(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089181
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】電気機械のロータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/22 20060101AFI20220608BHJP
H02K 1/276 20220101ALI20220608BHJP
【FI】
H02K1/22 A
H02K1/276
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021196062
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】10 2020 215 316.7
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】521219051
【氏名又は名称】ヴァレオ、シーメンス、イーオートモーティブ、ジャーマニー、ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VALEO SIEMENS EAUTOMOTIVE GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ボリス、ドッツ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、フィンガー-アルベルト
【テーマコード(参考)】
5H601
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA22
5H601CC05
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD21
5H601DD47
5H601EE18
5H601FF02
5H601FF04
5H601FF05
5H601FF17
5H601GA02
5H601GA13
5H601GA24
5H601GA32
5H601GA39
5H601GC12
5H601JJ10
5H622AA02
5H622CA02
5H622CA07
5H622CA10
5H622CB04
5H622CB05
5H622PP10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気機械の動作中のトルク変動を低減し、他方では、単純なデータ転送およびロータ若しくはロータ積層コアの単純な製造が可能になるロータを提供する。
【解決手段】複数のセクタに分割されたロータ積層コア6を含む電気機械用のロータが説明されている。各セクタには、セクタを2つの半セクタに区画する対称面Cに対してV字形状に対称に位置付けられた2つの永久磁石を有する永久磁石アセンブリが配置されている。ロータ積層コア6の外輪郭Eは、対称面Cに対して対称に各セクタ内で延び、1つの半セクタにおいて、同じ数の異なる中心点を有する少なくとも3つの異なる半径によって形成されている。本発明はまた、このようなロータを有する電気機械、およびこのような電気機械を有する車両に関している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械(1)用のロータ(3)であって、複数のセクタ(B)に分割されたロータ積層コア(6)を備え、各セクタには、前記ロータ(3)の回転軸(A)から見て、前記セクタ(B)を2つの半セクタ(D、D’)に区画する対称面(C)に対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第1永久磁石(13a、13b)を含む永久磁石アセンブリが配置され、前記ロータ積層コア(6)の外輪郭(E)が前記対称面(C)に対して対称に各セクタ(B)内で延び、前記ロータ積層コア(6)の前記外輪郭(E)は、前記半セクタ(D、D’)のうちの1つの半セクタ(D、D’)において、同じ数の異なる中心点を有する少なくとも3つの異なる半径によって形成されている、
ロータ(3)。
【請求項2】
前記ロータ積層コア(2)の前記外輪郭(E)は、前記半セクタ(D、D’)のうちの1つの半セクタ(D、D’)において、3つの異なる中心点を有するまさに3つの異なる半径によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ(3)。
【請求項3】
前記半径は、前記対称面(C)を起点に、反時計回りに第1の半径から第3の半径まで連続して配置されており、
-前記第1の半径は、基準長さの71.5%であり、
-前記第2の半径は、前記基準長さの50%であり、
-前記第3の半径は、前記基準長の74.4%である、
ことを特徴とする請求項2に記載のロータ(3)。
