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  • 特開-インクジェット記録装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089027
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 303
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201235
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪妻 権介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB27
2C056EB29
2C056EC54
2C056FA10
2C056HA37
2C056HA60
2C056JA01
(57)【要約】
【課題】記録媒体に対し印字すると共に、記録媒体の適切な位置に印章を自動的に押印することが可能なインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】プリンタ400は、インクを吐出する記録ヘッド41と、キャリッジ42と、押印ユニット6とを備える。記録ヘッド41はキャリッジ42に保持され、キャリッジ42の移動に従って移動する。キャリッジ42は、記録媒体900の搬送方向と交差する幅方向へ往復移動可能である。このキャリッジ42に押印ユニット6が備え付けられ、押印ユニット6はキャリッジ42の移動に従って幅方向に往復移動する。押印ユニット6では、垂直方向に移動可能な印章保持ホルダ62に印章61が保持されている。これにより、記録媒体900に押印を自動で行うことができる。特に、記録媒体900に対し印刷状態に応じて押印位置を変えなければならない場合に、適切な位置に印章61を移動させて自動的に押印することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体へインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、
前記インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体の搬送方向と交差する幅方向に往復移動する、前記記録ヘッドが備え付けられたキャリッジと、
前記記録媒体に押印するための押印手段と、を備え、
前記押印手段は、前記キャリッジに備え付けられている、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記押印手段は、印章を保持する保持体と、前記保持体を前記記録媒体に対し昇降させて、前記印章を前記記録媒体に押し当てる昇降手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記記録ヘッドと前記押印手段とは、前記記録ヘッドのインク吐出口と前記保持体に保持された前記印章とが前記幅方向において並ぶように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記記録ヘッドのインク吐出口を覆うキャップを有するキャッピング手段と、
前記印章にインクを供給するインク供給台と、を備え、
前記キャッピング手段は、前記インク吐出口を前記キャップにより覆うために前記記録ヘッドへ向けて移動した際に、前記インク供給台を前記印章に向けて移動させる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
記録媒体に形成された画像を検出する検出手段を備え、
前記検出手段は、前記キャリッジに備え付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記キャリッジを移動させ、前記検出手段により記録媒体の所定領域において画像が検出されなかった位置に、前記記録ヘッドによる画像の形成と前記押印手段による押印とを行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に対し画像を形成すると共に印章を自動的に押印するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
免許証、個人番号カード、在留カード、特別永住者証明書、通知カード、個人番号カードなどの記録媒体には、所有者の住所や氏名が変更された場合に変更事項を記入可能な記入領域(所謂、追記欄)が設けられている。そして、記入領域に新たに変更事項が記入される度に、記入された変更事項が真正であることを証明するために、記録媒体に公印が押印される。従来、上記した記録媒体の記入領域に変更事項を印刷可能なプリンタを備えたシステムが提案されている(特許文献1)。ただし、特許文献1に記載のシステムでは、公印は変更事項を印刷した記録媒体に対し手動で押印されている。
