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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088776
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】軌陸車
(51)【国際特許分類】
   B60F 1/04 20060101AFI20220608BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B60F1/04
B61D15/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200795
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】川島 延之
(72)【発明者】
【氏名】杉田 祐樹
(57)【要約】
【課題】車両の重心が前部に偏っていた場合でも、駆動鉄輪における輪荷重の不足によるスリップを起こし難くすることができる軌陸車を提供する。
【解決手段】軌陸作業車1の車体2の前部に設けられ、操舵作動可能な道路走行用の操舵輪3Dと、車体2の後部に設けられた道路走行用の駆動輪3Dと、前部駆動モータにより回転駆動可能であり車体2に対して上下動可能な走行用鉄輪16を備え、車体2の前部に設けられた前部鉄輪駆動装置10Fと、後部駆動モータにより回転駆動可能であり車体2に対して上下動可能な載線用鉄輪11を備え、車体2に対して水平旋回可能に車体2の後部に設けられた後部鉄輪駆動装置10Rと、を備えて構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路及び軌道を走行可能な軌陸車であって、
前記軌陸車の車体の前部に設けられ、操舵作動可能な道路走行用の前輪と、
前記車体の後部に設けられた道路走行用の後輪と、
前部駆動モータにより回転駆動可能であり前記車体に対して上下動可能な前部駆動鉄輪を備え、前記車体の前部に設けられた前部鉄輪駆動装置と、
後部駆動モータにより回転駆動可能であり前記車体に対して上下動可能な後部駆動鉄輪を備え、前記車体に対して水平旋回可能に前記車体の後部に設けられた後部鉄輪駆動装置と、を備えて構成される軌陸車。
【請求項2】
前記前部駆動モータは、前記前部駆動鉄輪及び前記後部駆動鉄輪を前記軌道上に載せ、前記軌道上を所定の速度で走行させることが可能な性能を有し、
前記後部駆動モータは、前記道路走行用の前輪が接地し、かつ、前記道路走行用の後輪が地上から離れた状態の前記軌陸車を、前記軌道上に載せた前記後部駆動鉄輪によって所定の低速で牽引走行させることが可能な性能を有する
ことを特徴とする請求項1記載の軌陸車。
【請求項3】
前記前部駆動鉄輪が、前記車体に格納された前鉄輪格納状態及び前記軌道の方向へ張り出された前鉄輪張出状態を検出する前部駆動鉄輪状態検出器と、
前記後部駆動鉄輪が、前記車体に格納された後鉄輪格納状態及び前記軌道の方向へ張り出された後鉄輪張出状態を検出する後部駆動鉄輪状態検出器と、
前記前部駆動鉄輪状態検出器が前記前鉄輪格納状態を検出し、かつ、前記後部駆動鉄輪状態検出器が前記後鉄輪張出状態を検出したときは前記後部駆動鉄輪を駆動可能とし、前記前部駆動鉄輪状態検出器が前記前鉄輪張出状態を検出し、かつ、前記後部駆動鉄輪状態検出器が前記後鉄輪張出状態を検出したときは前記前部駆動鉄輪を駆動可能とするように切り替える駆動切替装置と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の軌陸車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用のタイヤ車輪によって道路走行が可能な車体に鉄輪を備え、この鉄輪によって鉄道の軌道上を走行可能な軌陸車に関する。
【背景技術】
【0002】
道路走行自在に構成された車体に、揺動張出し自在な鉄輪を備え、この鉄輪を張り出した状態で鉄道の軌道上を走行可能な軌道走行装置を有する軌陸車は、軌道上でトロリ線などの鉄道設備の工事・点検を行う際に広く用いられている。例えば、特許文献1に記載されている軌陸車は、タイヤ車輪等を有して道路走行可能な作業用車両の車体に、鉄道軌道(レール上)を走行するための軌道走行装置と、作業用車両を鉄道軌道に乗り入れるための乗入作業を容易にする転車台とを備えている。
【0003】