【請求項4】
前記半径の中心点を、反時計回りに0°である前記対称面(C)を起点とした極座標で規定し、前記極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、前記半径を、前記基準長さに対する割合で規定した場合、
-前記第1の半径は、5.73%/-12.17°の前記中心点を有し、
-前記第2の半径は、29.10%/11.70°の前記中心点を有し、
-前記第3の半径は、4.25%/30.00°の前記中心点を有している、
ことを特徴とする請求項3に記載のロータ(3)。
【請求項5】
前記ロータ積層コア(6)の前記外輪郭は、前記半セクタ(D、D’)のうちの1つの半セクタ(D、D’)において、4つの異なる中心点を有するまさに4つの異なる半径によって、形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ(3)。
【請求項6】
前記半径は、前記対称面(C)を起点に、反時計回りに第1の半径から第4の半径まで連続して配置されており、
-前記第1の半径は、基準長さの71.5%であり、
-前記第2の半径は、前記基準長さの100%であり、
-前記第3の半径は、前記基準長の50%であり、
-前記第4の半径は、前記基準長の74.4%である、
ことを特徴とする請求項5に記載のロータ(3)。
【請求項7】
前記半径の中心点を、反時計回りに0°である前記対称面(C)を起点とした極座標で規定し、前記極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、前記半径を、前記基準長さに対する割合で規定した場合、
-前記第1の半径は、7.70%/0.00°の前記中心点を有し、
-前記第2の半径は、21.05%/193.18°の前記中心点を有し、
-前記第3の半径は、29.10%/11.70°の前記中心点を有し、
-前記第4の半径は、4.25%/29.58°の前記中心点を有している、
ことを特徴とする請求項6に記載のロータ(3)。
【請求項8】
前記永久磁石アセンブリは、前記ロータ(3)の前記回転軸(A)から見て、前記セクタ(B)を2つの半セクタ(D、D’)に区画する前記対称面(C)に対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第2永久磁石(14a、14b)を更に含む、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のロータ(3)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のロータ(3)によって特徴付けられた、ステータ(5)を備えた電気機械(1)であって、前記ロータ(3)が、前記ロータ(3)の前記回転軸(A)を中心に前記ステータ(5)に対して回転可能になるように取り付けられている、電気機械(1)。
【請求項10】
少なくとも2つの車軸を備え、そのうちの少なくとも1つが駆動される車両(17)であって、前記駆動動作が、請求項9に記載の前記電気機械(1)によって少なくとも部分的または一時的に行われる、
ことを特徴とする車両(17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械用のロータに関するものであり、このロータは、複数のセクタに分割されたロータ積層コアを含み、各セクタには、ロータの回転軸から見て、セクタを2つの半セクタに区画する対称面に対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第1永久磁石を含む永久磁石アセンブリが配置されている。ロータの積層コアの外輪郭は、対称面に対して対称に各セクタ内で延びている。更に、このようなロータを備えた電気機械、および、このような電気機械を備えた車両について説明する。
【背景技術】
【0002】
ロータに設けられた永久磁石の配置により、電気機械の運転中に望ましくないトルク変動が発生する。これは、ロータとステータとの間のエアギャップを周方向で変化させることによって低減することができる。ここで不利なことは、このようにして作られた外輪郭は、数学計算の結果であり、比較的複雑な形状をしていることである。この複雑さは、一方ではデータ転送に関する問題を発生させ、他方ではロータの製造に関する問題を発生させる。特に、さまざまなソフトウェアプラットフォーム間の互換性の問題や、開発部門と製造ラインの間のデータ転送に関する誤解は、製造エラーの原因となり得る。また、全ての機械が、コンピュータで制御された機械であっても、複雑な形状を製造することができるわけではない。結局のところ、不足していることは、ロータ若しくはロータ積層コアの外輪郭を単純に記述することであり、これにより、一方では、電気機械の運転中のトルク変動を低減し、他方では、単純なデータの転送およびロータ若しくはロータ積層コアの単純な製造が可能になる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、電気機械のための改良されたロータ、改良された電気機械、およびそのような電気機械を備えた改良された車両を提供することである。特に、ロータ若しくはロータ積層コアの外輪郭の単純な記述が規定され、これにより、一方では、電気機械の動作中のトルク変動を低減し、他方では、単純なデータ転送およびロータ若しくはロータ積層コアの単純な製造が可能になる。
