(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089055
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】順番待ち管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220608BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201276
(22)【出願日】2020-12-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年9月1日 アトムスフィア株式会社のウェブサイト(https://c-llacell.com/)にて、順番待ち管理システム「C-llaCell」を公開 (2)令和2年10月30日 App Storeのウェブサイト(https://www.apple.com/jp/app-store/)にて、順番待ち管理システム「C-llaCell」を公開 (3)令和2年11月6日 Google Play Storeのウェブサイト(https://play.google.com/store/apps/)にて、順番待ち管理システム「C-llaCell」を公開
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】520275607
【氏名又は名称】アトムスフィア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 希悦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】来店した客の順番待ち管理を容易に行い、客のプライバシーを確保し、さらに衛生上の問題も解決する順番待ち管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の利用者端末、複数の店舗用端末及び通信ネットワークを介して接続される管理サーバーを備えた順番待ち管理システムであって、利用者端末は、店舗において店舗識別情報を読み取って管理サーバーへ順番待ちリクエスト情報を送信する。管理サーバーは、利用者端末からの順番待ちリクエスト情報に基づいて、店舗用端末に順番待ちリクエスト情報の管理テーブルを提供する。店舗用端末は、管理テーブルを利用して、管理サーバーを介して利用者端末に呼出情報を送信する。各店舗に割り当てられた店舗識別情報は、1次元バーコード又は2次元バーコードの形態で店舗において表示され、利用者端末は、1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者端末、複数の店舗用端末及び前記利用者端末及び店舗用端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバーを備えた順番待ち管理システムであって、
利用者端末が、
店舗において店舗に割り当てられた店舗識別情報を読み取り、読み取った店舗識別情報及び利用者識別情報を順番待ちリクエスト情報として管理サーバーへ送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記順番待ちリクエスト情報に基づいて決められた受付番号を管理サーバーから受信して記憶する受付番号管理処理部と、
管理サーバーからの呼出情報を受信して、音又は振動によって呼出情報を出力する呼出処理部と
を備え、
前記管理サーバーが、
利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、
店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、
店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部と
を備え、
前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように構成され、
前記店舗用端末が、
管理サーバーから、順番待ちリスト情報を受信して、該情報を画面に表示する順番待ちリスト管理処理部と、
順番待ち情報リストに含まれている各順番待ちリクエスト情報に対する呼出情報及び完了情報を管理サーバーに送信する呼出情報及び完了情報送信処理部と
を備え、
各店舗に割り当てられた店舗識別情報が、1次元バーコード又は2次元バーコードの形態で店舗に表示され、
利用者端末が、店舗において前記1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取るように構成されている
ことを特徴とする順番待ち管理システム。
【請求項2】
前記店舗用端末が、店舗識別情報に基づいて1次元バーコード又は2次元バーコードを作成して表示するバーコード作成表示処理部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記管理サーバーが、店舗識別情報に基づいて1次元バーコード又は2次元バーコードを作成して対応する店舗用端末に送信するバーコード作成処理部を備え、
前記店舗用端末が、管理サーバーから受信した1次元バーコード又は2次元バーコードを表示するバーコード表示処理部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
