成されている。また本実施形態5における機能性部材47,48は、不織布等に空気中で酸化発熱する鉄粉を含有する化学発熱体である。このような機能性部材47,48の作用効果によって、対象者の被作用部位を温めることができる。
本実施形態5に係る機能性部材の固定装置50を使用することによって、第三者の助力や技能を使用することなく、誰でも気軽に機能性部材を所望の皮膚接触部位に固定することができるという有利な効果が発生することになる。
【0028】
実施形態6
図9に示す如く、実施形態6に係る機能性部材の固定装置60は、長尺の柔軟性のある板状の本体部51を有し、当該板状の本体部51の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部51に内蔵されるように二体の中央重り部材52,55と、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材53,54が内蔵されている。
更に実施形態6に係る機能性部材の固定装置60は、前記端部重り部材53,54との間であって内部に機能性部材57が内蔵されている。本体部には、機能性部材57を脱着するための図示しない取り出し口が形成されていることが好ましい。取り出し口には、面ファスナーやその他の取り付け方法を使用しても良い。
本実施形態6における板状の本体部51は、柔軟性のある高分子化合物からなる合成樹脂によって形成されている。また本実施形態6における機能性部材57は、冷却効果を有する冷湿布である。このような機能性部材57の作用効果によって、対象者の被作用部位を冷却することができる。
【0029】
図10は、実施形態6に係る機能性部材の固定装置60の作用効果を説明するための概念図である。椅子等に腰かけた対象者の両脚における大腿部の上に、図10に示す如く、本実施形態6に係る機能性部材の固定装置60を配置する。
図10に示す如く、本実施形態6に係る機能性部材の固定装置60は、機能性部材57が対象者の被作用部位である大腿部における皮膚接触部位に当接するように配置される。
本実施形態6に係る機能性部材の固定装置60を使用することによって、ゲルシート等の粘着を有するシート等を使う必要はなくなる。そのため従来は、間歇的に何度も使用する場合に、使い捨てのシートを貼り替える必要があったが、本実施形態6に係る機能性部材の固定装置60を使用することによって、使用済の機能性部材57を取り換えることによって、簡易に冷却効果を保持することが可能となる。
特に両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。また、二体の中央重り部材52,55を用いることでこの調整が不要になる。また、実施形態6に係る重りが4つある機能性部材の固定装置60を使用することによって、重りが3つの場合と比較して、利用者に対して本発明品のサイズが大きい時に、中間の重りが下(床面方向)について重りによる固定力の低下(分散)を防ぐことができる利点がある。
【0030】
実施形態7
図11に示す如く、実施形態7に係る機能性部材の固定装置70は、長尺の柔軟性のある板状の本体部61を有し、当該板状の本体部61の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部61に内蔵されるように中央重り部材62,65を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態7に係る機能性部材の固定装置70では、図11に示す如く二体の中央重り部材62,65が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。また、実施形態7に係る機能性部材の固定装置70を使用することによって、重りが3つの場合と比較して、利用者に対して本発明品のサイズが大きい時に、中間の重りが下(床面方向)について重りによる固定力の低下(分散)を防ぐことができる利点がある。
【0031】
また本実施形態7に係る固定装置70では、前記板状の本体部における長尺方向における両端に配置される端部重り部材63,64が内蔵されている。
更に実施形態7に係る機能性部材の固定装置70は、前記端部重り部材63、64との間の内部に二体の機能性部材67、68が内蔵されている。本体部61には、機能性部材67を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。
本実施形態7における板状の本体部61は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態7における機能性部材67,68は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。
本実施形態7における中央重り部材62,65には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、機能性部材67,68に電流を供給することができる。
【0032】
実施形態8
