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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089063
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】妊活情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20220608BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220608BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20220608BHJP
【FI】
G16H20/60
G06Q30/02 480
G16Y10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201288
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】515225448
【氏名又は名称】ミツボシプロダクトプラニング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512093468
【氏名又は名称】株式会社パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向井 徹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 弘
(72)【発明者】
【氏名】細川 忠宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】妊活を始めたばかりの人にも健康状態の改善につながる適切な情報を簡単に提供することができる妊活情報提供システムを提供する。
【解決手段】妊娠に関する積極的な活動を行うことを望むユーザHに健康状態の改善につながる有用な情報を提供するための妊活情報提供システム1である。
そして、妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部21と、ユーザの妊娠に関する検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部22と、検査結果判定部の判定結果に基づいてユーザが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を特定する不足栄養特定部23と、不足栄養情報に基づいてユーザが入手可能となる製品情報を提供する推奨製品選定部24とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
妊娠に関する積極的な活動を行うことを望むユーザに健康状態の改善につながる有用な情報を提供するための妊活情報提供システムであって、
妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部と、
前記ユーザの妊娠に関する検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部と、
前記検査結果判定部の判定結果に基づいて前記ユーザが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を特定する不足栄養特定部と、
前記不足栄養情報に基づいて前記ユーザが入手可能となる製品情報を提供する推奨製品選定部とを備えたことを特徴とする妊活情報提供システム。
【請求項2】
前記製品情報はサプリメントに関する情報であって、前記推奨製品選定部では前記不足栄養情報に適したサプリメントを選定して製品情報を提供することを特徴とする請求項1に記載の妊活情報提供システム。
【請求項3】
前記検査結果判定部では前記検査結果と基準値との差分を算出し、前記不足栄養特定部では、前記差分に基づいて前記ユーザが補充すべき栄養成分を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の妊活情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妊娠に関する積極的な活動を行うことを望むユーザに健康状態の改善につながる有用な情報を提供するための妊活情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に開示されているように、妊娠を望む人が妊娠しやすい状態になるために、食事内容や生活習慣を見直したり、運動習慣を生活の中に取り入れたり、産婦人科で受診して不妊治療を受けたりするなどのいわゆる「妊活」(妊娠に関する積極的な活動)が知られている。
【0003】
妊活は、通常の病気と異なり、いきなり病院で受診するのではなく、妊娠を望む人(以下、「ユーザ」という。)が、インターネットや各種専門書などで医学的知識を収集したり、同様の悩みを持つ知人の話を聞いたりするところから始まることが多い。妊活は、女性だけでなく、当然ながら男性が行うこともある。
