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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089521
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】履帯用ゴムパッド
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/28 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
B62D55/28
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201966
(22)【出願日】2020-12-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】田島 佳広
(57)【要約】
【課題】履帯用ゴムパッドを軽量化する。
【解決手段】履帯用ゴムパッドは、履帯の鉄製の履板に取り付ける略直方体形状を有する履帯用ゴムパッド10と、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれた複数の主棒材31、32、33と、装着面11に沿って延びるように履帯用ゴムパッド10に埋め込まれたプレート20とを含み、履帯用ゴムパッド10には、履板の取付穴にプレート20を固定することができるように装着面11と踏面12との間にプレート20を通る複数の貫通穴19が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履帯の鉄製の履板に取り付ける履帯用ゴムパッドであって、
履帯の幅方向を長手方向とし、履帯の周方向を短手方向とし、履板に取り付けられる装着面から踏面に向けて高さ方向とする略直方体形状を有するゴムパッドと、
前記ゴムパッドに長手方向に沿って延びるように埋め込まれた複数の主棒材と、
前記装着面に沿って延びるように前記ゴムパッドに埋め込まれたプレートと
を含み、前記ゴムパッドには、前記履板の取付穴に前記プレートを固定することができるように前記装着面と前記踏面との間の前記プレートを通る複数の貫通穴が形成された履帯用ゴムパッド。
【請求項2】
前記プレートは、それぞれ前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向に沿って延びる四辺を有する略矩形状を有する請求項1に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項3】
前記複数の主棒材は、前記ゴムパッドの短手方向に中央と両側の側面との間の位置にそれぞれ配置された2本の主棒材を含む請求項1又は2に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項4】
前記2本の主棒材は、前記ゴムパッドの長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、前記ゴムパッドの短手方向について近い方の側面に向かって突出した第1突出部を含む請求項3に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項5】
前記プレートは、前記ゴムパッドの長手方向に前記2本の主棒材に前記第1突出部が形成された範囲において、前記ゴムパッドの短手方向に前記2本の主棒材の一方から他方までの範囲に配置された請求項4に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項6】
前記プレートは、前記ゴムパッドの高さ方向に、前記2本の主棒材が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置され、前記プレートの前記ゴムパッドの短手方向についての両端には、前記プレートが前記2本の主棒材の側面に沿って前記2本の主棒材の上側に湾曲する湾曲部が形成された請求項5に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項7】
前記2本の主棒材は、それぞれ、前記ゴムパッドの長手方向に、前記2本の主棒材の両端から中央に向かう所定範囲にわたり前記ゴムパッドの高さ方向に突出した第2突出部を含む請求項3から6のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項8】
前記複数の主棒材は、前記ゴムパッドの短手方向に略中央に配置された主棒材をさらに含む請求項3から7のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項9】
前記略中央に配置された主棒材は、前記2本の主棒材よりも径が大きい請求項8に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項10】
前記略中央に配置された主棒材は、前記ゴムパッドの高さ方向に前記プレートの上側に配置された請求項8又は9に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項11】
前記ゴムパッドの短手方向に沿って延びるように前記ゴムパッドに埋め込まれた複数の副棒材をさらに含む請求項1から10のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項12】
前記複数の副棒材は、前記ゴムパッドの長手方向に、当該ゴムパッドの中央と両側の側面との間の位置に、それぞれ1本又は2本が埋め込まれた請求項11に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項13】
前記複数の副棒材は、前記ゴムパッドの高さ方向に、前記複数の主棒材の上側に配置された請求項11又は12に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項14】
前記複数の貫通穴は、前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成された請求項1から13のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項15】
前記複数の貫通穴は、前記履帯の取付穴に通したボルトに前記プレートをナットで固定することができるように、前記踏面から前記プレートに達するまで前記プレートに形成された孔の径よりも大きな径を有する請求項14に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項16】
前記ゴムパッドの踏面には、前記ゴムパッドの長手方向に中央と、前記長手方向に複数の貫通穴を挟む両側とに、それぞれ前記ゴムパッドの短手方向に延びる溝が形成された請求項14又は15に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項17】
前記ゴムパッドの踏面には、前記ゴムパッドの長手方向について前記複数の貫通穴を含む所定範囲に所定深さの段差を有する請求項14又は15に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項18】
