(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088709
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】上ノズル施工装置及び上ノズル施工方法
(51)【国際特許分類】
B22D 41/56 20060101AFI20220608BHJP
B22D 11/10 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B22D41/56
B22D11/10 330Q
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200667
(22)【出願日】2020-12-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001971
【氏名又は名称】品川リフラクトリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】高田 敦
(72)【発明者】
【氏名】笹井 洋一
(72)【発明者】
【氏名】長田 基嗣
(72)【発明者】
【氏名】村上 陽介
【テーマコード(参考)】
4E004
4E014
【Fターム(参考)】
4E004FC05
4E014DD01
(57)【要約】
【課題】簡単な構成により、耐熱パッキンにより上ノズルと溶融金属容器との隙間からの溶鋼の漏出を防止することのできる上ノズル施工装置及び上ノズル施工方法を提供する。
【解決手段】上ノズル施工装置20は、ベース部21と、開口部24と、ベース部21のベース部第1端部22に設けられ、タンディッシュ40に設けられたガイド部46bに着脱可能に嵌合される嵌合部70と、ベース部21のベース部第2端部23に設けられたベース部底部28と、ベース部底部28に設けられた装入部80とを備え、嵌合部70がガイド部46bに嵌合されているときにベース部21の開口部24とタンディッシュ40の装入孔43とが接続され、ベース部21に収容された上ノズル50が装入部80により装入孔43に装入される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工装置であって、
軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、内部に前記上ノズルが収容される筒状のベース部と、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に設けられた開口部と、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に設けられ、前記溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に着脱可能に嵌合される第1嵌合部と、
前記ベース部の前記軸方向第2端部に設けられたベース部底部と、
前記ベース部底部に設けられた装入部と
を備え、
前記第1嵌合部が前記第2嵌合部に嵌合されているときに前記ベース部の前記開口部と前記溶融金属容器の上ノズル取付部とが接続され、前記ベース部に収容された前記上ノズルが前記装入部により前記上ノズル取付部に装入される上ノズル施工装置。
【請求項2】
前記第1嵌合部は、前記ベース部の周方向に回動可能に設けられ、回動することにより前記溶融金属容器の前記第2嵌合部に嵌合するとともに、前記ベース部に収容された前記上ノズルと前記溶融金属容器の前記上ノズル取付部との軸合わせがされる請求項1に記載の上ノズル施工装置。
【請求項3】
前記装入部は、前記上ノズルを保持する保持部材と、前記保持部材を前記ベース部の軸方向に移動させる駆動装置とを有する請求項1又は2に記載の上ノズル施工装置。
【請求項4】
前記ベース部は、揚重装置に接続される接続部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の上ノズル施工装置。
【請求項5】
溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工方法であって、
軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、前記軸方向第1端部に開口部を有し、軸方向第2端部にベース部底部を有する筒状のベース部が、内部に上ノズルを収容し、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に設けられた第1嵌合部が、溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に嵌合し、前記ベース部の前記開口部と前記溶融金属容器の上ノズル取付部とを接続し、
前記ベース部底部に設けられた装入部が、前記ベース部に収容された前記上ノズルを、前記開口部を介して前記上ノズル取付部に装入する上ノズル施工方法。
【請求項6】