【0004】
このようにして得られる情報は多種多様で、一般的な解説や医療情報をユーザ自身に当てはめて解釈したり判断したりすることは簡単にできることではない。そこで、特許文献2では、ユーザと様々な角度から分析した状況が類似する妊活をしている人を見つけ出し、情報共有が簡単にできるようなシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-92331号公報
【特許文献2】特開2016-218954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、妊活をしている類似する人を見つけ出すには、ユーザ自身が相応の妊活に関する情報を入力しなければならず、これから妊活を始めようとするユーザにとっては、簡単にできることではない。
【0007】
そこで、本発明は、妊活を始めたばかりの人にも健康状態の改善につながる適切な情報を簡単に提供することができる妊活情報提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の妊活情報提供システムは、妊娠に関する積極的な活動を行うことを望むユーザに健康状態の改善につながる有用な情報を提供するための妊活情報提供システムであって、妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部と、前記ユーザの妊娠に関する検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部と、前記検査結果判定部の判定結果に基づいて前記ユーザが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を特定する不足栄養特定部と、前記不足栄養情報に基づいて前記ユーザが入手可能となる製品情報を提供する推奨製品選定部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記製品情報はサプリメントに関する情報であって、前記推奨製品選定部では前記不足栄養情報に適したサプリメントを選定して製品情報を提供する構成とすることができる。また、前記検査結果判定部では前記検査結果と基準値との差分を算出し、前記不足栄養特定部では、前記差分に基づいて前記ユーザが補充すべき栄養成分を特定する構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の妊活情報提供システムは、妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部と、検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部を備えている。そして、検査結果判定部の判定結果に基づいてユーザが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を不足栄養特定部で特定し、それに基づいてユーザが入手可能となる製品情報が推奨製品選定部によって提供される。
【0011】
このため、妊活を始めたばかりの人であっても簡単にどのような検査を受ければ良いかを把握することができるうえに、その検査結果に基づいて、不足する栄養成分等及びそれを補充するのに適したサプリメントなどの製品情報を知ることができる。すなわち、ユーザの健康状態の改善につながる適切な情報を、簡単に入手することができる。
【0012】
また、推奨製品選定部によって不足栄養情報に適したサプリメントを選定して製品情報を提供する構成であれば、妊活を始めたばかりのユーザであっても、自分の健康状態に適合したサプリメントを、たくさんある製品の中から選んで入手することが簡単にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態の妊活情報提供システムの構成を説明するブロック図である。
図2】検査機関と検査項目の情報を例示する説明図である。
図3】検査結果と判定結果を例示する説明図である。
図4】判定結果に基づいた不足栄養情報を例示する説明図である。
図5】栄養情報の詳細を例示する説明図である。
図6】不足する栄養を補充するのに適したサプリメント推奨条件を例示する説明図である。
図7】推奨サプリメントの詳細情報を例示する説明図である。
図8】本発明の実施の形態の妊活情報提供システムの利用方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の妊活情報提供システム1の構成を説明するブロック図である。本実施の形態の妊活情報提供システム1は、妊娠に関する積極的な活動(妊活)を行うことを望むユーザHに、健康状態の改善につながる有用な情報を提供するためのシステムである。
【0015】
要するに、ユーザHとなる妊娠を望む女性や男性が、妊娠につながる健康状態になるために、生活習慣の見直しや、健康状態の改善や、不妊治療などを行うにあたって、何を目的としたどのような検査があるかや、その検査をどこで受けることができるかなどの情報を、妊活情報提供システム1によって簡単に得られるようにする。
