(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089366
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 23/00 20060101AFI20220609BHJP
G01G 11/00 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
G01G23/00 Z
G01G11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201707
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】川野 良二
(72)【発明者】
【氏名】酒井 佳央
(72)【発明者】
【氏名】藤川 宗樹
(57)【要約】
【課題】結露が生じるのを防止すると共に、荷重センサが受けるエアの流れによる影響を低減して、計量精度が低下するのを防止する。
【解決手段】計量コンベヤ1によって搬送される被計量物の重量を検出するための荷重センサ8が収納された計量ユニットケース7を備え、計量ユニットケース7の内部に引き込まれたエア導入管23の一方側の端部23aを、計量ユニットケース7の内部から排出管路として接続管路21の一部に挿入し、エアを排出するようにしている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤによって搬送される被計量物の重量を検出するための荷重センサが収納された計量部用筐体を備える計量装置であって、
前記計量部用筐体の内部に引き込まれたエア導入管を備え、
前記エア導入管の一方側の端部は、前記計量部用筐体に連通する排出管路の径よりも小径のエア排出側の端部であって、前記排出管路に挿入されている、
ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記コンベヤの駆動を制御する制御部が収納された制御部用筐体を備え、前記計量部用筐体と前記制御部用筐体とが、接続管路によって連通接続されており、
前記エア導入管の前記エア排出側の端部は、前記排出管路としての前記接続管路の一部に挿入されている、
請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
少なくとも2つの前記接続管路を備え、
前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記排出管路としての少なくとも1つの前記接続管路の一部に挿入されている、
請求項2に記載の計量装置。
【請求項4】
2つの前記接続管路の内の一方の接続管路の一部に、前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記計量部用筐体の内部から挿入されており、
前記エア導入管は、前記2つの前記接続管路の内の他方の接続管路を、前記計量部用筐体から前記制御部用筐体まで挿通して、該エア導入管の他方側の端部が、前記制御部用筐体の外部へ引き出されており、
前記制御部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である、
請求項3に記載の計量装置。
【請求項5】
前記計量部用筐体の内部に引き込まれた前記エア導入管の前記一方側の端部は、分岐されてエア排出側の2つの分岐端部とされ、各分岐端部は、前記計量部用筐体の内部から2つの前記接続管路の各一部にそれぞれ挿入されており、
前記エア導入管の他方側の端部は、前記計量部用筐体の外部へ引き出されており、
前記計量部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である、
請求項3に記載の計量装置。
【請求項6】
2つの前記接続管路の内の一方の接続管路の一部に、前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記計量部用筐体の内部から挿入されており、
前記エア導入管の他方側の端部は、前記計量部用筐体の外部へ引き出されており、
前記計量部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である、
請求項3に記載の計量装置。
【請求項7】
前記エア導入管の前記他方側の端部は、ケーブルグランドを介して前記計量部用筐体または前記制御部用筐体の外部へ引き出されている、
請求項4ないし6のいずれか一項に記載の計量装置。
【請求項8】
前記エア導入管の前記他方側の前記端部には、エア圧調整装置を介してエアが導入される、
請求項4ないし7のいずれか一項に記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物をコンベヤで搬送しながらその重量を計量する計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の計量装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、被計量物を計量コンベヤに載置して搬送しながらその重量を計量し、計量した重量に基づいて、被計量物を選別する重量選別機がある。
