(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089205
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20220609BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201389
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】518309460
【氏名又は名称】株式会社Kort Valuta
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】所属組織が変わっても構成員が入出金取引を産業上有利に行うことができる管理装置、管理方法及び管理システムを提供する。
【解決手段】第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理方法であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶し、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段と、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段とを少なくとも有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶している請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段が、前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している請求項1~3のいずれかに記載の管理装置。
【請求項5】
前記記憶手段が、前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶している請求項1~4のいずれかに記載の管理装置。
【請求項6】
前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段をさらに有する請求項1~5のいずれかに記載の管理装置。
【請求項7】
前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去する手段をさらに有する請求項1~6のいずれかに記載の管理装置。
【請求項8】
前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である請求項1~7のいずれかに記載の管理装置。
【請求項9】
前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である請求項1~8のいずれかに記載の管理装置。
【請求項10】
前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行する手段をさらに有する請求項1~9のいずれかに記載の管理装置。
【請求項11】
第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理方法であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶ステップと、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付すステップとを含むことを特徴とする管理方法。
【請求項12】
前記記憶ステップが、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶する請求項11記載の管理方法。
【請求項13】
前記記憶ステップが、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶する請求項11又は12に記載の管理方法。
【請求項14】
前記記憶ステップが、前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶する請求項11~13のいずれかに記載の管理方法。
【請求項15】
前記記憶ステップが、前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶する請求項11~14のいずれかに記載の管理方法。
【請求項16】
前記記憶ステップが、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶し、さらに、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去するステップを含む請求項11~15のいずれかに記載の管理方法。
【請求項17】
前記記憶ステップが、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去するステップを含む請求項11~16のいずれかに記載の管理方法。
【請求項18】
前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である請求項11~17のいずれかに記載の管理方法。
【請求項19】
前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である請求項11~18のいずれかに記載の管理方法。
【請求項20】
前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行するステップをさらに含む請求項11~19のいずれかに記載の管理方法。
【請求項21】
