(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089126
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】飛行体のための姿勢維持着艦
(51)【国際特許分類】
B64F 1/02 20060101AFI20220608BHJP
B64F 1/00 20060101ALI20220608BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220608BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20220608BHJP
B64C 25/68 20060101ALI20220608BHJP
B63B 35/50 20060101ALI20220608BHJP
B63G 11/00 20060101ALI20220608BHJP
G05D 1/08 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B64F1/02
B64F1/00 A
B64C39/02
B64C27/04
B64C25/68
B63B35/50
B63G11/00
G05D1/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027889
(22)【出願日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167600
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521080897
【氏名又は名称】ファインコーワック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ウン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スン ピル
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA04
5H301BB05
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC08
5H301GG17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】船の甲板に設けられ、飛行体が着陸するための着艦装置を提供する。
【解決手段】着艦装置50は、飛行体40が着陸するためのプレート51と、プレート51の上部に位置する網体52と、前記網体52と前記プレート51とを連結する連結バー52aと、前記プレート51の下部に位置し、前記プレート51をサージ(surge)、ヒーヴ(heave)、スウェイ(sway)、ロール(roll)、ピッチ(pitch)及びヨー(yaw)の方向に調整する姿勢調整部55とを含む、飛行体のための姿勢維持着艦装置である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船100の甲板101に設けられ、飛行体40が着陸するための着艦装置50であって、
前記着艦装置50は、飛行体40が着陸するためのプレート51と、プレート51の上部に位置する網体52と、前記網体52と前記プレート51とを連結する連結バー52aと、前記プレート51の下部に位置し、前記プレート51をサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの方向に調整する姿勢調整部55とを含み、
前記飛行体40は、ランディングギア41a、41b、41c、41dと、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dの下部に位置するフック42a、42b、42c、42dと、フック42a、42b、42c、42dの上部に位置する円板状係止部43a、43b、43c、43dとを含み、
前記フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、前記円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置する、飛行体のための姿勢維持着艦装置。
【請求項2】
前記甲板101の上部に慣性測定装置が設けられて前記船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値を測定し、
前記プレート51は、前記船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値の逆方向に動くように制御される、請求項1に記載の飛行体のための姿勢維持着艦装置。
【請求項3】
前記姿勢調整部55は、五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含み、
前記甲板101の上部にコントロールボックス70が設けられ、前記慣性測定装置が測定した船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値に基づいて前記五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを制御する、請求項2に記載の飛行体のための姿勢維持着艦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体に関し、より詳しくは、飛行体の着艦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無人飛行体の離着陸は、陸上だけでなく、海上である船の甲板上でも行われる。海上においては、陸上に比べて、波と風のため船の揺れが激しく、それ故に海上での離着陸は厳しい条件で行われる。