図12に示す如く、実施形態8に係る機能性部材の固定装置80は、長尺の柔軟性のある板状の本体部71を有し、当該板状の本体部71の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部71に内蔵されるように中央重り部材72,75を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態8に係る機能性部材の固定装置80では、図12に示す如く二体の中央重り部材72,75が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。
【0033】
また本実施形態8に係る固定装置80では、前記板状の本体部における長尺方向における中央重り部材72と端部重り部材73との間に機能性部材77が内蔵されている。また本体部71には、中央重り部材75と端部重り部材74との間に機能性部材78が内蔵されている。機能性部材77,78を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。
本実施形態8における板状の本体部71は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態8における機能性部材77,78は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。
本実施形態8における端部重り部材73,74には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、機能性部材77,78に電流を供給することができる。
【0034】
実施形態9
図13に示す如く、実施形態9に係る機能性部材の固定装置90は、長尺の柔軟性のある板状の本体部81を有し、当該板状の本体部81の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部81に内蔵されるように中央重り部材82,85を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態9に係る機能性部材の固定装置90では、図13に示す如く二体の中央重り部材82,85が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。
【0035】
また本実施形態9に係る固定装置90では、前記板状の本体部における長尺方向における端部重り部材83,84との間に二体の端部重り部材87,88が内蔵されている。機能性部材87,88を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。
本実施形態9における板状の本体部81は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態9における機能性部材87,88は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。
本実施形態9における端部重り部材83,84には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、二体の機能性部材87,88に電流を供給することができる。
【0036】
実施形態10
図14に示す如く、実施形態10に係る機能性部材の固定装置100は、長尺の柔軟性のある板状の本体部91を有し、当該板状の本体部91の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部91に内蔵されるように中央重り部材92,95を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態10に係る機能性部材の固定装置100では、図14に示す如く二体の中央重り部材92,95が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。
【0037】
また本実施形態10に係る固定装置100では、前記板状の本体部91における長尺方向における中央重り部材92と端部重り部材93との間に二体の機能性部材96,98が内蔵されている。また本体部91には、中央重り部材95と端部重り部材94との間に二体の機能性部材97,98が内蔵されている。機能性部材96,97,98,99を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。
本実施形態10における板状の本体部91は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態10における機能性部材96.97.98.99は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。 本実施形態10における端部重り部材93,94には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、機能性部材96,97,98,99に電流を供給することができる。
【0038】
実施形態11
