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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089257
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】作業管理システム及び作業管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220609BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20220609BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201502
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 玄宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】 現場の作業機が作業不能になった場合に対応することができる作業管理システムを提供する。
【解決手段】 作業管理システムは、作業される現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データ部と、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算する補充演算部と、を備える。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業される現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算する補充演算部を備える、作業管理システム。
【請求項2】
現場の作業機が作業不能になった場合に、当該作業機が作業すべき残りの作業面積を演算する残面積演算部をさらに備え、
前記補充演算部は、前記残面積演算部で演算された面積が第1設定値を超える場合に、現場に前記作業機を補充することを優先するように、演算する、請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記補充演算部は、前記残面積演算部で演算された面積が前記第1設定値よりも小さい第2設定値以下である場合に、現場の作業員の作業可能な工程と作業能力とを含む現場員データに基づいて、前記現場の作業員で作業することを優先するように、演算する、請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
少なくとも一つのコンピュータによって実行される作業管理方法であって、
作業現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程及び作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算することを含む、作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、作業管理システム及び作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、作業管理システムは、作業計画に対して不足と判定された作業工程に基づいて、現場に補充する作業機のデータを演算する演算部を備えている(例えば、特許文献1)。ところで、斯かる作業管理システムは、現場の作業機が故障等によって作業不能になることを想定していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2017/061516号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、現場の作業機が作業不能になった場合に対応することができる作業管理システム及び作業管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
作業管理システムは、作業される現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、補充する作業機及び作業員のデータを演算する補充演算部を備える。
【0006】
また、作業管理システムは、現場の作業機が作業不能になった場合に、当該作業機が作業すべき残りの作業面積を演算する残面積演算部をさらに備え、前記補充演算部は、前記残面積演算部で演算された面積が第1設定値を超える場合に、現場に前記作業機を補充することを優先するように、演算する、という構成でもよい。
【0007】
また、作業管理システムは、前記補充演算部は、前記残面積演算部で演算された面積が前記第1設定値よりも小さい第2設定値以下である場合に、現場の作業員の作業可能な工程と作業能力とを含む現場員データに基づいて、前記現場の作業員で作業することを優先するように、演算する、という構成でもよい。
