(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089058
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 30/10 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
H01F30/10 H
H01F30/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201279
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 桂輔
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 定勝
(72)【発明者】
【氏名】針生 誠
(57)【要約】
【課題】部品を共通化することにより製造コストを改善する。
【解決手段】トランス20は、環状の巻回部22A1、22B1を有する二次側巻線22A、22Bと、巻回部22A1、22B1を間に挟んで配置された一対の絶縁部材であるケース24A、24Bとを備えている。一対のケース24A、24Bは、同一の成形品からなり、各々に形成された複数の係止部2415、2416、2417を互いに相手側のケース24に係止させることにより互いに結合される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の巻回部を有する第1コイルと、
前記巻回部を間に挟んで配置される一対の絶縁部材と、を備え、
前記一対の絶縁部材は、同一の成形品からなり、各々に形成された複数の係止部を相手側の絶縁部材に係止させることにより互いに結合されるコイル装置。
【請求項2】
環状の巻回部を有する二つの第2コイルを備え、
前記一対の絶縁部材はそれぞれ、前記第1コイルと対向する側の反対側に前記第2コイルの巻回部を収容する収容部を有している請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記収容部に収容された前記第2コイルを覆うように前記一対の絶縁部材にそれぞれ結合される二つの絶縁カバーを備える請求項2に記載のコイル装置。
【請求項4】
二つの前記第1コイルと、
二つの前記第1コイルの巻回部の間に配置される絶縁板と、を備え、
前記一対の絶縁部材は、二つの前記第1コイルの巻回部及び前記絶縁板を間に挟んだ状態で互いに結合される請求項1~3のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項5】
前記一対の絶縁部材にはそれぞれ、三つの前記係止部が形成されている請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
【請求項6】
前記三つの係止部のうちの二つは、前記第1コイルの巻回部の接線方向に並んで配置されており、
前記三つの係止部のうちの残りの一つは、前記二つの係止部のうちの一方に対して、前記巻回部の中心を介して反対側に配置されている請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記一対の絶縁部材はそれぞれ、相手側の絶縁部材に形成された前記残り一つの係止部に係合することにより、前記第1コイルの巻回部の周方向一方側への相対回転を規制する規制部を有する請求項6に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されたトランスモジュールは、コイル装置であるトランスを備えている。このトランスは、一次側巻線と、一対の二次側巻線と、トランスコアとを有している。一次側巻線は、ボビンに複数回巻回された状態でケース内に収容されており、一対の二次側巻線は、上記のケースを挟み込むように配置されている。上記のケースは、絶縁材料からなる一対のカップ状部材によって構成されている。一対のカップ状部材は、一方のカップ状部材における周壁部の先端部が、他方のカップ状部材における周壁部の先端部の内側に入り込むことで互いに結合されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のトランスでは、ケースを構成する一対のカップ状部材が互いに異なる形状に成形されることで互いに結合可能とされている。このトランスを製造する際には、互いに形状が異なる二種類のカップ状部材(絶縁部材)を管理する必要がある。このため、部品を共通化するという観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記課題を考慮し、部品を共通化することにより製造コストを改善することができるコイル装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコイル装置は、環状の巻回部を有する第1コイルと、前記巻回部を間に挟んで配置される一対の絶縁部材と、を備え、前記一対の絶縁部材は、同一の成形品からなり、各々に形成された複数の係止部を互いに相手側の絶縁部材に係止させることにより互いに結合される。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、第1コイルが有する環状の巻回部を間に挟んで一対の絶縁部材が配置される。一対の絶縁部材は、各々に形成された複数の係止部を相手側の絶縁部材に係止させることにより互いに結合される。これらの絶縁部材は、同一の成形品からなるため、部品を共通化することにより製造コストを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るDC-DCコンバータ装置を示す側面図である。
