(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089158
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】支持ユニット、基板処理装置、そして基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220608BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 N
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170009
(22)【出願日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0167767
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519362963
【氏名又は名称】ピーエスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シム,ホ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ヒョン シン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA14
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD01
5F004BD04
5F004CA05
5F004DA00
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004EA33
5F131AA02
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA32
5F131EA03
5F131EB72
5F131EB81
(57)【要約】
【課題】本発明は、プラズマを利用して基板を処理する装置が有する支持ユニットを提供する。
【解決手段】このために支持ユニットは、基板の下面を支持するチャック、上部から眺める時前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートと、及び前記ムービングプレートを前記チャックに対して相対的に上または下の方向に移動させ、前記チャックに支持された前記基板の縁領域の処理空間に対する露出面積を変更する昇降部材と、を含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
処理空間を有するチャンバと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、及び
前記処理空間に電界を発生させ、前記処理空間に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させる電源ユニットを含み、
前記支持ユニットは、
前記基板の下面を支持するチャックと、
上部から眺める時前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートと、及び
前記ムービングプレートを前記チャックに対して相対的に上または下の方向に移動させ、前記チャックに支持された前記基板の縁領域の前記処理空間に対する露出面積を変更する昇降部材と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
上部から眺める時、前記チャックの直径は、
前記チャックに置かれる前記基板の直径より小さなことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ムービングプレートは、
上部から眺める時、リング形状を有して、
内側上面の高さが外側上面の高さより低いように段差になった形状を有することを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記支持ユニットに置かれた前記基板の縁領域は、
上部から眺める時、前記ムービングプレートの内側上面とお互いに重畳されることを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記チャックの側面には、
前記ムービングプレートに提供されるガイド部材に挿入されて前記ムービングプレートの上下方向移動をガイドするガイド部が形成されることを特徴とする請求項1乃至4のうちでいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、
形状有する一対のガイドコンポネントの背中部分がお互いに向い合う形状を有することを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記装置は、
制御機をさらに含み、
前記制御機は、
前記支持ユニットに支持された前記基板の縁領域の下面に対する処理効率を高めようとする場合、前記ムービングプレートを下の方向に移動させるように前記昇降部材を制御することを特徴とする請求項1乃至4のうちでいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記昇降部材は、
前記チャックを上下方向に移動させる第1昇降部材と、及び
前記ムービングプレートを上下方向に移動させる第2昇降部材をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御機は、
前記基板が前記チャックに置かれた以後、前記チャック及び前記ムービングプレートを上の方向に移動させて前記基板と前記チャックの上部に配置されるバッフル間の間隔を狭めて、
前記基板の縁領域の下面に前記プラズマが流入されて前記基板の縁領域の下面、そして前記基板の側面に付着された膜質を除去するために前記ムービングプレートを下の方向に移動させるように前記第1昇降部材、そして第2昇降部材を制御することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
プラズマを利用して基板を処理する装置が有する支持ユニットにおいて、
基板の下面を支持するチャック、
上部から眺める時前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートと、及び