前記装入部が前記上ノズルを前記溶融金属容器の前記上ノズル取付部に装入するときに、前記上ノズル取付部に設けられている耐火物を耐火物押え装置が前記上ノズルの装入方向の逆方向から押える請求項5に記載の上ノズル施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上ノズル施工装置及び上ノズル施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造機に用いられる溶融金属容器、特に製鋼用取鍋及びタンディッシュの底部には溶鋼排出用の上ノズルが設けられる。この上ノズルを施工する装置として、例えば下記の特許文献1に記載された装置と特許文献2に記載された装置とが知られている。この特許文献1に記載された装置又は特許文献2に記載された装置を用いて上ノズルを施工するときには、上ノズルと製鋼用取鍋の底部との隙間又は上ノズルとタンディッシュとの底部との隙間から溶鋼が漏出することを防ぐために、上ノズルの外周にモルタルを塗布し、その後製鋼用取鍋やタンディッシュの底部に上ノズルを装入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-60434号公報
【特許文献2】特開2010-179359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に記載されている、上ノズルの施工時に上ノズルの外周に塗布されるモルタルは、作業者の手作業により塗布されている。そのため、円錐状の上ノズルにモルタルを均一に塗布するためには作業者の熟練を要する。また、作業者によってはモルタルの塗りムラによる溶鋼漏出が発生することを防ぐため、所定の厚さ以上にモルタルを塗布することがあった。
【0005】
また、このようなモルタルに替えて、耐熱パッキンを製鋼用取鍋の底部またはタンディッシュの底部に設けられたノズル受け耐火物またはスリーブとの底部との隙間に設け、隙間からの溶鋼の漏出を防止することが考えられる。この場合には、耐熱パッキンが上ノズルと製鋼用取鍋の底部またはタンディッシュの底部に設けられたノズル受け耐火物またはスリーブとの隙間を十分に密封するために、上ノズルを施工するときに製鋼用取鍋の底部及びタンディッシュの底部に設けられたノズル受け耐火物またはスリーブに上ノズルを十分に押圧する必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されている従来の上ノズル施工装置では、上ノズルを施工するときに製鋼用取鍋の底部又はタンディッシュの底部のノズル受け耐火物またはスリーブに上ノズルを十分に押圧することができない。そのため、耐熱パッキンにより上ノズルと製鋼用取鍋の底部又はタンディッシュの底部に設けたノズル受け耐火物またはスリーブとの隙間からの溶鋼の漏出を防止することができないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成により、耐熱パッキンにより上ノズルと溶融金属容器との隙間からの溶鋼の漏出を防止することのできる上ノズル施工装置及び上ノズル施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る上ノズル施工装置は、溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工装置であって、軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、内部に上ノズルが収容される筒状のベース部と、ベース部の軸方向第1端部に設けられた開口部と、ベース部の軸方向第1端部に設けられ、溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に着脱可能に嵌合される第1嵌合部と、ベース部の軸方向第2端部に設けられたベース部底部と、ベース部底部に設けられた装入部とを備え、第1嵌合部が第2嵌合部に嵌合されているときにベース部の開口部と溶融金属容器の上ノズル取付部とが接続され、ベース部に収容された上ノズルが装入部により上ノズル取付部に装入される。
【0009】
また、第1嵌合部は、ベース部の周方向に回動可能に設けられ、回動することにより溶融金属容器の第2嵌合部に嵌合するとともに、ベース部に収容された上ノズルと溶融金属容器の上ノズル取付部との軸合わせがされてもよい。
また、装入部は、上ノズルを保持する保持部材と、保持部材をベース部の軸方向に移動させる駆動装置とを有してもよい。
また、ベース部は、揚重装置に接続される接続部を有してもよい。
【0010】
また、本発明に係る上ノズル施工方法は、溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工方法であって、軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、軸方向第1端部に開口部を有し、軸方向第2端部にベース部底部を有する筒状のベース部が、内部に上ノズルを収容し、ベース部の軸方向第1端部に設けられた第1嵌合部が、溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に嵌合し、ベース部の開口部と溶融金属容器の上ノズル取付部とを接続し、ベース部底部に設けられた装入部が、ベース部に収容された上ノズルを、開口部を介して上ノズル取付部に装入する。
【0011】
