(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089148
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】多重信号伝送用可撓性回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220608BHJP
H01P 3/00 20060101ALI20220608BHJP
H01P 3/12 20060101ALI20220608BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 B
H05K1/02 C
H01P3/00 100
H01P3/12 100
H01P3/08 200
H01P3/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149900
(22)【出願日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167355
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0053701
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514182333
【氏名又は名称】ギガレーン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIGALANE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビョン-フン
(72)【発明者】
【氏名】キム イク-ス
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン-ヨル
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヒ-ソク
【テーマコード(参考)】
5E338
5J014
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB13
5E338CC02
5E338CC06
5E338CD02
5E338CD13
5E338EE11
5E338EE22
5E338EE33
5J014CA41
5J014CA55
(57)【要約】 (修正有)
【課題】信号の品質を向上させ、大きさおよび面積を最小化しつつ、工程上の不良を最小化できる多重信号伝送用可撓性回路基板を提供する。
【解決手段】多重信号伝送用可撓性回路基板100は、第1誘電体層110と、第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンド150と、複数の第1側面グラウンドの間毎に形成される第1信号ラインS1と、複数の第1側面グラウンド夫々に、第1側面グラウンドの長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールHと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1誘電体層;
前記第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンド;
前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ライン;および
前記複数の第1側面グラウンドそれぞれに、前記第1側面グラウンドの長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホール;を含み、
前記第1誘電体層の面のうち、前記第1側面グラウンドが形成される一面の一領域が前記複数の貫通ホールを通じて露出した、多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項2】
前記複数の第1信号ラインそれぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成される、請求項1に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項3】
前記複数の貫通ホールそれぞれは、前記長さ方向に沿って長く形成されたスリットの形状である、請求項1に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項4】
前記複数の第1側面グラウンドのうち少なくとも一つに形成された前記複数の貫通ホールは、一列で配列される、請求項1に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項5】
任意の第1側面グラウンドに形成される貫通ホールの中心と前記任意の第1側面グラウンドに隣接した他の第1側面グラウンドに形成される貫通ホールの中心は、前記第1側面グラウンドの幅方向に平行な同一の直線上に配置されない、請求項1に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項6】
前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド;および
前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層;をさらに含む、請求項1に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項7】
前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に前記長さ方向に沿って形成され、
前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成される、請求項6に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項8】
第1誘電体層;
前記第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンド;
前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ライン;
前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド;および
前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層;を含み、