【0008】
また、作業管理方法は、少なくとも一つのコンピュータによって実行される作業管理方法であって、作業現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る作業管理システムの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係る作業管理装置の制御ブロック図である。
図3図3は、同実施形態に係る作業フロー図である。
図4図4は、同実施形態に係る現場機データを示す図である。
図5図5は、同実施形態に係る作業計画データを示す図である。
図6図6は、同実施形態に係る現場員データを示す図である。
図7図7は、同実施形態に係る補充機データを示す図である。
図8図8は、同実施形態に係る補充員データを示す図である。
図9図9は、同実施形態に係る作業管理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、作業管理システムにおける一実施形態について、図1図9を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る作業管理システム10は、建築工事や土木工事の現場の作業を管理する作業管理装置1と、現場で作業するために現場に配置される現場の作業機(以下、「現場機」ともいう)11とを備えている。そして、作業管理システム10は、各種データを記憶する記憶装置12と、各種データを処理する処理装置13とを備えている。
【0012】
また、作業管理システム10は、現場機11が作業不能となった場合に、現場に補充される作業機(以下、「補充機」ともいう)のデータを管理する補充機管理装置14と、現場に補充される作業員(以下、「補充員」ともいう)のデータを管理する補充員管理装置15とを備えている。なお、各構成1,11~15は、無線通信手段(例えば、インターネット、無線LAN等)及び有線通信手段(例えば、有線LAN、通信ケーブル等)等の通信手段20によって、互いに通信可能となっている。
【0013】
また、現場機11が作業不能になった場合とは、特に限定されない。例えば、一定時間ごとに作業進捗を出力する現場機11が定刻になっても作業進捗の出力しない場合、現場機11が故障信号を出力した場合等といった現場機11が故障した場合が挙げられる。また、例えば、カメラやセンサーによって現場機11の停止が確認された場合、停電や地震によって現場機11が緊急停止した場合、作業に必要な材料等が供給されておらず現場機11が作業できない場合等といった現場機11が作業を停止した場合が挙げられる。
【0014】
特に限定されないが、作業管理装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ等としてもよい。また、特に限定されないが、記憶装置12は、例えば、サーバ等としてもよい。また、特に限定されないが、処理装置13、補充機管理装置14及び補充員管理装置15のそれぞれは、例えば、パーソナルコンピュータ等の各種コンピュータとしてもよい。
【0015】
また、各装置1,12~15のそれぞれの所有者は、例えば、同じであってもよく、また、例えば、異なっていてもよい。特に限定されないが、例えば、作業管理装置1、記憶装置12及び処理装置13の所有者は、現場を作業する作業会社であってもよく、また、例えば、補充機管理装置14の所有者は、作業会社と別会社(関連会社、協力会社、又はレンタル会社)であってもよく、また、例えば、補充員管理装置15の所有者は、作業会社と別会社(関連会社、協力会社、又は人材派遣会社)であってもよい。
【0016】
図2に示すように、作業管理装置1は、各種データが入力される入力部2と、各種データが処理される処理部3と、各種データが出力される出力部4とを備えている。なお、出力部4は、各種データを表示する表示出力部41と、各種データを作業管理装置1の外部へ出力する外部出力部42とを備えている。
【0017】
処理部3は、各種データを取得する取得部31と、各種データを記憶する記憶部32と、各種データを演算する演算部33と、作業管理装置1を制御する制御部34とを備えている。例えば、制御部34は、演算部33が演算したデータに基づいて、出力部4を制御している。
【0018】
なお、処理部3は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部33及び制御部34)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、記憶部32)、各種インターフェイス(例えば、取得部31)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理部3の各部33,34が実現されている。