1次元バーコード又は2次元バーコードが日付情報を含み、店舗の営業日毎に新たに作成される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記利用者端末が、カメラ、バイブレータ、スピーカ、記憶装置及びプログラムを実行するオペレーティングシステムを動作させるCPUを備えた携帯式電子装置から成り、
該携帯式電子装置を、前記順番待ちリクエスト処理部、受付番号管理処理部、及び呼出処理部として機能させるプログラムがインストールされ、
前記呼出処理部が、前記管理サーバーからの呼出情報に基づいて、利用者端末に設けられたバイブレータ及び/又はスピーカを用いて呼出動作を実行する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
コンピュータを、
利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、
店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、
店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部と
して機能させ、
かつ、前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように機能させる
順番待ち管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フードコート等の店舗における利用客の順番待ちを管理することができる順番待ち管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からフードコート等では、複数の呼び出し用無線子機と、各子機に対して呼出し信号を送信可能な呼び出し用親機とから成る呼出しシステムが用いられている。
この呼出しシステムは、食事などの注文を受けた時に、呼び出し用無線子機の識別番号と、注文番号とをメモ等の方法で関連付けした後に、呼出し用無線子機を利用者に渡し、注文番号に対応する料理が完成した時に、その注文番号に対応する呼び出し用無線子機に対して親機から呼出し信号を送信して、利用者が持っている呼出し用無線子機から音を出したり、無線子機を振動させたりすることによって、利用者に注文した料理が完成したことを知らせ、利用客にカウンターまで料理を取りに行かせるシステムである。
これにより、利用客がカウンター近くで料理を待つ必要がなくなり、利用客は料理が完成するまでの間、テーブルで座って待つことが可能になる。また、多くの利用客がカウンター近くで料理の完成を待つことが無くなるので、カウンター近くに利用客が密集するのを避けることも可能になる。
このような呼出しシステムは、フードコートに限らず、例えば、利用者がサービスの提供を受けるために受付をして、サービスの提供を受ける迄の順番を待つような施設、例えば、病院等においても利用される。
上記した従来の呼出しシステムは、簡単な構成で順番待ちの利用者を管理することができるという利点がある。
しかし、この従来の呼出しシステムは、機器の購入等の設備投資が必要であり、また、呼出し範囲が限られているという問題があり、さらに、店舗規模に応じて無線子機の数を増やす必要があるという問題がある。
上記した問題を解決するために、近年、利用者の所有するスマートフォン等の利用者端末装置を呼び出し用無線子機として利用する順番待ち管理システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の順番待ち管理システムは、通信ネットワークを介して接続された順番待ち管理サーバーと、利用施設に設けられた受付装置(順番待ち管理装置)と、スマートフォン等のユーザー端末とから成り、施設に訪れた利用者が、受付装置を操作して施設への順番待ち情報を登録し、該登録された情報が通信ネットワークを介して順番待ち管理サーバーに送信され、前記順番待ち管理サーバーにおいて利用者の順番を管理するというものである。
ここで、利用者は、受付装置に順番待ち情報を登録する際に、自分の電話番号又はメールアドレス等を入力することができるように構成されており、必要に応じて順番待ち管理サーバーから順番の到来を知らせる電話又はメールを受信することができるように構成されている。
また、特許文献1に記載の順番待ち管理システムでは、受付装置を操作して施設への順番待ち情報を登録した時に、受付装置から順番券が発行されるように構成されており、この順番券に印字された二次元コードを読み取ることにより、利用者が現在の順番待ち状況を確認することができるように構成されている。
この特許文献1に記載の順番待ち管理システムによれば、呼出し用の無線子機として利用者のスマートフォン等を使用することができ、また、受付装置としてタブレット端末等を使用することができるため、従来の呼出しシステムのような専用機器の購入等の設備投資の問題は解消される。
しかし、特許文献1に記載の順番待ち管理システムは、全ての利用者が、共通の受付装置を用いて順番待ち情報の入力を行う必要があるため衛生上の問題がある。これは接触感染が問題視されている感染病が流行している時期においては問題であり、特に、フードコート等の飲食を伴う施設においては重大な問題になる。
