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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088919
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】リアキャリア
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/06 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
B60R9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201057
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】富田 基樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 寿志
(72)【発明者】
【氏名】高岡 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 寿久
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020AB04
3D020AC07
3D020AD02
3D020AD03
3D020AD18
(57)【要約】
【課題】ワンボックスカーのバックドアに荷物を容易に取り付け又は取り外しできるリアキャリアを提供する。
【解決手段】本発明のリアキャリア10は、ワンボックスカー1のバックドア2の主面に取り付ける荷物3を支持するリアキャリア10において、
前記バックドア2の上方の両側辺を引っ掛けて前記主面と所定間隔を開けて水平方向に固定し、前記荷物3の上方を支持する上部フレーム20と、
前記バックドア2の下方の両側辺に接して前記主面と所定間隔を開けて水平方向に前記上部フレーム20と並べて固定し、前記荷物3の下方を支持する下部フレーム30と、
前記下部フレーム30の軸心と直交方向に延出して前記荷物3の下面を支持するアーム40を有することを特徴としている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワンボックスカーのバックドアの主面に取り付ける荷物を支持するリアキャリアにおいて、
前記バックドアの上方の両側辺に引っ掛けて前記主面と所定間隔を開けて水平方向に固定し、前記荷物の上方を支持する上部フレームと、
前記バックドアの下方の両側辺に接して前記主面と所定間隔を開けて水平方向に前記上部フレームと並べて固定し、前記荷物の下方を支持する下部フレームと、
前記下部フレームの軸心と直交方向に延出して前記荷物の下面を支持するアームを有することを特徴とするリアキャリア。
【請求項2】
請求項1に記載されたリアキャリアにおいて、
前記上部フレーム及び下部フレームは、前記主面の水平方向に亘って延出するフレームバーと、前記フレームバーの両端を支持する支持部及び前記バックドアの側辺に引っ掛ける又は固定する固定部を有するステーを有することを特徴とするリアキャリア。
【請求項3】
請求項2に記載されたリアキャリアにおいて、
前記フレームバーは、前記主面と相対する面に長手方向に沿って凹部を設け、前記凹部内に取付ボルトの頭部を収容して前記凹部のスリットから軸部を突出させたときにスリット幅は前記軸部の直径よりも長く頭部の対辺寸法よりも短いことを特徴とするリアキャリア。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載されたリアキャリアにおいて、
前記アームは、前記下部フレームの取り付け箇所に前記下部フレームの軸回りに回転する回転部又は前記下部フレームからの突出量を変える伸縮部を備えたことを特徴とするリアキャリア。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載されたリアキャリアにおいて、
前記下部フレームは、前記バックドアの両側面のスタビライザーの取付ボルトが嵌る取付孔を備え、前記取付ボルトを用いて前記スタビライザーの取り付け位置に固定できることを特徴とするリアキャリア。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載されたリアキャリアにおいて、
前記下部フレームは、前記主面から垂直方向に延出して前記主面側に前記固定部及び先端側に前記支持部を有するサイドプレートと、前記サイドプレートの下面から前記主面に沿って延出して接触する突っ張りを備えたことを特徴とするリアキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワンボックスカーのバックドア(リアドアともいう)の主面(車両背面)に取り付ける荷物を支持するリアキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の外側に荷物を取り付ける際にルーフキャリアが多用されている。車両がワンボックスカーの場合、ルーフに荷物を取り付けようとすると車高が高く地上から届かないことがあり、踏み台、脚立などを用いなければならない。脚立を用いて荷物を取り付けた場合には、その脚立をルーフに取り付けることができない。
