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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089307
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】リクローズラベル、蓋体および包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/36 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
B65D77/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201614
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000229519
【氏名又は名称】日本ハム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】高木 智弘
(72)【発明者】
【氏名】植田 泰士
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB01
3E067AB77
3E067AB81
3E067AB83
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067EA09
3E067EB11
3E067EB17
3E067EB19
3E067EB29
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】未開封状態であることを確実に確認可能なリクローズラベル、蓋体および包装体を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るリクローズラベルは、収容物を取り出すための取出口を開封および再封可能なリクローズラベルであり、摘み部とラベル本体とを備え、ラベル本体は摘み部寄りに未開封顕示部を有し、未開封顕示部は、取出口の未開封状態から開封する際の剥離に応じてラベル本体の破断を誘発する破断誘発線と、上記破断を停止するための破断停止線とを有し、破断誘発線と破断断停止線それぞれは開封方向に対して非平行であり、開封方向からみて、破断誘発線の内側の端部は、破断停止線の内側の端部と同じ位置または破断停止線の内側の端部より外側に位置しており、破断誘発線の外側の端部は、破断停止線と離間しており、開封方向からみて、破断誘発線の外側の端部は、破断停止線の外側の端部より内側に位置している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を取り出すための取出口が形成される支持部材に貼合されるとともに、前記取出口を開封および再封可能なリクローズラベルであって、
開封の起点となる摘み部と、
開封方向において前記摘み部と隣接しているラベル本体と、
を備え、
前記ラベル本体は、前記摘み部寄りに、前記取出口が未開封状態であることを示す未開封顕示部を有し、
前記未開封顕示部は、
前記取出口の未開封状態から開封する際の剥離に応じて前記ラベル本体の破断を誘発する破断誘発線と、
前記開封方向において、前記破断誘発線からみて前記摘み部と反対側に配置されており、前記破断を停止するための破断停止線と、
を有し、
前記破断誘発線および前記破断停止線それぞれは、前記開封方向に対して非平行であり、
前記開封方向からみて、前記破断誘発線における内側の端部は、前記破断停止線における内側の端部と同じ位置または前記破断停止線における内側の端部より外側に位置しており、
前記破断誘発線における外側の端部は、前記破断停止線と離間しており、
前記開封方向からみて、前記破断誘発線における外側の端部は、前記破断停止線における外側の端部より内側に位置している、
リクローズラベル。
【請求項2】
前記ラベル本体を平面視した場合において、前記破断誘発線における内側の端部は、前記破断停止線における内側の端部と重なっている、
請求項1に記載のリクローズラベル。
【請求項3】
前記破断誘発線および前記破断停止線は、切込線であり、
前記破断停止線における外側の端部は前記破断停止線における内側の端部より前記開封方向において前記摘み部と反対側に位置している、
請求項1または2に記載のリクローズラベル。
【請求項4】
前記ラベル本体は、前記破断停止線からみて前記摘み部と反対側に配置されており、前記破断停止線における外側の端部から生じる前記ラベル本体の破断を外方向に誘導する第1破断誘導部を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載のリクローズラベル。
【請求項5】
前記第1破断誘導部は、前記開封方向に対して非平行な複数の破断誘導線を有し、
前記複数の破断誘導線は、前記開封方向に沿って離間して配置されており、
前記開封方向において隣接する2つの破断誘導線のうち前記摘み部側の破断誘導線を第1破断誘導線と称し、前記第1破断誘導線に対して前記摘み部と反対の破断誘導線を第2破断誘導線と称した場合、
前記第1破断誘導線における外側の部分と、前記第2破断誘導線における内側の部分は前記開封方向からみて重なっている、
請求項4に記載のリクローズラベル。
【請求項6】
前記破断停止線および前記複数の破断誘導線は、互いに平行な直線であり、
前記複数の破断誘導線の配置関係は、前記第2破断誘導線からみて、前記第1破断誘導線の外側の部分と、前記第2破断誘導線の内側の部分との重なり領域における前記第1破断誘導線および前記第2破断誘導線の間隔および前記重なり領域における前記第2破断誘導線に平行な方向の長さそれぞれは、前記第2破断誘導線の長さの1/10~1/3であるという配置条件を満たしており、
前記破断停止線を前記第1破断誘導線とみなし、前記複数の破断誘導線のうち最も前記破断停止線側の破断誘導線を前記第2破断誘導線とみなした場合、前記破断停止線と前記第1破断誘導線の配置関係は、前記配置条件を満たしている、
請求項5に記載のリクローズラベル。
【請求項7】
前記ラベル本体は、前記摘み部と反対の端部寄りに配置されており、前記ラベル本体の側縁部から前記ラベル本体の一部を破断するように前記側縁部で生じる破断を前記ラベル本体の内側に向けて誘導する第2破断誘導部を有する、
請求項1~6の何れか一項にお記載のリクローズラベル。
【請求項8】
収容物を取り出すための取出口となるべき取出口予定部を規定する切込部が形成されている支持部材と、
前記支持部材に貼合される請求項1~7の何れか一項に記載のリクローズラベルと、
を備え、
前記リクローズラベルは、前記切込部を前記ラベル本体が覆うように前記支持部材に貼合されており、
前記未開封顕示部は、前記ラベル本体において前記切込部に対応する領域と前記摘み部との間に形成されている、
蓋体。
【請求項9】
前記切込部は、前記リクローズラベルが剥離され且つ前記取出口の開封状態において、前記リクローズラベルの戻りを抑制するように構成されている、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項10】
請求項1~7の何れか一項に記載のリクローズラベルを備える、包装体。
【請求項11】
請求項8また9に記載の蓋体を備える、包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リクローズラベル、蓋体および包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
収容物を収容した包装体から収容物を取り出すために取出口を形成すべき領域に貼合されたラベルを剥離することで取出口を形成する技術がある(特許文献1参照)。このような包装体では、ラベルを再度貼合することで取出口を再封できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-24972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベルの剥離および再貼合で取出口を開封および再封できる場合、たとえば、商品として商品棚に包装体が配置されている場合、悪戯、収容されている収容物の確認などの目的で商品購入前にラベルが剥離される場合がある。この場合、ラベルが剥離された包装体内の収容物は商品として販売できない。
【0005】
本発明の一側面の目的は、未開封状態であることを確実に確認可能なリクローズラベル、蓋体および包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るリクローズラベルは、収容物を取り出すための取出口が形成される支持部材に貼合されるとともに、上記取出口を開封および再封可能なリクローズラベルであって、開封の起点となる摘み部と、開封方向において上記摘み部と隣接しているラベル本体と、を備え、上記ラベル本体は、上記摘み部寄りに、上記取出口が未開封状態であることを示す未開封顕示部を有し、上記未開封顕示部は、上記取出口の未開封状態から開封する際の剥離に応じて上記ラベル本体の破断を誘発する破断誘発線と、上記開封方向において、上記破断誘発線からみて上記摘み部と反対側に配置されており、上記破断を停止するための破断停止線と、を有し、上記破断誘発線および上記破断停止線それぞれは、上記開封方向に対して非平行であり、上記開封方向からみて、上記破断誘発線における内側の端部は、上記破断停止線における内側の端部と同じ位置または上記破断停止線における内側の端部より外側に位置しており、上記破断誘発線における外側の端部は、上記破断停止線と離間しており、上記開封方向からみて、上記破断誘発線における外側の端部は、上記破断停止線における外側の端部より内側に位置している。
【0007】