また、特許文献1に記載の順番待ち管理システムでは、利用者のスマートフォン等の端末装置を呼出し装置として利用するためには、受付装置に、電話番号やメールアドレス等の個人情報を入力する必要があり、この点も問題である。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、簡単な仕組みで、来店した客の順番待ち管理を容易に行うことができ、客のプライバシーを確保することができ、さらに、衛生上の問題も解決することができる順番待ち管理システム及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明に係る順番待ち管理システムは、複数の利用者端末、複数の店舗用端末及び前記利用者端末及び店舗用端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバーを備えた順番待ち管理システムであって、
利用者端末が、
店舗において店舗に割り当てられた店舗識別情報を読み取り、読み取った店舗識別情報及び利用者識別情報を順番待ちリクエスト情報として管理サーバーへ送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記順番待ちリクエスト情報に基づいて決められた受付番号を管理サーバーから受信して記憶する受付番号管理処理部と、
管理サーバーからの呼出情報を受信して、音又は振動によって呼出情報を出力する呼出処理部と
を備え、
前記管理サーバーが、
利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、
店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、
店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部と
を備え、
前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように構成され、
前記店舗用端末が、
管理サーバーから、順番待ちリスト情報を受信して、該情報を画面に表示する順番待ちリスト管理処理部と、
順番待ち情報リストに含まれている各順番待ちリクエスト情報に対する呼出情報及び完了情報を管理サーバーに送信する呼出情報及び完了情報送信処理部と
を備え、
各店舗に割り当てられた店舗識別情報が、1次元バーコード又は2次元バーコードの形態で店舗に表示され、
利用者端末が、店舗において前記1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取るように構成されている
ことを特徴とする。
前記店舗用端末には、店舗識別情報に基づいて1次元バーコード又は2次元バーコードを作成して表示するバーコード作成表示処理部を設けてもよい。
また、1次元バーコード又は2次元バーコードは、管理サーバーで作成することもでき、この場合、前記管理サーバーが、店舗識別情報に基づいて1次元バーコード又は2次元バーコードを作成して対応する店舗用端末に送信するバーコード作成処理部を備え、
前記店舗用端末が、管理サーバーから受信した1次元バーコード又は2次元バーコードを表示するバーコード表示処理部を備え得る。
さらにまた、1次元バーコード又は2次元バーコードが日付情報を含み、店舗の営業日毎に新たに作成され得る。
前記利用者端末は、カメラ、バイブレータ、スピーカ、記憶装置及びプログラムを実行するオペレーティングシステムを動作させるCPUを備えた携帯式電子装置から成り、
該携帯式電子装置を、前記順番待ちリクエスト処理部、受付番号管理処理部、及び呼出処理部として機能させるプログラムがインストールされ、
前記呼出処理部が、前記管理サーバーからの呼出情報に基づいて、利用者端末に設けられたバイブレータ及び/又はスピーカを用いて呼出動作を実行する
ように構成され得る。
また、本発明に係る順番待ち管理プログラムは、
コンピュータを、
利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、
店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、
店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部と
して機能させ、
かつ、前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように機能させる
ものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る順番待ち管理システムは、複数の利用者端末、複数の店舗用端末及び前記利用者端末及び店舗用端末に通信ネットワークを介して接続される管理サーバーを備えた順番待ち管理システムであって、
利用者端末が、
店舗において店舗に割り当てられた店舗識別情報を読み取り、読み取った店舗識別情報及び利用者識別情報を順番待ちリクエスト情報として管理サーバーへ送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記順番待ちリクエスト情報に基づいて決められた受付番号を管理サーバーから受信して記憶する受付番号管理処理部と、
管理サーバーからの呼出情報を受信して、音又は振動によって呼出情報を出力する呼出処理部と
を備え、
前記管理サーバーが、
利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、
前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、
店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、
店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部と
を備え、
