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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089047
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/01 20060101AFI20220608BHJP
   E06B 1/56 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
E06B9/01 B
E06B1/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201267
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】金森 英晃
(72)【発明者】
【氏名】三室 智史
(72)【発明者】
【氏名】南 孝昭
【テーマコード(参考)】
2E011
2E020
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011JA02
2E011KB03
2E011KC01
2E020AB06
2E020AB08
2E020BA02
2E020BB01
2E020BB02
2E020BB03
2E020BC01
(57)【要約】
【課題】建物開口部に配置される建具に対して、容易に面格子等を取り付け可能とする。
【解決手段】建物開口部に固定される枠体と、枠体の屋外側に配置される機能部材を備え、枠体は、屋外側見付壁を有しているとともに、屋外側見付壁に長尺平板状の取付補助材が内周側に突出するように固定されており、機能部材は、取付補助材に取付可能な取付部材によって枠体に取付けられている。
【選択図】 図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に固定される枠体と、枠体の屋外側に配置される機能部材を備え、
枠体は、屋外側見付壁を有しているとともに、屋外側見付壁に長尺平板状の取付補助材が内周側に突出するように固定されており、
機能部材は、取付補助材に取付可能な取付部材によって枠体に取付けられている建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置される建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物開口部に固定される枠体(外枠)に対して、補助枠(アタッチメント枠)を介して窓種の異なる建具を配置することのできる建具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-52225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の建具は、外枠に固定された無目の上方にはアタッチメント枠を介して開き窓が配置されており、無目の下方にはFIX窓が配置されている。
近年、防犯のために建具の屋外側に面格子を配置することを求める顧客が増えており、顧客の要求に応じて建具の屋外側に面格子を配置する場合がある。
【0005】
本発明は、建物開口部に配置される建具に対して、容易に面格子を取り付け可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の建具は、建物開口部に固定される枠体と、枠体の屋外側に配置される機能部材を備え、枠体は、屋外側見付壁を有しているとともに、屋外側見付壁に長尺平板状の取付補助材が内周側に突出するように固定されており、機能部材は、取付補助材に取付可能な取付部材によって枠体に取付けられている建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の建具によれば、建物開口部に配置される建具に対して、容易に面格子を取り付け可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の建具の外観図である。
図2】実施形態の建具の竪断面図である。
図3】実施形態の建具の下窓部分の横断面図である。
図4】実施形態の建具の上窓部分の横断面図である。
図5】実施形態の建具の下窓部分の横断面図であり、(a)は右竪枠部分の面格子を外した分解横断面図であり、(b)は右竪枠部分の横断面図である。
図6】実施形態の建具の上窓部分の横断面図であり、(a)は面格子を取り付ける前の右竪枠部分の分解横断面図であり、(b)は右竪枠部分の面格子を外した分解横断面図であり、(c)は右竪枠部分の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の建具について、建物開口部の内周に取付けられる枠体に対して、無目を挟んで上下に窓を有する段窓の例を用いて、図面を参考にして説明する。
【0010】
本実施形態の建具は、枠体1に固定される無目15の下方領域に引き違い窓2が配置され、無目15の上方領域にFIX窓3が配置されてなる段窓であり、図1に示すように、引き違い窓2及びFIX窓3の屋外側にそれぞれ面格子4,4が取付けられている。
【0011】
-枠体-
本実施形態の建具の枠体1は、アルミ等の金属材料からなる左、右竪枠13,14の上端内周面間及び下端内周面間にアルミ等の金属材料からなる上枠11及び下枠12がそれぞれ固定されて形成されており、枠体1の高さ方向で中央よりやや上方位置において、左、右竪枠13,14の内周面間に無目15が固定されている。
