(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088851
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】水質改善具
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20060101AFI20220608BHJP
C02F 1/50 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
C02F1/28 G
C02F1/50 510A
C02F1/50 520B
C02F1/50 540F
C02F1/50 550C
C02F1/50 560B
C02F1/50 531T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200941
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今泉 泰徳
(72)【発明者】
【氏名】深津 明佳
【テーマコード(参考)】
4D624
【Fターム(参考)】
4D624AA02
4D624AB15
4D624BA02
4D624BA03
4D624BA13
4D624BB01
4D624BB05
4D624BC04
4D624CA12
4D624CB05
4D624CB22
4D624DB27
(57)【要約】
【課題】給水器の給水通路を閉塞しない水質改善具を提供する。
【解決手段】水質改善具は、給水器に接続する給水容器に用いられる水質改善具であって、水質を改善するための多孔質体と、前記多孔質体を収容する収容器と、を備え、前記収容器は、長手方向を有する形状に形成された収容器本体と、前記収容器本体の一端部から長手方向に突出する突出部と、を備え、前記突出部は、リブ状に形成され、前記突出部の幅は、前記収容器本体の幅よりも大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水器に接続する給水容器に用いられる水質改善具であって、
水質を改善するための多孔質体と、前記多孔質体を収容する収容器と、を備え、
前記収容器は、長手方向を有する形状に形成された収容器本体と、前記収容器本体の一端部から長手方向に突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、リブ状に形成され、
前記突出部の幅は、前記収容器本体の幅よりも大きい、水質改善具。
【請求項2】
前記収容器は、長手方向の他端部にフロート部を備える、請求項1に記載の水質改善具。
【請求項3】
前記フロート部は、前記フロート部の先端に向かって先細っている、請求項2に記載の水質改善具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質改善具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給水器に接続する給水容器に用いられる水質改善具として、水質を改善する多孔質体と、給水容器の給水口から多孔質体が通過することを阻止しつつ水を通過させる連通体と、を備える、水質改善具が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、多孔質体の大きさや形状によっては、多孔質体が連通体の接続口を塞ぎ、水質改善具が給水器の給水通路を閉塞することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、給水器の給水通路を閉塞しない水質改善具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
水質改善具は、給水器に接続する給水容器に用いられる水質改善具であって、水質を改善するための多孔質体と、前記多孔質体を収容する収容器と、を備え、前記収容器は、長手方向を有する形状に形成された収容器本体と、前記収容器本体の一端部から長手方向に突出する突出部と、を備え、前記突出部は、リブ状に形成され、前記突出部の幅は、前記収容器本体の幅よりも大きい。
【0006】
収容器の一端部に収容器本体の幅よりも大きい幅を有するリブ状の突出部を設けることにより、水質改善具が給水器の給水通路に侵入した場合でも、収容器本体及び突出部と給水通路との間に隙間が生じる。これにより、収容器本体及び突出部と給水通路との隙間から水が流れ、水質改善具による給水器の給水通路の閉塞を防止することできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る水質改善具の正面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る水質改善具の分解図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る水質改善具の底面図である。
【
図5】
図5は、さらに他の実施形態に係る水質改善具の底面図である。
【
図6】
図6は、さらに他の実施形態に係る水質改善具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る水質改善具について、
図1~
図4を参照しながら説明する。なお、各図(
図5及び
図6も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る水質改善具1が用いられる給水容器4は、給水容器4の給水口41を下に向けて給水器5の接続部51に接続される。本実施形態に係る給水容器4は、例えば、市販されているペットボトルである。そして、給水器5は、例えば、ケージ6に取り付けられるペット用給水器(例えば、ジェックス製ピュアクリスタルドリンクボウルなど)である。なお、給水容器4は、例えば、ガロンボトルであり、給水器5は、例えば、ウォーターサーバーであってもよい。