前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように構成され、
前記店舗用端末が、
管理サーバーから、順番待ちリスト情報を受信して、該情報を画面に表示する順番待ちリスト管理処理部と、
順番待ち情報リストに含まれている各順番待ちリクエスト情報に対する呼出情報及び完了情報を管理サーバーに送信する呼出情報及び完了情報送信処理部と
を備え、
各店舗に割り当てられた店舗識別情報が、1次元バーコード又は2次元バーコードの形態で店舗に表示され、
利用者端末が、店舗において前記1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取るように構成されているので、
来店した利用者が、スマートフォン等で構成された利用者端末を用いて、来店した店舗において、1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取り、順番待ちリクエスト情報を管理サーバーに送信するだけで、管理サーバー及び店舗用端末によって、当該店舗における利用者の順番待ち管理を行うことが可能になる。利用者が行う操作は、来店した店舗において1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取り、順番待ちリクエスト情報を管理サーバーに送信だけなので、複雑な操作を利用者に強いることがない。さらに、利用者が店舗において受付装置等を操作する必要がないので、店舗において面倒な入力作業を行う必要がないことは勿論のこと、複数の利用者で共通の受付装置を操作する必要がなくなるので衛生面においても安全である。さらにまた、利用者が所有しているスマートフォン等で構成される利用者端末を呼出し装置として機能させることによって、特別な設備投資が不要になり、かつ、複数の利用者が呼出し用無線子機を使い回すことがなくなるので、この点からみても衛生的である。また、来店した店舗において1次元バーコード又は2次元バーコードから店舗識別情報を読み取るように構成することで、来店していない利用者が順番待ちリクエストを送信することがなくなるので、例えば、例えば、フードコートの店舗のように、利用者が受付で料理を注文して料金を支払い、料理完成を待つために順番を待つタイプの店舗においても容易に導入することが可能になり、複数の呼び出し用無線子機と、各子機に対して呼出し信号を送信可能な呼び出し用親機とから成る呼出しシステムを利用している店舗においても、簡単に入れ替えが可能である。さらにまた、利用者の所有するスマートフォン等を利用者端末として使用するので、呼出し範囲が限られることがなく、利用者が順番待ちする場所が制限されない。店舗でバーコードから店舗IDを読み取って、それを送信するだけで順番待ちリクエストを送信することができるので、メールアドレスや携帯電話番号等の個人情報の入力が不要になりプライバシーの問題も生じない。
また、前記1次元バーコード又は2次元バーコード等のバーコードは、店舗用端末及び管理サーバーの何れでも作成することが可能である。例えば、バーコードが、店舗IDに加えて、日時情報を含むようにし、営業日毎にバーコードを作成するように構成することにより、例えば、一度来店した利用者が、バーコードを撮影して画像データとして利用者端末に保存し、後日、来店せずに、保存した画像データを用いて順番待ちリクエスト情報を管理サーバーに送信する等の問題を回避することができる。
前記利用者端末を、カメラ、バイブレータ、スピーカ、記憶装置及びプログラムを実行するオペレーティングシステムを動作させるCPUを備えたスマートフォン又はタブレット端末等の携帯式電子装置で構成し、該携帯式電子装置を、前記順番待ちリクエスト処理部、受付番号管理処理部、及び呼出処理部として機能させるプログラムをインストールし、前記呼出処理部が、前記管理サーバーからの呼出情報に基づいて、利用者端末に設けられたバイブレータ及び/又はスピーカを用いて呼出動作を実行するように構成することにより、スマートフォン等の携帯式電子装置が予め備えているバイブレータやスピーカを用いて呼出動作を実行することが可能になり、呼出動作を、例えば、利用者が呼出動作を停止するまで連続して実行させることが可能になる。メール等での呼出しでは利用者が呼出しに気付かない危険があるが、この構成により利用者が呼出しに気付かないことがなくなり、確実に呼出しを実行することが可能になる。
また、本発明に係る順番待ち管理プログラムは、コンピュータを、利用者端末から順番待ちリクエスト情報を受信し、順番待ちリクエスト情報に対応する受付番号を作成して、順番待ちリクエスト情報及び受付番号を管理テーブルに登録すると共に、前記受付番号を対応する利用者端末に送信する順番待ちリクエスト処理部と、前記管理テーブルの登録情報に基づいて店舗毎に順番待ちリスト情報を作成し、店舗用端末に前記順番待ちリスト情報を送信すると共に、順番待ちリスト情報における各順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを操作する順番待ち情報管理処理部と、店舗用端末から呼出情報を受信して、該呼出情報に基づいて対応する利用者端末に呼出情報を送信する呼出情報送信処理部と、店舗用端末からサービス提供完了情報を受信する完了情報受信処理部として機能させ、かつ、前記順番待ち情報管理処理部が、店舗用端末から受信する呼出情報又は完了情報に基づいて対応する順番待ちリクエスト情報の受付ステータスを変更するように機能させるものであるので、上記した順番待ち管理システムと同様の効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る順番待ち管理システムの概略構成図を示している。