【0003】
艦上での離着陸においては、飛行体が船の着陸台上まで飛行した後、ホバリング(hovering)しながら船の揺れを把握し、着陸に最適の条件を把握してから着陸が試みられる。このとき、飛行体を船の甲板に固定するための別途の着艦装置が用いられるが、このような着艦装置の一つとしてハープーン・グリッド・システム(harpoon grid system)が挙げられる。
【0004】
ハープーン・グリッド・システムは、艦上の着陸台に円形のグリッドを設け、飛行体が着陸するとき、胴体の下部に備えられたハープーンを降ろし、ハープーンのフックをグリッドに引っ掛けることで飛行体を船に固定する方法である。
【0005】
しかし、ハープーンがグリッドに締結されれば、飛行体が艦上に拘束された状態になるため、波による艦上の急激な揺れや突風などによって飛行体の姿勢が崩れたとき、姿勢を回復し難く、墜落または艦上との衝突などの事故につながるおそれがある。また、飛行体に組み込まれるハープーン装置は、それ自体が重いため、飛行体の重量を増加させて飛行時間と積載重量を減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2015-0057619号公報
【特許文献2】韓国特許公開第10-2018-0024720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、艦上または車両などのような移動体上で飛行体が垂直離着陸するとき、着艦装置の底面を常に水平に維持することで飛行体の離陸と着陸を安全且つ容易にし、離着陸時点で底面が動くことで生じ得る事故を予め防止することを目的とする。
【0008】
近年、多様な産業現場と軍事的な目的で無人機の使用が急増しているが、無人機は十分な飛行時間を確保するため飛行体の重量を最大限に減らさなければならない。そこで、本発明は、無人機に追加的な装置を設けなくても、艦上のような移動体上での安定的な離着陸を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、船100の甲板101に設けられ、飛行体40が着陸するための着艦装置50に関し、該着艦装置50は、飛行体40が着陸するためのプレート51と、プレート51の上部に位置する網体52と、前記網体52と前記プレート51とを連結する連結バー52aと、前記プレート51の下部に位置し、前記プレート51をサージ(surge)、ヒーヴ(heave)、スウェイ(sway)、ロール(roll)、ピッチ(pitch)及びヨー(yaw)の方向に調整する姿勢調整部55とを含む、飛行体のための姿勢維持着艦装置を提供する。
【0010】
また、前記飛行体40は、ランディングギア41a、41b、41c、41dと、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dの下部に位置するフック42a、42b、42c、42dと、フック42a、42b、42c、42dの上部に位置する円板状係止部43a、43b、43c、43dとを含み、前記フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、前記円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置することができる。
【0011】
また、本発明において、前記姿勢調整部55は、五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含み、前記甲板101の上部にはコントロールボックス70が設けられて慣性測定装置が測定した船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値に基づいて前記五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを制御することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、艦上で飛行体の離着陸が行われる底面の姿勢を常に水平に維持することで、飛行体を安全且つ容易に垂直離着陸させることができる。
【0013】
また、本発明によれば、従来のハープーンシステムのように飛行体にハープーン装置を設けないため、飛行体の重量を減らして飛行時間と積載重量を増加させることができ、離着陸時の危険要素を除去して事故を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】艦上における運動方向を示した概念図である。
【
図2】本発明による姿勢維持着艦装置の第1状態を示した図である。
【
図3】本発明による姿勢維持着艦装置の第2状態を示した図である。
【
図4】本発明による姿勢維持着艦装置の第3状態を示した図である。
【
図5】本発明による姿勢維持着艦装置の第4状態を示した図である。
【
図6】本発明による姿勢維持着艦装置の第5状態を示した図である。
【
図7】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【
図8】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【
図9】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0016】