【
図2】同DC-DCコンバータ装置の回路構成を示す回路図である。
【
図3】同DC-DCコンバータ装置が備えるトランスモジュールを示す斜視図である。
【
図4】同トランスモジュールが備えるトランスを示す分解斜視図である。
【
図5】絶縁部材としてのケースを示す第1の斜視図である。
【
図6】絶縁部材としてのケースを示す第2の斜視図である。
【
図7】絶縁部材としてのケースを示す第3の斜視図である。
【
図8】絶縁部材としてのケースを示す第4の斜視図である。
【
図9】一対のケース同士の係止方法について説明するための斜視図である。
【
図10】絶縁カバーとしてのカバーを示す第1の斜視図である。
【
図11】絶縁カバーとしてのカバーを示す第2の斜視図である。
【
図12】ケースに対するカバーの係止方法について説明するための斜視図である。
【
図13】ケースとカバーとの係止状態を示す第1の斜視図である。
【
図14】ケースとカバーとの係止状態を示す第2の斜視図である。
【
図15】ケースとカバーとの係止状態を示す第3の斜視図である。
【
図16】ケースとカバーとの係止状態を示す第4の斜視図である。
【
図17】実施形態に係るトランスの部分的な構成を示す第1の斜視図である。
【
図18】実施形態に係るトランスの部分的な構成を示す第2の斜視図である。
【
図19】実施形態に係るトランスの部分的な構成を示す第3の斜視図である。
【
図20】実施形態に係るトランスの部分的な構成を示す第4の斜視図である。
【
図21】実施形態に係るトランスの部分的な構成を示す第5の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図21を参照して本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、説明の便宜上、各図中に適宜記す前後、左右及び上下の矢印で示す方向を、前後方向、左右方向及び上下方向と定義して構成要素の位置や向き等を説明する。また、各図中においては、図面を見易くするため、一部の符号を省略している場合がある。
【0010】
図1、2に示すように、本実施形態に係る電力変換装置としてのDC-DCコンバータ装置1は、放熱部材2と、その搭載面2aに搭載されるスイッチング回路部3、トランスモジュール4及び整流回路部5と、搭載面2aの上方に間隔をあけて配される回路基板6と、を備えて大略構成されている。放熱部材2は、アルミニウム等のように熱伝導性に優れた導電性材料を板状に形成して構成されている。回路基板6には、DC-DCコンバータ装置1の回路に要する各種配線パターンが形成されている。この回路基板6は、例えば、放熱部材2の搭載面2aから突出するように設けられたスペーサやブロック等の突起部(不図示)を介して、ネジ止め等によって放熱部材2に固定されている。
【0011】
スイッチング回路部3は、入力端子10に接続された直流電源100からの入力直流電圧を交流電圧に変換するものであり、四つのスイッチング素子11によって構成されている。各スイッチング素子11は動作時に発熱するため、スイッチング回路部3を放熱部材2に搭載することでスイッチング素子11の熱を放熱部材2に逃がすことができる。そして、直流電源100とスイッチング回路部3との間には、入力直流電圧を安定化させる入力コンデンサ12も設けられている。入力コンデンサ12は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。なお、直流電源100は、直接あるいは回路基板6の配線パターンを介して、入力コンデンサ12やスイッチング回路部3に接続されるようになっている。
【0012】
整流回路部5は、後述するトランスモジュール4が備えるトランス20の出力電圧を整流するものであり、複数の整流素子13によって構成されている。各整流素子13は動作時に発熱するため、整流回路部5を放熱部材2に搭載することで整流素子13の熱を放熱部材2に逃がすことができる。なお、整流回路部5は、図示例のような二相全波整流に限定されなくてよい。そして、整流回路部5と負荷装置(不図示)に接続するための出力端子14との間には、整流回路部5において整流された出力電圧を平滑化する平滑回路部15も設けられている。なお、
図2においては、平滑回路部15がチョークコイル15A及び出力コンデンサ15Bによって構成されているが、これに限ることはない。また、これら平滑回路部15の各構成要素は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。
【0013】
図3に示すように、トランスモジュール4は、スイッチング回路部3において変換された交流電圧を変圧して整流回路部5に出力するためのトランス20と、トランス20の巻線に流れる交流電流を計測するためのカレントトランス60と、カレントトランス60を支持する端子台70と、を備えて大略構成されている。トランス20は、本発明における「コイル装置」に相当する。端子台70は、ビス止め等の手段で放熱部材2に固定されている。