前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に形成され、
前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成され、
前記キャビティラインは前記第1信号ラインの長さ方向と交差する方向を基準として離隔した少なくとも二つのキャビティラインを含む、多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項9】
第1誘電体層;
前記第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンド;
前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ライン;
前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド;および
前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層;を含み、
前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に前記第1側面グラウンドの長さ方向に沿って形成され、
前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成され、
前記キャビティラインは前記第1信号ラインの長さ方向に沿って長く延長形成される、多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項10】
前記キャビティラインは前記第2側面グラウンドと前記第1誘電体層および前記第2誘電体層に囲まれて形成される空いた空間である、請求項8または請求項9に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項11】
前記第2側面グラウンドそれぞれに、前記長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールが形成される、請求項7または請求項10に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項12】
前記第1誘電体層の一面と向かい合う第3誘電体層;および
前記第3誘電体層の一面に形成される上部グラウンド;をさらに含む、請求項1または請求項7または請求項10に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項13】
前記上部グラウンドに複数の貫通ホールが形成される、請求項12に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項14】
前記第1信号ラインが形成された領域上の前記上部グラウンドの部分には貫通ホールが形成されず、
前記第1信号ラインが形成されていない領域上の前記上部グラウンドの部分に貫通ホールが形成される、請求項13に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項15】
前記第2誘電体層の底面に形成される下部グラウンド;をさらに含む、請求項6または請求項7または請求項10に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項16】
前記下部グラウンドの底面に形成される第4誘電体層;
前記第4誘電体層の底面に並んで形成された複数の第3側面グラウンド;および
前記複数の第3側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第2信号ライン;をさらに含む、請求項15に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項17】
前記複数の第3側面グラウンドそれぞれに、前記長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールを含む、請求項16に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項18】
前記複数の第2信号ラインそれぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成される、請求項16に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項19】
前記下部グラウンドに複数の貫通ホールが形成され、
前記複数の第2信号ラインが形成された領域上の前記下部グラウンドの部分には貫通ホールが形成されず、
前記複数の第2信号ラインが形成されていない領域上の前記下部グラウンドの部分に貫通ホールが形成される、請求項16に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項20】
前記複数の第1信号ラインと前記複数の第2信号ラインのうち一つは高速信号伝送用信号ラインであり、残りの一つは低速信号伝送用信号ラインである、請求項16に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項21】
前記複数の第1信号ラインの両端部はそれぞれデジタル信号処理部およびRF信号処理部に連結される、請求項1または請求項7または請求項10に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項22】
前記可撓性回路基板の中央領域に配置された複数の第1信号ラインは高速信号伝送用信号ラインであり、
前記可撓性回路基板の外側領域に配置された複数の第1信号ラインは低速信号伝送用信号ラインである、請求項1または請求項7または請求項10に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項23】
前記高速信号伝送用信号ラインの間の間隔は、
前記低速信号伝送用信号ラインの間の間隔より広い、請求項22に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項24】
前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドの幅は、
