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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089428
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/00 20060101AFI20220609BHJP
   G01K 7/22 20060101ALI20220609BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20220609BHJP
   H01R 13/42 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
G01K7/00 A
G01K7/22 L
G01K1/14 B
H01R13/42 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201812
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】517292929
【氏名又は名称】株式会社デルタプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】安保 次雄
【テーマコード(参考)】
2F056
5E087
【Fターム(参考)】
2F056CB05
2F056GA06
2F056GA08
2F056GA09
2F056QF02
2F056QF05
2F056QF07
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF03
5E087FF13
5E087GG22
5E087RR04
(57)【要約】
【課題】小型の接続端子を収納ケース内に密接して、コンパクトに収納可能とする。
【解決手段】収納ケース2は基体2aの両側に、左右対称の一対のカバー部2c、2dが、基体2aに対し開閉自在に取り付けられており、基体2aの両面に接続端子をそれぞれ収納し、カバー部2c、2dを閉止することにより接続端子が固定される。収納ケース2から2個の接続端子の接続端1aが前方に突出され、後方に温度センサに接続する2本の電線1dが引き出されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子の一対の出力線をそれぞれ接続した一対の接続端子を、収納ケース内に離隔して固定するセンサユニットであって、
合成樹脂材から成る前記収納ケースは、前記接続端子の接続端が外部に露出するように前記接続端子をそれぞれ収納する基体と、該基体の両側にヒンジを介して取り付けた一対のカバー部とを有し、
前記接続端子を前記基体にそれぞれ装着し、前記カバー部を閉止して前記接続端子を押圧することにより、前記収納ケースに固定することを特徴とするセンサユニット。
【請求項2】
前記収納ケースには、収納する前記接続端子の形状に対応した凹陥部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記カバー部は前記基体に対し、左右対称に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記基体と前記カバー部との間には、前記カバー部を前記基体に閉止した状態で作用する錠止機構を設けたことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記接続端子を収容した前記収納ケースをハウジング内に装着したことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記ハウジングの外側に固定部材を取り付けたことを特徴とする請求項5に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラント等に取り付けるための小型のセンサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の各種の産業機器における電気部品では、使用される部品の軽量化、小型化が強く要望されている。例えば、信号配線についても接続のために小型の端子が使用され、これらを接続機構もより小型化が要求されている。
【0003】
例えば、プラントに取り付ける温度、圧力、湿度などを測定するためのセンサユニットについても同様であり、基板等に取り付けるセンサユニットのコネクタも小型化が必要とされている。通常では、センサユニットは2本の信号線を有し、コネクタ内に固定する2個の接続端はより小さく、より狭い間隔に配置することが要求される。
【0004】
例えば、特許文献1のコネクタに関する図1図5には、2本の電線がそれぞれ接続端子5に接続可能とされ、接続端子5が端子収容部13内に収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-37147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近では、このようなコネクタに使用される接続端子は、接続径が1mm以下のものが使用され始めている。しかし、特許文献1のコネクタでは、構造が複雑で到底、接続径が1mm以下のような小型の接続端子に対して適用することはできない。