【0014】
図4に示すように、トランス20は、スイッチング回路部3に接続される一次側巻線21A、21Bと、整流回路部5に接続される二次側巻線22A、22Bと、これら一次側巻線21A、21B及び二次側巻線22A、22Bを取り付けるトランスコア23と、一次側巻線21A、21B及び二次側巻線22A、22Bをそれぞれ所定位置に配するためのケース24A、24B、カバー25A、25B及びセパレータ26とを備えて構成されている。一次側巻線21A、21Bは、本発明における「二つの第2コイル」に相当し、二次側巻線22A、22Bは、本発明における「二つの第1コイル」に相当し、ケース24A、24Bは、本発明における「一対の絶縁部材」に相当し、カバー25A、25Bは、本発明における「二つの絶縁カバー」に相当し、セパレータ26は、本発明における「絶縁板」に相当する。
【0015】
一次側巻線21A、21Bは、線状の導体によって構成されている。一次側巻線21Aは、上下方向を軸線方向とする略渦巻状に巻回された巻回部21A1と、巻回部21A1から径方向の外側(ここでは前側)へ引き出された一対の引出線部21A2、21A3とを有している。同様に、一次側巻線21Bは、略渦巻状に巻回された巻回部21B1と、巻回部21B1から径方向の外側へ引き出された一対の引出線部21B2、21B3とを有している。巻回部21A1、21B1は、互いに同軸上に配置されている。一対の引出線部21A2、21A3は、一次側巻線21Aの両端部によって構成されており、一対の引出線部21B2、21B3は、一次側巻線21Bの両端部によって構成されている。
【0016】
引出線部21A2と引出線部21B2とは互いに上下方向に重ね合わされており、半田付け等の手段で互いに結合されている。同様に、引出線部21A3と引出線部21B3とは互いに上下方向に重ね合わされており、半田付け等の手段で互いに結合されている。これらの引出部21A2、21B2、21A3、21B3は、スイッチング回路部3に電気的に接続されている。また、一方の引出線部21A2と一方の引出線部21B2とは、カレントトランス60の一次側巻線61を構成している。このカレントトランス60では、一次側巻線61にかかる交流電圧に基づいて図示しない二次側巻線に誘起起電力(交流電圧)が発生する。この誘起起電力を
図2に示される電流検出回路80において検出することで、トランス20の一次側巻線21A、21Bにかかる交流電流を計測する構成になっている。この電流検出回路80は、回路基板6に設けられている。
【0017】
二次側巻線22A、22Bは、導電性を有する板材(例えば銅板)によって構成されている。二次側巻線22Aは、上下方向を軸線方向とする円環板状に形成された巻回部22A1と、巻回部22A1の周方向の両端から径方向の外側(ここでは後側)へ延びる一対のリード引出部22A2、22A3とを有している。同様に、二次側巻線22Bは、上下方向を軸線方向とする円環板状に形成された巻回部22B1と、巻回部22B1の周方向の両端から径方向の外側(ここでは後側)へ延びる一対のリード引出部22B2、22B3とを有している。巻回部22A1、22B1は、互いに同軸上に配置されている。また、これらの巻回部22A1、22B1は、一次側巻線21A、21Bの巻回部21A1、21B1に対しても同軸上に配置されている。
【0018】
リード引出部22A2、22A3、22B2、22B3は、上下方向を板厚方向とする板状をなしており、巻回部22A1、22B1から互いに平行に延びている。リード引出部22A3とリード引出部22B3とは互いに上下方向に重ね合わされている。そして、このように上下方向に重ね合わされたリード引出部22A3、22B3に対する左右方向の両側に、リード引出部22A2とリード引出部22B2とが配置されている。これらのリード引出部22A2、22A3、22B2、22B3は、例えば放熱部材2に固定された図示しない端子台に対してビス止め等の手段で固定されており、当該端子台を介して整流回路部5に電気的に接続されている。
【0019】
二次側巻線22Aの巻回部22A1からは、後側へ向けて固定用引出部22A4が延出されている。この固定用引出部22A4は、
図3に示される端子台70に対してビス72を用いて固定されている。この端子台70においてビス72が螺合された部分は、熱伝導性の高い金属によって構成されており、当該金属の部分が放熱部材2と接触している。これにより、二次側巻線22Aに生じる熱が放熱部材2に伝達されるように構成されている。この二次側巻線22Aの巻回部22A1と、二次側巻線22Bの巻回部22B1との間には、セパレータ26が配置されている。
【0020】
セパレータ26は、樹脂などの絶縁材料によって構成されており、上下方向を軸線方向とする円環板状をなしている。このセパレータ26は、巻回部22A1と巻回部22B1との間に同軸的に配置され且つ両者の間に挟まれている。このセパレータ26によって二次側巻線22A、22Bが互いに絶縁されている。また、このセパレータ26を構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されている。これにより、二次側巻線22Aと二次側巻線22Bとの間で、セパレータ26を介して熱が伝達されるように構成されている。
