(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089384
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】情報機器の修理キット可搬ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
A45C11/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201748
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】520479364
【氏名又は名称】株式会社Axis
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】森 祐貴
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA41
3B045CE00
3B045DA00
(57)【要約】
【課題】携帯情報端末等の情報機器を出張修理するときに、出張先で修理作業に適した環境を確保しうる情報機器の修理キット可搬ケースを提供する。
【解決手段】一方に開放部11を有するケース本体10と、上記ケース本体10と一体にして搬送可能となる作業台20および照明用部材30を備え、
上記作業台20は、上記ケース本体10の上記開放部11の第1端部11Aに沿って配置された状態で、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くよう構成され、
上記照明用部材30は、上記ケース本体10の上記第1端部11Aに対向する第2端部11Bに取付けられた状態で、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に照明光源50を取付け可能な光源取付部31を有している。
出張先等で情報機器の修理作業を行うときに、修理作業に適した環境を確保することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開放部を有するケース本体と、上記ケース本体と一体にして搬送可能となる作業台および照明用部材を備え、
上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の第1端部に沿って配置された状態で、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くよう構成され、
上記照明用部材は、上記ケース本体の上記第1端部に対向する第2端部に取付けられた状態で、上記作業台の上記作業面と対面する位置に照明光源を取付け可能な光源取付部を有している
ことを特徴とする情報機器の修理キット可搬ケース。
【請求項2】
上記作業台は、上記第1端部に対してヒンジ連結されている
請求項1記載の情報機器の修理キット可搬ケース。
【請求項3】
上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の少なくとも一部を覆う蓋機能を有する
請求項1または2記載の情報機器の修理キット可搬ケース。
【請求項4】
上記照明用部材は、上記第2端部に対してヒンジ連結されている
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報機器の修理キット可搬ケース。
【請求項5】
上記光源取付部を上記作業台の上記作業面と対面させた状態で、上記照明用部材を一時的にロックするロック機構を有している
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報機器の修理キット可搬ケース。
【請求項6】
上記ケース本体が透明である
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報機器の修理キット可搬ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者のもとまで出張して情報機器を修理するときに用いることができる情報機器の修理キット可搬ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯情報端末は、常に持ち歩いて使用するため、誤って落下させるなどの故障が絶えない。近年は、携帯情報端末の修理サービスを行う店舗も増加の一途をたどっている。このような修理店では、携帯情報端末を店舗まで持参して修理サービスを受ける必要がある。
【0003】
一方、病気や怪我その他の理由により、店舗まで出向けない利用者も存在する。このような利用者は、出張による修理サービスを望んでいる。ところが、携帯情報端末等の情報機器を店舗ではなく出張で修理しようとすると、修理作業に適した環境が出張先で確保できないことが多い。このような事情が、出張による情報機器の修理サービスの普及を妨げていた。
【0004】
このような事情に関連する先行技術として、本出願人は下記の特許文献1を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【0006】
上記特許文献1は、静電防止箱に関するもので、つぎの記載がある。
[明細書第4頁第15行~第5頁第160行]