また、装入部が上ノズルを溶融金属容器の上ノズル取付部に装入するときに、上ノズル取付部に設けられている耐火物を耐火物押え装置が上ノズルの装入方向の逆方向から押えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上ノズル施工装置及び上ノズル施工方法によれば、上ノズル施工装置の第1嵌合部が溶融金属容器の第2嵌合部に嵌合されているときにベース部の開口部と溶融金属容器の上ノズル取付部とが接続され、ベース部に収容された上ノズルが装入部により上ノズル取付部に装入されるため、簡単な構成により、耐熱パッキンにより上ノズルと溶融金属容器との隙間からの溶鋼の漏出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る上ノズル施工システムの概略図である。
【
図2】
図1に記載の上ノズル及び上ノズル施工装置の斜視図である。
【
図3】
図2に記載の上ノズル施工装置の側面断面図である。
【
図4】
図3に記載の嵌合部及びスライディングノズル装置をベース部底部の側から見た平面図である。
【
図5】
図4に記載のスライディングノズル装置を
図4と同じ方向から見た平面図である。
【
図6】
図5に記載のスライディングノズル装置のガイド部の概略図である。
【
図8】
図4に記載の嵌合部を回動させたときの側面図である。
【
図9】
図3に記載の上ノズル施工装置の上ノズル装入時の動作を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る上ノズル施工システムの概略図である。
上ノズル施工システム1は、製鉄所で使用される連続鋳造機に設けられる、タンディッシュ40に上ノズル50を取り付けるシステムである。この上ノズル施工システム1には、上ノズル施工装置20を持ち上げるバランサ30と、上ノズルの施工時にタンディッシュ40から耐火物が脱落することを防止するための耐火物押え装置60とが設けられている。なお、説明の便宜のために、
図1においては上ノズル施工装置20、タンディッシュ40及び上ノズル50の一部を断面図として示している。
【0015】
タンディッシュ40は、傾転機デッキ11の上方において図示しないタンディッシュ傾転機により横向きに傾転されている。また、タンディッシュ40は、タンディッシュ底部42がバランサ30に対向する向きに傾転されている。タンディッシュ40のタンディッシュ底部42の外側表面には、タンディッシュ底部鉄皮42aが形成されている。また、タンディッシュ底部42には、タンディッシュ40内部に上ノズルを装入するための丸孔である装入孔43が設けられている。タンディッシュ底部鉄皮42aの内側において、装入孔43の外周には、スリーブ45と、筒状のノズル受け耐火物44とがタンディッシュ40との間に設けられている。
【0016】
ノズル受け耐火物44は装入孔43の径方向に対して設けられており、スリーブ45はノズル受け耐火物44の内側に設けられている。ノズル受け耐火物44及びスリーブ45は、例えば煉瓦等の既知の任意の耐火物でそれぞれ形成されている。なお、タンディッシュ40は溶融金属容器を構成しており、装入孔43は上ノズル取付部を構成しており、ノズル受け耐火物44及びスリーブ45は耐火物を構成している。なお、本実施の形態では装入孔43は丸孔であるが、これに限定されるものではなく、他の任意の孔形状であってもよい。
【0017】
装入孔43には、上ノズル50がタンディッシュ底部42側から装着される。タンディッシュ底部42のタンディッシュ底部鉄皮42aには、上ノズル50から排出される溶融金属の流量制御を行うスライディングノズル装置46が設けられている。
【0018】
バランサ30は既知のアーム型のバランサである。このバランサ30は、床部12に固定されているバランサ支柱31と、バランサ支柱31に支持されているアーム部32と、アーム部32の先端に取り付けられている吊下部33とを有している。吊下部33は、上ノズル施工装置20に接続されている。なお、バランサ30は揚重装置を構成している。また、本実施の形態ではバランサ30を揚重装置として用いているが、これに限定されるものではなく、例えば油圧式クレーン等の他の種類の揚重装置を用いてもよい。
【0019】
耐火物押え装置60は、タンディッシュ40のタンディッシュ上部41が位置する側に設けられている。また、耐火物押え装置60は、床部13に固定されている押え装置支柱61と、押え装置支柱61に取り付けられ、水平方向に延びている押え装置アーム62と、押え装置アーム62に取り付けられた押え装置シリンダ63とを有している。
【0020】
図2は、
図1に記載の上ノズル50及び上ノズル施工装置20の斜視図である。上ノズル50は、タンディッシュ40(
図1参照)に装入されたときにタンディッシュ40の上部に向けられる側である上ノズル前部51と、タンディッシュ40の下部に向けられる側である上ノズル後部52と、上ノズル前部51及び上ノズル後部52とを貫通する丸孔である上ノズル孔部53とを有している。上ノズル前部51には、先端方向に向けて径が小さくなるようにテーパが形成されている。上ノズル後部52には、2本のガスパイプ54が設けられている。
【0021】
上ノズル施工装置20は、円筒状のベース部21を有している。ベース部21の内側には、装入孔43(
図1参照)に装入可能な円筒状の上ノズル50が収容される。ベース部21の軸方向第1端部を構成するベース部第1端部22には、開口部24が形成されている。また、ベース部21の軸方向第2端部を構成するベース部第2端部23には、ベース部底部28が形成されている。ベース部21の外周部には、開口部24に接続されておりベース部21の軸方向に沿って延びている切欠部である、ベース部切欠25が形成されている。なお、ベース部切欠25が形成されている側をベース部21の下部と呼び、ベース部21の下部に対向する側をベース部21の上部と呼ぶ。また、本実施の形態ではベース部21の形状は円筒形であったが、ベース部21の形状は収容する上ノズル50の外形に合わせて円筒形以外の任意の形状であってもよい。