【0021】
二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1及びセパレータ26に対して上下方向の両外側には、それぞれケース24A、24Bが配置されている。ケース24A、24Bは、樹脂などの絶縁材料によって構成されている。これらのケース24A、24Bを構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されていても良い。これらのケース24A、24Bは、
図5~
図9に示すように、同一の成形品からなり、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1及びセパレータ26を間に挟んで互いに反対向きに配置されている。これらのケース24A、24Bは、各々に形成された複数(ここでは三つ)の係止爪2415、2416、2417を互いに相手側に係止させることで互いに結合されている。これらの係止爪2415、2416、2417は、本発明における「係止部」に相当する。
【0022】
また、上記のケース24A、24Bに対して二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1とは反対側、すなわちケース24A、24Bに対して上下方向の両外側には、それぞれカバー25A、25Bが配置されている。カバー25A、25Bは、樹脂などの絶縁材料によって構成されている。これらのカバー25A、25Bを構成する樹脂には、例えば熱伝導性フィラーが添加されている。これらのカバー25A、25Bは、
図10~
図12に示すように、同一の成形品からなり、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1、セパレータ26及びケース24A、24Bを間に挟んで互いに反対向きに配置されている。各カバー25A、25Bは、各々に形成された複数(ここでは四つ)のカバー係止部2508を各ケース24A、24Bに係止させることで各ケース24A、24Bに結合されている。
【0023】
以下、主に
図4~
図21を用いてケース24A、24B及びカバー25A、25Bについて説明する。なお、
図13~
図16は、ケース24A(又はケース24B)とカバー25A(又はカバー25B)との係止状態を示す斜視図であり、
図17~
図21は、トランス20の部分的な構成を示す斜視図である。
図17~
図21では、一次側巻線21A、21B、トランスコア23、端子台70等の図示を省略している。以下の説明では、ケース24A、24Bを単に「ケース24」と称し、カバー25A、25Bを単に「カバー25」と称する場合がある。
【0024】
図5~
図8に示すように、ケース24は、上下方向に扁平な略矩形の箱状に形成されている。このケース24は、前後方向の寸法が左右方向の寸法よりも若干長く設定されている。このケース24は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状の底壁部2401と、底壁部2401の外周部から上下方向の一方側へ突出した周壁部2402とを有している。底壁部2401の中央部には、円形の貫通孔2403が形成されている。この貫通孔2403の孔縁部には、上下方向の一方側へ突出した円筒状のボス部2404が形成されている。周壁部2402の内周面は、ボス部2404と同心の略円筒面状をなしている。この周壁部2402とボス部2404との間には、円環状の収容部2405が形成されている。ケース24Aの収容部2405には、一次側巻線21A(
図4参照)の巻回部21A1が収容され、ケース24Bの収容部2405には、一次側巻線21Bの巻回部21B1が収容されている。各収容部2405は、ケース24A、24Bにおいて、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1と対向する側の反対側に一次側巻線21A、21Bの巻回部21A1、21B1を収容する。
【0025】
図6~
図8に示すように、ケース24における前端部で且つ左右方向の両端部には、それぞれ上記の収容部2405を前側に開放させた左右一対の引出口2406が形成されている。左右の引出口2406が形成された箇所では、周壁部2402が部分的に省略されている。ケース24Aの収容部2405に巻回部21A1が収容された一次側巻線21Aは、一対の引出線部21A2、21A3が左右の引出口2406を通してケース24Aの外側へ引き出されている。同様に、ケース24Bの収容部2405に巻回部21B1が収容された一次側巻線21Bは、一対の引出線部21A2、21A3が左右の引出口2406を通してケース24Bの外側へ引き出されている。
【0026】
図5~
図8に示すように、ケース24における前後方向の両端部(長手方向両端部)で且つ左右方向の両端部(幅方向両端部)には、それぞれ延長壁部2407が形成されている。これら四つの延長壁部2407は、周壁部2402からそれぞれ前後方向の外側へ延びている。各延長壁部2407の先端部において、底壁部2401とは反対側の端部には、それぞれ左右方向の外側へ突出した爪部C2が形成されている。
【0027】
図5及び