【0019】
また、図1及び図2に示すように、本実施形態では、作業管理装置1という1つのコンピュータにおけるプロセッサ、即ち、1つのプロセッサが処理を実行することによって、処理部3の各部33,34が実現されている、という構成であるが、斯かる構成に限定されない。例えば、作業管理装置1及び処理装置13等の複数のコンピュータにおけるプロセッサ、即ち、複数のプロセッサが分散して処理を実行することによって、処理部3の各部33,34が実現されている、という構成でもよい。
【0020】
具体的には、本実施形態に係る作業管理装置1の処理部3の演算部33及び制御部34のうち、少なくとも一部は、別の装置13~15に備えられている、という構成でもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態に係る作業管理装置1の処理部3の記憶部32のうち、少なくとも一部は、別の装置12~15に備えられている、という構成でもよい。
【0021】
また、特に限定されないが、各装置12~15は、各種データが入力される入力部と、各種データが出力される出力部とを備えていてもよい。また、作業管理システム10は、記憶装置12、処理装置13、補充機管理装置14、及び補充員管理装置15のうち、少なくとも一つを備えていない、という構成でもよい。
【0022】
図2に示すように、記憶部32は、現場の作業計画に関する作業計画データを記憶する計画記憶部32aと、現場機11に関する現場機データを記憶する現場機記憶部32bと、現場に配置される作業員(以下、「現場員」ともいう)に関する現場員データを記憶する現場員記憶部32cとを備えている。
【0023】
また、記憶部32は、補充機に関する補充機データを記憶する補充機記憶部32dと、補充員に関する補充員データを記憶する補充員記憶部32eとを備えている。なお、記憶部32は、例えば、演算部33の演算するタイミングに関わらず、データを連続して記憶しいる、という構成でもよく、また、例えば、演算部33がデータを演算するときに、一時的にデータを記憶し、演算が終了することによって、当該データを消去する、という構成でもよい。
【0024】
演算部33は、作業計画データを演算する計画演算部33aと、現場機11が作業不能になった場合に、当該作業機11が作業すべき残りの作業面積を演算する残面積演算部33bとを備えている。また、演算部33は、現場機11が作業不能になった場合に、現場に補充する補充機及び補充員のデータを演算する補充演算部33cを備えている。
【0025】
次に、本実施形態に係る作業管理システム10の各種データについて、図3図8を参照しながら説明する。なお、作業内容及び各種データについては、以下に限定されない。
【0026】
図3に示すように、本実施形態に係る作業内容として、システムフロア工事が挙げられている。特に限定されないが、例えば、システムフロア工事は、揚重工程S1と、墨出し工程S2と、支持脚設置工程S3と、パネル設置工程S4と、検査工程S5とを含んでいてもよい。
【0027】
揚重工程S1は、例えば、資材等を地上(車両の上)から作業階まで搬送する工程であり、墨出し工程S2は、例えば、床面等の構造体に工事の基準となる線を設計図面通りに墨等で記す工程である。そして、支持脚設置工程S3は、例えば、床面の上に支持脚を設置する工程であり、パネル設置工程S4は、例えば、フロアパネルが支持脚に支持されるように、フロアパネルを支持脚の上に設置する工程である。また、検査工程S5は、例えば、フロアパネルの設置不良(段差、ガタツキ)の有無を検査する工程である。
【0028】
<現場機データ>
現場機記憶部32bには、図4に示すような、現場機11に関する現場機データが記憶されている。特に限定されないが、現場機データは、例えば、入力部2に入力されることによって、現場機記憶部32bに記憶されてもよく、また、例えば、現場機11から送信されることによって、現場機記憶部32bに記憶されてもよい。
【0029】
現場機データは、例えば、作業可能な工程と、作業能力と、現場に配置されている台数とを含んでいる。図4においては、例えば、「揚重機」については、作業可能な工程が「揚重工程S1」であり、作業能力が「300m/日」であり、現場に配置されている台数は、「8台」である。
【0030】
なお、本実施形態においては、作業機(現場機11、補充機)は、一つの工程S1~S5のみ作業可能な専用機としているが、例えば、作業機は、複数の工程S1~S5を作業可能な複合機(兼用機)としてもよい。また、本実施形態においては、作業機は、自動ロボット(例えば、作業開始時のみ操作が必要なロボット)としているが、例えば、作業機は、作業員に常時操作される機械としてもよい。
【0031】
<作業計画データ>