第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置と、前記第1の所属組織の第1の管理サーバーと、前記第2の所属組織の第2の管理サーバーとがそれぞれ通信回線を介して通信可能に接続されている管理システムであって、前記管理装置が、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段と、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段とを少なくとも有することを特徴とする管理システム。
【請求項22】
前記記憶手段が、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している請求項21記載の管理システム。
【請求項23】
前記記憶手段が、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶している請求項21又は22に記載の管理システム。
【請求項24】
前記記憶手段が、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している請求項21~23のいずれかに記載の管理システム。
【請求項25】
前記記憶手段が、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶している請求項21~24のいずれかに記載の管理システム。
【請求項26】
前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も前記第1の管理サーバーから受信して記憶しており、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報と、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段をさらに有する請求項21~25のいずれかに記載の管理システム。
【請求項27】
前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去する手段をさらに有する請求項21~26のいずれかに記載の管理システム。
【請求項28】
前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である請求項21~27のいずれかに記載の管理システム。
【請求項29】
前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である請求項21~28のいずれかに記載の管理システム。
【請求項30】
前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行する手段をさらに有する請求項21~29のいずれかに記載の管理システム。
【請求項31】
第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置を、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段、及び前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段としてそれぞれ機能させるプログラム。
【請求項32】
前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、さらに、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段として機能させる請求項31記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置、管理方法、管理システム又はこれらに適用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば社員食堂において、社員毎に割り当てられる固有の社員番号が磁気的に記録されている社員カードを利用したPOSシステムが一般的に採用されている。かかるシステムでは、オペレーターがPOS端末としてのレジスタを用いて、社員が選択、購入した商品の金額を打ち込み、打ち込まれた金額がセンター側のコンピュータで処理され、当該社員の給与から天引きされる。このようなシステムは、社員食堂に限らず、一つのグループを構成する構成員に対して固有の識別番号(ID)を付与することにより、他の利用、購入システムにも適用されており、社員番号を別途に記録する必要がなく、当該銀行の発行するキャッシュカードを所有する人であれば、誰でもが当該個人の属するグループ(会社)に設定した原資からの決済を可能とするキャッシュカード決済システムなども検討されている(特許文献1等)。
【0003】
しかしながら、会社を転職した場合には、今まで所属していた会社の旧社員カードを利用できなくなるばかりでなく、キャッシュカードとしても利用できなくなり、また、転職後の新しく所属する会社の社員カードへも旧社員カードから引き継いで切り換えることもできない等の問題があり、社員カードについては、まだまだ解決すべき課題が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、所属組織が変わっても構成員が入出金取引を産業上有利に行うことができる管理装置、管理方法及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段を有する管理装置が、所属組織が変わってもその構成員が入出金取引を産業上有利に行うことができ、いずれの所属組織も前記構成員に対する金銭管理等をより容易かつより効率良く管理することができるようになることを知見し、このような管理装置が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段と、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段とを少なくともを有することを特徴とする管理装置。
[2] 前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している請求項1記載の管理装置。