【0016】
また、検査を受診した後においても、検査結果の把握や、検査結果に基づいてどのような栄養素をどの程度摂取すればよいかという情報を、妊活情報提供システム1によって取得できるようにする。
【0017】
さらには、不足する栄養素をサプリメントなどの市販の製品で補う場合には、どのような製品を選ぶのがよいかを、その製品の信頼性などの参考となる情報とともに、製品の入手に関する情報までを一貫して提供できるようにする。
【0018】
本実施の形態の妊活情報提供システム1は、図1に示すように、妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部21と、妊娠に関する検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部22と、検査結果から補充すべき栄養に関する不足栄養情報を特定する不足栄養特定部23と、栄養を補充できる入手可能な製品情報を提供する推奨製品選定部24とによって主に構成される。
【0019】
ユーザHが妊活情報提供システム1にアクセスする手段としては、例えばユーザHが携行するスマートフォン(携帯端末)などの通信端末H1が該当する。なお、通信端末H1は、スマートフォンに限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートパソコン、タブレット端末などであってもよい。
【0020】
この通信端末H1には、必要に応じて妊活情報提供システム1にログインしたり、必要なデータを入力したり、各種情報を閲覧したりするためのアプリケーションがインストールされる。
【0021】
通信端末H1によって入力される検査結果などのデータは、通信端末H1の記憶媒体に記録させることもできるし、妊活情報提供システム1が搭載されたサーバなどの外部のオンラインストレージ(クラウドストレージ)などに記憶させることもできる。通信端末H1の記憶媒体としては、本体に組み込まれたハードディスクやフラッシュメモリ、本体に挿し込まれるSDメモリーカードなどが挙げられる。
【0022】
通信端末H1は、インターネットなどのネットワークNを介して妊活情報提供システム1が搭載されたサーバなどに接続される。ネットワークNは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wi-Fi)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などの一部又は全部によって構成される。
【0023】
妊活情報提供システム1の主要部となる検査情報提供部21、検査結果判定部22、不足栄養特定部23及び推奨製品選定部24は、例えばサーバの演算処理部2に設けられる。また、演算処理部2には、後述する検査機関データベース31、サプリメントデータベース32などの各種データベースが接続される。
【0024】
検査情報提供部21は、検査機関データベース31に登録された情報やネットワークNを介して取得可能な情報に基づいて、妊娠に関する検査の受診についての各種情報を提供する。
【0025】
妊娠に関する検査の情報とは、妊活や不妊治療に役立つ各種検査の内容や、検査が受けられる検査機関などの情報である。各種検査については、検査名、検査目的、検査内容、概算費用などの情報が提供される。
【0026】
また、検査機関については、病院などの医療機関なのか、検査だけを行う検査機関なのかなどの種別や、実施可能な検査名などの情報が提供される。また、検査機関の名称、住所、電話番号などの連絡先、予約など検査の受診方法などの情報も提供することができる。
【0027】
図2に、検査機関と検査項目の情報を例示した。検査は、男性と女性とで異なるため、まず男性か女性かという対象の区分けがされている。検査実施機関の欄に示されているように、医療機関名や検査機関名が情報として提供される。検査実施機関の詳細としては、泌尿器科、産婦人科、リプロダクションセンターなどの情報も提供される。
【0028】
検査には様々な検査があるが、男性が受ける検査としては、造精機能を調べる目的の標準精液検査、精子機能を調べる目的の高度精子機能検査1などがある。標準精液検査では、WHOラボマニュアル基準に基づいて総運動率が検査項目となる。高度精子機能検査1では、DFI検査(DNA断片化指数)によりDFIが検査項目となる。そして、総運動率は40%以上が正常を示す基準値となり、DFIは23%以下が正常を示す基準値となる。
【0029】
男性が受ける検査項目には、この他にも様々なものがある。例えば、精液量、精子濃度、総精子数、前進運動率、正常精子形態率、白血球数、高度精子機能検査2(ORP検査(酸化ストレスレベル))などがある。
【0030】
