(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089293
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ゴルフ練習器具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A63B69/36 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201585
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】520478600
【氏名又は名称】株式会社スエーニョ
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 信矢
(72)【発明者】
【氏名】樋下田 雅之
(57)【要約】
【課題】特にウェッジのスイングの練習に有効なゴルフ練習器具を提供する。
【解決手段】本発明に係るゴルフ練習器具は、シャフトと、前記シャフトの先端部に接続されたウェッジヘッドと、前記シャフトの中間部に設置された第一のグリップとを有するゴルフ練習器具であって、60度法で計測した前記ゴルフ練習器具の前記第一のグリップ先端までの長さをH
0(インチ)とし、60度法で計測した前記ゴルフ練習器具全体の長さをH
1(インチ)としたとき、4.0≦H
1-H
0≦10.0を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトの先端部に接続されたウェッジヘッドと、
前記シャフトの中間部に設置された第一のグリップと
を有するゴルフ練習器具であって、
60度法で計測した前記ゴルフ練習器具の前記第一のグリップ先端までの長さをH0(インチ)とし、60度法で計測した前記ゴルフ練習器具全体の長さをH1(インチ)としたとき、下記式(1):
4.0≦H1-H0≦10.0 (1)
を満たす
ゴルフ練習器具。
【請求項2】
前記シャフトの基端部に設置された第二のグリップ
をさらに有する
請求項1に記載のゴルフ練習器具。
【請求項3】
さらに、下記式(2):
32.0≦H0≦38.0 (2)
を満たす
請求項1又は2に記載のゴルフ練習器具。
【請求項4】
さらに、下記式(3):
36.0≦H1≦48.0 (3)
を満たす
請求項1~3のいずれか1項に記載のゴルフ練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にウェッジのスイングの練習に有効なゴルフ練習器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブのうち飛距離が100ヤード以下程度となるピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジ、ロブウェッジなどのウェッジは、一般にシャフトが短いこともあり、そのスイングは窮屈な形になりがちである。ウェッジのスイングを練習するためには、いわゆる懐の広さを意識する必要があり、そのためのゴルフ練習器具が求められている。
【0003】
特許文献1には、ゴルフクラブのグリップ側に着脱可能に連結されて、前記ゴルフクラブのクラブヘッドに対して反対側に延びるとともに、前記ゴルフクラブと一体的にスイングされる延長部が形成され、前記ゴルフクラブをスイングする者のスイング方向の胴体側部に、前記スイングの後半に前記延長部が接触することにより、前記ゴルフクラブを握る手首の返りを防止ないしは抑制するゴルフ練習器具が記載されている。より具体的には、特許文献1には、ゴルフクラブのグリップに、その外形形状に沿うような凹部を有した円弧状断面の装着部を装着し、止め部材を用いて装着部を固定したゴルフ練習器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたゴルフ練習器具では、スイングの練習をする際にグリップを握ると、通常のゴルフクラブには存在しない装着部及び/又は止め部材も一緒に握らなければならない。そうすると、ゴルフ練習器具を使った練習時に思いどおりのスイングができたとしても、実際にゴルフ場でゴルフクラブを使う場面では、グリップを握った手のひらで感じる微妙な感触の違いから、思いどおりのスイングができないという事態を招くことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、特にウェッジのスイングの練習に有効なゴルフ練習器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゴルフ練習器具は、
シャフトと、
前記シャフトの先端部に接続されたウェッジヘッドと、
前記シャフトの中間部に設置された第一のグリップと
を有し、
60度法で計測した前記ゴルフ練習器具の前記第一のグリップ先端までの長さをH0(インチ)とし、60度法で計測した前記ゴルフ練習器具全体の長さをH1(インチ)としたとき、下記式(1):
4.0≦H1-H0≦10.0 (1)