前記低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドの幅より広い、請求項22に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【請求項25】
前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドには貫通ホールが形成され、
前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドには貫通ホールが形成されない、請求項22に記載の多重信号伝送用可撓性回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、多重信号伝送用可撓性回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局システムはデジタル信号処理を担当するデジタル信号処理部(Digital Unit;DU)およびアンテナとデジタル信号処理部間でデジタル信号をRF信号に変換したり、RF信号をデジタル信号に変換して送受信するRF信号処理部(Radio Unit;RU)を含む。
【0003】
このようなデジタル信号処理部とRF信号処理部の送受信には同軸ケーブルが使われる。ところが、最近5G環境では100個以上の同軸ケーブルが必要となり、同軸ケーブルを配置するための空間が拡大するため小型化の実現に問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2018-0037914号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような問題点を改善するために考案されたもので、多数の同軸ケーブルの代わりに単一の可撓性回路基板(FPCB、flexible printed circuit board)を適用することによって、小型化の実現を解決しようとする。具体的には、同軸ケーブルの代わりに可撓性回路基板に多数の信号伝送ラインを形成して信号の送受信を遂行することができる。
【0006】
特に本発明は信号の品質を向上させ、大きさおよび面積を最小化しつつ、工程上の不良を最小化できる多重信号伝送用可撓性回路基板を提供することを目的とする。
【0007】
しかし、このような課題は例示的なものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板は、第1誘電体層と、第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンドと、前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ラインと、前記複数の第1側面グラウンドそれぞれに、前記第1側面グラウンドの長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールを含み、前記第1誘電体層の面のうち、前記第1側面グラウンドが形成される一面の一領域が前記複数の貫通ホールを通じて露出され得る。
【0009】
一実施例によると、前記複数の第1信号ラインそれぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成され得る。
【0010】
一実施例によると、前記複数の貫通ホールそれぞれは、前記長さ方向に沿って長く形成されたスリットの形状であり得る。
【0011】
一実施例によると、前記複数の第1側面グラウンドのうち少なくとも一つに形成された前記複数の貫通ホールは、一列で配列され得る。
【0012】
一実施例によると、任意の第1側面グラウンドに形成される貫通ホールの中心と前記任意の第1側面グラウンドに隣接した他の第1側面グラウンドに形成される貫通ホールの中心は、前記第1側面グラウンドの幅方向に平行な同一の直線上に配置されないこともある。
【0013】
一実施例によると、前記多重信号伝送用可撓性回路基板は、前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド、および前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層をさらに含むことができる。
【0014】
一実施例によると、前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に前記長さ方向に沿って形成され、前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成され得る。
【0015】
一実施例によると、第1誘電体層と、前記第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンドと、前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ラインと、前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド、および前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層を含み、前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に形成され、前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成され、前記キャビティラインは前記第1信号ラインの長さ方向と交差する方向を基準として離隔した少なくとも二つのキャビティラインを含むことができる。
【0016】
一実施例によると、第1誘電体層と、前記第1誘電体層の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンドと、前記複数の第1側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第1信号ラインと、前記第1誘電体層の底面に形成される複数の第2側面グラウンド、および前記複数の第2側面グラウンドの底面に形成される第2誘電体層を含み、前記第2側面グラウンドは、前記第1側面グラウンドが形成された領域の下部に前記第1側面グラウンドの長さ方向に沿って形成され、前記第2側面グラウンドの間であり、かつ前記第1信号ラインが形成された領域の下部にはキャビティラインが形成され、前記キャビティラインは前記第1信号ラインの長さ方向に沿って長く延長形成され得る。
【0017】
一実施例によると、前記キャビティラインは前記第2側面グラウンドと前記第1誘電体層および前記第2誘電体層に囲まれて形成される空いた空間であり得る。