【0003】
この特許文献1に記載の重量選別機では、計量コンベヤによって搬送される被計量物を計量するためのロードセルからなる荷重センサを収容した計量ユニットと、電装品を収容した収容ボックスとを、通気管によって連通接続し、収容ボックス内のエアを、ファン等によって計量ユニットに導入して、計量ユニット内の結露を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、エアを、ファン等によって、計量ユニット内に導入しているので、計量ユニット内の荷重センサを構成するロードセルが、導入されるエアの流れの影響を直接受けて、その出力が不安定になり、計量精度が低下する場合がある。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、結露が生じるのを防止すると共に、エアの流れによって荷重センサが受ける影響を低減して、計量精度が低下するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0008】
(1)本発明の計量装置は、コンベヤによって搬送される被計量物の重量を検出するための荷重センサが収納された計量部用筐体を備える計量装置であって、
前記計量部用筐体の内部に引き込まれたエア導入管を備え、前記エア導入管の一方側の端部は、前記計量部用筐体に連通する排出管路の径よりも小径のエア排出側の端部であって、前記排出管路に挿入されている。
【0009】
本発明によると、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部を、計量部用筐体に連通している排出管路に挿入して、排出管路内にエアを排出することによって、計量部用筐体の内部のエアを引き込んで、排出管路内に排出されたエアと共に、外部へ排出できるので、計量部用筐体の内部に湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0010】
しかも、エア導入管のエア排出側の端部は、荷重センサが収納された計量部用筐体の内部ではなく、計量部用筐体に連通している排出管路内でエアを排出するので、計量部用筐体の内部の荷重センサが、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0011】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記コンベヤの駆動を制御する制御部が収納された制御部用筐体を備え、前記計量部用筐体と前記制御部用筐体とが、接続管路によって連通接続されており、前記エア導入管の前記エア排出側の端部は、前記排出管路としての前記接続管路の一部に挿入されている。
【0012】
通常、コンベヤによって搬送される被計量物の重量を検出するための荷重センサが収納された計量部用筐体と、前記コンベヤの駆動を制御する制御部が収納された制御部用筐体とは、前記コンベヤ駆動用ケーブルや荷重センサからの荷重信号を伝達する信号用ケーブルが挿通する接続管路によって連通接続されている。
【0013】
この実施態様によると、計量部用筐体の内部のエアを引き込んで、外部へ排出する排出管路として、前記接続管路を利用するので、計量部用筐体に排出管路を新たに形成する必要がない。
【0014】
(3)本発明の一つの実施態様では、少なくとも2つの前記接続管路を備え、前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記排出管路としての少なくとも1つの前記接続管路の一部に挿入されている。
【0015】
この実施態様によると、コンベヤによって搬送される被計量物の重量を検出するための荷重センサが収納された計量部用筐体と、前記コンベヤの駆動を制御する制御部が収納された制御部用筐体とを連通接続する少なくとも2つの接続管路、例えば、コンベヤ等の駆動に使用する駆動用ケーブルが挿通する接続管路と、荷重センサからの荷重信号等を伝達する信号用ケーブルが挿通する接続管路との2つ接続管路の少なくとも一方の接続管路を、計量部用筐体の内部のエアを外部へ排出する排出管路とし、その排出管路の一部に前記エア導入管の前記エア排出側の端部を挿入して、エアの排出に利用することができる。
【0016】
(4)本発明の他の実施態様では、2つの前記接続管路の内の一方の接続管路の一部に、前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記計量部用筐体の内部から挿入されており、前記エア導入管は、前記2つの前記接続管路の内の他方の接続管路を、前記計量部用筐体から前記制御部用筐体まで挿通して、該エア導入管の他方側の端部が、前記制御部用筐体の外部へ引き出されており、前記制御部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である。
【0017】
この実施態様によると、エア導入管の他方側の端部であるエア導入側の端部は、制御部用筐体の外部に引出されており、制御部用筐体の内部のエア導入管は、制御部用筐体と計量部用筐体とを連通接続する2つの接続管路の内の他方の接続管路を挿通して計量部用筐体の内部に引き込まれ、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部が、2つの接続管路の内の一方の接続管路の一部に挿入されている。
