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特開2022-89155ゼオライト、該ゼオライトの製造方法、及び該ゼオライトを含む触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089155
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】ゼオライト、該ゼオライトの製造方法、及び該ゼオライトを含む触媒
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/24 20060101AFI20220608BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20220608BHJP
   B01J 29/08 20060101ALI20220608BHJP
   C10G 11/18 20060101ALN20220608BHJP
【FI】
C01B39/24
B01J37/04 102
B01J29/08 M
C10G11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167398
(22)【出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2020201261
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三津井 知宏
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 由佳
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆喜
(72)【発明者】
【氏名】大久保 栄造
(72)【発明者】
【氏名】冨士田 明男
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H129
【Fターム(参考)】
4G073BA17
4G073CZ05
4G073CZ06
4G073FD01
4G073FD18
4G073FD20
4G073FE01
4G073GA05
4G073GA12
4G073GA19
4G073UA04
4G073UA06
4G169AA02
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA03B
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA07C
4G169BA42C
4G169BB20C
4G169BC42B
4G169BC43B
4G169CC07
4G169DA08
4G169EB18Y
4G169EC04Y
4G169EC27
4G169ED06
4G169FA01
4G169FB06
4G169FB27
4G169FB30
4G169FB49
4G169FB57
4G169FC02
4G169FC04
4G169ZA03A
4G169ZA05A
4G169ZA05B
4G169ZC03
4G169ZC05
4G169ZD04
4G169ZE01
4G169ZF01A
4G169ZF02B
4G169ZF05B
4H129AA02
4H129CA08
4H129CA09
4H129DA04
4H129GA12
4H129KA02
4H129KB03
4H129KB05
4H129KB06
4H129KB07
4H129KC03Y
4H129KC04Y
4H129KC15X
4H129KC15Y
4H129KC18X
4H129KC18Y
4H129KC28Y
4H129KD09Y
4H129NA22
4H129NA37
(57)【要約】
【課題】触媒、たとえば、流動接触分解触媒に用いて好適なゼオライトを提供する。
【解決手段】流動接触分解触媒用のゼオライトであって、(a)フォージャサイト型ゼオライトであり、(b)アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.20~0.40の範囲にあること、(c)アンモニア昇温脱離法(NH-TPD法)により測定したアンモニア脱離量が、1.0~2.5mmol/gの範囲にあることを特徴とするゼオライトである。そのゼオライトを含む触媒である。ゼオライトをアンモニウム塩の存在下で、酸処理し固液分離し、ゼオライトケーキを得て、ゼオライトケーキからゼオライトを得る製造方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)~(c)の特徴を有するゼオライト。
(a)フォージャサイト型ゼオライトである。
(b)アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.20~0.40の範囲にある。