前記ムービングプレートを前記チャックに対して相対的に上または下の方向に移動させ、前記チャックに支持された前記基板の縁領域の処理空間に対する露出面積を変更する昇降部材を含むことを特徴とする支持ユニット。
【請求項11】
上部から眺める時、前記チャックの直径は、
前記チャックに置かれる前記基板の直径より小さなことを特徴とする請求項10に記載の支持ユニット。
【請求項12】
前記ムービングプレートは、
上部から眺める時、リング形状を有して、
前記チャックに置かれる前記基板のスライディングを防止できるようにその内側上面の高さが外側上面の高さより低いように段差になった形状を有することを特徴とする請求項11に記載の支持ユニット。
【請求項13】
前記内側上面は、
上部から眺める時、前記基板の縁領域とお互いに重畳されるように提供されることを特徴とする請求項12に記載の支持ユニット。
【請求項14】
前記チャックの側面には、
前記ムービングプレートに提供されるガイド部材に挿入されて前記ムービングプレートの上下方向移動をガイドするガイド部が形成されることを特徴とする請求項10乃至13のうちでいずれか一つに記載の支持ユニット。
【請求項15】
前記ガイド部材は、
形状を有する一対のガイドコンポネントの背中部分がお互いに向い合う形状を有することを特徴とする請求項14に記載の支持ユニット。
【請求項16】
処理空間でチャックで基板の下面を支持し、前記処理空間に電界を発生させて前記処理空間に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させて前記基板を処理するが、
前記プラズマで前記基板を処理する途中に前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートを上下方向に移動させて前記基板の縁領域下面と前記ムービングプレート上面との間の間隔を調節することを特徴とする基板処理方法。
【請求項17】
前記プラズマで前記基板の上面に提供される膜質をとり除いた以後、前記ムービングプレートを下の方向に移動させて前記基板の下面と前記ムービングプレートの上面との間をお互いに離隔させて前記プラズマで前記基板の縁下面に付着された膜質を除去することを特徴とする請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記ムービングプレートの上面は内側上面及び外側上面を有して、
前記内側上面の高さは前記外側上面の高さより低く提供され、
前記間隔は前記基板の下面と前記ムービングプレートの内側上面の間の間隔であることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
上部から眺める時前記内側上面は、前記基板の縁領域とお互いに重畳されるように提供されることを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記基板の上面に提供される膜質は、ハードマスクであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを利用して基板を処理する基板処理装置及び基板処理方法、そして前記基板処理装置に使用される支持ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンやラジカル、そして電子などでなされたイオン化されたガス状態を言って、非常に高い温度や、強い電界あるいは、高周波電子系(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程はプラズマを利用してウェハーなどの基板上の膜質を除去するアッシング、蝕刻、またはハードマスクを除去するストリップ工程を含む。アッシング、蝕刻、またはストリップ工程はプラズマに含有されたイオン及びラジカル粒子らが基板上の膜質と衝突または反応することで遂行される。
【0003】
最近、半導体集積度が高くなることによって一つの基板(例えば、ウェハー)から製造されることができるチップ(Chip)の数が増加している。これに、一つの基板から製造されることができるチップの数を最大限ふやすことができるように基板のエッジ部分を効果的に処理することができるエッジ処理工程が関心を受けている。一つの基板から製造されることができるチップの数をふやすためには基板のエッジ部分に対する精密な処理が要求される。
【0004】
しかし、化学的気相蒸着法(CVD、Chemical Vapor Deposition)のような蒸着工程を進行時、基板の後面エッジ部分は反応性ガスに露出されて薄膜が形成される問題点がある。このような薄膜は後続工程で問題になって上述したチップ生産時に問題を発生させる。
【0005】
例えば、
図1ではプラズマを利用して基板を処理する装置に提供される一般的なサセプタ1000の姿を見せてくれる。プラズマを利用して基板を処理する装置に提供される一般的なサセプタ1000は支持板1100、支持軸1200、そしてリフトピン1300を含む。支持板1100は基板(W)が置かれる安着面を有して、支持軸1200は支持板1100を支持する。また、リフトピン1300は基板(W)を上、そして下の方向に移動させ、基板(W)を支持板1100にローディングまたはアンローディングさせる。
【0006】
支持板1100の上面は、その中央領域の高さが縁領域の高さより低いように段差になった形状を有する。これに、支持板1100に置かれる基板(W)が側方向にスライディングされることを防止することができる。
【0007】
このようなサセプタ1000に置かれた基板(W)の後面は、ハードウェア的に外部に露出されないため、基板(W)の下面にプラズマが流入されることがほとんど不可能である。すなわち、サセプタ1000に置かれた基板(W)は上面だけプラズマに露出されるため、基板(W)の下面に付着された薄膜を除去することができない。また、基板(W)の下面にプラズマが流入されることができるように、リフトピン1300が基板(W)を持ち上げる方案を考慮することができるが、物理的に支持板1100の位置が限定されているため工程制御に限界がある。また、基板(W)の後面エッジに付着された薄膜を除去するために基板(W)の後面エッジに付着された薄膜を除去する工程を遂行する別途の基板処理装置に基板(W)が返送される方案を考慮することができるが、このような基板(W)処理方式は、基板(W)返送に追加的な時間が必要となって基板(W)処理の生産性を落とす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2001-0052640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、基板を効率的に処理することができる支持ユニット及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0010】