【0018】
すなわち、エア導入管は、制御部用筐体の外部から、制御部用筐体の内部、両筐体を連通接続する他方の接続管路、計量部用筐体の内部、及び、両筐体を連通接続する一方の接続管路内の一部に亘って引き回されて、制御部用筐体の外部で導入されたエアを、前記一方の接続管路内へ排出することになる。
【0019】
一般に制御部用筐体は、各種の機器の制御が可能であるので、それら機器との接続に使用する予備の接続孔が準備されている。この実施態様によると、エア導入管を、制御部用筐体の予備の接続孔を使用して、制御部用筐体内に引き込むことができるので、エア導入管を引き込むための接続孔を新たに形成する必要がない。
【0020】
(5)本発明の他の実施態様では、前記計量部用筐体の内部に引き込まれた前記エア導入管の前記一方側の端部は、分岐されてエア排出側の2つの分岐端部とされ、各分岐端部は、前記計量部用筐体の内部から2つの前記接続管路の各一部にそれぞれ挿入されており、前記エア導入管の他方側の端部は、前記計量部用筐体の外部へ引き出されており、前記計量部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である。
【0021】
この実施態様によると、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部は、2つに分岐され、分岐された各分岐端部は、2つの各接続管路の各一部にそれぞれ挿入されているので、各分岐端部から各接続管路内にエアをそれぞれ排出することによって、計量部用筐体の内部のエアをそれぞれ引き込むことができる。
【0022】
(6)本発明の好ましい実施態様では、2つの前記接続管路の内の一方の接続管路の一部に、前記エア導入管の前記エア排出側の端部が、前記計量部用筐体の内部から挿入されており、前記エア導入管の他方側の端部は、前記計量部用筐体の外部へ引き出されており、前記計量部用筐体の外部へ引き出された前記エア導入管の前記他方側の端部が、エア導入側の端部である。
【0023】
この実施態様によると、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部を、2つの各接続管路の内の一方の接続管路の一部に挿入して、接続管路内にエアを排出することによって、計量部用筐体の内部のエアを引き込むことができる。
【0024】
(7)本発明の他の実施態様では、前記エア導入管の前記他方側の端部は、ケーブルグランドを介して前記計量部用筐体または前記制御部用筐体の外部へ引き出されている。
【0025】
この実施態様によると、エア導入管は、ケーブルグランドによって外部へ引き出されているので、計量部用筐体や制御部用筐体の内部に水や塵が侵入するのを防止することができる。
【0026】
(8)本発明の更に他の実施態様では、前記エア導入管の前記他方側の前記端部には、エア圧調整装置を介してエアが導入される。
【0027】
この実施態様によると、エア導入管に導入されるエアの圧力を、エア圧調整装置によって調整して、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部から接続管路内に排出されるエアの量を調整して、計量部用筐体の内部のエアの引き込み量を調整することができる。
【発明の効果】
【0028】
このように、本発明によれば、エア導入管の一方側の端部であるエア排出側の端部を、計量部用筐体に連通している排出管路の一部に挿入して、排出管路内にエアを排出することによって、計量部用筐体の内部のエアを引き込んで、排出管路内に排出されたエアと共に、排出管路を介して外部へ排出できるので、計量部用筐体内で湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0029】
しかも、エア導入管のエア排出側の端部は、荷重センサが収納された計量部用筐体の内部ではなく、計量部用筐体に連通している排出管路内でエアを排出するので、計量部用筐体の内部の荷重センサが、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る計量装置としての重量選別機の斜視図である。
【
図2】
図2は
図1の荷重計測部及び制御ボックスの概略構成図である。
【
図3】
図3は本発明の他の実施形態の
図2に対応する概略構成図である。
【
図4】
図4は本発明の更に他の実施形態の
図2に対応する概略構成図である。
【
図5】
図5は本発明の他の実施形態の
図2に対応する概略構成図である。
【
図6】
図6は本発明の更に他の実施形態の
図2に対応する概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
[実施形態1]
図1に、本発明の一実施形態に係る計量装置が示されている。この実施形態では、計量装置として重量選別機に適用して説明する。
【0033】
この重量選別機は、例えば、被計量物搬送ラインの途中などに設置して使用するものであり、被計量物を搬送しながら計量する計量コンベヤ1、この計量コンベヤ1に被計量物を搬入する搬入コンベヤ2、ロードセル等の荷重センサを備える荷重計測部3、及び、計量値等を表示すると共に、各種の設定を行うための設定表示器4を有すると共に、制御部を収納した制御部用筐体としての制御ボックス5などを、床置き設置した基台6に支持して構成されている。
