IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新電元工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図1
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図2
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図3
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図4
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図5
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図6
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図7
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図8
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図9
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図10
  • 特開-コイル装置及びこれを用いたトランス 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089056
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】コイル装置及びこれを用いたトランス
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/30 20060101AFI20220608BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20220608BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H01F38/30
H01F30/10 Z
H01F30/10 S
H01F30/10 K
H01F27/28 128
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201277
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 桂輔
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 定勝
(72)【発明者】
【氏名】針生 誠
【テーマコード(参考)】
5E043
5E081
【Fターム(参考)】
5E043AA01
5E043AB01
5E043EA01
5E043EA05
5E043EA06
5E081AA05
5E081BB03
5E081CC15
5E081CC25
5E081DD03
5E081DD15
5E081DD25
5E081EE01
5E081EE03
(57)【要約】
【課題】導体の断線を抑制することができるコイル装置を得る。
【解決手段】コイル装置としてのカレントトランス60は、環状のコア63A及びコア63Aに巻き付けられた巻線63Bを有し、測定対象の電流が流れる導体としての一次側巻線部61をコア63Aに挿通させた状態で配置される電流測定用コイル63と、電流測定用コイル63を収容するコイルケース部64と、コイルケース部64から立設された端子支持壁部68と、端子支持壁部68に支持され、コイルケース部64に収容された電流測定用コイル63から引き出された巻線63Bが接続されるピン端子90と、端子支持壁部68の両側でコイルケース部64から立設され、電流測定用コイル63から引き出された巻線63Bを覆う一対の保護壁部69と、を備えている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のコア及び前記コアに巻き付けられた巻線を有し、測定対象の電流が流れる導体を前記コアに挿通させた状態で配置される電流測定用コイルと、
前記電流測定用コイルを収容するコイルケース部と、
前記コイルケース部から立設された端子支持壁部と、
前記端子支持壁部に支持され、前記コイルケース部に収容された前記電流測定用コイルから引き出された前記巻線が接続されるピン端子と、
前記端子支持壁部の両側で前記コイルケース部から立設され、前記電流測定用コイルから引き出された前記巻線を覆う一対の保護壁部と、を備えるコイル装置。
【請求項2】
前記コイルケース部は、前記電流測定用コイルから前記ピン端子側に前記巻線を引き出すための巻線挿通部を有し、
前記巻線は、前記一対の保護壁部の板厚方向視において、前記ピン端子との接続部と前記巻線挿通部とを結ぶ線分よりも装置外側へ弛んだ状態で配策されている請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記一対の保護壁部はそれぞれ、ガイドピンを前記保護壁部の板厚方向に挿通して支持可能なピン挿通支持部を有する請求項1又は2に記載のコイル装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のコイル装置を備えるトランスであって、
