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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089185
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】内視鏡および加熱デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20220608BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220608BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A61B1/12 532
A61B1/00 R
A61B1/00 550
G02B23/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196313
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】10 2020 132 120.1
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591228476
【氏名又は名称】オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100207136
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 有希
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ヴィータース
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン ユングバウアー
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン パブスト
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040DA02
2H040DA03
2H040DA17
4C161AA24
4C161AA26
4C161BB01
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF35
4C161FF40
4C161HH51
(57)【要約】
【課題】内視鏡における温度センサとシャフトチューブとの間のより良い熱伝導を達成すること。
【解決手段】細長いシャフト(102)を有する内視鏡であって、その近位端にウィンドウ(116)が挿入された少なくとも第1のシャフトチューブ(111)を備え、該内視鏡が、電気加熱デバイス(50)をさらに含み、該電気加熱デバイスが、該第1のシャフトチューブ(111)でウィンドウ(116)の近傍に配置され、ここで、該加熱デバイス(50)が、コンダクタループとして設計された抵抗発熱素子(52,152)と温度センサ(55,155)とが配置されている可撓性プリント回路基板(51,151)を備える。この内視鏡は、温度センサ(55,155)に熱伝導様式で接続された熱伝導構造(61’,62’,63’,161)が該プリント回路基板(51,151)に付加的に適用されることを特徴とする。さらに加熱デバイスを示す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いシャフト(102)を有する内視鏡であって、その近位端にウィンドウ(116)が挿入された少なくとも第1のシャフトチューブ(111)を備え、該内視鏡が、電気加熱デバイス(50)をさらに含み、該電気加熱デバイスが、該第1のシャフトチューブ(111)でウィンドウ(116)の近傍に配置され、ここで、該加熱デバイス(50)が、コンダクタループとして設計された抵抗発熱素子(52,152)と温度センサ(55,155)とが配置されている可撓性プリント回路基板(51,151)を備え、該温度センサ(55,155)に熱伝導様式で接続された熱伝導構造(61’,62’,63’,161)が該プリント回路基板(51,151)に付加的に適用されることを特徴とする、内視鏡。
【請求項2】
前記熱伝導構造(61’,62’,63’,161)が、前記第1シャフトチューブ(111)の方向に面した前記温度センサ(55,155)の表面よりも大きい、好ましくは少なくとも10倍大きい、特に好ましくは少なくとも100倍大きい、該第1のシャフトチューブ(111)の方向に面した表面を有することを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記熱伝導構造(61’,62’,63’,161)が、前記プリント回路基板(51,151)上の大面積コンダクタトラックを含むことを特徴とする、請求項2に記載の内視鏡は、