そこでワンボックスカーではルーフキャリアのほか、バックドアに荷物を取り付けることができるリアキャリアが利用されている。
特許文献1に開示のキャリアは、バックドアの上下方向に車両取付具を引っ掛けて物品収容箱を取り付けている。
特許文献2に開示のキャリアは、物品を上方から受入れて保持する収容本体と、収容本体をバックドアに懸吊状態で支持する掛止部材と、収容本体をバックドアの外側に着脱自在に固定する固定部材からなり、収容本体をバックドアの外側に取り付けている。
【0003】
しかしながら、特許文献1,2に開示のキャリアはいずれもバックドアの上下方向に引掛ける取付具又は掛止部材を用いているため、一旦、取付具又は掛止部材をバックドアの所定箇所に取り付けてその後に物品収容箱又は収容本体を取り付けるとナンバープレートやテールランプが隠れてしまうことがある。この場合ナンバープレート等が見えるように取付具又は掛止部材の取付位置をずらさなければならず、再度の取り付け作業が煩雑となっていた。
また特許文献1、2に開示のキャリアは、箱状であり、後方の視界が遮られることがあり、さらに脚立、スキーなどの長尺物を収容することができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-53033号公報
【特許文献2】特開2002-205602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、ワンボックスカーのバックドアに荷物を容易に取り付け又は取り外しできるリアキャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、ワンボックスカーのバックドアの主面に取り付ける荷物を支持するリアキャリアにおいて、
前記バックドアの上方の両側辺に引っ掛けて前記主面と所定間隔を開けて水平方向に固定し、前記荷物の上方を支持する上部フレームと、
前記バックドアの下方の両側辺に接して前記主面と所定間隔を開けて水平方向に前記上部フレームと並べて固定し、前記荷物の下方を支持する下部フレームと、
前記下部フレームの軸心と直交方向に延出して前記荷物の下面を支持するアームを有することを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第1の手段によれば、バックドアの両側面に引っ掛け又は接して取り付けるため、脚立などを用いずに地上から容易に取り付けることができる。またナンバープレートやテールランプが荷物で隠れてしまうときに、容易に取付位置を変えることができる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、第1の手段において、前記上部フレーム及び下部フレームは、前記主面の水平方向に亘って延出するフレームバーと、前記フレームバーの両端を支持する支持部及び前記バックドアの側辺に引っ掛ける又は固定する固定部を有するステーを有することを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第2の手段によれば、上部及び下部フレームはフレームバーとステーの分割構造であり、一対のステー、フレームバーの組立て順に従って一人で容易に設置することができる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第3の手段として、第2の手段において、前記フレームバーは、前記主面と相対する面に長手方向に沿って凹部を設け、前記凹部内に取付ボルトの頭部を収容して前記凹部のスリットから軸部を突出させたときにスリット幅は前記軸部の直径よりも長く頭部の対辺寸法よりも短いことを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第3の手段によれば、取付ボルトが凹部のスリットに沿って水平方向にスライドできるため、荷物の水平方向の取付位置を任意に変えることができる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記アームは、前記下部フレームの取り付け箇所に前記下部フレームの軸回りに回転する回転部又は前記下部フレームからの突出量を変える伸縮部を備えたことを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第4の手段によれば、アームの使用時と不使用時の態様を容易に変えることができる。