上記リクローズラベルを上記支持部材に貼合した状態で、取出口を開封するために摘み部から剥離した場合、未開封顕示部が有する破断誘発線まで剥離されると、破断誘発線によってラベル本体の破断が誘発される。上記開封方向からみて、上記破断誘発線における内側の端部は、上記破断停止線における内側の端部と同じ位置または上記破断停止線における内側の端部より外側に位置している。上記開封方向からみて、上記破断誘発線における外側の端部は、上記破断停止線における外側の端部より内側に位置している。したがって、破断誘発線によって誘発された破断は、破断停止線で受けられ、停止される。破断誘発線で誘発された破断は、取出口を再封するためにリクローズラベルを上記支持部材に再度貼合してもリクローズラベルに残っている。すなわち、上記リクローズラベルでは、取出口が未開封状態は、上記破断の痕が存在するか否かで確実に確認できる。換言すれば、未開封顕示部において破断の痕が確認できない場合、未開封であることが示されている。
【0008】
上記ラベル本体を平面視した場合において、上記破断誘発線における内側の端部は、上記破断停止線における内側の端部と重なっていてもよい。この場合、上記破断誘発線における外側の端部の位置で破断が誘発される。
【0009】
上記破断誘発線および上記破断停止線は、切込線であり、上記破断停止線における外側の端部は上記破断停止線における内側の端部より上記開封方向において上記摘み部と反対側に位置していてもよい。この場合、前述したように、破断誘発線から破断が生じた場合、破断誘発線と破断停止線との間であって、開封方向からみて、破断誘発線および破断停止線の重なる部分がラベル本体から切り離される。上記破断停止線における外側の端部と内側の端部の上記位置関係により、破断誘発線から生じ且つ破断停止線で受けられた破断は、外方向に伝播する。
【0010】
上記ラベル本体は、上記破断停止線からみて上記摘み部と反対側に配置されており、上記破断停止線における外側の端部から生じる上記ラベル本体の破断を外方向に誘導する第1破断誘導部を有していてもよい。この場合、上記破断停止線における外側の端部から上記ラベル本体の破断が生じても、第1破断誘導部で外方向により確実に破断が誘導される。したがって、リクローズラベル(具体的にはラベル本体)の内側に向けた破断を防止できるので、リクローズラベル(具体的にはラベル本体)がたとえば取出口を再封不可のように破損することを防止できる。
【0011】
上記第1破断誘導部は、上記開封方向に対して非平行な複数の破断誘導線を有し、上記複数の破断誘導線は、上記開封方向に沿って離間して配置されており、上記開封方向において隣接する2つの破断誘導線のうち上記摘み部側の破断誘導線を第1破断誘導線と称し、上記第1破断誘導線に対して上記摘み部と反対の破断誘導線を第2破断誘導線と称した場合、上記第1破断誘導線における外側の部分と、上記第2破断誘導線における内側の部分は上記開封方向からみて重なっていてもよい。この場合、上記破断停止線における外側の端部から生じる上記ラベル本体の破断を、複数の破断誘導線に順に伝播させて外方向に誘導できる。
【0012】
上記破断停止線および上記複数の破断誘導線は、互いに平行な直線であり、上記複数の破断誘導線の配置関係は、上記第2破断誘導線からみて、上記第1破断誘導線の外側の部分と、上記第2破断誘導線の内側の部分との重なり領域における上記第1破断誘導線および上記第2破断誘導線の間隔および上記重なり領域における上記第2破断誘導線に平行な方向の長さそれぞれは、上記第2破断誘導線の長さの1/10~1/3であるという配置条件を満たしており、上記破断停止線を上記第1破断誘導線とみなし、上記複数の破断誘導線のうち最も上記破断停止線側の破断誘導線を上記第2破断誘導線とみなした場合、上記破断停止線と上記第1破断誘導線の配置関係は、上記配置条件を満たしていてもよい。
これにより、上記破断停止線における外側の端部から生じる上記ラベル本体の破断をより確実に外方向に誘導できる。
【0013】
上記ラベル本体は、上記摘み部と反対の端部寄りに配置されており、上記ラベル本体の側縁部から上記ラベル本体の一部を破断するように上記側縁部で生じる破断を上記ラベル本体の内側に向けて誘導する第2破断誘導部を有してもよい。
もよい。
【0014】
この場合、上記リクローズラベルを上記支持部材に貼合した後、取出口を開封するために摘み部からリクローズラベルを剥離した場合、上記第2破断誘導部まで剥離されると、ラベル本体の側縁部から内側に向けてラベル本体の一部が破断する。破断された部分は、リクローズラベルのうち剥離されておらず支持部材に貼合されている部分の影響を受け難い。そのため、リクローズラベルのうち剥離された部分が、元に戻る(取出口を再封する方向に移動する)ことが抑制される。
【0015】
本発明の他の側面に係る蓋体は、収容物を取り出すための取出口となるべき取出口予定部を規定する切込部が形成されている支持部材と、上記支持部材に貼合される上記リクローズラベルと、を備え、上記リクローズラベルは、上記切込部を上記ラベル本体が覆うように上記支持部材に貼合されており、上記未開封顕示部は、上記ラベル本体において上記切込部に対応する領域と上記摘み部との間に形成されていてもよい。
【0016】
上記蓋体では、取出口を開封するために摘み部から剥離した場合、未開封顕示部が有する破断誘発線まで剥離されると、破断誘発線によってラベル本体の破断が誘発される。上記開封方向からみて、上記破断誘発線における内側の端部は、上記破断停止線における内側の端部と同じ位置または上記破断停止線における内側の端部より外側に位置している。上記開封方向からみて、上記破断誘発線における外側の端部は、上記破断停止線における外側の端部より内側に位置している。したがって、破断誘発線によって誘発された破断は、破断停止線で受けられ、停止される。破断誘発線で誘発された破断は、取出口を再封するためにリクローズラベルを上記支持部材に再度貼合してもリクローズラベルに残っている。すなわち、上記蓋体では、取出口が未開封状態は、上記破断の痕が存在するか否かで確実に確認できる。換言すれば、未開封顕示部において破断の痕が確認できない場合、未開封であることが示されている。
【0017】
上記切込部は、上記リクローズラベルが剥離され且つ上記取出口の開封状態において、上記リクローズラベルの戻りを抑制するように構成されていてもよい。これにより、取出口の開封状態において、リクローズラベルが自動的に取出口を塞ぐように戻ることを抑制できる。その結果、取出口から収容物を取り出し易い。
【0018】
本発明の更に他の側面に係る包装体は、上記リクローズラベルまたは上記蓋体を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面によれば、未開封状態であることを確実に確認可能なリクローズラベル、蓋体および包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第1実施形態に係るリクローズラベルを備えた包装体の斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、リクローズラベルが剥離され取出口が形成された包装体の断面図である。
図4図4は、一実施形態に係る蓋体の平面図である。
図5図5は、図4に示した蓋体が有するベースフィルムの層構成を説明するための図面である。
図6図6は、図4に示した蓋体が有するリクローズラベルの層構成を説明するための図面である。
図7図7は、図4に示したリクローズラベルが有する未開封顕示部(開口形成部)を説明するための図面である。
図8図8は、リクローズラベルが剥離されたベースフィルムの平面図である。
図9図9は、剥離されたリクローズラベルを裏側(ベースフィルムに貼合される側)からみた図面である。
図10図10は、図4に示したリクローズラベルが有する第1破断誘導部を説明するための図面である。
図11図11は、第1破断誘導部による破断の誘導方向を説明するための図面である。
図12図12は、図4に示したリクローズラベルが有する第2破断誘導部を説明するための図面である。
図13図13は、リクローズラベルの他の実施形態を説明するための図面である。
図14図14は、未開封顕示部の変形例を説明するための図面である。
図15図15の(a)は、未開封顕示部の他の変形例を説明するための図面であり、図15の(b)は、未開封顕示部の更に他の変形例を説明するための図面である。
図16図16は、実施例1で準備したベースフィルムおよびリクローズラベルを示す平面図である。
図17図17は、実施例1における未開封顕示部および第1破断誘導部を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、一実施形態に係るリクローズラベルを備えた包装体の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図1および図2に示したように、包装体1は、収容物2を収容する収容容器3と、収容容器3の開口を塞ぐ蓋体4とを備える。収容物2の例は、食品、ウェットティッシュ、化粧品などである。図2では、シート状の収容物2を例示しているが、収容物2の形状はシート状に限らない。
【0023】
収容容器3は、底壁5および底壁5の周囲に設けられた側周壁6を有する収容部7と、側周壁6における底壁5と反対側の端部から外側に張り出したフランジ部8とを有する。本実施形態において、底壁5の平面視形状およびそれに応じた収容容器3の平面視形状は、図1に示したように、長方形である。しかしながら、収容容器3の平面視形状は、円形、楕円形、多角形などでもよい。収容容器3の材料は、蓋体4と接合可能であり、且つ、収容物2を適切に収容可能な材料であればよい。収容容器3は、たとえばプラスチック製である。
【0024】
蓋体4は、ベースフィルム(支持部材)10にリクローズラベル20が積層された部材である。ベースフィルム10は、収容容器3の開口を塞ぐようにフランジ部8に接合されている。リクローズラベル20は、包装体1を開封および再封可能に、ベースフィルム10に貼合されている。
【0025】
包装体1から収容物2を取り出す場合、リクローズラベル20が有する摘み部21を持ち上げながら包装体1において予め設定されている(たとえば印刷などで表示されている)開封方向D1に沿ってリクローズラベル20を剥離する。これにより、図3に示したように、包装体1から収容物2を取り出すための取出口11がベースフィルム10に形成される。具体的には、リクローズラベル20の剥離に伴い、ベースフィルム10のうち取出口11となる領域が、フィルム片12としてリクローズラベル20側に引き起こされることによって、取出口11が形成される。