【
図2】
図2(a)は、管理サーバー3と利用者端末1との間の利用登録時に実行される信号の流れを示す図であり、
図2(b)は、管理サーバー3と店舗用端末2との間の利用登録時時に実行される信号の流れを示している。
【
図3A】実際の順番待ち管理を実施している時の管理サーバー3、店舗用端末2及び利用者端末1間の信号の流れを示している。
【
図3B】実際の順番待ち管理を実施している時の管理サーバー3、店舗用端末2及び利用者端末1間の信号の流れを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に示した一実施例を参照しながら、本発明に係る順番待ち管理システム及びプログラムの実施の形態を説明していく。以下の説明では順番待ち管理システムについて具体的に説明する。本発明に係る順番待ち管理プログラムは、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のCPU、メモリ及び記憶装置を備えた装置を、以下に説明する順番待ち管理システムにおける各処理部として機能させるプログラムである。
【0009】
図1は、本発明に係る順番待ち管理システムの概略構成図を示している。図面に示すように、この順番待ち管理システムは、複数の利用者端末1、複数の店舗用端末2及びこれら端末1及び2と通信ネットワークを介して接続される管理サーバー3とを備えている。
管理サーバー3は、複数の店舗における来店客の順番待ちを管理するものであり、来店客が店舗において、自らの利用者端末1を用いて各店舗に割り当てられた店舗IDを、各店舗において表示される1次元又は2次元バーコードから読み取って管理サーバー3に送信することで、管理サーバー3は、当該来店客を、対応する店舗の順番待ちリストに追加する。店舗用端末2は、対応する店舗の順番待ちリストを管理サーバー3から受信して表示し、かつ、順番待ちリストにある来店客を、管理サーバー3を介して呼び出すことができるように構成されている。
管理サーバー3は、コンピュータによって構成され得、該コンピュータによって所定の管理プログラムを動作させることで、順番待ち管理機能を実行する。また、店舗用端末2は、各店舗に設けられる端末であり、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等で構成され得る。さらに、利用者端末1は、利用者が所有している端末であり、カメラ、バイブレータ、スピーカ、記憶装置及びプログラムを実行するオペレーティングシステムを動作させるCPUを備えたスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末又はノートPC等の携帯式電子装置で構成され得、少なくとも、1次元バーコード又は2次元バーコード等を介して、店舗において店舗IDを読み取ることが可能な機能を備えている。店舗用端末2は、上記機能をインストールされた専用ソフトウェアプログラムを用いて実行してもよいが、通信ネットワークを介して管理サーバー3上のプログラムを用いて実行してもよい。利用者端末1は、上記機能を、インストールされた専用ソフトウェアプログラムを用いて実行する。
【0010】
以下、管理サーバー3、利用者端末1及び店舗用端末2の具体的構成について説明していく。この実施例では、利用者端末1及び店舗用端末2は、各々専用ソフトウェアプログラムがインストールされており、以下に説明する各処理部及び記憶部は、管理サーバー3、利用者端末1及び店舗用端末2にインストールされた前記プログラム及びこれらが備えている記憶装置によって実現される。尚、店舗用端末2における各処理部の処理は、通信ネットワークを介して管理サーバー3上のプログラムを用いて実行してもよい。
管理サーバー3は、
利用者毎に利用者IDを付与する利用者ID発行処理部、
店舗毎に店舗IDを付与する店舗ID発行処理部、
各種IDをID管理テーブルに記憶するID管理処理部、
利用者端末1から順番待ちリクエスト情報を受信して該順番待ちリクエスト情報を、ステータス「待ち」として順番待ち管理テーブルに追加登録し、対応する利用者端末1に少なくとも受付番号を含む受付情報に送信する順番待ち情報管理処理部、
店舗用端末2へ対応する店舗に関連する順番待ち情報リストを送信する順番待ち情報リスト送信処理部及び
店舗用端末2から呼出リクエスト信号を受信し、対応する利用者端末1に対して呼出信号を出力する呼出情報送信処理部
を備え、
順番待ち情報管理処理部は、店舗用端末2から呼出リクエスト信号を受信して対応する利用者端末1に対して呼出信号を出力すると、対応する順番待ち情報の受付ステータスを「呼出中」に変更し、また、店舗用端末2からサービス完了信号を受信すると、対応する順番待ち情報の受付ステータスを「完了」に変更する。
利用者端末1は、
専用ソフトウェアの初回起動時に、管理サーバー3から利用者IDを受信する利用者ID受信処理部、
利用時に自己の利用者ID及び端末IDを管理サーバー3に送信する端末ID登録処理部、
店舗に設置された1次元又は2次元バーコードから店舗IDの読込を行う店舗ID読込処理部、
前記端末ID及び店舗IDを順番待ちリクエスト情報として管理サーバー3に送信する順番待ちリクエスト処理部、
管理サーバー3から、少なくとも受付番号を含む順番待ち受付情報を受信して、該順番待ち受付情報を一時的に記憶する受付情報管理処理部、及び
管理サーバー3からの呼出信号を受信して、音又は振動等の呼出し動作を実行する呼出処理部を備えている。