また、本発明は基板の縁領域に付着された膜質を効果的に除去することができる支持ユニット及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0011】
また、本発明は基板の縁領域の下面に付着された膜質を効果的に除去することができる支持ユニット及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0012】
また、本発明は一つの基板処理装置で基板の上面、そして基板の縁領域の下面に付着された膜質すべてを除去可能にさせる支持ユニット及び基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0013】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題らに限定されるものではなく、言及されない課題らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、処理空間を有するチャンバと、前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、及び前記処理空間に電界を発生させ、前記処理空間に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させる電源ユニットを含み、前記支持ユニットは、前記基板の下面を支持するチャック、上部から眺める時前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートと、及び前記ムービングプレートを前記チャックに対して相対的に上または下の方向に移動させ、前記チャックに支持された前記基板の縁領域の前記処理空間に対する露出面積を変更する昇降部材を含むことができる。
【0015】
一実施例によれば、上部から眺める時、前記チャックの直径は、前記チャックに置かれる前記基板の直径より小さいことができる。
【0016】
一実施例によれば、前記ムービングプレートは、上部から眺める時、リング形状を有して、内側上面の高さが外側上面の高さより低いように段差になった形状を有することができる。
【0017】
一実施例によれば、前記支持ユニットに置かれた前記基板の縁領域は、上部から眺める時、前記ムービングプレートの内側上面とお互いに重畳されることができる。
【0018】
一実施例によれば、前記チャックの側面には、前記ムービングプレートに提供されるガイド部材に挿入されて前記ムービングプレートの上下方向移動をガイドするガイド部が形成されることができる。
【0019】
一実施例によれば、前記ガイド部材は、
形状を有する一対のガイドコンポネントの背中部分がお互いに向い合う形状を有することができる。
【0020】
一実施例によれば、前記装置は、制御機をさらに含み、前記制御機は、前記支持ユニットに支持された前記基板の縁領域の下面に対する処理効率を高めようとする場合、前記ムービングプレートを下の方向に移動させるように前記昇降部材を制御することができる。
【0021】
一実施例によれば、前記昇降部材は、前記チャックを上下方向に移動させる第1昇降部材と、及び前記ムービングプレートを上下方向に移動させる第2昇降部材をさらに含むことができる。
【0022】
一実施例によれば、前記制御機は、前記基板が前記チャックに置かれた以後、前記チャック及び前記ムービングプレートを上の方向に移動させて前記基板と前記チャックの上部に配置されるバッフルとの間の間隔を狭めて、前記基板の縁領域の下面に前記プラズマが流入されて前記基板の縁領域の下面、そして前記基板の側面に付着された膜質を除去するために前記ムービングプレートを下の方向に移動させるように前記第1昇降部材、そして第2昇降部材を制御することができる。
【0023】
また、本発明はプラズマを利用して基板を処理する装置が有する支持ユニットを提供する。支持ユニットは、基板の下面を支持するチャック、上部から眺める時前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートと、及び前記ムービングプレートを前記チャックに対して相対的に上または下の方向に移動させ、前記チャックに支持された前記基板の縁領域の処理空間に対する露出面積を変更する昇降部材を含むことができる。
【0024】
一実施例によれば、上部から眺める時、前記チャックの直径は、前記チャックに置かれる前記基板の直径より小さいことがある。
【0025】
一実施例によれば、前記ムービングプレートは、上部から眺める時、リング形状を有して、前記チャックに置かれる前記基板のスライディングを防止できるようにその内側上面の高さが外側上面の高さより低いように段差になった形状を有することができる。
【0026】
一実施例によれば、前記内側上面は、上部から眺める時、前記基板の縁領域とお互いに重畳されるように提供されることができる。
【0027】
一実施例によれば、前記チャックの側面には、前記ムービングプレートに提供されるガイド部材に挿入されて前記ムービングプレートの上下方向移動をガイドするガイド部が形成されることができる。
【0028】
一実施例によれば、前記ガイド部材は、
形状有する一対のガイドコンポネントの背中部分がお互いに向い合う形状を有することができる。
【0029】
また、本発明は基板を処理する方法を提供する。一実施例によれば、基板を処理する方法は、処理空間でチャックで基板の下面を支持し、前記処理空間に電界を発生させて前記処理空間に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させて前記基板を処理するが、前記プラズマで前記基板を処理する途中に前記チャックを取り囲むように提供されるムービングプレートを上下方向に移動させて前記基板の縁領域下面と前記ムービングプレート上面との間の間隔を調節する。
【0030】
一実施例によれば、前記プラズマで前記基板の上面に提供される膜質をとり除いた以後、前記ムービングプレートを下の方向に移動させ、前記基板の下面と前記ムービングプレートとの上面の間をお互いに離隔させて前記プラズマで前記基板の縁下面に付着した膜質を除去することができる。
【0031】