変圧用の一次側コイル及び二次側コイルの一方のコイルの一端側が、測定対象の電流が流れる導体であり、
前記コイル装置の前記コイルケース部は、前記トランスを固定する固定部を有する端子台に一体に形成されているトランス。
【請求項5】
前記端子台には、前記一方のコイルの一端側を前記コイル装置に案内する第1案内部と、前記一方のコイルの他端側を前記一端側と平行に案内する第2案内部が形成されている請求項4に記載のトランス。
【請求項6】
前記固定部は、前記端子台を上下方向に貫通するボス部と当該ボス部に装着された伝熱部材を有し、
前記ボス部には、前記トランスにおける一次側コイル又は二次側コイルと一体に形成された固定用端子部が前記伝熱部材を介して固定され、
前記伝熱部材の一端は、絶縁層を介して前記端子台が固定された放熱部材の一面に達している請求項4又は5に記載のトランス。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル装置及びこれを用いたトランスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電流測定用のコイル装置が開示されている。このコイル装置は、径の小さい線材(以下、巻線と称する)をコイルボビンに巻き付けて巻線部を形成し、巻線の端部をコイルボビンの両端に設けられた基板実装用のピン端子まで引き出して接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-122006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコイル装置では、径の小さな線材である巻線が使用されているため、ピン端子と巻線部との間で断線が発生し易いという課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、巻線の断線を抑制することができるコイル装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るコイル装置は、環状のコア及び前記コアに巻き付けられた巻線を有し、測定対象の電流が流れる導体を前記コアに挿通させた状態で配置される電流測定用コイルと、前記電流測定用コイルを収容するコイルケース部と、前記コイルケース部から立設された端子支持壁部と、前記端子支持壁部に支持され、前記コイルケース部に収容された前記電流測定用コイルから引き出された前記巻線が接続されるピン端子と、前記端子支持壁部の両側で前記コイルケース部から立設され、前記電流測定用コイルから引き出された前記巻線を覆う一対の保護壁部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成のコイル装置によれば、電流測定用コイルの巻線が、コイルケース部から引き出されてピン端子に接続されている。ピン端子は、両側に一対の保護壁部が配置された端子支持壁部に支持されている。従って、巻線の両側が一対の保護壁部によって保護されるため、作業者の手や周辺部品の接触等により、コイルケース部とピン端子との間で巻線が断線されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る電力変換装置としてのDC-DCコンバータ装置を示す側面図である。
図2】実施形態に係るDC-DCコンバータ装置の回路構成を示す回路図である。
図3】実施形態に係るDC-DCコンバータ装置が備えるトランスモジュールを示す斜視図である。
図4】実施形態に係るトランスモジュールが備えるトランスを示す斜視図である。
図5】実施形態に係るトランスを示す分解斜視図である。
図6】実施形態に係るトランスモジュールが備えるカレントトランスを示す斜視図である。
図7】実施形態に係るカレントトランスを一部断面で示す正面図である。
図8】実施形態に係るカレントトランスの平面図である。
図9】実施形態に係るカレントトランスの側面図である。
図10】実施形態に係るカレントトランスが備えるピン挿通支持部にガイドピンを挿通する方法を説明するための斜視図である。
図11】実施形態に係るガイドピンを用いて電流測定用コイルを配策する方法を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図11を参照して本発明の一実施形態について説明する。本施形態では、説明の便宜上、各図中に適宜記す矢印で前後、左右、上下で示す方向を、前後方向、左右方向及び上下方向と定義して構成要素の位置や向き等を説明する。また、各図中においては、図面を見易くするため、一部の符号を省略している場合がある。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係るDC-DCコンバータ装置1は、電力変換装置であり、放熱部材2と、その搭載面2aに搭載されるスイッチング回路部3、トランスモジュール4及び整流回路部5と、搭載面2aの上方に間隔をあけて配される回路基板6と、を備えて大略構成されている。放熱部材2は、アルミニウム等のように熱伝導性に優れた導電性材料を板状に形成して構成されている。回路基板6には、DC-DCコンバータ装置1の回路に要する各種配線パターンが形成されている。この回路基板6は、例えば、放熱部材2の搭載面2aから突出するように設けられたスペーサやブロック等の突起部(不図示)を介して、ネジ止め等によって放熱部材2に固定されている。