【0026】
本実施形態では、開封方向D1において、リクローズラベル20およびフィルム片12のうち開封端と反対側の端側は、ベースフィルム10との貼合状態が維持される。この取出口11を形成した状態におけるリクローズラベル20およびフィルム片12とベースフィルム10との連結部が蝶番として機能するため、リクローズラベル20を再度ベースフィルム10に貼合することで、取出口11を確実に再封できる。
【0027】
以下、説明の便宜のため、開封方向D1において、摘み部21側を前側とも称し、摘み部21と反対側を後側とも称す。
【0028】
図4を参照して、蓋体4を更に説明する。蓋体4は、ベースフィルム10とリクローズラベル20とを有する。
【0029】
ベースフィルム10は、収容容器3側にシーラント層を有するフィルムである。ベースフィルム10の平面視形状は、収容容器3の平面視形状と同じでよい。本実施形態では、ベースフィルム10の平面視形状は、長方形である。本実施形態において、ベースフィルム10の長手方向の長さL1の例は、100mm~300mmであり、短手方向の長さL2の例は、50mm~450mmである。平面視において、ベースフィルム10の周縁は、収容容器3の周縁(フランジ部8の縁部)より外側にはみ出していてもよい。
【0030】
以下で説明する各種長さ及び距離などの例は、断らない限り、本実施形態(特に図4に示した形態)におけるベースフィルム10およびリクローズラベル20の構成に基づいたものである。
【0031】
ベースフィルム10は、取出口11となるべき取出口予定部14を規定する切込部13を有する。切込部13は、平面視において、後側(摘み部21と反対側)の一部が開いている開環状を呈する。切込部13の内側が、取出口11が形成される取出口予定部14であり、フィルム片12となる部分でもある。
【0032】
切込部13は、開封方向D1に延びる第1切込線131と、第1切込線131と対向しており且つ第1切込線131と平行な第2切込線132と、第1切込線131の前端部と第2切込線132の前端部を連結する第3切込線133と、第1切込線131の後端部から第2切込線132側に延びる第4切込線134と、第2切込線132の後端部から第1切込線131側に延びる第5切込線135とを有する。本実施形態において開封方向D1は、ベースフィルム10(またはリクローズラベル20)の長手方向である。
【0033】
第1~第5切込線131~135は、リクローズラベル20をベースフィルム10から剥離した場合、剥離に伴ってフィルム片12を形成可能な線である。第1~第5切込線131~135は、ベースフィルム10の厚さ方向に全貫通した切込線でもよいし、または半貫通(ハーフカット)状態の切込線でよい。第1~第5切込線131~135は、連続した切込線でもよいし、ミシン目状の切込線(以下、単に「ミシン線」と称す)でもよい。第1~第5切込線131~135は、たとえば刃物加工で形成され得る。
【0034】
本実施形態では、第3切込線133は前側に凸となるように湾曲している。第4切込線134は、開封方向D1に直交する方向に平行な平行領域を有し、その平行領域の第2切込線132側の端から前側に折り返されている。同様に、第5切込線135は、開封方向D1に直交する方向に平行な平行領域を有し、その平行領域の第1切込線131側の端から前側に折り返されている。第4切込線134および第5切込線135における上記平行領域は同一直線上に位置し、切込部13の後端部(または取出口11の後端部)に相当する。第4切込線134および第5切込線135において折り返された部分の長さは同じである。したがって、第4切込線134の端部134aと第5切込線135の端部135aは、開封方向D1に直交する方向に沿って同一直線上に位置する。端部134aは、第4切込線134における第1切込線131の後端部と反対側の端部であり、端部135aは、第5切込線135における第2切込線132の後端部と反対側の端部である。
【0035】
切込部13の開封方向D1の長さL3(取出口11の開封方向D1の長さに相当)の例は、30mm~230mmである。長さL3は、第3切込線133の頂部(最もベースフィルム10の前端部側に位置する部分)と、切込部13の後端部までの距離である。
切込部13の開封方向D1に直交する方向の長さL4の例は、30mm~130mmである。長さL4は、第1切込線131と第2切込線132との間の距離である。
端部134aと端部135aとの間の長さL5の例は、3mm~120mmである。
【0036】
ベースフィルム10の厚さの例は、30μm~150μmである。ベースフィルム10は、図5に示したように、シーラント層101と、シーラント層101に積層されたバリア性を有する基材102とを有する積層フィルムである。図5は、図2に示した領域Aにおけるベースフィルム10の部分を示している。
【0037】
シーラント層101は、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体、アイオノマー等によって形成される層である。シーラント層には、シーラント層の材料の加工性、熱安定性などを考慮して、必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防雲剤、粘着調整剤、充填剤、着色剤などの添加剤等が添加されていてもよい。
【0038】
バリア性を有する基材102は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムであるポリビニルアルコール(PVA)フイルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)フイルムとポリ塩化ビニリデン系樹脂フイルムでポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂の押出しフイルムあるいは各種プラスチックフイルムにポリ塩化ビニリデンコーティングしたKコートフイルム等である。基材102は、シリカ、アルミナ、アルミまたはスズが蒸着されたフィルムでもよい。基材102は延伸されていてもよい。
【0039】
ベースフィルム10は、基材102上に他の基材を有してもよい。他の基材の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP:Oriented PolyPropylene)フィルム、紙シート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、セロハンフィルムなどである。
【0040】
上記構成のベースフィルム10では、リクローズラベル20を剥離することによって、切込部13の内側が、切込部13の外側から分離される。これにより、図3に示したように切込部13の内側部分がフィルム片12としてリクローズラベル20とともに引き上げられ、ベースフィルム10に取出口11が形成される。すなわち、包装体1が開封される。更に、リクローズラベル20を再度ベースフィルム10に貼合することで、フィルム片12が取出口11を塞ぎ、包装体1が再封される。
【0041】
切込部13は、開封方向D1における後端部側で一部が開いた開環状を呈することから、フィルム片12とベースフィルム10との連結状態は維持される。したがって、リクローズラベル20は、ベースフィルム10から完全に分離されず、図3を用いて説明した蝶番に相当する部分が存在する。よって、リクローズラベル20を再度ベースフィルム10に貼合した際、容易に取出口11を塞ぎ易い。
【0042】
切込部13は、端部134a近傍および端部135a近傍で前側に折り返された第4切込線134および第5切込線135を有する。そのため、フィルム片12とベースフィルム10との連結部分におけるフィルム片12の開封方向D1に直交する方向の長さ(たとえば長さL5)が、切込部13における開封方向D1に直交する方向の長さL7より短い。そのため、開封状態におけるリクローズラベル20がフィルム片12に引っ張られて戻ることが抑制されている。すなわち、第4切込線134および第5切込線135を有する切込部13は、開封状態におけるリクローズラベル20の戻りを抑制する構成を有する。
【0043】
このようなリクローズラベル20の戻り抑制を実現するために、長さL5は、たとえば、ベースフィルム10およびリクローズラベル20の剛性、切込部13の大きさなどを勘案して設定されればよい。
【0044】
図4を利用してリクローズラベル20を説明する。リクローズラベル20は、再封性を有するラベルであり、包装体1を開封および再封可能に、ベースフィルム10に貼合されている。リクローズラベル20は、摘み部21とラベル本体22とを有する。リクローズラベル20は、ベースフィルム10側に粘着層を有するフィルムであって、粘着層のうち摘み部21に対応する領域上に糊殺し層が形成されたフィルムである。
【0045】
摘み部21は、包装体1を開封または再封する際にリクローズラベル20をユーザが指で摘まむ部分である。摘み部21は、開封時の起点となる部分である。摘み部21は、包装体1において予め設定してある開封方向D1においてリクローズラベル20の一端部を含む部分である。本実施形態において、摘み部21は台形状である。
【0046】
ラベル本体22は、取出口予定部14を覆う部分であり、開封方向D1において摘み部21に隣接しているとともに、摘み部21に一体化している。本実施形態において、ラベル本体22は、台形形状の摘み部21から連続した台形状の部分と、その台形状の部分の底辺を短辺とする長方形の部分とが繋がった形状を有する。したがって、ラベル本体22の側縁部22aと側縁部22b(側縁部22aに対向する側縁部)は、開封方向D1に平行な領域と、摘み部21に向けて傾斜した領域とを有する。
【0047】
リクローズラベル20の開封方向D1に沿った長さL6の例は、50mm~250mmである。