[3] 前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶している前記[1]又は[2]に記載の管理装置。
[4] 前記記憶手段が、前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している前記[1]~[3]のいずれかに記載の管理装置。
[5] 前記記憶手段が、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶している前記[1]~[4]のいずれかに記載の管理装置。
[6] 前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段をさらに有する前記[1]~[5]のいずれかに記載の管理装置。
[7] 前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去する手段をさらに有する前記[1]~[6]のいずれかに記載の管理装置。
[8] 前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である前記[1]~[7]のいずれかに記載の管理装置。
[9] 前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である前記[1]~[8]のいずれかに記載の管理装置。
[10] 前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行する手段をさらに有する前記[1]~[9]のいずれかに記載の管理装置。
【0008】
[11] 第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理方法であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶ステップと、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付すステップとを含むことを特徴とする管理方法。
[12] 前記記憶ステップが、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶する前記[11]記載の管理方法。
[13] 前記記憶ステップが、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶する前記[11]又は[12]に記載の管理方法。
[14] 前記記憶ステップが、前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶する前記[11]~[13]のいずれかに記載の管理方法。
[15] 前記記憶ステップが、前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶する前記[11]~[14]のいずれかに記載の管理方法。
[16] 前記記憶ステップが、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶し、さらに、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去するステップを含む前記[11]~[15]のいずれかに記載の管理方法。
[17] 前記記憶ステップが、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去するステップを含む前記[11]~[16]のいずれかに記載の管理方法。
[18] 前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である前記[11]~[17]のいずれかに記載の管理方法。
[19] 前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である前記[11]~[18]のいずれかに記載の管理方法。
[20] 前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行するステップをさらに含む前記[11]~[19]のいずれかに記載の管理方法。
【0009】
[21] 第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置と、前記第1の所属組織の第1の管理サーバーと、前記第2の所属組織の第2の管理サーバーとがそれぞれ通信回線を介して通信可能に接続されている管理システムであって、前記管理装置が、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段と、前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段とを少なくとも有することを特徴とする管理システム。
[22] 前記記憶手段が、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している前記[21]記載の管理システム。
[23] 前記記憶手段が、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶している前記[21]又は[22]に記載の管理システム。
[24] 前記記憶手段が、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶している前記[21]~[23]のいずれかに記載の管理システム。
[25] 前記記憶手段が、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶している前記[21]~[24]のいずれかに記載の管理システム。