一方、女性が受ける検査としては、血中のビタミンD濃度を調べる目的の血液検査、銅/亜鉛比を調べる目的の血液検査、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を調べる目的の血液検査や超音波検査などがある。また、この他にも、副腎や性腺で産出されるホルモン量を調べる目的の血清DHEAs測定、子宮の内膜厚を調べる目的のエコー診断(超音波検査)、子宮内の菌の種類や割合を調べる目的のラクトバチルス菌の測定(子宮内フローラ検査)などの検査がある。
【0031】
図2に示すように、血清ビタミンDの測定では、25(OH)Dが検査項目となり30ng/mL以上という基準値が示されている。また、血清亜鉛測定では亜鉛が検査項目となり、80-130μg/dLという基準値が示されている。さらに、卵巣の超音波検査では、多嚢胞性卵巣が検査項目となり、LH基礎値高値かつFSH基礎値正常という基準値が示されている。
【0032】
このように検査結果は、基準値に基づいて判定がされる。妊活情報提供システム1では、検査結果判定部22によって、ユーザHの妊娠に関する検査の結果を基準値に基づいて判定する。すなわち、ユーザHが通信端末H1を使って検査結果を入力すると、検査結果判定部22によって検査結果の判定が行われて、通信端末H1に表示されることになる。
【0033】
図3には、検査結果と判定結果を例示した。例えば男性の標準精液検査の検査結果で総運動率が20%であった場合、基準値より低い値なので所見はN(ネガティブ)となり、医療機関の受診やヘルスケアが「必要」という判定結果になる。なお、検査結果が基準値を満たしている場合は、P(ポジティブ)という所見になって、この検査項目に関しては、医療機関の受診やヘルスケアは「必要なし」という判定結果になる。また、DFIが35%であった場合は、基準値より高い値なので所見はN(ネガティブ)となり、医療機関の受診やヘルスケアが「必要」という判定結果になる。
【0034】
一方、女性の血液検査で25(OH)Dが30ng/mL未満であった場合、基準値より低い値なので所見はN(ネガティブ)となり、医療機関の受診やヘルスケアが「必要」という判定結果になる。また、亜鉛が80μg/dL未満であった場合も、基準値より低い値なので所見はN(ネガティブ)となり、医療機関の受診やヘルスケアが「必要」という判定結果になる。
【0035】
ユーザHは、このように妊活情報提供システム1によって出力された判定結果を見ることで、自身の検査項目に関する状態が基準値を満たす正常か、基準値を満たさない改善が必要とされる状態なのかを知ることができる。
【0036】
しかしながらこの判定結果だけでは、ユーザHは、その後、どのようにして健康状態を改善していけば良いかがわからない。そこで、妊活情報提供システム1では、不足栄養特定部23によって、判定結果に基づいてユーザHが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を特定して、通信端末H1に表示させる。
【0037】
不足栄養特定部23では、検査結果の基準値との差などの判定結果に基づいて、補充すべき栄養成分や摂取分量や摂取期間などを導き出すことになる。これらの特定には、様々な科学的根拠や専門家の見解が利用される。
【0038】
様々な科学的根拠や専門家の見解は、例えばネットワークNを通じて学術論文などを学術情報データベース4などから取得して分析することで得ることができる。分析した結果は、サプリメントデータベース32に登録して、不足栄養特定部23によって抽出しやすい状態にしておくことができる。この登録に関しては、例えば人工知能(AI:Artificial Intelligence)技術によるディープラーニングなどの機械学習などによって構築された学習成果を利用することもできる。
【0039】
図4は、判定結果に基づいた不足栄養情報(推奨栄養素)を例示している。例えば男性が総運動率やDFIの検査項目で栄養補充というヘルスケアが必要とされた場合は、栄養成分としてコエンザイムQ10を、摂取量200mgで90日以上の摂取期間で補充することが好ましいという情報が提供される。また、検査項目や判定結果によっては、アルギニンや亜鉛などが不足栄養情報として特定される場合もある。
【0040】
一方、女性が、25(OH)Dの検査項目で栄養補充というヘルスケアが必要とされた場合は、栄養成分としてビタミンDを、摂取量1000-4000IUで90日以上の摂取期間で補充することが好ましいという情報が提供される。また、亜鉛が不足すると判定された場合は、摂取量15mgで90日以上の摂取期間で補充することが必要であるという情報が提供される。
【0041】
さらに、PCOSの検査項目で栄養補充というヘルスケアが必要とされた場合は、栄養成分としてミオイノシトールを、摂取量4000mgで90日以上の摂取期間で補充することが好ましいという情報が提供される。また、検査項目や判定結果によっては、DHEAやアルギニンやラクトフェリンなどが不足栄養情報として特定される場合もある。
【0042】
このような検査結果から補充すべき栄養を特定する判断は、科学的根拠の高い専門家の意見に基づいて形成された判定処理部を有する不足栄養特定部23によって行われるが、妊活情報提供システム1では、エビデンスとなる客観性のある情報も提供する。
【0043】