図8に示すように、ケース24の前端部で且つ左右方向の両端部においては、底壁部2401が周壁部2402よりも前側へ延長されることで、左右一対の引掛部2412、2413が形成されている。また、ケース24の前端部で且つ左右方向の両端部には、それぞれ係止部としての係止爪2415、2416が形成されている。左右の係止爪2415、2416は、底壁部2401からそれぞれ上下方向の他方側へ向けて突出しており、左右の引掛部2412、2413に対して左右方向の一方側に隣接して配置されている。これらの係止爪2415、2416は、左右方向に並んで配置されている。これらの係止爪2415、2416は、何れも前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状をなしている。各係止爪2415、2416の先端部には、後側へ突出した爪部C1がそれぞれ形成されている。
【0028】
図5~
図8に示すように、ケース24の後端部には、周壁部2402から後側へ突出した枠状部2408が形成されている。この枠状部2408は、前後方向から見て左右方向を長手方向とする長尺矩形の枠状をなしている。
図5、
図7及び
図8に示すように、枠状部2408に対する左右方向の一方側においては、底壁部2401が周壁部2402よりも後側へ延長されることで、引掛部2414が形成されている。この引掛部2414は、枠状部2408よりも前側に退避している。
【0029】
図5~
図8に示すように、枠状部2408に対する左右方向の他方側においては、底壁部2401が周壁部2402よりも後側へ延長されることで、延長部2410が形成されている。この延長部2410は、枠状部2408よりも後側へ突出している。この延長部2410の先端部は、上下方向の他方側に屈曲している。また、この延長部2410における左右方向の内側の端部からは、上下方向の他方側に向けて位置決め片2411が延出されている。この位置決め片2411は、左右方向を板厚方向とする板状をなしている。
【0030】
また、上記の延長部2410の基端側には、係止部としての係止爪2417が形成されている。この係止爪2417は、延長部2410の基端部から上下方向の他方側へ向けて突出している。この係止爪2417は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状をなしている。但し、この係止爪2417は、前述した二つの係止爪2415、2416よりも左右方向の幅寸法が大きく設定されている。これにより、この係止爪2417は、前述した二つの係止爪2415、2416よりも前後方向に撓み難く構成されている。この係止爪2417の先端部には、前側へ突出した爪部C1が形成されている。この係止爪2417は、上下方向から見た場合に、前述した二つの係止爪2415、2416のうちの一方の係止爪2415に対して貫通孔2403の中心を介して反対側に配置されている。
【0031】
上記構成のケース24A、24Bは、前述したように、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1及びセパレータ26を間に挟んで互いに反対向きに配置される。これらのケース24A、24Bは、二次側巻線22A、22Bと一次側巻線21A、21Bとを絶縁する絶縁部材として機能する。これらのケース24A、24Bは、各々に形成された係止爪2415、2416、2417を互いに相手側の引掛部2412、2413、2414に係止させることで互いに結合される。つまり、ケース24A、24Bは、巻回部22A1、22B1及びセパレータ26を間に挟んだ状態で互いに結合される。これらのケース24A、24B同士が結合される際には、各ケース24A、24Bの収容部2405が互いに反対側へ開放された状態となるように各ケース24A、24Bが互いに上下方向に反対向きの姿勢で配置される(
図9参照)。その姿勢で各ケース24A、24Bが互いに接近されることにより、各ケース24A、24Bに形成された係止爪2415、2416、2417が互いに相手側のケース24A、24Bに形成された引掛部2412、2413、2414に係止する。なお
図9では、二次側巻線22A、22B及びセパレータ26の図示を省略している。
【0032】
上記の係止の際には、各係止爪2415、2416、2417の先端部に形成された爪部C1が各引掛部2412、2413、2414と摺接することにより、各係止爪2415、2416、2417が一時的かつ弾性的に前後方向に撓むように構成されている。そして、各係止爪2415、2416、2417が弾性復帰することにより、各係止爪2415、2416、2417の爪部C1が各引掛部2412、2413、2414に引っ掛かる。これにより、ケース24Aとケース24Bとが互いに結合される。この結合の際には、二つの係止爪2415、2416が残りの一つの係止爪2417よりも撓み易いことから、これら二つの係止爪2415、2416が主に撓む。これにより、上記の結合が円滑に行われるように構成されている。なおこの結合の際には、例えば各ケース24A、24Bの係止爪2417を相手側の引掛部2414に引っ掛けた後に、各ケース24A、24Bの係止爪2415、2416(すなわち撓み易い係止爪)を相手側の引掛部2412、2413に係止させるようにしてもよい。これにより、三つの係止爪2415、2416、2417を三つの引掛部2412、2413、2414に対して同時に係止させる場合と比較して、係止作業が容易になる。