【0034】
この重量選別機では、搬入コンベヤ2で供給されてきた被計量物を計量コンベヤ1に移載して搬送し、この搬送の間に被計量物を含む計量コンベヤ1全体の重量を荷重計測部3で計量することで、被計量物の重量を算出し、被計量物重量が、例えば、「軽量」、「適量」、又は、「過量」のいずれであるかを判別し、後段の振分け装置(図示せず)で振分け選別する。
【0035】
図2は、計量コンベヤ1全体の重量を計測する荷重計測部3及び制御ボックス5の概略構成図である。
【0036】
計量コンベヤ1の下方の荷重計測部3は、金属製あるいは樹脂製の計量部用筐体としての計量ユニットケース7を備えており、この計量ユニットケース7内に、ロードセルからなる荷重センサ8等が収納されている。荷重センサ8の固定側(図では左側)の端部は、計量ユニットケース7内に立設された固定部取付け具9に取付ボルト(図示せず)を介して取付けられ、荷重センサ8の可動側(図では右側)の端部は、計量コンベヤ1を支持する支持台10の荷重を受ける支柱12が突設されたブラケット13に、取付ボルト(図示せず)を介して取付けられている。
【0037】
計量ユニットケース7の上面と支持台10との間には、支柱12を外周側から覆うように、蛇腹状の伸縮自在の可撓性カバー14が取り付けられており、計量ユニットケース7の内部に水や埃などが入らないように構成されている。
【0038】
ブラケット13には、支持台10及び支柱12を介して計量コンベヤ1の荷重が作用し、このブラケット13に連結された荷重センサ8の可動側の端部が撓むことによって、計量コンベヤ1全体の重量を計測する。
【0039】
荷重センサ8の固定側(図では左側)の端部が取付けられている固定部取付け具9には、A/D基板15が取付けられている。このA/D基板15には、荷重センサ8からのアナログ荷重信号をデジタル荷重信号に変換するA/D変換回路、及び、荷重センサ8近傍の計量ユニットケース7の内部温度を検出する温度センサ等が搭載されている。この温度センサの検出温度に基づいて、温度変動による荷重センサ8の出力値のばらつきを補正する。
【0040】
制御部用筐体としての制御ボックス5は、ステンレス鋼板等で縦長の箱状に構成される。この制御ボックス5には、計量コンベヤ1の駆動制御等を行う制御部を構成すると共に、A/D基板15からのデジタル荷重信号に基づいて、被計量物の重量等を演算する制御演算基板を含む基板ユニット16、各部に電源を供給する電源装置17、コンベヤ駆動用のモータドライバ18、電源ラインのノイズを除去するノイズフィルタ19、端子台20、等が組み込まれている。
【0041】
計量部用筐体としての計量ユニットケース7と、制御部用筐体としての制御ボックス5とは、少なくとも2つの第1,第2接続管路21,22によって連通接続されている。この第1,第2接続管路21,22は、例えば、ダクトによって構成されている。
【0042】
制御ボックス5の底部には、制御ボックス5の内部と外部との間で圧力差が生じないように通気孔27が形成されている。
【0043】
計量ユニットケース7と制御ボックス5とを連通接続する第1,第2接続管路21,22の内の一方の接続管路21(22)には、計量コンベヤ1等の駆動に使用する駆動用ケーブル(図示せず)が挿通しており、他方の接続管路22(21)には、荷重センサ8からの荷重信号等を伝達する信号用ケーブル(図示せず)が挿通している。
【0044】
この実施形態では、荷重センサ8を収納した計量部用筐体としての計量ユニットケース7内で湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止するために、次のように構成している。
【0045】
すなわち、計量ユニットケース7には、エアを導入するためのエア導入管23が引き込まれている。計量ユニットケース7の内部に引き込まれたエア導入管23の一方側の端部23aは、排出管路としての第1接続管路21の径より小径であって、計量ユニットケース7の内部から第1接続管路21の一部に挿入されている。この一方側の端部23aは、エア排出側の端部である。エア導入管23は、柔軟な樹脂やゴムからなるチューブやホース等で構成されている。
【0046】
排出管路としての第1接続管路21の一部に挿入されるエア導入管13の一方側の端部23aの長さ、すなわち、第1接続管路21内に挿入される一方側の端部23aの挿入長さは、特に限定されないが、例えば、数mmから数百mm程度であるのが好ましい。
【0047】
エア導入管23は、第2接続管路22を、計量ユニットケース7から制御ボックス5まで挿通して、制御ボックス5の内部を経て、他方側の端部23bが、制御ボックス5に装備されたケーブルグランド25を介して外部へ引き出されている。このケーブルグランド25によって、エア導入管23の制御ボックス5からの引出し部がシールされている。
【0048】
制御ボックス5の外部へ引出されたエア導入管23の他方側の端部23bは、エア導入側の端部であり、図示しないコンプレッサからのエアが、エア圧調整装置としてのフィルタレギュレータ26を介して他方側の端部23bに供給される。フィルタレギュレータ26では、エア圧を低めに調整して、エア導入管23の一方側の端部23aから排出するエアの排出量を少なめにするのが好ましい。