[26] 前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も前記第1の管理サーバーから受信して記憶しており、前記第1の管理サーバーから受信した前記第1の構成員識別情報と、前記第2の管理サーバーから受信した前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段をさらに有する前記[21]~[25]のいずれかに記載の管理システム。
[27] 前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号及び前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去する手段をさらに有する前記[21]~[26]のいずれかに記載の管理システム。
[28] 前記第1の所属組織及び/又は前記第2の所属組織が民間組織である前記[21]~[27]のいずれかに記載の管理システム。
[29] 前記第1の所属組織及び前記第2の所属組織のいずれもが互いに異なる企業である前記[21]~[28]のいずれかに記載の管理システム。
[30] 前記入出金取引がカード決済であり、前記構成員番号に基づき前記カード決済用のカードを発行する手段をさらに有する前記[21]~[29]のいずれかに記載の管理システム。
【0010】
[31] 第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置を、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段、及び前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段としてそれぞれ機能させるプログラム。
[32] 前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、さらに、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段として機能させる前記[31]記載のプログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明の管理装置、管理方法及び管理システムは、所属組織が変わっても構成員が入出金取引を産業上有利に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の管理システムの好適な実施態様の一例を模式的に示す概略構成図である。
【
図2】本発明の管理システムにおいて好適に実施される情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の管理システムにおいて好適に実施される退職/卒業構成員カード発行処理のフローチャートの一例を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の管理システムにおいて好適に実施される所属組織からの振込処理の情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
【
図5】本発明の管理システムにおいて好適に実施される旧所属組織からの振込処理のフローチャートの一例を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の管理システムにおいて好適に実施される構成員端末の表示画面に表示される残高・入出金明細画面を模式的に示す図である。
【
図7】本発明において好適に用いられる構成員情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】本発明において好適に用いられる退職/卒業構成員情報データベースの一例を示す図である。
【
図9】本発明において好適に用いられる決済基本情報データベースの一例を示す図である。
【
図10】本発明において好適に用いられる取引情報データベースの一例を示す図である。
【
図11】本発明において好適に用いられるブロックチェーンの構成の一例を説明する図である。
【
図12】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションの構成の一例を説明する図である。
【
図13】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのデータ構造の一例を説明する図である。
【
図14】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのスクリプトの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の管理装置は、第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置であって、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段を有することを特長とする。
【0014】
前記入出金取引としては、例えば、振込、振替、払込み、キャッシング、カードローン、外貨預金、定期預金、残高照会、預入、両替・交換等が好適な例として挙げられる。
【0015】
本発明においては、前記入出金取引が、支払いを含むのが好ましく、決済であるのがより好ましく、カード決済であるのが最も好ましい。前記支払いは、特に限定されないが、例えば、振込、振替、払込み等が挙げられる。また、前記カード決済に好適に用いられる決済用のカードとしては、前記所属組織の前記構成員であることを証明するためのカード(例えば社員証、学生証等)であるのが好ましい。なお、本発明においては、前記支払いが、前払い式、後払い式及び即時払い式のいずれであっても好ましく、それぞれ構成員の利便性をより向上させることができる。
【0016】
前記入出金取引に用いられる資産等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、アナログ通貨、デジタル通貨、ポイント等が挙げられるが、本発明においては、法定通貨、デジタル通貨又はポイントが好ましい。
【0017】