第1図は本考案の静電防止箱を開いた状態を示す図であり、第2図は閉じた状態を示す図である、第1図に於いて、一方が開放されてなる2つの箱体2は、合成樹脂材にカーボン粉体、銅・鉄等の金属粉体或いは銅等の金属繊維体を混入させる手段等により導電性を付与させた導電性樹脂からなり、2つの箱体2の開放面はほぼ同一形状に形成されており、双方の開放面を対向当接すると第2図に示す如き一つの中空の箱状体1が形成される。さらに、該箱状体1の一側面に2つの箱体2を開閉自在に連結すべく例えば第5図断面図に示す如き蝶番3を設け、該箱状体1の他側面に2つの箱体2を掛脱自在に掛合すべく例えば第3図断面図に示す如き掛留具4及び掛留受具5の組み合わせからなる掛合機構を設ける。箱状体1に蝶番3及び前記掛合機構を固設する手段としては、別途に形成された蝶番3及び前記掛合機構を2つの箱体2の所定位置に螺着、貼着、溶着等の手段で固設するか、或いは2つの箱2及び蝶番3及び掛留具4及び掛留受具5を第2図の如き見開いた状態で合成樹脂の射出成形手段により一体同時成形しても良い。
[明細書第6頁第5~17行]
さらに、箱状体1の適所に導電性を有する透視可能な樹脂板或いは導電性を有する透視可能なガラス板等からなる透視窓8を例えば断面がL字状の引掛具10により箱体2に固設させ外方から透視窓8を通して箱状体1の内部を検知し得る様にし、さらに箱状体1の内周壁に例えばカーボン粉末混入のウレタン又はポリエチレン等の発泡合成樹脂板からなるクッション材9を貼着或いは嵌装等の手段で着設される。箱状体1に収納する物品の種別及び高さ寸法に応じてクッション材9の位置・形状及び厚さ等を適宜選択すれば、収納する物品をクッション材9と確実に接触固定させることができるものである。
[明細書第8頁第20行~第9頁第10行]
以上述べた様に本考案の静電防止箱によれば、静電気による集積回路素子の破壊を確実に防止できると共に収納するに操作手間を要せず、塵埃等の浸人を防止し、外部衝撃力に対する耐性を有し、外方から本静電防止箱の内部を検知できる等の効果から、集積回路素子の組み付けられたプリント基板或いは集積回路素子の保管及び運搬に際し広汎に利用されると共に、特に電子回路装置等の修理作業に要する交換用プリント基板の収納・運搬のためのキャリングケースとして有効にその効果が発揮されるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の技術は、箱状体1を導電性樹脂から形成し、箱状体1の適所に透視窓8を設け、箱状体1の内周壁に例えばカーボン粉末混入の発泡合成樹脂板からなるクッション材9を着設させた、プリント基板等の保管や運搬に適した静電防止箱である。しかしながら、上記特許文献1の技術は、修理作業に要する交換用プリント基板の収納および運搬しか想定していない。携帯情報端末等の情報機器を出張修理するときに、出張先で修理作業に適した環境を確保しうるものではない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、下記の目的をもってなされたものである。
携帯情報端末等の情報機器を出張修理するときに、出張先で修理作業に適した環境を確保しうる情報機器の修理キット可搬ケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記目的を達成するため、下記の構成を採用した。
一方に開放部を有するケース本体と、上記ケース本体と一体にして搬送可能となる作業台および照明用部材を備え、
上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の第1端部に沿って配置された状態で、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くよう構成され、
上記照明用部材は、上記ケース本体の上記第1端部に対向する第2端部に取付けられた状態で、上記作業台の上記作業面と対面する位置に照明用光源を取付け可能な光源取付部を有している。
【0010】
請求項2記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、請求項1記載の構成に加え、下記の構成を採用した。
上記作業台は、上記第1端部に対してヒンジ連結されている。
【0011】
請求項3記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、請求項1または2記載の構成に加え、下記の構成を採用した。
上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の少なくとも一部を覆う蓋機能を有する。
【0012】
請求項4記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、請求項1~3のいずれか一項に記載の構成に加え、下記の構成を採用した。
上記照明用部材は、上記第2端部に対してヒンジ連結されている。
【0013】
請求項5記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、請求項1~4のいずれか一項に記載の構成に加え、下記の構成を採用した。
上記光源取付部を上記作業台の上記作業面と対面させた状態で、上記照明用部材を一時的にロックするロック機構を有している。
【0014】
請求項6記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、請求項1~5のいずれか一項に記載の構成に加え、下記の構成を採用した。