【0018】
一実施例によると、前記第2側面グラウンドそれぞれに、前記長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールが形成され得る。
【0019】
一実施例によると、前記多重信号伝送用可撓性回路基板は、前記第1誘電体層の一面と向かい合う第3誘電体層と、前記第3誘電体層の一面に形成される上部グラウンドをさらに含むことができる。
【0020】
一実施例によると、前記上部グラウンドに複数の貫通ホールが形成され得る。
【0021】
一実施例によると、前記第1信号ラインが形成された領域上の前記上部グラウンドの部分には貫通ホールが形成されず、前記第1信号ラインが形成されていない領域上の前記上部グラウンドの部分に貫通ホールが形成され得る。
【0022】
一実施例によると、前記多重信号伝送用可撓性回路基板は、前記第2誘電体層の底面に形成される下部グラウンドをさらに含むことができる。
【0023】
一実施例によると、前記多重信号伝送用可撓性回路基板は、前記下部グラウンドの底面に形成される第4誘電体層、前記第4誘電体層の底面に並んで形成された複数の第3側面グラウンド、および前記複数の第3側面グラウンドの間ごとにそれぞれ形成される複数の第2信号ラインをさらに含むことができる。
【0024】
一実施例によると、前記複数の第3側面グラウンドそれぞれに、前記長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールを含むことができる。
【0025】
一実施例によると、前記複数の第2信号ラインそれぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成され得る。
【0026】
一実施例によると、前記下部グラウンドに複数の貫通ホールが形成され、前記複数の第2信号ラインが形成された領域上の前記下部グラウンドの部分には貫通ホールが形成されず、前記複数の第2信号ラインが形成されていない領域上の前記下部グラウンドの部分に貫通ホールが形成され得る。
【0027】
一実施例によると、前記複数の第1信号ラインと前記複数の第2信号ラインのうち一つは高速信号伝送用信号ラインであり、残りの一つは低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0028】
一実施例によると、前記複数の第1信号ラインの両端部はそれぞれデジタル信号処理部およびRF信号処理部に連結され得る。
【0029】
一実施例によると、前記可撓性回路基板の中央領域に配置された複数の第1信号ラインは高速信号伝送用信号ラインであり、前記可撓性回路基板の外側領域に配置された複数の第1信号ラインは低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0030】
一実施例によると、前記高速信号伝送用信号ラインの間の間隔は、前記低速信号伝送用信号ラインの間の間隔より広くてもよい。
【0031】
一実施例によると、前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドの幅は、前記低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドの幅より広くてもよい。
【0032】
一実施例によると、前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドには貫通ホールが形成され、前記複数の第1側面グラウンドのうち、前記低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンドには貫通ホールが形成されないことがある。
【0033】
前述したもの以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲および発明の詳細な説明から明確となるであろう。
【発明の効果】
【0034】
前述のように構成された本発明の一実施例によると、多重信号伝送用可撓性回路基板の信号の品質を向上させ、大きさおよび面積を最小化しつつ、工程上の不良を最小化することができる。
【0035】
もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100aの断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100bの断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100cの断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100dの断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100eの断面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る多重信号伝送用装置200の斜視図である。
【
図8】
図7に図示された多重信号伝送用装置200のA1とA2間の領域の内部拡大図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る上部グラウンド180の上面図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る上部グラウンド180のB2領域が、第1信号ラインS1と第1側面グラウンド150を含むB1領域の一部のみを覆っている状態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は多様な変換を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して詳細な説明に詳細に説明しようとする。本発明の効果および特徴、そしてそれらを達成する方法は図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確となるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態で実現され得る。
【0038】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明することにし、図面を参照して説明するとき、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0039】