【0011】
スイッチング回路部3は、入力端子10に接続された直流電源100からの入力直流電圧を交流電圧に変換するものであり、四つのスイッチング素子11によって構成されている。各スイッチング素子11は動作時に発熱するため、スイッチング回路部3を放熱部材2に搭載することでスイッチング素子11の熱を放熱部材2に逃がすことができる。そして、直流電源100とスイッチング回路部3との間には、入力直流電圧を安定化させる入力コンデンサ12も設けられている。入力コンデンサ12は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。なお、直流電源100は、直接あるいは回路基板6の配線パターンを介して、入力コンデンサ12やスイッチング回路部3に接続されるようになっている。
【0012】
整流回路部5は、後述するトランスモジュール4が備えるトランス20の出力電圧を整流するものであり、複数の整流素子13によって構成されている。各整流素子13は動作時に発熱するため、整流回路部5を放熱部材2に搭載することで整流素子13の熱を放熱部材2に逃がすことができる。なお、整流回路部5は、図示例のような二相全波整流に限定されなくてよい。そして、整流回路部5と負荷装置(不図示)に接続するための出力端子14との間には、整流回路部5において整流された出力電圧を平滑化する平滑回路部15も設けられている。なお、図2においては、平滑回路部15がチョークコイル15A及び出力コンデンサ15Bによって構成されているが、これに限ることはない。また、これら平滑回路部15の各構成要素は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。
【0013】
図3に示すように、トランスモジュール4は、スイッチング回路部3において変換された交流電圧を変圧して整流回路部5に出力するためのトランス20と、トランス20の巻線に流れる交流電流を計測するためのカレントトランス60と、カレントトランス60を支持する端子台70と、を備えて大略構成されている。カレントトランス60は、本発明における「コイル装置」に相当する。端子台70は、ビス止め等の手段で放熱部材2に固定されている。
【0014】
図4及び図5に示すように、トランス20は、スイッチング回路部3に接続される変圧用の一次側コイル21A,21Bと、整流回路部5に接続される変圧用の二次側コイル22A,22Bと、これら一次側コイル21A,21B及び二次側コイル22A,22Bを取り付けるトランスコア23と、一次側コイル21A,21B及び二次側コイル22A,22Bをそれぞれ所定位置に配するためのケース24A,24B、カバー25A,25B及びセパレータ26と、を備えて構成されている。
【0015】
一次側コイル21A,21Bは、線状の導体によって構成されている。一次側コイル21Aは、上下方向を軸線方向とする略渦巻状に巻回された巻回部21A1と、巻回部21A1から径方向の外側(ここでは前方側)へ引き出された一対の引出線部21A2,21A3とを有している。同様に、一次側コイル21Bは、略渦巻状に巻回された巻回部21B1と、巻回部21B1から径方向の外側へ引き出された一対の引出線部21B2,21B3とを有している。巻回部21A1,21B1は、互いに同軸上に配置されている。一対の引出線部21A2,21A3は、一次側コイル21Aの両端部によって構成されており、一対の引出線部21B2,21B3は、一次側コイル21Bの両端部によって構成されている。
【0016】
引出線部21A2と引出線部21B2とは互いに上下方向に重ね合わされており、半田付け等の手段で互いに結合されている。引出線部21A2と引出線部21B2は、中間部が折り曲げられて先端側が上下方向に沿って上方に延在している。同様に、引出線部21A3と引出線部21B3とは互いに上下方向に重ね合わされており、半田付け等の手段で互いに結合されている。引出線部21A3と引出線部21B3は、中間部が折り曲げられて先端側が上下方向に沿って上方に延在している。これらの引出線部21A2,21B2,21A3,21B3は、スイッチング回路部3に電気的に接続されている。また、一方の引出線部21A2と一方の引出線部21B2とは、カレントトランス60の一次側巻線部61を構成している。カレントトランス60の一次側巻線部61は本発明における「測定対象の電流が流れる導体」に相当する。このカレントトランス60では、一次側巻線部61にかかる交流電圧に基づいて、カレントトランス60の二次側巻線部を構成する電流測定用コイル63に誘起起電力(交流電圧)が発生する。この誘起起電力を図2に示す電流検出回路80において検出することで、トランス20の一次側コイル21A,21Bにかかる交流電流を計測する構成になっている。この電流検出回路80は、回路基板6に設けられている。
【0017】
二次側コイル22A,22Bは、導電性を有する板材(例えば銅板)によって構成されている。二次側コイル22Aは、上下方向を軸線方向とする円環板状に形成された巻回部22A1と、巻回部22A1の周方向の両端から径方向の外側(ここでは前後方向の他方側)へ延びる一対の引出端子部22A2、22A3とを有している。同様に、二次側コイル22Bは、上下方向を軸線方向とする円環板状に形成された巻回部22B1と、巻回部22B1の周方向の両端から径方向の外側(ここでは後方側)へ延びる一対の引出端子部22B2,22B3とを有している。巻回部22A1,22B1は、互いに同軸上に配置されている。また、これらの巻回部22A1,22B1は、一次側コイル21A,21Bの巻回部21A1,21B1に対しても同軸上に配置されている。