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、狭い間隔で一対の接続端子の配列を可能とする小型のセンサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るセンサユニットは、センサ素子の一対の出力線をそれぞれ接続した一対の接続端子を、収納ケース内に離隔して固定するセンサユニットであって、合成樹脂材から成る前記収納ケースは、前記接続端子の接続端が外部に露出するように前記接続端子をそれぞれ収納する基体と、該基体の両側にヒンジを介して取り付けた一対のカバー部とを有し、前記接続端子を前記基体にそれぞれ装着し、前記カバー部を閉止して前記接続端子を押圧することにより、前記収納ケースに固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るセンサユニットは、小型の接続端子を収納ケース内に密接してコンパクトに配置して、収納可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一部を切欠したセンサユニットの斜視図である。
図2】組立て前のセンサユニットの分解斜視図である。
図3】接続端子の斜視図である。
図4】ハウジングの拡大断面図である。
図5】収納ケースに接続端子を装着した状態の斜視図である。
図6】拡大断面図である。
図7】収納ケースをハウジングに取り付けた状態の斜視図である。
図8】拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例に温度センサに係るセンサユニットの一部を切欠した状態の斜視図、図2は分解斜視図である。センサユニットは主として、接続端子1、収納ケース2、温度センサ3、ハウジング4、固定部材5から構成されている。温度センサ3を付設した接続端子1は収納ケース2内に装着され、収納ケース2はハウジング4に収容され、更にハウジング4には固定部材5が取り付けられる。
【0012】
接続端子1は一対の同形の雄型端子から成る。図3に示すように、接続端子1は薄肉の導電金属板を打ち抜き、折曲されて形成されている。接続端子1の全長は例えば15mm、前端の接続端1aの径は0.6mmとされている。
【0013】
接続端子1は、前端に相手側の雌型接続端子に嵌合する雄型接続端子のピン状の接続端1aが設けられ、接続端1aの後方には、接続端1aよりも径が十分に大きい筒状の基部1bが設けられている。更にその後方には、基部1bよりも径が小さい圧着部1cが設けられ、電線1dが圧着接続されている。また、基部1bの底面には係止片1eが突出されている。
【0014】
接続端子1を収納する収納ケース2は合成樹脂材により射出成型され、基体2aの両側に、ヒンジ2bを介して左右対称の一対のカバー部2c、2dが、基体2aに対し開閉自在に取り付けられている。カバー部2c、2dの前端は四角状とされ、後端の外形は略半円形とされ、カバー部2c、2dを折り曲げ基体2aに重ね合わせると、収納ケース2の前端は箱形、後端は円柱形となるようにされている。また、基体2aの中央には、前方に向けてハウジング4の一部に挿入して位置決めするための板状の条片2eが突出されている。
【0015】
基体2aの表裏の各面には、左右にずれた位置の長手方向に、凹陥部2fがそれぞれ設けられている。凹陥部2f同士は電気絶縁性が維持できる範囲で、小さな距離を隔てて配置されている。また、凹陥部2fを配置した基体2aの反対面であって、基体2aの後方には長手方向に沿った条溝部2gが形成されている。
【0016】
この凹陥部2fは前端側の第1の空隙部2hと、後端側であって第1の空隙部2hと連続する第2の空隙部2iとから構成されている。第1の空隙部2hの凹陥部2fの長手方向を直交する断面の大きさは、第2の空隙部2iのその断面よりも大きく、第1の空隙部2hの形状は接続端子1の基部1bの形状に、第2の空隙部2iの形状は接続端子1の圧着部1cの形状にほぼ合致している。
【0017】
また、カバー部2c、2dの内面の前方には、凹陥部2fに装着された接続端子1の基部1b、圧着部1cを押圧するための平板状の押圧部2jが形成され、カバー部2c、2dの内面の後端には、電線1dを通すために一部を切り欠いた切欠片2kが形成されている。また、押圧部2jの前端には、接続端子1の係止片1eに係合する突出部2lが形成されている。カバー部2c、2dの内面の押圧部2jと切欠片2kの間には、カバー部2c、2dを閉止した場合に条溝部2gに嵌合する突条部2mが設けられている。
【0018】
温度センサ3のセンサ素子は、例えば合成樹脂材でコーティングされた測温用の例えばサーミスタ3aであり、リード線3bを介して接続端子1の電線1dに接続され、サーミスタ3aには略円筒状の合成樹脂製の保護筒3cが挿着される。保護筒3cの基端は収納ケース2の後端の円柱部に嵌め込まれ、基端の両側にはハウジング4に対する位置決め片3dが張り出され、保護筒3cの先端部からサーミスタ3aが突出するようにされている。
【0019】
図4はハウジング4の拡大断面図であり、合成樹脂製のハウジング4は、相手側ハウジングを挿入するための角筒状の筒部4aが設けられ、筒部4a内には仕切壁4bが設けられている。仕切壁4bの中央には、収納ケース2の条片2eが挿入される挿入孔4cが設けられ、その両側に接続端子1の2本の接続端1aがそれぞれ挿通される挿通孔4dが設けられている。仕切壁4bの後面には、収納ケース2の前端を挿入可能な四角状の角孔部4eが設けられており、角孔部4eの後部の端面には、保護筒3cの位置決め片3dを挿入する2個の溝部4fが設けられている。更に、角孔部4eの後部外側には、矩形状のフランジ部4gが外方に張り出されている。
【0020】