【請求項4】
前記熱伝導構造(61’,62’,63’,161)が、前記温度センサ(55,155)のコンダクタトラックの一部であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項5】
前記熱伝導構造(61,62’,63’,161)と前記プリント回路基板(51,151)上の前記発熱素子(52,152)との間に、0.1mm~3mmの距離、好ましくは0.2mmから2mmの間の距離、特に好ましくは0.5mm程度の距離が設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項6】
前記内視鏡が、前記第1のシャフトチューブ(111)内に配置された少なくとも第2のシャフトチューブ(120)を備え、そして該第1のシャフトチューブ(111)と該第2のシャフトチューブ(120)との間に前記加熱デバイスが配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかの請求項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記加熱デバイスが配置されている領域における前記第2のシャフトチューブ(120)の表面が、前記第1のシャフトチューブ(111)の材料よりも熱伝導率が低い材料からなることを特徴とする、請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記加熱デバイス(50)と前記第2のシャフトチューブ(120)の表面との間にエアギャップが設けられていることを特徴とする、請求項6または7に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記温度センサ(55,155)が、前記第2のシャフトチューブ(120)に面した側で熱絶縁されていることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項10】
前記第2のシャフトチューブ(120)が、前記温度センサ(155)が配置された領域において平坦部を有することを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの1つに記載の内視鏡の加熱デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長いシャフトを有する内視鏡に関し、その近位端にウィンドウが挿入された第1のシャフトチューブを少なくとも備え、内視鏡は電気加熱デバイスをさらに備え、この加熱デバイスは、第1のシャフトチューブのウィンドウの近傍に配置され、加熱デバイスは、コンダクタループとして設計された抵抗発熱素子および温度センサが配置されている可撓性プリント回路基板を備える。さらに、本発明は、対応する加熱デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、アクセスが困難なヒトまたは動物患者の体内空洞を検査または治療するために医療界で長い間使用されてきた。この目的のために、内視鏡は一般に、その近位端に付着した本体を有する細長いシャフトを有し、そこに内視鏡を保持することができる。シャフトの遠位端には、通常、対物レンズが配置され、その画像は光学または電子画像ガイドを介して近位端に伝達され、表示および/または評価に適した手段によってそこに利用可能にされる。シャフトの遠位端は、通常、汚れや液体の侵入を防ぐためにウィンドウによって密閉されている。
【0003】
内視鏡のシャフトは、可撓性または剛性であり得る。剛性シャフトは、いくつかのシャフトチューブから組み立てられ、1つが他の内側に配置される。それらは、主に泌尿器科、婦人科および腹腔鏡検査で使用されている。
【0004】
腹腔鏡検査では、内視鏡は人工的なアクセスを通じて患者の腹腔に挿入され、ガスで膨張される。特に処置の開始時に、内視鏡が患者の腹腔内のガスよりはるかに低い温度を有する場合、内視鏡のウィンドウ上に水分の凝縮が起こり得る。これは、時に、手順を中断してウィンドウをきれいにしなければならないような程度に、主治医の視界を妨げ得る。
【0005】
このような凝縮を避けるために、ウィンドウ用の加熱デバイスを含む内視鏡は、先般来知られてきた。加熱デバイスによって、内視鏡のウィンドウは患者の腹腔に挿入される前であっても高温に加熱され、凝縮のリスクが著しく低下する。
【0006】
しかし、対応する内視鏡については、加熱デバイスの制御に対する非常に高い要求がある。これは、一方では、結露を避けるために十分な温度に達する必要があり、他方では、医療機器の表面温度に関する規制限界を遵守する必要があるためである。したがって、シャフトのウィンドウと隣接するセクションの温度は、いくつかの場合では、数ケルビン、例えば37℃と40℃との間の温度範囲内で維持されなければならない。