前記各処理部は、利用者端末1にインストールされた専用ソフトウェアによって実現される。
店舗用端末2は、
利用登録のために店舗利用登録リクエスト情報を送信する利用登録処理部、
利用時に店舗ログインID及び店舗ログインパスワードを管理サーバー3に送信するログイン処理部、
管理サーバー3に順番待ち情報リストを要求して受信し、該情報を画面に表示する順番待ちリスト管理処理部、
管理サーバー3に、選択した順番待ち情報に対する呼出リクエスト信号を送信し、また、選択した順番待ち情報に対するサービス完了情報を送信する呼出情報及び完了情報送信処理部
を備えている。
【0011】
(利用登録)
図2(a)は、管理サーバー3と利用者端末1との間の利用登録時に実行される信号の流れを示す図であり、
図2(b)は、管理サーバー3と店舗用端末2との間の利用登録時時に実行される信号の流れを示している。
以下の説明では、管理サーバー3はサーバーコンピュータ、店舗用端末2はタブレットPC及び利用者端末1はスマートフォンで構成されている。
図2(a)に示すように、利用者が利用者端末1に専用ソフトウェアをインストールし、該専用ソフトウェアを起動すると、起動信号が管理サーバー3に送信され、初回起動時のみ管理サーバー3は、ユニークな利用者IDを作成し、当該利用者IDをID管理テーブルに登録すると共に、利用者端末1に送信することで利用者登録を完了する。一度、利用者登録が完了すると、利用者は、当該利用者IDを使用して、専用ソフトウェアがインストールされた利用者端末であれば、何れの利用者端末からでも順番待ち管理システムに利用者として後述する順番待ちリストリクエスト情報を送信することができるように構成されている。
図2(b)に示すように、店舗サービス提供者は、利用登録時に、専用ソフトウェアがインストールされた店舗用端末2を介して、管理サーバー3に店舗利用登録リクエスト情報を送信する。この店舗利用登録リクエスト情報には、以下の情報が含まれる。
・店舗ログインID(店舗サービス提供者が利用登録決定:例えばメールアドレス等)
・店舗ログインパスワード(店舗サービス提供者が利用登録時に決定)
・店舗URL(店舗のホームページのURL)
・店舗緯度及び経度(店舗用端末2に搭載されたGPS等によって自動的に検出)
・店舗連絡先番号
・店舗名
管理サーバーは、店舗利用登録リクエスト情報を受信すると、ユニークな店舗IDを作成し、当該店舗IDを、上記店舗利用登録リクエスト情報に関連付けしてID管理テーブルに登録すると共に、店舗IDを含む店舗アカウント情報を店舗用端末2に送信して店舗登録を完了する。前記店舗アカウント情報には、以下の情報が含まれる。
・店舗ID(管理サーバー3によって作成)
・店舗ログインID
・店舗ログインパスワード
・店舗URL
・店舗緯度及び経度
・店舗連絡先番号
・店舗名
・呼出設定情報
ここで、呼出設定情報には、以下の情報が含まれる
・表示順シーケンス
・標準呼出秒数
・標準待ち時間
上記情報における「表示順シーケンス」は、順番待ち情報リストの表示順であり、既定値として、「受付時間」が設定されており、利用登録した店舗サービス提供者が、管理サーバー3にログインして自由に設定を変更できるように構成されている。
「標準呼出秒数」は、利用者端末において呼出動作を実行させる時間であり、具体的には、呼出動作を利用者端末のバイブレータで実行する時のバイブレータの振動間隔の時間であり、既定値として「2秒」が設定されているが、利用登録した店舗サービス提供者が、管理サーバー3にログインして自由に設定を変更できるように構成されている。尚、呼出動作を音で実行するか、バイブレータで実行するかは、利用者端末にインストールされた専用ソフトウェアを用いて利用者が任意に設定することが可能であり、音で実行する場合には、標準呼出秒数の設定に関係なく、連続音で呼出動作が実行される。
「標準待ち時間」は、順番待ちリクエスト情報を送信した利用者の利用者端末1に対して、管理サーバー3が「呼出予定時間」を送信する場合に、「呼出予定時間」を決定するために用いられる時間であり、既定値として例えば「10分」が設定されているが、利用登録した店舗サービス提供者が、管理サーバー3にログインして自由に設定を変更できるように構成されている。また、「標準待ち時間」は、店舗サービス提供者が直接指定するように構成できる他、管理サーバー3によって過去のデータに基づいて自動的に計算するように構成することも可能である。具体的には、店舗毎に、過去の順番待ちリクエスト情報を受け付けた時間と、呼出リクエスト信号を受け付けた時間との差の平均から平均標準待ち時間を算出することが可能である。また、管理サーバー3によって自動計算する場合には、例えば、曜日や時間帯に関連する係数を自動又は手動で設定し、前記平均標準待ち時間に適用してもよい。具体的には、曜日の場合には、例えば、デパートやショッピングモールに店舗がある場合には、土曜日、日曜日及び祝祭日の係数を大きくし、また、店舗がビジネス街にある場合には、平日の係数を大きくし、また、時間帯の場合には、11:00~13:00及び17:00~20:00の係数を大きくする等である。
【0012】
(順番待ち管理)
次に、
図3A及び
図3Bを参照して、順番待ち管理を実施している時の管理サーバー3、店舗用端末2及び利用者端末1間の信号の流れについて説明していく。
【0013】
(店舗用端末ログイン処理)
利用開始時に、店舗サービス提供者が、店舗用端末2を介して、店舗ログインID及び店舗ログインパスワードを管理サーバー3に送信する。