以下の実施例において、第1、第2等の用語は限定的な意味ではなく、一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使われた。
【0040】
以下の実施例において、単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0041】
以下の実施例において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0042】
図面では、説明の便宜のために構成要素がその大きさが誇張または縮小され得る。例えば、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示されたため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0043】
以下の実施例において、領域、層、構成要素などの部分が他の部分の上にまたは上にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他の領域、層、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0044】
以下の実施例において、構成要素などが連結されたとするとき、構成要素が直接的に連結された場合だけでなく、構成要素の中間に他の構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。
【0045】
図1は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100の斜視図である。
【0046】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100は、第1誘電体層110、第1誘電体層110の一面に並んで形成された複数の第1側面グラウンド150、および複数の第1側面グラウンド150の間ごとに形成される第1信号ラインS1を含む。複数の第1側面グラウンド150それぞれには、第1側面グラウンド150の長さ方向に沿って互いに間隔をおいて複数の貫通ホールHが形成される。
【0047】
第1信号ラインS1および第1側面グラウンド150は互いに平行するように形成され得る。したがって、第1信号ラインS1の長さ方向は第1側面グラウンド150の長さ方向と同一であり得る。以下の図面でx方向は前記長さ方向を示し、y方向は第1信号ラインS1の長さ方向に垂直な方向(または幅方向)を示し、z方向は可撓性回路基板100に垂直な方向を示す。しかし、このような方向の説明は位置関係の説明を助けるためのものであるので、これを限定解釈してはならず、視覚の方向によって流動的であることに注目されたい。
【0048】
一般的に、限定された面積の可撓性回路基板に多数の信号ラインを形成するには、多数の信号ライン間の空間が狭くなる。しかも、信号ラインの間に、隣接した信号ライン間の遮蔽のためのグラウンドラインが形成されなければならないため、信号ライン間の空間はさらに狭くなる。この場合、コネクタを可撓性回路基板にSMT(surface mount technology)工程で結合する過程で、信号ラインおよびグラウンドラインが熱によって膨張して互いに導通する問題が発生し得る。
【0049】
一実施例によると、第1側面グラウンド150それぞれに複数の貫通ホールHを形成することによって、第1側面グラウンド150の熱による膨張が制限される効果がある。具体的には、第1側面グラウンド150が熱膨張しても第1側面グラウンド150の外形の変化を最小化できるため、導通を防止することができる。
【0050】
一実施例によると、複数の貫通ホールHそれぞれは、前記長さ方向に沿って長く形成されたスリットの形状であり得る。第1側面グラウンド150がライン状であるため、貫通ホールHを第1側面グラウンド150の長さ方向に沿って長く形成されたスリットの形状に形成する場合、第1側面グラウンド150の前後左右への膨張を最も効果的に最小化することができる。
【0051】
一実施例によると、任意の一つの第1側面グラウンド150に形成された複数の貫通ホールHは、一列で配列され得る。換言すると、任意の一つの第1側面グラウンド150に形成された複数の貫通ホールHは、前記第1側面グラウンド150の長さ方向に沿う一つの軸を貫通するように配置され得る。第1側面グラウンド150それぞれに形成された複数の貫通ホールHが一列で配列される場合、第1側面グラウンド150の幅を最小化することができる。すなわち、可撓性回路基板100の小型化の実現が可能である。
【0052】
一実施例によると、任意の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHと前記第1側面グラウンド150に隣接した他の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHは、ジグザグで形成され得る。換言すると、任意の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHと前記第1側面グラウンド150に隣接した他の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHは、前記第1側面グラウンド150の幅方向に沿う直線を同時に通過しないことができる。さらに換言すると、任意の第1側面グラウンド150に形成される第1貫通ホールHと、前記第1側面グラウンド150に隣接した他の第1側面グラウンド150に形成される第2貫通ホールHは、前記第1側面グラウンド150の幅方向に平行な直線を同時に通過しないように配置され得る。さらに換言すると、任意の第1信号ラインS1の一側の第1側面グラウンド150に形成される複数の第1貫通ホールHと前記任意の第1信号ラインS1の他側の第1側面グラウンド150に形成される複数の第2貫通ホールHは、互いにジグザグで形成され得る。ただし、これは一実施例に過ぎず、本発明はこれに限定されない。他の実施例によると、任意の第1側面グラウンド150に形成される第1貫通ホールHと前記第1側面グラウンド150に隣接した他の第1側面グラウンド150に形成される第2貫通ホールHは、前記第1側面グラウンド150の幅方向に平行な直線を同時に通過するように配置されてもよい。一例として、前記第1貫通ホールHと前記第2貫通ホールHは、幅方向の直線を同時に通過するものの、前記第1貫通ホールHの「中心」と前記第2貫通ホールHの「中心」は前記直線を同時に通過しないように配置され得る。換言すると、前記第1貫通ホールHの一部分および前記第2貫通ホールHの一部分は、幅方向の直線を同時に通過するものの、前記第1貫通ホールHの「中心」と前記第2貫通ホールHの「中心」はジグザグで配置され得る。