【0018】
引出端子部22A2,22A3,22B2,22B3は、上下方向を板厚方向とする板状をなしており、巻回部22A1,22B1から互いに平行に延びている。引出端子部22A3と引出端子部22B3とは互いに上下方向に重ね合わされている。そして、このように上下方向に重ね合わされた引出端子部22A3,22B3に対する左右方向の両側に、引出端子部22A2と引出端子部22B2とが配置されている。これらの引出端子部22A2,22A3,22B2,22B3は、例えば放熱部材2に固定された図示しない端子台に対してビス止め等の手段で固定されており、当該端子台を介して整流回路部5に電気的に接続されている。
【0019】
二次側コイル22Aの巻回部22A1からは、前後方向の一方側すなわち複数の引出端子部22A2,22A3,22B2,22B3の引き出し方向とは反対方向へ向けて固定用端子部22A4が延出されている。この固定用端子部22A4は、図3に示す端子台70に対してボルトで構成された固定具72を用いて固定されている。固定用端子部22A4と端子台70の固定構造については後述する。
【0020】
二次側コイル22Aの巻回部22A1と、二次側コイル22Bの巻回部22B1との間には、セパレータ26が配置されている。セパレータ26は、樹脂などの絶縁材料によって構成されており、上下方向を軸線方向とする円環板状をなしている。セパレータ26は、巻回部22A1と巻回部22B1との間に同軸的に配置され且つ両者の間に挟まれている。このセパレータ26によって二次側コイル22A,22Bが互いに絶縁されている。また、このセパレータ26を構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されている。これにより、二次側コイル22Aと二次側コイル22Bとの間で、セパレータ26を介して熱が伝達されるように構成されている。
【0021】
巻回部22A1及び巻回部22B1に対して上下方向の両外側には、それぞれケース24A,24Bが配置されている。ケース24A,24Bは、それぞれ上下方向に扁平な略矩形の箱状に形成されている。ケース24A,24Bは、樹脂などの絶縁材料によって構成されている。これらのケース24A,24Bを構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されている。
【0022】
ケース24(24A,24B)は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状の底壁部2401と、底壁部2401の外周部から上下方向の一方側へ突出した周壁部2402とを有している。底壁部2401の中央部には、上下方向の一方側へ突出した円筒状のボス部2404が形成されている。ボス部2404には、トランスコア23が挿通されている。周壁部2402とボス部2404との間には、それぞれ円環状の収容室2405が形成されている。これらのケース24A,24Bは、同一の成形品からなり、二次側コイル22A,22Bの巻回部22A1,22B1を間に挟んで互いに反対向きに配置されている。ケース24A,24B同士が結合された状態では、各ケース24A,24Bの収容室2405が互いに反対側へ開放された状態となる。ケース24Aの収容室2405には、一次側コイル21Aの巻回部21A1が収容され、ケース24Bの収容室2405には、一次側コイル21Bの巻回部21B1が収容されている。ケース24A,24Bは、各々に形成された複数(ここでは3つ)の嵌合爪2415,2416,2417を互いに相手側に嵌合させることで結合されている。具体的には、ケース24A,24Bを上下方向に重ねて押し付けることで各々の嵌合爪2415,2416,2417が対応する相手方の引掛部(符号省略)に摺接する。嵌合爪2415,2416,2417は、一時的かつ弾性的に前後方向に撓んで引掛部を乗り越えた後、弾性復帰することにより引掛部に引っ掛かるように構成されている。
【0023】
ケース24における前後方向の一端部で且つ左右方向の両端部には、それぞれ上記の収容室2405を前後方向の一方側に開放させた左右一対の引出口2406が形成されている。左右の引出口2406が形成された箇所では、周壁部2402が部分的に省略されている。ケース24Aの収容室2405に巻回部21A1が収容された一次側コイル21Aは、一対の引出線部21A2,21A3が左右の引出口2406を通してケース24Aの外側へ引き出されている。同様に、ケース24Bの収容室2405に巻回部21B1が収容された一次側コイル21Bは、一対の引出線部21A2,21A3が左右の引出口2406を通してケース24Bの外側へ引き出されている。
【0024】
また、上記のケース24A,24Bに対して巻回部22A1,22B1とは反対側、すなわちケース24A,24Bに対して上下方向の両外側には、それぞれカバー25A,25Bが配置されている。カバー25A及びカバー25Bは、それぞれ上下方向に扁平な略矩形の板状に形成されている。カバー25A,25Bは、樹脂などの絶縁材料によって構成されている。これらのカバー25A,25Bを構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されている。