図15に示す如く、実施形態11に係る機能性部材の固定装置110は、長尺の柔軟性のある板状の本体部101を有し、当該板状の本体部101の長尺方向における中央部分に短尺方向に本体部101に内蔵されるように中央重り部材102,105を図示しない面ファスナーによって配置している。ここで本実施形態11に係る機能性部材の固定装置110では、図15に示す如く二体の中央重り部材102,105が配置されている点に特徴を有する。このような構成を有することにより、両脚の間隔を変えることで、作用部位の被作用部位への設置面積と、固定圧力を調整することが可能となる。そして、利用者の足のサイズと、本発明品のサイズによって複数の中央重り部材の数や配置を調整することができる。
【0039】
また本実施形態11に係る固定装置110では、前記板状の本体部における長尺方向における中央重り部材102と端部重り部材103との間に二体の機能性部材106,107が内蔵されている。また本体部101には、中央重り部材105と端部重り部材104との間に二体の機能性部材108,109が内蔵されている。機能性部材106,107,108,109を脱着するための図示しない面ファスナーが形成されていることが好ましい。
本実施形態11における板状の本体部101は、フェルト状の繊維によって形成されている。また本実施形態11における機能性部材106,107,108,109は、図示しない電池から供給される電流によって駆動する複数の電極が配置され低周波治療器である。
本実施形態11における端部重り部材103,104には、電流を供給するための蓄電池が内蔵されており、図示しない配線を介して、機能性部材106,107,108,109に電流を供給することができる。
【実施例0040】
実施例1
実施例1に係る機能性部材の固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
本体部の長尺方向における中央部分に中央重り部材を配置した。中央重り部材は、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mm、1体から構成されている。また本体部における長尺方向における両端に端部重り部材を配置した。端部重り部材は、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mmである。中央重り部材、端部重り部材共に各230gの鉛塊(商品名HIKARRI GZ1005、株式会社光社製)を用いている。
中央重り部材と端部重り部材との間の二か所に機能性部材を配置した。機能性部材は、13cm×10cmであり、被作用部位に接触させたい部位における面積は130cm2のものを2体準備した。
【0041】
次に人の大腿を想定した円筒状の模型をポリ塩化ビニル製のパイプ(エスロンパイプ、薄肉管VU(JIS K 6741-1968、積水化学工業社製))より作成した。円筒状の模型は、外径14cm(周囲長44cm)、長さ30cmのポリ塩化ビニル製のものを2体準備した。
2体の円筒状の模型の間を10cmに固定するため、10cm×10cm×10cmのアクリル樹脂からなる正方体ボックス(商品名アクリボックス、AB-1、アクリサンデー社製)2個を用意し、2体の円筒状の模型の略端部にテープを使用して接着固定した。
円筒状の模型における被作用部位として予想される上面側の片側5か所、全10か所に圧力センサを設置した。この状態で、円筒状の模型における圧力センサを被覆するように、上述の機能性部材の固定装置を、機能性部材が円筒状の模型に当接するように載置した。この際、機能性部材の固定装置における中央重り部材を、2体の円筒状の模型の間に垂れ下がるように配置した。
【0042】
比較例1
比較例1に係る固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
比較例1に係る固定装置には、中央重り部材と端部重り部材を配置していない。そして、実施例1と同様の箇所に2体の機能性部材を配置した。機能性部材は、13cm×10cmであり、被作用部位に接触させたい部位における面積は130cm2である。
人の大腿を想定した円筒状の模型及び圧力センサの設置は、上記実施例1で説明したものと同じである。
【0043】
比較例2
比較例2に係る機能性部材の固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
本体部における長尺方向における両端に端部重り部材を配置した。端部重り部材は、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mmである。比較例2における端部重り部材の配置箇所は、実施例1の機能性部材の固定装置と同じ個所である。ただし、比較例2に係る機能性部材の固定装置には、実施例1の機能性部材の固定装置が有する中央重り部材が配置されていない。そして、実施例1と同様の箇所に2体の機能性部材を配置した。機能性部材は、13cm×10cmであり、被作用部位に接触させたい部位における面積は130cm2である。
人の大腿を想定した円筒状の模型及び圧力センサの設置は、上記実施例1で説明したものと同じである。
【0044】
試験方法
上記実施例1、比較例1及び2における、3通りの使用方法を検証した。試験は全て、坐位での大腿への利用を想定している。
試験1:大腿の上に乗せる(作用部位:両側大腿前面)
試験2:大体の下に敷く(作用部位:両側大腿背面)