【0053】
前述した通り、任意の第1側面グラウンド150とそれに隣接した他の第1側面グラウンド150に形成された貫通ホールHを互いにジグザグで形成することによって、隣接した第1信号ラインS1の間で電波の干渉を最小化することができる。
【0054】
図2は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100aの断面図である。
図2は、互いに隣接した第1側面グラウンド150に形成された貫通ホールHが互いにジグザグで形成されていない実施例を図示する。換言すると、
図2に図示された実施例で、任意の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHと、前記第1側面グラウンド150に隣接した他の第1側面グラウンド150に形成される貫通ホールHが、幅方向(y軸方向)に平行な直線を同時に通過することができる。
【0055】
一実施例によると、第1信号ラインS1それぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成され得る。
図1および
図2を参照すると、第1信号ラインS1それぞれは二つの信号ラインで形成されている。第1信号ラインS1それぞれを2個以上の信号ラインで形成する場合、一つの信号ラインを通じての信号の伝送に問題が発生しても他の信号ラインを通じて信号の伝送が可能となり得る。例えば、一つの信号ラインと他の信号ラインは同一の信号を伝送することができる。
【0056】
図3は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100bの断面図である。
【0057】
図3を参照すると、一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100bは、前述した可撓性回路基板100aに比べて、第1誘電体層110の底面に形成される複数の第2側面グラウンド160、および複数の第2側面グラウンド160の底面に形成される第2誘電体層120をさらに含むことができる。
【0058】
第1誘電体層110の底面に形成される第2側面グラウンド160は、第1信号ラインS1の遮蔽を助け、第1信号ラインS1の間の信号の干渉を低減させることができる。また、第2側面グラウンド160の底面に形成される第2誘電体層120は、可撓性回路基板100bを全体的に平坦化させることができる。
【0059】
一方、一般的に可撓性回路基板に多数の信号ラインを形成することになると、信号ラインの高さによって可撓性回路基板の信号ライン周辺が突出する問題点が存在した。例えば、信号ラインを覆ったり支える誘電体層の部分が膨らんで突出し得る。信号ライン周辺の表面が突出すると、不良および製品の損傷が発生し得る。また、信号ライン周辺の誘電体空間に空いた空間(gap)が発生して信号ラインの電気的特性が低下する問題点があった。
【0060】
本発明の一実施例によると、前記第2側面グラウンド160は、前記第1側面グラウンド150が形成された領域の下部に前記長さ方向に沿って形成され得る。第2側面グラウンド160の間であり、かつ第1信号ラインS1が形成された領域の下部にはキャビティライン(CL、cavity line)が形成され得る。キャビティラインCLは第1信号ラインS1が形成された領域に沿って、第1信号ラインS1が形成された領域の下部に形成され得る。
【0061】
第1信号ラインS1が形成された領域の下部に、空いた空間であるキャビティライン(CL、cavity line)を形成することによって、可撓性回路基板100bの全体的な外観を平坦化させることができる。具体的には、第1信号ラインS1の高さによって第1誘電体層110の底面が突出しても、キャビティラインCLが突出した部分を収容することができる。したがって、第2誘電体層120は扁平に形成され得、可撓性回路基板100bで信号ライン周辺の表面が突出しない効果がある。一方、第1側面グラウンド150が形成された領域の下部に形成された第2側面グラウンド160は、キャビティラインCLの周辺部を支持することができ、可撓性回路基板100bが全体として扁平な外観を有するようにすることができる。
【0062】
一実施例によると、第2側面グラウンド160それぞれに、前記長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールHが形成され得る。第2側面グラウンド160それぞれに形成された複数の貫通ホールHは、第2側面グラウンド160の熱膨張による外観の変化を最小化することができる。
【0063】
図4は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100cの断面図である。
【0064】
図4を参照すると、一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100cは、前述した可撓性回路基板100bに比べて、第1誘電体層110の一面と向かい合う第3誘電体層130、および第3誘電体層130の一面に形成される上部グラウンド180をさらに含むことができる。上部グラウンド180は第1信号ラインS1を遮蔽させ、第1信号ラインS1の電波の干渉を低減させることができる。
【0065】
上部グラウンド180は全体として板状に形成されるため、工程中に熱が加えられる場合、熱膨張が大きく発生する可能性がある。例えば、上部グラウンド180が膨張してデコボコするようになるか曲がる問題点が発生し得る。
【0066】
このような問題点を解決するために、一実施例によると、上部グラウンド180に複数の貫通ホールHが形成され得る。上部グラウンド180に複数の貫通ホールHを形成することによって、板状の上部グラウンド180であっても熱膨張による変形を最小化することができる。
【0067】
上部グラウンド180に複数の貫通ホールHが形成された例示は、
図9に図示された通りであり得る。
図9は、本発明の一実施例に係る上部グラウンド180の上面図である。
【0068】
図5は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100dの断面図である。
【0069】