上記ケース本体が透明である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、ケース本体と作業台および照明用部材を備えている。上記ケース本体は、一方に開放部を有する。上記作業台および照明用部材は、上記ケース本体と一体にして搬送可能となるよう構成されている。上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の第1端部に沿って配置された状態で、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くよう構成されている。上記照明用部材は、上記ケース本体の上記第1端部に対向する第2端部に取付けられた状態で、上記作業台の上記作業面と対面する位置に照明光源を取付け可能な光源取付部を有している。
出張先等で情報機器の修理作業を行うときは、上記ケース本体の上記開放部を横向きになるように卓上等に置き、上記開放部の上記第1端部に沿って上記作業台を配置する。この状態で、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くため、その上に情報機器や部品等を置いて作業を行うことができる。また、上記ケース本体の上記第1端部に対向する第2端部に上記照明用部材が取付けられた状態で、上記作業台の上記作業面と対面する位置に光源取付部があり、ここに照明光源を取付けて作業することができる。また、上記作業台と照明用部材は上記ケース本体と一体にして搬送可能である。したがって、本発明の情報機器の修理キット可搬ケースによれば、携帯情報端末等の情報機器を出張修理するときに、出張先で修理作業に適した環境を確保することができる。
【0016】
請求項2記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記作業台は、上記第1端部に対してヒンジ連結されている。
このため、上記作業台が上記ケース本体と一体にして搬送可能であり、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記作業台を回動させて、上記ケース本体の上記開放部の第1端部に沿い、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くよう、作業台を配置できる。
【0017】
請求項3記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記作業台は、上記ケース本体の上記開放部の少なくとも一部を覆う蓋機能を有する。
このため、修理キットを搬送するときは、上記ケース本体を上記作業台で蓋することにより、一体にして搬送できる。
【0018】
請求項4記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記照明用部材は、上記第2端部に対してヒンジ連結されている。
このため、上記照明用部材が上記ケース本体と一体にして搬送可能であり、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記照明用部材を回動させて、上記作業台の上記作業面と対面する位置に光源取付部を位置させることができる。
【0019】
請求項5記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記光源取付部を上記作業台の上記作業面と対面させた状態で、上記照明用部材を一時的にロックするロック機構を有している。
このため、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記照明用部材を回動させ、上記作業台の上記作業面と対面する位置に光源取付部を位置させて、上記照明用部材を一時的にロックすることができる。
【0020】
請求項6記載の情報機器の修理キット可搬ケースは、上記ケース本体が透明である。
このため、静電防止マットが敷設された作業面が上方を向くよう作業台を配置し、上記作業台の上記作業面と対面する位置の光源取付部に照明光源を取付け、出張先等で情報機器の修理作業を行うときに、作業の手元を利用者(修理の依頼者)が目視することができ、修理環境として利用者の安心感を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の情報機器の修理キット可搬ケースの一実施形態を示す斜視図である。
【
図3】上記実施形態の作業台を閉じた状態を示す正面図である。
【
図4】上記実施形態の照明用部材を閉じた状態を示す正面図である。
【
図5】上記実施形態の作業台と照明用部材を閉じた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
【0023】
図1~
図8は、本発明の情報機器の修理キット可搬ケースの一実施形態を示す図である。本実施形態は、ケース本体10と作業台20および照明用部材30を備えている。
【0024】
図1は、上記作業台20および照明用部材30を開けて上記ケース本体10を開放した状態を示す斜視図である。
図2は、おなじ状態の縦断面図である。
【0025】
〔ケース本体10〕
上記ケース本体10は、一方に開放部11を有する箱状である。上記ケース本体10は、上記開放部11が最も面積が大きい長方形を呈する直方体状である。
図1の状態は、上記開放部11が正面であり、
図1では右手前に向けて配置している。上記ケース本体10の内部は収容空間14として機能する。
【0026】