図5は、栄養情報の詳細を例示する説明図である。例えばエビデンスが得られるURL(Uniform Resource Locator)や、その論文等の要約などを情報として提供する。例えば、標準精液検査の総運動率に関して、「原因不明精子無力症の男性不妊患者60名を対象にしたRCT(無作為比較対照試験)で、還元型CoQ10を200mgとプラセボを6ヶ月服用後、CoQ10群のみ、精漿中、精子細胞中のCoQ10濃度が有意に上昇、精子運動率(33.1±7.1% → 39.4±6.8%)、直進性(10.4±3.5% → 15.1±7.3%)ともに有意に改善された。」という知見に基づいて、不足栄養特定部23による補充すべき不足栄養情報の特定は行われている。
【0044】
不足栄養情報の特定がされると、それを補充可能なサプリメントなどの製品情報が必要になる。妊活情報提供システム1の推奨製品選定部24では、サプリメントデータベース32に登録された複数のサプリメントの中から、不足栄養情報に適したサプリメントを選定して、通信端末H1に表示する。サプリメントの情報としては、製品の名称、原材料名、内容量、摂取方法、栄養成分、販売元、標準価格などが登録される。
【0045】
図6には、不足する栄養を補充するのに適したサプリメント推奨条件を例示した。推奨製品選定部24では、不足栄養特定部23によって特定された不足栄養情報から、サプリメントの推奨条件を特定する。
【0046】
栄養成分としてコエンザイムQ10を摂取量200mgで90日以上の摂取期間で摂取するのに適したサプリメントの推奨条件は、成分配合としては還元型CoQ10が200mg、形状としてはソフトカプセル、高付加価値を求めるユーザHであれば植物性ソフトカプセル、製品試験としては安全性試験及び崩壊試験に合格しており、製造工場についてはGMP認定工場となる。
【0047】
栄養成分としてビタミンDを摂取量1000-4000IUで90日以上の摂取期間で摂取するのに適したサプリメントの推奨条件は、成分配合としてはビタミンD 1000-4000IU、形状としてはソフトカプセル、高付加価値を求めるのであればフィッシュオイルを基剤油としたソフトカプセル、製品試験としては安全性試験及び崩壊試験に合格しており、製造工場についてはGMP認定工場となる。
【0048】
栄養成分として亜鉛を摂取量15mgで90日以上の摂取期間で摂取するのに適したサプリメントの推奨条件は、成分配合としては亜鉛15mg、形状としては錠剤、高付加価値を求めるのであればフランス・ルサッフル社製の亜鉛酵母を使用又は亜鉛の吸収率を高めるビタミンCを配合、製品試験としては安全性試験に合格しており、製造工場についてはGMP認定工場となる。
【0049】
栄養成分としてミオイノシトールを摂取量4000mgで90日以上の摂取期間で摂取するのに適したサプリメントの推奨条件は、成分配合としてはミオイノシトール4000mg、形状としてはソフトカプセル、高付加価値を求めるのであれば植物性ソフトカプセル、製品試験としては安全性試験及び崩壊試験に合格しており、製造工場についてはGMP認定工場となる。
【0050】
そして、これらのサプリメントの推奨条件を満たす製品情報を図7に例示した。製品情報としては、製品名、製品の詳細情報、専門家のその製品に関する見解などの情報、参考となる動画、製品を販売している販売店舗の情報、摂取した顧客のレビューなどが提供される。
【0051】
これらの製品の詳細情報は、サプリメントデータベース32に格納されていてもよいが、ネットワークNで接続された各種製品情報5にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)が示される形式であってもよい。こうした情報提供方式とすることで、ユーザHは、常に最新情報に接することができるようになる。
【0052】
次に、本実施の形態の妊活情報提供システム1の利用方法について、図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ユーザHは、必要に応じて妊活情報提供システム1にアクセスするためのアプリケーションを通信端末H1にインストールしたり、ログインをするための登録作業をおこなったりなどの準備を行う。妊活情報提供システム1が、汎用のブラウザで閲覧できたり、会員登録をしなくても利用できたりする場合は、この作業は不要となる。
【0053】
ステップS1では、妊活を始めようとするユーザHは、妊活情報提供システム1にアクセスして、妊活や不妊治療のために、どのような検査があるかや、検査が受診できる機関の情報などを取得する。
【0054】
妊活に必要な検査の情報は、図2に例示したような情報が検査機関データベース31に登録されているので、ユーザHは、通信端末H1を使って、検査情報提供部21から検査目的や検査内容や検査実施機関の情報を簡単に集めることができる。
【0055】
検査に関する情報を、通信端末H1を使って閲覧したユーザHは、自分に必要と思われる検査を検査機関において受診することになる(ステップS2)。この受診に際しても、必要な検査のために病院の何科に行けばよいかなどの情報が取得できているので、迅速に検査を受けることができるようになる。