【0025】
カバー25(25A,25B)は、上下方向に扁平な略矩形の板状に形成されている。このカバー25は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状の水平壁部2501と、水平壁部2501の前後両端部から上下方向の一方側へ突出した前後一対の壁部2502,2503と、水平壁部2501の左右方向両端部から上下方向の他方側へ突出した左右一対の壁部2504,2505とを有している。水平壁部2501の中央部には、上下方向の一方側へ突出した円筒状のボス部2507が形成されている。ボス部2507には、トランスコア23が挿通されている。カバー25における前後方向の一端部で且つ左右方向の両端部には、前後方向の外側へ突出したカバー嵌合部2508がそれぞれ形成されている。これらのカバー25A,25Bは、同一の成形品からなり、一次側コイル21A,21Bの巻回部、二次側コイル22A,22Bの巻回部、及びケース24A,24Bを間に挟んで互いに反対向きに配置されている。各カバー25A,25Bは、各々に形成された複数(ここでは4つ)のカバー嵌合部2508を各ケース24A,24Bに嵌合させることで各ケース24A,24Bに結合されている。具体的には、各ケース24A,24Bの収容室2405と対向する側に各カバー25A,25Bが配置される。そして、各カバー25A,25Bと各ケース24A,24Bを上下方向に重ねて押し付けることで、各カバー25A,25Bに形成されたカバー嵌合部2508が各ケース24A,24Bに形成された対応する爪部(符号省略)に摺接する。カバー嵌合部2508は、一時的かつ弾性的に左右方向に撓んで爪部を乗り越えた後、弾性復帰することにより引掛部に引っ掛かるように構成されている。この結合が完了した状態では、各ケース24A,24Bからの各一次側コイル21A,21Bの脱落が各カバー25A,25Bによって規制される。
【0026】
上記のようにケース24A,24B同士が結合され、且つ各ケース24A,24Bに対して各カバー25A,25Bが結合された状態では、一次側コイル21A,21B、二次側コイル22A,22B、ケース24A,24B、カバー25A,25B及びセパレータ26が一体化される。これにより、その後の組立作業が容易になる。
【0027】
つまり、上記のように一体化された一次側コイル21A,21B、二次側コイル22A,22B、ケース24A,24B、カバー25A,25B及びセパレータ26に対しては、トランスコア23や端子台70が組み付けられるが、この組付作業が容易になる。トランスコア23は、一例として、一対のE型コア23A、23Bが組み合わされて構成されている。一対のE型コア23A、23Bは、磁性材料によって構成されており、前後方向から見てE字状に形成され且つ上下方向において互いに反対向きに配置されている。以下、図6図11を参照してコイル装置としてのカレントトランス60と、端子台70について説明する。
【0028】
図6図11に示すように、カレントトランス60は、本発明に係る電流測定用のコイル装置の一例である。本実施形態のカレントトランス60は、後述する端子台70と一体に形成されている。カレントトランス60は、トランス20の一次側コイル21A,21Bの一方の引出線部21A2,21B2からなる一次側巻線部61と、一次側巻線部61に流れる電流を測定するための電流測定用コイル63と、電流測定用コイル63を収容するコイルケース部64と、を備えている。
【0029】
コイルケース部64は、前後方向を軸方向とする筒型の箱状に形成されており、ベース部641と、外側筒状部642と、内側筒状部643と、カバー部645と、を備えている。ベース部641は、コイルケース部64の底を構成する円盤状の板状部材である。外側筒状部642は、ベース部641の外周部から前方側へ突出した円筒状に形成されている。外側筒状部642の径方向内側には、ベース部641の中心部を板厚方向に貫通する内側筒状部643が形成されている。内側筒状部643は、外側筒状部642と同軸的に配置されており、正面視(前後方向視)で楕円状に形成されている。また、内側筒状部643は、外側筒状部642よりも軸方向に若干長く形成されている。コイルケース部64は、この内側筒状部643と外側筒状部642との間の環状の空間は、電流測定用コイル63が収容されるコイル収容部65となっている。コイル収容部65の開口は、円盤状のカバー部645で塞がれている。カバー部645の中央部には、貫通孔が設けられて、内側筒状部643の先端側が挿通されている。従って、内側筒状部643先端側は、カバー部645の貫通孔に挿通されて、カバー部64よりも装置外側(前方側)に突出している。内側筒状部643の挿通孔66には、トランス20の一次側コイル21A,21Bの一方の引出線部21A2,21B2からなる一次側巻線部61が挿通されている。これにより、一次側巻線部61と電流測定用コイル63の絶縁性が内側筒状部643によって確保されている。一次側巻線部61は、内側筒状部643の挿通孔66内に位置する部分が前後方向に沿って直線状に延在し、挿通孔66から装置外側に突出した部分が折り曲げられて上方側に延在している。
【0030】