上記の状態で、上記ケース本体10の上面中央には、持ち運ぶときに把持するための把手12が設けられている。また、上記ケース本体10の底面には、高台部13が設けられている。また、上記収容空間14の底部には、後述するパーツ皿41やパーツ容器45を収容するための仕切板15が設けられている。この例では、上記仕切板15により、上記収容空間14の底部が左右に仕切られ、各領域にそれぞれパーツ皿41やパーツ容器45を収容することができる。
本実施例では、上記ケース本体10は、透明の樹脂製である。
【0027】
上記作業台20および照明用部材30は、上記ケース本体10と一体にして搬送可能となっている。
【0028】
〔作業台20〕
上記作業台20は、上記ケース本体10の開放部11の幅寸法に合わせた長方形状である。上記作業台20は、上記ケース本体10の上記開放部11の第1端部11Aに沿って配置された状態で、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くよう構成されている。
【0029】
この例では、上記作業台20は、上記第1端部11Aに対して複数の蝶番22によりヒンジ連結されている。上記ヒンジ連結された辺以外の3辺に、パーツ等が転がり落ちるのを防止する落下防止壁23が設けられている。
【0030】
上記静電防止マット21Aは、カーボン等の導電材料が混入されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム等から構成されたもので、作業中に発生する静電気が電子機器に対して悪影響を及ぼすのを低減する。上記静電防止マット21Aには、必要に応じてアース線を接続することができる。
【0031】
図3は、上記作業台20を閉じた状態の正面図である。
上記作業台20は、上記ケース本体10の上記開放部11の少なくとも一部を覆う蓋機能を有している。上記作業台20の幅寸法は、上記ケース本体10の上記開放部11を覆うものである。上記作業台20の縦寸法は、この例では、上記ケース本体10の上記開放部11よりも小さく、上記開放部11を完全に覆わない。上記作業台20によって覆いきれない開放部11の一部は、後述する照明用部材30で覆うようになっている。
【0032】
〔照明用部材30〕
上記照明用部材30は、上記ケース本体10の開放部11の幅寸法に合わせた長方形の板状である。上記照明用部材30は、上記ケース本体10の上記第1端部11Aに対向する第2端部11Bに取付けられた状態で、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に、照明光源50を取付け可能な光源取付部31を有している。
【0033】
図4は、上記作業台20と上記照明用部材30を閉じた状態の正面図である。
図5は、おなじ状態の縦断面図である。
上記照明用部材30は、上記第2端部11Bに対して複数の蝶番32によりヒンジ連結されている。上記照明用部材30の幅寸法は、上記ケース本体10の上記開放部11を覆うものである。上記照明用部材30の縦寸法は、この例では上述したように、上記作業台20によって覆いきれない開放部11の一部を覆う寸法である。
【0034】
上記照明用部材30を閉じると、閉じた状態の作業台20に少し重なり、上記ケース本体10の開放部11が完全に覆われる。上記照明用部材30と上記作業台20が重なる部分の中央には、上記作業台20と上記照明用部材30を閉じた状態を維持するための留め金具65が設けられている。
【0035】
閉じた状態の上記作業台20の正面(作業面21の裏面である)中央には、作業台20を開くときに把持する把持部66が設けられている。閉じた状態の上記作業台20の正面(作業面21の裏面)には、開いたときに接地面に当接する4つの脚リブ67が上下方向に延びるように設けられている。
【0036】
上記光源取付部31は、上記照明用部材30を開いた状態で上記作業台20の上記作業面21と対面する面に設けられている。上記光源取付部31は、この例では、上記照明用部材30の左右に貼付けられた2枚の鉄製プレートである。上記光源取付部31に、照明光源50に設けられたマグネット51を吸着させることにより、上記照明用部材30に照明光源50を着脱可能に取り付けることができる。
【0037】
〔ロック機構60〕
本実施形態は、上記光源取付部31を上記作業台20の上記作業面21と対面させた状態で、上記照明用部材30を一時的にロックするロック機構60を有している。上記ロック機構60は、この例では、上記ケース本体10の左右の内側面上部にそれぞれ設けられている。
【0038】
図6は、上記ロック機構60を示す斜視図である。
上記ロック機構60は、この例では、スライド板61とガイド部材62を備えて構成されている。上記ガイド部材62は、上記スライド板61を前後方向にスライド可能となるようガイドする。上記スライド板61の前後端部には、ガイド部材62からスライド板61が抜け落ちるのを防止する抜け止め61Aが設けられている。
【0039】
上記スライド板61を前方に進出させることにより、開いた照明用部材30が閉じてしまうのを防止するようにロックする。上記スライド板61を後方に後退させることにより、上記ロックを解除し、照明用部材30を閉じられるようになっている。
【0040】
〔パーツ皿41とパーツ容器45〕
図7は、パーツ皿41を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。
図8は、パーツ容器45を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図である。
【0041】