添付された図面は、本発明の例示的な形態を示したものであって、本発明を詳しく説明するために提供されるものに過ぎないため、これによって本発明の技術的な範囲が限定されると解釈されてはならない。
【0017】
艦上のような移動体の運動には、
図1のように、x軸、y軸、z軸のそれぞれにおける往復運動であるサージ(surge)、ヒーヴ(heave)、スウェイ(sway)、及びx軸、y軸、z軸をそれぞれ中心にする回転運動であるロール(roll)、ピッチ(pitch)、ヨー(yaw)があり、これら6種の方向が組み合わせられて揺れるようになる。
【0018】
このとき、飛行体が離陸または着陸する時点において、艦上の底面の先後(surge)、上下(sway)、左右(heave)方向の往復運動に対しては相対的に対応し易いが、ロール(roll)、ピッチ(pitch)、ヨー(yaw)のような回転運動によって底面の角度と方向が変わると、離着陸時に飛行体が離着陸装置の境界から外れるか又は艦上と飛行体の下部とが衝突してしまい、飛行体が姿勢制御可能範囲を超えて転倒するなどの大きい事故を起こすおそれがある。
【0019】
このような問題を解決するため、本発明によれば、移動体である船100に設けられる着艦装置50を移動体である船100の回転方向の逆方向に回転させることで、着艦装置のプレート51を常に正姿勢に維持させて飛行体の安全な離着陸を保障する。
本発明の着艦装置50は、下部の姿勢調整部55を含み、前記姿勢調整部55は五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含む。
【0020】
前記着艦装置50の下部である船の甲板101に、ジャイロセンサ、加速度センサ、コンパスセンサ、高度センサ、またはこれらの組み合わせなどからなるIMUセンサ(慣性測定装置)を取り付け、船のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値を測定する。
【0021】
また、船の甲板101にはコントロールボックス70が設けられ、前記IMUセンサで取得した値である六軸の値を用いて下部の姿勢調整部55に制御信号を伝送し、下部姿勢調整部55の五本の軸55a、55b、55c、55d、55eの作動によって着艦装置50のプレート51を船の運動方向に対して逆方向に動かすことで、地平線と平行に水平を維持できるようにする。
したがって、飛行体40は、船の揺れと関係なく水平を維持する着艦装置50のプレートに安全に着陸することができる。
【0022】
また、
図7~
図9は、本発明の他の実施形態であって、プレート51の上部に網体52が設けられ、前記網体52は前記プレート51と連結バー52aによって連結され、飛行体40は網体52に着陸する。
【0023】
飛行体40のランディングギア41a、41b、41c、41dにはフック42a、42b、42c、42dが設けられ、飛行体40が網体52に着陸するとき、フック42a、42b、42c、42dが網体に引っ掛かって飛行体を安定的に固定することができる。
【0024】
また、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dには、フック42a、42b、42c、42dの上部に円板状係止部43a、43b、43c、43dが設けられ、フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置するようになるため、飛行体を網体に固定することができる。
【0025】
本発明は、上述した実施形態及び図面によって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な置換、付加及び変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
40:飛行体
50:着艦装置
55:姿勢調整部
101:甲板
100:船
【手続補正書】
【提出日】2021-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体に関し、より詳しくは、飛行体の着艦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無人飛行体の離着陸は、陸上だけでなく、海上である船の甲板上でも行われる。海上においては、陸上に比べて、波と風のため船の揺れが激しく、それ故に海上での離着陸は厳しい条件で行われる。
【0003】
艦上での離着陸においては、飛行体が船の着陸台上まで飛行した後、ホバリング(hovering)しながら船の揺れを把握し、着陸に最適の条件を把握してから着陸が試みられる。このとき、飛行体を船の甲板に固定するための別途の着艦装置が用いられるが、このような着艦装置の一つとしてハープーン・グリッド・システム(harpoon grid system)が挙げられる。
【0004】
ハープーン・グリッド・システムは、艦上の着陸台に円形のグリッドを設け、飛行体が着陸するとき、胴体の下部に備えられたハープーンを降ろし、ハープーンのフックをグリッドに引っ掛けることで飛行体を船に固定する方法である。
【0005】
しかし、ハープーンがグリッドに締結されれば、飛行体が艦上に拘束された状態になるため、波による艦上の急激な揺れや突風などによって飛行体の姿勢が崩れたとき、姿勢を回復し難く、墜落または艦上との衝突などの事故につながるおそれがある。また、飛行体に組み込まれるハープーン装置は、それ自体が重いため、飛行体の重量を増加させて飛行時間と積載重量を減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2015-0057619号公報