「法定通貨」は、通常、法律等によって定められた通貨をいうが、本発明においては、政府が承認または発行した法定通貨であってもよい。前記法定通貨としては、例えば、ISO4217に規定されている通貨等が挙げられる。
【0018】
「デジタル通貨」は、金融トランザクションを含むトランザクションに対する支払いの通貨として用いることが可能な価値の単位であれば特に限定されない。前記デジタル通貨は、通常、電子的に生成されてその中に格納される通貨であるが、政府が承認または発行した法定通貨等であってよいし、暗号通貨であってもよい。なお、前記デジタル通貨には、電子マネー、仮想通貨が含まれる。
【0019】
「ポイント」は、本発明の目的を阻害しない限り限定されず公知のポイントであってよい。前記ポイントとしては、例えば、商品またはサービスにおいて付与される公知の特典等が挙げられ、前記特典としては、例えば景品等との引換に用いる特典や、商品又はサービスへの支払いに用いる特典等が挙げられる。前記ポイントは、有効期限があってもよいし、有効期限がなくてもよい。
【0020】
「所属組織」は、構成員が所属する組織であれば人数等も特に限定されない。前記所属組織としては、好適には、民間組織又は公的機関等が挙げられる。前記民間組織としては、例えば企業、金融機関、民間団体、サークル、同好会、親族、一族、家族等が挙げられる。前記公的機関としては、例えば、地方公共団体、公的金融機関、国家組織、国立機関、非営利組織、国際機関などが挙げられる。本発明においては、前記所属組織が家族であるのが、決済権限のない子供等の決済をより適切かつ容易なものとすることができるので好ましい。また、本発明においては、前記所属組織が企業であるのが、より前記管理装置の利活用に資するので好ましい。「所属組織識別情報」は、前記所属組織を識別するための英数字及び/又は記号から構成されるものであってよく、公知の所属組織ID、所属組織番号又は所属組織コード等であってよい。
【0021】
「構成員」は、前記所属組織を構成する人員であればそれでよく、身分や資格等は特に限定されない。本発明においては、前記所属組織が企業である場合には、前記構成員の好適な例として、従業員等が挙げられるが、株主等のステークホルダーを含んでもよく、雇用関係等は特に限定されない。「構成員番号」は、前記構成員を識別する番号であれば特に限定されず、数字のみに限らず、英字及び/又は記号等が含まれていてもよいが、本発明においては、数字からなる構成員番号であるのが好ましく、前記所属組織の構成員であることを示すカードのカード番号の一部又は全部を構成しているのがより好ましい。このような好ましい範囲によれば、入出金取引のみならず、種々の事務処理等において、より利活用しやすくなる。
【0022】
なお、本発明においては、前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶しているのが、前記第1の所属組織と前記構成員との入出金取引をより効率的に行うことができるので好ましい。また、本発明においては、前記記憶手段が、前記第1の構成員識別情報に紐付けて、前記第1の所属組織の第1の所属組織識別番号を記憶しているのが、前記第1の構成員識別情報のより適切かつより効率的な管理ができるようになるので好ましい。また、本発明においては、前記構成員番号に紐付けて、前記構成員の残高情報を記憶しているのが、前記構成員番号を口座番号として用いて、より簡便にかつより効率的に入出金取引を行うことができるので好ましい。また、本発明においては、前記記憶手段が、前記構成員番号に紐付けて、前記第2の所属組織の第2の所属組織識別番号を記憶しているのが、より適切かつより安全に入出金取引を行うことができるので好ましい。また、本発明においては、前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段をさらに有するのが、より効率的かつより安全に前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを入出金処理に付すことができるので好ましい。また、本発明においては、前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号並びに前記旧構成員番号に紐付けて入出金取引情報も記憶しており、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号及び前記入出金取引情報を消去する手段をさらに有するのが、よりセキュリティー面で優れたものになるほか、前記第1の構成員識別情報と前記構成員番号とを、より効率よく、より安全に入出金処理に付すことができるので好ましい。
【0023】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体的な態様に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の管理システムの好適な実施態様の一例を示す。
図1の管理システムは、第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置12と、前記第1の所属組織(旧所属組織)の第1の管理サーバー10と、前記第2の所属組織の第2の管理サーバー15と、前記構成員の構成員端末11とがそれぞれ通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0025】
前記構成員端末11としては、例えば、記憶部、処理部、入力部、出力部、表示部及び通信部を含んで構成されるもの等が好適な例として挙げられる。すなわち、前記構成員端末11は、サーバーやコンピュータの基本構成を備えていれば特に限定されず、公知の端末であってよい。本発明においては、前記構成員端末11が、管理装置12等からブロックチェーンのデータを部分的に受信して処理を行うSPVクライアントとして機能してもよい。
【0026】