またアームを常時下部フレームに取り付けておくことができる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための第5の手段として、第1ないし第4のいずれか1の手段において、前記下部フレームは、前記バックドアの両側面のスタビライザーの取付ボルトが嵌る取付孔を備え、前記取付ボルトを用いて前記スタビライザーの取り付け位置に固定できることを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第5の手段によれば、スタビライザーと下部フレームの取り付け位置を兼用できる。また車両本体の既存構造(取付ボルト)を用いて容易に取り付けることができる。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するための第6の手段として、第1ないし第5のいずれか1の手段において、前記下部フレームは、前記主面から垂直方向に延出して前記主面側に前記固定部及び先端側に前記支持部を有するサイドプレートと、前記サイドプレートの下面から前記主面に沿って延出して接触する突っ張りを備えたことを特徴とするリアキャリアを提供することにある。
上記第6の手段によれば、荷物の荷重を受ける下部フレームの剛性を高めて、前記荷重による損傷を回避できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ワンボックスカーのバックドアに荷物を容易に取り付け又は取り外すことができる。またワンボックスカーのバックドアに取り付ける荷物の取り付け位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】バックドアに固定した本発明のリアキャリアの斜視図である。
図2】上部フレームの分解斜視図である。
図3】下部フレーム及びアームの分解斜視図である。
図4】上部ステーの取り付け説明図である。
図5】上部フレームバーの取り付け説明図である。
図6】下部ステー及び下部フレームバーの取り付け説明図である。
図7】アームの取り付け説明図である。
図8】変形例1のアームの動作説明図である。
図9】変形例2のアームの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のリアキャリアの実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
なお本発明のリアキャリアの取付対象となる車種は車両の背面に上下に開閉するバックドアを有するワンボックスカーである。
また本発明のリアキャリアに取り付ける荷物は、脚立、子供用自転車、コンテナボックス、スキー、スノーボードなどである。
【0015】
(リアキャリア10)
図1は、バックドアに固定した本発明のリアキャリアの斜視図である。図2は上部フレームの分解斜視図である。図3は下部フレーム及びアームの分解斜視図である。
図示のように本発明のリアキャリア10は、ワンボックスカー1のバックドア2の主面に取り付ける荷物3を支持するキャリアであり、バックドア2の上方の両側辺に引っ掛けて主面と所定間隔を開けて水平方向に固定し、荷物3の上方を支持する上部フレーム20と、バックドア2の下方の両側辺に接して主面と所定間隔を開けて水平方向に上部フレーム20と並べて固定し、荷物3の下方を支持する下部フレーム30と、下部フレーム30の軸心と直交方向に延出して荷物3の下面を支持するアーム40を有している。上部フレーム20及び下部フレーム30は、主面の水平方向に亘って延出するフレームバー(上部フレームバー22,下部フレームバー32)と、フレームバーの両端を支持する支持部及びバックドア2の側辺に引っ掛ける又は固定する固定部を有するステー(上部ステー26,下部ステー36)を有している。
【0016】
[上部フレーム20]
上部フレーム20は、バックドア2の主面の水平方向に亘って延出する上部フレームバー22と、上部フレームバー22の両端を支持する支持部27及びバックドア2の側辺に引っ掛ける固定部28を有する上部ステー26を有している。
(上部フレームバー22)
上部フレームバー22は、バックドア2の主面の水平方向に亘って延出する長尺、所定強度を備えた金属製の棒部材である。上部フレームバー22の断面形状は、中心矩形と、中心矩形を間に挟んで相対する凹部23を備えた形状に形成している(図5参照)。フレームバーの相対する面に設けた凹部23は中心に長手方向に沿ってスリット24を備えている。凹部23は後述する支持部27の取付ボルト27bの頭部を収容する箇所であり、スリット24は、後述する支持部27の取付ボルト27bの軸部が突出する箇所であり、スリット24の幅は軸部の直径よりも長く頭部の対辺寸法よりも短く設定している。
【0017】
(上部ステー26)
上部ステー26は、上部フレームバー22の両端を支持する支持部27及びバックドア2の側辺に引っ掛ける固定部28を有している。図4は上部ステーの取り付け説明図である。図5は上部フレームバーの取り付け説明図である。