【0010】
水質改善具1は、飲料水の水質を改善するための多孔質体2と、多孔質体2を収容する収容器3と、を備える。多孔質体2は、球状に形成され、収容器3に一つ以上収容されている。なお、多孔質体2は、例えば、棒状に形成されていてもよい。
【0011】
多孔質体2としては、例えば、飲料水に銀イオンを溶出し、抗菌効果を付与する抗菌セラミックス、カルシウムイオンを吸着し、飲料水の硬度を下げる活性アルミナや軟水特化セラミックス、飲料水の汚れを吸着する竹炭セラミックスや活性炭などを用いることができる。
【0012】
本実施形態においては、上記の多孔質体2のうち複数種の多孔質体2が収容器3に収容されている。なお、多孔質体2は、例えば、上記の多孔質体2のうち単一種のみ収容器3に収容されている、という構成であってもよい。
【0013】
図1~
図4に示すように、収容器3は、多孔質体2を収容する収容器本体31と、収容器本体31の上端部を覆うキャップ部32と、給水器5が有する給水通路52を水質改善具1が閉塞することを防止する突出部33と、水質改善具1を浮かすフロート部34と、を備える。なお、
図2は、多孔質体2を省略した拡大断面図である。
【0014】
収容器本体31は、長手方向(上下方向)を有する形状に形成されている。本実施形態に係る収容器本体31は、収容器本体31の上端部に配置された開口部311と、収容器本体31の下端部に配置された底部312と、を備え、筒状に形成されている。なお、収容器本体31は、例えば、中空の略円柱状や略直方体状などに形成され、収容器本体31の中に多孔質体2が充填されている、という構成であってもよい。
【0015】
そして、収容器本体31は、収容器本体31の中に飲料水を侵入させ、多孔質体2に飲料水を接触させるための水入孔313を備える。水入孔313の孔径は、多孔質体2が水入孔313から飛び出すことを防止するため、多孔質体2の外径よりも小さい。
【0016】
本実施形態に係る水入孔313は、孔径の異なる複数の第1貫通孔313aと、孔径が同一の複数の第2貫通孔313bと、を備える。第1貫通孔313aは、収容器本体31の外周面の左右側に孔径がランダムとなるように上下方向に整列して配置されている。これにより、第1貫通孔313aを泡のような模様とすることができ、水質改善具1に美観を生じさせることができる。そして、第2貫通孔313bは、収容器本体31の底部312に設けられ、突出部33の間に均等に配置されている。
【0017】
なお、複数の第1貫通孔313aは、例えば、それぞれの孔径が同一であってもよく、収容器本体31の周方向に整列して配置されていてもよい。また、複数の第2貫通孔313bは、例えば、それぞれの孔径が異なっていてもよく、収容器本体31の底部312にランダムに配置されていてもよい。
【0018】
キャップ部32は、キャップ状に形成され、収容器本体31の開口部311を閉じるように固定(例えば、溶着)される。そして、キャップ部32は、フロート部34を固定するための複数の突起部321を備える。突起部321は、キャップ部32の内周面から内側に突出している。
【0019】
突出部33は、リブ状に形成され、収容器3の下端部に設けられている。本実施形態に係る突出部33は、収容器本体31の底部312から下方に突出している。そして、突出部33の幅W1は、収容器本体31の幅(外径)W2よりも大きい。なお、突出部33の幅W1及び収容器本体31の幅W2は、それぞれの最大幅である。
【0020】
収容器3の下端部に収容器本体31の幅W2よりも大きい幅W1を有するリブ状の突出部33を設けることにより、水質改善具1が給水器5の給水通路52に侵入した場合でも、収容器本体31及び突出部33と給水通路52との間に隙間が生じる。これにより、収容器本体31及び突出部33と給水通路52との隙間から水が流れ、水質改善具1による給水器5の給水通路52の閉塞を防止することできる。
【0021】
また、突出部33の幅W1は、給水口41の内径D1よりも小さい。これにより、使用者は、水質改善具1を給水口41から出し入れすることができる。なお、突出部33の幅W1、収容器本体31の幅W2、給水口41の内径D1は、それぞれの差が小さい方が好ましい。即ち、収容器本体31の幅W2は、大きい方が好ましい。収容器本体31の幅W2を大きくすることにより、多孔質体2を収容する収容器本体31の容量を増やすことができ、水質改善具1による飲料水の水質改善効果を向上させることができる。
【0022】
本実施形態に係る突出部33の幅W1は、給水器5の接続部51の接続口51aの内径D2よりも大きい。突出部33の幅W1が接続口51aの内径D2よりも大きいことにより、水質改善具1が接続部51内に侵入した際、リブ状の突出部33を接続部51の接続口51aに引っ掛けることができる。これにより、突出部33と接続口51aとの隙間から水が流れ、水質改善具1による接続口51aの閉塞を防止することできる。なお、水質改善具1は、例えば、突出部33の幅W1よりも内径D2が大きい接続口51aを有する給水器5に用いられてもよい。
【0023】
また、本実施形態に係る突出部33は、収容器本体31と一体に形成され、底面視においてX字状に形成されている。これにより、突出部33の強度を上げることができる。なお、突出部33は、例えば、収容器本体31と別個に形成され、収容器本体31に溶着などで固定されている、という構成であってもよい。
【0024】
フロート部34は、中空の略円柱状に形成され、フロート部34の内部に空気が充填されている。そして、フロート部34は、収容器3の上端部に配置されている。斯かる構成によれば、フロート部34によって、給水容器4内の水面S1に水質改善具1を浮かすことができる。これにより、給水容器4内の水面S1付近において、多孔質体2による飲料水の水質改善効果を高めることができる。