上述した軌道走行装置は、軌陸車に対して張出し(降下)及び格納(上昇)が自在な鉄輪を有しており、軌道走行時には鉄輪を張り出させて鉄道レールに鉄輪の踏面を接輪させ、この鉄輪に接続された油圧モータを回転作動させるなどして軌道上を走行することができ、道路走行時には鉄輪を車体に格納して車両の走行装置で道路を走行するように構成されている。軌陸車を軌道走行させるときには、例えば踏切の左右レール間で軌陸車を停止させ、転車台を車体の底部から路面に向けて張出して車体を持ち上げ支持し、この状態で車体を軌道と平行に旋回させたのち軌道走行用の鉄輪を格納位置から張り出す。その後車体を支持していた転車台を格納して鉄輪の踏面をレールに接輪させて軌道上に進入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-315511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した転車台は、軌陸車の鉄輪を軌道上に進入させるとき及び軌道上から鉄輪を退出させるときに用いられるものであるため、軌陸車の移動時は単なる重量物でしかなく、また、軌道上に鉄輪を侵入又は退出させる際に、転車台によって車体を安定して持ち上げ支持することができる平坦な場所を確保しなければならないという手間があった。そこで近年では、転車台を備えず、軌道走行時の駆動鉄輪を用いて鉄輪を軌道上に侵入させる軌陸車が登場している。この軌陸車は、車体後部に駆動鉄輪を有する台車を備えており、道路走行時はこの台車が車体後部に格納されている。軌陸車を軌道走行させるときには、踏切などでこの台車の向きを水平方向に旋回させて軌道の敷設方向と平行にしてから台車を軌道上に向けて張り出し、車体後部の駆動鉄輪を軌道上に載せるとともに軌陸車の後部を持ち上げる。これにより、道路走行時の駆動輪である後輪タイヤを地上から浮いて車体が前傾姿勢となり、この状態で台車の鉄輪をモータによって駆動して、軌陸車を後方へ牽引する。軌陸車は当初、軌道の敷設方向に対してほぼ直角の向きになっているが、台車によって後方へ牽引されているときに、車体が軌道の敷設方向と平行になるように軌陸車のハンドルを切り、車体が軌道の敷設方向と平行になったところで、台車による牽引を停止させる。そして、車体前部に設けられた従動鉄輪を軌道上に向けて張り出し、従動鉄輪を軌道上に載せるとともに軌陸車の前部を持ち上げて、道路走行時の操舵輪である前輪タイヤを地上から浮かせる。これにより、車体後部の駆動鉄輪をモータによって駆動することで軌陸車が軌道上を走行可能となる。以下、このように軌陸車の鉄輪を軌道上に進入させる方式を、後鉄輪駆動載線方式という。
【0006】
このように、従来の後鉄輪駆動載線方式の軌陸車は、車体後部に設けられた駆動鉄輪及びモータによって、載線時における牽引走行と載線後の軌道走行とを行っていたため、例えば車両の重心が前部に偏っていた場合、車体後部に設けられた駆動鉄輪の輪荷重は、車体前部に設けられた従動鉄輪の輪荷重よりも少なくなる。したがって、雨天時など軌道の摩擦係数が低い状態における走行時や、軌道が急勾配になっている場所を走行する場合は、駆動鉄輪の輪荷重が十分に得られないためにスリップを起こし易くなる虞があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、車両の重心が前部に偏っていた場合でも、駆動鉄輪における輪荷重の不足によるスリップを起こし難くすることができる軌陸車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る軌陸車は、道路及び軌道を走行可能な軌陸車(例えば、実施形態における車体2)であって、前記軌陸車の車体(例えば、実施形態における車体2)の前部に設けられ、操舵作動可能な道路走行用の前輪(例えば、実施形態における操舵輪3S)と、前記車体の後部に設けられた道路走行用の後輪(例えば、実施形態における駆動輪3D)と、前部駆動モータ(例えば、実施形態における軌道走行用油圧モータ61)により回転駆動可能であり前記車体に対して上下動可能な前部駆動鉄輪(例えば、実施形態における走行用鉄輪16)を備え、前記車体の前部に設けられた前部鉄輪駆動装置(例えば、実施形態における前部鉄輪駆動装置10F)と、後部駆動モータ(例えば、実施形態における牽引走行用油圧モータ62)により回転駆動可能であり前記車体に対して上下動可能な後部駆動鉄輪(例えば、実施形態における載線用鉄輪11)を備え、前記車体に対して水平旋回可能に前記車体の後部に設けられた後部鉄輪駆動装置(例えば、実施形態における後部鉄輪駆動装置10R)と、を備えて構成される。
【0009】