一実施例によれば、前記ムービングプレートの上面は内側上面及び外側上面を有して、前記内側上面の高さは前記外側上面の高さより低く提供され、前記間隔は前記基板の下面と前記ムービングプレートの内側上面との間の間隔であることができる。
【0032】
一実施例によれば、上部で眺める時前記内側上面は前記基板の縁領域とお互いに重畳されるように提供されることができる。
【0033】
一例によれば、前記基板の上面に提供される膜質はハードマスクであることがある。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0035】
また、本発明の一実施例によれば、基板の縁領域に付着された膜質を効果的に除去することができる。
【0036】
また、本発明の一実施例によれば、基板の縁領域の下面に付着された膜質を効果的に除去することができる。
【0037】
また、本発明の一実施例によれば、一つの基板処理装置で基板の上面、そして基板の縁領域の下面に付着された膜質すべてを除去可能にさせる。
【0038】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなく、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】プラズマを利用して基板を処理する装置に提供される一般的なサセプタの姿を見せてくれる図面である。
【
図2】本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【
図4】
図2の支持ユニットを上部から眺めた図面である。
【
図5】
図2の支持ユニットに基板が安着される姿を見せてくれる図面である。
【
図6】
図2の支持ユニットに支持された基板の上面をプラズマを利用して処理する姿を見せてくれる図面である。
【
図7】
図2の支持ユニットに支持された基板の縁領域の下面をプラズマを利用して処理する姿を見せてくれる図面である。
【
図8】本発明の他の実施例による支持ユニットを見せてくれる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例に限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合には、その詳細な説明を略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面全体にわたって同一な符号を使用する。
【0041】
ある構成要素を‘含む'ということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に、“含む”または“有する”などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのもであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないことで理解されなければならない。
【0042】
単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0043】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素らを説明することに使われることができるが、前記構成要素らは前記用語らによって限定されてはいけない。前記用語らは一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似に第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0044】
ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。反面に、ある構成要素が異なる構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解されなければならないであろう。構成要素らとの関係を説明する他の表現ら、すなわち“~間に”と“ちょうど~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じく解釈されなければならない。
【0045】
異なるように定義されない限り、技術的であるか、または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって一般的に理解されることと同一な意味である。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味であるものとして解釈されなければならないし、本出願で明白に定義しない限り、理想的であるか、または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0046】
以下では、
図2乃至
図8を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
【0047】
まず、本発明の一実施例による基板処理装置10が処理する基板(W)は、シリコンウェハーであることができる。また、本発明の一実施例による基板処理装置10が処理する基板(W)にはハードマスク(Hardmask)が形成されてあり得る。例えば、基板処理装置10は基板(W)上に形成されたハードマスクを除去する、ハードマスクストリップ工程を遂行することができる。また、基板処理装置10に搬入される基板(W)は、CVDなどのような蒸着工程が遂行された基板(W)であることがある。
【0048】
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
図2を参照すれば、本発明の一実施例による基板処理装置10はチャンバ100、支持ユニット200、バッフル300、流体供給ユニット400、ガス供給ユニット500、排気ユニット600、電源ユニット700、そして制御機800を含むことができる。
【0049】
チャンバ100は処理空間102を有することができる。チャンバ100は接地されることができる。チャンバ100が有する処理空間102は基板(W)上に形成されたハードマスクを除去する薄膜除去工程が遂行される空間であることができる。チャンバ100の一側には基板(W)が処理空間102に搬入または基板(W)が処理空間102から搬出される搬入口(図示せず)が形成されることができる。搬入口はドア(図示せず)によって選択的に開閉されることができる。また、チャンバ100の底面には後述する排気ユニット600と連結される排気ホール104が形成されることができる。