【0049】
フィルタレギュレータ26からエア導入管23の他方側の他端23bへ導入されたエアは、制御ボックス5の内部を経て、第2接続管路22を挿通したエア導入管23によって、計量ユニットケース7の内部に至り、第1接続管路21の一部に挿入されたエア導入管23の一方側の端部23aから第1接続管路21の内部へ排出される。
【0050】
このとき、計量ユニットケース7の内部のエアを、矢符Aで示すように第1接続管路21へ引き込んで、エア導入管23の一方側の端部23aから排出されるエアと共に、第1接続管路21を介して制御ボックス5の内部へ排出される。
【0051】
このようにして、計量ユニットケース7の内部のエアが、第1接続管路21を介して制御ボックス5の内部へ排出される一方、計量ユニットケース7の内部のエアが排出されることによって、その分、矢符Bで示すように制御ボックス5の内部のエアが、第1接続管路21及び第2接続管路22を介して計量ユニットケース7の内部へ流入し、計量ユニットケース7の内部のエアが徐々に入れ替えられる。
【0052】
これによって、計量ユニットケース7の内部に湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0053】
しかも、エア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース7の内部へエアを直接排出するのではなく、第1接続管路21の内部にエアを排出するので、計量ユニットケース7内の荷重センサ8が、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0054】
制御ボックス5では、他の機器、例えば、金属検知器等を制御することが可能であるので、それらの機器を必要に応じて接続できるように、予め接続孔が形成されている。
【0055】
この実施形態では、エア導入管23を制御ボックス5に接続するためのケーブルグランド25は、制御ボックス5に予め装備されている接続孔に設けられているので、制御ボックス5や計量ユニットケース7に、エア導入管23を接続するための接続孔を新たに形成する必要がない。
【0056】
また、第1,第2接続管路21,22は、駆動用ケーブルや信号用ケーブルが挿通する管路であって、従来から備えられているので、既存の重量選別機に本発明を容易に適用することができる。
【0057】
[実施形態2]
図3は、本発明の他の実施形態の
図2に対応する図であり、
図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0058】
この実施形態では、計量ユニットケース7には、エアを導入するためのエア導入管23が引き込まれており、このエア導入管23の一方側の端部23aは、分岐コネクタ24を介して2つに分岐されている。この分岐された第1,第2分岐端部23a1,23a2が、計量ユニットケース7の内部から排出管路としての第1,第2接続管路21,22の一部にそれぞれ挿入されている。
【0059】
エア導入管23の他方側の端部23bは、ケーブルグランド25を介して計量ユニットケース7の外部へ引出されている。
【0060】
エア導入管23の他方側の端部23bには、図示しないコンプレッサからのエアが、フィルタレギュレータ26によってエア圧を調整されて供給される。
【0061】
これによって、フィルタレギュレータ26からエア導入管23の他方側の他端23bへ供給されたエアは、計量ユニットケース7内の分岐コネクタ24によって分岐された第1,第2分岐端部23a1,23a2から第1,第2接続管路21,22の内部へそれぞれ排出される。このとき、計量ユニットケース7の内部のエアを、矢符Aで示すように、第1,第2接続管路21,22へ引き込んで、エア導入管23の第1,第2分岐端部23a1,23a2からそれぞれ排出されるエアと共に、第1,第2接続管路21を介して制御ボックス5の内部へそれぞれ排出される。
【0062】
このようにして、計量ユニットケース7の内部のエアが、第1,第2接続管路21,22を介して制御ボックス5の内部へ排出される一方、計量ユニットケース7の内部のエアが排出されることによって、その分、矢符Bで示すように制御ボックス5の内部のエアが、第1,第2接続管路21,22を介して計量ユニットケース7の内部へ流入し、計量ユニットケース7の内部のエアが徐々に入れ替えられる。
【0063】
上記のように、エア導入管23の一方側の端部23aであるエア排出側の端部は、2つに分岐され、分岐された第1,第2分岐端部23a1,23a2は、2つの第1,第2接続管路21,22の各一部にそれぞれ挿入され、各接続管路21,22内にエアをそれぞれ排出する。これによって、1つの接続管路の一部に、分岐されていない1つのエア排出側の端部を挿入してエアを排出する構成に比べて、計量ユニットケース7の内部のエアの引き込み量を増やすことができるので、計量ユニットケース7内のエアが滞留して結露するのを一層効果的に防止することができる。
【0064】