【特許文献2】韓国特許公開第10-2018-0024720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、艦上または車両などのような移動体上で飛行体が垂直離着陸するとき、着艦装置の底面を常に水平に維持することで飛行体の離陸と着陸を安全且つ容易にし、離着陸時点で底面が動くことで生じ得る事故を予め防止することを目的とする。
【0008】
近年、多様な産業現場と軍事的な目的で無人機の使用が急増しているが、無人機は十分な飛行時間を確保するため飛行体の重量を最大限に減らさなければならない。そこで、本発明は、無人機に追加的な装置を設けなくても、艦上のような移動体上での安定的な離着陸を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、飛行体40と、船100の甲板101に設けられ、飛行体40が着陸するための着艦装置50とからなるシステムに関し、該着艦装置50は、飛行体40が着陸するためのプレート51と、プレート51の上部に位置する網体52と、前記網体52と前記プレート51とを連結する連結バー52aと、前記プレート51の下部に位置し、前記プレート51をサージ(surge)、ヒーヴ(heave)、スウェイ(sway)、ロール(roll)、ピッチ(pitch)及びヨー(yaw)の方向に調整する姿勢調整部55とを含む、飛行体のための姿勢維持着艦システムを提供する。
【0010】
また、前記飛行体40は、ランディングギア41a、41b、41c、41dと、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dの下部に位置するフック42a、42b、42c、42dと、フック42a、42b、42c、42dの上部に位置する円板状係止部43a、43b、43c、43dとを含み、前記フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、前記円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置することができる。
【0011】
また、本発明において、前記姿勢調整部55は、五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含み、前記甲板101の上部にはコントロールボックス70が設けられて慣性測定装置が測定した船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値に基づいて前記五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを制御することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、艦上で飛行体の離着陸が行われる底面の姿勢を常に水平に維持することで、飛行体を安全且つ容易に垂直離着陸させることができる。
【0013】
また、本発明によれば、従来のハープーンシステムのように飛行体にハープーン装置を設けないため、飛行体の重量を減らして飛行時間と積載重量を増加させることができ、離着陸時の危険要素を除去して事故を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】艦上における運動方向を示した概念図である。
【
図2】本発明による姿勢維持着艦装置の第1状態を示した図である。
【
図3】本発明による姿勢維持着艦装置の第2状態を示した図である。
【
図4】本発明による姿勢維持着艦装置の第3状態を示した図である。
【
図5】本発明による姿勢維持着艦装置の第4状態を示した図である。
【
図6】本発明による姿勢維持着艦装置の第5状態を示した図である。
【
図7】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【
図8】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【
図9】本発明による姿勢維持着艦装置の追加的な特徴を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0016】
添付された図面は、本発明の例示的な形態を示したものであって、本発明を詳しく説明するために提供されるものに過ぎないため、これによって本発明の技術的な範囲が限定されると解釈されてはならない。
【0017】
艦上のような移動体の運動には、
図1のように、x軸、y軸、z軸のそれぞれにおける往復運動であるサージ(surge)、ヒーヴ(heave)、スウェイ(sway)、及びx軸、y軸、z軸をそれぞれ中心にする回転運動であるロール(roll)、ピッチ(pitch)、ヨー(yaw)があり、これら6種の方向が組み合わせられて揺れるようになる。
【0018】
このとき、飛行体が離陸または着陸する時点において、艦上の底面の先後(surge)、上下(sway)、左右(heave)方向の往復運動に対しては相対的に対応し易いが、ロール(roll)、ピッチ(pitch)、ヨー(yaw)のような回転運動によって底面の角度と方向が変わると、離着陸時に飛行体が離着陸装置の境界から外れるか又は艦上と飛行体の下部とが衝突してしまい、飛行体が姿勢制御可能範囲を超えて転倒するなどの大きい事故を起こすおそれがある。
【0019】
このような問題を解決するため、本発明によれば、移動体である船100に設けられる着艦装置50を移動体である船100の回転方向の逆方向に回転させることで、着艦装置のプレート51を常に正姿勢に維持させて飛行体の安全な離着陸を保障する。
本発明の着艦装置50は、下部の姿勢調整部55を含み、前記姿勢調整部55は五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含む。