【0022】
ベース部21の下部には、ベース部第2端部23とベース部切欠25との間から、ベース部21の軸方向に沿って延びる位置決め部26が設けられている。位置決め部26はベース部の下部でなくともベース部の左右に取り付けられても良い。また、ベース部21の上部には、バランサ30(
図1参照)の吊下部33に接続可能であるハング部27が形成されている。なお、上ノズル施工装置20の移動を容易にするために、上ノズル施工装置20には車輪又は台車等に接続するための接続装置を設けてもよい。また、バランサ30は吊下部33を有していたが、任意の他の種類の接続部によりハング部27が接続されてもよい。
【0023】
ベース部底部28には、装入部80が取り付けられている。装入部80は、ベース部21の内側に位置する保持部材81と、保持部材81に接続されておりベース部21の外側に位置する駆動装置82とを有している。駆動装置82は、ベース部21の軸方向に沿って開口部24とは反対側に延びている油圧シリンダである。保持部材81は、ベース部21の軸方向に対して垂直方向に広がる円板状の皿部83と、皿部83の径方向中央からベース部21の軸方向に沿って開口部24の側に延びる円管状の保持管84とを有している。皿部83及び保持管84は、使用する上ノズル50の外径寸法及び上ノズル孔部53の内径寸法に対応する任意の寸法のものに交換することが可能である。駆動装置82は、ベース部21の軸方向に駆動することにより、保持部材81に保持された上ノズル50を開口部24の側に移動させる。
【0024】
ベース部第1端部22には、その外周に沿って外側に嵌合部70が設けられている。嵌合部70は、後に詳しく説明するようにタンディッシュ底部42に設けられたスライディングノズル装置46(
図1参照)に嵌合可能である。また、嵌合部70の周方向の一部には、ベース部切欠25の周方向の大きさに対応する周方向の大きさを有する嵌合部切欠73が形成されている。すなわち、嵌合部70はその内側にベース部第1端部22が嵌合しており、嵌合部切欠73の部分を欠いている略円管状部材である。なお、嵌合部切欠73の側を嵌合部70の下部と呼び、嵌合部70の下部に対向する側を嵌合部70の上部という。また、嵌合部70はベース部21の外周を径方向に回動可能である。さらに、嵌合部70は第1嵌合部を構成している。
【0025】
ベース部第1端部22の側の、嵌合部70の外周部には、上部と下部との間に径方向外側に突出する爪部71が1個ずつ形成されている。すなわち爪部71は、嵌合部70の径方向に対向して合計2個形成されている。また、嵌合部70の上部にはハンドル72が取り付けられている。
【0026】
上ノズル50の2本のガスパイプ54が上ノズル後部52の外周から突出している箇所同士の周方向の距離は、上ノズル施工装置20のベース部切欠25の周方向の距離及び嵌合部切欠73の周方向の距離よりも短く形成されている。すなわち、上ノズル50を開口部24より上ノズル施工装置20の内部に収容したときに、ガスパイプ54はベース部切欠25及び嵌合部切欠73の部分に位置するため、ベース部21及び嵌合部70に干渉することがない。また、上ノズル50を上ノズル施工装置20の内部に収容したときに、上ノズル孔部53に保持管84が装入されるように上ノズル施工装置20は構成されている。
【0027】
図3は、
図2に示す上ノズル施工装置20に、上ノズル50を収納したときの断面図である。皿部83の直径は、スライディングノズル装置46の装入孔46aよりも大きく形成されている。上ノズル50の上ノズル前部51には、シート状のセラミック製の耐熱パッキン90が貼り付けられている。耐熱パッキン90は、上ノズル50への貼り付けを容易にし、上ノズル50とスリーブ45との密封性を向上させるために、表面が粘着性を有するように加工されている。装入部80の皿部83と駆動装置82とは、ベース部底部28を貫通して延びるシャフト85により接続されている。なお、耐熱パッキン90はセラミック製耐熱パッキンに限定されるものではなく、他の材料を用いた既知の耐熱パッキンであってもよい。
【0028】
保持部材81の皿部83には、上ノズル50に接触する面に調整用ライナー86が取り付けられている。この調整用ライナー86は、後に詳しく説明するように上ノズル施工装置20が上ノズル50をタンディッシュ底部42の装入孔43に装入したときに、耐熱パッキン90の反発力により上ノズル50が押し戻されることを考慮して、上ノズル50の装入量を調整するものである。なお、調整用ライナー86は、耐熱パッキン90の反発力等の状態によっては必ずしも設けなくともよい。
【0029】
スリーブ45には、タンディッシュ底部42に近接する側の厚みが小さくなるように、テーパが内側及び外側に形成されている。このスリーブ45の内側のテーパは、上ノズル前部51のテーパと略同じ角度となるように形成されている。すなわち、スリーブ45の内側のテーパは上ノズル前部51が嵌合可能に形成されている。ノズル受け耐火物44には、タンディッシュ底部42から遠い側の厚みが小さくなるように、テーパが内側及び外側に形成されている。ノズル受け耐火物44の内側のテーパは、ノズル受け耐火物44がスリーブ45の外側に嵌合可能に形成されている。