固定部28は、バックドア2の側辺端部に引っ掛かるフック28aと、バックドア2の主面に接触するベース28bと、フック28aとベース28bを締め付ける締付ボルト28cを有している。
支持部27は、上部ステー26の上面に設けた取付孔27aと、取付孔27aに螺合する取付ボルト27bと、上部フレームバー22の端部を覆うキャップ27cを有している。
このような構成の上部フレーム20は、上部ステー26の固定部28のフック28aとベース28bの間にバックドア2の側辺を挟んで引っ掛ける。その後、締付ボルト28cを締め込んで固定する。バックドア2の両側辺の水平方向に上部ステー26を固定した後、上部フレームバー22のスリット24を上部ステー26の支持部27の取付孔27aに位置合わせして取付ボルト27bで締め付けて固定する。また上部フレームバー22の両端にキャップ27cを嵌め込む。これによりバックドア2の主面に対して所定間隔を開けて上部フレームバー22を取り付けることができる。
【0018】
なお、上部フレーム20の取り付け箇所は、バックドア2の上方の任意箇所に設定できる。このとき、バックドア2の横(水平方向)長さは上方に向かって短くなることがある。このような場合であっても、上部フレームバー22のスリット24の形態によって、フレームバーの長手方向に沿って任意位置にずらすことができるため、取り付けが極めて容易となる。
また、上部フレーム20の取り付け位置が決まっている場合、上部フレームバー22はスリットなしで取付孔を備えた棒部材であっても良い。
また取付ボルト27bを挿入しないスリット24には、可撓性のモール29を嵌め込んでいる。
[下部フレーム30]
下部フレーム30は、上部フレーム20と同様に、バックドア2の主面の水平方向に亘って延出する下部フレームバー32と、下部フレームバー32の両端を支持する支持部37及びバックドア2の側辺に固定する固定部38を有する下部ステー36を有している。
【0019】
(下部フレームバー32)
下部フレームバー32は、上部フレームバー22と同様にバックドア2の主面の水平方向に亘って延出する長尺、所定強度を備えた金属製の棒部材である。下部フレームバー32の断面形状は、中心矩形と、中心矩形を間に挟んで相対する凹部33を備えた形状に形成している(図6参照)。フレームバーの相対する面に設けた凹部33は中心に長手方向に沿ってスリット34を備えている。凹部33は後述するアーム40の取付ボルト42bの頭部を収容する箇所であり、スリット34は、後述するアーム40の取付ボルト42bの軸部が突出する箇所であり、スリット34の幅は軸部の直径よりも長く頭部の対辺寸法よりも短く設定している。
(下部ステー36)
図6は下部ステー及び下部フレームバーの取り付け説明図である。下部ステー36は、バックドア2の主面から突出(垂直方向に延出)して主面側に固定部38及び先端側に支持部37を有するサイドプレート36aと、サイドプレート36aの下面から主面に沿って延出して接触する突っ張り36bを備えている。
【0020】
サイドプレート36aは、バックドア2の側面視でほぼ三角形状の支持板であり、バックドア2側に固定部38を備え、バックドア2から離れる方向の先端側に支持部37を有している。サイドプレート36aは下部フレームバー32を支持する辺よりもバックドア2側の辺を長く設定していることにより所定重量の荷物3に対して強度を保持して変形を回避できる。またサイドプレート36aの下面から下方に延出する突っ張り36bの形態により、さらにバックドア2側の辺を長くし、バックドア2の側面及び主面の2面で接触面積も増やせるため強度を保持して変形を回避できる。
固定部38は、バックドア2の側辺のスタビライザー4(車両本体とバックドア2の隙間を埋める剛性部材)の取付ボルト4aが嵌る取付孔38aを備えている。
支持部37は、下部フレームバー32の端部を覆うサイドロック37aと、サイドロック37aの取付ボルト37b及びナット37c及び取付孔37dからなる。
【0021】
このような構成の下部フレーム30は、スタビライザー4の取付ボルト4aを緩めて外し、スタビライザー4の取付孔と固定部38の取付孔38aの位置合わせを行い、再度取付ボルト4aを締め付けることによりスタビライザー4の取り付け箇所に下部ステー36を固定できる。換言するとスタビライザー4と下部ステー36の取り付け位置を兼用できる。下部フレームバー32の両端を支持するサイドロック37aの取付孔を支持部37の取付孔37dに位置合わせした後、取付ボルト37b及びナット37cで締め付けて固定する。バックドア2の主面に対して所定間隔を開けて下部フレームバー32を取り付けることができる。
なお、下部ステー36はスタビライザー4の取付ボルト及び取付孔を利用する形態の他、上部ステー26と同様にバックドア2の側辺に引っ掛ける形態であっても良い。
また下部フレームバー32のバックドア2と対向しないスリット34には、可撓性のモール39を嵌め込んでいる。
【0022】
[アーム40]