なお、上記構成の軌陸車において、前記前部駆動モータは、前記前部駆動鉄輪及び前記後部駆動鉄輪を前記軌道上に載せ、前記軌道上を所定の速度で走行させることが可能な性能を有し、前記後部駆動モータは、前記道路走行用の前輪が接地し、かつ、前記道路走行用の後輪が地上から離れた状態の前記軌陸車を、前記軌道上に載せた前記後部駆動鉄輪によって所定の低速で牽引走行させることが可能な性能を有することが好ましい。
【0010】
また、上記構成の軌陸車において、前記前部駆動鉄輪が、前記車体に格納された前鉄輪格納状態及び前記軌道の方向へ張り出された前鉄輪張出状態を検出する前部駆動鉄輪状態検出器(例えば、実施形態における走行用鉄輪状態検出器51)と、前記後部駆動鉄輪が、前記車体に格納された後鉄輪格納状態及び前記軌道の方向へ張り出された後鉄輪張出状態を検出する後部駆動鉄輪状態検出器(例えば、実施形態における載線用鉄輪状態検出器52)と、前記前部駆動鉄輪状態検出器が前記前鉄輪格納状態を検出し、かつ、前記後部駆動鉄輪状態検出器が前記後鉄輪張出状態を検出したときは前記後部駆動鉄輪を駆動可能とし、前記前部駆動鉄輪状態検出器が前記前鉄輪張出状態を検出し、かつ、前記後部駆動鉄輪状態検出器が前記後鉄輪張出状態を検出したときは前記前部駆動鉄輪を駆動可能とするように切り替える駆動切替装置(例えば、実施形態におけるコントロールユニット50)と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る軌陸車によれば、軌陸車の車体の前部に設けられ、操舵作動可能な道路走行用の前輪と、車体の後部に設けられた道路走行用の後輪と、前部駆動モータにより回転駆動可能であり車体に対して上下動可能な前部駆動鉄輪を備え、車体の前部に設けられた前部鉄輪駆動装置と、後部駆動モータにより回転駆動可能であり車体に対して上下動可能な後部駆動鉄輪を備え、車体に対して水平旋回可能に車体の後部に設けられた後部鉄輪駆動装置と、を備えて構成される。このように、前部駆動鉄輪を備えた前部鉄輪駆動装置を
車体の前部に設けたことにより、軌道上を前部鉄輪駆動装置によって走行することで、車両の重心が前部に偏っていた場合でも駆動鉄輪における輪荷重の不足によるスリップを起こし難くすることができる。
【0012】
また、上記の構成の軌陸車において、好ましくは、前部駆動モータは、前部駆動鉄輪及び後部駆動鉄輪を軌道上に載せ、軌道上を所定の速度で走行させることが可能な性能を有し、後部駆動モータは、道路走行用の前輪が接地し、かつ、道路走行用の後輪が地上から離れた状態の軌陸車を、軌道上に載せた後部駆動鉄輪によって所定の低速で牽引走行させることが可能な性能を有する。これにより、後部駆動モータの小型化が可能となり、後部鉄輪駆動装置の軽量化をすることで前部駆動鉄輪の輪荷重を増加させることができる。
【0013】
また、上記の構成の軌陸車において、好ましくは、前部駆動鉄輪が、車体に格納された前鉄輪格納状態及び軌道の方向へ張り出された前鉄輪張出状態を検出する前部駆動鉄輪状態検出器と、後部駆動鉄輪が、車体に格納された後鉄輪格納状態及び軌道の方向へ張り出された後鉄輪張出状態を検出する後部駆動鉄輪状態検出器と、前部駆動鉄輪状態検出器が前鉄輪格納状態を検出し、かつ、後部駆動鉄輪状態検出器が後鉄輪張出状態を検出したときは後部駆動鉄輪を駆動可能とし、前部駆動鉄輪状態検出器が前鉄輪張出状態を検出し、かつ、後部駆動鉄輪状態検出器が後鉄輪張出状態を検出したときは前部駆動鉄輪を駆動可能とするように切り替える駆動切替装置とを備える。これにより、駆動すべき鉄輪を適切に切り替えることができ、例えば格納状態になっている駆動鉄輪を誤って駆動してしまう虞を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る軌陸車の外観を示す側面図である。
図2】上記軌陸車の制御構成を示すブロック図である。
図3】上記軌陸車の載線作業の手順を説明するための説明図である。
図4】上記軌陸車の載線作業の手順を説明するための説明図である。
図5】上記軌陸車の載線作業における各鉄輪の揺動制御について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明に係る軌陸車の一例として軌陸作業車1の側面図を図1に示している。図1において軌陸作業車1は、車体2の前部に運転キャブ4を有し、車体2の前部に配設された左右一対のタイヤ車輪である操舵輪3Sと、車体2の後部に配設された左右一対のタイヤ車輪である駆動輪3Dとからなる道路走行用車輪によって道路上を走行可能なトラック車両をベースに構成されている。車体2は、シャシフレーム5とシャシフレーム5上に取り付けられたサブフレーム6とからなる車体フレームを有して構成されている。
【0016】