【0033】
図17~
図21に示すように、ケース24A、24Bの結合が完了した状態では、各ケース24A、24Bの収容部2405が二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1とは反対側に開放された状態となる。この結合完了状態では、上記二つの係止爪2415、2416が二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1の接線方向に並んで配置されると共に、上記二つの係止爪2415、2416のうちの一方の係止爪2415と残りの一つの係止爪2417とが二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1の中心を介して互いに反対側に配置される。
【0034】
また、上記のように結合されるケース24A、24Bは、各々に形成された係止爪2415、2416同士が左右方向に互いに干渉することで、左右方向へのケース24A、24Bの相対変位が制限されるように構成されている。さらに、これらのケース24A、24Bはそれぞれ、上記の結合完了状態において、相手側のケース24に形成された係止爪2417に対して巻回部22A1、22B1の周方向一方側から係合(ここでは近接して対向)することにより、巻回部22A1、22B1の周方向一方側への相対回転を規制する回止部2409を有している。これらの回止部2409は、各ケース24A、24Bの枠状部2408における左右方向の一方側の端面によって構成されている。これらの回止部2409が各係止爪2417に干渉することにより、左右方向へのケース24A、24Bの相対変位が制限されると共に、巻回部22A1、22B1の周方向へのケース24A、24B同士の相対回転が防止されるように構成されている。
【0035】
また、上記の結合完了状態では、二次側巻線22A、22Bのリード引出部22A2、22B2に対する左右方向の両外側に、ケース24A、24Bの各位置決め片2411が配置される。上記のリード引出部22A2、22B2の間には、上下方向に重ね合わされたリード引出部22A3、22B3が配置される。これにより、22A3、22B3、22A2、22B2の左右方向への変位が上記各位置決め片2411によって制限されるようになっている。
【0036】
一方、
図10及び
図11に示されるように、カバー25(カバー25A及びカバー25B)は、上下方向に扁平な略矩形の板状に形成されている。このカバー25は、左右方向の寸法が前後方向の寸法よりも長く設定されている。このカバー25は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状の水平壁部2501と、水平壁部2501の前後両端部から上下方向の一方側へ突出した前後一対の壁部2502、2503と、水平壁部2501の左右方向両端部から上下方向の他方側へ突出した左右一対の壁部2504、2505とを有している。水平壁部2501の中央部には、円形の貫通孔2506が形成されている。この貫通孔2506の孔縁部には、上下方向の一方側へ突出した円筒状のボス部2507が形成されている。カバー25の前端部で且つ左右方向の両端部には、前後方向の外側へ突出したカバー係止部2508がそれぞれ形成されている。
【0037】
上記構成のカバー25A、25Bがケース24A、24Bに対してそれぞれ結合される際には、
図12に示されるように、各ケース24A、24Bの収容部2405と対向する側に各カバー25A、25Bが配置される。そして、各カバー25A、25Bと各ケース24A、24Bとが互いに接近されることにより、各カバー25A、25Bに形成されたカバー係止部2508と、各ケース24A、24Bの延長壁部2407に形成された爪部C2とが係止する。これにより、各カバー25A、25Bが各ケース24A、24Bに結合される。これらのカバー25A、25Bは、各ケース24A、24Bの収容部2405に収容された一次側巻線21A、21Bを覆うように各ケース24A、24Bにそれぞれ結合される。
【0038】
上記のように各カバー25A、25Bが各ケース24A、24Bに結合される際には、各延長壁部2407の爪部C2が各カバー係止部2508と摺接することにより、各カバー係止部2508及び各延長壁部2407が一時的かつ弾性的に左右方向に撓むように構成されている。そして、各カバー係止部2508及び各延長壁部2407が弾性復帰することにより、各延長壁部2407の爪部C2が各カバー係止部2508に引っ掛かり、各カバー25A、25Bが各ケース24A、24Bに拘束される。
【0039】
上記の結合(係止)は、各ケース24A、25Bの収容部2405に各一次側巻線21A、21Bの巻回部21A1、21B1が収容され、且つ、各一次側巻線21A、21Bの引出線部24A2、24A3、24B2、24B3が各ケース24A、25Bの引出口2406に挿入された状態で行われる。この結合が完了した状態では、各ケース24A、24Bからの各一次側巻線21A、21Bの脱落が各カバー25A、25Bによって規制されるように構成されている。なお前述したように、
図17~
図21では、一次側巻線21A、21Bの図示を省略している。
【0040】