【0030】
図4は、
図3に記載の嵌合部70及びスライディングノズル装置46をベース部底部28の側から見た平面図である。また、
図5は
図4に記載のスライディングノズル装置46のみを
図4と同じ方向から見た平面図であり、
図6は
図5に記載のスライディングノズル装置のガイド部の概略図である。スライディングノズル装置46の中央部には、装入孔43と同心の上ノズルが装入される装入孔46aが形成されている。加えて、装入孔46aの両側にあるスライディングノズル装置46のフレームには、装入孔46aの中心に対し互いに対向する位置に一対のガイド部46bが設けられ、各々のガイド部46bには、装入孔46aの縁部のある面を拡張する形に装入孔46aと同心であり上ノズル施工装置20の爪部71が納まるだけの空間を有する弓型のガイド溝46cが形成されている。装入孔46aの縁部には、互いに対向する一対の直線状のガイド部46bが形成されている。なお、ガイド部46bは第2嵌合部を構成している。
【0031】
図7は、
図1に示す耐火物押え装置60の斜視図である。耐火物押え装置60の押え装置アーム62は、水平方向に回動可能に押え装置支柱61に取り付けられている。また、耐火物押え装置60の押え装置シリンダ63には、押え装置アーム62の延びる方向に移動可能に設けられたピストン64と、ピストン64の先端に取り付けられた押えパッド65が設けられている。なお、押え装置シリンダ63は油圧シリンダである。
【0032】
次に、この実施の形態1に係る上ノズル施工システムの動作を説明する。
図1に示すように、上ノズル50をタンディッシュ底部42の装入孔43に取り付けるときには、バランサ30に取り付けられている上ノズル施工装置20の、
図3に示す皿部83に作業者が調整用ライナー86を取り付ける。次に、
図1に示すように作業者が上ノズル施工装置20に上ノズル50を収納する。なお、
図1においては説明の便宜のために上ノズル50が上ノズル施工装置20から突出した状態が記載されているが、実際の施工においては、
図3に示すように作業者が上ノズル50の表面に耐熱パッキン90を貼り付け、その後上ノズル施工装置20の開口部24側から上ノズル50を収納する。このとき、上ノズル後部52が上ノズル施工装置20の保持部材81側に位置するように収納し、保持部材81をベース部第2端部23側へ移動させる。
【0033】
次に、再び
図1を参照すると、作業者はタンディッシュ40を図示しないタンディッシュ傾転機により横向きに傾転させる。このとき、タンディッシュ40の位置は、耐火物押え装置60の押えパッド65が、タンディッシュ上部41からタンディッシュ40の内側に入るように調節されている。次に、作業者はバランサ30に支持された上ノズル施工装置20を移動して、
図3に示すように上ノズル施工装置20の嵌合部70をタンディッシュ底部鉄皮42aに設けられたスライディングノズル装置46のガイド部46bに沿わせながら装入孔46aの縁部に押し当てる。そして、上ノズル施工装置20の位置決め部26をスライディングノズル装置46に接触させることで、嵌合部70の位置と装入孔46aの位置を合わせることができる。
【0034】
図4を参照すると、嵌合部70を装入孔46aに押し当てたときには、ベース部21の上側に対して嵌合部70のハンドル72は斜上方に位置している。また、ベース部21の横方向に対して爪部71は斜めにずれた位置にある。この状態では、各爪部71はスライディングノズル装置46の装入孔46aの周囲に形成された各ガイド溝46cに入っていないため上ノズル施工装置20はスライディングノズル装置46に固定されていない。
【0035】
次に、作業者は、
図8に示すように嵌合部70のハンドル72をハンドル72の端部が上ノズル施工装置20の上方に位置するように操作して、嵌合部70を周方向左回りに回動させる。ハンドル72の端部が上ノズル施工装置20の上方に位置するように嵌合部70が回動すると、各爪部71がスライディングノズル装置46の各ガイド溝46cに入り各ガイド部46bに掛かる。これにより、装入孔43と上ノズル施工装置20に収容された上ノズル50との軸の位置が合った状態で、上ノズル施工装置20がスライディングノズル装置46に固定される。
【0036】
次に、再び
図1を参照すると、作業者は耐火物押え装置60を操作して押えパッド65をタンディッシュ40の装入孔43の方向に向け、押え装置シリンダ63を駆動する。押え装置シリンダ63が駆動すると、タンディッシュ上部41側からタンディッシュ底部42の側にピストン64及びピストン64の先端部に取り付けられた押えパッド65が移動する。そして、押えパッド65がスリーブ45に接触し、スリーブ45をタンディッシュ底部42に押圧した状態で保持する。これにより、スリーブ45に嵌合しているノズル受け耐火物44がタンディッシュ底部42に押圧された状態で保持される。すなわち、耐火物押え装置60がノズル受け耐火物44及びスリーブ45を、上ノズル50の装入方向とは逆方向からタンディッシュ底部42に押圧して保持する。なお、本実施の形態では上ノズル施工装置20の嵌合部70がスライディングノズル装置46に固定される工程の後に、ノズル受け耐火物44をタンディッシュ底部42に押圧して保持する工程を実施していたが、これらの工程の順序は逆でもよいし、またこれらの工程を並行して同時に進めてもよい。