(c)アンモニア昇温脱離法(NH-TPD法)により測定したアンモニア脱離量が、1.0~2.5mmol/gの範囲にある。
【請求項2】
前記フォージャサイト型ゼオライトが、超安定化Y型ゼオライト(USY)である、請求項1に記載のゼオライト。
【請求項3】
前記フォージャサイト型ゼオライトは、ゼオライトの格子定数が、24.40~24.60Åの範囲にある、請求項1または2に記載のゼオライト。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のゼオライトを製造する方法であって、
(1)ゼオライトを準備する第一工程と、
(2)前記ゼオライトをアンモニウム塩の存在下で、酸処理した後に固液分離することにより、ゼオライトケーキを得る第二工程と、
(3)前記ゼオライトケーキからゼオライトを得る第三工程と、
を含む、ゼオライトの製造方法。
【請求項5】
前記請求項1~3のいずれか一項に記載のゼオライトを含む触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油精製やペトロケミカル分野に用いる触媒の構成成分や吸着剤に用いて好適なゼオライトおよびその製造方法、ならびにそのゼオライトを用いた触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の石油精製業界では、残渣油などの重質炭化水素油を接触分解の原料油として用いるケースが増加している。特に、残渣油などの重質炭化水素油の接触分解に使用して、バナジウムやニッケルに対する耐メタル性もあり、残渣油の分解能に優れ、水素、コークなどの生成量が少なく、ガソリンや灯軽油留分(LCO)の収率の高い触媒が求められている。
【0003】
これらの問題については、プロセス面からの改良や流動接触分解触媒(以下、単にFCC触媒ともいう)の開発によりある程度解決策が提案されている。
【0004】
特許文献1には、フォージャサイト型ゼオライトのケイバン比が6以上であり、NaO量を0.5重量%以下範囲にて、骨格内(4配位)アルミニウム原子の数が25以上であることを特徴とする接触分解触媒が開示されている。特許文献1に開示された接触分解触媒は、高温のスチーム処理を受けても結晶構造が安定であり、ゼオライトのもつ本質的な接触分解反応活性が損なわれることがなく、耐水熱性に優れていることが報告されている。
【0005】
また、特許文献2には、細孔直径3.5~5nmの範囲の細孔容積が制御された超安定Y型ゼオライト(USYゼオライト)が開示されている。特許文献2に記載された超安定Y型ゼオライトは、単位格子定数(UD)が24.55Å以下、SiO/Al(モル比)が8以上、比表面積が400~900m/g、結晶度が95%以上であり、軽油、残油などの炭化水素油の水素化分解に使用できることが報告されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、脱アルミニウム処理Y型ゼオライトの骨格構造へアルミニウムが再挿入されたY型ゼオライトが開示されている。特許文献3に開示されたY型ゼオライトは、単位格子定数(UD)が24.25~24.60Å、一定の結晶化度や比表面積、細孔径を有し、骨格内(4配位)アルミニウム原子の割合が60%以上であることを特徴とし、優れた性能を示すことが報告されている。
【0007】
特許文献4には、高芳香族炭化水素油原料を、水素化分解触媒と接触させて、高オクタン価のガソリン留分を得る高オクタン価ガソリン留分の製造方法が開示されている。特許文献4に開示された水素化分解触媒は、耐火性担体に特定の超安定Y型ゼオライトを含む担体を用いる触媒であり、UYSゼオライトの単位格子定数(UD)が24.40Å以下、SiO/Al(モル比)が25以上、結晶度が50%以上であることを特徴とする。特許文献4には、UYSゼオライトが水素化分解触媒としてガソリン留分の製造に有効であると報告されている。
【0008】
特許文献5には、フォージャサイト型ゼオライト、該フォージャサイト型ゼオライトを含む炭化水素接触分解用触媒が開示されている。特許文献5には、フォージャサイト型ゼオライトのSiO/Al(モル比)が4~8、固体NMRにおける骨格外(6配位)アルミニウムと骨格内(4配位)アルミニウムのピーク面積比が0.4~1.0、格子定数が24.40~24.65Åの範囲にあることを特徴とする接触分解触媒が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平09-038499号公報
【特許文献2】特開2003-095643号公報
【特許文献3】特開2006-150183号公報
【特許文献4】特開2010-215736号公報
【特許文献5】特開2012-140287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