上記のようにケース24A、24B同士が結合され、且つ各ケース24A、24Bに対して各カバー25A、25Bが結合された状態では、一次側巻線21A、21B、二次側巻線22A、22B、ケース24A、24B、カバー25A、25B及びセパレータ26が一体化される。これにより、その後の組立作業が容易になる。
【0041】
つまり、上記のように一体化された一次側巻線21A、21B、二次側巻線22A、22B、ケース24A、24B、カバー25A、25B及びセパレータ26に対しては、トランスコア23や端子台70が組み付けられるが、この組付作業が容易になる。トランスコア23は、一例として、一対のE型コア23A、23Bが組み合わされて構成されている。一対のE型コア23A、23Bは、磁性材料によって構成されており、前後方向から見てE字状に形成され且つ上下方向において互いに反対向きに配置されている。
【0042】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係るDC-DCコンバータ装置1では、入力端子10に入力された直流電圧がスイッチング回路部3において交流電圧に変換され、トランスモジュール4に出力される。トランスモジュール4では、スイッチング回路部3から出力された交流電圧がトランス20において異なる電圧の交流電圧に変圧され、整流回路部5に出力される。整流回路部5では、トランス20からの出力電圧が整流され、平滑回路部15に出力される。平滑回路部15では、整流回路部5からの出力電圧が平滑化され、出力端子14から外部に出力される。
【0043】
上記のトランス20では、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1及びセパレータ26を間に挟んで、一対のケース24A、24Bが互いに反対向きに配置されている。これらのケース24A、24Bは、各々に形成された複数の係止爪2415、2416、2417を相手側のケース24に係止させることにより互いに結合されている。これらのケース24A、24Bは、二次側巻線22A、22Bと一次側巻線21A、21Bとを絶縁する絶縁部材として機能する。これらのケース24A、24Bは、同一の成形品からなるため、部品を共通化することにより製造コストを改善することができる。
【0044】
また、このトランス20は、環状の巻回部21A1、21B1を有する一対の一次側巻線21A、21Bを備えており、上記のケース24A、24Bは、上記各巻回部21A1、21B1を収容する環状の収容部2405を各々が有している。つまり、一次側巻線21A、21Bと二次側巻線22A、22Bとを絶縁するケース24A、24Bが、一次側巻線21A、21Bの巻回部21A1、21B1を収容する収容部2405を有している。これにより、一次側巻線21A、21Bを容易に所定位置に配することができる。
【0045】
また、各ケース24A、24Bは、二次側巻線22A、22Bの巻回部22A1、22B1及びセパレータ26とは反対側に収容部2405を有している。そして、収容部2405に収容された一次側巻線21A、21Bを覆うようにカバー25A、25Bがケース24A、24Bに結合されている。これらのカバー25A、25Bは、各々に形成された複数のカバー係止部2508を各ケース24A、24Bに係止させることで各ケース24A、24Bに結合されている。これにより、各カバー25A、25Bによって、一次側巻線21A、21Bを各ケース24A、24Bに保持することができる。しかも、これらのカバー25A、25Bは、一次側巻線21A、21Bを絶縁する絶縁部材として機能する。これらのカバー25A、25Bは、同一の成形品からなるため、これらの部品を共通化することにより製造コストを一層改善することができる。
【0046】
また、このトランス20では、ケース24A、24Bの間に設けられた二次側巻線22A、22B巻回部22A1、22B1が、セパレータ26によって互いに絶縁されている。このように、二つの二次側巻線22A、22Bを有することにより、二次側巻線の巻き数等の設計自由度が向上する。
【0047】
また、上記のケース24A、24Bには、それぞれ三つの係止爪2415、2416、2417(何れも係止部)が形成されている。これにより、例えば各ケース24A、24Bにそれぞれ四つの係止部が形成される場合と比較して、各ケース24A、24Bの構成を簡素化することができると共に、ケース24A、24B同士を結合させる作業が容易になる。また例えば、各ケース24A、24Bにそれぞれ四つの係止部が形成される場合と比較して、ケース24A、24B同士の結合状態を安定させることや、結合強度を確保することが容易である。
【0048】
また、上記各ケース24A、24Bでは、三つの係止爪2415、2416、2417のうちの二つの係止爪2415、2416は、巻回部22A1、22B1の接線方向(ここでは左右方向)に並んで配置されている。そして、残りの一つの係止爪2417は、上記二つの係止爪2415、2416のうちの一方の係止爪2415に対して、巻回部22A1、22B1の中心を介して反対側に配置されている。このように、上記残りの一つの2417が配置されることにより、二次側巻線22A、22Bのリード引出部22A2、22A3、22B2、22B3の引き出しスペースを容易に確保可能となる。
【0049】