【0003】
これに対し、単票形の小切手や手形などの記録媒体を対象として、これらに印刷と押印とを自動で行う自動チェックライターが提案されている(特許文献2)。チェックライターは、記録媒体に必要事項を印刷可能なプリンタと、印章を押印する押印カセットを備え、押印カセットはプリンタによる印刷終了後にプリンタから搬送される記録媒体の特定の位置(押印位置と呼ぶ)に、印章を自動的に押印する。押印カセットは着脱自在に設けられており、使用者は印章の押印位置が異なる記録媒体を用いる都度、それに対応した押印カセットに交換している。押印カセットを交換することで、印章は記録媒体の適切な位置に押印される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-16525号公報
【特許文献2】特開2002-326439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、証明書の記載変更(追記)を一度に多数枚扱う特許文献1に記載されたシステムに、特許文献2に記載されたような押印カセットを交換する方式を適用すると、使用者の作業性が著しく低下する。例えば、免許証や個人番号カードの記入領域に記載される変更後の住所は個人毎に印字数が異なることから、公印(印章)を押印する記録媒体の押印位置は住所の文字数に応じて変動する(通常、公印は最後に記入された文字の隣に押印される)。このように、記録媒体の押印位置が変わる場合には、その都度、使用者は押印カセットを交換しなければならず、手間がかかって面倒であり、作業効率が低下する。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされ、記録媒体に対し印字すると共に印章を自動的に押印可能とした構成で、記録媒体の適切な位置に印章を押印することができるインクジェット記録装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、記録媒体へインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、前記インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向と交差する幅方向に往復移動する、前記記録ヘッドが備え付けられたキャリッジと、前記記録媒体に押印するための押印手段と、を備え、前記押印手段は、前記キャリッジに備え付けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録媒体に対し印字すると共に、記録媒体の適切な位置に印章を自動的に押印することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のインクジェット記録装置を用いた印刷システムを示す概略図。
図2】記録媒体の一例として個人番号カードを示す図。
図3】インクジェット記録装置を示す斜視図であり、(a)記録媒体の初期セット状態、(b)記録媒体の印刷開始状態。
図4】メンテナンスユニットを示す図であり、(a)インク非供給時、(b)インク供給時。
図5】押印ユニットを示す図であり、(a)非押印状態、(b)押印状態。
図6】インクジェット記録装置の他の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[印刷システム]
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態のインクジェット記録装置を用いた印刷システムの概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1に示す印刷システム100は、端末装置200、スキャナ300(あるいはカードリーダ)、インクジェット記録装置(以下、プリンタとも呼ぶ)400を備えている。スキャナ300及びプリンタ400は端末装置200にデータ通信可能に接続されており、端末装置200によって制御される。そして、端末装置200は、住基データベース800に有線あるいは無線の通信インタフェースを介してデータ通信可能に接続できるようになっている。それ故、使用者は端末装置200を利用して住基データベース800にアクセスすることで、個人情報などが記載された記録媒体900(図2参照)の記載変更(追記)を行うことができる。
【0011】
なお、ここでは記録媒体900として、図2に示すような、氏名、住所、誕生日などが記載された個人番号カードを例に挙げたが、これに限らない。例えば、免許証、在留カード、特別永住者証明書、通知カード、小切手、手形などの、印章の押印が必要な記録媒体900であればどのようなものであってもよい。