試験3:大腿に巻く(作用部位:片側大腿前面及び背面)・・・面ファスナーによって両端を固定して行った。
【0045】
試験結果
試験1
本固定装置における以下の値を計測すべく、後述の接触圧測定器を作成し代替となる値を計測した。
接触圧測定器AMI3037-10 / AMI3037-10-SW(株式会社エイエムアイ・テクノ製)
測定範囲:約35kPaまで
受圧センサ:エアパック方式、標準直径20mm、I形、T形 ほか
圧力センサ:ダイヤフラム(2重)
同時測定:10箇所
【0046】
定量検証の方法
(計測)
重りの数で条件を4つ(固定装置なし、固定装置(比較例1、比較例2、実施例1)に分けた。
10個の圧力センサをとりつけた固定装置用計測モデルに各条件で固定装置を載せ、10点における圧力を計測、記録した。固定装置を載せていない基準となる条件も含め、上述の4条件で最低5回行った。
(計算)
・固定装置の両側大腿前面局面への代替圧力
計測値より外れ値等を取り除き、各条件(4条件)の各点(10点)の合計40点の各々の3つの計測値の平均を取り、「固定装置ありの3条件」の各点の平均値(各10点の平均値、合計30点)から、各点に対応する、「固定装置なし」の基準値の平均値(10点)を引いた差分を算出した。
結果としては、左右円筒の10点の圧センサの内、中央に並ぶ左右3点ずつの合計6点を採用した。(煩雑さを避けるため、条件を減らした。)
・固定装置作用部位の両側大腿作用局面への代替接触面積
該当部位の当接面積を計測した。
以下に示す表1は固定装置の両側抱いた前面曲面への大腿圧力の算出結果をまとめた表であり、表2は固定装置の円筒曲面への圧力(kPa)をグラフ化したものである。
【0047】
【表1】
上記表1において、Lt1-3はそれぞれ左円筒(左足)前面に配置した圧センサを左から数えた番号である。Lt1が左側(外側)、Lt2が中央、Lt3が右側(内側)を示す番号である。同様に、Rt1-3はそれぞれ右円筒(右足)前面に配置した圧センサを左から数えた番号である。Rt1が左側(内側)、Rt2が中央、Rt3が右側(外側)として表記する。
【0048】
【表2】
表2は、下に二つ並ぶ円弧の一部が円筒を模しており、矢印の伸びる位置が円筒上のセンサの位置を示している。
【0049】
上記の表1及び2から明らかなように、実施例1に係る固定装置は、比較例1及び2に係る固定装置と比較して、全体的に圧力が高くなっていることが分かる。
また実施例1に係る固定装置は、比較例1及び2に係る固定装置と比較して中央部でも圧力の上昇が認められる。
比較例2に係る固定装置では、基準値と比較して、左右の円筒で共に外側で圧力が上がり、中央部では比較例1に係る固定装置との差がなくなっていることが認められる。
【0050】
【表3】
【表4】
【0051】
比較例2に係る固定装置では、比較例1及び実施例1に係る固定装置と比較して、固定装置中央部に重りがなく、両端のみに重りがあるため、固定装置中央部の円筒への接触面積が明らかに減少していることが分かった。
また、先の検討と同様に、比較例3では、比較例2に中央部の重りを1つ追加することで固定装置中央部での接触面積が増加している。
実施例1において、比較例3の中央部の重りを1つ増やすことによって、さらに、接触面積の増加し、最適化を達成することができている。
したがって、固定装置の円筒の表面への十分な接触面積を確保するには、実施例1に係る固定装置を使用することで達成することができる。
以上をまとめると、実施例1での計測部位の圧の上昇と圧上昇部位面積(本固定装置の皮膚接触部位)の拡大がみとめられた。
また実施例1に係る固定装置は、重りが両端と中央部の2か所の計4個設置されているため、固定装置の円筒への目的の接地面積を確保することが可能となり、作用部位と被作用部位の接触を固定する機能をもたらす円筒への圧を効果的に与えることが可能であった。
【0052】
定性検証の方法
実施例1に係る固定装置、比較例1及び2に係る固定装置の上述の3通りの使い方において、装置の機能性部材としてカイロを取り付け、被験者3名で以下のA,Bの2点を評価した。
3通りの使用法は、以下の通りであり、坐位での大腿への利用を想定している。
1.大腿の上に乗せる(作用部位:両側大腿前面)
2.大体の下に敷く(作用部位:両側大腿背面)
3.大腿に巻く(作用部位:片側大腿前面及び背面)・・・面ファスナーで両端を固定するための仕組みを要する
【0053】
評価項目
・A (接着部の)フィット感(○△×で評価)
〇は良い、△は普通、×は悪いである。
・B 使用感(○△×で評価)
〇は良い、△は普通、×は悪いである。
以下の表5は、フィットの定量検証の結果を示し、表6は、使用感の定量検証の結果を示している。
【0054】
【表5】
【表6】
【0055】
上記1と2については、巻いてしっかり固定出来た方が動きながら利用できて良いとの回答が1名あった。
上記2において、座った時(2の状況)がカイロ熱を一番の高く感じたという回答があった。
上記3において、しっかり固定出来れば良い旨の回答が1名あった。
・定性検証の結果と考察
上記使用法1~3において、固定装置の接着部の被接触部位へのフィット感については概ね良好な回答が得られた。