今後は、さらに残渣油中に含まれる被毒物質であるバナジウムやニッケルの含有量が上がっていく傾向にあり、その状況下においても残渣油の分解活性を保持した流動接触分解触媒が求められている。前記従来の流動接触分解触媒では、十分な活性を得ることができないという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、石油精製やペトロケミカル分野に用いる触媒の構成成分や吸着剤に用いて好適なゼオライトおよび該ゼオライトの製造方法並びに該ゼオライトを含む触媒を提供することにある。特に流動接触分解触媒に用いて好適なゼオライトを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような技術的背景のもと、発明者らは、重質留分(ボトム)に対する分解性に優れた流動接触分解触媒(以下、単に「FCC触媒」ともいう。)の改善について鋭意研究した結果、特定のフォージャサイト型ゼオライトを含有する流動接触分解触媒は、水熱安定性並びに耐金属被毒性が格段に優れた重質留分(ボトム)分解性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明にかかるゼオライトは、
下記(a)~(c)の特徴を有するものである。
(a)フォージャサイト型ゼオライトである。
(b)アルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.20~0.40の範囲にある。
(c)アンモニア昇温脱離法(NH-TPD法)により測定したアンモニア脱離量が、1.0~2.5mmol/gの範囲にある。
【0014】
なお、本発明にかかるゼオライトについては、
(ア)前記フォージャサイト型ゼオライトが、超安定化Y型ゼオライト(USY)であること、
(イ)前記フォージャサイト型ゼオライトは、ゼオライトの格子定数が、24.40~24.60Åの範囲にあること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
【0015】
また、本発明にかかるゼオライトの製造方法は、上記いずれかのゼオライトを製造する方法であって、
(1)ゼオライトを準備する第一工程と、
(2)前記ゼオライトをアンモニウム塩の存在下で、酸処理した後に固液分離することにより、ゼオライトケーキを得る第二工程と、
(3)前記ゼオライトケーキからゼオライトを得る第三工程と、
を含むものである。
【0016】
また、本発明にかかる触媒は、上記のいずれかのゼオライトを含むものである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明で得られるゼオライトおよびその製造方法によれば、触媒に用いて、特に流動接触分解触媒に用いて、重質留分(ボトム)の分解性に優れ、分解活性が高く、しかも水素、ガスおよびコークの生成が少なく、ガソリンや灯軽油留分が高収率で得られ、水熱安定性並びに耐金属被毒性に優れた流動接触分解触媒を提供することができるようになる。また、本発明のゼオライトは、例えば、石油精製やペトロケミカル分野に用いる触媒の構成成分として、また吸着剤として用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のゼオライトは、まず流動接触分解触媒用途に開発した。
【0019】
炭化水素の流動接触分解(FCC)触媒としては、多孔性無機酸化物、例えばシリカ-アルミナ、シリカ-ジルコニア、シリカ-マグネシア、さらにはシリカ-粘土をマトリックスとし、これに微細なゼオライトを分散含有せしめた触媒組成物が従来から知られている。しかし、一般にこの種の触媒組成物はゼオライトの細孔がマトリックス成分によって、特にマトリックス中のシリカ成分によって包封化されてしまうおそれがあり、この包封化が生起すると触媒としての性能が著しく低下してしまうおそれがある。
【0020】
<ゼオライト>
本発明はマトリックス中に分散せしめられるゼオライトにより、分解活性、ガソリン選択性、水熱安定性並びに耐金属被毒性に優れた流動接触分解触媒を提供する。すなわち、本発明に係るFCC触媒は、特定のフォージャサイト型ゼオライトを分散状態で含有する。
【0021】
本発明に用いるゼオライトとしては、フォージャサイト型ゼオライトであり、特に超安定化Y型ゼオライト(USY)は、耐水熱安定性に優れているので好適である。
【0022】
本発明のUSYゼオライトは、骨格中に4配位Al原子とともに、特定の割合で6配位Al原子を含む。このような、4配位Al原子、6配位Al原子の割合を本発明者らは、固体NMRを用いたピーク面積の比率で定義する。
【0023】