車体2の後部かつ駆動輪3Dの後方には、後部鉄輪駆動装置10Rが配設されている。後部鉄輪駆動装置10Rは、載線用鉄輪11と、載線用鉄輪11を回転自在に支持する載線用台車12と、載線用台車12の内部に設けられ載線用鉄輪11を駆動する牽引走行用油圧モータ62(図2参照)と、載線用台車12に回転自在に取り付けられた従動輪13と、後述する載線用鉄輪揺動シリンダ63(図2参照)によって載線用鉄輪11を格納位置と張出位置との間で揺動作動させるための後部リンク部材14とを備えている。また、載線用台車12の上部には、旋回軸PTを中心として後部鉄輪駆動装置10Rを車体2に対して水平旋回可能とする旋回機構15が設けられている。なお、旋回機構15による後部鉄輪駆動装置10Rの旋回作動は、作業者によって手動で行われる。
【0017】
ここで、載線用鉄輪11の格納位置(以下、「後輪格納位置」ともいう。)とは、軌陸
作業車1が操舵輪3S及び駆動輪3Dによって道路などを走行する際に、載線用鉄輪11を所定の高さまで上昇させた位置をいう。また、載線用鉄輪11の張出位置(以下、「後輪張出位置」ともいう。)とは、軌道上に対して軌陸作業車1を載線又は退線させる際に、載線用鉄輪11を軌道上に接輪し、さらに車体2の後部が所定の高さまで持ち上がるまで載線用鉄輪11を張り出した位置をいう。
【0018】
車体2の前部かつ操舵輪3Sの後方には、前部鉄輪駆動装置10Fが配設されている。前部鉄輪駆動装置10Fは、走行用鉄輪16と、走行用鉄輪16を回転自在に支持する走行用台車17と、走行用台車17の内部に設けられ走行用鉄輪16を駆動する軌道走行用油圧モータ61(図2参照)と、後述する走行用鉄輪揺動シリンダ64(図2参照)によって走行用鉄輪16を格納位置と張出位置との間で揺動作動させるための前部リンク部材18とを備えている。ここで、走行用鉄輪16の格納位置(以下、「前輪格納位置」ともいう。)とは、軌陸作業車1が操舵輪3S及び駆動輪3Dによって道路などを走行する際に、走行用鉄輪16を所定の高さまで上昇させた位置をいう。また、走行用鉄輪16の張出位置(以下、「前輪張出位置」ともいう。)とは、軌陸作業車1を軌道上で走行させる際に、走行用鉄輪16を軌道上に接輪し、さらに車体2の前部が所定の高さまで持ち上がるまで走行用鉄輪16を張り出した位置をいう。
【0019】
なお、前述した載線用鉄輪11を後輪格納位置まで上昇させた状態を「後鉄輪格納状態」といい、走行用鉄輪16を前輪格納位置まで上昇させた状態を「前鉄輪格納状態」という。図1は、載線用鉄輪11が後鉄輪格納状態になっており、走行用鉄輪16が前鉄輪格納状態になっていることを図示している。また、前述した載線用鉄輪11が後輪張出位置まで張り出した状態を「後鉄輪張出状態」といい、走行用鉄輪16を前輪張出位置まで張り出した状態を「前鉄輪張出状態」という。図5(b)は、載線用鉄輪11が後鉄輪張出状態になっており、走行用鉄輪16が前鉄輪張出状態になっていることを図示している。
【0020】
運転キャブ4の後方にある架装領域の前部(サブフレーム6の前部)には、旋回モータ21により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱22,22には、フートピン23によりブーム30が上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。また、車体2(サブフレーム6)の前後左右には、高所作業を行うときに軌陸作業車1を持ち上げ支持して車両を安定させるための上下に伸縮可能なジャッキ24が配設されている。
【0021】
ブーム30は、フートピン23により支柱22,22に起伏自在に取り付けられた基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子式に組み合わされて構成されている。ブーム30の内部にはブーム伸縮シリンダ31が設けられており、このブーム伸縮シリンダ31の伸縮作動によりブーム30を長手方向に伸縮作動させることができるように構成されている。基端ブーム30aと支柱22の間にはブーム起伏シリンダ32が跨設されており、このブーム起伏シリンダ32の伸縮作動によりブーム30を上下面内において起伏作動させることができるように構成されている。
【0022】