【0037】
次に、作業者は上ノズル施工装置20の嵌合部70がスライディングノズル装置46に固定されていること及びノズル受け耐火物44及びスリーブ45がタンディッシュ底部42に押圧されて保持されていることを確認した後、
図7に示すように上ノズル施工装置20の駆動装置82を駆動させる。駆動装置82が駆動することにより、皿部83がタンディッシュ底部鉄皮42a側に移動する。これにより、皿部83が、上ノズル50を開口部24を介してベース部21の外側に押し出す。さらに駆動装置82が駆動すると、皿部83は上ノズル50を、スライディングノズル装置46の装入孔46aを経由してタンディッシュ40(
図1参照)の装入孔43に押し込む。
【0038】
このとき、すでに説明したようにスリーブ45は耐火物押え装置60(
図1参照)によってタンディッシュ底部42に押圧されて保持されている。そのため、皿部83により装入孔43に押し込まれた上ノズル50の上ノズル前部51は、スリーブ45に接触して押圧される。よって、上ノズル前部51の外周に貼り付けられている耐熱パッキン90は、スリーブ45及び上ノズル前部51の間で圧縮されて初期状態より薄い状態となり、スリーブ45及び上ノズル前部51に密着した状態となる。これにより、スリーブ45と上ノズル前部51との間が耐熱パッキン90により十分に密封された状態で、上ノズル50がタンディッシュ底部42の装入孔43に取り付けられる。なお、本実施の形態のように耐熱パッキン90がセラミック製耐熱パッキンの場合には、スリーブ45と上ノズル前部51との間を耐熱パッキン90が十分に密封するために、耐熱パッキン90の厚みが1mm以下に圧縮される荷重で駆動装置82が上ノズルを押圧することが好ましい。
【0039】
次に、作業者は上ノズル施工装置20の嵌合部70のハンドル72を、
図8に示すようにハンドル72の端部が上ノズル施工装置20の上方にある位置から、
図4に示すように上ノズル施工装置20の斜上方の位置に操作して、嵌合部70を周方向右回りに回動させる。すると、スライディングノズル装置46のガイド部46b(第2嵌合部)のガイド溝46cに掛かっていた嵌合部70の爪部71がガイド部36bから外れる。これにより、嵌合部70とスライディングノズル装置46との固定状態が解除される。次に、作業者は上ノズル施工装置20を移動させてスライディングノズル装置46から取り外す。
【0040】
次に、作業者は
図1に示すように耐火物押え装置60の押え装置シリンダ63を操作して、ピストン64をタンディッシュ底部42から離れる方向に移動させる。すると、押えパッド65によるスリーブ45の押圧が解除される。次に、作業者は図示しないタンディッシュ傾転機により横向きに傾転されていたタンディッシュ40を通常の向きに戻す。これにより、上ノズル50のタンディッシュ底部42への取り付けが終了する。なお、上記で説明した上ノズル50のタンディッシュ底部42への取り付け手順は実施例として示したものであり、実際の取り付け手順は必要に応じて順番が前後してもよいし、必要な作業が追加されてもよいし、不要な手順が省略されてもよい。
【0041】
本実施の形態の上ノズル施工装置20は、嵌合部70の各爪部71がタンディッシュ底部42に設けられたスライディングノズル装置46のガイド部46bに設けられたガイド溝46cに嵌合して固定されるため、上ノズル50を装入孔43に装入するときの反力を上ノズル施工装置20が受け止めることができる。そのため、駆動装置82により上ノズル50を押し込む力を確実に上ノズル50に荷重して、耐熱パッキン90を十分に圧縮することができる。そして、スリーブ45と上ノズル前部51との間が耐熱パッキン90により十分に密封された状態で、上ノズル50を装入孔43に装入することができる。
【0042】
このように、本実施の形態に係る上ノズル施工装置20は、タンディッシュ40に上ノズル50を取り付ける上ノズル施工装置20であって、ベース部第1端部22及びベース部第2端部23を有し、内部に上ノズル50が収容される筒状のベース部21と、ベース部21のベース部第1端部22に設けられた開口部24と、ベース部21のベース部第1端部22に設けられ、タンディッシュ40に設けられたスライディングノズル装置46のガイド部46bに着脱可能に嵌合される嵌合部70と、ベース部21のベース部第2端部23に設けられたベース部底部28と、ベース部底部28に設けられた装入部80とを備え、嵌合部70がガイド部46bに嵌合されているときにベース部21の開口部24とスライディングノズル装置46の装入孔43とが接続され、ベース部21に収容された上ノズル50が装入部80により装入孔43に装入されるため、上ノズル50を装入孔43に装入するときにスリーブ45と上ノズル前部51との間が耐熱パッキン90により十分に密封された状態にすることが可能であり、簡単な構成により、耐熱パッキン90により上ノズル50とスリーブ45との隙間からの溶鋼の漏出を防止することができる。
【0043】
また、タンディッシュ40の装入孔43とスライディングノズル装置の装入孔46a及び第2嵌合部は互いに同心に設けられている。そのため、嵌合部70は、ベース部21の周方向に回動可能に設けられ、回動することによりタンディッシュ40側のガイド部46bに嵌合するとともにベース部21に収容された上ノズル50とタンディッシュ40の装入孔43との軸合わせがされるため、作業者が簡単に上ノズル施工装置20をスライディングノズル装置46に固定して、且つ上ノズル50と装入孔43との軸合わせをすることができる。
