(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089118
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220608BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020211839
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】520504703
【氏名又は名称】木村 綾奈
(72)【発明者】
【氏名】木村 綾奈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB50
(57)【要約】
【課題】 生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツを利活用するにあたり、不正使用を防止しながら、購入者によって著作物の価値が形成される販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラムを提供すること。
【解決手段】 今まで狭い範囲の利用に留まっていた生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツの利活用が促進されるために必要な、前記著作物等を適切に管理・保管するレポジトリ機能のみならず、保護によって前記著作物等の不正使用を防止し、購入数や評価から前記著作物等に適切な価値が付与される方法を含む、個人対個人(個人には、法人を含み、個人対法人、法人対個人、法人対法人も含む)取引に係る販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援システムであって、
該デジタルコンテンツを記憶する記憶手段と、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行う手段と、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索手段と、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理手段と、
該デジタルコンテンツを評価する評価手段と、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出する手段と、
を備える販売支援システム。
【請求項2】
前記著作物は、生徒時及び学生時に作成した著作物等である、請求項1に記載の販売支援システム。
【請求項3】
著作物のデジタルコンテンツの販売は、個人対個人(個人には、法人を含み、個人対法人、法人対個人、法人対法人も含む)取引を仲介する、請求項1に記載の販売支援システム。
【請求項4】
著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援方法であって、
該デジタルコンテンツを記憶するステップと、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行うステップと、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索ステップと、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理ステップと、
該デジタルコンテンツを評価する評価ステップと、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出するステップと、
を備える販売支援方法。
【請求項5】
著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援プログラムであって、
該デジタルコンテンツを記憶するステップ、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行うステップ、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索ステップ、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理ステップ、
該デジタルコンテンツを評価する評価ステップ、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出するステップ、
を実行させる販売支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツに関して、個人対個人(個人には、法人を含み、個人対法人、法人対個人、法人対法人も含む)の販売を支援する販売支援システム、販売支援方法、販売支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信網の普及及び通信技術等の発達等により、ユーザは、ネットワークに接続可能な携帯型を含む端末を利用して、様々なデジタルコンテンツを容易に取得し、閲覧することが可能となっている。デジタルコンテンツには、例えば、電子書籍、映画等の動画、音楽等があげられる。それに伴い、著作物の不正使用の防止も課題である。
【0003】
特許文献1には、有料のデジタルコンテンツの不正使用を防止する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、企業等から発信される幅広いデジタルコンテンツを対象としていることから、ユーザ個人が、著作物のデジタルコンテンツを利活用したい場合に、個人対個人(個人には、法人を含み、個人対法人、法人対個人、法人対法人も含む)取引において不正使用を防止しながら販売支援する方法は開示されていない。また、同じ理由から、個人の著作物のデジタルコンテンツについて、著作者が価格を設定することはあっても、需要から適切な価格を算出して販売支援する方法も存在していない。
【0006】
一つの例として、個人が生徒時及び学生時に作成した著作物等があげられる。
【0007】
本発明における生徒とは、小学校の児童、中学校・義務教育学校(後期課程)・中等教育学校(前期課程)・特別支援学校(中学部)の在籍者、高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)の在籍者で、高等専修学校・専門学校・各種学校の在籍者、のことである。
【0008】
本発明における学生とは、大学の学部・大学院・短期大学・高等専門学校の在籍者、のことである。
【0009】