前記ゴムパッドの装着面には、前記ゴムパッドの長手方向に前記複数の貫通穴を含む所定範囲に前記プレートに達する段差が形成された請求項1から17のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項19】
前記ゴムパッドの踏面と、前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向に両側の側面とが交わる稜には、面取り部が形成された請求項1から18のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項20】
前記面取り部は、二段の面取り部によって構成された請求項19に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項21】
前記ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を一方の側面から延長した延長部を含む請求項1から20のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項22】
前記ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を他方の側面から後退させて形成した後退部を含み、前記後退部に隣接するゴムパッドの延長部を収容できるようにした請求項21に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項23】
前記複数の主棒材及び前記複数の副棒材は、鉄鋼の棒材によって構成された請求項1から22のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項24】
前記ゴムパッドは、加硫されたゴム材によって構成された請求項1から23のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄製の履帯に取り付ける履帯用ゴムパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械や土木機械の足回りとして用いられる鉄製の履帯には、舗装路面を傷つけないように履帯用ゴムパッドが取り付けられることがあった。履帯用ゴムパッドは、舗装路面を走行する際に、車体重量による衝撃力をゴムの弾性変形により吸収するとともに、車体重量を極力均一に分散させて路面の損傷防止を図っている。
【0003】
履帯用ゴムパッドは、鉄製の板状の芯金にゴム材が固着されて形成され、芯金の一側部の鉤部材で履板の一側部に係合し、他側部の鉤部材で履板の他側部に着脱可能に係合する構造のものが提供されている(例えば特許文献1を参照)。また、芯金から突出する取付ボルトを用いて履板に取り付ける履帯用ゴムパッドも提供されている(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-10088号公報
【特許文献2】実開平7-37873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
履帯用ゴムパッドにおいて、ゴム材を固着する芯金は、履板の踏面の略全面に接してゴム材を支持するために履板の踏面と略同じ寸法を有し、一定の厚さを有していた。このため、芯金を含む履帯用ゴムパッドの重量も大きくなっていた。しかしながら、履帯用ゴムパッドの取り付けや交換などの取り扱いを容易にしたり、履帯に履帯用ゴムパッドを取り付けた車両の燃費を向上させたりする観点から、履帯用ゴムパッドを軽量化することが求められている。
【0006】
この発明は、このような事情に鑑みて提案されるものであって、履帯用ゴムパッドを軽量化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、この出願に係る履帯用ゴムパッドは、履帯の鉄製の履板に取り付けるものであって、履帯の幅方向を長手方向とし、履帯の周方向を短手方向とし、履板に取り付けられる装着面から踏面に向けて高さ方向とする略直方体形状を有するゴムパッドと、ゴムパッドに長手方向に沿って延びるように埋め込まれた複数の主棒材と、装着面に沿って延びるようにゴムパッドに埋め込まれたプレートとを含み、ゴムパッドには、履板の取付穴にプレートを固定することができるように装着面と踏面との間のプレートを通る複数の貫通穴が形成されたものである。
【0008】
プレートは、それぞれゴムパッドの長手方向及び短手方向に沿って延びる四辺を有する略矩形状を有してもよい。複数の主棒材は、ゴムパッドの短手方向に中央と両側の側面との間の位置にそれぞれ配置された2本の主棒材を含んでもよい。
【0009】
2本の主棒材は、それぞれ、ゴムパッドの長手方向に延びるプレートの隣接する一辺に沿って、当該一辺に対向する部分を含む所定範囲にわたり、ゴムパッドの短手方向について近い方の側面に向かって突出した第1突出部を含んでもよい。
【0010】
プレートは、ゴムパッドの長手方向に2本の主棒材に第1突出部が形成された範囲において、ゴムパッドの短手方向に2本の主棒材の一方から他方までの範囲に配置されてもよい。プレートは、ゴムパッドの高さ方向に、2本の主棒材が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置され、プレートのゴムパッドの短手方向についての両端には、プレートが2本の主棒材の側面に沿って2本の主棒材の上側に湾曲する湾曲部が形成されてもよい。
【0011】
2本の主棒材は、それぞれ、ゴムパッドの長手方向に、2本の主棒材の両端から中央に向かう所定範囲にわたりゴムパッドの高さ方向に突出した第2突出部を含んでもよい。
【0012】
複数の主棒材は、ゴムパッドの短手方向に略中央に配置された主棒材をさらに含んでもよい。略中央に配置された主棒材は、2本の主棒材よりも径が大きくてもよい。略中央に配置された主棒材は、ゴムパッドの高さ方向にプレートの上側に配置されてもよい。
【0013】
ゴムパッドの短手方向に沿って延びるようにゴムパッドに埋め込まれた複数の副棒材をさらに含んでもよい。複数の副棒材は、ゴムパッドの長手方向に、当該ゴムパッドの中央と両側の側面との間の位置に、それぞれ1本又は2本が埋め込まれてもよい。複数の副棒材は、ゴムパッドの高さ方向に、複数の主棒材の上側に配置されてもよい。
【0014】
複数の貫通穴は、ゴムパッドの長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成されてもよい。複数の貫通穴は、履帯の取付穴に通したボルトにプレートをナットで固定することができるように、踏面からプレートに達するまでプレートに形成された孔の径よりも大きな径を有してもよい。
【0015】
ゴムパッドの踏面には、ゴムパッドの長手方向に中央と、長手方向に複数の貫通穴を挟む両側とに、それぞれゴムパッドの短手方向に延びる溝が形成されてもよい。ゴムパッドの踏面には、ゴムパッドの長手方向について複数の貫通穴を含む所定範囲に所定深さの段差を有してもよい。ゴムパッドの装着面には、ゴムパッドの長手方向に複数の貫通穴を含む所定範囲にプレートに達する段差が形成されてもよい。