【0044】
また、装入部80は、上ノズル50を保持する保持部材81と、保持部材81をベース部21の軸方向に移動させる駆動装置82とを有するため、作業者が手によって上ノズル50を装入孔43に装入する場合とは異なり、重量物である上ノズル50を確実に保持した状態で耐熱パッキン90を油圧シリンダである駆動装置82により十分な力で圧縮し、スリーブ45と上ノズル前部51との間を耐熱パッキン90でより確実に密封することができる。
【0045】
また、ベース部21は、バランサ30に接続されるハング部27を有するため、重量物である上ノズル50を収容している上ノズル施工装置20をバランサ30で移動することが可能であり、作業者の作業負担を低減することができる。
【0046】
また、このように本実施の形態に係る上ノズル施工方法は、タンディッシュ40に上ノズル50を取り付ける上ノズル施工方法であって、ベース部第1端部22及びベース部第2端部23を有し、ベース部第1端部22に開口部24を有し、ベース部第2端部23にベース部底部28を有する筒状のベース部21が、内部に上ノズル50を収容し、ベース部21のベース部第1端部22に設けられた嵌合部70が、タンディッシュ40側に設けられたガイド部46bに嵌合し、ベース部21の開口部24とタンディッシュ40の装入孔43とを接続し、ベース部底部28に設けられた装入部80の駆動装置82が、ベース部21に収容された上ノズル50を、開口部24及び装入孔46aを介して装入孔43に装入するため、上ノズル50を装入孔43に装入したときにスリーブ45と上ノズル前部51との間が耐熱パッキン90により十分に密封された状態となり、簡単な構成により、耐熱パッキンにより上ノズルと溶融金属容器のノズル受け耐火物44又はスリーブ45との隙間からの溶鋼の漏出を防止することができる。
【0047】
また、装入部80が上ノズル50をタンディッシュ40の装入孔43に装入するときに、装入孔43に設けられているノズル受け耐火物44及びスリーブ45を耐火物押え装置60が上ノズル50の装入方向の逆方向から押えるため、上ノズル50の装入時にノズル受け耐火物44及びスリーブ45が上ノズル50に押し出されてタンディッシュ底部42から脱落することを防止できる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態では、上ノズル50を施工する溶融金属容器はタンディッシュ40であったが、これに限定されるものではない。溶融金属容器は、例えば取鍋等の連続鋳造機で用いられる他の溶融金属容器であってもよいし、他の種類の鋳造機等に用いられる金属容器であってもよい。
【0049】
また、本発明の実施の形態では上ノズル施工装置20の第1嵌合部である嵌合部70を固定する、第2嵌合部であるガイド部46bがスライディングノズル装置46に設けられていたが、第2嵌合部はタンディッシュ底部42のタンディッシュ底部鉄皮42aに設けられていてもよいし、他の種類の既知の上ノズル固定具に設けられていてもよい。
【0050】
また、本発明の実施の形態では嵌合部70のハンドル72を周方向左回りに回動させることで嵌合部70とスライディングノズル装置46とを固定していたが、固定時のハンドル72の回動方法は逆方向であってもよい。また、本発明の実施の形態では嵌合部70が回動することで上ノズル施工装置20とスライディングノズル装置46とを固定していたが、例えばハンドル72を引くことでラッチ機構により上ノズル施工装置20とスライディングノズル装置46とが固定される等の、回動により爪部をガイド部に掛ける以外の手段で上ノズル施工装置20とスライディングノズル装置46とを固定してもよい。
【0051】
また、本発明の実施の形態ではノズル受け耐火物44及びスリーブ45は別体として構成されていたが、ノズル受け耐火物44及びスリーブ45が一体成型であってもよいし、ノズル受け耐火物44及びスリーブ45がさらに複数の構造に分割されていてもよい。
【0052】
また、上ノズル施工装置20の装入部80に、上ノズル50の装入時に皿部83が装入孔46aの縁部に接触したときに、駆動装置82の負荷が急激に上昇することを検出するセンサを設けてもよい。このようなセンサを設け、このセンサが負荷の急激な上昇を検出したときに駆動装置82を停止することにより、異なる寸法の上ノズル50の取り付けに同じ上ノズル施工装置20を用いる場合であっても、上ノズル50の寸法が変わる度に駆動装置82の押し込みストローク量を調節する必要がなくなるという利点を有する。
【0053】
また、本発明の実施の形態では上ノズル施工装置20の駆動装置82は油圧シリンダであったがこれに限定されるものではなく、皿部83及びシャフト85を直線的に駆動できるものであれば、例えばリニアモータ装置等の電動駆動装置や、手動ジャッキのように人力を増幅できるもの等、他の種類の任意の駆動装置を用いてもよい。
【0054】
また、本発明の実施の形態では耐火物押え装置60が油圧シリンダである押え装置シリンダ63を有していたがこれに限定されるものではなく、押えパッド65を移動できるものであれば、例えばリニアモータ装置等の電動駆動装置や、手動ジャッキのように人力を増幅できるもの等、他の種類の任意の駆動装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