リクローズラベル20の開封方向D1に直交する方向の長さL7の例は、50mm~150mmである。
長さL6は、摘み部21の前端部と、ラベル本体22の後端部との間の距離である。長さL7は、側縁部22aと側縁部22bにおいて開封方向D1に平行な領域間の距離である。
【0048】
リクローズラベル20の厚さの例は、65μm~120μmである。リクローズラベル20は、図6に示したように、粘着層201、粘着層201を支持する基材202と、基材202に積層された印刷層203と、印刷層203に積層されておりバリア性を有する基材204とを有する積層体である。積層体は、たとえばラミネート加工によって形成され得る。
【0049】
粘着層201は、リクローズラベル20をベースフィルム10に貼合するための層であり、粘着剤によって形成されている。粘着剤としては、たとえば、溶剤型、エマルジョン型若しくは無溶剤型(オリゴマー型、ホットメルト型)のアクリル酸エステル共重合体系粘着剤、天然ゴムまたは合成ゴムに粘着付与樹脂を配合してえられる溶剤型若しくはホットメルト型粘着剤、カレンダー塗工粘着剤、シリコン系粘着剤、ポリエーテルやジエン系のオリゴマに粘着付与樹脂を配合してえられる液状硬化型の粘着剤、その他の粘着剤が挙げられる。
基材202としては、たとえば、OPPフィルム、 紙シート、PETフィルムが挙げられる。
印刷層203は、印刷基材に印刷加工が施された層である。印刷基材としては、たとえば、PETフイルムまたはポリアミドフイルム等の印刷適性の良いプラスチック樹脂フィルムである。印刷層203には、たとえば、図柄、開封方向D1を示す矢印などが印刷される。
バリア性を有する基材204の例は、基材102の場合と同様である。
ここでは、印刷層203を上記のように印刷基材に印刷加工が施された層として説明したが、たとえば、基材202または基材204に印刷加工が施されていてもよい。
【0050】
図6に示したように、摘み部21における粘着層201上には、糊殺し層205が形成されている。糊殺し層205は、ニス等によって形成されている。これにより、摘み部21は粘着性を有さない。糊殺し層205は、粘着層201に糊殺し処理を施すことによって形成され得る。糊殺し処理とは、部分的に粘着力を封じる処理であり、糊殺し処理としては、例えば、粘着層にインク又はニス等を印刷する処理が挙げられる。
【0051】
[未開封顕示部]
図4に戻って、リクローズラベル20を更に説明する。リクローズラベル20(具体的にはラベル本体22)は、2つの未開封顕示部23を有する。
【0052】
未開封顕示部23は、ラベル本体22のうち取出口予定部14に対応する領域より外側において摘み部21寄りに設けられている。2つの未開封顕示部23を区別して説明する場合、2つの未開封顕示部23を未開封顕示部23Aおよび未開封顕示部23Bと称す。未開封顕示部23Aは、ラベル本体22の側縁部22a寄りに配置されており、未開封顕示部23Bは、ラベル本体22の側縁部22b寄りに配置されている。
【0053】
本実施形態において、未開封顕示部23Aおよび未開封顕示部23Bの構成は、リクローズラベル20の中心線C(開封方向D1に沿った中心線)に対して対称である。すなわち、2つの未開封顕示部23(未開封顕示部23Aおよび未開封顕示部23B)は、中心線Cに対して対称である点以外は同じ構成を有する。したがって、未開封顕示部23Aに基づいて、未開封顕示部23を説明する。
【0054】
図7に示したように、未開封顕示部23は、破断誘発線231と、破断停止線232とを有する。破断誘発線231および破断停止線232は、開封方向D1に非平行な切込線である。破断誘発線231および破断停止線232は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通または半貫通(ハーフカット)した線でよい。破断誘発線231および破断停止線232は、連続した線でもよいし、ミシン線でもよい。破断誘発線231および破断停止線232は、たとえば刃物加工で形成され得る。以下の説明では、断らない限り、破断誘発線231および破断停止線232は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通しており且つ連続した切込線である。
【0055】
破断誘発線231は、開封方向D1において破断停止線232より摘み部21寄りに位置している。破断誘発線231は、ラベル本体22の内側(図4に示した中心線C側)に位置する内端部231aと、外側(図4に示した中心線Cと反対側であり、図7においては側縁部22a側)に位置する外端部231bとを有する。破断誘発線231は、たとえば、開封方向D1に直交する方向に平行に形成されている。図7に示した形態では、破断誘発線231は、外端部231b近傍で破断停止線232側に屈曲している。破断誘発線231の長さL8aの例は、3mm~20mmである。
【0056】
破断停止線232は、開封方向D1において破断誘発線231より後側に位置している。破断停止線232は、ラベル本体22の内側に位置する内端部232aと、外側(図4に示した中心線Cと反対側であり、図7においては側縁部22a側)に位置する外端部232bとを有する。外端部232bは、側縁部22aから離間している。破断停止線232は、開封方向D1において内端部232aが外端部232bより摘み部21側に位置するように、開封方向D1に対して傾斜している。すなわち、破断停止線232は、摘み部21から開封方向D1に沿って離れるにしたがって、中心線Cから離れるように形成されている。破断停止線232の長さL8bの例は、2mm~30mmである。
【0057】
開封方向D1からみて、破断誘発線231の内端部231aは、破断停止線232の内端部232aと同じ位置または側縁部22a側に位置する。開封方向D1からみて、破断誘発線231の外端部231bは、破断停止線232の外端部232bよりラベル本体22の内側(中心線C側)に位置する。破断誘発線231の外端部231bは、破断停止線232と離間している。本実施形態では、平面視した場合に、内端部231aと内端部232aとは重なっている。すなわち、破断誘発線231および破断停止線232は、ラベル本体22の内側で繋がっている。
【0058】
上記破断誘発線231と破断停止線232との配置関係では、開封方向D1に直交する仮想平面VPに、破断誘発線231および破断停止線232を投影した場合、破断誘発線231の投影線231Iは、破断停止線232の投影線232I内に存在する。
【0059】
上記構成の未開封顕示部23を有することによって、包装体1が未開封であるか否かを確実に確認できる。この点を説明する。
【0060】
包装体1が未開封状態である場合、図7に示したように、破断誘発線231と破断停止線232との間は破断されていない。この未開封状態から、ユーザが開封方向D1に沿ってリクローズラベル20を剥離すると、切込線である破断誘発線231の外端部231bでリクローズラベル20の破断が誘発される。この破断が開封方向D1に沿って進行する。
【0061】
開封方向D1からみて、破断誘発線231の外端部231bは、破断停止線232の外端部232bよりラベル本体22の内側(中心線C側)に位置する。そのため、外端部231bを起点とした破断は、破断停止線232で受けられる。その結果、上記破断は、切込線である破断停止線232に到達することで停止する。
【0062】
このようにラベル本体22が破断することで、外端部231bから破断停止線232に向けてリクローズラベル20が破断される部分(図7では二点鎖線で図示している)と、破断誘発線231と、破断停止線232とで囲まれた領域(図7においてハッチングで示した三角形領域)は、ラベル本体22から分離され、図8に示したように、ベースフィルム10にラベル片23aとして残存する。一方、ベースフィルム10から剥離されたリクローズラベル20には、図9に示したように、ベースフィルム10に残存したラベル片23aに対応する開口22cが形成される。図9は、図3に示したようにベースフィルム10から剥離されたリクローズラベル20を裏側(ベースフィルム10または収容部7側)からみた状態を示している。
【0063】
剥離したリクローズラベル20をベースフィルム10に再度貼合することによって取出口11を再封した場合、開口22cにはラベル片23aが配置される。しかしながら、通常、リクローズラベル20を再貼合した場合、ラベル片23aの図柄と、ラベル片23a周囲の図柄との間に若干のズレが生じる。このズレによって、包装体1が開封されたこと(すなわち、未開封状態ではないこと)を確認できる。
【0064】
更に、上記未開封顕示部23では、リクローズラベル20を剥離して取出口11を一度でも開封すると、図7の二点鎖線で示したラベル本体22の破断に起因した破断痕がラベル本体22に生じる。このように、リクローズラベル20を一度でもベースフィルム10から剥離した場合、未開封状態では生じていなかった破断痕がリクローズラベル20に現れる。この破断痕は、リクローズラベル20によって取出口11を再封しても維持される。すなわち、リクローズラベル20は不可逆性を有する。したがって、仮にラベル片23aの図柄とラベル片23aの周囲の図柄とのズレが生じないようにリクローズラベル20をベースフィルム10に再貼合したとしても、包装体1が開封されたことが未開封顕示部23によって確実に示される。換言すれば、未開封顕示部23において破断痕が確認できない場合、未開封であることが確実に示される。したがって、リクローズラベル20およびそれを備えた蓋体4および包装体1は、販売されている包装体1を、悪戯、あるいは中身確認などの目的で開封するような行為の防止に寄与する。
【0065】
リクローズラベル20の剥離に伴う破断誘発線231の外端部231bから破断停止線232に向けたリクローズラベル20の破断は、リクローズラベル20の剥離方向に沿って進行する。したがって、一度剥離されたリクローズラベル20に生じている破断痕に基づいて、リクローズラベル20の剥離方向を把握できる。これにより、リクローズラベル20の剥離によってリクローズラベル20が取出口11を再封不可であるように破損していた場合(換言すれば、設計上、想定されていない破断が生じた場合)において、その破損が、予め推奨している開封方向D1とは異なる方向にリクローズラベル20を剥離したことによって生じたものか否かを検証可能である。