【0016】
ゴムパッドの踏面と、ゴムパッドの長手方向及び短手方向に両側の側面とが交わる稜には、面取り部が形成されてもよい。面取り部は、二段の面取り部によって構成されてもよい。
【0017】
ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を一方の側面から延長した延長部を含んでもよい。ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を他方の側面から後退させて形成した後退部を含み、後退部に隣接するゴムパッドの延長部を収容できるようにしてもよい。
【0018】
複数の主棒材及び複数の副棒材は、鉄鋼の棒材によって構成されてもよい。ゴムパッドは、加硫されたゴム材によって構成されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、履帯用ゴムパッドを軽量化することができ、ひいては履帯用ゴムパッドの取り扱いを容易にするともに、履帯用ゴムパッドを取り付けた車両の燃費を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施の形態の履帯用ゴムパッドを示す三面図である。
図2】本実施の形態の履帯用ゴムパッドを示す断面図である。
図3】本実施の形態の履帯用ゴムパッドの斜視図である。
図4】本実施の形態の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材及びプレートの配置を示す三面図である。
図5】本実施の形態の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材及びプレートの配置を示す斜視図である。
図6】第1変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材及びプレートの配置を示す三面図である。
図7】第1変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材及びプレートの配置を示す斜視図である。
図8】第2変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材、複数の副棒材及びプレートの配置を示す三面図である。
図9】第2変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材、複数の副棒材及びプレートの配置を示す斜視図である。
図10】第3変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材、複数の副棒材及びプレートの配置を示す三面図である。
図11】第3変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材、複数の副棒材及びプレートの配置を示す斜視図である。
図12】第4変形例の履帯用ゴムパッドを構成する複数の主棒材、複数の副棒材及びプレートの配置を示す斜視図である。
図13】第5変形例の履帯用ゴムパッドの分解斜視図である。
図14】第5変形例の履帯用ゴムパッドの斜視図である。
図15】第5変形例の履帯用ゴムパッドの三面図である。
図16】第5変形例の履帯用ゴムパッドの断面図である。
図17】第6変形例の履帯用ゴムパッドの斜視図である。
図18】第7変形例の履帯用ゴムパッドの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態の履帯用ゴムパッドは、鉄製の履帯の履板に形成された取付穴を用いて、履帯に後付けで取り付けることを想定している。説明の便宜上、以下の実施の形態及び変形例で説明する履帯用ゴムパッドにおいて、対応する部材は同様の符号を用いて示すことにする。
【0022】
図1は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10を示す三面図である。図1(a)は上面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は正面図である。図2は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10を示す断面図である。図2(a)は図1(a)の上面図における切断線IIA-IIAによる断面図であり、図2(b)は切断線IIB-IIBによる断面図である。図3は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10の斜視図である。図3(a)及び図3(b)は、履帯用ゴムパッド10を異なる角度から見たものである。
【0023】
本実施の形態の履帯用ゴムパッド10は、履帯の幅方向を長手方向、周方向を短手方向、履板に取り付けられる装着面11から踏面12に向かって高さ方向とする略直方体形状を有している。履帯用ゴムパッド10は、長手方向に第1側面13及び第2側面14を両側の側面としている。また、短手方向に第3側面15及び第4側面16を両側の側面としている。高さ方向には、履板に接するように装着される装着面11を下面とし、踏面12を上面としている。履帯用ゴムパッド10は、天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴムアドの合成ゴムの単独又は混合物に加硫したものをゴム材として形成されている。
【0024】
履帯用ゴムパッド10には、長手方向に沿って延びるように第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33が埋め込まれている。第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に中央とそれぞれ第3側面15及び第4側面16との間に配置されている。第3主棒材33は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に略中央に埋め込まれている。第3主棒材33の径は、第1主棒材31及び第2主棒材32の径よりも大きくてもよい。第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33は、鉄鋼の丸棒により構成されている。
【0025】
履帯用ゴムパッド10には、装着面11に平行になるように、プレート20が埋め込まれている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向にそれぞれ平行な四辺を有する略矩形状を有している。プレート20は、所定の厚さを有し、後述する貫通穴19を通すために複数の孔25が形成されている。プレート20は、鋼板によって構成されている。
【0026】
図4は、履帯用ゴムパッド10に埋め込まれた複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す三面図である。図4(a)は上面図、図4(b)は右側面図、図4(c)は正面図である。図5は、履帯用ゴムパッド10に埋め込まれた複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す斜視図である。図5(a)は斜視図、図5(b)は分解斜視図である。