また、上記各ケース24A、24Bは、互いに相手側に形成された上記残りの一つの係止爪2417に対して巻回部22A1、22B1の周方向一方側から係合する回止部2409をそれぞれが有している。これにより、各ケース24A、24Bにそれぞれ三つの係止爪2415、2416、2417が形成された構成において、互いに結合されたケース24A、24B同士が巻回部22A1、22B1の周方向一方側へ相対回転することを、簡素な構成で規制することができる。
【0050】
また、上記三つの係止爪2415、2416、2417は、ケース24A、24B同士が結合される際に弾性的に撓むように形成されている。これらのうちの二つの係止爪2415、2416は、残りの一つの係止爪2417よりも撓み易く構成されている。これにより、ケース24A、24B同士を結合させる際には、二つの係止爪2415、2416が主に撓むこととなるため、三つの係止爪2415、2416、2417に対して均等に力を加える必要がなくなり、結合作業が容易になる。
【0051】
なお、上記実施形態では、二つの係止爪2415、2416が、残りの一つの係止爪2417よりも撓み易い構成としたが、これに限るものではない。三つの係止爪2415、2416、2417の撓み易さが同等に設定された構成にしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、各ケース24A、24Bが、互いに相手側の係止爪2417と係合する回止部2409を有する構成にしたが、これに限るものではない。各ケース24A、24Bが、相手側における係止爪2417とは別の部分と係合する構成にしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、二つの係止爪2415、2416が巻回部22A1、22B1の接線方向に並んで配置され、残りの一つの係止爪2417が上記の係止爪2415に対して巻回部22A1、22B1の中心を介して反対側に配置された構成にしたが、これに限るものではない。例えば三つの係止爪2415、2416、2417が互いに等距離に位置する構成にしてもよい。但しその場合、二次側巻線22A、22Bのリード引出部22A2、22A3、22B2、22B3の配置等を変更する必要がある。
【0054】
また、上記実施形態では、各ケース24A、24Bにそれぞれ三つの係止爪2415、2416、2417が形成された構成にしたが、これに限るものではない。各ケース24A、24Bにそれぞれ四つ以上の係止爪(係止部)が形成された構成にしてもよい。或いは、各ケース24A、24Bにそれぞれ二つの係止部と、位置ずれ防止用の係合部とが形成された構成にしてもよい。その場合、例えば上記二つの係止部が上下方向Yのケース24A、24B同士の分離を阻止し、上記の位置ずれ防止用の係合部が前後方向及び/又は左右方向のケース24A、24B同士の位置ずれを防止する構成となる。
【0055】
また、上記実施形態では、係止爪2415、2416、2417が係止部とされた構成にしたが、これに限るものではない。例えば、各ケース24A、24Bに形成された円柱状の係止部が、互いに相手側に形成された係止孔に係止(例えば圧入)されることで、ケース24A、24B同士が互いに結合される構成にしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、一対のケース24A、24Bの間に配置された二つの二次側巻線22A、22B(本発明における「第1コイル」に相当)を有する構成にしたが、これに限るものではない。本発明における「第1コイル」は、一つの二次側巻線で構成されるものでもよい。
【0057】
また、上記実施形態は、絶縁カバーとしてのカバー25A、25Bを備えた構成にしたが、これに限るものではない。カバー25A、25Bの代わりに別の絶縁部材が設けられる構成にしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、ケース24A、24Bとカバー25A、25Bとがそれぞれ別々に成形され、成型後に結合される構成にしたが、これに限るものではない。ケース24A、24Bとカバー25A、25Bとがそれぞれ一体に成型される構成にしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、一次側巻線と二次側巻線との配置が逆にされた構成にしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、電力変換装置であるDC-DCコンバータ装置1のトランス20に対して本発明が適用された場合について説明したが、これに限るものではない。例えば本発明はチョークコイルに対しても適用可能である。その場合、一次側巻線21A、21Bに相当する巻線を備えない構成となる。
【0061】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
20 トランス(コイル装置)
21A、21B 一次側巻線(第2コイル)
21A1、21B1 巻回部(巻回部)
22A、22B 二次側巻線(第1コイル)
22A1、22B1 巻回部(巻回部)
24A、24B ケース(絶縁部材)
2415、2416、2417 係止爪(係止部)
25A、25B カバー(絶縁カバー)
2508 カバー係止部
26 セパレータ(絶縁板)