【0012】
使用者が印刷システム100を用いて行う、記録媒体900(個人番号カード)の記載変更作業について述べる。使用者は、まずスキャナ300により記録媒体900に記載されている個人情報を読み取る。使用者は、端末装置200から住基データベース800にアクセスし、読み取った個人情報を元に住基データベース800に記憶されている中からその個人の登録データ(変更前)を読み出す。そして、端末装置200から変更情報を入力することで、読み出した登録データの内容を書き換えて、住基データベース800に再登録する。その後、使用者は端末装置200に接続されたプリンタ400によって、記録媒体900の記入領域(所定領域)901に変更情報を印刷する。そして、本実施形態の場合、後述するように、プリンタ400は記入領域901への印刷を終了すると、引き続き自動的に公印(印章)を押印する。
【0013】
[インクジェット記録装置]
本実施形態のプリンタ400は、端末装置200から送信される情報(端末装置200が住基データベース800から受信した情報を含む)に基づいて、インクを用いて記録媒体900に文字や図形などの画像を形成するインクジェット記録装置である。本実施形態のプリンタ400について、図3(a)乃至図6を用いて説明する。
【0014】
図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態のプリンタ400は、記録ヘッド41と、キャリッジ42と、押印ユニット6と、メンテナンスユニット7とを備えている。プリンタ400は、不図示のコントロール基板を介して端末装置200(図1参照)に接続される。コントロール基板は例えばCPUやROM、RAM等を有する制御部であり、端末装置200から送信される制御信号や印刷データ等に基づいて記録媒体900に対する印刷と押印とを行うようにプリンタ400を制御する。
【0015】
また、本実施形態のプリンタ400は記録媒体900を搬送するために、搬送手段としての第1搬送ローラ31及び第2搬送ローラ32を有している。これら2本のローラ(31、32)は、記録媒体900の搬送方向(矢印B方向)における記録媒体900の長さよりも短い間隔で平行に配置されている。第1搬送ローラ31は、ベルト34を介して伝達される搬送モータ33の駆動力によって回転する。他方、第2搬送ローラ32は第1搬送ローラ31とベルト35を介して接続され、第1搬送ローラ31に同期して回転する。そして、第1搬送ローラ31と対を成すようにピンチローラ36が設けられ、第2搬送ローラ32と対を成すように拍車ローラ37が設けられている。記録媒体900は、第1搬送ローラ31とピンチローラ36に挟持され、また第2搬送ローラ32と拍車ローラ37に挟持されて、搬送方向(矢印B方向)へ搬送される。
【0016】
記録ヘッド41は、インクを吐出するインク吐出口を備えたヘッド部と、ヘッド部にインクを供給するインクタンクが一体化されたものである。記録ヘッド41には、一端側がコントロール基板(不図示)に接続されている信号ケーブル47の他端側が接続されている。記録ヘッド41は、コントロール基板(不図示)から送信されるインクの吐出信号を受信することに応じて、ヘッド部からインクを吐出して記録媒体900に画像を形成する。記録ヘッド41はキャリッジ42に保持されており、キャリッジ42の移動に従って移動する。なお、信号ケーブル47は、キャリッジ42の移動に伴い変形してキャリッジ42に追従できる柔軟性を有している。
【0017】
キャリッジ42は、記録媒体900の搬送方向(矢印B方向)に交差する幅方向(矢印C方向及びD方向)へ往復移動可能に設けられている。キャリッジ42は、メインフレーム51に幅方向に延設されているレール52とサブレール53に保持された状態で、一対のプーリ45a、45bに掛けられたベルト48に固定されている。プーリ45aは、キャリッジ駆動モータ(不図示)の回転軸に固定されていて、キャリッジ駆動モータによって正回転又は逆回転し、ベルト48を時計回り又は反時計回りに駆動させる。このベルト48の回転に従って、キャリッジ42はレール52とサブレール53とに挟まれて上下動の動きが規制されつつ幅方向へ案内されるようにして、幅方向へ往復移動する。キャリッジ42の基準位置は、透過センサ(不図示)の出力結果に従ってコントロール基板により決定される。移動中のキャリッジ42の位置と記録ヘッド41からインクを吐出させるタイミングは、メインフレーム51に固定されたリニアスケール54を基に、コントロール基板により決定される。
【0018】