また、エア導入管23から計量ユニットケース7の内部へエアを直接排出するのではなく、第1,第2接続管路21,22の一部にそれぞれ挿入されたエア導入管23の第1,第2分岐端部23a1,23a2からエアをそれぞれ排出しているので、計量ユニットケース7内の荷重センサ8が、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0065】
更に、エア導入管23の他方側の端部23bを、計量ユニットケース7から引き出してエアを導入すればよく、エア導入管23の引き回しが容易である。
【0066】
[実施形態3]
図4は、本発明の更に他の実施形態の
図2に対応する図であり、
図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0067】
この実施形態では、計量ユニットケース7には、エアを導入するためのエア導入管23が引き込まれており、このエア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース7の内部から排出管路としての第2接続管路22の一部に挿入されている。
【0068】
エア導入管23の他方側の端部23bは、ケーブルグランド25を介して計量ユニットケース7の外部へ引出されている。
【0069】
エア導入管23の他方側の端部23bには、図示しないコンプレッサからのエアが、フィルタレギュレータ26によってエア圧を調整されて供給される。
【0070】
これによって、フィルタレギュレータ26からエア導入管23の他方側の端部23bに供給されたエアは、エア導入管23の一方側の端部23aから第2接続管路22の内部へ排出される。このとき、矢符Aで示すように、計量ユニットケース7の内部のエアを第2接続管路22へ引き込んで、エア導入管23の一方の端部23aから排出されるエアと共に、第2接続管路22を介して制御ボックス5の内部へ排出される。
【0071】
このようにして、計量ユニットケース7の内部のエアが、第2接続管路22を介して制御ボックス5の内部へ排出される一方、計量ユニットケース7の内部のエアが排出されることによって、その分、制御ボックス5の内部のエアが、第1接続管路21を介して計量ユニットケース7の内部へ流入し、計量ユニットケース7の内部のエアが徐々に入れ替えられる。
【0072】
これによって、計量ユニットケース7の内部に湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0073】
しかも、エア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース7の内部へエアを直接排出するのではなく、第2接続管路22の内部にエアを排出するので、計量ユニットケース7内の荷重センサ8が、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0074】
また、エア導入管23の他方側の端部23bを、計量ユニットケース7から引き出してエアを導入すればよく、エア導入管23の引き回しが容易である。
【0075】
[実施形態4]
図5は、本発明の他の実施形態の
図2に対応する図であり、
図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0076】
上記の各実施形態では、計量部用筐体としての計量ユニットケース7と、制御部用筐体としての制御ボックス5とは、2つの接続管路21,22によって連通接続されたが、1つの接続管路で連通接続してもよい。
【0077】
すなわち、この
図5の実施形態では、計量部用筐体としての計量ユニットケース7
1と、制御部用筐体としての制御ボックス5
1とは、1つの接続管路22
1によって連通接続されている。この接続管路22
1の径は、上記各実施形態の第1,第2接続管路21,22の径に比べて大径であって、この接続管路22
1には、上記の駆動用ケーブル(図示せず)及び信号用ケーブル(図示せず)が挿通している。
【0078】
この実施形態では、計量ユニットケース71には、エアを導入するためのエア導入管23が引き込まれており、このエア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース71の内部から排出管路としての接続管路221の一部に挿入されている。
【0079】
エア導入管23の他方側の端部23bは、ケーブルグランド25を介して計量ユニットケース7の外部へ引出されている。
【0080】
エア導入管23の他方側の端部23bには、図示しないコンプレッサからのエアが、フィルタレギュレータ26によってエア圧を調整されて供給される。
【0081】
これによって、フィルタレギュレータ26からエア導入管23の他方側の端部23bに供給されたエアは、エア導入管23の一方側の端部23aから接続管路221の内部へ排出される。このとき、矢符Aで示すように、計量ユニットケース71の内部のエアを接続管路221へ引き込んで、エア導入管23の一方の端部23aから排出されるエアと共に、接続管路221を介して制御ボックス51の内部へ排出される。
【0082】