本発明における生徒時及び学生時に作成した著作物等とは、例えば、夏休みの宿題、自由研究、レポート、報告書、申請書、プレゼンテーション資料、課題研究、卒業論文、修士論文、卒業制作、等のことである。
【0010】
卒業制作とは、自らテーマを設定し、学習の成果として作られた創作物のことである。例えば、絵画、彫刻、ゲーム、小説、動画、映画、建築模型、服飾、等、形は問われない。
【0011】
しかしながら、前記著作物等は基本的に、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校の内部評価にのみ使用されている。また、卒業後は適切に保管されず、放置され、失われた著作物も少なくない。すなわち、前記著作物の情報が集約、公開、取得する方法がないために、「知」の集積の機会及び活用の機会が失われている。
【0012】
なお、個人がブログ等で開示した生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツは、利活用されているものの、コピーペーストと言った不正使用を防止する術を持たない。さらに、ネットワーク上に散見されるため、利用者にとって利活用しやすいとは言い難い。前記著作物等に関して、レポジトリが求められていると言える。
【0013】
また、前記著作物の評価は前述のとおり学校等内部で行われるため、社会的にどれほどの価値があるのか、今まではわかっていなかった。すなわち、価値の高い著作物に対して、その価値に応じた利益が発生し、その利益が呼び水となって著作物が利活用される機会は存在しない。
【0014】
本発明の一態様は、上記の点に鑑みてなされたものであり、生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツを利活用するにあたり、不正使用を防止しながら、購入者によって著作物の価値が形成される販売支援システム、販売支援方法及び販売支援プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0016】
本発明の一つめの実施形態では、著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援システムであって、
該デジタルコンテンツを記憶する記憶手段と、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行う手段と、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索手段と、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理手段と、
該デジタルコンテンツを評価する評価手段と、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出する手段と、
を備える販売支援システムを提供する。
【0017】
本発明の二つめの実施形態では、著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援方法であって、
該デジタルコンテンツを記憶するステップと、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行うステップと、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索ステップと、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理ステップと、
該デジタルコンテンツを評価する評価ステップと、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出するステップと、
を備える販売支援方法を提供する。
【0018】
本発明の三つめの実施形態では、著作物のデジタルコンテンツの販売を支援する販売支援プログラムであって、
該デジタルコンテンツを記憶するステップ、
該デジタルコンテンツの著作権の保護を行うステップ、
該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索ステップ、
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する配信管理ステップ、
該デジタルコンテンツを評価する評価ステップ、
該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出するステップ、
を実行させる販売支援プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
今まで狭い範囲の利用に留まっていた生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツの利活用が促進されるために必要な、前記著作物等を適切に管理・保管するレポジトリ機能のみならず、保護によって前記著作物等の不正使用を防止し、前記著作物等に適切な価値を付与する方法を含む、個人対個人(個人には、法人を含み、個人対法人、法人対個人、法人対法人も含む)取引に係る販売支援を行う。
【図面の簡単な説明】
【
図1】本発明の一つの実施形態である販売支援システムの概略の構成を示した説明図である。
【
図2】販売支援システムの動作説明フローチャートである。
【
図3】販売支援システムの動作説明フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によれば、該デジタルコンテンツが記憶され、該デジタルコンテンツの著作権が保護され、該デジタルコンテンツの検索対象を検出することが可能な情報検索が行われ、該デジタルコンテンツを購入者端末に配信され、該デジタルコンテンツが評価され、該デジタルコンテンツの評価及び販売数に応じて適切な販売価格を算出される。
【0021】
図1は、本発明の一つの実施形態である販売支援システムの一例で、購入者端末20、記憶部・管理部10、提供者端末30を備える。
【0022】
該デジタルコンテンツを記憶する記憶手段は、例えば、記憶手段と管理手段を持つ管理サーバでも良く、それが記憶部・管理部を担っても良く、公知の技術を採用すればよい。
【0023】