図4(a)に示すように、キャッピング手段としてのメンテナンスユニット7は、第1ベース71と、第1ベースを保持する第2ベース75と、記録ヘッド41のインク吐出口が形成されたインク吐出口形成面41aを覆うためのキャップ72と、印章61に不滅インク(シャチハタ社)を供給するためのスタンプ台73(インク供給台)と、を有している。キャップ72とスタンプ台73は第1ベース71の上部に設置され、第1ベース71は、その側面に設けられた4つのユニットアーム76で第2ベース75の溝77と係合し、第2ベース75に保持されている。
【0019】
また、第1ベース71はレバー74を有しており、レバー74が移動するキャリッジ42に押されて矢印D方向へ移動すると、第1ベース71がD方向へ移動しながら溝77に沿って上昇する。その際に、図4(b)に示すように、キャップ72は記録ヘッド41のインク吐出口形成面41aに当接し、スタンプ台73は印章61の下面に当接する。さらに、第1ベース71は、矢印C方向へ付勢するバネ(不図示)で第2ベース75に接続されており、キャリッジ42が矢印C方向へ移動すると、第1ベース71は矢印C方向へ移動しながら溝77に沿って降下する。
【0020】
[押印ユニット]
本実施形態では、上述したキャリッジ42に押印手段としての押印ユニット6が設けられ、押印ユニット6はキャリッジ42の移動に従って幅方向に往復移動する。図5(a)及び図5(b)に示すように、押印ユニット6は、印章61と、印章61を着脱自在に保持する保持体としての印章保持ホルダ62と、印章保持ホルダ62を垂直方向に移動させて印章61を記録媒体900に押し当てるソレノイド64を備えている。印章保持ホルダ62とソレノイド64のプランジャー64aは、固定軸67の周りに回動するアーム63を介して接続され、アーム63はバネ65によって印章保持ホルダ62を記録媒体900から離間する方向に付勢されている。また、印章保持ホルダ62には、印章61の取付位置を調整するねじ66が設けられており、印章61の押付力が調整できるようになっている。作業者は、記録媒体900に応じて所望の印章61を印章保持ホルダ62に装着して用いることができる。なお、本実施形態において、アーム63、ソレノイド64、バネ65は、印章保持ホルダ62に保持された印章61を記録媒体900印章保持ホルダ62に押し当てる昇降手段を構成する。
【0021】
[印刷及び押印動作]
次に、上記したプリンタ400による記録媒体900に対する印刷と押印の各動作について、適宜に図を参照しながら説明する。まず、使用者は記録媒体900をガイド55に沿わせて矢印B方向へ挿入するようにして初期セットする(図3(a)参照)。そして、反射センサ56が記録媒体900を検出する位置まで、記録媒体900が挿入されると、反射センサ56の検出に応じて搬送モータ33が回転開始する。これにより、記録媒体900は、印刷開始位置(詳しくは、記録ヘッド41の複数の吐出口が幅方向に1列に並んだノズル列が記入領域901の搬送方向先端側から1行目を通過する位置)へ搬送される(図3(b)参照)。
【0022】
記録媒体900が印刷開始位置に到達すると、2本のローラ(31、32)による記録媒体900の搬送が一時停止され、その後、キャリッジ42が矢印C方向へ移動される。そして、キャリッジ42が反転され矢印D方向へ移動されるときに、端末装置200から送信される印刷データと、リニアスケール54による位置情報とに基づいて、記録ヘッド41からインクが吐出され、記録媒体900への印刷が行われる。このとき、印刷する文字が多く1回の走査で印刷しきれない場合は、記録媒体900がノズル列の搬送方向長さ分だけ矢印B方向へ搬送された後、再度、キャリッジ42が矢印D方向へ移動されるときに印刷が行われる。
【0023】
記録媒体900への印刷が終了すると、記録媒体900は矢印A方向又は矢印B方向へ搬送されて、印章61が通過するライン上に記録媒体900の押印位置が来るように調整される。また、同時に、印章61が押印位置に来るようにキャリッジ42が矢印C方向又は矢印D方向へ移動される。その後、押印ユニット6のソレノイド64が起動され、アーム63をバネ65の付勢力に逆らう向きに揺動する(図5(a)、図5(b)参照)。すると、アーム63に係合された印章保持ホルダ62が記録媒体900に向け垂直に降下するので、印章61が記録媒体900に押し当てられ押印が行われる(図5(b)参照)。ソレノイド64が停止されると、アーム63がバネ65の付勢力によって元の位置に戻り、それに応じて印章61が記録媒体900から離れることにより、印章61の押印が終了する。
【0024】
印章61の押印終了後、キャリッジ42は待機位置(詳しくは、キャップ72が記録ヘッド41のインク吐出口形成面41aに当接する位置(図4(b)参照)に戻される。また、記録媒体900は矢印B方向に搬送されプリンタ400から排出される。そして、キャリッジ42は矢印D方向へ移動し待機位置に戻る際に、レバー74を押して第1ベース71を上昇させる。第1ベース71が上昇すると、スタンプ台73が印章61の下面に当接して、印章61に不滅インクが付着する(図5(b)参照)。