【0012】
枠体1の上枠11は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁11aと、見込壁11aの室内側端および室外側端から外周方向に延びる屋内側見付壁11b及び屋外側見付壁11cと、見込壁11aの屋外側から内周方向に延びる屋外側間口壁11dと、見込壁11aの屋内側内周面に取付けられる押縁11eを有している。
上枠11の下面には、屋外側間口壁11dと押縁11eによってガラス間口11gが形成されている。
【0013】
枠体1の下枠12は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される底壁12aと、底壁12aの屋内側内周面に立ち上がる屋内側中空壁12bと、屋内側中空壁12bの屋内側から上方に延びる屋内側見付壁12cと、屋内側中空壁12bの屋外側から上方に延びる内下レール12dと、屋内側中空壁12bの屋外側から屋外側に延びる気密材保持片12eと、底壁12aの屋外側から上方に延びる外下レール12fを有している。
【0014】
無目15は、図2に示すように、中空形状の無目本体部15aと、無目本体部15aの屋内側端から上方に延びる屋内側間口見付壁15bと、屋内側間口見付壁15bの上方位置から屋外側に延びる屋内側間口見込壁15cと、無目本体部15aの屋外側から上方に延びる屋外側間口壁15dと、無目本体部15aの屋内側端から下方に延びる屋内側見付壁15eと、無目本体部15aの屋外側から下方に延びる屋外側見付壁15fと、無目本体部15aの見込み方向中央下面から下方に延びる中央見付壁15hと、無目本体部15aの下面から下方に延びる外上レール15iを有している。
無目15の上面には、屋外側間口壁15d、屋内側間口見付壁15b及び屋内側間口見込壁15cによってガラス間口15gが形成されている。
【0015】
枠体1の左竪枠13は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁13aと、見込壁13aの屋内側端から見付方向に延びる屋内側見付壁13bと、見込壁13aの屋外側端から見付方向に延びる屋外側見付壁13cと、見込壁13aの見込み方向中央内周面から内周方向に延びる中央見付壁13dと、見込壁13aの屋外側内周面から内周方向に延びる引寄片13eを有している。
【0016】
枠体1の右竪枠14は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁14aと、見込壁14aの屋内側端から見付方向に延びる屋内側見付壁14bと、見込壁14aの屋外側端から見付方向に延びる屋外側見付壁14cと、見込壁14aの見込み方向中央内周面から内周方向に延びる中央見付壁14dと、見込壁14aの屋内側内周面から内周方向に延びる引寄片14eを有している。
【0017】
-下窓(引き違い窓)-
枠体1の下方に配置される引き違い窓(下窓)2は、図2,3に示すように、無目15、下枠12及び左、右竪枠13,14によって窓枠が形成されており、窓枠の内周に内外障子21を引き違い自在に配置して構成されている。
下窓の屋外側には、引き違い窓2の屋外側を覆う面格子4が配置されており、取付部材5によって左、右竪枠13,14に固定されている。
【0018】
-上窓(FIX窓)-
枠体1の上方に配置されるFIX窓(上窓)3は、図2,4に示すように、左、右竪枠13,14の内周に左、右補助竪枠313,314が固定され、上枠11、無目15、左、右竪枠13,14及び左、右補助竪枠313,314によって窓枠が形成されており、窓枠の内周にパネル体35が配置されている。
【0019】
左、右補助竪枠313,314は、左、右竪枠13,14の見込壁13a,14aに対向する見込壁313a,314aと、見込壁313a,314aの屋外側内周面から内周方向に延びる屋外側間口壁313b,314bと、見込壁313a,314aの室内寄り内周面に取付けられる押縁313c,314cと、見込壁313a,314aの屋内側外周面から外周方向に延びる屋内側外周壁313d,314dと、見込壁313a,314aの屋外側外周面から外周方向に延びる屋外側外周壁313e,314eと、見込壁313a,314aの室内寄り外周面から外周方向に延びる気密材取付片313f,314fを有している。
【0020】
左、右補助竪枠313,314の内周面には、屋外側間口壁313b,314bと押縁313c,314cによってガラス間口313g、314gが形成されている。
【0021】
そして、左、右補助竪枠313,314は、屋内側外周壁313d,314d及び屋外側外周壁313e,314eを左、右竪枠13,14の見込壁13a,14aの内周面に当接させるように左、右竪枠13,14の屋内側見付壁13b,14bと屋外側見付壁13c,14cの間に挿入され、図6(a)に示すように、見込壁313a,314aの内周側からビス等の固定手段bによって左、右竪枠13,14に固定されている。
【0022】
窓枠の内周に配置されたパネル体35は、四辺が上枠11のガラス間口11g,無目15のガラス間口15g、左、右補助竪枠313,314のガラス間口313g,314gに保持されてFIX窓3が形成されている。
上窓の屋外側には、FIX窓3の屋外側を覆う面格子4が配置されており、取付部材5によって左、右竪枠13,14に固定されている。
【0023】
-面格子の取付け-