管理サーバー3は、店舗ログインID及び店舗ログインパスワードをID管理テーブルのデータと照合し、合致している場合には、当該店舗用端末2に、店舗ID及びセッションID1を送信する。当該セッションID1は、店舗用端末2がログアウトするまで継続的に使用される。
次いで、店舗用端末2から、順番待ちリストリクエスト情報が管理サーバー3に送られる。ここで、順番待ちリストリクエスト情報には、以下の情報が含まれる。
・セッションID1
・店舗ID
・順番待ち情報リスト一覧モード種別
「順番待ち情報リスト一覧モード種別」は、管理サーバー3から受信する順番待ち情報リストを閲覧する時の種別であり、順番待ち受付が終了したが、呼出しがされていない情報のみを表示する「待ち画面」と、全ての情報を表示する「履歴画面」とがある。
管理サーバー3は、順番待ちリストリクエスト情報を取得すると、店舗用受付ユニーク番号を作成し、該店舗用受付ユニーク番号と、当該店舗IDに対応する順番待ち情報リストと含む受付カード情報を対応する店舗用端末2に送信する。
「受付カード情報」には、以下の項目の情報が含まれる。
・受付ユニーク番号
・店舗ID
・受付番号
・受付日時
・呼出予定日時
・呼出日時
・完了日時
・受付ステータス
ここで、「受付ユニーク番号」は、利用者1からの順番待ちリクエスト情報を管理サーバー3が登録する時に、順番待ちリクエスト情報毎に作成するユニークな番号である。
「受付番号」は、管理サーバー3が、利用者端末1から順番待ちリクエスト情報を受け付けた時に、作成する番号であり、呼び出した利用者を店舗サービス提供者が照合するために使用される。
「受付日時」は、管理サーバー3が、利用者端末1から順番待ちリクエスト情報を受信した日時である。
「呼出予定日時」は、上記店舗アカウント情報においける呼出設定情報において予め設定された標準待ち時間を用いて決められた日時である。
「呼出日時」は、管理サーバー3を介して実際に利用者端末1を呼び出した日時である。
「完了日時」は、管理サーバー3が店舗用端末2からサービス完了信号を受信した日時である。
「受付ステータス」は、呼出し前の状態では「待ち」、呼出し後でサービス完了前の状態では「呼出済」、サービス完了後の状態では「完了」となる。
店舗用端末2は、上記した受付カード情報に基づいて、画面に順番待ち管理画面を表示する。
図4は、順番待ち管理画面の一実施例を示している。
図4に示すように、順番待ち管理画面は、例えば、受付番号、呼出ボタン及び完了ボタンで構成され得る。
順番待ち管理画面は、「受付番号順」又は「受付日時順」に順番待ち情報を表示し、例えば、受付ステータスが「待ち」の順番待ち情報の場合には、「呼出しボタン」のみが操作可能であり、「完了ボタン」は操作できないようにされる。受付ステータスが「呼出済」の順番待ち情報は、「呼出しボタン」及び「完了ボタン」の両方が操作できるようにされ、受付ステータスが「完了」の順番待ち情報は非表示にされるか、又は、「呼出しボタン」及び「完了ボタン」の両方が操作できないようにされる。
また、店舗用端末2は、少なくとも、店舗IDを情報として含む1次元バーコード又は2次元バーコードを作成して画面に表示又は印刷することができる。
図5は、2次元バーコード表示画面の一例である。
この2次元バーコードには、好ましくは、店舗IDだけでなく、日時情報等の店舗営業日を識別できる情報(以下、「日時情報」という)が含まれ得る。
2次元バーコードに含まれている情報が店舗IDだけの場合、例えば、一度来店した利用者が、2次元バーコードを撮影して画像データとして利用者端末1に保存し、後日、来店せずに、保存した画像データを用いて順番待ちリクエスト情報を管理サーバー3に送信することが可能になるが、例えば、店舗用端末2が、2次元バーコードに、店舗IDだけでなく日時情報を含めることにより、2次元バーコードを営業日毎に代えることができるので、前記したような問題を回避できる。また、2次元バーコードは、店舗用端末2で作成するのではなく、店舗用端末2から管理サーバー3にログインする時に、管理サーバー3が独自の識別情報と店舗IDに基づいて2次元バーコードを作成し、管理サーバー3から店舗用端末2に送信するように構成することもできる。
【0014】
(利用者端末専用ソフトウェア起動及び順番待ちリクエスト受付処理)
利用者が、利用者端末1にインストールされた専用のソフトウェアの初回起動時に管理サーバー3から利用者IDを受信した後に、利用者端末1にインストールされた前記専用プログラムを起動すると、利用者IDが管理システム3に送信され、管理サーバー3は、利用者端末1に、利用者ID及びセッションID2を送信する。
利用者ID及びセッションID2を受信した利用者端末1は、利用者ID及びセッションID2に加えて、自己の端末IDを管理サーバー3に送信する。
これに対して、管理サーバー3は、端末IDに基づいて端末種別を判定し(具体的には、利用者端末がAndroid で動作する端末か、iOSで動作する端末かを判定し)、利用者IDに関連付けて端末ID及び端末種別を記憶して、利用者端末1に、利用者ID、端末ID及び端末種別を送信し、利用者端末1は、これらの情報を受信し、端末IDと端末種別とを関連付けして一時的に記憶する。
次いで、目的の店舗に来店した利用者は、自己の利用者端末1を用いて、店舗の受付等で、表示されている1次元バーコード又は2次元バーコードを読み取り、読み取った情報(店舗ID及び好ましくは日時情報)に加えて、専用ソフトウェア起動時に受信したセッションID2、端末ID及び端末種別を、順番待ちリクエスト情報として管理サーバー3に送信する。