21 ベース部、22 ベース部第1端部(軸方向第1端部)、23 ベース部第2端部(軸方向第2端部)、24 開口部、27 ハング部(接続部)、30 バランサ(揚重装置)、 40 タンディッシュ(溶融金属容器)、43 装入孔(上ノズル取付部)、44 ノズル受け耐火物(耐火物)、45 スリーブ(耐火物)、46b ガイド部(第2嵌合部)、50 上ノズル、60 耐火物押え装置、70 嵌合部(第1嵌合部)、80 装入部、81 保持部材、82 駆動装置。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係る上ノズル施工装置は、溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工装置であって、軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、内部に上ノズルが収容される筒状のベース部と、ベース部の軸方向第1端部に設けられた開口部と、ベース部の軸方向第1端部に、ベース部の周方向に回動可能に設けられ、溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に着脱可能に嵌合される第1嵌合部と、ベース部の軸方向第2端部に設けられたベース部底部と、ベース部底部に設けられた装入部とを備え、第1篏合部が回動することにより第2篏合部に篏合されるとともに、ベース部に収容された上ノズルと溶融金属容器の上ノズル取付部との軸合わせがされ、第1嵌合部が第2嵌合部に嵌合されているときにベース部の開口部と上ノズル取付部とが接続され、ベース部に収容された上ノズルが装入部により上ノズル取付部に装入される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る上ノズル施工方法は、溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工方法であって、軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、軸方向第1端部に開口部を有し、軸方向第2端部にベース部底部を有する筒状のベース部が、内部に上ノズルを収容し、ベース部の軸方向第1端部に、ベース部の周方向に回動可能に設けられた第1嵌合部が回動することにより、第1篏合部が溶融金属容器に設けられた第2篏合部に篏合するとともに、ベース部に収容された上ノズルと溶融金属容器の上ノズル取付部との軸合わせをし、第2嵌合部に嵌合し、ベース部の開口部と上ノズル取付部とを接続し、ベース部底部に設けられた装入部が、ベース部に収容された上ノズルを、開口部を介して上ノズル取付部に装入する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工装置であって、
軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、内部に前記上ノズルが収容される筒状のベース部と、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に設けられた開口部と、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に、前記ベース部の周方向に回動可能に設けられ、前記溶融金属容器に設けられた第2嵌合部に着脱可能に嵌合される第1嵌合部と、
前記ベース部の前記軸方向第2端部に設けられたベース部底部と、
前記ベース部底部に設けられた装入部と
を備え、
前記第1篏合部が回動することにより前記第2篏合部に篏合されるとともに、前記ベース部に収容された前記上ノズルと前記溶融金属容器の上ノズル取付部との軸合わせがされ、
前記第1嵌合部が前記第2嵌合部に嵌合されているときに前記ベース部の前記開口部と前記上ノズル取付部とが接続され、前記ベース部に収容された前記上ノズルが前記装入部により前記上ノズル取付部に装入される上ノズル施工装置。
【請求項2】
前記装入部は、前記上ノズルを保持する保持部材と、前記保持部材を前記ベース部の軸方向に移動させる駆動装置とを有する請求項1に記載の上ノズル施工装置。
【請求項3】
前記ベース部は、揚重装置に接続される接続部を有する請求項1又は2に記載の上ノズル施工装置。
【請求項4】
溶融金属容器に上ノズルを取り付ける上ノズル施工方法であって、
軸方向第1端部及び軸方向第2端部を有し、前記軸方向第1端部に開口部を有し、軸方向第2端部にベース部底部を有する筒状のベース部が、内部に上ノズルを収容し、
前記ベース部の前記軸方向第1端部に、前記ベース部の周方向に回動可能に設けられた第1嵌合部が回動することにより、前記第1篏合部が溶融金属容器に設けられた第2篏合部に篏合するとともに、前記ベース部に収容された前記上ノズルと前記溶融金属容器の上ノズル取付部との軸合わせをし、前記ベース部の前記開口部と前記上ノズル取付部とを接続し、
前記ベース部底部に設けられた装入部が、前記ベース部に収容された前記上ノズルを、前記開口部を介して前記上ノズル取付部に装入する上ノズル施工方法。
【請求項5】
前記装入部が前記上ノズルを前記溶融金属容器の前記上ノズル取付部に装入するときに、前記上ノズル取付部に設けられている耐火物を耐火物押え装置が前記上ノズルの装入方向の逆方向から押える請求項4に記載の上ノズル施工方法。