【0050】
また、チャンバ100には冷却部材110が提供されることができる。冷却部材110はチャンバ100の温度を調節することができる。冷却部材110は処理空間102の温度を調節することができる。冷却部材110は冷却流体を供給する冷却流体供給源と連結された流路であることができる。冷却部材110に供給される冷却流体は、冷却水であるか、または冷却ガスであることができる。しかし、これに限定されるものではなく、冷却部材110はチャンバ100に冷熱を伝達することができる公知された記載で多様に変形されることができる。
【0051】
支持ユニット200は処理空間102から基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は基板(W)上に形成されたハードマスクがプラズマ(P)によって除去される間に基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は支持された基板(W)の温度を調節することができる。例えば、支持ユニット200は支持された基板(W)を加熱してプラズマ(P)による処理効率(例えば、ストリップレート)をより高めることができる。また、支持ユニット200は基板(W)を上下方向に移動させることができる。例えば、支持ユニット200は基板(W)を上の方向または下の方向に移動させ、基板(W)の上面と後述するバッフル300との間の間隔を調節することができる。また、支持ユニット200は接地されることができる。支持ユニット200の詳細な説明は後述する。
【0052】
バッフル300は処理空間102に工程ガス及び/または処理流体を供給することができる。バッフル300は内部空間302を有する桶形状で提供されることができる。また、バッフル300の下面には工程ガス及び/または処理流体が流れる噴射ホール304が形成されることができる。バッフル300の上部には後述する流体供給ライン440、そしてガス供給ライン530が連結される注入ポートが形成されることができる。流体供給ライン440が供給する処理流体、そしてガス供給ライン530が供給する工程ガスは注入ポートを通じて内部空間302に流入されることができる。内部空間302に流入された工程ガス及び/または処理流体は噴射ホール304を通じて処理空間102に流入されることができる。また、バッフル300の下面は縁領域の下面が中央領域の下面より低い段差になった形状を有することができる。これに、バッフル300はチャンバ100の上部に形成された開口に挿入されて設置されることができる。また、バッフル300は接地されることができる。
【0053】
流体供給ユニット400は処理空間102に処理流体を供給することができる。流体供給ユニット400が供給する処理流体は水(H2O)またはアルコールなどを含むことができる。アルコールはメタノール(MeOH、第1アルコールの一例)、またはエタノール(EtOH、第2アルコールの一例)であることがある。また、流体供給ユニット400は処理流体供給源410、気化器(Vaporizer)420、流量調節部材430、そして流体供給ライン440を含むことができる。
【0054】
処理流体供給源410は気化器420に水(H2O)を含む処理流体を気化器420に伝達することができる。また、処理流体供給源410は液状の処理流体を気化器420に伝達することができる。気化器420では伝達を受けた処理流体を高温で加熱するなどの方式で処理流体を気化された状態で変化させることができる。気化器420で気化された状態に変化された高温の処理流体は、バッフル300と連結される流体供給ライン440を通じてバッフル300に伝達することができる。また、バッフル300に伝達された処理流体は、噴射ホール304を通じて処理空間102に注入されることができる。また、流量調節部材430はバッフル300に伝達される処理流体の単位時間当り供給流量を変更することができる。流量調節部材430はレギュレーター(Regulator)であるか、または流量調節バルブであることがある。しかし、これに限定されるものではなく、流量調節部材430は処理流体の単位時間当り供給流量を変更することができる公知された装置で多様に変形されることができる。
【0055】
ガス供給ユニット500は処理空間102に工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット500が処理空間102に供給する工程ガスは、N2、Ar、H2、O2、O*のうちで少なくとも一つ以上を含むことができる。
【0056】
ガス供給ユニット500はガス供給源510、流量制御部材520、そしてガス供給ライン530を含むことができる。
【0057】
ガス供給源510はガス供給ライン530を通じてバッフル300に工程ガスを供給することができる。バッフル300に供給された工程ガスは、噴射ホール304を通じて処理空間102に供給されることができる。ガス供給源510は第1ガス供給源511、第2ガス供給源512、そして第3ガス供給源513を含むことができる。第1ガス供給源511は窒素(N2)ガスを供給することができる。第2ガス供給源512はアルゴン(Ar)ガスを供給することができる。第3ガス供給源513は水素(H2)ガスを供給することができる。また、ガス供給源510が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量は流量制御部材520によって調節されることができる。例えば、流量制御部材520は第1流量制御部材521、第2流量制御部材522、そして第3流量制御部材523を含むことができる。また、第1ガス供給源511が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量はガス供給ライン530に設置される第1流量制御部材521によって調節されることができる。また、第2ガス供給源512が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量はガス供給ライン530に設置される第2流量制御部材522によって調節されることができる。また、第3ガス供給源513が供給する工程ガスの単位時間当り供給流量はガス供給ライン530に設置される第3流量制御部材523によって調節されることができる。流量制御部材520はレギュレーターであるか、または流量調節バルブであることができる。しかし、これに限定されるものではなく、流量制御部材520は工程ガスの単位時間当り供給流量を調節する公知された装置で多様に変形されることができる。