使用法1~3において、使用感に関しても概ね良好な回答が得られたが、使用中に動くことを想定すると利便性が低下すると考えられた。本固定装置の使用シーンに動く場面は想定していないが、動く(歩く)ことも想定する場合、巻き付ける固定強度を増強が必要と考えられた。
使用法1~3において、(接着部の)フィット感、使用感への回答は概ね良好であり、人体においても、作用部位と被作用部位への圧と十分な設置面積が得られていると考えられる。
使用法1~3において、各使用用途(冷却、保冷、加温、保温、電気刺激等)における作用素材の機能を発揮する固定装置の方式として有効性が高いと考えられる。
【0056】
実施例2
設置時により足(大腿)のフィットした固定装置の形態を試行錯誤し、定性的な検討により、同じ形状・重さの重り部材を、片方の足にまたがる形で配置した重り部材を1セットとして、左右に配置した合計4つの重り部材による配置(実施例1に詳説)がより目的にかなうと考えられたため、さらに定量評価を追加で行った。検証に用いた固定装置は、以下の実施例2、比較例3、4及び5のいずれの重りの配置にも対応できる構造を有している。
実施例2に係る機能性部材の固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
本体部の長尺方向における中央部分に中央重り部材を間隔を開けて2個配置し、本体部の長尺方向の両端に端部重り部材を1個ずつ、合計4個の重り部材を配置した。重り部材のサイズと重さはいずれも、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mm230gの鉛塊(商品名HIKARRI GZ1005、株式会社光社製)を用いている。
【0057】
中央重り部材と端部重り部材との間の二か所に機能性部材を配置した。機能性部材は、15cm×10cmである。
【0058】
次に人の大腿を想定した円筒状の模型をポリ塩化ビニル製のパイプ(エスロンパイプ、薄肉管VU(JIS K 6741-1968、積水化学工業社製))より作成した。円筒状の模型は、外径14cm(周囲長44cm)、長さ30cmのポリ塩化ビニル製のものを2体準備した。
2体の円筒状の模型の間を10cmに固定するため、10cm×10cm×10cmのアクリル樹脂からなる正方体ボックス(商品名アクリボックス、AB-1、アクリサンデー社製)2個を用意し、2体の円筒状の模型の略端部にテープを使用して接着固定した。
円筒状の模型における被作用部位として予想される上面側の片側の内側、中央、外側にそれぞれ1つ合計3か所(の被作用部位の)、左右の円筒で合計6か所に圧力センサを設置した。この状態で、円筒状の模型における圧力センサを被覆するように、上述の機能性部材の固定装置を、機能性部材が円筒状の模型に当接するように載置した。この際、機能性部材の固定装置における中央重り部材を、2体の円筒状の模型の間に垂れ下がるように配置した。
【0059】
比較例4
比較例4に係る固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
比較例4に係る固定装置には、中央重り部材と端部重り部材を配置していない。そして、実施例2と同様の箇所に2体の機能性部材を配置した。人の大腿を想定した円筒状の模型及び圧力センサの設置は、上記実施例1で説明したものと同じである。
【0060】
比較例5
比較例5に係る機能性部材の固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
本体部における長尺方向における両端に端部重り部材を配置した。端部重り部材は、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mmである。比較例2における端部重り部材の配置箇所は、実施例1の機能性部材の固定装置と同じ個所である。ただし、比較例5に係る機能性部材の固定装置には、実施例1の機能性部材の固定装置が有する中央重り部材が配置されていない。人の大腿を想定した円筒状の模型及び圧力センサの設置は、上記実施例2で説明したものと同じである。
【0061】
比較例6
比較例6に係る機能性部材の固定装置は、長尺の不織布からなる本体部を有している。本体部は長尺方向が61cm、短手方向が10cm、厚みは0.1cmである。
本体部の長尺方向における中央部分に中央重り部材を1個配置し、本体部における長尺方向における両端に端部重り部材を配置した。重り部材はいずれも、長さ7cm×幅1.8cm×厚み1.6mmである。比較例5における重り部材の配置箇所の実施例との違いは、中央重り部材の数と配置である。
【0062】
試験方法
上記実施例2、比較例4、5及び6における、4通りの使用方法を検証した。試験は全て、坐位での大腿への利用を想定している。
試験1:大腿の上に乗せる(作用部位:両側大腿前面)
試験2:大体の下に敷く(作用部位:両側大腿背面)
試験3:大腿に巻く(作用部位:片側大腿前面、背面及び側面)・・・面ファスナーによって両端を固定して行った。
【0063】
試験結果
試験1
本固定装置における以下の値を計測すべく、後述の接触圧測定器を準備し代替となる値を計測した。
接触圧測定器AMI3037-10 / AMI3037-10-SW(株式会社エイエムアイ・テクノ製)