【0027】
第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aを有している。また、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第3側面15から中央に向かって所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の高さ方向にそれぞれ踏面12に向かって所定距離だけ突出した第2突出部31b、32bを有している。さらに、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第4側面16から中央に向かって所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の高さ方向にそれぞれ踏面12に向かって所定距離だけ突出した第3突出部31c、32cを有している。
【0028】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。履帯用ゴムパッド10の短手方向のプレート20の両端は、それぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。第3主棒材33は、高さ方向にプレート20の上側に配置されている。
【0029】
再び図1から図3を参照すると、履帯用ゴムパッド10にはこのゴムパッドを履板の取付穴にボルト及びナットを用いて固定することができるように、装着面11から踏面12までプレート20を通った複数の貫通穴19が形成されている。複数の貫通穴19は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成されている。
【0030】
複数の貫通穴19において、プレート20にはボルトを通すための適切な径の孔25が形成されているが、踏面12からプレート20の上面22に達するまでの部分は、プレート20の孔25を通ったボルトに締結するナットを通すことができるように、プレート20の孔25より大径に形成されている。この大径の部分の底部には、プレート20に形成された孔25を囲むプレート20の上面22が露出している。
【0031】
踏面12には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中央と、複数の貫通穴19が形成された範囲を挟む両側に、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる所定深さの溝18が合計3本形成されている。装着面11には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中央を含む所定範囲にプレート20の下面21に達する段差11aが形成され、貫通穴19を通す複数の孔25を含むプレート20の下面21が露出している。
【0032】
踏面12と、履帯用ゴムパッド10の長手方向に両側にある第1側面13、第2側面14とが形成する稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第1切り欠き部13a及び第2切り欠き部14aを形成している。同様に、踏面12と、履帯用ゴムパッド10の短手方向に両側にある第3側面15、第4側面16とが交わる稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第3切り欠き部15a及び第4切り欠き部16aを形成している。
【0033】
履帯用ゴムパッド10を履板に取り付けるには、履帯用ゴムパッド10の長手方向が履帯の幅方向、短手方向が履帯の周方向になるように、履板に装着面11が接するよう設置する。そして、履板に設けられた取付穴と履帯用ゴムパッド10に形成された貫通穴19にボルト及びナットを通して締結することによって取り付ける。履板と履帯用ゴムパッド10を締結するボルト及びナットを取り外すことにより、履帯用ゴムパッド10を取り外したり交換したりすることもできる。
【0034】
本実施の形態の履帯用ゴムパッド10においては、履帯用ゴムパッド10の長手方向に延びるように第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33を埋め込んでいるため、ゴム材を固着するために使用していた板状の芯金の必要がなくなる。このため、本実施の履帯用ゴムパッド10は、軽量化を図ることができ、ひいては履帯用ゴムパッドの取り扱いを容易にするともに、履帯用ゴムパッドを取り付けた機械の燃費を向上させることができる。
【0035】
本実施の形態の履帯用ゴムパッド10においては、第1主棒材31及び第2主棒材32に、第1突出部31a、32a、第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cが設けられているため、第1主棒材31及び第2主棒材32は履帯用ゴムパッド10を構成するゴムパッドの変形に容易に追従することができる。このため、第1主棒材31及び第2主棒材32は履帯用ゴムパッド10を効率よく支持することができ、履帯用ゴムパッド10の強度を向上させることができる。
【0036】
本実施の履帯用ゴムパッド10においては、第1主棒材31及び第2主棒材32に、第1突出部31a、32aが設けられ、第1突出部31a、32aにおいて第1主棒材31と第2主棒材32との間を拡幅することにより第1主棒材31と第2主棒材32との間に配置されたプレート20の短手方向の長さを確保している。したがって、プレート20を通って形成される貫通穴19を短手方向に適切な位置に配置することを可能とし、履帯用ゴムパッド10が履板に安定して取り付けられるようにすることができる。
【0037】
本実施の形態の履帯用ゴムパッド10においては、踏面12に履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる3本の溝18が形成されている。このような溝18によって、踏面12と踏面12が接する地面との摩擦を確保することにより、履帯用ゴムパッド10を履帯に取り付けた車両のスリップを防止することができる。
【0038】
本実施の形態の履帯用ゴムパッド10においては、踏面12に3本の溝18が形成され、装着面11に所定深さの段差11aが形成されている。したがって、履帯用ゴムパッドを製造するために必要なゴム材の量を低減することができ、ひいては製造コストを削減することができる。
【0039】
(第1変形例)
図6は、第1変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す三面図である。図6(a)は上面図、図6(b)は右側面図、図6(c)は正面図である。図7は、第1変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す斜視図である。
【0040】