【0056】
検査を受けると、図3に示すような検査結果が検査機関から得られるので、ユーザHは、その検査結果を、通信端末H1を使って妊活情報提供システム1に入力することになる(ステップS3)。検査結果判定部22では、この入力された検査結果を、基準値に基づいて判定する(ステップS4)。例えば、検査結果の数値と基準値との差分が算出されて、その差分に基づいて判定が行われる。
【0057】
こうした検査結果や判定結果は、ユーザHに健康状態を改善するために、何らかの行動を起こさなければならないことを自覚させるきっかけにはなるが、ユーザHはそのために何をすればよいかは、通常は分からないことが多い。
【0058】
そこで、不足栄養特定部23において、検査の判定結果に基づいた不足栄養情報の特定が行われ、ユーザHの通信端末H1に表示される(ステップS5)。不足栄養情報とは、図4に示すように、判定結果に基づいたユーザHが補充すべき栄養に関する情報である。例えば、摂取することが推奨される栄養成分、摂取量、摂取期間などが、不足栄養情報としてユーザHに提供される。不足栄養情報は、検査結果の数値と基準値との差分の大きさによって異なる情報が提供されるものであってもよい。
【0059】
不足栄養情報を通信端末H1で閲覧したユーザHは、図5に示すような学術情報などのエビデンスを簡単に確認することができる。すなわち、別途、インターネットなどで検索を行わなくても、妊活情報提供システム1から信頼性の高い情報を得ることができる。こうした不足栄養情報や科学的根拠は、1種類の検査の判定結果に対して、複数が表示されるようになっていてもよい。
【0060】
不足栄養情報により補充すべき栄養を理解したユーザHは、その栄養を補充できる入手可能なサプリメントなどの製品情報を欲することになる。ステップS6において、妊活情報提供システム1は、推奨製品選定部24によって選定されたサプリメントなどの製品情報を、ユーザHの通信端末H1に表示させる。
【0061】
推奨サプリメントの情報は、単なる広告のような製品情報ではなく、図6に示すように、サプリメントの推奨条件とともに提供される。ユーザHは、サプリメントの推奨条件などを判断基準にして、自分に最も適した製品を選択することができるようになる。また、製品に推奨順位を付けて情報提供する構成であってもよい。
【0062】
さらに詳細な製品情報が知りたいユーザHは、図7に示すような製品に関する専門家の意見や購入方法などを知ることができる(ステップS7)。すなわちユーザHは、妊活を始めたばかりでも、検査の受診からサプリメントなどの健康状態の改善に必要な製品の購入まで、一気通貫で簡単に行うことができるようになる。
【0063】
次に、本実施の形態の妊活情報提供システム1の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の妊活情報提供システム1は、妊娠に関する検査の受診についての情報を提供する検査情報提供部21と、検査結果を基準値に基づいて判定する検査結果判定部22を備えている。
【0064】
そして、検査結果判定部22の判定結果に基づいてユーザHが補充すべき栄養に関する不足栄養情報を不足栄養特定部23で特定し、それに基づいてユーザHが入手可能となる製品情報が推奨製品選定部24によって提供される。
【0065】
このため、妊活を始めたばかりの人であっても簡単にどのような検査を受ければ良いかを把握することができるうえに、その検査結果に基づいて、不足する栄養成分等及びそれを補充するのに適したサプリメントなどの製品情報を知ることができる。すなわち、ユーザHの健康状態の改善につながる適切な情報を、簡単に入手することができる。
【0066】
また、推奨製品選定部24によって不足栄養情報に適したサプリメントを選定して製品情報を提供する構成であれば、妊活を始めたばかりのユーザHであっても、自分の健康状態に適合したサプリメントをたくさんある製品の中から選んで入手することが、簡単にできるようになる。
【0067】
また、検査結果判定部22において検査結果と基準値との差分を算出して判定結果を出すのであれば、簡単な演算処理で判定を行うことができる。また、不足栄養特定部23で、その差分に基づいてユーザHが補充すべき栄養成分を特定するのであれば、よりユーザHに適した不足栄養情報を提供することができるようになる。
【0068】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0069】
例えば、前記実施の形態では、妊活を始めようとするユーザHを例に説明したが、これに限定されるものではなく、すでに不妊治療を行っているユーザHにとっても、本発明の妊活情報提供システム1は有用なシステムになる。
【符号の説明】
【0070】
1 :妊活情報提供システム
21 :検査情報提供部
22 :検査結果判定部
23 :不足栄養特定部
24 :推奨製品選定部
H :ユーザ
H1 :通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8