【0007】
この目的のため、加熱デバイスは通常、その温度を測定し、それに応じて加熱デバイスを制御するために、第1のシャフトチューブの近くに配置されている温度センサを備える。対応する内視鏡は、例えば特許文献1から公知である。
【0008】
信頼性の高い温度制御の必須前提条件は、温度センサとシャフトチューブとの間の良好な熱接触である。しかし、設置スペースが限られており、電気絶縁が必要なため、これは難しいことが分かる。
【0009】
特許文献1では、温度センサは、定義された輪郭を持つポッティングボディに埋め込み、ポッティングボディの片面がシャフトチューブに接している。これにより、良好に再現可能な熱接触が得られるが、この解決はまだ最適ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】DE 10 2019 104 489 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、問題のタイプの内視鏡における温度センサとシャフトチューブとの間のより良い熱伝導を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明に従って達成され、これは所定の内視鏡による。この内視鏡は、細長いシャフトを有し、その近位端にウィンドウが挿入された第1のシャフトチューブを少なくとも備え、そして内視鏡は電気加熱デバイスをさらに備え、この加熱デバイスは、第1のシャフトチューブのウィンドウの近傍に配置され、加熱デバイスは、コンダクタループとして設計された抵抗発熱素子および温度センサが配置されている可撓性プリント回路を備えており、温度センサに熱伝導様式で接続された熱伝導構造がプリント回路基板に付加的に適用されることを特徴とする。
【0013】
本発明による熱伝導構造は、温度センサと第1シャフトチューブとの間の熱接触を大幅に改善する。同時に、熱接触の質は、可撓性プリント回路基板の正確な向きに依存しないため、アセンブリの不正確さの影響を受けにくい。
【0014】
この熱伝導構造は、第1のシャフトチューブの方向に面した面を有していてもよいが、第1のシャフトチューブの方向に面した温度センサの表面よりも大きい、好ましくは少なくとも10倍大きく、特に好ましくは、少なくとも100倍大きい。これにより、熱接点の高品質が達成される。この場合、熱伝導構造は、プリント回路基板上に大面積コンダクタトラックを備え得る。
【0015】
本発明による内視鏡の好ましい実施形態では、熱伝導構造は、温度センサ用のコンダクタトラックの一部であり得る。このように、良好な熱伝導は、温度センサと熱伝導構造との間の電気的接触を介して同時に確保される。
【0016】
本発明による内視鏡のさらなる実施形態では、プリント回路基板上の熱伝導構造と発熱素子との間に、0.1mmと3mmとの間の距離、好ましくは0.2mmと2mmとの間の距離、特に好ましくは約0.5mmの距離が提供され得る。この手段によって、温度センサが発熱素子自体の温度を測定する「熱短絡」を避けることができる。
【0017】
本発明の特定の実施形態において、内視鏡は、第1のシャフトチューブ内に配置された少なくとも第2のシャフトチューブを備え得、かつ加熱デバイスは、第1のシャフトチューブと第2のシャフトチューブとの間に配置され得る。第2のシャフトチューブは、光学系および/またはビデオカメラが配置されたチューブであり得る。
【0018】
同時に、加熱デバイスが配置された領域における第2のシャフトチューブの表面は、第1のシャフトチューブの材料よりも熱伝導率の値が低い材料から構成され得る。この手段もまた、加熱素子と温度センサとの間の「熱短絡」のリスクを低減させる。この場合、第2のシャフトチューブは、関連領域において熱伝導率の低い材料から作製され得、および/またはこの材料で被覆され得る。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはセラミックスが材料として用いられ得る。同様に、加熱デバイスと第2のシャフトチューブの表面との間にエアギャップを設けてもよい。
【0019】
本発明による内視鏡のさらなる実施形態では、温度センサは、第2のシャフトチューブに面した側で熱絶縁され得る。これは、測定された温度への第2のシャフトシューブの温度の影響を減らすか、または完全に除去する。熱絶縁は、非熱伝導性材料(例えばエポキシ樹脂)による被膜として実施され得る。
【0020】