上記パーツ皿41は、底部にパーツの紛失を防止するマグネット板42が敷設されている。上記パーツ容器45は、格子状の仕切りにより、多数の収容凹部46が設けられている。上記パーツ皿41とパーツ容器45は、ケース本体10底部の上記仕切板15で仕切られた左右の領域に収容することができる。
【0042】
〔実施形態の効果〕
上記実施形態は、ケース本体10と作業台20および照明用部材30を備えている。上記ケース本体10は、一方に開放部11を有する。上記作業台20および照明用部材30は、上記ケース本体10と一体にして搬送可能となるよう構成されている。上記作業台20は、上記ケース本体10の上記開放部11の第1端部11Aに沿って配置された状態で、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くよう構成されている。上記照明用部材30は、上記ケース本体10の上記第1端部11Aに対向する第2端部11Bに取付けられた状態で、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に照明光源50を取付け可能な光源取付部31を有している。
出張先等で情報機器の修理作業を行うときは、上記ケース本体10の上記開放部11を横向きになるように卓上等に置き、上記開放部11の上記第1端部11Aに沿って上記作業台20を配置する。この状態で、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くため、その上に情報機器や部品等を置いて作業を行うことができる。また、上記ケース本体10の上記第1端部11Aに対向する第2端部11Bに上記照明用部材30が取付けられた状態で、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に光源取付部31があり、ここに照明光源50を取付けて作業することができる。また、上記作業台20と照明用部材30は上記ケース本体10と一体にして搬送可能である。したがって、本実施形態の情報機器の修理キット可搬ケースによれば、携帯情報端末等の情報機器を出張修理するときに、出張先で修理作業に適した環境を確保することができる。
【0043】
上記実施形態は、上記作業台20は、上記第1端部11Aに対してヒンジ連結されている。
このため、上記作業台20が上記ケース本体10と一体にして搬送可能であり、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記作業台20を回動させて、上記ケース本体10の上記開放部11の第1端部11Aに沿い、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くよう、作業台20を配置できる。
【0044】
上記実施形態は、上記作業台20は、上記ケース本体10の上記開放部11の少なくとも一部を覆う蓋機能を有する。
このため、修理キットを搬送するときは、上記ケース本体10を上記作業台20で蓋することにより、一体にして搬送できる。
【0045】
上記実施形態は、上記照明用部材30は、上記第2端部11Bに対してヒンジ連結されている。
このため、上記照明用部材30が上記ケース本体10と一体にして搬送可能であり、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記照明用部材30を回動させて、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に光源取付部31を位置させることができる。
【0046】
上記実施形態は、上記光源取付部31を上記作業台20の上記作業面21と対面させた状態で、上記照明用部材30を一時的にロックするロック機構60を有している。
このため、修理作業のときは、ヒンジ部を介して上記照明用部材30を回動させ、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置に光源取付部31を位置させて、上記照明用部材30を一時的にロックすることができる。
【0047】
上記実施形態は、上記ケース本体が透明である。
このため、静電防止マット21Aが敷設された作業面21が上方を向くよう作業台20を配置し、上記作業台20の上記作業面21と対面する位置の光源取付部31に照明光源50を取付け、出張先等で情報機器の修理作業を行うときに、作業の手元を利用者(修理の依頼者)が目視することができ、修理環境として利用者の安心感を提供することができる。
【0048】
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
【0049】
たとえば、上記作業台20が、ケース本体10に対してヒンジ連結されていない態様も含む趣旨である。同様に上記照明用部材30が、ケース本体10に対してヒンジ連結されておらず、ケース本体10に着脱しうるように構成された態様も含む趣旨である。
【符号の説明】
【0050】
10:ケース本体
11:開放部
11A:第1端部
11B:第2端部
12:把手
13:高台部
14:収容空間
15:仕切板
20:作業台
21:作業面
21A:静電防止マット
22:蝶番
23:落下防止壁
30:照明用部材
31:光源取付部
32:蝶番
41:パーツ皿
42:マグネット板
45:パーツ容器
46:収容凹部
50:照明光源
51:マグネット
60:ロック機構
61:スライド板
61A:抜け止め
62:ガイド部材
65:留め金具
66:把持部
67:脚リブ