【0025】
また、フロート部34が収容器3の上端部に配置されていることにより、収容器3の長手方向が水面S1と直交するように水質改善具1を浮かせることができる。即ち、給水容器4内で水質改善具1を立てることができる。これにより、水質改善具1を用いた給水容器4に美観を生じさせることができる。
【0026】
また、フロート部34は、フロート部本体341と、キャップ部32の内側に挿入する挿入部342と、を備える。挿入部342は、フロート部本体341から下方に突出しており、挿入部342の外径は、フロート部本体341の外径よりも小さい。そして、挿入部342は、挿入部342の外周に延びる凹部342aを備える。
【0027】
斯かる構成によれば、収容器本体31に固定されたキャップ部32に挿入部342を挿入することにより、キャップ部32の突起部321が凹部342aに嵌り、フロート部34をキャップ部32に固定することができる。これにより、キャップ32部を介して収容器本体31にフロート部34を固定することができ、フロート部34の固定強度を上げることができる。
【0028】
本実施形態に係るフロート部本体341(フロート部34)は、フロート部本体341(フロート部34)の先端に向かって先細っている。フロート部本体341の先端が先細っていることにより、使用者は、給水口41から給水容器4内に水質改善具1を容易に入れることができる。
【0029】
収容器本体31、キャップ部32、突出部33及びフロート部34は、水質への影響が少ない材質(例えば、熱可塑性樹脂)で形成されていることが好ましい。本実施形態において、収容器本体31、キャップ部32、突出部33及びフロート部34の材質は、ポリプロピレンであるが、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ABSなどであってもよい。
【0030】
以上より、本実施形態に係る水質改善具1は、給水器5に接続する給水容器4に用いられる水質改善具1であって、水質を改善するための多孔質体2と、多孔質体2を収容する収容器3と、を備え、収容器3は、長手方向を有する形状に形成された収容器本体31と、収容器本体31の一端部(下端部)から長手方向(下方向)に突出する突出部33と、を備え、突出部33は、リブ状に形成され、突出部33の幅W1は、収容器本体31の幅W2よりも大きい、という構成である。
【0031】
収容器3の一端部に収容器本体31の幅W2よりも大きい幅W1を有するリブ状の突出部33を設けることにより、水質改善具1が給水器5の給水通路52に侵入した場合でも、収容器本体31及び突出部33と給水通路52との間に隙間が生じる。これにより、収容器本体31及び突出部33と給水通路52との隙間から水が流れ、水質改善具1による給水器5の給水通路52の閉塞を防止することできる。
【0032】
また、本実施形態に係る水質改善具1は、収容器3は、長手方向の他端部(上端部)にフロート部34を備える、という構成である。
【0033】
斯かる構成によれば、フロート部34によって、給水容器4内の水面S1に水質改善具1を浮かすことができる。これにより、給水容器4内の水面S1付近において、多孔質体2による飲料水の水質改善効果を高めることができる。
【0034】
また、本実施形態に係る水質改善具1は、フロート部34は、フロート部34の先端(上端)に向かって先細っている、という構成である。
【0035】
フロート部34の先端が先細っていることにより、使用者は、給水口41から給水容器4内に水質改善具1を容易に入れることができる。
【0036】
なお、水質改善具1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、水質改善具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0037】
(1)本実施形態に係る突出部33は、底面視において、X字状に形成されている。しかしながら、突出部33は、斯かる形状に限られない。例えば、
図5に示すように、突出部33は、底面視において、I字状に形成されていてもよい。また、例えば、突出部33は、底面視において、略H字状や略L字状などに形成されていてもよい。
【0038】
(2)本実施形態に係るフロート部34は、中空の略円柱状に形成されており、フロート部本体341と、キャップ部32の内側に挿入する挿入部342と、を備える、という構成である。しかしながら、フロート部34は、斯かる構成に限られない。
【0039】
例えば、
図6に示すように、フロート部34は、中空の動物状(例えば、猫)に形成されたフロート部本体341を備える、という構成であってもよい。フロート部本体341を動物状に形成することにより、使用者は、斯かるフロート部34を備える水質改善具1が使用可能な動物を判断することができる(例えば、フロート部本体341が猫状の場合は、猫専用)。また、フロート部本体341を動物状に形成することにより、水質改善具1に美観を生じさせることができる。
【0040】
また、フロート部34は、収容器本体31の開口部311に挿入する挿入部342を備える、という構成であってもよい。斯かる構成においては、収容器本体31にフロート部34が直接固定(例えば、溶着)される。
【符号の説明】
【0041】
1…水質改善具、2…多孔質体、3…収容器、31…収容器本体、311…開口部、312…底部、313…水入孔,313a…第1貫通孔、313b…第2貫通孔、32…キャップ部、321…突起部、33…突出部、34…フロート部、341…フロート部本体、342…挿入部、342a…凹部、4…給水容器、41…給水口、5…給水器、51…接続部、51a…接続口、52…給水通路、6…ケージ