すなわち、本発明のUSYゼオライト中のアルミナの固体NMRで測定した4配位Alのスペクトルのピーク面積(P4Al)と6配位Alのスペクトルのピーク面積(P6Al)とのピーク面積比(P6Al)/(P4Al)が0.20~0.40の範囲にあることを必要とする。ピーク面積比が前記比率の下限よりも小さいと、耐メタル性や耐水熱性が不充分となる場合があり、ピーク面積比が上記上限を超えると4配位Al(骨格中のAl原子)が少ないことを意味し、活性が不充分となる場合がある。
【0024】
本発明でゼオライト中に存在するアルミニウムの配位状態は、固体高分解能NMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置(アジレント社製:VNS-600)を用いた。27Al MAS(Magic Angle Spinning)NMRスペクトル測定は、共鳴周波数156.29MHz、スピン速度20kHz、待ち時間0.1sec、積算回数128回の条件で室温にて測定した。なお、測定前にNHCl飽和水蒸気を含むデシケーター内に24時間以上置き、水を十分に吸着させた。また、外部標準として硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO・9HO)を用いた。
【0025】
ゼオライトの組成分析は、蛍光X線分析装置 (PHILIPS社製:MagiX PRO)を用いて、ガラスビード法で測定した。
ゼオライトの格子定数の測定は、粉末X線回折装置(リガク社製:RINT-2100)を使用した。Cu-Kα線を用いて、格子定数の算出は管電圧30kV、管電流14mAの条件で行った。本発明のUSYゼオライトの格子定数は、24.40~24.60Åの範囲にあることが好ましい。この範囲の格子定数であれば、固体酸量が多く、活性も高い。格子定数が高すぎると耐水熱性、耐メタル性等が不充分となる場合があり、格子定数が低すぎると固体酸量が少なくなり、活性が不充分となる場合がある。
【0026】
比表面積の測定は、不活性ガス雰囲気下にて500℃で1時間の前処理を実施した試料粉末について、マウンテック社製MacSorb-1220を用いてNの吸着量及び脱離量を測定した。得られたNの脱離量から、BET1点法に基づいて比表面積を算出した。
【0027】
アンモニア脱離量は、アンモニア昇温脱離法(NH-TPD法)により測定した。即ち、マイクロトラックベル社製BELCAT-B(登録商標)を使用し、測定セル中に試料0.2gを入れ、500℃で1時間排気処理を行い、その後温度を100℃にし、100℃にて0.5時間アンモニアガスを導入して吸着した。次いで、100℃にて0.5時間再度排気処理を行なった後、毎分50mlのHeガス流通下、100℃から毎分10℃で700℃まで昇温しながら温度上昇にともなって脱離するアンモニア量を計測した。アンモニア脱離量は、1.0~2.5mmol/gの範囲にある必要がある。アンモニア脱離量が下限未満であると分解活性が不充分であり、一方、上限を超えるとコーク生成量が増加し、ガソリン選択性が低下する場合がある。
【0028】
本発明のゼオライトは、上記の流動接触分解用途以外に、例えば、石油精製やペトロケミカル分野の接触分解や水素化処理などに用いる触媒の構成成分として、また分子篩や気相又は液相中で有機物質などを分離する吸着剤として用いることができる。
【0029】
<ゼオライトの製造方法>
(1)ゼオライトを準備する第一工程
NaY型ゼオライトとしては、従来公知のNaY型ゼオライトを用いることができる。本発明で用いるNaY型ゼオライトのSiO/Alモル比は3~6、さらには4~6の範囲にあることが好ましい。
【0030】
アンモニウムイオン交換は、アンモニウム塩水溶液にNaY型ゼオライトを分散させ、NHY型ゼオライトを得る。従来公知の方法でイオン交換できる。アンモニウム塩の使用量はNaY型ゼオライト(NaO・Al・nSiO:nはSiO/Alモル比)1モルに対して0.6~3モル、さらには1~2モル使用することが好ましい。アンモニウム塩の使用量が少ないと、所定のイオン交換率が達成できず、Na残存量が多くなるために、次工程以降にてNHY型ゼオライトの結晶性が大きく低下する場合がある。イオン交換時の温度は特に制限はないが、常温~100℃、さらには50~95℃の範囲にあることが好ましい。
【0031】
NHY型ゼオライトは、従来公知の方法で550~750℃で加熱処理することができる。例えば、マッフル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。また、加熱時にスチームを供給してもよく、あるいは予め水分を含んだNHY型ゼオライトを用いてもよく、スチームの存在下で加熱処理することで、格子定数を調整できる。
【0032】
(2)ゼオライトをアンモニウム塩の存在下で、酸処理した後に固液分離することにより、ゼオライトケーキを得る第二工程
加熱処理したゼオライトは、骨格外アルミニウムを除去する目的で、温度が40~100℃の範囲で酸溶液処理することができる。この工程における酸溶液は、酸を含む溶液であって、硫酸、塩酸、硝酸といった従来公知の無機酸を含む。また、骨格外アルミニウムを除去できる酸であれば、クエン酸や酢酸等の有機酸を用いてもよい。