【0020】
前記着艦装置50の下部である船の甲板101に、ジャイロセンサ、加速度センサ、コンパスセンサ、高度センサ、またはこれらの組み合わせなどからなるIMUセンサ(慣性測定装置)を取り付け、船のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値を測定する。
【0021】
また、船の甲板101にはコントロールボックス70が設けられ、前記IMUセンサで取得した値である六軸の値を用いて下部の姿勢調整部55に制御信号を伝送し、下部姿勢調整部55の五本の軸55a、55b、55c、55d、55eの作動によって着艦装置50のプレート51を船の運動方向に対して逆方向に動かすことで、地平線と平行に水平を維持できるようにする。
したがって、飛行体40は、船の揺れと関係なく水平を維持する着艦装置50のプレートに安全に着陸することができる。
【0022】
また、
図7~
図9は、本発明の他の実施形態であって、プレート51の上部に網体52が設けられ、前記網体52は前記プレート51と連結バー52aによって連結され、飛行体40は網体52に着陸する。
【0023】
飛行体40のランディングギア41a、41b、41c、41dにはフック42a、42b、42c、42dが設けられ、飛行体40が網体52に着陸するとき、フック42a、42b、42c、42dが網体に引っ掛かって飛行体を安定的に固定することができる。
【0024】
また、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dには、フック42a、42b、42c、42dの上部に円板状係止部43a、43b、43c、43dが設けられ、フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置するようになるため、飛行体を網体に固定することができる。
【0025】
前記ランディングギア41aの下部には、貫通孔41aa、及び前記フック42aが挿入可能なスロット41abが設けられ、前記フック42aは前記貫通孔41aaに嵌め込まれる回転バー42aaを中心に回転しながら前記スロット41abに挿入されており、前記フック42aは前記回転バー42aaを中心に回転しながら前記スロット41abから外側に広がって、前記フック42aと円板状係止部43aとの間に前記網体52が位置することで飛行体40が網体52に固定される。
【0026】
本発明は、上述した実施形態及び図面によって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な置換、付加及び変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0027】
40:飛行体
50:着艦装置
55:姿勢調整部
101:甲板
100:船
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体40と、船100の甲板101に設けられ、前記飛行体40が着陸するための着艦装置50とからなる姿勢維持着艦システムであって、
前記着艦装置50は、前記飛行体40が着陸するためのプレート51と、プレート51の上部に位置する網体52と、前記網体52と前記プレート51とを連結する連結バー52aと、前記プレート51の下部に位置し、前記プレート51をサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの方向に調整する姿勢調整部55とを含み、
前記飛行体40は、ランディングギア41a、41b、41c、41dと、前記ランディングギア41a、41b、41c、41dの下部に位置するフック42a、42b、42c、42dと、フック42a、42b、42c、42dの上部に位置する円板状係止部43a、43b、43c、43dとを含み、
前記フック42a、42b、42c、42dは網体52の下側に位置し、前記円板状係止部43a、43b、43c、43dは網体52の上側に位置し、
前記ランディングギア41aの下部には、貫通孔41aa、及び前記フック42aが挿入可能なスロット41abが設けられ、
前記フック42aは前記貫通孔41aaに嵌め込まれる回転バー42aaを中心に回転しながら前記スロット41abに挿入されており、
前記フック42aは前記回転バー42aaを中心に回転しながら前記スロット41abから外側に広がって、
前記フック42aと前記円板状係止部43aとの間に前記網体52が位置することで前記飛行体40が前記網体52に固定される、
飛行体のための姿勢維持着艦システム。
【請求項2】
前記甲板101の上部に慣性測定装置が設けられて前記船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値を測定し、
前記プレート51は、前記船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値の逆方向に動くように制御される、請求項1に記載の飛行体のための姿勢維持着艦システム。
【請求項3】
前記姿勢調整部55は、五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを含み、
前記甲板101の上部にコントロールボックス70が設けられ、前記慣性測定装置が測定した船100のサージ、ヒーヴ、スウェイ、ロール、ピッチ及びヨーの値に基づいて前記五本の軸55a、55b、55c、55d、55eを制御する、請求項2に記載の飛行体のための姿勢維持着艦システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】