図5を参照すると、一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100dは、
図4に図示された可撓性回路基板100cで、第2誘電体層120の底面に形成される下部グラウンド190をさらに含むことができる。
【0070】
下部グラウンド190は第1信号ラインS1を遮蔽させ、下部グラウンド190の下部に他の信号ラインを形成できるようにする。すなわち、多層信号ラインを形成できるようにする。
【0071】
図6は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100eの断面図である。
【0072】
図6を参照すると、一実施例に係る多重信号伝送用可撓性回路基板100eは、前述した可撓性回路基板100dに比べて、下部グラウンド190の底面に形成される第4誘電体層140、第4誘電体層140の底面に並んで形成された複数の第3側面グラウンド170、および複数の第3側面グラウンド170の間ごとに形成される第2信号ラインS2をさらに含むことができる。
【0073】
第2信号ラインS2は下部グラウンド190により、第1信号ラインS1によって干渉を受けずに第1信号ラインS1とは異なる信号を伝送することができる。第1信号ラインS1と第2信号ラインS2を互いに異なる層に形成することによって、多重信号伝送用可撓性回路基板100eの面積を最小化することができる。
【0074】
一方、
図6で第2信号ラインS2は第1信号ラインS1の下部に配置されるものとして図示したが、本発明はこれに限定されない。第2信号ラインS2は第1信号ラインS1の配置にかかわらず、第1信号ラインS1と独立して配置され得る。すなわち、第2信号ラインS2は第1信号ラインS1が同一のz軸線上に配置されないことができる。
【0075】
一実施例によると、複数の第3側面グラウンド170それぞれに、第3側面グラウンド170の長さ方向に沿って互いに間隔をおいて形成される複数の貫通ホールHが形成され得る。
【0076】
第2信号ラインS2の間ごとに形成された第3側面グラウンド170それぞれに複数の貫通ホールHを形成することによって、第3側面グラウンド170の熱膨張が制限される効果がある。具体的には、第3側面グラウンド170が熱膨張しても第3側面グラウンド170の外形の変化を最小化できるため、導通を防止することができる。
【0077】
一実施例によると、第2信号ラインS2それぞれは、一つまたは2個以上の信号ラインで形成され得る。第2信号ラインS2それぞれを2個以上の信号ラインで形成する場合、一つの信号ラインを通じての信号の伝送に問題が発生しても他の信号ラインを通じて信号の伝送が可能となり得る。
【0078】
一実施例によると、第1信号ラインS1と第2信号ラインS2のうち一つは高速信号伝送用信号ラインであり、残りの一つは低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0079】
第1信号ラインS1と第2信号ラインS2は互いに異なる役割を遂行することができる。例えば、第1信号ラインS1と第2信号ラインS2のうち、高速信号伝送用信号ライン(例:10GHz差動ライン)は1Gbps以上の高速信号を伝送することができ、低速信号伝送用信号ライン(例:制御差動ライン(control differential line)、制御単一ライン(control single line))は1Gbps未満の低速信号を伝送することができる。
【0080】
一実施例によると、デジタル信号処理部またはRF信号処理部に連結されるコネクタが可撓性回路基板100eの上部に配置されると仮定するとき、コネクタに近い第1信号ラインS1が高速信号伝送用信号ラインであり、コネクタと遠い第2信号ラインS2が低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0081】
もちろん他の実施例において、コネクタが可撓性回路基板100eの下部に配置されるのであれば、コネクタに近い第2信号ラインS2が高速信号伝送用信号ラインであり、コネクタと遠い第1信号ラインS1が低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0082】
このように、高速信号伝送経路を最短距離とすることによって、多重信号伝送用可撓性回路基板100eの信号伝送性能を向上させることができる。
【0083】
図7は、本発明の一実施例に係る多重信号伝送用装置200の斜視図である。
【0084】
図7を参照すると、一実施例に係る多重信号伝送用装置200は、可撓性部200Fおよび可撓性部200F両端のリジッド部200Rを含むことができる。可撓性部200Fは前述した多様な実施例に係る可撓性回路基板100、100a、100b、100c、100d、100eを含むことができる。
【0085】
一実施例によると、可撓性部200Fから延びた両端部に高い強度を有する他の層を粘着してリジッド部200Rを形成することができる。
【0086】
可撓性部200F両端のリジッド部200Rにはそれぞれ第1コネクタ201および第2コネクタ202が形成され得る。可撓性部200Fは、第1コネクタ201と第2コネクタ202を連結する信号ライン(例:第1信号ラインS1および/または第2信号ラインS2)を含む可撓性回路基板(例:可撓性回路基板100、100a、100b、100c、100d、100e)を含むことができる。
【0087】
第1コネクタ201および第2コネクタ202のうち一つはデジタル信号処理部に連結され、残りの一つはRF信号処理部に連結され得る。したがって、第1信号ラインS1はデジタル信号処理部とRF信号処理部の間の送受信を遂行することができる。このとき、同軸ケーブルを使わずに可撓性回路基板に形成された第1信号ラインS1を使うことによって、信号伝送装置を小型化することができる。
【0088】
図8は、
図7に図示された多重信号伝送用装置200のA1とA2間の領域の内部拡大図である。すなわち、多重信号伝送用装置200の可撓性部200Fは可撓性回路基板100fを含むことができる。可撓性回路基板100fは第1誘電体層110、第1信号ラインS1、および第1側面グラウンド150を含む。一実施例によると、
図8に図示された可撓性回路基板100fは
図1に図示された可撓性回路基板100およびその周辺部を含むことができる。すなわち、
図8の可撓性回路基板100fは
図1の可撓性回路基板100の拡張された姿であり得る。
【0089】