【0033】
この工程における酸溶液には、アンモニウムイオンを含む塩を添加してもよい。このように、アンモニウムイオンが存在する酸溶液を用いて酸処理を行うと、アルミニウムのカウンターカチオンであるNaがより除去されやすくなる。
【0034】
酸処理後の酸溶液とゼオライトは、濾過等の方法で固液分離することでゼオライトケーキを得ることができる。この時に分離したゼオライトには酸溶液に由来する成分が残留することがあるため、分離したゼオライトを再度水に懸濁する、濾布上で温水を掛ける等の洗浄処理を行うことが好ましい。
【0035】
また、濾液中に溶解アルミノシリケートが含まれることから、収率や性能等の観点から、固形分を凝集し、回収してもよい。前記濾液に凝集剤を添加し、濾液から溶解アルミノシリケートを含む沈殿物を得る。回収した溶解アルミノシリケートは、濾過等の方法で固液分離した後、再度水に懸濁する、濾布上で温水を掛ける等の洗浄処理を行うことで溶解アルミノシリケートケーキを得る。また、溶解アルミノシリケートケーキを得る際、シックナーのようなスラリーを濃縮し、沈降する装置を用いてもよい。例えば、実機としてシックナーを用い、凝集剤を添加した濾液を濃縮沈降し、そのままオリバーフィルター等の濾過装置に混合し、洗浄することができる。
【0036】
凝集剤はポリ塩化アルミニウムやポリ硫酸第二鉄等の無機凝集剤、ポリアクリル酸エステル系やポリアクリルアミド系等の有機高分子凝集剤が好ましく、両者を組み合わせて使用しても良い。有機高分子凝集剤は、カチオン性やアニオン性、ノニオン性、両性の少なくとも1種類以上用いることができる。
【0037】
(3)前記ゼオライトケーキからゼオライトを得る第三工程
前記ゼオライトケーキは、温度80℃以上、400℃以下の範囲で乾燥させて、ゼオライトを得ることができる。さらに、必要に応じてこのゼオライトを大気雰囲気下において、温度400℃以上、900℃以下の範囲で焼成してもよい。
【0038】
本発明のゼオライトを含む触媒として、流動接触分解触媒を例に説明する。
― 流動接触分解触媒 -
本発明に係る流動接触分解触媒は、シリカまたはアルミナを含むバインダー成分と上記で調製したゼオライト(以下、単にゼオライトともいう。)とを含むマトリックスと、活性アルミナおよび金属捕捉剤から選ばれた少なくとも1種を含む添加物と、を含むものであり、さらに希土類金属酸化物を含んでもよい。これらのゼオライトは通常の接触分解触媒に使用される場合と同様に、水素、アンモニウムおよび多価金属から選ばれるカチオンでイオン交換された形で使用される。
【0039】
本発明における希土類金属酸化物の前駆体としては、一般に市販されている希土類金属の炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩等を使用することができる。
【0040】
本発明に係る流動接触分解触媒は、通常の接触分解触媒と同様に多孔性無機酸化物マトリックスが使用される。多孔性無機酸化物マトリックスには、珪酸ナトリウム等のケイ酸塩やシリカゾルなどのシリカ系バインダーや塩基性塩化アルミニウム、アルミナゾル、アルミナゲルなどのアルミナ系バインダーを用いることができる。また、添加物として、カオリン、ハロイサイト、モンモリロナイトなどの粘土鉱物、活性アルミナ、シリカ―アルミナ、シリカ―マグネシア、アルミナ―マグネシア、シリカ―マグネシア―アルミナなどの固体酸を有するマトリックス、二酸化マンガン、カルシウムアルミネート、水酸化アルミニウム、希土類金属酸化物(例えば、炭酸ランタンなど)などの金属捕捉剤などを併用して含有することができる。
【0041】
本発明の流動接触分解触媒は、前記ゼオライトと好ましくは前記希土類金属酸化物とが前記多孔性無機酸化物マトリックス中に分散してなることを特徴とするものである。該流動接触分解触媒では、前述のゼオライトは触媒基準で好ましくは、5~50質量%、さらに好ましくは10~40質量%の範囲で含有するものである。また、前述の希土類金属酸化物を含む場合には触媒基準で酸化物換算(RE)としては0.5質量%以上、好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上含有し、最大で20質量%以下、好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下の範囲で含有し、前述の多孔性無機酸化物マトリックス中に均一に分散していることが望ましい。
【0042】