固定部材5は合成樹脂製の別体の前側固定板5aと後側固定板5bとから成り、共に外形が同形の略小判形とされている。前側固定板5aはハウジング4の筒部4aを通す角孔状の孔部5cを有し、両端に2つのボルト挿通孔5dが設けられ、更に4個の鉤部5eが後方に向けて突出されている。
【0021】
一方、後側固定板5bは前側固定板5aと重ね合わせて使用し、前側固定板5aよりも大きな厚みを有している。後側固定板5bの前面にはハウジング4のフランジ部4gが嵌合する矩形状の凹部5fが設けられ、凹部5fの底面には温度センサ3の保護筒3cを挿通する通孔5gが形成されている。また、前側固定板5aに設けたボルト挿通孔5dと合致する2個のボルト挿通孔5hが設けられ、鉤部5eに対応する透孔から成る4個の鉤受孔5iが形成されている。
【0022】
収納ケース2内に接続端子1を収納するには、カバー部2c、2dを開いた状態で、両側の凹陥部2f内に接続端子1を配置する。接続端子1の接続端1aは基体2aから露出した状態で、基部1b、圧着部1cは凹陥部2f内に押し込まれた状態で収納される。そして、カバー部2c、2dを閉止すると、カバー部2c、2dの条溝部2gに突条部2mが嵌合することで、カバー部2c、2dの収納ケース2に対する横ずれが防止される。
【0023】
これにより、押圧部2jによって押圧された接続端子1の係止片1eと、カバー部2c、2dに設けた突出部2lとが係合することで、接続端子1が前方に移動することが防止される。また、凹陥部2fの第1の空隙部2hに接続端子1の基部1bが収納され、第2の空隙部2iに接続端子1の圧着部1cが収納されることで、接続端子1の後方への移動が防止される。
【0024】
このように、カバー部2c、2dは接続端子1を装着した基体2aを覆い、接続端子1が脱落せず、凹陥部2f内で移動しないように固定する。基体2aとカバー部2c、2dとの間には、カバー部2c、2dを閉止すると、爪部などにより自然に錠止がなされ、カバー部2c、2dが不時に開かないようにする図示しない錠止手段が設けられている。
【0025】
このようにして、一対の接続端子1を収納ケース2内に収納して固定することにより、図5図6に示すように、接続端子1が収納ケース2内の小さな容積内に密接されて収納されることになる。接続端子1は、収納ケース2の接続端子1の形状に対応した凹陥部2f内に固定されることにより、相手側の接続端子により大きな力が加えられても、接続端子1は収納ケース2内において、前後に動くことはない。
【0026】
このように、基体2aにカバー部2c、2dを被着した状態で、基体2aの前端の箱形部の寸法は、例えば幅8.1mm、高さ5mm、奥行き4.6mmであり、収納ケース2の長さは13.3mmとされている。
【0027】
次に、収納ケース2に組み込んだ一対の接続端子1の電線1dに、温度センサ3のリード線3bを例えば半田等により溶接する。なお、接続端子1を収納ケース2に組み込む前に、温度センサ3のリード線3bを、電線1dの代りに接続端子1の圧着部1cに圧着接続しておいてもよい。
【0028】
図7はハウジング4に接続端子1を収納した収納ケース2に取り付けた状態の斜視図、図8は断面図である。接続端子1を組み込んだ収納ケース2をハウジング4に後方から挿入すると、収納ケース2の前端は角孔部4e内に嵌合し、収納ケース2から突出する接続端1aは、仕切壁4bの挿通孔4dを経て、筒部4a内に突出し、条片2eが挿入孔4c内に挿入される。条片2eの挿入により、収納ケース2はハウジング4内に精度良く位置決めされ、接続端1aは正しい方向に正確に向けられる。
【0029】
続いて、保護筒3cを図1に示すようにサーミスタ3a上に被着する。保護筒3cの基端は収納ケース2の後端の円柱部上に挿着され、位置決め片3dによりハウジング4の後部の溝部4fに位置決めされ、保護筒3cの先端部からはサーミスタ3aの先端が外部に突出される。
【0030】
このようにして、各構成要素が組み付けられたハウジング4に、固定部材5を組み付けて、温度センサユニットとしてプラント等に取り付ける。固定部材5をハウジング4に組み付けるには、前側固定板5aの孔部5cにハウジング4の筒部4aを挿通し、後方からの後側固定板5bの凹部5fに、ハウジング4の基体2aを嵌入し、保護筒3cを後側固定板5bの通孔5gから後方に挿通する。
【0031】
更に、前側固定板5aと後側固定板5bとによりハウジング4のフランジ部4gを挟んで重ね合わせる。この重ね合わせに際して、前側固定板5aの鉤部5dが後側固定板5bの鉤受孔5iに挿入されて、前側固定板5aと後側固定板5bとは一体化され、図1に示すようにセンサユニットが組み立てられる。
【0032】
このセンサユニットを使用するには、測温すべき例えばプラントのパネルに穿孔された孔部内に保護筒3cを挿入し、パネルの表面側に位置する前側固定板5a、後側固定板5bのボルト挿通孔5d、5hにボルトを挿入してパネルに固定する。
【0033】
なお、実施例では接続端子を雄型接続端子としたが、雌型接続端子であってもよい。雌型接続端子の場合の接続端は筒型であるので、筒型の開口部が収納ケース2から露出していればよい。
【0034】
また、本実施例ではセンサユニットは温度センサとしたが、他にも湿度、圧力などの測定を目的とすることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 接続端子
1a 接続端
2 収納ケース
2a 基体
2b ヒンジ
2c、2d カバー部
2f 凹陥部
3 温度センサ
4 ハウジング
5 固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8