図2は一例で、前記管理サーバは、記憶部・管理部10を備えても良く、前記著作物の登録を受け付ける登録受付部と、著作物の課金情報を含む各情報を受け付ける登録受付部と、各情報に付与するための識別子を生成する識別子生成部と、識別子が関連付けられた状態で各情報を記憶する登録部と、購入者の端末から発信された前記著作物の購入希望情報を受け付ける購入受付部と、購入希望情報に基づいて前記著作物の決済を行う決済部と、購入者の端末へ前記著作物を送信する送信部と、購入者の端末から発信された評価を受け付ける評価受付部と、提供者へ振り込みを行う振込部と、を備えていても良い。前記管理サーバは、その記憶領域において、該デジタルコンテンツ、該デジタルコンテンツ管理情報、情報検索用の情報、販売情報、提供者情報、購入者情報、評価情報、課金情報、等を記憶していることが望ましい。また、デジタルコンテンツ管理手段、情報検索手段、登録情報管理手段、配信管理手段、評価情報収集手段、前記著作物評価管理手段、決済手段、提供者への振込み手段、等を有していることが望ましい。
【0024】
また、前記記憶手段は、提供者が希望する管理条件が認識され、提供者が販売を希望せず保管・保護のみを希望する場合は、販売は行わなくても良いように構成されていることが好ましい。また、レポジトリとしての機能があっても良い。
【0025】
生徒時及び学生時に作成した著作物等をはじめとした著作物全般のデジタルコンテンツによっては、提供者本人が情報開示は望まないが保管を希望する場合もあり得る。また、前記著作物の中には、他者の権利を侵害する恐れがあるものも含まれる。
【0026】
本発明の販売支援システムは、該デジタルコンテンツの保管のみを希望する提供者は、販売の有無を選択可能、更に登録後も変更を可能とし、場合によってはレポジトリの機能により、知の集積を推進する。さらに、購入者は、信頼性の高い知の活用が可能となる。
【0027】
該デジタルコンテンツの著作権を保護する手段は、公知の技術を採用すればよい。例えば、デジタルコンテンツに電子透かしをはじめとする識別情報を潜り込ませ、不正なコピーや不正な2次使用を発見できる手段を取っても良い。他にも、デジタルコンテンツ購入者を把握して、不正使用の抑止を行う手段や、暗号・復号鍵がメディア自体に保存され、外部デバイスからアクセスを困難にし、証明書を有するホストデバイスのみが鍵へのアクセスが可能となる、ストレージデバイス等の手段を用いても良い。
【0028】
本発明の販売支援システムは、前記著作権の保護により提供者にも安心を与え、著作物の適正な利活用を行う。
【0029】
該デジタルコンテンツの情報検索手段は、実施主体に適した技術を採用すれば良い。例えば、情報検索システムとして、データベースを含む情報処理装置、照会サーバ、AIサーバ、管理サーバ、検索サーバ、等、を備えていると好ましい。
【0030】
本発明の販売支援システムは、前記情報検索手段を備えることで、購入希望者が求める該デジタルコンテンツを表示する。
【0031】
該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する手段は、公知の技術を採用すればよい。例えば、購入者端末とネットワークを介して接続され、上記保護を行った該デジタルコンテンツを配信する配信手段を備えると望ましい。
【0032】
本発明の販売支援システムは、前記配信手段を備えることで、例えばテキスト、word、excel、power point、PDF、動画、音楽、画像、等、デジタルコンテンツでさえあれば、様々な形態の該デジタルコンテンツを購入者端末に配信する。
【0033】
該デジタルコンテンツの評価手段の評価は、該デジタルコンテンツを購入者端末から受信した評価とする。また、前記評価は、公知の技術を採用すればよい。例えば、購入者は、評価を入力する際には、評価値に相当するマークの数だけ選択するか、評価に該当する数値を選択することで、評価を行っても良い。また、購入者が、評価について、テキスト入力を行える構成にしてもよい。他にも、生徒時及び学生時に作成された著作物の評価を行う場合には、分類して、各コンテンツの内容の分野に限った中で内容を評価しても良い。例えば、アカデミック的に評価値が高いもの、経済的に評価値が高いもの、芸術的に評価値が高いもの、などである。
【0034】
前記評価手段の評価は、販売数や他の該デジタルコンテンツの評価値と連動しても良い。例えば、偏差値を取る等して、客観的に該デジタルコンテンツの評価が、適切に表示されると望ましい。
【0035】
本発明の販売支援システムは、前記評価手段を備えることで、該デジタルコンテンツの適切な評価を可能とする。
【0036】
図3は一例で、該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数に応じて適切な販売価格を算出する手段は、提供された該デジタルコンテンツについて、販売開始時点における該デジタルコンテンツの初期価格を記憶する記憶ステップと、該デジタルコンテンツの評価及び/又は販売数の増加に応じて、該デジタルコンテンツの価格を前記初期価格から増加させる価格計算手段とを備えることが好ましい。
【0037】
例えば、生徒時及び学生時に作成された著作物は、社会的な価値が付与される機会が著しく少なく、その著作物が良いものなのか判断する方法がなかった。前記評価を行うだけはなく、前記手段を用いることで、販売した該デジタルコンテンツの販売数の増加に応じて、販売する価格を初期価格から増加させるので、価格は販売初期において安い価格であり、購入希望者が該デジタルコンテンツを購入しやすい。さらに、販売数が増加し、及び/又は購入者からの評価が良い場合に、該デジタルコンテンツの価格は上昇する。
【0038】
また、前記価格計算手段は、一定の価格を維持する機能、一定の価格を維持して価格が無制限に増加するのを防ぐ機能、一定の価格を制御する機能、一定時間が経過する時点における価格を一定の価格として維持し、一定時間の制御を行う機能、販売価格を増加させる度合いを決定する機能、前記分類に応じて外部評価を導入し、適切な販売価格を決定する機能、等を備えることが望ましい。
【0039】
前期外部評価とは、例えば、レポート等であれば同じ文字数の書籍、論文であればジャーナル等に掲載されたときの入手価格、油絵であれば油絵の評価基準、等が考えられるが、これらには限らない。
【0040】
本発明の販売支援システムは、前記適切な販売価格を算出する手段を備えることで、価値の高い著作物に対して、その価値に応じた利益が発生し、その利益が呼び水となって著作物が利活用される機会が増える。提供者は前記著作物が正統に評価されたことによる報酬を得ることが可能となり、購入者は信頼性、価値の高い該デジタルコンテンツを得る。
【0041】
本発明は、販売支援システムのカテゴリであるが、販売支援方法、及び販売支援プログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【符号の説明】
【0042】
1 販売支援システム
10 記憶部・管理部
20 提供者端末
30 購入者端末
100 ネットワーク