【0066】
切込線である破断停止線232が、開封方向D1において内端部232aが外端部232bより摘み部21側に位置するように、開封方向D1に対して傾斜している形態では、外端部231bから生じた破断を破断停止線232が受けた場合、その破断を外方向に伝播し易い。これにより、再封性を阻害するようなリクローズラベル20の破損を抑制できる。
【0067】
破断誘発線231の外端部231b近傍が破断停止線232側に屈曲している形態では、外端部231bから破断停止線232に向けた破断がより誘発され易い。その結果、設計上、想定していない破断を防止可能である。
【0068】
[第1破断誘導部]
図4に示したように、リクローズラベル20は、2つの第1破断誘導部24を有してもよい。2つの第1破断誘導部24は、2つの未開封顕示部23に対応して設けられている。2つの第1破断誘導部24を区別して説明する場合、未開封顕示部23Aに対応する第1破断誘導部24を第1破断誘導部24Aと称し、未開封顕示部23Bに対応する第1破断誘導部24を第1破断誘導部24Bと称する。
【0069】
本実施形態において、第1破断誘導部24Aおよび第1破断誘導部24Bの構成は、リクローズラベル20の中心線Cに対して対称である。すなわち、2つの第1破断誘導部24(第1破断誘導部24Aおよび第1破断誘導部24B)は、中心線Cに対して対称である点以外は同じ構成を有する。したがって、未開封顕示部23Aに対応する第1破断誘導部24Aに基づいて、第1破断誘導部24を説明する。
【0070】
図10に示したように、第1破断誘導部24は、未開封顕示部23からみて摘み部21と反対側(すなわち、後側)に位置する。第1破断誘導部24は、未開封顕示部23から(具体的には、外端部232bから)新たに生じるリクローズラベル20の破断を外方向に誘導する機能を有する。第1破断誘導部24は、開封方向D1からみて、未開封顕示部23における側縁部22a側の領域と一部重なるように、未開封顕示部23と側縁部22aとの間に配置されている。
【0071】
第1破断誘導部24は、複数の破断誘導線241を有する。複数の破断誘導線241は、開封方向D1に非平行な切込線である。破断誘導線241は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通した切込線でもよいしい、半貫通(ハーフカット)状態の切込線でもよい。破断誘導線241は、連続した切込線でもよいし、ミシン線でもよい。破断誘導線241は、たとえば刃物加工で形成され得る。以下の説明では、断らない限り、破断誘導線241は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通しており且つ連続した切込線である。
【0072】
本実施形態において、各破断誘導線241は直線状であり、破断停止線232と平行である。各破断誘導線241の長さL9の例は、2mm~10mmである。複数の破断誘導線241の長さL9は互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。各破断誘導線241は、内端部241a(中心線C側の端部)が外端部241b(内端部241aと反対側の端部)より摘み部21側に位置するように、開封方向D1に対して傾斜している傾斜部である。複数の破断誘導線241のうち最も後方に位置する破断誘導線241の外端部241bは、側縁部22a上に位置する。上記最も後方に位置する破断誘導線241の外端部241bは、外端部241bまで伝播された破断が側縁部22aに伝播可能な程度に側縁部22aと僅かに離間していてもよい。
【0073】
複数の破断誘導線241は、開封方向D1に沿って離間しており且つ外側に向けて段違いにズレるように配置されている。開封方向D1において隣接する2つの破断誘導線241のうち前側の破断誘導線241を第1破断誘導線241Aと称し、後側の破断誘導線241を第2破断誘導線241Bと称して、複数の破断誘導線241の配置関係を説明する。
【0074】
複数の破断誘導線241は、第1破断誘導線241Aと第2破断誘導線241Bとが開封方向D1に沿って離間しており、第1破断誘導線241Aの外端部241b側の領域と第2破断誘導線241Bの内端部241a側の領域とが、開封方向D1からみて一部重なるように配置されている。本実施形態では、第1破断誘導線241Aの外端部241b側の領域と第2破断誘導線241Bの内端部241a側の領域とは、第2破断誘導線241Bに直交する方向からみても重なっている。
【0075】
複数の破断誘導線241のうち最も破断停止線232に近い破断誘導線241は、破断停止線232に対して開封方向D1に沿って離間しており、破断停止線232の外端部232b側の領域と破断誘導線241の内端部241a側の領域とが、破断停止線232に直交する方向かららみて一部重なるように配置されている。本実施形態では、破断停止線232の外端部232b側の領域と破断誘導線241の内端部241a側の領域とは、破断誘導線241に直交する方向からみても重なっている。
【0076】
たとえば、隣接する2つの破断誘導線241の重なり領域の間隔が広すぎると、前方の破断誘導線241から生じた破断を次の破断誘導線241で受けきれない場合が生じるおそれがある。隣接する2つの破断誘導線241の重なり領域の幅が広すぎると、前方の破断誘導線241から生じた破断を受けた破断誘導線241によってラベル中央側に破断が誘導されるおそれがある。このような点を考慮して、隣接する2つの破断誘導線241の重なり領域の間隔および幅は、破断停止線232の外端部232bから生じる破断を外方向に誘導可能に設定されている。複数の破断誘導線241のうち最も破断停止線232に近い破断誘導線241と破断停止線232との重なり領域の間隔および幅についても同様である。
【0077】
複数の破断誘導線241は、次の配置条件Xを満たすように配置されていてもよい。
【0078】
<配置条件X>
第2破断誘導線241Bに直交する方向からみた場合の第1破断誘導線241Aと第2破断誘導線241Bの重なり領域αにおける第1破断誘導線241Aと第2破断誘導線241Bとの間の長さd1および第1破断誘導線241Aと第2破断誘導線241Bの重なり領域αの長さd2は、第2破断誘導線241Bの長さの1/10~1/3である。
【0079】
第1破断誘導線241Aおよび第2破断誘導線241Bが直線であり、平行に配置されている場合、長さd1は、第1破断誘導線241A(または第2破断誘導線241B)に直交する方向における第1破断誘導線241Aおよび第2破断誘導線241Bとの間の距離であり、長さd2は、第2破断誘導線241Bに直交する方向からみて第1破断誘導線241Aと第2破断誘導線241Bとの重なり領域αの第1破断誘導線241A(または第2破断誘導線241B)の延在方向の長さである。
【0080】
複数の破断誘導線241が上記配置条件Xを満たす場合、複数の破断誘導線241のうち最も未開封顕示部23に近い破断誘導線241(最も前側に位置する破断誘導線241に相当)は、破断停止線232を上記第1破断誘導線241Aとみなし、最も未開封顕示部23に近い破断誘導線241を第2破断誘導線241Bとみなした場合に、上記配置条件Xを満たすように、破断停止線232に対して配置される。
【0081】
リクローズラベル20を最初に剥離した場合、前述したように、破断誘発線231から開封方向D1に沿って破断停止線232まで破断が生じる。この開封方向D1に沿った破断自体は、破断停止線232で停止するが、破断停止線232の外端部232bから新たな破断が生じる場合がある。破断停止線232の外端部232bからの破断は、リクローズラベル20で取出口11を再封した後、再度開封する場合にも生じる場合がある。
【0082】
リクローズラベル20が第1破断誘導部24を有する形態では、第1破断誘導部24によって、外端部232bからの破断を、図11に二点鎖線矢印で示した第1ルートR1に沿って、外側に(側縁部22aに)向けて誘導できる。具体的には、外端部232bからの破断を破断誘導線241で受ける。その破断誘導線241の外端部241bから新たに生じる破断を次の破断誘導線241で受ける。このような破断の伝播を繰り返すことで、図11の第1ルートR1に沿って破断が外方向に伝播される。
【0083】
第1破断誘導部24は、リクローズラベル20の破断を外方向に誘導するため、仮に、開封方向D1と異なる方向D2に向けてリクローズラベル20が剥離されたとしても、外端部232bからの破断が、リクローズラベル20の中央に向けて進行することを防止できる。その結果、リクローズラベル20が、取出口11を再封不可である程度に破損することを回避可能である。その結果、リクローズラベル20を用いて取出口11を確実に再封可能である。
【0084】
特に、上記配置条件Xを満たすように複数の破断誘導線241が配置されている場合、長さd1が上記条件を満たすことで開封方向D1以外に沿った破断が生じても破断誘導線241で受けることが可能であり、且つ、重なり領域αの長さd2が上記条件を満たすことで、受けた破断を外側に伝播し易い。その結果、前述したように、仮に方向D2に向けてリクローズラベル20が剥離されたとしても外端部232bからの破断が、リクローズラベル20の中央に向けて進行することを一層防止できる。その結果、リクローズラベル20が、取出口11を再封不可である程度に破損することを回避可能である。
【0085】
[第2破断誘導部]
図4に示したように、リクローズラベル20は、切込部13の後端部(取出口予定部14の後端部)近傍に対応する領域に2つの第2破断誘導部25を有してもよい。2つの第2破断誘導部25を区別して説明する場合、2つの第2破断誘導部25を、第2破断誘導部25Aおよび第2破断誘導部25Bと称す。第2破断誘導部25Aは、ラベル本体22の側縁部22aと切込部13の間に配置されており、第2破断誘導部25Bは、ラベル本体22の側縁部22bと切込部13の間に配置されている。