電流測定用コイル63は、磁性体からなる環状(リング状)のコア63Aと、コア63Aに螺旋状に巻き付けられた巻線63Bを有している。コア63Aの中心には、コイルケース部64の内側筒状部643と、一次側巻線部61と、が挿通されている。巻線63Bの一対の端部は、コイルケース部64に形成された巻線挿通部67を通って外側に引き出されて、回路基板6に接続された一対のピン端子90にそれぞれ接続されている。巻線挿通部67は、コイルケース部64の外側筒状部642における上端部且つ軸方向一方側の端部(前端部)に形成された一対の切り欠き部で構成されている。
【0031】
一対のピン端子90は、それぞれL字状に折り曲げられた端子部材とされており、各ピン端子90は、前後方向に沿って延在する第1端部90Aと、上下方向に沿って延在する第2端部90Bと、を有している。第1端部90Aには、巻線63Bの端部が半田付け等の方法で接続されている。第2端部90Bは、ピン端子90の上方側に配置された回路基板6に接続されている。第1端部90Aは、コイルケース部64から立設した端子支持壁部68に対して板厚方向に貫通している。これにより、一対のピン端子90が、端子支持壁部68に支持されている。端子支持壁部68は、前後方向を板厚方向とし、上下方向に長尺な矩形板状に形成されている。この端子支持壁部68は、外側筒状部642と一体に形成され、外側筒状部642の上端部且つ軸方向他方側の端部(後端部)から上方へ立設されている。一対のピン端子90は、端子支持壁部68の上部において左右方向に沿って並んで配置されている。
【0032】
図8及び図9に示すように、巻線63Bの端部は、第1端部90Aの後端部に接続される。すなわち、巻線63Bは、端子支持壁部68の前方側(装置外側)から端子支持壁部68の後方側まで引き出されてピン端子90の第1端部90Aに接続されている。以下では、巻線63Bの端部とピン端子90との接続部分を接続部92と称する。
【0033】
ところで、巻線63Bのように径の小さい線材は、小さな衝撃でも断線する可能性がある。従って、カレントトランス60をトランスモジュール4に実装する過程において、作業者の手や周辺の部品から巻線63Bを保護するための工夫を設けることが望ましい。また、万が一、作業者の手や周辺の部品と巻線63Bが接触してしまった場合に、巻線63Bが直ちに断線することを避けるための工夫を設けることが望ましい。そこで、本実施形態では、以下に示す二つの措置を講ずることにした。
【0034】
第1の措置として、端子支持壁部68の両側に一対の保護壁部69が配置される構成とした。この一対の保護壁部69は、端子支持壁部68と同様にコイルケース部64と一体に形成されており、外側筒状部642から上方へ立設されている。一対の保護壁部69は、それぞれ左右方向を板厚方向とし、上下方向に長尺な矩形板状に形成されている。一対の保護壁部69は、端子支持壁部68との間にコイルケース部64から引き出された巻線63Bが通る若干の隙間を形成すると共に、端子支持壁部68の両側で対向して配置されている。この状態では、巻線63Bは、一対の保護壁部69の内側に配置される。つまり、巻線63Bの両側が一対の保護壁部69で覆われるため、製造時の工程において、作業者の手や周辺の部品から巻線63Bを保護することができる。
【0035】
第2の措置は、コイルケース部64から引き出された巻線63Bを弛んだ状態で配策することである。具体的に説明すると、巻線63Bは、一対の保護壁部69の板厚方向視で、接続部92と巻線挿通部67とを結ぶ線分S(図11参照)よりも装置外側へ弛んだ状態で配策されている。線分Sは、コイルケース部64から引き出された巻線が張り詰めた状態で配策された場合における巻線の配策路を示す一例であり、仮想的な線分である。巻線63Bは、線分Sよりも装置外側(前方側)へ弛んだ状態で配策されることで、余長が生じる。従って、万が一、巻線63Bに作業者の手などが接触した場合であっても、巻線63Bに過度の張力が働くことを抑制し、巻線63Bが直ちに断線しないように構成されている。更に、本実施形態では、巻線63Bの余長を充分に確保するために、端子支持壁部68の前方側から後方側まで巻線63Bが引き出され、ピン端子90に接続されている。
【0036】
第2の措置を講ずるにあたり、一対の保護壁部69にピン挿通支持部691をそれぞれ設けている。ピン挿通支持部691は、一例として、保護壁部69の後端部に形成されたスリット状の切り欠き部により構成されている。また、一対の保護壁部69のピン挿通支持部691は、保護壁部69の板厚方向視で互いに重なる位置に設けられている。換言すると、一対のピン挿通支持部691は、少なくとも一部が、保護壁部69の板厚方向視で線分Sと巻線63Bとの間に配置されている。
【0037】
図10及び図11に示すように、一対のピン挿通支持部691は、棒状部材で構成されたガイドピン200を保護壁部69の板厚方向に挿通して支持可能に構成されている。ガイドピン200がピン挿通支持部691に挿通された状態では、保護壁部69の板厚方向視でガイドピン200の少なくとも一部が線分Sよりも装置外側に配置されている。巻線63Bは、ピン挿通支持部691に支持されたガイドピン200を支点にしてガイドピン200の装置外側を巡るように引き出されることにより、線分Sよりも装置外側に配策される。この状態で、巻線63Bの端部をピン端子90に接続する。その後、ピン挿通支持部691からガイドピン200を抜き取れば、巻線63Bが弛んだ状態で配策される。