【0004】
本発明の目的は、電気機械用のロータであって、複数のセクタに分割されたロータ積層コアを備え、各セクタには、ロータの回転軸から見て、セクタを2つの半セクタに区画する対称面に対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第1永久磁石を含む永久磁石アセンブリが配置され、ロータ積層コアの外輪郭は、対称面に対して対称に各セクタ内で延び、ロータ積層コアの外輪郭は、半セクタのうちの1つの半セクタにおいて、同じ数の異なる中心点を有する少なくとも3つの異なる半径によって形成されているロータによって達成される。
【0005】
本発明の目的は、ステータと、ロータの回転軸を中心にステータに対して回転可能になるように取り付けられた上記タイプのロータとを備えた電気機械によっても達成される。
【0006】
最後に、この目的は、少なくとも2つの車軸を備え、そのうちの少なくとも1つが駆動される車両であって、当該駆動動作が、上記電気機械によって少なくとも部分的または一時的に行われる車両によっても達成される。
【0007】
提案された手段により、最初に挙げた欠点を克服することができる。特に、ロータ若しくはロータ積層コアの外輪郭の単純な記述が規定され、これにより、一方では、電気機械の動作中のトルク変動を低減し、他方では、単純なデータ転送およびロータ若しくはロータ積層コアの単純な製造を可能にする。外輪郭は、ここでは、異なる中心点を有する少なくとも3つの半径によって記述される。データ転送に関する技術的な問題や誤解は、言及する外輪郭の複雑でない記述によって回避され、したがって、製造エラーのリスクを排除するか、少なくとも大幅に低減することができる。更に、最も単純な機械の数値制御でも、半径に基づいた輪郭を作成することができる。
【0008】
本発明の有利な変形例では、ロータ積層コアの外輪郭が、半セクタのうちの1つの半セクタにおいて、3つの異なる中心点を有するまさに3つの異なる半径によって形成されている。ロータ若しくはロータ積層コアの外輪郭は、特に少ない半径で規定されている。
【0009】
ここで特に有利には、半径は、対称面を起点に、半時計回りに第1の半径から第3の半径まで連続して配置されており、
-第1の半径は、基準長さの71.5%であり、
-第2の半径は、基準長さの50%であり、
-第3の半径は、基準長の74.4%である。
【0010】
更に特に有利な実施形態では、半径の中心点を、反時計回りに0°である対称面を起点とした極座標で規定し、極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、半径を、基準長さに対する割合で規定した場合、
-第1の半径は、5.73%/-12.17°の中心点を有し、
-第2の半径は、29.10%/11.70°の中心点を有し、
-第3の半径は、4.25%/30.00°の中心点を有している。
【0011】
本発明の更に有利な変形例では、ロータ積層コアの外輪郭は、半セクタのうちの1つの半セクタにおいて、4つの異なる中心点を有するまさに4つの異なる半径によって形成されている。このようにして、電気機械の運転中のトルク変動を、ロータ若しくはロータ積層コアの外輪郭の記述を過度に複雑にすることなく、更に良好に低減することができる。
【0012】
ここで特に有利には、半径は、対称面を起点に、反時計回りに第1の半径から第4の半径まで連続して配置されており、
-第1の半径は、基準長さの71.5%であり、
-第2の半径は、基準長さの100%であり、
-第3の半径は、基準長の50%であり、
-第4の半径は、基準長の74.4%である。
【0013】
更に特に有利な実施形態では、半径の中心点を、反時計回りに0°である対称面を起点とした極座標で規定し、極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、半径を、基準長さに対する割合で規定した場合、
-第1の半径は、7.70%/0.00°の中心点を有し、
-第2の半径は、21.05%/193.18°の中心点を有し、
-第3の半径は、29.10%/11.70°の中心点を有し、
-第4の半径は、4.25%/29.58°の中心点を有している。
【0014】
いずれの場合においても、基準長さは、ロータの所望のサイズに応じて任意に選択することができる。例えば、基準長さとして100mmを選択した場合、第1の半径の絶対値は、例えば71.5mmとなる、などである。