第1変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とは第1主棒材31及び第2主棒材32の形状のみが相違している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。第1変形例の第1主棒材31及び第2主棒材32には、それぞれ第1突出部31a、32aのみが形成されている。本実施の形態の履帯用ゴムパッド10における第1主棒材31及び第2主棒材32のような第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cは形成されていない。
【0041】
第1変形例において、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aが形成されている。
【0042】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。履帯用ゴムパッド10の短手方向のプレート20の両端は、履帯用ゴムパッド10の短手方向にそれぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。第3主棒材33は、高さ方向にプレート20の上側に配置されている。
【0043】
第1変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10のように、第1主棒材31及び第2主棒材32に履帯用ゴムパッド10の高さ方向に突出する第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cが形成されていない。したがって、第1主棒材31及び第2主棒材32の高さを低減することができ、比較的高さが低い履帯用ゴムパッド10にも埋め込んで使用することができる。また、第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cを形成する必要がないので、工数が少なくなり、製造コストも削減することができる。
【0044】
(第2変形例)
図8は、第2変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す三面図である。図8(a)は上面図、図8(b)は右側面図、図8(c)は正面図である。図9は、第2変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート30の配置を示す斜視図である。
【0045】
第2変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とは、第1主棒材31及び第2主棒材32の形状と、第1副棒材41及び第2副棒材42が追加された点とが相違している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0046】
第2変形例の第1主棒材31及び第2主棒材32には、それぞれ第1突出部31a、32aのみが形成されている。本実施の形態の履帯用ゴムパッド10における第1主棒材31及び第2主棒材32のような第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cは形成されていない。また、第2変形例の履帯用ゴムパッド10には、短手方向に沿って延びるように第1副棒材41及び第2副棒材42が埋め込まれている。
【0047】
第2変形例において、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aが形成されている。
【0048】
また、第2変形例においては、第1副棒材41及び第2副棒材42は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びるように、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32に第1突出部31a、32aが形成された範囲を超えてそれぞれ第1側面13及び第2側面14に向かって、第1主棒材31及び第2主棒材32が延びる範囲に配置されている。第1副棒材41及び第2副棒材42は、第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33の履帯用ゴムパッド10の高さ方向に上側に配置されている。
【0049】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。プレート20の両端は、履帯用ゴムパッド10の短手方向にそれぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。第3主棒材33は、高さ方向にプレート20の上側に配置されている。
【0050】
第2変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10のように、第1主棒材31及び第2主棒材32に履帯用ゴムパッド10の高さ方向に突出する第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cが形成されていない。したがって、第1主棒材31及び第2主棒材32の高さを低減することができ、比較的高さが低い履帯用ゴムパッド10にも埋め込んで使用することができる。また、第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cを形成する必要がないので、工数が少なくなり、製造コストも削減することができる。
【0051】
第2変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10に加えて、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びるように埋め込まれた第1副棒材41及び第2副棒材42を有している。第1副棒材41及び第2副棒材は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びているため、履帯用ゴムパッド10の短手方向に発生した応力を支持することができ、履帯用ゴムパッド10の強度を向上させることができる。
【0052】
(第3変形例)
図10は、第3変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す三面図である。図10(a)は上面図、図10(b)は右側面図、図10(c)は正面図である。図11は、第3変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32、33及びプレート20の配置を示す斜視図である。
【0053】
第3変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とは、第1主棒材31及び第2主棒材32の形状と、第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44が追加された点とが相違している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0054】