【0058】
排気ユニット600は処理空間102を排気することができる。排気ユニット600は基板(W)が処理される前、基板(W)が処理された後、基板(W)が処理される間のうちに少なくとも一つ以上の時期に処理空間102を排気することができる。排気ユニット600は処理空間102を排気して、処理空間102に供給された工程ガス、処理流体、基板(W)を処理する過程で発生されることができる副産物(または不純物)を処理空間102の外部に排出することができる。排気ユニット600は排気ホール104と連結される排気ライン602、そして、排気ライン602に減圧を提供する排気部材604を含むことができる。排気部材604はポンプであることができる。しかし、これに限定されるものではなく、排気部材604は処理空間102に減圧を提供して処理空間102を排気する公知された装置で多様に変形されることができる。
【0059】
電源ユニット700は処理空間102に電界を発生させることができる。電源ユニット700は処理空間102に電界を発生させ、処理空間102に供給される工程ガスまたは処理流体からプラズマを発生させることができる。電源ユニット700は高周波電源702、そして、整合器704を含むことができる。高周波電源702はRF電源であることがある。整合器704は高周波電源702に対する整合を遂行することができる。
【0060】
制御機800は基板処理装置10を制御することができる。制御機800は基板処理装置10が基板(W)上の薄膜を除去する薄膜除去工程(例えば、ハードマスクストリップ工程)を遂行できるように基板処理装置10を制御することができる。また、制御機800は基板処理装置10の制御を行うマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置10を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で行うための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち処理レシピが記憶された記憶部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセスコントローラーに接続されてあり得る。処理レシピは記憶部のうちで記憶媒体に記憶されてあり得て、記憶媒体は、ハードディスクでもなって、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることがある。
【0061】
図3は、
図2の支持ユニットの断面図であり、
図4は
図2の支持ユニットを上部から眺めた図面である。
図3、そして
図4を参照すれば、本発明の一実施例による支持ユニット200はチャック210、加熱部材220、リフトピン230、ムービングプレート240、ガイド部材250、昇降プレート260、そして昇降部材270を含むことができる。
【0062】
チャック210の上部には基板(W)が置かれることができる。例えば、チャック210は基板(W)が置かれる安着面を有することができる。チャック210は基板(W)の下面を支持することができる。チャック210は支持プレート212、そして昇降シャフト214を含むことができる。支持プレート212は基板(W)の下面を支持することができる。昇降シャフト214は支持プレート212の下に配置され、支持プレート212を上下方向に移動させることができる。例えば、昇降シャフト214は後述する第1昇降部材271が発生させる駆動力によって上下方向に移動されることができる。昇降シャフト214が上下方向に移動されれば、支持プレート212で上下方向に移動されることができる。また、支持プレート212は接地されることができる。例えば、支持プレート212内には電極が提供され、支持プレート212内に提供される電極は昇降シャフト内に提供される接地ロードと連結されることができる。
【0063】
また、上部から眺める時、チャック210の直径はチャック210に置かれる基板(W)の直径より小さいことがある。例えば、支持プレート212の直径は支持プレート212に置かれる基板(W)の直径より小さいことがある。これに、支持プレート212に基板(W)が置かれれば、基板(W)の縁領域は支持プレート212の外側に突き出されることがある。
【0064】
また、チャック210はメタル、またはセラミックスを含む素材で提供されることができる。例えば、チャック210の支持プレート212はメタル、またはセラミックスを含む素材で提供されることができる。
【0065】
また、チャック210の側面には後述するガイド部材250に挿入され、後述するムービングプレート240の上下方向移動をガイドするガイド部213が形成されることができる。ガイド部213は後述するガイド部材250と対応する形状を有することができる。例えば、ガイド部213は後述するガイドコンポネント251、252らが挿入される溝部、そしてガイドコンポネント251、252らの間空間に挿入される突き出呼ぶ含むことができる。
【0066】
チャック210には加熱部材220が提供されることができる。例えば、加熱部材220はチャック210の支持プレート212内に提供されることができる。加熱部材220は支持ユニット200に支持される基板(W)を加熱することができる。例えば、加熱部材220は支持ユニット200に支持される基板(W)に冷熱または温熱を伝達して基板(W)の温度を調節することができる。また、加熱部材220は加熱部材220に電力を印加する加熱電源(図示せず)と連結されることができる。また、加熱部材220はヒーターであることがある。しかし、これに限定されるものではなく、加熱部材220は基板(W)の温度を調節することができる公知された装置で多様に変形されることができる。
【0067】
リフトピン230は基板(W)を上下方向に移動させることができる。リフトピン230は少なくとも一つ以上が提供されることができる。例えば、リフトピン230は複数個で提供されることができる。リフトピン230は支持プレート212に形成されたリフトピンホールに沿って上下方向に移動されることができる。リフトピン230は上下方向に移動され、基板(W)を支持プレート212にローディング(Loading)させるか、または基板(W)を支持プレート212からアンローディング(Unloading)させることができる。
【0068】