該ゼオライトの含有量が5質量%未満では、得られる触媒の分解活性が低くなることがあり、一方、50質量%より多い場合には分解活性が高すぎて水素、ガスおよびコークの生成が増加するためにガソリン収率が低くなることがある。また、前記希土類金属酸化物の前駆体の含有量がREとして0.5質量%未満では所望の効果が得られず、一方、20質量%より多い場合には触媒組成物の耐摩耗性(Attr.Res.)が低下することがある。また、該流動接触分解触媒では、前述の多孔性無機酸化物マトリックスを30~90質量%、好ましくは30~85質量%の範囲で含んでいることが望ましい。なお、該触媒組成物の各成分は、合計が100質量%となるようにそれぞれの範囲内で決められる。
【0043】
― 流動接触分解触媒の製造方法 -
前述の流動接触分解触媒は、その製造方法として、前述の多孔性無機酸化物マトリックス前駆物質である、塩基性塩化アルミニウムに前記ゼオライトを加えて均一に分散させた混合物スラリーを以下の工程で噴霧乾燥および洗浄することによって製造する方法を例に挙げて説明する。シリカ系バインダーを用いた場合、条件が異なることがあるので、その場合は括弧書きで記載することとする。
【0044】
<混合スラリー取得工程>
バインダー成分およびゼオライトを含むマトリックスと、活性アルミナおよび金属捕捉剤から選ばれた少なくとも1種を含む添加物と、を含む混合スラリーを得る工程を混合スラリー取得工程とする。
ここで得られる混合スラリーは、その後の噴霧乾燥工程に適応するために固形分濃度が25~50質量%の範囲で調整することが好ましい。固形分濃度が、25質量%未満では、触媒の嵩密度の低下や耐摩耗性の悪化があり、50質量%超えでは、混合スラリーの粘度上昇により噴霧乾燥が困難になる場合がある。
【0045】
<前駆体取得工程>
前記混合スラリー取得工程で得られた混合スラリーを噴霧乾燥することにより流動接触分解触媒の前駆体を得る工程を前駆体取得工程とする。
本工程での噴霧乾燥の条件は、スプレー出口温度が200~250℃(シリカ系バインダーを用いたときは、出口温度は155~215℃)の範囲であることが好ましい。出口温度が、200℃未満では触媒を洗浄した後に粒子形状を保つことが困難となり、耐摩耗性が悪化し、一方、250℃超えでは洗浄した後の粒子形状は保てるものの、乾燥速度が速くなるため触媒粒子に割れなどが発生しやすくなり、かえって耐摩耗性が悪化する場合がある。
【0046】
<洗浄ケーキ1取得工程>
前記前駆体取得工程で得られた流動接触分解触媒の前駆体を、pH5.5~7.5の範囲(シリカ系バインダーを用いたときは、pHは2.5~3.5)、40~70℃の水溶液に懸濁させた後、濾別を行い、必要に応じて、さらに温水洗浄して濾別を行い、洗浄ケーキ1を得る工程を洗浄ケーキ1取得工程とする。
本工程で懸濁時に用いる水溶液には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのナトリウム塩を含む水溶液であることが好ましく、水溶液のpHが所望の範囲内になるように調整して用いることが好ましい。また、水酸化ナトリウムの場合は、硫酸アンモニウムを同時に用いることが好ましい。
【0047】
水溶液の温度は、40℃より低いと、バインダー成分由来の残存塩素量が増加するため流動接触分解装置を腐食する可能性が高くなり、一方、70℃より高いとバインダー成分の加水分解が起こりやすくなり、耐摩耗性が悪化する場合がある。(シリカ系バインダーを用いたときは、洗浄時の水溶液の温度は特に限定する必要はないが、50~70℃の範囲で行うことが好ましい。)
【0048】
さらに、洗浄時の前駆体の固形分と水溶液との割合は、溶解性不純物やろ過性の観点から質量比で固形分/水溶液=1/3~1/15の範囲で行うことが好ましい。
【0049】
<洗浄ケーキ2取得工程>
前記洗浄ケーキ1取得工程で得られた洗浄ケーキ1を、乾燥して洗浄ケーキ2を得る工程を洗浄ケーキ2取得工程とする。乾燥前に、水中に懸濁させた後、必要に応じて、希土類元素のRE前駆体を含む水溶液を添加・撹拌し、濾別を行いさらに温水洗浄することが好ましい。
【0050】
<加熱乾燥工程>
前記洗浄ケーキ2取得工程で得られた洗浄ケーキ2を、80~600℃の温度範囲で乾燥機やマッフル炉、ロータリーキルン等、一般的な方法で加熱することにより本発明の流動接触分解触媒を得る工程を加熱乾燥工程とする。また、空気や水蒸気等、任意の条件で実施してもよい。80℃未満では乾燥が不十分となり使用時の触媒の物性や性能が悪化するおそれがあり、一方、600℃を超えると活性成分の凝集等により性能が低下するおそれがある。
【0051】
本発明の流動接触分解触媒は、従来の炭化水素油流動接触分解法に使用でき、従来の流動接触分解条件が採用可能である。また、本発明の触媒組成物は、任意の従来の炭化水素油供給原料油の流動接触分解に使用できるが、耐水熱性に優れており、特にニッケルやバナジウムなどを含む重質炭化水素油の流動接触分解に好適に使用される。
【0052】
本発明のゼオライトは上記の流動接触分解触媒のほか、水素化分解、異性化などの石油精製用の触媒、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の石油化学合成用の触媒、ファインケミカルズ合成用の触媒としても好適に用いることができる。