このようにして、計量ユニットケース71の内部のエアが、接続管路221を介して制御ボックス51の内部へ排出される一方、計量ユニットケース71の内部のエアが排出されることによって、その分、矢符Bで示すように制御ボックス51の内部のエアが、接続管路221を介して計量ユニットケース71の内部へ流入し、計量ユニットケース71の内部のエアが徐々に入れ替えられる。
【0083】
これによって、計量ユニットケース71の内部に湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0084】
しかも、エア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース71の内部へエアを直接排出するのではなく、接続管路221の内部にエアを排出するので、計量ユニットケース71内の荷重センサ8が、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0085】
また、エア導入管23の他方側の端部23bを、計量ユニットケース71から引き出してエアを導入すればよく、エア導入管23の引き回しが容易である。
【0086】
[実施形態5]
図6は、本発明の更に他の実施形態の
図2に対応する図であり、
図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0087】
上記の各実施形態では、計量部用筐体としての計量ユニットケース7,71と、制御部用筐体としての制御ボックス5,51とを連通接続する接続管路21,22,221を、計量ユニットケース7,71の内部のエアを排出するための排出管路としたが、この接続管路を省略してもよい。
【0088】
すなわち、この
図6の実施形態では、計量部用筐体としての計量ユニットケース7
2と、制御部用筐体としての制御ボックス5
2とを連通接続する接続管路は設けられておらず、計量ユニットケース7
2と制御ボックス
2とは、上記の駆動用ケーブル30及び信号用ケーブル31によって直接接続されている。
【0089】
計量ユニットケース72には、該計量ユニットケース72に連通する排出管路32が設けられている。この排出管路32は、例えば、ダクトによって構成されている。
【0090】
計量ユニットケース72の内部に引き込まれたエア導入管23の一方側の端部23aであるエア排出側の端部は、この排出管路32に挿入されている。
【0091】
エア導入管23の他方側の端部23bは、ケーブルグランド25を介して計量ユニットケース72の外部へ引出されている。
【0092】
エア導入管23の他方側の端部23bには、図示しないコンプレッサからのエアが、フィルタレギュレータ26によってエア圧を調整されて供給される。
【0093】
これによって、フィルタレギュレータ26からエア導入管23の他方側の端部23bに供給されたエアは、エア導入管23の一方側の端部23aから排出管路32の内部へ排出される。このとき、矢符Aで示すように、計量ユニットケース72の内部のエアを排出管路32へ引き込んで、エア導入管23の一方の端部23aから排出されるエアと共に、排出管路32を介して外部へ排出される。
【0094】
このようにして、計量ユニットケース72の内部のエアが、排出管路32を介して計量ユニットケース72の外部へ排出される一方、計量ユニットケース72の内部のエアが排出されることによって、その分、外部のエアが、排出管路32を介して計量ユニットケース72の内部へ流入し、計量ユニットケース72の内部のエアが徐々に入れ替えられる。
【0095】
これによって、計量ユニットケース72の内部に湿度の高いエアが滞留して結露が生じるのを防止することができる。
【0096】
しかも、エア導入管23の一方側の端部23aは、計量ユニットケース72の内部へエアを直接排出するのではなく、排出管路32の内部にエアを排出するので、計量ユニットケース72内の荷重センサ8が、排出されるエアの流れの影響を受けて、その出力が不安定になって、計量精度が低下するのを回避することができる。
【0097】
また、エア導入管23の他方側の端部23bを、計量ユニットケース72から引き出してエアを導入すればよく、エア導入管23の引き回しが容易である。
【0098】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0099】
(1)除湿フィルタを設け、この除湿フィルタで水分を除去したエアを、エア導入管23の他方側の端部23bに供給してもよい。
【0100】
(2)接続管路は、駆動用ケーブルや信号用ケーブルが挿通する管路に限らず、ケーブルが挿通されていない他の接続管路を利用してもよい。
【0101】
(3)計量運転中は、計量ユニットケース7へのエア導入管23によるエアの導入を停止して、荷重センサ8による計量に影響を与えないようにし、運転の停止期間中は、計量ユニットケース7へのエア導入管23によるエアの導入を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 計量コンベヤ
3 荷重計測部
5,51,52 制御ボックス(制御部用筐体)
7,71,72 計量ユニットケース(計量部用筐体)
8 荷重センサ
21 第1接続管路
22 第2接続管路
221 接続管路
23 エア導入管
24 分岐コネクタ
25 ケーブルグランド
26 フィルタレギュレータ(エア圧調整装置)
32 排出管路