第2のシャフトチューブは、温度センサが配置された領域において平坦部(flattening)を有し得る。これにより、可撓性プリント回路基板と第1のシャフトチューブおよび第2のシャフトチューブとの特に良好かつ円滑な接触が可能になる。温度センサは、平坦部中に受容される。同時に、このことにより、温度センサが曲げ負荷を受ける(最悪の場合はセンサの破損につながり得る)ことが防がれる。
【0021】
この目的は、上記の実施形態に記載の内視鏡の加熱デバイスによってさらに達成される。それによって達成可能な利点および効果に関して、上記述べられているものに対して明示的な言及がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の内視鏡を示す図である。
図2】先行技術の内視鏡の遠位端を示す図である。
図3】本発明の加熱デバイスを示す図である。
図4】本発明の別の内視鏡の遠位端を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、いくつかの例示的な実施形態によって以下に詳細に説明される。この点に関して、図示された実施形態は、単にそれを制限することなく、発明のより良い理解を提供するのに役立つ。
【0024】
図1は、細長いシャフト2と本体3を有する内視鏡1を示す。対物レンズ4は、シャフト2の遠位端に配置される。対物レンズからの画像は、電子画像コンバータ(図示せず)によって電気ビデオ信号に変換され、本体3に送信される。本体3から、ビデオ信号は、電子前処理後に必要に応じてケーブル5を介して出力される。
【0025】
制御スイッチ6は、本体の遠位領域に設けられており、内視鏡1または接続されたデバイスの機能を制御するために使用することができる。動作スイッチ6からの信号もケーブル5を介して送られる。
【0026】
シャフト2の遠位端を図2に示す。シャフトは、外部シャフトチューブ10および内部シャフトチューブ11を備えている。光ファイバー12は、外部シャフトチューブ10と内部シャフトチューブ11との間に敷設され、これは内視鏡1の視野を照らしてそれを発光するシャフト2の遠位端に光を導くものである。
【0027】
対物レンズ4は、複数の光学素子からなるものであり、電子画像コンバータ15は、内部シャフトチューブ11内に配置されている。対物レンズ4および画像コンバータ15を汚れや湿気から保護するため、内部シャフトチューブ11はウィンドウ16によって密閉されている。
【0028】
加熱ホイル20は、内部シャフトチューブ11の周囲に配置され、それによって内部シャフトチューブ11の遠位端とウィンドウ16とを加熱することができる。ウィンドウ16の近くに、温度センサ21が加熱ホイル20上に設けられ、これは温度センサを損傷から保護するポッティング本体22に囲まれている。
【0029】
外部シャフトチューブ10と内部シャフトチューブ11との間の空間は、ポッティング化合物25によって遠位方向に遮断されている。
【0030】
内部シャフトチューブ11と温度センサ21との間の熱伝達は、ポッティング化合物22と、内部シャフトチューブ11を有するその小さな接触面とによって制限される。
【0031】
図3は、改善された加熱デバイス50を示す。加熱デバイス50は、コンダクタループ52が配置された可撓性プリント回路基板51を備える。わかりやすくするために、コンダクタループ52の正確な構造は示されていない。コンダクタループ52は、供給ライン53を介して電力を供給される。
【0032】
加熱デバイス50は、温度センサ55をさらに備える。図示した例では、温度センサ55は、ブリッジ回路内に2つのサーミスタ56,57を含み、損傷および短絡に対する保護のためにポッティング本体58に封入されている。ポッティング本体58の寸法的に正確な製造のために、プラスチックフレーム59に成形される。
【0033】
温度センサ50は、コンダクタトラック61,62,63を介して評価回路(図示せず)に接続されている。温度センサ50の近傍では、コンダクタトラック61,62,63が特に大きな面積の上に形成され、それらが熱伝導構造61’,62’,63’を形成する。これらの熱伝導構造61’,62’,63’は、熱伝導方式で個々のサーミスタ56,57に電気的接続(図示せず)を介して接続されている。
【0034】
熱伝導構造61’,62’,63’の表面積は、サーミスタ56,57の表面積よりも何倍も大きい。図3では、サーミスタ56,57および熱伝導構造61’,62’,63’は実寸大で示されていない。例えば、熱伝導構造61’,62’,63’の表面積は、サーミスタ56,57の表面積よりも少なくとも10倍大きいものであり得、そして熱伝導構造61’,62’,63’の表面積は、サーミスタ56,57の表面積よりも少なくとも100倍大きくてもよい。
【0035】