【0038】
なお、本実施形態では、巻線63Bの端部とピン端子90を接続する接続部92が、端子支持壁部68を隔てて巻線挿通部67の反対側に配置される。従って、巻線63Bの端部をピン端子90に接続する半田付け工程では、端子支持壁部68が保護壁となって、接続部92以外の部位に、誤って半田が接触する事態を抑制するように構成されている。
【0039】
以上の構成によるカレントトランス60は、上述したとおり、端子台70に一体に形成されている。端子台70は、一例として、絶縁性を有する樹脂材料で形成されており、左右方向を長手方向とする長尺なブロック体をなしている。
【0040】
端子台70の中央部には、トランス20の二次側コイル22Aの巻回部22A1から突出された固定用端子部22A4を固定する固定部74が設けられている。この固定部74では、二次側コイル22Aを端子台70に固定する機能に加えて、トランス20で発生した熱を放熱する機能を備える。固定部74は、端子台を上下方向に沿って貫通する円筒状のボス部741と、ボス部741に装着された伝熱部材742と、伝熱部材742に螺合する固定具72によって構成されている。伝熱部材742は、熱伝導性の高い材料で構成されている。本実施形態の伝熱部材742は、一例として、金属性のカラーで構成されている。具体的に、伝熱部材742は、ボス部741の上面に載置される環状の鍔部7420と、鍔部7420の内周部から下方に延在する円筒状の筒部7430を有している。鍔部7420の上方には、金属製のワッシャを介して二次側コイル22Aの固定用端子部22A4が載置される。固定用端子部22A4は、金属性の固定具72を介して伝熱部材742に固定される。固定具72は、一例としてボルトで構成されており、ボルトの軸部に形成された雄ねじ部が筒部7430の内面に形成された雌ねじ部に螺合する。ここで、伝熱部材742の筒部7430は、軸方向(上下方向)の寸法がボス部741の軸方向の寸法よりも若干長く設定されており、ボス部741の下端部から、筒部7430の先端側が突出している。従って、筒部7430の下端部が、絶縁層75を介して放熱部材2の搭載面2aに到達する。絶縁層75は、一例として、樹脂製のシート材料で構成されている。トランス20が作動すると、トランス20で発生した熱が二次側コイル22Aから固定用端子部22A4に伝わり、伝熱部材742及び絶縁層75を介して放熱部材2に伝わる構成となっている。
【0041】
一方、固定部74の両側には、一次側コイル21A,21Bの引出線部21A2,21A3,21B2,21B3を案内する第1案内部76と第2案内部78がそれぞれ設けられている。第1案内部76はカレントトランス60の内側筒状部643であり、上述した通り、一方の引出線部21A2,21B2を直線状に案内している。一方、第2案内部78は、一次側コイル21A,21Bの他方の引出線部21A3,21B3を案内している。第2案内部78は、端子台70の上面に設けられた水平面部781と、水平面部781から立設した一対の対向壁部782と、一対の対向壁部782の前端部同士を左右方向に沿って繋いだ前壁部783と、によって囲まれた溝部である。一対の対向壁部782は、左右方向を板厚方向とする矩形板状に形成され、左右方向に対向して配置されている。前壁部783は、前後方向を板厚方向とする矩形板状に形成されている。引出線部21A3,21B3は、一対の対向壁部782と前壁部783、端子台70の水平面部781によってL字状に案内されている。具体的には、引出線部21A3,21B3において一対の対向壁部782間に配置された部分は、水平面部781に沿って前後方向の前方へ直線状に延在する。引出線部21A3,21B3は、前壁部783に突き当たる位置で折り曲げられ、先端側が前壁部783に沿って上下方向の上方へ延在する。また、一対の対向壁部782には、前後方向の中間部に接着剤充填部784が設けられている。接着剤充填部784は、それぞれの対向壁部782に設けられた平面視で円弧状をなす溝部で構成されている。一対の対向壁部782では、円弧状の溝部が向かい合って配置されることにより、円柱状の接着剤充填部を形成する。この接着剤充填部784に接着剤を充填することにより、引出線部21A3,21B3を第2案内部78に固定することができる。
【0042】
端子台70の長手方向の両端部には、端子台70を搭載面2aに搭載するための搭載部84がそれぞれ設けられている。端子台70の左側の端部の搭載部84は、平面視で略C字状に形成された切り欠き部で構成されている。一方、端子台70の右側の端部の搭載部84は、端子台70を上下方向に貫通する貫通孔で構成されている。これらの搭載部84は、放熱部材2の搭載面2aから上方に突出した突起部が挿通される。これにより、放熱部材2に対する端子台70の前後方向及び左右方向の移動が規制される。
【0043】
以上のように構成されるトランスモジュール4においては、一次側コイル21A,21Bの一端側の引出線部21A2,21B2と他端側の引出線部21A3,21B3が端子台70の第1案内部76及び第2案内部78によって平行に案内される。また、引出線部21A2,21A3,21B2,21B3の先端側、及びカレントトランス60の巻線63Bと接続されたピン端子90の先端側が、上方側に延在している。従って、トランス20の接続対象(スイッチング回路部3)とカレントトランス60の接続対象(回路基板6)とが同一方向(装置上方側)に配置される。これにより、トランス20とカレントトランス60の実装工程を合わせて行い、半田付け工程の回数を減少させることが可能となる。