前記管理装置12は、例えば、記憶部、処理部、入力部、出力部、表示部及び通信部を含んで構成されるもの等が好適な例として挙げられ、前記構成員端末11と同様の基本構成であってよいが、前記管理装置12の記憶部には、構成員情報のデータベース、退職/卒業構成員情報のデータベース、決済基本情報のデータベース及び取引情報のデータベース等が記憶されているのが好ましい。
【0027】
前記構成員情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば
図7に示すように、構成員番号、所属識別情報、役職、所属期間、氏名、パスワード、生年月日、住所等が記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。なお、前記構成員番号は、通常、前記第2の所属組織に属する構成員を識別するための構成員番号である。前記所属識別情報は、通常、前記第2の所属組織における所属識別情報である。前記役職は、前記構成員の役職であれば、特に限定されないが、例えば所属組織が学校の場合には、学年等であってよい。前記所属期間は、通常、前記第2の所属組織に属している期間等をいうが、例えば、前記構成員番号を用いて前記第2の所属組織に属していることを証するカードを発行する場合には、前記所属期間に代えて、かかるカードの発行期間としてもよい。
【0028】
また、前記退職/卒業構成員情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば
図8に示すように、退職/卒業構成員番号、旧所属識別情報、氏名、退職日/卒業日、所属期間等が記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。前記退職/卒業構成員番号は、通常、退職又は卒業により前記第1の所属組織を属さなくなる際に採番される、前記構成員が前記第1の所属組織に過去に属していたことを識別するための番号等である。前記旧所属識別情報は、通常、前記第1の所属組織における所属識別情報である。
【0029】
また、前記決済基本情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば
図9に示すように、構成員番号、退職/卒業構成員番号、残高、与信枠、ポイント残高等が記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。また、前記取引情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば
図10に示すように、構成員番号、取引日時、取引種別、取引額、取引先等が記憶されているデータベースも好適な例として挙げられる。前記決済基本情報のデータベース及び前記取引情報のデータベースは、それぞれ入出金取引に用いられる公知の管理装置が記憶しているデータベースと同じであってよく、各項目等も常法に基づき適宜設定されるものであってよい。
【0030】
また、前記第1の所属組織(旧所属組織)の第1の管理サーバー10、及び前記第2の所属組織の第2の管理サーバー15は、それぞれの所属組織における情報管理等を行う管理サーバーであれば特に限定されず、基本構成等も特に限定されず、前記管理装置と同様であってよい。
【0031】
「通信回線」は、特に限定されず、通信可能であれば無線回線であっても、有線回線であってもよいが、電話網又はインターネット網を含むことが、双方向で通信が行えるので好ましい。また、前記通信回線は、通信制限が設けられた専用回線であってもよい。
なお、本発明においては、前記入出金取引にブロックチェーンを用いてもよい。
【0032】
図2は、
図1における管理システムにおいて好適に実施される情報処理フローを模式的に示す図である。
【0033】
旧所属組織の管理サーバー10は、所属する構成員の構成員番号を含む構成員情報と構成員カード発行要求を管理装置12に対し送信する(S101)。
管理装置12は、旧所属組織の管理サーバー10から構成員情報と構成員カード発行要求を受信すると、必要により所属組織識別情報等を採番し、所属組織識別情報に紐付けて、構成員情報を記憶し(S102)、前記構成員情報に基づき、構成員番号に紐付けて構成員カードを発行する(S103)。
管理装置12は、構成員カードを発行した後、構成員カード発行完了情報を旧所属組織の管理サーバー10に送信する(S104)。
【0034】
退職又は卒業により構成員が前記第1の所属組織を属さなくなる際、旧所属組織の管理サーバー10は、構成員の退職/卒業構成員番号を含む構成員情報と退職/卒業構成員カード発行要求を管理装置12に対し送信する(S105)。
管理装置12は、旧所属組織の管理サーバー10から退職/卒業構成員情報と退職/卒業構成員カード発行要求を受信すると、所属組織識別情報に紐付けて、退職/卒業構成員情報を記憶し、前記旧所属組織の前記構成員情報を消去する(S106)。そして、前記退職/卒業構成員情報に基づき、退職/卒業構成員番号に紐付けて退職/卒業構成員カードを発行する(S107)。
管理装置12は、退職/卒業構成員カードを発行した後、退職/卒業構成員カード発行完了情報を旧所属組織の管理サーバー10に送信する(S108)。
【0035】
図3は、本発明の管理方法及び管理システムにおいて好適に実施される退職/卒業構成員カード発行処理のフローチャートの一例を模式的に示す。
管理装置12は、退職/卒業構成員カード発行要求を受け付けると(S201)、データベースから、退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号の有無を判定する(S202)。退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号がない場合には、エラー表示を送出する(S207)。また、退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号がある場合には、構成員情報の引継の有無を確認し(S203)、構成員情報の引継がある場合には、退職/卒業構成員情報の更新を行う(S204)。退職/卒業構成員情報の更新後又は構成員情報の引継が無い場合には、退職/卒業構成員番号を含む退職/卒業構成員情報が決済基本情報や取引情報等とともに記憶され、また、退職又は卒業する旧所属組織の構成員情報が消去される(S205)。そして、退職/卒業構成員カードの発行処理が行われる(S206)。