測定範囲:約35kPaまで
受圧センサ:エアパック方式、標準直径20mm、I形、T形 ほか
圧力センサ:ダイヤフラム(2重)
同時測定:10箇所まで
【0064】
定量検証の方法
(計測)
重りの数で条件を5つ(固定装置なし、固定装置(比較例4、比較例5、比較例6、実施例2)に分けた。
6個の圧力センサをとりつけた固定装置用計測モデルに各条件で固定装置を載せ、6点における圧力を計測、記録した。固定装置を載せていない基準となる条件も含め、上述の4条件で最低5回行った。
(計算)
・固定装置の両側大腿前面局面への代替圧力
計測値より外れ値等を取り除き、各条件(5条件)の各点(6点)の合計30点の各々の3つの計測値の平均を取り、「固定装置ありの4条件」の各点の平均値(各6点の平均値、合計24点)から、各点に対応する、「固定装置なし」の基準値の平均値(10点)を引いた差分を算出した。
・固定装置の両側大腿皮膚への代替接触面積
該当部位の当接面積を計測した。
以下に示す表7は固定装置の円筒曲面への圧力(kPa)をグラフ化したものである。
【0065】
【表7】
上記表7において、Lt1-3はそれぞれ左円筒(左足)前面に配置した圧センサを左から数えた番号である。Lt1が左側(外側)、Lt2が中央、Lt3が右側(内側)を示す番号である。同様に、Rt1-3はそれぞれ右円筒(右足)前面に配置した圧センサを左から数えた番号である。Rt1が左側(内側)、Rt2が中央、Rt3が右側(外側)として表記する。
表7は、下に二つ並ぶ円弧の一部が円筒を模しており、矢印の伸びる位置が円筒上のセンサの位置を示している。
【0066】
上記の表7から明らかなように、実施例2に係る固定装置は、比較例4、5及び6に係る固定装置と比較して、全体的に圧力が高くなっていることが分かる。
【0067】
【表8】
【0068】
比較例5に係る固定装置では、比較例4、6及び実施例2に係る固定装置と比較して、固定装置中央部に重りがなく、両端のみに重りがあるため、固定装置中央部の円筒への接触面積が明らかに減少していることが分かった。
また、先の検討と同様に、比較例6では、比較例5に中央部の重りを1つ追加することで固定装置中央部での接触面積が増加している。
実施例2において、比較例6の中央部の重りを1つ増やすことによって、さらに、接触面積の増加し、最適化を達成することができている。
したがって、固定装置の円筒の表面への十分な接触面積を確保するには、実施例1に係る固定装置を使用することで達成することができる。
以上をまとめると、実施例2での計測部位の圧の上昇と圧上昇部位面積(本固定装置の皮膚接触部位)の拡大がみとめられた。
また実施例2に係る固定装置は、重りが両端と中央部の2か所の計4個設置されているため、固定装置の円筒への目的の接地面積を確保することが可能となり、作用部位と被作用部位の接触を固定する機能をもたらす円筒への圧を効果的に与えることが可能であった。
【0069】
定性検証の方法
実施例2に係る固定装置、比較例4、5及び6に係る固定装置の上述の3通りの使い方において、装置の機能性部材としてカイロを取り付け、被験者3名で以下のA,Bの2点を評価した。
3通りの使用法は、以下の通りであり、坐位での大腿への利用を想定している。
1.大腿の上に乗せる(作用部位:両側大腿前面)
2.大体の下に敷く(作用部位:両側大腿背面)
3.大腿に巻く(作用部位:片側大腿前面及び背面)・・・面ファスナーで両端を固定
【0070】
評価項目
・A (接着部の)フィット感(○△×で評価)
〇は良い、△は普通、×は悪いである。
・B 使用感(○△×で評価)
〇は良い、△は普通、×は悪いである。
以下の表9は、フィットの定量検証の結果を示し、表10は、使用感の定量検証の結果を示している。
【0071】
【表9】
【表10】
【0072】
上記1と2については、巻いてしっかり固定出来た方が動きながら利用できて良いとの回答が1名あった。
上記2において、座った時(2の状況)がカイロ熱を一番の高く感じたという回答があった。
上記3において、しっかり固定出来れば良い旨の回答が1名あった。
・定性検証の結果と考察
上記使用法1~3において、固定装置の接着部の被接触部位へのフィット感については概ね良好な回答が得られた。
使用法1~3において、使用感に関しても概ね良好な回答が得られたが、使用中に動くことを想定すると利便性が低下すると考えられた。本固定装置の使用シーンに動く場面は想定していないが、動く(歩く)ことも想定する場合、巻き付ける固定強度を増強が必要と考えられた。
使用法1~3において、(接着部の)フィット感、使用感への回答は概ね良好であり、人体においても、作用部位と被作用部位への圧と十分な設置面積が得られていると考えられる。
使用法1~3において、各使用用途(冷却、保冷、加温、保温、電気刺激等)における作用素材の機能を発揮する固定装置の方式として有効性が高いと考えられる。
1.大腿の上に乗せる(作用部位:両側大腿前面)
2.大体の下に敷く(作用部位:両側大腿背面)
3.大腿に巻く(作用部位:片側大腿前面及び背面)
【0073】
【表11】
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