先端ブーム30cの先端部には、作業台支持ブラケット35がブーム30の起伏面内において揺動可能に取り付けられている。作業台支持ブラケット35は、内部に設けられたレベリングシリンダ36の伸縮作動によりブーム30の起伏角度によらず作業台支持ブラケット35の上面が常時水平に保持されるように構成されている。そして、この作業台支持ブラケット35の上面に作業台40が水平旋回自在に取り付けられている。作業台支持ブラケット35の内部には首振りモータ41が設けられており、この首振りモータ41を駆動させることにより作業台40を作業台支持ブラケット35に対して水平旋回(首振り作動)させることができるように構成されている。上記のように作業台支持ブラケット35の上面は常時水平に保持されるため、作業台40の床面もブーム30の起伏角度によら
ず水平に保持されるようになっている。作業台40には、後述する各種アクチュエータを作動制御するための操作装置などを有する操作ボックス42が設けられている。
【0023】
なお、ブーム30が図1において実線で示される格納状態になっているときの、軌陸作業車1の重心の位置をCGとすると、重心CGの位置は、走行用鉄輪16と載線用鉄輪11とのホイールベースの間にあり、かつ、ホイールベースの中央WCに対して走行用鉄輪16側に寄った位置となる。したがって、走行用鉄輪16は載線用鉄輪11よりも、より重心CGに近い位置に設けられていることになる。このように走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11を配設することにより、軌陸作業車1が軌道上を走行するときの駆動輪となる走行用鉄輪16における輪荷重を十分に確保することが可能となり、軌陸車が軌道上において、例えば軌道が湿潤して軌道の摩擦係数が小さくなっている場合や軌道の勾配に起因するスリップを起こしにくくすることができる。
【0024】
次に図2を参照して、上述した軌陸作業車1の作動制御を行う各部の概要構成について説明する。この図において、コントロールユニット50は、図1に示した操作ボックス42に設けられた各種操作装置の操作に応じて、旋回モータ21、ブーム伸縮シリンダ31、ブーム起伏シリンダ32、レベリングシリンダ36、首振りモータ41、載線用鉄輪揺動シリンダ63、走行用鉄輪揺動シリンダ64、ジャッキシリンダ65、軌道走行用油圧モータ61及び牽引走行用油圧モータ62などの各種アクチュエータを作動制御する。ここで、図2では旋回モータ21、ブーム伸縮シリンダ31、ブーム起伏シリンダ32、レベリングシリンダ36及び首振りモータ41を、まとめて作業アクチュエータ70として図示している。
【0025】
上述した各種アクチュエータは油圧で作動しており、油圧ユニット60内に、上述した各種アクチュエータに対応して電磁比例制御弁を配設し、コントロールユニット50によって各種油圧アクチュエータに対応する電磁比例制御弁のバルブ開度を制御することで、各油圧アクチュエータの作動を制御している。油圧ユニット60には、油圧ポンプPよって作動油タンクT内の作動油が供給されており、油圧ポンプPは、車体2を走行させるエンジンEの駆動力によって作動する。より詳細には、エンジンEのトランスミッションにPTO(パワーテイクオフ機構)が組み込まれており、運転キャブ4内にあるPTO操作レバー18がオフからオンに操作されるとパワーテイクオフ機構PTOの機構部が作動し、エンジンEの駆動力が駆動輪3D(図1参照)から油圧ポンプPに伝達されるようになる。また、PTO操作レバー15がオンからオフに操作されると、エンジンEの駆動力は駆動輪3Dに伝達されるようになる。
【0026】
コントロールユニット50には、図1に示した作業台40に設けられた操作ボックス42が備える上部作業操作装置43及び軌道走行操作レバー44から出力された操作信号が入力される。上部作業操作装置43は、旋回体20の旋回操作を行う旋回操作レバーと、ブーム30の伸縮操作を行う伸縮操作レバーと、ブーム30の起伏操作を行う起伏操作レバーと、作業台40の首振り操作を行う首振り操作レバーとを有している。これら各操作レバーは各々、垂直状態の中立位置から前後方向に傾動操作可能に構成され、レバーを傾動させた状態で手を放すと、上部作業操作装置43に内蔵されたスプリングの力によって中立位置に復帰する構成となっている。各操作レバーがそれぞれ操作されると、中立位置を基準とした操作方向(傾動方向)及び操作量(傾動量)に対応した電圧信号が操作信号としてコントロールユニット50へ出力される。
【0027】
これによりコントロールユニット50は、作業アクチュエータ70のうち、上部作業操作装置43から出力された操作信号に対応するアクチュエータの作動を制御する。すなわち、旋回操作レバーの操作信号に応じて旋回モータ21の作動を制御し、伸縮操作レバーの操作信号に応じてブーム伸縮シリンダ31の作動を制御し、起伏操作レバーの操作信号
に応じてブーム起伏シリンダ32及びレベリングシリンダ36の作動を制御し、首振り操作レバーの操作信号に応じて首振りモータ41の作動を制御する。