【0036】
就職又は入学により構成員が前記第2の所属組織の所属となる際に、所属組織の管理サーバー15は、所属する構成員の構成員番号を含む構成員情報と構成員カード発行要求を管理装置12に対し送信する(S109)。
管理装置12は、所属組織の管理サーバー15から構成員情報と構成員カード発行要求を受信すると、必要により所属組織識別情報等を採番し、所属組織識別情報に紐付けて、構成員情報を記憶し(S110)、前記構成員情報に基づき、構成員番号に紐付けて構成員カードを発行する(S111)。
管理装置12は、構成員カードを発行した後、構成員カード発行完了情報を所属組織の管理サーバー15に送信する(S112)。
【0037】
管理装置12は、記憶する構成情報に住所やeメールアドレス等の連絡先が含まれていた場合、構成員端末11又は構成員等に対し、ユーザー登録要求を通知する(S113)。構成員は、構成員端末11を用いて、管理装置12にユーザー登録情報を送信する(S114)。管理装置12は、構成員端末11からユーザー登録情報を受信すると、構成員番号に紐付けてユーザー登録情報を記憶する(S115)。
【0038】
構成員は、前記所属組織(第2の所属組織)の構成員カードと、退職/卒業構成員カードとを統合するため、構成員端末11から管理装置12に対し、退職/卒業構成員カード統合要求を、旧所属組織の退職/卒業構成員情報とともに送信する。管理装置12は、構成員端末11から退職/卒業構成員カード統合要求を、旧所属組織の退職/卒業構成員情報とともに受信すると、構成員番号と退職/卒業構成員番号とを紐付けて記憶する(S117)。例えば
図9に示す決済基本情報において、構成員番号と退職/卒業構成員番号とが、紐付けて記憶される。そして、構成員番号と退職/卒業構成員番号とを紐付けて記憶した後、管理装置12は、構成員端末11に、統合完了報告を送信する(S118)。
【0039】
図4は、統合された構成員カードについて、各所属組織からの振込処理の情報処理フローの一例を模式的に示す。
所属組織の管理サーバー15は、構成員番号及び振込金額とともに振込依頼を管理装置12に送信する(S301)。管理装置12は、所属組織の管理サーバー15から、構成員番号及び振込金額とともに振込依頼を受信すると、入金確認をまってから、構成員番号の構成員カード残高を加算処理に付す(S302)。そして、管理装置12は、振込完了結果を所属組織の管理サーバー15に送信し(S303)、振込完了結果を構成員端末11にも送信する(S304)。
【0040】
また、旧所属組織の管理サーバー10は、退職/卒業構成員番号及び振込金額とともに振込依頼を管理装置12に送信する(S305)。管理装置12は、旧所属組織の管理サーバー10から、退職/卒業構成員番号及び振込金額とともに振込依頼を受信すると、入金確認をまってから、退職/卒業構成員番号に紐づいている構成員番号の構成員カード残高を加算処理に付す(S306)。そして、管理装置12は、振込完了結果を旧所属組織の管理サーバー10に送信し(S307)、振込完了結果を構成員端末11にも送信する(S308)。
【0041】
図5は、旧所属組織からの振込処理のフローチャートの一例を模式的に示す。管理装置12は、退職/卒業構成員への振込要求を受け付けると(S401)、データベースから、退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号の有無を判定する(S402)。退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号が無い場合には、エラー表示を送出する(S405)。また、退職/卒業構成員番号に対応する構成員番号が有る場合には、構成員情報及び振込額の確認を行い(S403)、確認が完了した場合は、振込処理を実行し(S404)、各二院がキャンセルされた場合は、エラー表示を送出する(S405)。
【0042】
本発明では、以上のように、過去に所属していた旧所属組織からも退職/卒業構成員番号を用いて、振込処理を可能とすることができ、現在所属している所属組織から過去に所属していた旧所属組織に至るまで、入出金取引を構成員番号から一元的により管理しやすくすることができる。
【0043】
図6は、本発明の管理システムにおいて好適に実施される構成員端末の表示画面に表示される残高・入出金明細画面を模式的に示す。
図6中、構成員端末11は、前記構成員番号の決済等の管理アプリが起動しており、画面下には、ホームボタン119、振込ボタン120、支払ボタン121、入金ボタン122及び設定ボタン123が配置され、画面全体には、残高・入出金明細画面111が表示されている。残高・入出金明細画面111には、構成員番号112と残高113が表示されており、任意の期間114の範囲において取引内容/入出金額115が一覧表示されており、スクロールバー124を用いて、より多くの取引内容/入出金額を簡便に見ることができるように構成されている。
図6では、取引内容として、所属組織からの給与振込117に加え、旧所属組織からの退職金振込116や報奨金の振込118が好適な例として、図示されている。
【0044】
また、本発明においては、ブロックチェーンを好適に用いることができる。以下、好適に用いられるブロックチェーンについて説明する。本発明においては、ブロックは、入出金取引に関する取引情報を含む取引データベースとして機能する。具体的には、各ブロックは、ダイジェストデータ及び取引に関する情報であるトランザクションのリストを含む。ダイジェストデータは、1つ前のブロックから算出された新たなハッシュ値を含む。すなわち、