【0015】
また、永久磁石アセンブリが、ロータの回転軸から見て、セクタを2つの半セクタに区画する対称面に対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第2の永久磁石を更に含んでいると有利である。これにより、電気機械の運転中のトルク変動を更に低減することができる。
【0016】
この際、保護の範囲は規定された数値に厳密に限定されるものではなく、特に基準長さの±5%の点、または規定された角度の±5°の許容範囲は、一般的に保護の範囲に含まれるとみなされることに留意すべきである。例えば、第1の半径が公称で基準長さの71.5%であり、その中心点が7.70%/0.00°にある場合、特に半径については基準長さの66.5%から76.5%の範囲、特に中心点の中心距離については基準長さの2.7%から12.7%の範囲、特に角度については-5°から+5°の範囲が保護範囲に含まれる。
【0017】
以上のような本発明の改良・発展は、任意に組み合わせることができる。
【0018】
本発明の例示的な実施形態は、添付の概略図に例示的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、例示的な電気機械の模式的な半断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したロータの半セクタの第1実施形態の詳細図である。
【
図4】
図4は、第2の実施形態における、
図1に示したロータの半セクタの詳細図である。
【
図5】
図5は、本発明による回転体を備えた電気機械を搭載した車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
はじめに、異なる実施形態における同一の部品は、同一の参照符号または同一の部品呼称で提供され、場合によっては異なる指標で提供されることを述べておく。この説明に含まれる部品の開示は、それに応じて、同じ参照符号または同じ部品呼称を持つ別の部品に移すこともある。また、例えば「上」、「下」、「後」、「前」、「横」など、説明の中で選択された位置データは、直接説明されて図示された図に関するものであり、位置が変更された場合には、それに応じて新しい位置に移されるべきものである。
【0021】
図1は、電気機械1を模式的に示す半断面図である。電気機械1は、その上に着座したロータ3を有するシャフト2を備えており、シャフト2は、回転軸Aを中心にステータ5に対して相対的に回転可能になるように、(ローラー)ベアリング4a、4bによって取り付けられている。この例では、ロータ3は、ロータ積層コア6を形成する複数のロータ積層体(詳細には図示せず)を有している。また、本例のステータ5は、複数のステータ積層体(ここでは詳細に図示せず)を有し、これによりステータ積層コア7が形成されるとともに、ステータ積層コア7に配置されたステータ巻線8が形成されている。具体的には、第1軸受4aは、前端板9に着座しており、第2軸受4bは、後端板10に着座している。更に、電気機械1は、前端板9と後端板10とを連結し、ステータ5を受容する(中間の)ハウジング部11を備えている。この例では、前端板9、後端板10およびハウジング部11は、電気機械1のハウジング12を形成している。
【0022】
図2は、電気機械1のロータ3を正面から見た図である。この例では、ロータ3は、互いに隣接して配置された合計6つのセクタBに分割することができる。各セクタBには、(回転軸Aから見て)対称面Cに対してV字形状に対称に位置付けられた2つの第1永久磁石13a、13bを有する永久磁石アセンブリが配置されている。対称面Cは、ロータ1の軸方向および半径方向に延び、セクタBを2つの半セクタD、D’に区画している。この場合、永久磁石13aは半セクタDに、永久磁石13bは半セクタD’に位置する。各セクタBは、ロータ3の極を形成する。ロータ3またはロータ積層コア6は、円形形状から逸脱した外輪郭Eを有しており、この外輪郭Eは、各セクタBにおいて、対称面Cに対して対称に延びており、すべてのセクタBにおいて同じである。
【0023】
更に、永久磁石アセンブリ10は、(回転軸Aから見て)セクタBの対称面Cに対してV字形状に対称に配置されたオプションである2つの第2永久磁石14a、14bを含むことができ、永久磁石14aは半セクタDに配置され、永久磁石14bは半セクタD’に配置されている。第2の永久磁石14a、14bの半径方向最内周点は、第1の永久磁石13a、13bの半径方向最内周点よりも半径方向外側に位置している。
【0024】
セクタBや極の数は単なる例示に過ぎない。言い換えれば、ここで開示されている技術的教示は、セクタBまたは極の数が6から外れている場合にも無制限に適用可能である。
【0025】