計画記憶部32aには、図5に示すような、現場の作業計画に関する作業計画データが記憶されている。特に限定されないが、作業計画データは、例えば、入力部2に入力されることによって、計画記憶部32aに記憶されてもよく、また、例えば、計画演算部33aが現場機データに基づいて演算した結果を、計画記憶部32aに記憶されてもよい。
【0032】
作業計画データは、例えば、作業される現場の作業面積と、作業工程と、作業期間、着工日(作業開始日)、竣工日(作業完了日)とを含んでいる。図5においては、「作業面積」については、2階及び3階の作業面積がそれぞれ「2,300m」であり、また、「作業工程」については、2階及び3階の作業工程がそれぞれ「揚重工程S1~検査工程S5」である。
【0033】
また、図5においては、「着工日」は、「4/1」であり、「竣工日」は、「4/8」である。なお、図5においては、作業計画に、予備日が1日(4/8)設けられている。また、図5においては、例えば、「作業期間」については、2階の揚重工程S1が「4/1の朝~4/1の夕方」であり、2階の墨出し工程S2が「4/1の昼~4/3の夕方」である。
【0034】
<現場員データ>
現場員記憶部32cには、図6に示すような、現場に配置される現場員に関する現場員データが記憶されている。特に限定されないが、現場員データは、例えば、入力部2に入力されることによって、現場員記憶部32cに記憶されてもよい。
【0035】
現場員データは、例えば、現場員の作業可能な工程と、作業能力とを含んでいる。図6においては、例えば、「現場員A」については、作業可能な工程が「揚重工程S1」、「支持脚設置工程S3」及び「パネル設置工程S4」であり、作業能力がそれぞれ「300m/日」、「50m/日」及び「50m/日」である。
【0036】
<補充機データ>
補充機記憶部32dには、図7に示すような、現場に配置されておらず現場に補充可能な補充機に関する補充機データが記憶されている。特に限定されないが、補充機データは、例えば、補充機管理装置14(図1参照)から送信されることによって、補充機記憶部32dに記憶されてもよい。
【0037】
補充機データは、例えば、補充機の作業可能な工程と、作業可能な時間と、作業能力とを含んでいる。図7においては、例えば、「補充機A」については、作業可能な工程が「パネル設置工程S4」であり、作業能力が「40m/日」であり、作業可能な時間が「4/3~4/7」である。なお、図7においては、補充機の作業可能な工程が全て「パネル設置工程S4」であるが、補充機記憶部32dには、当然ながら、他の工程S1~S3,S5を作業可能な補充機のデータも、記憶されている。
【0038】
<補充員データ>
補充員記憶部32eには、図8に示すような、現時点で現場に配置されておらず現場に補充可能な補充員に関する補充員データが記憶されている。特に限定されないが、補充員データは、例えば、補充員管理装置15(図1参照)から送信されることによって、補充員記憶部32eに記憶されてもよい。
【0039】
補充員データは、例えば、補充員の作業可能な工程と、作業可能な時間と、作業能力とを含んでいる。図8においては、例えば、「補充員A」については、作業可能な工程が「墨出し工程S2」、「支持脚設置工程S3」及び「パネル設置工程S4」であり、作業能力がそれぞれ「200m/日」、「50m/日」及び「50m/日」であり、作業可能な時間が「4/3~4/6」である。
【0040】
次に、本実施形態に係る作業管理方法について、図3図9を参照しながら説明する。なお、作業管理方法は、以下に限定されない。
【0041】
まず、現場機11が故障等によって作業不能になった事象のデータは、取得部31で取得される。例えば、当該データは、入力部2に入力されることによって、取得部31で取得されてもよく、また、例えば、現場機11から送信されることによって、取得部31で取得されてもよい。
【0042】
現場機11が故障等によって作業不能になった場合に(図9のS11の「Y」)、残面積演算部33bは、当該現場機11が作業すべき残りの作業面積を演算する(図9のS12)。具体的には、残面積演算部33bは、図4の現場機データと、図5の作業計画データと、当該現場機11が作業不能になった時間とに基づいて、当該現場機11が作業すべき残りの作業面積を演算する。
【0043】
例えば、図5の作業計画データにおいて、パネル設置機が4/3の夕方に作業不能になった場合には、作業能力が50m/日であり、残り作業日が3.5日(4/4の朝~4/4の夕方(2階)と4/5の昼~4/7の夕方(3階))であるため、残面積は、175mとなる。また、パネル設置機が4/7の昼に作業不能になった場合には、作業能力が50m/日であり、残り作業日が0.5日(4/7の昼~4/7の夕方)であるため、残面積は、25mとなる。
【0044】