を満たす。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特にウェッジのスイングの練習に有効なゴルフ練習器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフ練習器具の構成を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るゴルフ練習器具の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るゴルフ練習器具は、特にウェッジのスイングの練習に使用するものである。なお、ウェッジには、一般に、ランニングアプローチで転がすのに有効なピッチングウェッジ(PW)、ピッチ&ランが打ちやすいアプローチウェッジ(AW)、バンカーからゴルフボールを脱出しやすくするサンドウェッジ(SW)、ロブショットが打ちやすいロブウェッジ(LW)があり、各クラブのロフト角θLは、PWが44~47°、AWが48~53°、SWが55~58°、LWが60~64°が一般的である。
【0011】
本発明の一実施形態に係るゴルフ練習器具の構成を
図1及び
図2に示す。
図1及び
図2に示すゴルフ練習器具1は、シャフト11と、シャフト11の先端部に接続されたウェッジヘッド12と、シャフト11の中間部に設置された第一のグリップ13とを有している。シャフト11、ウェッジヘッド12、及び第一のグリップ13は、通常のゴルフクラブ(ウェッジ)で使用されるシャフト、ウェッジヘッド、及びグリップと同様のものを利用できる。
【0012】
ただし、第一のグリップ13は、シャフト11の中間部に設置されている。すなわち、第一のグリップ13の先端(基端)から、シャフト11は飛び出ている状態である。このようなゴルフ練習器具1の第一のグリップ13を握ってスイングすると、利用者は、第一のグリップ13の基端側から飛び出ている部分が身体にぶつからないように注意することから、窮屈なスイングになりにくく、自然に懐を広く取るようになるように矯正することができる。
【0013】
また、ゴルフ練習器具1は、
図1及び
図2に示すように、さらに、シャフト11の基端部に設置された第二のグリップ14を有していることが好ましい。こうすることで、第一のグリップ13を握ってスイングする際、第一のグリップ13の基端側から飛び出ている部分が身体にぶつかった場合の衝撃を和らげることができる。また、第二のグリップ14を握ることで、通常のウェッジよりも長いゴルフ練習器具1としてスイングする練習をすることもできる。なお、シャフト11の基端部には、より衝撃を和らげる観点から、第二のグリップ14の代わりに、又は第二のグリップ14とともに、ゴムなどで形成された球状物を取り付けてもいい。
【0014】
本発明では、
図2に示すように、60度法で計測したゴルフ練習器具1の第一のグリップ13先端までの長さをH
0(インチ)とし、60度法で計測したゴルフ練習器具1全体の長さをH
1(インチ)としたとき、下記式(1):
4.0≦H
1-H
0≦10.0 (1)
を満たす。すなわち、第一のグリップ13の先端から飛び出ている部分の長さH
1-H
0を4.0~10.0インチとする。こうすることで、特にウェッジのスイングの練習に有効なものとなる。H
1-H
0の下限値に関しては、4.5以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましく、5.5以上であることが更に好ましい。また、H
1-H
0の上限値に関しては、9.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましく、7.0以上であることが更に好ましい。本発明の一実施形態としては、例えば、H
1-H
0を6.0とすることができる。
【0015】
60度法で計測したゴルフ練習器具1の第一のグリップ13先端までの長さをH0(インチ)は、通常のウェッジと同様にすることが好ましいことから、下記式(2):
32.0≦H0≦38.0 (2)
を満たすことが好ましい。H0の下限値に関しては、33.0以上であることが好ましく、34.0以上であることがより好ましい。また、H0の上限値に関しては、37.0以下であることが好ましく、36.0以下であることがより好ましい。本発明の一実施形態としては、例えば、H0を35.0とすることができる。
【0016】
前述のとおり、第一のグリップ13の先端から飛び出ている部分の長さH1-H0を4.0~10.0インチとすることから、60度法で計測したゴルフ練習器具1全体の長さをH1(インチ)は、下記式(3):
36.0≦H1≦48.0 (3)
を満たすことが好ましい。H1の下限値に関しては、38.0以上であることが好ましく、40.0以上であることがより好ましい。また、H1の上限値に関しては、45.0以下であることが好ましく、42.0以下であることがより好ましい。本発明の一実施形態としては、例えば、H1を41.0とすることができる。
【0017】
以上のような本発明に係るゴルフ練習器具は、特にウェッジのスイングの練習に有効である。特に、過度の緊張から震えや硬直を起こして思うようなプレーができなくなるイップスという症状を持つゴルファーの練習用として有効である。なお、本発明に係るゴルフ練習器具は、ウェッジよりも飛距離の出るゴルフクラブ(ウッド、アイアン、ユーティリティ)のスイングの練習にも転用可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 ゴルフ練習器具
11 シャフト
12 ウェッジヘッド
13 第一のグリップ
14 第二のグリップ
θL ロフト角
H0 ゴルフ練習器具の第一のグリップ先端までの長さ
H1 ゴルフ練習器具全体の長さ