更に、ロータ3は、ロータシャフト2のために、回転軸Aに沿って軸方向に延びる貫通孔15と、ロータ積層体を整列させるため、および/またはロータ3のバランスをとるために機能する孔16とを有している。
【0026】
次に、
図3は、本発明の第1の実施形態の半セクタDの詳細な説明図である。ロータ3またはロータ積層コア6の外輪郭Eは、この例では、半セクタDにおいて、3つの異なる中心点を有するまさに3つの異なる半径によって形成されている。
【0027】
半径は、対称面Cを起点に、反時計回りに第1の半径から第3の半径まで連続して配置されていることが好ましく、
-第1の半径は基準長さの71.5%であり、
-第2の半径は基準長さの50%であり、
-第3の半径は、基準長の74.4%である。
【0028】
述べられた半径の中心点は、好ましくは、以下のように配置されている。反時計回りに0°である対称面Cを起点とした極座標で規定し、極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、半径を、基準長さに対する割合で規定した場合、
-第1の半径は、5.73%/-12.17°の中心点を有し、
-第2の半径は、29.10%/11.70°の中心点を有し、
-第3の半径は、4.25%/30.00°の中心点を有している。
【0029】
図3では、極座標の代わりに直交座標が規定されており、極座標系と直交座標系のゼロ点は、それぞれロータ3の回転軸Aに位置している。
【0030】
基準長さは、ロータ3の所望の大きさに応じて、任意に選択することができる。例えば、基準長さとして100mmを選択した場合、第1の半径の絶対値は71.5mmとなる、などである。
【0031】
次に、
図4は、本発明の第2の実施形態の半セクタDの詳細な説明図である。ロータ3またはロータ積層コア6の外輪郭Eは、この例では、4つの異なる中心点を有するまさに4つの異なる半径によって半セクタDに形成されている。
【0032】
半径は、対称面Cを起点に、反時計回りに第1半径から第4半径まで連続して配置されていることが好ましく、
-第1の半径は基準長さの71.5%であり、
-第2の半径は基準長さの100%であり、
-第3の半径は基準長の50%であり、
-第4の半径は、基準長の74.4%である。
【0033】
述べられた半径の中心点は、好ましくは、以下のように配置される。反時計回りに再び0°である対称面を起点とした極座標で規定し、極座標を、「半径/角度」の形式で規定し、半径を、基準長さに対する割合で規定した場合、
-第1の半径は、7.70%/0.00°の中心点を有し、
-第2の半径は、21.05%/193.18°の中心点を有し、
-第3の半径は、29.10%/11.70°の中心点を有し、
-第4の半径は、4.25%/29.58°の中心点を有している。
【0034】
図4では、極座標の代わりに直交座標が規定されており、極座標系と直交座標系のゼロ点は、それぞれロータ3の回転軸Aに位置している。
【0035】
基準長さは、ロータ3の所望のサイズに応じて、再び任意に選択することができる。基準長さとして100mmを選択した場合、第1の半径の絶対値は71.5mmとなる、などである。
【0036】
提案された対策により、ロータ3とステータ5との間のエアギャップの幅は、電気機械1の動作中のトルク変動が平準化されるように変化する。したがって、電気機械1はよりスムーズに動作する。提案された対策は、有利なことに、単純な仕様に基づいており、外輪郭のために複雑な数式を規定する必要はない。そのため、データ転送が簡素化され、ロータ3を容易に製造することができる。
【0037】
図5は、最終的に、車両17に搭載される電気機械1を示している。車両17は、少なくとも2つの車軸を有し、そのうちの少なくとも1つが駆動される。具体的には、電気モータ1は、オプションであるギアボックス18に接続されている。後車軸の半軸19は、ギアボックス18に隣接している。最後に、従動輪20がハーフシャフト19に取り付けられている。車両17の駆動動作は、電気機械1によって少なくとも部分的または一時的に行われる。つまり、電気機械1は、車両17を排他的に駆動する機能を有していてもよいし、例えば、内燃機関と組み合わせて提供されてもよい(ハイブリッド駆動)。
【0038】
最後に、保護の範囲は特許請求項によって決定されることが確立されている。しかしながら、明細書と図面は特許請求の範囲を解釈するために使用されるべきである。図に含まれる特徴は、任意の方法で互いに交換したり組み合わせたりすることができる。特に、図示されている装置は、実際には、図示されているよりも多くのまたは他のより少ない構成部品で構成されていてもよいことにも留意されたい。場合によっては、図示された装置またはその構成部品は、縮尺通りに図示されていないこともあり、サイズが大きくなったり小さくなったりすることもある。
【外国語明細書】