【0086】
本実施形態において、第2破断誘導部25Aおよび第2破断誘導部25Bの構成は、リクローズラベル20の中心線Cに対して対称である。すなわち、2つの第2破断誘導部25(第2破断誘導部25Aおよび第2破断誘導部25B)は、中心線Cに対して対称である点以外は同じ構成を有する。したがって、側縁部22a側の第2破断誘導部25Aに基づいて、第2破断誘導部25を説明する。
【0087】
第2破断誘導部25は、第1切込線131と側縁部22aとの間に配置されている。第2破断誘導部25は、リクローズラベル20を剥離することによって取出口11を露出させた場合において、リクローズラベル20がベースフィルム10側に戻る力を低減するように構成されている。すなわち、第2破断誘導部25は、リクローズラベル20の戻りを抑制する戻り抑制部として機能する。具体的には、第2破断誘導部25は、図3に示したように、リクローズラベル20を切込部13の後端部近傍まで剥離した場合におけるリクローズラベル20とベースフィルム10との連結部分の幅を低減するように構成されている。
【0088】
図12を参照して、第2破断誘導部25の一例を説明する。第2破断誘導部25は、複数の破断誘導線251を有する。複数の破断誘導線251は、開封方向D1に非平行な切込線である。破断誘導線251は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通した切込線でもよいし、半貫通(ハーフカット)状態の切込線でもよい。破断誘導線251は、連続した切込線でもよいし、ミシン線でもよい。破断誘導線251は、たとえば刃物加工で形成され得る。以下の説明では、断らない限り、破断誘導線251は、リクローズラベル20の厚さ方向に全貫通しており且つ連続した切込線である。
【0089】
各破断誘導線251は、外端部251aが内端部251bより摘み部21側に位置するように、開封方向D1に対して傾斜している傾斜部である。本実施形態では、各破断誘導線251は直線であり、複数の破断誘導線251は互いに平行に配置されている。
【0090】
複数の破断誘導線251は、開封方向D1に沿って離間しており、内側(中心線C側)に向けて段違いにズレるように配置されている。開封方向D1において隣接する2つの破断誘導線251のうち前側の破断誘導線251を第1破断誘導線251Aと称し、後側の破断誘導線251を第2破断誘導線251Bと称して、具体的に説明する。
【0091】
複数の破断誘導線251は、第1破断誘導線251Aと第2破断誘導線251Bとが開封方向D1に沿って離間しており、第1破断誘導線251Aの内端部251b側の領域と第2破断誘導線251Bの外端部251a側の領域とが、開封方向D1からみて一部重なるように配置されている。図12では、第1破断誘導線251Aと第2破断誘導線251Bの組の一例として、複数の破断誘導線251のうち最も前方に位置する破断誘導線251と、その最も前方に位置する破断誘導線251に隣接する破断誘導線251との組を示しているが、上記配置関係は、複数の破断誘導線251における他の隣接する2つの破断誘導線251に対しても同様である。
【0092】
複数の破断誘導線251のうち最も前方(摘み部21側)に位置する破断誘導線251の外端部251aは、側縁部22a上に位置する。上記最も前方に位置する破断誘導線251の外端部251aは、側縁部22aで破断が生じ且つ生じた破断が外端部251aから破断誘導線251に伝播する程度に、側縁部22aと僅かに離間していてもよい。複数の破断誘導線251のうち最も後方(摘み部21と反対側)に位置する破断誘導線251の内端部251bは、たとえば第1切込線131の延長線上(あるいはその近傍)に位置する。
【0093】
上記構成の第2破断誘導部25では、複数の破断誘導線251のうち最も前方(摘み部21側)に位置する破断誘導線251の外端部251aまでリクローズラベル20が剥離された場合、リクローズラベル20が破断する。破断誘導線251は切込線であるため、側縁部22aの破断は破断誘導線251の内端部251bに伝播する。リクローズラベル20の剥離に応じて、上記内端部251bから開封方向D1に沿って破断が生じる。この破断が次の破断誘導線251に受けられる。このような破断の伝播が複数の破断誘導線251の間で繰り返されるため、図12に二点鎖線矢印で示したように、側縁部22aで生じた破断が、リクローズラベル20の内側に伝播される。このように切込部13の後端部近傍でリクローズラベル20が破断されることによって、剥離した場合におけるリクローズラベル20とベースフィルム10との連結部分の幅が低減する。これにより、ベースフィルム10から引き剥がされたリクローズラベル20が元に戻ろうとする力が弱まる。その結果、ユーザが意図せずにリクローズラベル20で取出口11が塞がれることを防止でき、ユーザが取出口11から収容物2を取り出し易い。
【0094】
複数の破断誘導線251のうちの隣接する2つの破断誘導線251の間隔、および、開封方向D1からみた(或いは破断誘導線251に直交する方向からみた)、上記2つの破断誘導線251の重なり領域の長さは、第2破断誘導部25が上記戻り抑制機能を発現するように設定されていればよい。隣接する2つの破断誘導線251の間隔、および、上記重なり領域の長さは、第1破断誘導部24における長さd1および長さd2に対応する。
【0095】
(第2実施形態)
図13を参照して、リクローズラベルの第2実施形態を説明する。図13は、リクローズラベルを裏側(ベースフィルム10に貼り付けられる側)からみた場合において、摘み部側の領域を拡大した図面である。
【0096】
図13に示したリクローズラベル20Aは、第1破断誘導部24を有しない点および破断停止線232に沿って糊殺し層206が形成されている点で、リクローズラベル20と相違する。リクローズラベル20Aにおいて上記相違点以外の構成は、リクローズラベル20と同様であるため、相違点を中心にリクローズラベル20Aを説明する。
【0097】
糊殺し層206は、破断停止線232に沿って粘着層201上に設けられている。換言すれば、破断停止線232は、糊殺し層206が形成されている部分に、糊殺し層206に沿って形成されている。糊殺し層206の例は、摘み部21が有する糊殺し層205と同じでよい。糊殺し層205の幅(糊殺し層205の延在方向に直交する方向の長さ)は、破断停止線232を形成可能であって、リクローズラベル20Aをベースフィルム10に貼合した場合の粘着性およびラベル片23aにおける粘着性を確保可能な幅であればよい。糊殺し層206は、ラベル本体22の側縁部22a(側縁部22b)まで形成されていてもよい。
【0098】
上記リクローズラベル20Aでは、破断停止線232は、糊殺し層206の位置に形成されている。このようなリクローズラベル20Aをベースフィルム10に貼合した場合、破断停止線232の周囲はベースフィルム10に貼合されていない。そのため、破断停止線232は、破断停止線232の全体に亘って均一な状態である。したがって、外端部232bで生じる破断は、設計通りに外方向に向かい易い。特に、たとえば、開封方向D1と異なる方向に開封された場合でも、糊殺し層206を有する形態では、外端部232bで生じる破断は、外方向に向かい易い。その結果、リクローズラベル20Aにおいて、リクローズラベル20Aによる取出口11の再封を阻害するような不要な破断を防止でき、リクローズラベル20Aによって、取出口11をより確実に再封可能である。
【0099】
リクローズラベル20Aは、リクローズラベル20が有する2つの第1破断誘導部24を有してよい。この場合、糊殺し層206は、第1破断誘導部24が形成される領域まで形成される。換言すれば、破断停止線232および第1破断誘導部24は、糊殺し層206が形成されている部分に形成される。
【0100】
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明は、上記例示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される範囲が含まれるとともに、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0101】
未開封顕示部は、図14に示したような未開封顕示部23_1でもよい。未開封顕示部23_1は、破断誘発線231の内端部231aと、破断停止線232の内端部232aとが離れている点で主に未開封顕示部23と相違する。内端部231aは、開封方向D1からみた場合、内端部232aと重なるか、または、内端部232aより外側(たとえば図4において側縁部22a側)に位置する。未開封顕示部23_1では、外端部231bの場合と同様に、内端部231aからも開封方向D1に沿ってリクローズラベル20が破断する。内端部231aと内端部232aが上記配置関係を有することから、内端部231aから生じた破断は、破断停止線232で受けられる。したがって、図14に示したように、内端部231aおよび外端部231bから生じた破断を模式的に示す二点鎖線と、破断誘発線231と、破断停止線232とで囲まれる領域が、ラベル片としてベースフィルム10に残存し、リクローズラベル20には、ベースフィルム10に残存するラベル片に相当する箇所に開口が生じる。更に、一度剥離されたリクローズラベル20には、内端部231aおよび外端部231bから生じた破断の痕(破断痕)が残るため、リクローズラベル20を備えた包装体が開封されたことを確実に確認できる。
【0102】
破断誘発線231および破断停止線232の形状および配置関係は、破断誘発線231から生じるリクローズラベル20の破断を破断停止線232で受けられるように設定されていれば、上記実施形態で説明した形状および配置関係に限定されない。
【0103】
たとえば、破断誘発線231は、図14に示したように、破断停止線232と実質的に平行な線でもよい。或いは、破断誘発線231は、外端部231bが内端部231aより前方(摘み部側)に位置するように開封方向D1に対して傾斜した線でもよい。
【0104】