【0028】
操作ボックス42には、上述した上部作業操作装置43の他に、軌道走行時において走行操作を行うための軌道走行操作レバー43が設けられている。軌道走行操作レバー43は、垂直状態の中立位置から前後方向に傾動操作可能に構成され、傾動操作状態から手を放したときには内蔵されたスプリングの力によって中立位置に復帰する構成となっている。軌道走行操作レバー43が傾動操作されると、中立位置を基準とした操作方向(傾動方向)および操作量(傾動量)に対応した電圧信号が操作信号として出力され、コントロールユニット50に入力される。コントロールユニット50は、軌道走行操作レバー43の操作方向と操作量に応じて軌道走行用油圧モータ61又は牽引走行用油圧モータ62の回転方向及び回転数(1分間あたりの回転数。rpm)を制御する。
【0029】
具体的には、軌道走行操作レバー43が前方に傾動操作された場合は、コントロールユニット50は、軌道上における軌陸作業車1が操作量に応じた速度で前進するように、軌道走行用油圧モータ61又は牽引走行用油圧モータ62の回転方向及び回転数を制御する。また、軌道走行操作レバー43が後方に傾動操作された場合は、コントロールユニット50は、軌道上における軌陸作業車1が操作量に応じた速度で後進するように、軌道走行用油圧モータ61又は牽引走行用油圧モータ62の回転方向及び回転数を制御する。ここで、軌道走行用油圧モータ61は、軌陸作業車1が軌道を走行する際に駆動されるモータであり、所定の勾配を登坂可能なトルクと、所定の速度で走行可能な回転数が得られるものを採用している。これに対して牽引走行用油圧モータ62は、軌陸作業車1の軌道への載線時に使用されるものであり、軌陸作業車1の操舵輪3Sが路面GNDに接地し、駆動輪3Dが持ち上がった状態で(図5(a)参照)、軌道上の後部鉄輪駆動装置10Rによって軌陸作業車1を牽引することができるトルクがあればよく、軌道走行用油圧モータ61のように高速走行する必要はない。したがって、牽引走行用油圧モータ62の容量は、軌道走行用油圧モータ61の容量に比べて小さいものを採用することができ、その場合、牽引走行用油圧モータ62の外形寸法を軌道走行用油圧モータ61よりも小型化することができ、結果として後部鉄輪駆動装置10Rを軽量化することができる。
【0030】
コントロールユニット50は、軌道走行用油圧モータ61及び牽引走行用油圧モータ62のいずれを駆動するのかについて、走行用鉄輪状態検出器51及び載線用鉄輪状態検出器52の検出結果によって切り替えている。走行用鉄輪状態検出器51は、走行用鉄輪16が格納状態になっているか張出状態になっているかを検出し、検出した状態に対応する信号(格納状態信号又は張出状態信号)をコントロールユニット50へ出力する。載線用鉄輪状態検出器52は、載線用鉄輪11が格納状態になっているか張出状態になっているかを検出し、検出した状態に対応する信号(格納状態信号又は張出状態信号)をコントロールユニット50へ出力する。そしてコントロールユニット50は、走行用鉄輪状態検出器51及び載線用鉄輪状態検出器52の検出結果に応じて、走行用鉄輪16が格納状態になっており、かつ、載線用鉄輪11が張出状態になっていた場合は、軌道走行操作レバー43の操作に応じて牽引走行用油圧モータ62を駆動制御する。
【0031】
これに対して、走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11が共に張出状態になっていた場合は、軌道走行操作レバー43の操作に応じて軌道走行用油圧モータ61を駆動制御する。また、走行用鉄輪16が張出状態になっており、かつ、載線用鉄輪11が格納状態になっていた場合、及び、走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11が共に格納状態になっていた場合は、軌道走行操作レバー43が操作されたとしても軌道走行用油圧モータ61及び牽引走行用油圧モータ62のいずれも駆動制御しない。なお、図1は走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11が共に格納状態になっていることを図示しており、図5(b)は走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11が共に張出状態になっていることを図示している。
【0032】