第3変形例の第1主棒材31及び第2主棒材32には、それぞれ第1突出部31a、32aのみが形成されている。本実施の形態の履帯用ゴムパッド10における第1主棒材31及び第2主棒材32のような第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cは形成されていない。また、第3変形例の履帯用ゴムパッド10には、短手方向に沿って延びるように第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44が埋め込まれている。
【0055】
第3変形例において、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aが形成されている。
【0056】
また、第3変形例においては、第1副棒材41及び第2副棒材42は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びるように、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32に第1突出部31a、32aが形成された範囲を超えてそれぞれ第1側面13及び第2側面14に向かって、第1主棒材31及び第2主棒材32が延びる範囲に配置されている。また、第3副棒材43及び第4副棒材44は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びるように、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32に第1突出部31a、32aが形成された範囲を超えてそれぞれ第1側面13及び第2側面14に向かって、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された位置に達するまでの範囲に配置されている。
【0057】
第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44は、第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33の履帯用ゴムパッドの高さ方向に上側に配置されている。
【0058】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。履帯用ゴムパッド10の短手方向にプレート20の両端は、履帯用ゴムパッド10の短手方向にそれぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。第3主棒材33は、高さ方向にプレート20の上側に配置されている。
【0059】
第3変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10のように、第1主棒材31及び第2主棒材32に履帯用ゴムパッド10の高さ方向に突出する第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cが形成されていない。したがって、第1主棒材31及び第2主棒材32の高さを低減することができ、比較的高さが低い履帯用ゴムパッドにも埋め込んで使用することができる。また、第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cを形成する必要がないので、工数が少なくなり、製造コストも削減することができる。
【0060】
第3変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10に加えて、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びるように埋め込まれた第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44を有している。第1副棒材41及び第2副棒材は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びているため、履帯用ゴムパッド10の短手方向に発生した応力を支持することができ、履帯用ゴムパッド10の強度を向上させることができる。
【0061】
ここで、第2変形例は第1副棒材41の第2副棒材42の2本の副棒材を有していたのに対し、第3変形例は第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44の4本の副棒材を含んでいる。したがって、第3変形例の履帯用ゴムパッド10は、第2変形例の履帯用ゴムパッド10よりも短手方向の強度をさらに向上させることができる。
【0062】
(第4変形例)
図12は、第4変形例の履帯用ゴムパッド10を構成する複数の主棒材31、32及びプレート20の配置を示す斜視図である。図12(a)は斜視図、図12(b)は分解斜視図である。
【0063】
第4変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とは、第1主棒材31及び第2主棒材32の形状と、第3主棒材33を欠くこと、第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44が追加された点とが相違している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0064】
第4変形例の第1主棒材31及び第2主棒材32には、それぞれ第1突出部31a、32aのみが形成されている。本実施の形態の履帯用ゴムパッド10における第1主棒材31及び第2主棒材32のような第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cは形成されていない。第4変形例の履帯用ゴムパッドには、第3主棒材33が埋め込まれていない。一方、第4変形例の履帯用ゴムパッド10には、短手方向に沿って延びるように第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44が埋め込まれている。
【0065】
第4変形例において、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aが形成されている。
【0066】
また、第4変形例においては、第1副棒材41及び第2副棒材42は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びるように、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32に第1突出部31a、32aが形成された範囲を超えてそれぞれ第1側面13及び第2側面14に向かって、第1主棒材31及び第2主棒材32が延びる範囲に配置されている。また、第3副棒材43及び第4副棒材44は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びるように、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32に第1突出部31a、32aが形成された範囲を超えてそれぞれ第1側面13及び第2側面14に向かって、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された位置に達するまでの範囲に配置されている。