そして、補充演算部33cは、図5の作業計画データと図7の補充機データと図8の補充員データとに基づいて、現場に補充する補充機及び補充員のデータを演算する。具体的には、補充演算部33cは、残面積演算部33bで演算された残面積と補充機データ及び補充員データとに基づいて、現場に補充する補充機及び補充員のデータを演算する。
【0045】
例えば、残面積が第1設定値を超える場合に(図9のS13の「Y」)、補充演算部33cは、補充機優先演算を行う(図9のS14)。また、例えば、残面積が第2設定値以下である場合に(図9のS13の「N」及びS15の「Y」)、補充演算部33cは、現場員優先演算を行い(図9のS16)、また、例えば、残面積が第2設定値を超えて且つ第1設定値以下である場合に(図9のS13の「N」及びS15の「N」)、補充演算部33cは、補充員優先演算を行う(図9のS17)。
【0046】
そして、補充演算部33cで演算された結果は、制御部34によって、表示出力部41に出力される(図9のS18)。なお、特に限定されないが、計画演算部33aは、補充演算部33cの演算結果に基づく作業計画を演算し、計画演算部33aの演算結果は、表示出力部41に出力されていてもよい。
【0047】
また、特に限定されないが、例えば、表示出力部41に、一つの演算結果のみが出力されていてもよく、また、例えば、表示出力部41に、複数の演算結果(例えば、補充機優先演算、補充員優先演算及び現場員優先演算の各結果)が出力されていてもよい。なお、複数の演算結果が出力されている場合には、複数の演算結果は、例えば、優先順に並べられていてもよく、また、例えば、優先順(例えば、優先番号)を表示されていてもよい。
【0048】
そして、補充演算部33cの演算結果が承認された場合に(図9のS19の「Y」)、計画演算部33aは、承認された演算結果に基づいて、作業計画を更新する(図9のS20)。このとき、補充機及び補充員の少なくとも一方が現場に補充される場合には(図9のS21の「Y」)、当該データが、作業管理装置1の外部の補充機管理装置14及び補充員管理装置15に出力される(図9のS22)。これにより、現場に補充される補充機及び補充員が手配(発注)される。
【0049】
なお、補充演算部33cの演算結果が否認された場合には(図9のS19の「N」)、補充演算部33cは、異なる代替の演算を行い(図9のS23)、補充演算部33cで代替演算された結果は、表示出力部41に出力される(図9のS18)。特に限定されないが、補充演算部33cの演算結果の認否は、例えば、入力部2に入力されてもよい。
【0050】
また、異なる代替の演算を行う場合に(図9のS23)、例えば、入力部2に演算条件が入力され、補充演算部33cは、当該演算条件に基づいて、演算を行ってもよい。なお、演算条件とは、特に限定されないが、例えば、特定の現場員、特定の補充機を使用すること(又は使用しないこと)等が挙げられる。
【0051】
ここで、補充演算部33cの各演算(図9のS14,S16,S17)について、説明する。
【0052】
<補充機優先演算>
補充機優先演算(図9のS14)は、残面積が第1設定値を超える場合に(図9のS13の「Y」)、実行され、補充演算部33cは、現場に補充機を補充することを優先するように、演算する。これにより、例えば、残面積が比較的大きい場合に、現場に補充機を補充することができるため、現場機11が作業不能になった場合に、適切に対応することができる。
【0053】
特に限定されないが、第1設定値は、例えば、作業不能になった現場機11の1日以上の能力に相当する値であることが好ましい。なお、第1設定値は、記憶部32に記憶されており、作業機ごとにそれぞれ設定されていてもよい。
【0054】
例えば、本実施形態においては、パネル設置機の第1設定値は、1日の能力に相当する50mとする(図4参照)。そして、図5の作業計画データにおいて、パネル設置機が4/3の夕方に作業不能になった場合には、上記したように、残面積が175mとなるため、補充機優先演算(図9のS14)が実行される。
【0055】
図5の作業計画データによれば、作業不能になったパネル設置機に対して、4/4の朝~4/4の夕方と4/5の昼~4/7の夕方との期間に、現場に補充機を補充する必要があるため、補充演算部33cは、図7の補充機データに基づいて、当該期間に補充可能な補充機を現場に補充するように、演算する。例えば、図7の補充機データによれば、補充機Aが補充可能であるため、補充演算部33cは、現場に補充機Aを補充するするように、演算する。
【0056】
なお、現場に補充可能な補充機が複数存在している場合には、補充演算部33cは、各種条件に基づいて、演算してもよい。特に限定されないが、補充演算部33cは、例えば、現場に最も近くに位置する補充機を優先するように、演算してもよく、また、例えば、コスト(ランニングコスト、搬送コスト等)が最も安価になる補充機を優先するように、演算してもよい。