上記の例では、1つの軌道走行操作レバー44によって軌道走行用油圧モータ61及び牽引走行用油圧モータ62を操作していたが、軌道走行操作レバー44とは別に載線操作レバーを設け、各々の操作レバーによって軌道走行用油圧モータ61と牽引走行用油圧モータ62とを個別に操作するようにしてもよい。この場合において、走行用鉄輪16が格納状態になっており、かつ、載線用鉄輪11が張出状態になっていた場合は、載線操作レバーの操作のみを有効(軌道走行操作レバー44の操作は無効)とし、走行用鉄輪16及び載線用鉄輪11が共に張出状態になっていた場合は、軌道走行操作レバー44の操作のみを有効(載線操作レバーの操作は無効)としてもよい。
【0033】
車体2には、上部作業操作装置43と同様の各種操作レバーを備えた下部作業操作装置45が設けられており、下部作業操作装置45から出力された操作信号はコントロールユニット50に入力されている。そして、コントロールユニット50は、下部作業操作装置45から出力された操作信号に従って作業アクチュエータ70を作動制御する。これにより、地上又は車体2上に居る作業者は、下部作業操作装置45が備えている旋回操作レバー、伸縮操作レバー、起伏操作レバー及び首振り操作レバーを操作することで、旋回体20の旋回操作、ブーム30の伸縮操作及び起伏操作、並びに作業台40の首振り操作を行うことができる。
【0034】
また、車体2には、載線用鉄輪揺動操作装置46、走行用鉄輪揺動操作装置47、及びジャッキ操作装置48が設けられている。これらの各操作装置は、垂直状態の中立位置から上下方向に傾動操作可能に構成され、傾動操作状態から手を放したときには内蔵されたスプリングの力によって中立位置に復帰する操作レバーを備えている。そして、操作レバーが上方に操作されたときは縮小操作信号がコントロールユニット50へ出力され、下方へ操作されたときは伸長操作信号がコントロールユニット50へ出力される。コントロールユニット50は、載線用鉄輪揺動操作装置46から伸長操作信号が出力されると、載線用鉄輪揺動シリンダ63を伸長作動して載線用台車12(延いては載線用鉄輪11)を降下させる。また、コントロールユニット50は、載線用鉄輪揺動操作装置46から縮小操作信号が出力されると、載線用鉄輪揺動シリンダ63を縮小作動して載線用台車12(延いては載線用鉄輪11)を上昇させる。なお、コントロールユニット50が載線用鉄輪揺動シリンダ63を伸長作動又は縮小作動しているときに、載線用鉄輪揺動操作装置46から伸長操作信号又は縮小操作信号のいずれも出力されなくなった場合は、載線用鉄輪揺動シリンダ63の作動を停止させる。このとき、載線用鉄輪揺動シリンダ63は作動を停止したときの伸長量を保持するため、載線用台車12(延いては載線用鉄輪11)は載線用鉄輪揺動シリンダ63が保持している伸長量に対応する位置で停止する。
【0035】
同様に、コントロールユニット50は、走行用鉄輪揺動操作装置47から伸長操作信号又は縮小操作信号が出力された場合は、操作信号に応じて走行用鉄輪揺動シリンダ64を伸長作動又は縮小作動して走行用台車17(延いては走行用鉄輪16)を降下又は上昇させる。また、走行用鉄輪揺動操作装置47から伸長操作信号又は縮小操作信号のいずれも出力されなくなった場合は、コントロールユニット50は走行用鉄輪揺動シリンダ64の作動を停止させ、走行用鉄輪揺動シリンダ64は作動を停止したときの伸長量を保持するため、走行用台車17(延いては走行用鉄輪16)は走行用鉄輪揺動シリンダ64が保持している伸長量に対応する位置で停止する。
【0036】
コントロールユニット50は、ジャッキ操作装置48から伸長操作信号が出力されると、ジャッキシリンダ65を伸長作動してジャッキ24を下方に張り出させて車体2を持ち上げ支持する。これにより、軌陸作業車1を安定させた状態で作業台40に搭乗して高所作業を行うことができる。また、コントロールユニット50は、ジャッキ操作装置48から縮小操作信号が出力されると、ジャッキシリンダ65を縮小作動して張り出したジャッ
キ24を上昇させて格納する。なお、コントロールユニット50がジャッキシリンダ65を伸長作動又は縮小作動しているときに、ジャッキ操作装置48から伸長操作信号又は縮小操作信号のいずれも出力されなくなった場合は、ジャッキシリンダ65の作動を停止させる。このとき、ジャッキシリンダ65は作動を停止したときの伸長量を保持する。
【0037】