上窓及び下窓の屋外側に配置される面格子4は、図1乃至図4に示すように、左、右の竪材43,43の上下に上横材41及び下横材42が固定され、上横材41と下横材42に亘って複数の格子45,45が取付けられて形成されており、図3図4に示すように、取付部材5,5によって枠体1の屋外側に取付けられている。
【0024】
面格子4を枠体1に取付けるための取付部材5は、例えばステンレス等の金属材料からなり、図2図5(a)に示すように、面格子4の竪材43の屋内側面にビス等の固定手段b及び裏板8によって固定される見付片51と、見付片51の一側がほぼ直角に屈曲して延びてなる見込片52を有する横断面で略L字状の短尺部材であり、見込片52の見付片51とは反対側の端部に枠体1の左、右竪枠13,14の屋外側見付壁13c,14cを挟持する取付部53が形成されている。
【0025】
なお、取付部材5は、図2に示すように、見付片51から見込片52にかけて開口部5aが形成され、開口部5aの外周に沿って立ち上るリブ5bが形成されていてもよく、見付片51及び見込片52にリブ5bを形成することで、強度を向上させることができる。
【0026】
取付部材5の取付部53は、見込片52の端部が見付片51と同方向に屈曲されたのち180度曲げられたヘアピン形状をしており、見込片52を外周側にして見付片51が竪材43に固定された状態で外周側に開口するように形成されている。
そして、取付部材5は、図5(b)に示すように、取付部53によって左、右竪枠13,14の屋外側見付壁13c,14cを挟持することで左、右竪枠13,14に取り付けられ、面格子4を枠体1の屋外側に取付けている。
【0027】
ここで、本実施形態の建具の上方位置には、竪枠の内周に左、右補助竪枠313,314を固定することでFIX窓3を配置可能にしているが、左、右竪枠13,14の内周に左、右補助竪枠313,314が配置されることで、図6(a)に示すように、屋外側見付壁14cの内周端が左、右補助竪枠314の見込壁314aと連続してしまい、取付部材5の取付部53によって屋外側見付壁13c,14cを挟持することができなくなってしまう。
【0028】
そこで、本実施形態の建具は、左、右竪枠13,14の内周に左、右補助竪枠313,314を配置した場合であっても、左、右竪枠13,14もしくは左、右補助竪枠313,314に対して施工現場でネジ穴をあける等の加工をすることなく、通常面格子4の取付けに使用している取付部材5をそのまま用いて面格子4を左、右竪枠13,14に取付けることを可能にしている。
【0029】
具体的には、本実施形態の建具は、図6(b)に示すように、左、右竪枠13,14の屋外側見付壁13c,14cに長尺平板状の取付補助材6が固定されている。
取付補助材6は、左、右竪枠13,14の内周に固定される左、右補助竪枠313,314の長さと同程度の長さを有し、図2に示すように、FIX窓3が配置される高さ範囲に亘って左、右補助竪枠313,314の見込壁313a,314aよりも内周側に突出するようにビス等の固定手段bによって固定されている。
なお、取付補助材6の長さは、何ら限定されるものではない。
【0030】
そして、取付部材5は、図6(c)に示すように、左、右補助竪枠313,314の見込壁313a,314aよりも内周側に突出する取付補助材6を取付部53によって挟持することで、下窓と同様に、面格子4を左、右竪枠13,14に固定することができる。
【0031】
なお、左、右竪枠13,14に対する取付補助材6,6の取付けは、施工現場に納入する前に組み立て工場などにおいて行われる。
すなわち、顧客から補助竪枠を用いる窓に面格子を配置する旨の希望があった場合に、窓枠の組み立て工場において、左、右竪枠13,14の左、右補助竪枠313,314を取り付ける範囲に予め取付補助材6,6をビス等の固定手段bによって固定しておき、取付補助材6,6が固定された枠体1を施工現場に納入し、施工現場において取付補助材6,6に対して取付部材5,5を固定する。
【0032】
-本実施形態の建具の効果-
本実施形態の建具によれば、枠材の屋外側見付壁を挟み込んで固定される取付部材による面格子の取付けを、さまざまな窓種において採用可能とし、部品点数を増やすことなく、面格子の取付けを行うことができる。
【0033】
そして、段窓の場合など、上下窓で同じデザインの面格子を同じ取付部材で取り付けることができるので、上下で見ために差が生じることがなく、意匠性に優れている。
【0034】
また、取付補助材の取付けを、施工現場に納入する前に予め枠体の組み立て工場で行うことで、施工現場では枠体や補助枠に対する孔あけ等の加工を必要等することなく、施工を簡単に行うことができ、不慣れな作業員による孔あけ等の加工によって枠体の強度が低下することを防ぐことができる。
【0035】
なお、上記実施形態の建具においては、面格子の取付けに関して説明しているが、取付部材5及び取付補助材6による取付は、面格子に限定されるものではなく、窓の屋外側に配置される機能部材であれば何ら限定されない。
【0036】
また、上記実施形態の建具は、引き違い窓の上方にFIX窓が配置されてなる段窓を用いて説明されているが、段窓の上下に配置される窓種は限定されるものではなく、また、本発明の建具は段窓に限定されるものでもない。
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 :枠体
4 :面格子(機能部材)
5 :取付部材
6 :取付補助材
13 :左竪枠
13c :屋外側見付壁
14 :右竪枠
14c :屋外側見付壁
313 :右補助竪枠
314 :右補助竪枠

図1
図2
図3
図4
図5
図6