未開封顕示部は、図15の(a)に示したような未開封顕示部23_2でもよい。未開封顕示部23_2は、破断誘発線231が、内端部231aと外端部231bとの間の中央部近傍で屈曲している点で、未開封顕示部23_1と相違する。未開封顕示部は、図15の(b)に示したような未開封顕示部23_3でもよい。未開封顕示部23_3は、破断誘発線231が、湾曲している点で、未開封顕示部23_1と相違する。未開封顕示部23_2および未開封顕示部23_3における上述した相違点以外の構成は、未開封顕示部23_1と同様であるため、未開封顕示部23_2および未開封顕示部23_3は、未開封顕示部23_1と同様の作用効果を有する。
【0105】
図14図15の(a)および(b)を用いて破断誘発線231の形状の変形例を説明したが、破断停止線232の形状も、破断誘発線231から生じるリクローズラベル20の破断を破断停止線232で受けられる形状であれば、例示した形状に限定されない。
【0106】
破断誘発線231から破断停止線232に生じた破断によって、ベースフィルム10側に残存するラベル片(たとえば図8に示したラベル片23a)の形状は、図8に示したような三角形に限定されない。上記ラベル片は、三角形以外の多角形でもよいし、円形でもよい。ラベル片の形状は、破断誘発線231および破断停止線232の配置関係および形状で設定され得る。換言すれば、所望のラベル片の形状を実現するように、破断誘発線231および破断停止線232の配置関係および形状が選択され得る。
【0107】
図14図15の(a)および(b)に示した未開封顕示部23_1,23_2,23_3は、図4における側縁部22a側に配置された未開封顕示部23(未開封顕示部23A)に対応している。しかしながら、図4における側縁部22b側に配置された未開封顕示部23(未開封顕示部23B)に対しても同様の変形が適用可能である。
【0108】
図4に示したように、リクローズラベルが2つの未開封顕示部を有する場合、2つの未開封顕示部は、中心線C(図4参照)に対して対称でなくてもよい。同様に、リクローズラベルが2つの第1破断誘導部を有する場合、2つの第1破断誘導部は、中心線Cに対して対称でなくてもよい。同様に、リクローズラベルが2つの第2破断誘導部を有する場合、2つの第2破断誘導部は、中心線Cに対して対称でなくてもよい。
【0109】
第1破断誘導部は、破断停止線の外端部から生じる破断を外方向に誘導可能に構成されていればよい。第1破断誘導部は1本の破断誘導線によって構成されていてもよいし、3本以上の破断誘導線によって構成されていてもよい。
【0110】
第1破断誘導部が1本の破断誘導線である場合、破断停止線と破断誘導線の配置関係は、破断停止線を上記配置条件Xにおける第1破断誘導線とみなし、第1破断誘導部としての破断誘導線を上記配置条件Xにおける第2破断誘導線をみなした場合において、上記配置条件Xを満たす配置関係でもよい。すなわち、破断停止線と破断誘導線の配置関係は、破断誘導線からみて、破断停止線の外側の部分と、破断誘導線の内側の部分との重なり領域における破断停止線および破断誘導線の間隔および上記重なり領域における破断誘導線に平行な方向の長さそれぞれは、破断誘導線の長さの1/10~1/3であるという配置条件を満たしていてもよい。
【0111】
リクローズラベルが有する未開封顕示部の数は2つに限定されず、たとえば1つでもよい。リクローズラベルが第1破断誘導部を有する場合、第1破断誘導部の数は、未開封顕示部の数に対応した数であればよい。リクローズラベルが第2破断誘導部を有する場合、第2破断誘導部の数は、2つに限定されず、たとえば1つでもよい。
【0112】
ベースフィルムに形成される取出口の形状は、例示した形状に限定されない。取出口を形成するための切込部(或いは取出口予定部)の形状も例示した形状に限定されない。たとえば、切込部は、図4における第4切込線134および第5切込線135を有しないU字状でもよい。あるいは、切込部は、第1切込線131および第2切込線132の後端部を切込線で連結した閉環状の切込部でもよい。切込部は、円形、楕円形、四角形(たとえば、長方形、正方形等)、四角形以外の多角形でもよい。
【0113】
未開封顕示部、第1破断誘導部および第2破断誘導部の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
【0114】
リクローズラベルの平面視形状も例示した形状に限定されない。たとえば、台形状の摘み部の側縁部(台形の脚に相当する部分)が湾曲していてもよい。摘み部側が湾曲していてもよい。
【0115】
リクローズラベルを備えた蓋体が接合される収容容器は、図1に示したようなトレイ状の容器に限定されない。ベースフィルムおよびリクローズラベルの形状等は、収容容器の形状に応じた形状である。取出口の形状も例示した形状に限定されない。ベースフィルムおよびリクローズラベルの説明において、例示した寸法などは、前述したように、上記実施形態に基づいた例示である。
【0116】
包装体は、たとえば、収容物を収容するとともに、一側面に取出口を形成するための切込部(図4における切込部13に相当)が形成された本体部(たとえば包装袋等)と、リクローズラベルとを備えた包装体でもよい。この場合、本体部の一側面がリクローズラベルが貼合される支持部材として機能する。
【0117】
摘み部は、ラベル本体の粘着性より小さい粘着性を有してもよい。摘み部は、ラベル本体の粘着性より小さい粘着性を有する(粘着性を有しない場合を含む)ように形成されていれば、摘み部の形成方法は、糊殺し処理に限定されない。
【0118】
以上説明した種々の実施形態および種々の変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜組み合わされてもよい。
【実施例0119】
実施例を参照して本発明をさらに説明する。本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。実施例の説明では、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したベースフィルムおよびリクローズラベルと同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0120】
(実施例1)
実施例1では、図16に示したベースフィルム10およびリクローズラベル20を用いた。
【0121】
<ベースフィルム>
ベースフィルム10は、多層バリア防雲シーラント層上にドライラミネート接着剤を介してPETフィルムが積層された積層フィルムであった。
【0122】
多層バリア防雲シーラント層として、三菱ケミカル株式会社製の「ダイアミロンV441」を用いた。多層バリア防雲シーラント層の厚さは、60μmであった。多層バリア防雲シーラント層は、ナイロン(NY)フィルムと、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムと、防雲剤が添加されたエチレンプロピレン共重合体フィルムの積層フィルムであった。
PETフィルムには、東洋紡株式会社製の「エステルE5102」を用いた。PETフィルムの厚さは12μmであった。
ドライラミラミネート接着剤には、東洋モートン株式会社製の「TM242A」を主剤として含むとともに、東洋モートン株式会社製の「TM242B」を硬化剤として含む接着剤を用いた。
【0123】
ベースフィルム10の平面視形状は、長方形であった。ベースフィルム10の長手方向の長さL1は259mmであり、短手方向の長さL2は127mmであった。
【0124】
ベースフィルム10に切込部13を、刃物加工によって形成した。切込部13はミシン線であった。切込部13の中心線(長手方向に沿った中心線)の位置は、ベースフィルム10の中心線と一致していた。切込部13は、切込部13の中心線に対して対称であった。
【0125】
切込部13は、第1実施形態で説明した第1~第5切込線131~135を有していた。第3切込線133は、前方に凸であるように湾曲していた。第1切込線131および第2切込線132の後端部側は、図16に示したように内側に向けて屈曲していた。第4切込線134および第5切込線135は、第1実施形態で説明した平行領域(開封方向D1に直交する方向に平行な領域)を有し、端部134a側および端部135a側において前方に折り返されていた。
【0126】
以下、説明の便宜のため、第3切込線133のうち最もベースフィルム10の前端部に近い部分を、第3切込線133の頂部と称し、第4切込線134(または第5切込線135)における平行領域を、切込部13の後端部と称す。
【0127】
切込部13の長手方向の長さL3は171mmであった。
切込部13の短手方向の長さL4は83mmであった。
端部134aと端部135aとの間の長さL5は23mmであった。
【0128】
<リクローズラベル>
リクローズラベルとして、タックラベル上に紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)を介してKOPフィルムを積層した積層体を用いた。タックラベルの一端部側の粘着層側に糊殺し層を積層し、摘み部21を形成した。
タックラベルには、エイブリィ・デニソン・ジャパン株式会社製の「CL BOPP/R1490」を用いた。タックラベルは、基材であるOPPフィルム(厚さ:50μm)上にアクリル粘着層(厚さ:約25μm)が形成されたものであった。
KOPフィルムには、ダイセルバリューコーティング株式会社製の「セネシKOP 1000」を用いた。KOPフィルムの厚さは、20μmであった。
UV接着剤には、ノーテープ工業株式会社製の「アクリタックL315」を用いた。
糊殺し層は、株式会社T&K TOKA製の「UVハクリOPニス」を、タックラベルの粘着層上に塗布することで形成した。
【0129】
リクローズラベル20は、摘み部21と、ラベル本体22とを有していた。
【0130】
摘み部21の平面視形状は台形状であった。摘み部21の上辺の長さL10は60mmであり、底辺の長さL11は73mmであり、高さL12は13mmであった。
【0131】