【0057】
<現場員優先演算>
現場員優先演算(図9のS16)は、残面積が第2設定値以下である場合に(図9のS13の「N」及びS15の「Y」)、実行され、補充演算部33cは、現場員で残りの作業をすることを優先するように、演算する。これにより、例えば、残面積が比較的小さい場合に、現場員で作業することができるため、現場機11が作業不能になった場合に、適切に対応することができる。
【0058】
特に限定されないが、第2設定値は、例えば、作業不能になった現場機11の0.5日以下の能力に相当する値であることが好ましい。なお、第2設定値は、記憶部32に記憶されており、作業機ごとにそれぞれ設定されていてもよい。
【0059】
例えば、本実施形態においては、パネル設置機の第2設定値は、0.5日の能力に相当する25mとする(図4参照)。そして、図5の作業計画データにおいて、パネル設置機が4/7の昼に作業不能になった場合には、上記したように、残面積が25mとなるため、現場員優先演算(図9のS16)が実行される。
【0060】
補充演算部33cは、図6の現場員データに基づいて、パネル設置工程を作業可能な現場員が作業するように、演算する。例えば、図6の現場員データによれば、現場員A、現場員C及び現場員Fがパネル設置工程を作業可能であるため、補充演算部33cは、現場員A、現場員C及び現場員Fがパネル設置工程を作業するように、演算する。
【0061】
<補充員優先演算>
補充員優先演算(図9のS17)は、残面積が第2設定値を超えて且つ第1設定値以下である場合に(図9のS13の「N」及びS15の「N」)、実行され、補充演算部33cは、現場に補充員を補充することを優先するように、演算する。これにより、例えば、残面積が比較的大きくも小さくもない場合に、現場に補充員を補充することができるため、現場機11が作業不能になった場合に、適切に対応することができる。
【0062】
例えば、図5の作業計画データにおいて、パネル設置機が4/6の夕方に作業不能になった場合には、作業能力が50m/日であり、残り作業日が1日(4/7の朝~4/7の夕方)であるため、残面積は、50mとなる。そして、本実施形態においては、第1設定値が50mであり、第2設定値が25mであるため、パネル設置機が4/6の夕方に作業不能になった場合には、補充員優先演算(図9のS17)が実行される。
【0063】
図5の作業計画データによれば、作業不能になったパネル設置機に対して、4/7の朝~4/7の夕方の期間に補充員を現場に補充する必要があるため、補充演算部33cは、図8の補充員データに基づいて、当該期間に補充可能な補充員を補充するように、演算する。例えば、図8の補充員データによれば、作業不能になったパネル設置機と同じ能力を有する補充員Bが補充可能であるため、補充演算部33cは、現場に補充員Bを補充するするように、演算する。
【0064】
なお、補充可能な補充員が複数存在している場合には、補充演算部33cは、各種条件に基づいて、演算してもよい。特に限定されないが、補充演算部33cは、例えば、現場に最も近くに住む補充員を優先するように、演算してもよく、また、例えば、作業能力が最も高い補充員を優先するように、演算してもよい。
【0065】
このように、現場機11が作業不能になった場合に、現場に作業機及び作業員を補充することができるため、フレキシブルに対応することができる。特に限定されないが、補充演算部33cは、竣工日が遅延しないように、演算することが好ましい。
【0066】
また、特に限定されないが、補充演算部33cは、作業不能になった現場機11の残りの作業を、現場員、補充機及び補充員ののうち少なくとも二つで行うように、演算してもよい。例えば、補充演算部33cは、補充員優先演算を実行しているときに、補充員を現場に補充するだけでは不足する場合に、補充機も現場に補充するように、演算してもよい。即ち、補充演算部33cは、補充機及び補充員の両方を現場に補充するように、演算してもよい。
【0067】
以上より、本実施形態に係る作業管理方法は、少なくとも一つのコンピュータによって実行される作業管理方法であって、作業される現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算することを含む。
【0068】
そして、本実施形態に係る作業管理システム10は、作業される現場の作業面積、作業工程及び作業期間を含む作業計画データと、現場に補充される作業機の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充機データと、現場に補充される作業員の作業可能な工程と作業可能な時間と作業能力とを含む補充員データと、に基づいて、現場の作業機11が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算する補充演算部33cを備える。