下部フレーム30は、(下部フレームバー32の)軸心と直交方向に延出して荷物3の下面を支持するアーム40を備えている。図7はアームの取り付け説明図である。図7に示すアーム40は、U字状であり、端部に回転部42を有している。回転部42は、ベース42aと、取付ボルト42b及びナット42cを有している。ベース42aは下部フレームバー32のスリット34と対向する取付孔42dを備えている。またベース42aはアーム40の水平位置(荷物3を載せる位置)及び垂直位置(荷物3を載せていない位置)に回転しながら切り替える軸42fを備え、水平位置及び垂直位置で固定できる嵌め合いのロック部42gを備えている。
このような構成のアーム40は、下部フレームバー32のスリット34に取付ボルト42bを収容して取付孔42dを位置合わせしてナット42cを螺合する。その後、下部フレームバー32の任意位置まで移動してナット42cを本締めして固定できる。バックドア2に荷物3を取り付ける際には、アーム40を水平方向に回転して倒してロック部42gで固定して載せることができる。荷物3を下ろした後は、アーム40を垂直方向に回転して起こす。これにより荷物3を積まない未使用時に下部フレーム30からアーム40を取り外す必要がない。
【0023】
図8は変形例1のアームの説明図である。図示のように変形例1のアーム40Aは、ベース41と、取付ボルト及び蝶ナット41aと、アーム40本体に取付孔43を有している。このような構成により下部フレームバー32にアーム40Aを水平方向に取り付ける場合(荷物3あり)は、ベース41の取付孔(不図示)を下部フレームバー32のスリット34に位置合わせして取付ボルト及び蝶ナット41aで締め付け固定する。一方、下部フレームバー32にアーム40Aを垂直方向に取り付ける場合(荷物3なし)は、アーム40Aを起こしてアーム40本体の取付孔43を下部フレームバー32のスリット34に位置合わせして取付ボルト及び蝶ナット41aで締め付け固定する。
【0024】
図9は変形例2のアームの説明図である。図示のように変形例2のアーム40Bは、伸縮部となるベース44と、取付ボルト及び蝶ナット45と、アーム40本体の複数の取付孔46と、ベース44に取付孔46と対向する箇所に固定ピン47を有している。このような構成により下部フレームバー32にアーム40Bを水平方向に取り付ける場合(荷物3あり)は、ベース44の取付孔(不図示)を下部フレームバー32のスリット34に位置合わせして取付ボルト及び蝶ナット45で締め付け固定する。荷物3を載せない場合には、ベース44の固定ピン47を解除してアーム40Bをバックドア2側に押込み後車側への突出量を少なくして取付孔46に固定ピン47でロックする。
【0025】
(作用)
ワンボックスカー1のバックドア2へリアキャリア10を取り付ける際は、一人の場合、フレームバーとステーを分割しておき、バックドア2の両側辺に水平方向に一個ずつステーを取り付ける。その後フレームバーを取り付けることによりフレームを容易に取り付けることができる。また複数人の場合には、フレームバーとステーを予め組み立てた一体型のフレームとし、フレームの両端を支持しながらバックドア2へ容易に取り付けることができる。なお下部フレームバー32には予めアーム40を取り付けておくと良い。
脚立などの荷物3をバックドア2に取り付ける際、脚立下方の踏ざんをアーム40上に置き、下部フレームバー32と踏ざんに跨るように荷締めベルト50を巻き回して固定する。また脚立上方と上部フレームバー22に跨るように荷締めベルト50を巻き回して固定する。
荷物3の形態、例えばボックス形状などにより、ナンバープレート、テールランプが荷物3で隠れてしまう場合には、下部フレームバー32のアーム40の取付位置を水平方向にずらして、ナンバープレート等が隠れないように容易に移動することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 ワンボックスカー
2 バックドア
3 荷物
4 スタビライザー
4a 取付ボルト
10 リアキャリア
20 上部フレーム
22 上部フレームバー
23 凹部
24 スリット
26 上部ステー
27 支持部
27a 取付孔
27b 取付ボルト
27c キャップ
28 固定部
28a フック
28b ベース
28c 締付ボルト
30 下部フレーム
32 下部フレームバー
33 凹部
34 スリット
36 下部ステー
36a サイドプレート
36b 突っ張り
37 支持部
37a サイドロック
37b 取付ボルト
37c ナット
37d 取付孔
38 固定部
38a 取付孔
40,40A,40B アーム
41 ベース
41a 取付ボルト及び蝶ナット
42 回転部
42a ベース
42b 取付ボルト
42c ナット
42d 取付孔
42f 軸
42g ロック部
43 取付孔
44 ベース
45 取付ボルト及び蝶ナット
46 取付孔
47 固定ピン
50 荷締めベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9