図11に示すように、ブロックが1つ前のブロックに含まれる情報から算出されたハッシュ値を含むことによって、各ブロックがチェーンのように繋がった状態で取引データベース(ブロックチェーン)として記憶される。取引履歴データベースは、サーバーのみにて管理されるのではなく、各端末等においても検証及び追加される。
【0045】
トランザクションは、ポイントやデジタル通貨等の交換を記録するデータである。トランザクションは、インプット情報とアウトプット情報とを含む。インプット情報は、交換元となる利用者が取引対象となるポイントやデジタル通貨等の交換を受けたときのトランザクションのアウトプット情報(トランザクションを特定する識別情報(トランザクションのハッシュ値や配列番号等))と、利用者がそのポイントやデジタル通貨等を所有することを証明するための情報(当該アウトプットを使用する条件を満たすスクリプト等)を含む。アウトプット情報は、交換されたポイントやデジタル通貨等の種類及び数、交換先を特定するアドレスにおいて交換された貨幣やポイント等を使用するためのスクリプト等の情報を含む。
【0046】
図12は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションの構成の一例を示す。ポイントやデジタル通貨等は、取引履歴、すなわち、ポイントやデジタル通貨等が今まで経てきた取引のまとまりとして表現される。それぞれのトランザクション(ポイントやデジタル通貨等の取引)では、前のトランザクションのハッシュ値や、新たな所有者の公開鍵を含み、元の所有者の暗号鍵によってデジタル署名されている。全てのトランザクションに関する情報は、P2Pネットワーク全体で共有される。このようにトランザクションを表現することで、元の所有者の許可なく、通貨等を本人以外が勝手に譲渡することはできず、また、第三者は、通貨の譲渡を客観的に確認できるといった利点を有する。
【0047】
図13は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのデータ構造の一例を示す。トランザクションのデータ構造は、「出力(出金するポイントやデジタル通貨等)」と、「入力(入金に用いるポイントやデジタル通貨等)」とを有している。送金には、相手に渡すポイントやデジタル通貨等及び宛先(アドレス)が必要であるが、それらを表現したものが出力である。自分に宛てられたポイントやデジタル通貨等を使うか、又は誰かに送金するためには、過去のトランザクションの出力を参照しなければならず、それが今回のトランザクションにおける入力に相当する。一つのトランザクションにおいて、出力および入力はそれぞれ複数指定できる。任意の額の送金を行うためには、過去の自分宛のトランザクションの出力を集め、これから行う取引の入力として指定する必要がある。
【0048】
図14は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのスクリプトの一例を示す。
図14のポイントやデジタル通貨等では、スクリプトによって、入力元のアドレス及び出力元のアドレスを含むトランザクションが記述される。同図に示したトランザクションは、過去に利用者から自分宛に送金されたポイントやデジタル通貨等を用いて、他の利用者宛てに所定の額面のポイントやデジタル通貨等を送金することを意味している。トランザクションには、そのトランザクション固有のトランザクション識別子が付されており、通常、トランザクションのハッシュ値が用いられる。「OutputScript」には複数の出力が指定できるところ、「出力2」は、入力のデジタル署名を検証する通常の記述であるのに対し、「出力1」は、バイト配列を付加するための記述である。スクリプトでは、「OP_RETURN」というコードが用意されており、これは、一般的なプログラミングのreturnと同様、そこに来るとスクリプトをストップし、その出力の参照を許さない、とするものである。そして、「OP_RETURN」に続き、「OP_PUSHDATA」を用いてバイト配列を付加すれば、デジタル署名に悪影響を及ぼすことなく、「出力1」をバイト配列の記述欄として利用することができる。なお、「OP_PUSHDATA」を用いて付加できるバイト配列のバイト数には上限がある関係上、ファイルについてはハッシュ値を用い、テキストメッセージについては上限値を超えないことが条件となる。
【0049】
上記のように構成することで、第1の所属組織に属した過去があり、かつ前記第1の所属組織とは異なる第2の所属組織に属している構成員が入出金取引を行うための管理装置を、前記第1の所属組織において過去に所属していた前記構成員であることを識別するための第1の構成員識別情報と、前記第2の所属組織における前記構成員の構成員番号とを紐付けて記憶する記憶手段、及び前記構成員番号を前記入出金取引の処理に付す手段としてそれぞれ機能させることができる。また、前記記憶手段が、前記第1の所属組織に属していた前記構成員の旧構成員番号も記憶しており、さらに、前記第1の構成員識別情報と、前記構成員番号とを紐付けて記憶する際に、前記旧構成員番号を消去する手段として機能させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の管理装置、管理方法及び管理システムは、各種入出金取引に有用である。
【符号の説明】
【0051】
10 所属組織の管理サーバー
11 構成員端末
12 管理装置
15 旧所属組織の管理サーバー
18 通信回線
111 残高・入出金明細画面
112 構成員番号
113 残高
114 期間
115 取引内容/入出金額
116 旧所属組織からの退職金振込
117 所属組織からの給与振込
118 旧所属組織からの報奨金の振込
119 ホームボタン
120 振込ボタン
121 支払ボタン
122 入金ボタン
123 設定ボタン
124 スクロールバー