ムービングプレート240は上部から眺める時、チャック210を取り囲むように提供されることができる。ムービングプレート240は後述する第2昇降部材272によって上下方向に移動できる。ムービングプレート240はリング形状を有することができる。ムービングプレート240の上面は、内側上面240a、そして外側上面240bを含むことができる。内側上面240aの高さは外側上面240bの高さより低いことがある。すなわち、ムービングプレート240の上面は段差になった形状を有することができる。これに、ムービングプレート240は基板(W)が支持プレート212に置かれれば、基板(W)が側方向にスライディングされることを防止するスライディングバリアー(Sliding Barrier)として役割を遂行することができる。また、支持ユニット200に置かれた基板(W)の縁領域は、上部から眺める時、ムービングプレート240の内側上面240aとお互いに重畳されることができる。
【0069】
また、ムービングプレート240は上述したチャック210、例えば支持プレート212と同一または類似な素材で提供されることができる。例えば、ムービングプレート240はメタル、またはセラミックスを含む素材で提供されることができる。また、ムービングプレート240は上述したチャック210、例えば支持プレート212と相異な素材で提供されることもできる。例えば、支持プレート212がメタルを含む素材で提供される場合、ムービングプレート240はセラミックスを含む素材で提供されることができる。また、支持プレート212がセラミックスを含む素材で提供される場合、ムービングプレート240はメタルを含む素材で提供されることができる。
【0070】
ガイド部材250はムービングプレート240が上下方向に移動される場合、ムービングプレート240の上下方向移動をガイドすることができる。例えば、ガイド部材250は上述した支持プレート212のガイド部213に挿入されてムービングプレート240の上下方向移動をガイドすることができる。ガイド部材250は上部から眺める時、ムービングプレート240の内側面に提供されることができる。例えば、ガイド部材250は支持プレート212の側面に対応するムービングプレート240の内側面に提供されることができる。ガイド部材250は少なくとも一つ以上がムービングプレート240に提供されることができる。例えば、ガイド部材250は複数個がムービングプレート240に提供されることができる。例えば、ガイド部材250は2個がムービングプレート240に提供されることができる。複数個のガイド部材250が提供される場合、ムービングプレート240の上下方向運動を除いた、残り運動に対する自由度を拘束してムービングプレート240の上下方向運動を適切にガイドすることができる。
【0071】
ガイド部材250は一対のガイドコンポネント251、252らで構成されることができる。例えば、第1ガイドコンポネント251、そして第2ガイドコンポネント252はそれぞれ
形状を有することができる。そして、第1ガイドコンポネント251、そして第2ガイドコンポネント252はその背中部分がお互いに向い合うことができる。第1ガイドコンポネント251、そして第2ガイドコンポネント252はお互いに離隔されることができる。第1ガイドコンポネント251と第2ガイドコンポネント252との間空間には上述したガイド部213の突き出部が挿入されることができるし、第1ガイドコンポネント251と第2ガイドコンポネント252は上述したガイド部213の溝部に挿入されることができる。
【0072】
昇降プレート260はムービングプレート250を上下方向に移動させることができる。昇降プレート260は後述する第2昇降部材272によって上下方向に移動されることができる。昇降プレート260はムービングプレート240の下面に結合されることができる。これに、第2昇降部材272が昇降プレート260を上下方向に移動させれば、ムービングプレート250は上下方向に移動されることができる。昇降プレート260は上部が開放された桶形状を有することができる。また、上部から眺める時、昇降プレート260の中心領域には昇降シャフト214が挿入されることができる開口が形成されることができる。昇降プレート260はムービングプレート240を移動させる第2昇降部材272が一つだけ提供されても、ムービングプレート240にたわみ現象または傾き現象などが発生されることを最小化できる。
【0073】
昇降部材270はムービングプレート240をチャック210に対して相対的に上または下の方向に移動させることができる。昇降部材270はムービングプレート240を移動させ、チャック210に支持された基板(W)の縁領域の処理空間102に対する露出面積を変更することができる。また、昇降部材270はムービングプレート240をチャック210に対して相対的に移動させ、基板(W)の縁領域下部にプラズマ(P)が流入されることができる流入空間の体積を変更することができる。
【0074】
昇降部材270は第1昇降部材271、そして第2昇降部材272を含むことができる。第1昇降部材271はチャック210の昇降シャフト214と連結され、チャック210、例えば、支持プレート212を上下方向に移動させることができる。また、第2昇降部材272は昇降プレート260と連結され、ムービングプレート240を上下方向に移動させることができる。昇降部材270はモータ、そしてモータに結合される移動軸を含むことができるし、昇降部材270が含むモータは処理空間102の外部に配置されることができる。
【0075】
以下では、本発明の一実施例による基板処理方法に対して詳しく説明する。本発明の一実施例による基板処理方法を基板処理装置10が遂行できるように、制御機800は基板処理装置10が有する構成らを制御することができる。例えば、制御機800は基板処理装置10が後述する基板処理方法を遂行できるように、基板処理装置10が有する第1昇降部材271、第2昇降部材272、ガス供給ユニット500、流体供給ユニット400、電源ユニット700、そして排気ユニット600のうちで少なくとも何れか一つを制御することができる。
【0076】
まず、処理空間102に基板(W)が搬入されれば、支持ユニット200のリフトピン230らは上の方向に移動されて処理空間102に搬入された基板(W)の下面を支持することができる。リフトピン230らに基板(W)が置かれれば、リフトピン230は下の方向に移動され、基板(W)を支持プレート212の上面に安着させることができる(
図5参照)。
【0077】