コンダクタループ52と熱伝導構造61’,62’,63’との間に距離65が設けられ、これにより、コンダクタループ52と熱伝導構造61’,62’,63’との間の直接熱短絡を防止する。加熱デバイス50の寸法に応じて、距離65は少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mmであり、特に好ましくは少なくとも3mmであり得る。
【0036】
コンダクタループ52、コンダクタトラック53,61,62,63および熱伝導構造61’,62’,63’は、好ましくは良好な電気伝導性および熱伝導性を有する材料からなされる。好ましくは、製造を簡素化するために、すべての要素に同じ材料が使用される。適切な材料は、例えば、銅および/または銀である。
【0037】
図4は、別の内視鏡のシャフト102の遠位端を示す。シャフト102は、外部シャフトチューブ110と中間シャフトチューブ111とを備え、その間に光ファイバー112が配置されている。中間シャフトチューブ111の遠位端は、ウィンドウ116によって密閉されている。
【0038】
さらに、内部シャフトチューブ120は、中間シャフトチューブ111内に配置され、その中に内視鏡の光学および/または光電子部品(これらは図示せず)が配置されている。内部シャフトチューブは、内視鏡のR単位であってもよい。
【0039】
中間シャフトチューブ111と内部シャフトチューブ120との間に加熱デバイスが配置されており、これは本質的に図3の加熱デバイス50に対応する。この加熱デバイスは、可撓性プリント回路基板151を備え、その上に抵抗発熱素子として作用するコンダクタループ152が適用される。
【0040】
加熱デバイスを制御するために、それは、ポッティング本体158内に封入された2つのサーミスタ156,157を有する温度センサ155をさらに備える。
【0041】
サーミスタ156,157と中間シャフトチューブ111との間の熱接触は、主にサーミスタ156,157のためのコンダクタトラックの一部である大きな表面積を有するコンダクタトラック161を介して確立される。図3と同様に、サーミスタ156,157に対するさらなるコンダクタトラックは、大きな表面積で設計され、したがって熱接触の改善に寄与する。
【0042】
温度センサの熱接触が主にコンダクタトラック161を介して確立されるという事実のために、サーミスタを有するポッティング本体158は、プリント回路基板151の反対側、すなわち内側に配置されてもよい。これにより、中間シャフトチューブ111の内側にコンダクタループ152とコンダクタトラック161とを有するプリント回路基板151の大面積接触が容易になる。短絡を防止するために、プリント回路基板151上に配置された導電構造152,161には、絶縁層(図示せず)が設けられている。同時に、この絶縁層は、それぞれの構造物152,161と中間シャフトチューブ111との間の熱伝導を妨げないようにできるだけ薄く作られている。
【0043】
内部シャフトチューブ120は、コンダクタループ152と温度センサ155との間の直接熱伝導を避けるために、その外側が断熱層170で覆われている。絶縁層170は、プラスチック層、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはセラミック層から作製されたものであってもよい。絶縁層170は、加熱デバイスの領域内のみ、またはより長い断面または全長にわたって内部シャフトチューブ120を囲み得る。さらに、あるいは代替的に、回路基板151と内部シャフトチューブ120との間に絶縁空気層を設けてもよい。
【0044】
このようにして、コンダクタループ152から内部シャフトチューブ120を介して温度センサ155までの寄生熱伝導路の熱抵抗が、コンダクタループ152から中間シャフトチューブ111を介して温度センサまでの熱伝導路の熱抵抗よりも著しく大きいことが確実となる。これにより、ウィンドウ116付近の中間シャフトチューブ111の温度は、寄生熱伝導路を通る熱流によって歪められた測定を行わずに、温度センサ155により正確に測定することができる。
【0045】
その遠位端部では、内部シャフトチューブ120および/または絶縁層170は、温度センサ155が挿入される凹みまたは平坦部171を有する。この場合、ポッティング本体158は、内部シャフトチューブ120からサーミスタ156,157の追加の断熱材として機能する。
【0046】
内視鏡を装着するために、可撓性プリント回路基板151は、内部シャフトチューブ120の遠位端に単に巻き付けられて、適切な手段でそこに固定され得る。これは、例えば、内部シャフトチューブ120と回路基板151をコンダクタループ152と温度センサの領域外にスライドさせて、次いでチューブを収縮させることによって行われ得る。内部シャフトチューブ120は、次いで、可撓性プリント回路基板とともに中間シャフトチューブ111にスライドされる。
図1
図2
図3
図4