【実施例0053】
以下に実施例を示し、本例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
・超安定化Y型のゼオライトNo.1の調製
NaY型ゼオライトとして、SiO/Al(モル比)が5.2、格子定数が2.466nm、比表面積が720m/g、Naの含有量がNaO換算で13.0質量%のものを用いた。NaY型ゼオライト50.0kgを60℃の温水500Lに加え、さらに硫酸アンモニウム14.0kgを加えて懸濁液を得た。この懸濁液を70℃で1時間撹拌し、濾過した。濾過により得られた固体を60℃の温水で洗浄した。次いで、この固体を60℃の温水500Lに硫酸アンモニウム14.0kgを溶解した硫酸アンモニウム溶液で洗浄し、さらに、60℃の水500Lで洗浄し、洗浄ケーキを得た。得られた洗浄ケーキを130℃で20時間乾燥して、NaY型ゼオライトに含まれるNaの約65質量%がアンモニウムイオン(NH )でイオン交換したY型ゼオライト(NHY)を得た。このNHY型ゼオライトのNa含有量はNaO換算で4.5質量%であった(第一工程)。
【0054】
このNHY型ゼオライト40kgを、飽和水蒸気雰囲気中にて670℃で1時間焼成した。得られた焼成粉末を60℃の温水400Lに加え、25%の硫酸でpH2.5~4.5に調整し、次いで硫酸アンモニウム49.0kgを加え、90℃で1時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、次いで60℃の温水200Lで洗浄し、洗浄ケーキ(1)を得た(第二工程)。
得られた洗浄ケーキ(1)を60℃の温水400Lに加え、60℃で10分間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、次いで60℃の温水200Lで洗浄し、洗浄ケーキ(2)を得た。次いで、洗浄ケーキ(2)を130℃で20時間乾燥して、超安定化Y型(以下、「USY」という)のゼオライトNo.1を得た(第三工程)。USYのゼオライトNo.1の性状を表1に示す。
本実施例では、収率向上も意図して凝集剤を使用する工程で行ったが、凝集剤を使用しない場合は、収率の低下は見られるものの、得られるゼオライトの物性は、ほぼ差異がないことを確認している。
【0055】
・流動接触分解触媒No.1の調製
流動接触分解触媒では、USYのゼオライトNo.1をさらに830℃で30分間焼成したものを使用した。
これに、水ガラス(SiO換算で17.5質量%に調整した3号水ガラス)と硫酸(濃度25質量%に調整したもの)を同時に連続的に加えて、12.5質量%のSiOを含むシリカヒドロゾルを調製した。このシリカヒドロゾル4000gに、カオリン891.4g(固形分濃度:85.54質量%)、活性アルミナ粉末580.3g(固形分濃度:84質量%)、硫酸にてpHを3.9に調整したUSYゼオライトスラリー2272.7g(固形分濃度:33質量%)を加え、混合スラリーを調製した。
この混合スラリーを液滴として入口温度が250℃、出口温度が150℃の噴霧乾燥機で噴霧乾燥を行い、平均粒子径が70μmの乾燥粒子を得た。得られた噴霧乾燥粒子を質量で10倍量の温水(60℃)に懸濁し、脱水濾過した。次いで、質量で10倍量の温水(60℃)を掛水した後、さらに懸濁し、希土類金属(セリウムおよびランタンの塩化物を含む)塩化物の水溶液と接触させて、REとして2.0質量%となるようにイオン交換処理した後、ケーキを回収し、雰囲気温度150℃に保持した乾燥機にて10時間乾燥し、流動接触分解触媒No.1を得た。流動接触分解触媒No.1の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0056】
(実施例2)
・超安定化Y型のゼオライトNo.2の調製
実施例1で得られたNHY型ゼオライト40kgを、飽和水蒸気雰囲気中にて590℃で1時間焼成した以外は、実施例1と同様にしてUSYのゼオライトNo.2を得た。USYのゼオライトNo.2の性状を表1に示す。
・流動接触分解触媒No.2の調製
USYゼオライトとしてUSYゼオライトのNo.2を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.2を得た。流動接触分解触媒No.2の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0057】
(実施例3)
・超安定化Y型のゼオライトNo.3の調製
実施例1で得られたNHY型ゼオライト40kgを、飽和水蒸気雰囲気中にて695℃で1時間焼成した以外は、実施例1と同様にしてUSYのゼオライトNo.3を得た。USYのゼオライトNo.3の性状を表1に示す。
・流動接触分解触媒No.3の調製