【0025】
なお、第1ベース71が上昇すると、キャップ72が記録ヘッド41のインク吐出口形成面41aに当接してインク吐出口(ノズル)を覆う。こうしてキャップ72がインク吐出口を覆うことで、インク吐出口からインクが蒸発し難くできる。また、ノズル内のインクが増粘して吐出能力が低下しているような場合には、インク吐出口形成面41aにキャップ72を当接させた状態でインク吐出口からインクを強制的に吐出させることで、ノズルのインク吐出能力を回復させることができる。
【0026】
以上のように、本実施形態では、記録ヘッド41を保持して移動させるキャリッジ42に、押印用に印章61を保持した押印ユニット6を備え付けている。記録ヘッド41はキャリッジ42により移動されることで、記録媒体900の記入領域901にインクを吐出して画像を形成する。このように、記録ヘッド41を移動させるキャリッジ42に押印ユニット6を備え付けることで、押印ユニット6も記録ヘッド41と同様にキャリッジ42の移動に従って移動し得る。これにより、印章61の押印が必要とされる記録媒体900の記入領域901に押印を自動で行うことができる。特に、記録媒体900の記入領域901における印刷状態(例えば印字数)に応じて印章61の押印位置を変えなければならない場合に、印刷状態に応じた適切な位置に印章61を移動させて自動的に押印するので、作業者の利便性を向上できる。したがって、作業者は、印章61の押印が必要な記録媒体900に対する印刷作業を効率よく実施することが可能である。
【0027】
なお、押印ユニット6は、記録ヘッド41のインク吐出口と印章保持ホルダ62に保持された印章61とが幅方向において並ぶようにしてキャリッジ42に備え付けられているのが好ましい。こうした場合、記録媒体900への印刷後に、記録ヘッド41を移動させることなく印刷終了した位置のまま、印刷した最後の文字の後に印章61を押印することができるので有利である。
【0028】
<他の実施形態>
なお、プリンタ400は、図6に示すように、キャリッジ42に光学センサ80を搭載することが可能である。これにより、記録媒体900の記入領域901における未記入位置を自動的に検出することができる。この構成の場合、プリンタ400に記録媒体900が差し込まれると、これを検出して搬送モータ33が駆動し、記録媒体900が印刷開始位置(記録ヘッド41のノズル列が記入領域901の1行目を通過する位置)まで搬送される。その後、キャリッジ42が矢印C方向へ移動を開始して、検出手段としての光学センサ80が記入領域901の1行目の文字の有無を検出する。
【0029】
記入領域901の1行目に文字がない場合には、記録媒体900は印刷開始位置まで戻され、キャリッジ42は待機位置へ戻される。また、不図示のコントロール基板(詳しくはCPU)に1行目が空欄であることが伝達され、コントロール基板は1行目に印刷および押印するように設定を行う。反対に、記入領域901の1行目に文字が存在する場合は、記録媒体900が1行分矢印B方向へ搬送され、キャリッジ42が矢印D方向へ移動を開始して、光学センサ80が2行目の文字の有無を検出する。
【0030】
記入領域901の2行目に文字がない場合は、記録媒体900が印刷開始位置まで戻され、キャリッジ42が待機位置へ戻される。また、コントロール基板に2行目が空欄であることが伝達され、コントロール基板は2行目に印刷および押印するように設定を行う。反対に、記入領域901の2行目に文字が存在する場合は、3行目以降に空欄が見つかるまで上記と同様の操作が繰り返し実施される。 さらに、記入領域901に空欄が見つからない場合は、記録媒体900が装置外へ排出され、コントロール基板に記入領域901に空欄がないことが通知される。
【0031】
こうすることにより、記録媒体900の記入領域901における印刷状態(例えば印字数)に応じて印章61の押印位置を変えなければならない場合に、印刷状態に応じた適切な位置に印章61を移動させて自動的に押印することができる。したがって、作業者の利便性を向上でき、もって、作業者は印章61の押印が必要な記録媒体900に対する印刷作業を効率よく実施することが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
6…押印手段(押印ユニット)、7…キャッピング手段(メンテナンスユニット)、31、32…搬送手段(第1搬送ローラ、第2搬送ローラ)、41…記録ヘッド、42…キャリッジ、61…印章、62…保持体(印章保持ホルダ)、63、64、65…昇降手段(アーム、ソレノイド、バネ)、72…キャップ、73…インク供給台(スタンプ台)、80…検出手段(光学センサ)、400…インクジェット記録装置(プリンタ)、900…記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6