次に図3図5を参照して、軌陸作業車1を道路上から軌道(レールR)上に載せるための作業(以下、「載線作業」という。)の内容について説明する。まず、運転キャブ4に乗っている運転手は、車体2が図3(a)に示す踏切LCを通過して、格納状態になっている載線用鉄輪11の位置がレールR上に達した位置で車体2を停止させる。そして、運転手とは別に載線作業を行う作業者(以下、「載線作業者」という。)は、載線用鉄輪揺動操作装置46(図2参照)の操作レバーを操作して、後部鉄輪駆動装置10Rを旋回機構15により水平旋回させることができる高さまで、載線用鉄輪11を降下させる(ただしこの時点では載線用鉄輪11をレールR上に接輪させない)。そして、載線用鉄輪11及び従動輪13がレールRの敷設方向と平行になるまで、載線作業者が後部鉄輪駆動装置10Rを図3(a)の矢印で示す方向に旋回させる。なお、後部鉄輪駆動装置10Rを図3(a)の矢印で示す方向に旋回させるのは、車体2の前部が図3(a)中、左方へ前進する向きで載線させる場合であり、車体2の前部が図3(a)中、右方へ前進する向きで載線させる場合は、載線用台車12を図3(a)の矢印で示す方向とは反対方向に旋回させる。
【0038】
図3(b)に示すように、載線作業者によって載線用鉄輪11及び従動輪13がレールRの敷設方向と平行になるまで後部鉄輪駆動装置10Rを旋回させると、次に載線作業者は、載線用鉄輪揺動操作装置46(図2参照)の操作レバーを操作して、載線用鉄輪11が図5(a)に示す張出状態となるまで、さらに後部鉄輪駆動装置10Rを降下させる。載線用鉄輪11が張出状態になると、車体2の操舵輪3Sが接地したまま駆動輪3Dが地上から浮いた状態となる。このとき、図2に示した走行用鉄輪状態検出器51は走行用鉄輪16が格納状態になっていることを検出しているが、載線鉄輪状態検出器52は載線用鉄輪11が張出状態になったことを検出する。これにより、コントロールユニット50は、軌道走行操作レバー44の操作に応じて牽引走行用油圧モータ62の駆動制御が可能な状態となる。
【0039】
次に載線作業者は、軌道走行操作レバー44を操作して後部鉄輪駆動装置10Rを図3(b)に示す矢印の方向へ低速で走行させて、車体2を後方へ牽引する。このとき、運転キャブ4に乗っている運転手は、車体2がレールRの敷設方向と平行となるようにハンドルを左方向に切り、操舵輪3Sを左向きに傾かせる。そして、後部鉄輪駆動装置10Rにより車体2を低速で後方へ牽引させると、レールRの敷設方向に対する車体2の向きが図4(a)に示すように徐々に平行に近づいて行き、図4(b)に示すように前部鉄輪駆動装置10Fの走行用鉄輪16がレールR上に達した位置で、載線作業者は後部鉄輪駆動装置10Rの牽引走行を停止させる。そして載線作業者は、走行用鉄輪揺動装置47(図2参照)の操作レバーを操作して、走行用鉄輪16が図5(b)に示す張出状態となるまで前部鉄輪駆動装置10Fを降下させる。
【0040】
これにより、図2に示した走行用鉄輪状態検出器51は、走行用鉄輪16が張出状態になったことを検出し、かつ、載線鉄輪状態検出器52も載線用鉄輪11が張出状態になっていることを検出しているため、コントロールユニット50は、軌道走行操作レバー44の操作に応じて軌道走行用油圧モータ61の駆動制御が可能な状態となる。このように、コントロールユニット50は、載線用鉄輪11及び走行用鉄輪16の格納状態又は張出状態に応じて駆動する油圧モータを切り替えているため、例えば格納状態になっている駆動鉄輪を誤って駆動してしまう虞を無くすことができる。
【0041】
なお、上述の実施形態では、車体2の上部に旋回台20、ブーム30及び作業台40といった高所作業用の作業装置設けているが、これに限られるものではなく、例えば、クレーン装置やそれ以外の各種作業装置を設けるようにしてもよい。また、車体2の上部に各種作業装置を設けなくてもよく、道路走行および軌道走行可能な軌陸車であれば、本発明を適用可能である。また、上述の実施形態では、載線用鉄輪11及び走行用鉄輪16の駆動源として油圧モータを使用していたが、油圧モータの代わりに電気モータを使用してもよい。この場合であっても、載線用鉄輪11を駆動するための電気モータは、走行用鉄輪16を駆動するための電気モータよりも低い出力の電気モータ(ただし軌陸作業車1の牽引走行が可能なもの)を採用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 軌陸作業車
2 車体
3S 操舵輪
3D 駆動輪
10F 前鉄輪駆動装置
10R 後鉄輪駆動装置
11 載線用鉄輪
12 載線用台車
15 旋回機構
16 走行用鉄輪
17 走行用台車
20 旋回台
30 ブーム
40 作業台
44 軌道走行操作レバー
46 載線用鉄輪揺動操作装置
47 走行用鉄輪揺動操作装置
50 コントロールユニット
51 走行用鉄輪状態検出器
52 載線用鉄輪状態検出器
61 軌道走行用油圧モータ
62 牽引走行用油圧モータ
63 載線用鉄輪揺動シリンダ
64 走行用鉄輪揺動シリンダ
図1
図2
図3
図4
図5