USYゼオライトとしてUSYのゼオライトNo.3を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.3を得た。流動接触分解触媒No.3の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0058】
(比較例1)
・超安定化Y型のゼオライトのNo.R1の調製
実施例1で得られた洗浄ケーキ(1)を130℃で20時間乾燥してUSYのゼオライトNo.R1を得た。USYのゼオライトNo.R1の性状を表1に示す。
・流動接触分解触媒No.R1の調製
USYゼオライトとしてUSYのゼオライトNo.R1を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.R1を得た。流動接触分解触媒No.R1の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0059】
(比較例2)
・超安定化Y型のゼオライトのNo.R2の調製
実施例1で得られたNHY型ゼオライト40kgを、飽和水蒸気雰囲気中にて500℃で1時間焼成した。得られた焼成粉末を60℃の温水400Lに加え、25%の硫酸でpH2.5~4.5に調整し、次いで硫酸アンモニウム49.0kgを加え、90℃で1時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、次いで60℃の温水200Lで洗浄し、洗浄ケーキ(4)を得た。次いで、洗浄ケーキ(4)を130℃で20時間乾燥して、USYのゼオライトNo.R2を得た。USYのゼオライトNo.R2の性状を表1に示す。
・流動接触分解触媒No.R2の調製
USYゼオライトとしてUSYのゼオライトNo.R2を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.R2を得た。流動接触分解触媒No.R2の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0060】
(比較例3)
・超安定化Y型のゼオライトのNo.R3の調製
実施例1同様に、NHY型ゼオライト40kgを、飽和水蒸気雰囲気中にて670℃で1時間焼成した。得られた焼成粉末を60℃の温水400Lに加え、次いで硫酸アンモニウム49.0kgを加え懸濁液を得た。この懸濁液を90℃で1時間攪拌し、ろ過した。ろ過により得られた固体を60℃の温水200Lで洗浄した。次いで、この固体を130℃で20時間乾燥した。得られた乾燥粉末を飽和水蒸気雰囲気中にて750℃で2時間、水蒸気雰囲気下で焼成し、USYのゼオライトNo.R3を得た。USYのゼオライトNo.R3の性状を表1に示す。
・流動接触分解触媒No.R3の調製
USYゼオライトとしてUSYのゼオライトNo.R3を使用した以外は、実施例1と同様にして流動接触分解触媒No.R3を得た。ただし、830℃で30分間の追加焼成は実施せずに使用した。流動接触分解触媒No.R3の触媒組成および触媒性状を表2に示す。
【0061】
[触媒活性評価試験]
各発明例、比較例の触媒について、ACE-MAT(Advanced Cracking Evaluation Micro Activity Test)を用いて触媒の性能評価試験を行った。ただし、これらの性能評価試験を行う前に、前記のようにして得られた触媒を予め雰囲気温度600℃にて2時間焼成した。その後、所定量のニッケルオクチル酸塩およびバナジウムオクチル酸塩を焼成した触媒粒子に沈着させた。次いで、雰囲気温度110℃で乾燥し、雰囲気温度600℃で1.5時間焼成した後、種々の水蒸気雰囲気下で熱処理を施し、触媒の擬平衡化処理を行った。前処理条件を表3に示す。条件No.S1を標準とし、ニッケルおよびバナジウムを沈着させた条件No.S2およびスチーミング焼成温度を高温とした条件No.S3を用いた。
【0062】
活性評価試験における運転条件は以下の通りである。
原料油:原油の脱硫常圧残渣油(DSAR)+脱硫減圧軽油(DSVGO)(50+50)
触媒/通油量の質量比(C/O):5.00
反応温度:520℃
1)転化率=100-(LCO+HCO)
2)ガソリンの沸点範囲:30~216℃
3)LCOの沸点範囲:216~343℃(LCO:Light Cycle Oil)
4)HCOの沸点範囲:343℃+(HCO:Heavy Cycle Oil)
【0063】
触媒へのニッケルおよびバナジウムに対する耐メタル性試験結果を表4に示す。いずれの実施例も比較例よりもメタル処理後の転化率やガソリン収率が高く、転化率の保持率が高いため、耐メタル性に優れた触媒であると評価できる。
【0064】
触媒への耐水熱性試験結果を表5に示す。いずれの発明例もスチーミング焼成温度を上げても比較例よりも転化率が高く保持されており、耐水熱性に優れた触媒であると評価できる。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】