以後、制御機800は第1昇降部材271、そして第2昇降部材272を制御してチャック210、そしてムービングプレート240をすべて上の方向に移動させることができる。これに、支持ユニット200に置かれた基板(W)の上面とバッフル300の下面間の間隔(G)は細くなることがある(
図6参照)。以後、処理空間102にはガス供給ユニット500、または流体供給ユニット400が工程ガスまたは処理流体を供給することができる。工程ガスまたは処理流体は電源ユニット700が発生させる電界によってプラズマ(P)状態で励起されることができる。これに、基板(W)の上面に提供される膜質(例えば、基板(W)の上部に形成されるハードマスク)は、プラズマ(P)によって除去されることができる。
【0078】
基板(W)の上面に提供される膜質が除去された以後、第2昇降部材272はムービングプレート240を下の方向に移動させることができる(
図7参照)。ムービングプレート240が下の方向に移動されれば、基板(W)の下面とムービングプレート240の内側上面240aはお互いに離隔されることができる。これに、基板(W)の下面とムービングプレート240との間空間にプラズマ(P)が流入されることができる。基板(W)の下面でプラズマ(P)が流入されれば、基板(W)の縁領域の下面、そして基板(W)の側面に付着された膜質はプラズマ(P)と応じて除去されることができる。
【0079】
この時、チャック210ではないムービングプレート240が下の方向に移動されれば、基板(W)はチャック210に支持された状態で基板(W)の縁領域の下面が処理空間102に露出される。すなわち、基板(W)の高さはそのまま維持される。言い換えれば、基板(W)とバッフル300との間の間隔はそのまま維持される。基板(W)の縁領域の下面を処理空間102に露出させるためにチャック210を上の方向に移動させれば、基板(W)とバッフル300との間の間隔が変更されながら、基板(W)上の膜質除去効率に影響を及ぼすまた他の因子が変更されるものであるが、本発明の一実施例による基板処理方法はムービングプレート240を下の方向に移動させながら、基板(W)上の膜質除去効率に影響を及ぼすまた他の因子が変更されることを最小化できる。しかし、これに限定されるものではなく、チャック210が上の方向に移動されて基板(W)の縁領域の下面を処理空間102に露出させることも可能である。
【0080】
一般な基板処理装置ではハードウェア的にサセプタ1000に置かれた基板(W)の下面でプラズマ(P)の流入がほとんど不可能であり、基板(W)の縁領域の下面に付着された膜質を除去することがとても難しかった。基板(W)の下面に付着された膜質を除去するためにリフトピン1300を利用して基板(W)を支持板1100から離隔させ、基板(W)の下面にプラズマ(P)を流入させる方案を考慮することができるが、この場合プラズマ(P)が基板(W)上の膜質をとり除きながら発生される工程副産物が基板(W)の下面、そして支持板1100の上面に再付着される恐れがある。また、基板(W)と支持板1100との間の間隔は、リフトピン1300のピンアップ高さで限定されて基板(W)の下面に付着された膜質除去を制御するのに限界がある。
【0081】
しかし、本発明の一実施例によれば、ムービングプレート240を上下方向に移動させ、基板(W)の縁領域の下面のみを処理空間102に露出させることで、基板(W)の縁領域下面に付着された膜質を効果的に除去することがある。また、プラズマ(P)によって基板(W)が処理されながら発生される工程副産物が基板(W)の下面、または支持プレート212の上面に再付着される問題も解消することができる。
【0082】
また、本発明では、支持プレート212とムービングプレート240すべてが上下方向に移動されることができる。これに、基板(W)の下面とムービングプレート240の上面との間の間隔は支持プレート212の移動範囲のみならず、ムービングプレート240の移動範囲によって決まることができる。すなわち、基板(W)の縁領域下面と、ムービングプレート240上面間の間隔はより広い範囲で制御されることができるし、基板(W)の下面とムービングプレート240上面間の間隔を適切に調節して基板(W)の縁領域の下面に付着された膜質を高選択比で除去することができる。
【0083】
前述した例では、ムービングプレート240が昇降プレート260を媒介で第2昇降部材272によって上下方向に移動されることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ムービングプレート240は上述した第2昇降部材272と概して同一/類似な構造を有する第3昇降部材273と直接的に連結されて第3昇降部材273によって上下方向に移動されることができる。また、第3昇降部材273は複数個で提供されることができる。
【0084】
前述した例では、昇降部材270がモーターを含むことを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、昇降部材270はチャック210またはムービングプレート240を上下方向に移動させることができる公知された装置(例えば、空圧/油圧シリンダーなど)で多様に変形されることができる。
【0085】
前述した例では、加熱部材220が支持プレート212に提供されることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、加熱部材220はムービングプレート240に提供されることもできる。また、加熱部材220はムービングプレート240、そして支持プレート212に提供されることもできる。
【0086】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。前述した実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0087】
1000 サセプタ
1100 支持板
1200 支持軸
1300 リフトピン
W 基板
100 チャンバ
102 処理空間
200 支持ユニット
210 チャック
212 支持プレート
213 ガイド部
214 昇降シャフト
220 加熱部材
230 リフトピン
240 ムービングプレート
250 ガイド部材
251 第1ガイドコンポネント
252 第2ガイドコンポネント
260 昇降プレート
270 昇降部材
271 第1昇降部材
272 第2昇降部材
252 第2ガイドコンポネント
300 バッフル
400 流体供給ユニット
500 ガス供給ユニット
600 排気ユニット
700 電源ユニット
800 制御機