【0044】
(作用並びに効果)
以上説明したとおり、本実施形態に係るDC-DCコンバータ装置1は、カレントトランス60を備えている。カレントトランス60は、電流測定用コイル63の巻線63Bが、コイルケース部64から引き出されてピン端子90に接続されている。このピン端子90は、両側に一対の保護壁部69が配置された端子支持壁部68に支持されている。従って、巻線63Bの両側が一対の保護壁部69によって保護されるため、作業者の手や周辺部品の接触等によりコイルケース部64とピン端子90との間で巻線63Bが断線されることを抑制することができる。
【0045】
また、コイルケース部64は、電流測定用コイル63からピン端子90まで側に巻線63Bを引き出すための巻線挿通部67を有しており、巻線63Bは、一対の保護壁部69の板厚方向視において、ピン端子90との接続部92と巻線挿通部67とを結ぶ線分Sよりも装置外側へ弛んだ状態で配策されている。これにより、コイルケース部64から引き出された巻線63Bに余長が与えられる。その結果、万が一作業者の手などが巻線63Bに接触した場合であっても、巻線63Bに過度の張力が働くことを抑制することができるため、巻線63Bが直ちに断線されないように構成されている。
【0046】
また、一対の保護壁部69は、それぞれガイドピン200を保護壁部69の板厚方向に挿通して支持可能なピン挿通支持部691を有している。これにより、図11に示すように、一対のピン挿通支持部691に支持されたガイドピン200を支点にして巻線63Bを引き出すと、巻線63Bを容易に弛ませることができる。
【0047】
また、巻線63Bは、端子支持壁部68を隔てて巻線挿通部67の反対側でピン端子90に接続されている。従って、巻線63Bの配策路を長くすることで、巻線63Bの余長を充分に確保することができる。更に、巻線63Bをピン端子90に半田付けする際に、端子支持壁部68が保護壁となり、接続部92以外の部分に誤って半田が接触してしまう事態を防止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、コイルケース部64と、固定部74とが端子台70に一体に形成されているため、トランス20とカレントトランス60が、端子台70を介してアッセンブリ化される。これにより、製造時の部品管理性に優れると共に、製造工程を簡単にすることができる。
【0049】
また、端子台70は、トランス20が備える変圧用の一次側コイル21A,21Bの一端側の引出線部21A2,21B2をカレントトランス60に案内する第1案内部76と、一次側コイル21A,21Bの他端側の引出線部21A3,21B3を一端側の引出線部21A2,21B2と平行に案内する第2案内部78が形成されている。これにより、一次側コイル21A,21Bの両端部をスイッチング回路部3へ容易に実装することができる。
【0050】
また、端子台70の固定部74は、ボス部741に装着された伝熱部材742が、二次側コイル22Aの固定用端子部22A4と放熱部材2とを繋ぐ放熱経路として機能する。これにより、端子台70の固定部74を介することにより、トランス20で発生した熱を効率良く放熱部材2へ伝達することができる。
【0051】
上記実施形態では、トランス20の一次側コイル21A,21Bの一端側の引出線部21A2,21B2が測定対象の電流が流れる導体を構成しているが、本発明はこれに限らない。二次側コイル22A,22Bの一端側に引出線部を設け、当該引出線部を測定対象の電流が流れる導体としてもよい。また、コイル装置としてのカレントトランス60は、トランス20のコイルに流れる電流を計測する上記実施形態に限らず、測定対象の電流が流れる導体を如何なるものにするかは、必要に応じて適宜設定することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、ピン挿通支持部691が切り欠き部により構成されているが、本発明はこれに限らない。ピン挿通支持部は、一対の保護壁部69を板厚方向に貫通する貫通孔でもよい。
【0053】
また、本実施形態では、端子台70に固定される固定用端子部22A4がトランス20の二次側コイル22Aに一体に形成される構成としたが、本発明はこれに限らない。固定用端子部をトランスの一次側コイルに一体に形成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
2 放熱部材
2a (放熱部材の一面)
20 トランス
21A,21B 一次側コイル
21A2,21B2 引出線部
22A,22B 二次側コイル
60 カレントトランス(コイル装置)
61 一次側巻線部(測定対象の電流が流れる導体)
63 電流測定用コイル
63A コア
63B 巻線
64 コイルケース部
66 巻線挿通部
68 端子支持壁部
69 保護壁部
691 ピン挿通支持部
70 端子台
74 固定部
741 ボス部
742 伝熱部材
75 絶縁層
76 第1案内部(内側筒状部643)
78 第2案内部
90 ピン端子
200 ガイドピン
S 線分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11