この利用者端末1による順番待ちリクエストのタイミングは、当該順番待ち管理システムを使用する店舗によって異なる。具体的には、例えば、フードコートの店舗のように、利用者が受付で料理を注文して料金を支払い、料理完成を待つために順番を待つタイプの店舗の場合、利用者は受付で料理を注文して料金の支払いを終えた後に、店舗側が表示する2次元バーコードの読取を行い、順番待ちリクエスト情報を管理サーバー3に送信する。また、飲食店等において座席が空くのを待つタイプの店舗や、受付をしてから診察の順番を待つ病院等では、利用者は受付において利用受付をする時に、店舗側が表示する2次元バーコードの読取を行い、順番待ちリクエスト情報を管理サーバー3に送信する。
管理サーバー3は、順番待ちリクエスト情報を受信すると、店舗ID(及び日時情報)を順番待ち管理テーブルの情報を照合し、合致している場合には、受付ユニーク番号を作成し、該受付ユニーク番号に関連付けして、順番待ち情報管理テーブルに当該リクエスト情報を登録し、利用者端末1に、エントリーカード情報を送信し、利用者端末1はエントリーカード情報を記憶する。尚、この時、順番待ち情報管理テーブルにおける受付ステータスは「待ち」にされる。
登録された順番待ち情報は、対応する店舗用端末2の順番待ち管理画面に反映される。
前記エントリーカード情報には、以下の情報が含まれる。
・利用受付ユニーク番号
・店舗ID
・店舗名
・店舗URL
・店舗緯度及び経度
・問合せ連絡先(店舗連絡先番号)
・受付番号
・呼出予定日時
・呼出日時
【0015】
(サービス完了及び順番待ち管理終了処理)
店舗サービス提供者は、順番待ち管理画面に表示されている利用者に対するサービス提供の準備ができた時(即ち、料理が完成した時、又は座席が空いた時等)に、順番待ち管理画面における対応する利用者の受付番号の「呼出」ボタンを押す。
これにより、店舗用端末2から、呼出しリクエスト信号が前記セッションID1及び受付番号に対応する受付ユニーク番号と共に管理サーバー3に送られ、管理サーバー3は、セッションID1を用いて照合を行った後、受付ユニーク番号に対応する利用者端末1に呼出情報を出力し、対応する順番待ち情報の受付ステータスを「呼出中」にする。
この呼出情報には、以下の情報が含まれる。
・受付ユニーク番号
・店舗ID
・店舗名
・メッセージ
ここで「メッセージ」は、予め管理サーバー3で設定された情報であり、例えば、「メッセージ」には、「順番になりました:受付番号001」等のように受付番号を含む表示が設定される。
呼出情報を受信した利用者端末1は、音又は振動等によって呼出情報を出力し、かつ、画面に「受付番号」を含む「メッセージ」を表示する。
利用者が利用者端末1を持って店舗受付に行くと、店舗受付において店舗サービス提供者(例えば、店員等)が、店舗側端末2に表示された順番待ち管理画面の「受付番号」と、利用者端末1に表示された「受付番号」とを照合し、合致している場合には、順番待ち管理画面の「完了」ボタンを押して、利用者にサービスの提供を行う。ここで、「サービスの提供」とは、例えば、完成した料理の受け渡しや、席への案内等である。
店舗側端末2において「完了」ボタンが押されると、店舗側端末2から管理サーバー3に、完了信号が、前記セッションID1、受付ユニーク番号及び完了日時と共に送られ、管理サーバー3は、セッションID1を照合した後に、対応する順番待ち情報に完了日時を追加して、受付ステータスを「完了」にする。
【0016】
上記した順番待ち管理は、店舗側端末2からログアウト信号を管理サーバー3に送信するまで実行される。
【0017】
以上説明した本実施例に係る順番待ち管理システム及びプログラムは、利用者端末1にインストールされた専用プログラムの初回起動時に、管理サーバー3がユニークな利用者IDを作成し、当該利用者IDをID管理テーブルに登録すると共に、利用者端末1に送信することで利用者登録を完了し、その後は、利用者端末1にインストールされた前記専用プログラムを起動するだけで、利用者IDが管理システム3に送信されて、順番待ちリクエスト情報を管理サーバー3に送信することができるように構成されているので、利用者は、自分の氏名や連絡先等の個人情報を管理サーバー3に一切登録することなく、順番待ち管理システムを利用することが可能になるので、手軽に利用することができ、かつ、個人情報の取り扱いに関する問題が生じることがないという効果を奏する。
尚、この明細書において、用語「店舗」は、飲食店や商品の販売店だけでなく、病院や教育施設等の役務の提供する様々な施設を含む。
また、上記した実施例では、一つの店舗に一台の店舗用端末2を設けている例を挙げて説明しているが、一つの店舗に設置する店舗用端末2の台数は本実施例に限定されることなく、一つの店舗に複数台設けてもよい。具体的には、例えば、店舗が、複数の診療科の窓口が設置されている病院である場合、各診療科の窓口に店舗用端末2を設置することができる。この場合には、各窓口に設置した店舗用端末2毎に、ユニークな店舗IDが付与され、窓口毎に、異なる一次元バーコード又は二次元バーコードを表示するように運用することで、窓口単位で順番待ち管理を実施することが可能になる。また、例えば、店舗が、複数のコース(例えば、理系コースや文系コース等)を有する教育施設である場合、同施設に、コース毎に店舗用端末2を設置することも可能である。この場合には、コース毎に設置した店舗用端末2に、それぞれユニークな店舗IDが付与され、コース毎に異なる一次元バーコード又は二次元バーコードを表示するように運用することで、コース単位で順番待ち管理を実施することが可能である。