しかし、本発明の多様な実施例に係る多重信号伝送用装置200の可撓性部200Fは可撓性回路基板100fに限定されない。多様な実施例に係る多重信号伝送用装置200の可撓性部200Fは第1誘電体層110、第1信号ラインS1、および第1側面グラウンド150の他にも、前述した第2側面グラウンド160、第2誘電体層120、第3誘電体層130、上部グラウンド180、下部グラウンド190、第4誘電体層140、第2信号ラインS2、第3側面グラウンド170のうち一つ以上をさらに含むことができる。
【0090】
一実施例によると、可撓性回路基板100fの中央領域(CA、central area)に配置された第1信号ラインS1は高速信号伝送用信号ラインであり、可撓性回路基板100fの外側領域(OA、outer area)に配置された第1信号ラインS1は低速信号伝送用信号ラインであり得る。
【0091】
第1信号ラインS1のうち、高速信号伝送用信号ラインを可撓性回路基板100fの中央領域(CA、central area)に配置することによって、高速信号伝送経路を最短距離とすることができる。これによって多重信号伝送用装置200の性能を向上させることができる。
【0092】
一実施例によると、高速信号伝送用信号ラインの間の間隔が、低速信号伝送用信号ラインの間の間隔より広くてもよい。
【0093】
一実施例によると、複数の第1側面グラウンド150のうち、高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンド150の幅は、低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンド150の幅より広くてもよい。
【0094】
前述した実施例によると、高速信号ラインの間の間隔を低速信号ラインの間の間隔より広く形成することによって、高速信号ラインの間の第1側面グラウンド150の幅をさらに広く形成することができ、高速信号の伝送に対する信頼性を維持することができる。
【0095】
一実施例によると、前記複数の第1側面グラウンド150のうち、前記高速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンド150には貫通ホールHが形成され、前記複数の第1側面グラウンド150のうち、前記低速信号伝送用信号ラインの間に形成された第1側面グラウンド150には貫通ホールHが形成されないことがある。
【0096】
低速信号ラインの間の第1側面グラウンド150の幅は、高速信号ラインの間の第1側面グラウンド150の幅より狭く形成するため、低速信号ラインの間に形成された第1側面グラウンド150には貫通ホールHを形成しないことによって、可撓性回路基板100fの全体幅を最小化することができる。
【0097】
一方、第1信号ラインS1の一側には電源伝送ラインPWが形成され得る。
【0098】
一方、前述した通り、多様な実施例において、多重信号伝送用装置200は、第1誘電体層110の一面と向かい合う第3誘電体層130および第3誘電体層130の一面に形成される上部グラウンド180をさらに含むことができる。すなわち、多様な実施例に係る多重信号伝送用装置200は、前述した可撓性回路基板100c、100d、100eを含むことができる。
【0099】
図9は、本発明の一実施例に係る上部グラウンド180の上面図である。
図9に図示された上部グラウンド180は、
図8に図示された可撓性回路基板100fの上部に配置され得る。
図9を参照すると、上部グラウンド180に複数の貫通ホールHが形成され得る。
【0100】
以下では、
図8に図示されたB1領域と
図9に図示されたB2領域を参照して、第1信号ラインS1および上部グラウンド180の位置関係を説明することにする。
【0101】
図10は、本発明の一実施例に係る上部グラウンド180のB2領域が、第1信号ラインS1と第1側面グラウンド150を含むB1領域の一部のみを覆っている状態の上面図である。B1領域とB2領域は
図8および
図9にそれぞれ図示されている。
【0102】
図10を参照すると、一実施例で第1信号ラインS1が形成された領域上の上部グラウンド180の部分には貫通ホールHが形成されないことがある。また、第1信号ラインS1が形成されていない領域上の上部グラウンド180の部分に貫通ホールHが形成され得る。
【0103】
第1信号ラインS1が形成された領域上の上部グラウンド180の部分には貫通ホールHが形成されないことによって、第1信号ラインS1の遮蔽を助けることができる。また、第1信号ラインS1が形成されていない領域上の上部グラウンド180の部分に貫通ホールHが形成されることによって、上部グラウンド180の熱膨張を最小化することができる。
【0104】
一方、第2信号ラインS2および下部グラウンド190の位置関係も、第1信号ラインS1および上部グラウンド180の位置関係に相応し得る。
【0105】
下部グラウンド190には複数の貫通ホールHが形成されるものの、第2信号ラインS2が形成された領域上の下部グラウンド190の部分には貫通ホールHが形成されないことがある。また、第2信号ラインS2が形成されていない領域上の下部グラウンド190の部分に貫通ホールHが形成され得る。
【0106】
第2信号ラインS2が形成された領域上の下部グラウンド190の部分には貫通ホールHが形成されないことによって、第2信号ラインS2の遮蔽を助けることができる。また、第2信号ラインS2が形成されていない領域上の下部グラウンド190の部分に貫通ホールHが形成されることによって、下部グラウンド190の熱膨張を最小化することができる。
【0107】
本発明は図面に図示された一実施例を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および実施例の変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0108】
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f:多重信号伝送用可撓性回路基板
110:第1誘電体層
120:第2誘電体層
130:第3誘電体層
140:第4誘電体層
150:第1側面グラウンド
160:第2側面グラウンド
170:第3側面グラウンド
180:上部グラウンド
190:下部グラウンド
S1:第1信号ライン
S2:第2信号ライン
H:貫通ホール
CL:キャビティライン
200:多重信号伝送用装置
200F:可撓性部
200R:リジッド部
201:第1コネクタ
202:第2コネクタ
PW:電源伝送ライン
CA:中央領域
OA:外側領域