【0069】
斯かる構成によれば、現場の作業機11が作業不能になった場合に、現場に補充する作業機及び作業員のデータが演算される。これにより、現場の作業機11が作業不能になった場合に対応することができる。しかも、作業機及び作業員を補充することができるため、フレキシブルに対応することもできる。
【0070】
また、本実施形態に係る作業管理システム10は、現場の作業機11が作業不能になった場合に、当該作業機11が作業すべき残りの作業面積を演算する残面積演算部33bをさらに備え、前記補充演算部33cは、前記残面積演算部33bで演算された面積が第1設定値を超える場合に、現場に前記作業機を補充することを優先するように、演算する、という構成である。
【0071】
斯かる構成によれば、作業不能となった現場の作業機11が作業すべき残りの作業面積が、第1設定値を超える場合に、現場に作業機を補充することが優先される。これにより、現場の作業機11が作業不能になった場合に、適切に対応することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る作業管理システム10は、前記補充演算部33cは、前記残面積演算部33bで演算された面積が前記第1設定値よりも小さい第2設定値以下である場合に、現場の作業員の作業可能な工程と作業能力とを含む現場員データに基づいて、前記現場の作業員で作業することを優先するように、演算する、という構成である。
【0073】
斯かる構成によれば、作業不能となった現場の作業機11が作業すべき残りの作業面積が、第1設定値よりも小さい第2設定値以下である場合に、現場の作業員で作業することが優先される。これにより、現場の作業機11が作業不能になった場合に、適切に対応することができる。
【0074】
なお、作業管理システム10及び作業管理方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、作業管理システム10及び作業管理方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0075】
(1)上記実施形態に係る作業管理システム10及び作業管理方法においては、作業不能となった現場の作業機11が作業すべき残りの作業面積に基づいて、補充演算部33cは、補充機優先演算、補充員優先演算及び現場員優先演算を実行する、という構成である。しかしながら、作業管理システム10及び作業管理方法は、斯かる構成に限られない。例えば、補充演算部33cは、他の条件(例えば、コスト等)に基づいて、補充機優先演算、補充員優先演算及び現場員優先演算を実行する、という構成でもよい。
【0076】
(2)また、上記実施形態に係る作業管理システム10及び作業管理方法においては、第1設定値と、第1設定値よりも小さい第2設定値とが存在する、という構成である。しかしながら、作業管理システム10及び作業管理方法は、斯かる構成に限られない。例えば、第1設定値と第2設定値とは、同じ値である、という構成でもよい。また、例えば、第1設定値及び第2設定値のうち、少なくとも一方は、存在しない、という構成でもよい。
【0077】
(3)また、作業管理システム10及び作業管理方法においては、現場の作業機11が作業不能になった場合のみに、補充演算部33cは、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算する、という構成に限られない。
【0078】
例えば、作業実績が作業計画データから遅延した場合にも、補充演算部33cは、現場に補充する作業機及び作業員のデータを演算する、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、作業実績データが入力部2に入力されたり、作業実績データが現場機11から送信されたりすることによって、計画演算部33aは、当該作業実績データに基づいて、作業計画を演算して更新する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…作業管理装置、2…入力部、3…処理部、4…出力部、10…作業管理システム、11…現場機、12…記憶装置、13…処理装置、14…補充機管理装置、15…補充員管理装置、20…通信手段、31…取得部、32…記憶部、32a…計画記憶部、32b…現場機記憶部、32c…現場員記憶部、32d…補充機記憶部、32e…補充員記憶部、33…演算部、33a…計画演算部、33b…残面積演算部、33c…補充演算部、34…制御部、41…表示出力部、42…外部出力部
図1
図2
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図9