ラベル本体22の平面視形状は、摘み部21の上記底辺を上辺とする台形部と、当該台形部の底辺を短辺とする長方形部とを有する形状であった。台形部と長方形部とが繋がっている箇所を台形部の底辺(それに対応する長方形部の短辺)と称したが、台形部の底辺は説明の便宜の為の仮想的な辺である。
【0132】
リクローズラベル20の長手方向の長さL6は204mmであった。リクローズラベル20の開封方向D1に直交する方向の長さL7は103mmであった。上記台形部の高さL13は30mmであった。
【0133】
リクローズラベル20は、2つの未開封顕示部23と、2つの第1破断誘導部24と、2つの第2破断誘導部25とを有していた。
【0134】
未開封顕示部23および第1破断誘導部24は、上記ラベル本体22における台形部において、台形部の底辺の端(台形部と長方形部と接続点)から長さL14の領域内に形成されていた。長さL14は、28.5mmであった。
【0135】
図17に示したように、未開封顕示部23は、破断誘発線231と、破断停止線232とを有し、第1破断誘導部24は、2本の破断誘導線241を有していた。破断誘発線231、破断停止線232および破断誘導線241は、リクローズラベル20を全貫通しており且つ連続的な切込線であった。図17では、上記実施形態の場合と同様に、側縁部22a側に配置された未開封顕示部23(未開封顕示部23A)を示している。
【0136】
破断誘発線231は、リクローズラベル20の幅方向に平行な第1領域と、第1領域の外端部から上記台形部の脚に相当するラベル本体22の側縁部22aに平行に屈曲した第2領域とを有していた。
第1領域と上記台形部の上辺との間の距離L15は5mmであった。
第2領域と、ラベル本体22の側縁部22aとの距離L16は5mmであった。
第2領域の長さL17は1.5mmであった。
【0137】
破断停止線232は、破断誘発線231が有する第1領域の内端部231aから破断誘発線231と成す角度θが30度であるように傾斜した直線であった。破断誘発線231と破断停止線232の接続部は丸まっていた。
【0138】
2本の破断誘導線241は、破断停止線232に対して平行な直線であった。2本の破断誘導線241は、開封方向D1に沿って離間されており且つ外方向に向けて段違いに形成されていた。破断停止線232に近い側の破断誘導線241(「前側の破断誘導線241」と称す)の長さL9aは5mmであった。前側の破断誘導線241と破断停止線232との間の間隔d1aは1mmであった。前側の破断誘導線241と破断停止線232との重なり領域α1の長さd2aは0.8mmであった。
【0139】
前側の破断誘導線241からみて破断停止線232と反対側に位置する破断誘導線241(「後側の破断誘導線241」と称す)の長さL9bは、7mmであった。後側の破断誘導線241と前側の破断誘導線241との間の間隔d1bは、1mmであった。後側の破断誘導線241と、前側の破断誘導線241との重なり領域α2の長さd2bは、0.8mmであった。後側の破断誘導線241の外端部241bは、ラベル本体22の側縁部22a上に位置していた。
【0140】
側縁部22a近傍に配置された未開封顕示部23および第1破断誘導部24を説明した。側縁部22b近傍に配置された未開封顕示部23および第1破断誘導部24は、リクローズラベル20の中心線(図4の中心線C)に対して対称な構成を有していた。
【0141】
図16に示したように、第2破断誘導部25は、4本の破断誘導線251を有していた。破断誘導線251は、リクローズラベル20を全貫通しており且つ連続的な切込線であった。4本の破断誘導線251の最も前方の破断誘導線251の外端部251aは、側縁部22a(または側縁部22b)上であって、リクローズラベル20の後端から20mmの箇所に位置していた。4本の破断誘導線251は直線であり、最も前方の破断誘導線251の長さは4mmであり、他の3本の破断誘導線251の長さは5mmであった。
【0142】
4本の破断誘導線251は、開封方向D1に対して40度の角度でリクローズラベル20の内側に向けて傾斜していた。開封方向D1において、隣接する2つの破断誘導線251の間の距離は1mmであった。隣接する2つの破断誘導線251のうち前側の破断誘導線251の内側の端部近傍と、後側の破断誘導線の外側の端部近傍の重なり領域の長さ(破断誘導線に沿った方向の長さ)も1mmであった。
【0143】
実施例1で準備したベースフィルム10に対して、切込部13の第1切込線131と側縁部22aとの間の距離L18(および第2切込線132と側縁部22bとの間の距離)が10mmであり、切込部13の後端部とリクローズラベル20の後端部との間の距離L19が10mmとなるように、リクローズラベル20を貼合し、実施例1用の蓋体サンプルを作成した。
【0144】
実施例1では、上記蓋体サンプルを10枚作成した。蓋体サンプル毎に、摘み部21を持って、開封方向D1に沿ってリクローズラベル20をベースフィルム10から剥離した。この剥離に伴い、破断誘発線231の外端部231bから開封方向D1に沿って破断が進行し、且つ、ベースフィルム10に、図8に示した三角形状のラベル片23aが形成されるか否かを確認した。
【0145】
その結果、10枚の全ての蓋体サンプルにおいて三角形状のラベル片23aがベースフィルム10に形成されることが確認できた。更に、上記のように、破断誘発線231の外端部231bから開封方向D1に沿った破断が生じているため、剥離したリクローズラベル20に剥離した形跡(破断痕)が残ることを確認できた。
【0146】
(実施例2)
実施例2では、図15に示した第1破断誘導部24が有する前側の破断誘導線241の長さL9a、後側の破断誘導線241の長さL9b、重なり領域α1の長さd2aおよび重なり領域α2の長さd2b、間隔d1aおよび間隔d1bを、表1のように変えた9枚のリクローズラベル20を準備した。
【表1】
【0147】
各リクローズラベル20において、破断誘発線231の位置および長さは実施例1で説明したリクローズラベル20と同様であった。したがって、各リクローズラベル20において、上記長さL9a,L9b、間隔d1a,d1bおよび長さd2a,d2bを実現するように、破断停止線232の長さは調整された。各リクローズラベル20において、上記長さL9a,L9b、間隔d1a,d1bおよび長さd2a,d2b並びにそれらを実現するために調整された破断停止線232の長さ以外の点は、実施例1で説明したリクローズラベル20と同様であった。
【0148】
実施例2では、準備した9枚のリクローズラベル20を、実施例1で説明したベースフィルム10に実施例1の場合と同様に貼合して9枚の蓋体サンプルを準備した。
【0149】
準備した各蓋体サンプルにおいて、図11に示したように、予め設定してある開封方向D1(長手方向)と異なる方向D2にリクローズラベル20を剥離した。実施例2において、開封方向D1と方向D2のなす角度は45度であった。方向D2への剥離によって、破断停止線232の外端部232bからの破断が、図11に示したように、ラベル外方向に向かう第1ルートR1に沿って伝播するか、ラベル中央に向かう第2ルートR2に沿って伝播するかを確認した。
【0150】
その結果、第1破断誘導部24を備えていることで、全ての蓋体サンプルで第1ルートR1に沿って破断が外方向に伝播することが確認できた。
【0151】
第2ルートR2に沿って破断が進行すると、リクローズラベル20がラベル中央に向けて破断するため、再封ができない。したがって、第1破断誘導部24を備えることで、ユーザがたとえば誤って開封方向D1と異なる方向に開封しても、リクローズラベル20の機能を確保可能であることが検証された。
【0152】
表1に示した条件では、前側の破断誘導線241と後側の破断誘導線241との配置関係は、上記実施形態で説明した配置条件Xを満たしていた。また、破断停止線232を、上記配置条件Xにおける第1破断誘導線241Aとみなし、前側の破断誘導線241を、上記配置条件Xにおける第2破断誘導線241Bと見なした場合において、破断停止線232と、前側の破断誘導線241との配置関係も上記配置条件Xを満たしていた。
【0153】
(実施例3)
第1破断誘導部24を形成しなかった点および図13に示したように破断停止線232に沿って糊殺し層206を裏面上(粘着層上)に形成した点以外は、実施例1におけるリクローズラベル20と同じ構成のリクローズラベルを13枚準備した。糊殺し層206は、図13に示したように側縁部22a(側縁部22b)まで形成した。
【0154】
実施例3で準備した13枚のリクローズラベルそれぞれをベースフィルム10に実施例1の場合と同様に貼合し、13枚の蓋体サンプルを準備した。その後、実施例2と同様に、摘み部21を持ち上げて方向D2(図11参照)に向けてリクローズラベルを剥離して、破断停止線232の外端部232bを起点にして、ラベル中央側に破断が生じるか否かを確認した。方向D2は、実施例2の場合と同様に、開封方向D1に対して45度の方向であった。その結果、実施例3で準備した13枚の蓋体サンプルで、破断停止線232の外端部232bを起点にしたラベル中央側への破断は確認されなかった。
【0155】
したがって、糊殺し層206によって、再封不可となるような破損を防止できることが検証された。
【符号の説明】
【0156】
1…包装体、2…収容物、4…蓋体、10…ベースフィルム(支持部材)、11…取出口、13…切込部、14…取出口予定部、20,20A…リクローズラベル、21…摘み部、22…ラベル本体、23,23A,23B…未開封顕示部、24,24A,24B…第1破断誘導部、25,25A,25B…第2破断誘導部、231…破断誘発線、231a…内端部(破断誘発線における内側の端部)、231b…外端部(破断誘発線における外側の端部)、232…破断停止線、232a…内端部(破断停止線における内側の端部)232b…外端部(破断停止線における外側の端部)、241…破断誘導線、241A…第1破断誘導線、241B…第2破断誘導線、D1…開封方向、α…重なり領域。
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