【0067】
第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44は、第1主棒材31及び第2主棒材32の履帯用ゴムパッド10の高さ方向に上側に配置されている。
【0068】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。履帯用ゴムパッド10の短手方向のプレート20の両端は、履帯用ゴムパッド10の短手方向にそれぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。
【0069】
第4変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10のように、第1主棒材31及び第2主棒材32に履帯用ゴムパッド10の高さ方向に突出する第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cが形成されていない。したがって、第1主棒材31及び第2主棒材32の高さを低減することができ、比較的高さが低い履帯用ゴムパッドにも埋め込んで使用することができる。また、第2突出部31b、32b及び第3突出部31c、32cを形成する必要がないので、工数が少なくなり、製造コストも削減することができる。
【0070】
第4変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10において長手方向に沿って埋め込まれていた第3主棒材33が埋め込まれていない。このため、履帯用ゴムパッド10のさらなる軽量化を図ることができる。また、工数が少なくなり、製造コストも削減することができる。
【0071】
第4変形例においては、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10に加えて、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びるように埋め込まれた第1副棒材41、第2副棒材42、第3副棒材43及び第4副棒材44を有している。第1副棒材41及び第2副棒材は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に沿って延びているため、履帯用ゴムパッド10の短手方向に発生した応力を支持することができ、履帯用ゴムパッド10の強度を向上させることができる。
【0072】
(第5変形例)
図13は、第5変形例の履帯用ゴムパッド10の分解斜視図である。図14は、第5変形例の履帯用ゴムパッド10の斜視図である。図14(a)及び図14(b)は、履帯用ゴムパッド10を異なる角度から見たものである。
【0073】
第5変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とはゴムパッドの形状のみが相違している。第5変形例では、装着面11と第4側面16とが交わる稜から装着面11が所定距離だけ延長されて第4側面16もそれに従って延びる延長部16pが形成され、装着面11と第3側面15とが交わる稜から装着面11が所定距離だけ後退して第3側面15もそれに従い後退する後退部15dが形成されている。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0074】
第5変形例の履帯用ゴムパッド10は、履帯の幅方向を長手方向、周方向を短手方向、履板に取り付けられる装着面11から踏面12に向かって高さ方向とする略直方体形状を有している。履帯用ゴムパッド10は、長手方向に第1側面13及び第2側面14を両側の側面としている。また、短手方向に第3側面15及び第4側面16を両側の側面としている。高さ方向には、履板に接するように装着される装着面11を下面とし、踏面12を上面としている。
【0075】
履帯用ゴムパッド10には、長手方向に沿って延びるように第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33が埋め込まれている。第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に中央とそれぞれ第3側面15及び第4側面16との間に配置されている。第3主棒材33は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に略中央に埋め込まれている。第3主棒材33の径は、第1主棒材31及び第2主棒材32の径よりも大きくてもよい。第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33は、鉄鋼の丸棒により構成されている。
【0076】
履帯用ゴムパッド10には、装着面11に平行になるように、プレート20が埋め込まれている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向にそれぞれ平行な四辺を有する略矩形状を有している。プレート20は、所定の厚さを有し、後述する貫通穴を通すために複数の孔25が形成されている。プレート20は、鋼板によって構成されている。
【0077】
第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10に長手方向に沿って延びるように埋め込まれているが、長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の短手方向についてそれぞれ近い方の第3側面15及び第4側面16に向かって所定距離だけ突出した第1突出部31a、32aを有している。また、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第3側面15から中央に向かって所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の高さ方向にそれぞれ踏面12に向かって所定距離だけ突出した第2突出部31b、32bを有している。さらに、第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第4側面16から中央に向かって所定範囲にわたり、履帯用ゴムパッド10の高さ方向にそれぞれ踏面12に向かって所定距離だけ突出した第3突出部31c、32cを有している。
【0078】
プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に第1主棒材31及び第2主棒材32にそれぞれ第1突出部31a、32aが形成された範囲において、履帯用ゴムパッド10の短手方向に第1主棒材31から第2主棒材32までの範囲に配置されている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の高さ方向に、第1主棒材31及び第2主棒材32が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置されている。履帯用ゴムパッド10の短手方向のプレート20の両端は、それぞれ第1主棒材31及び第2主棒材32の側面に沿って上側に延びるように湾曲した湾曲部27、28を形成している。第3主棒材33は、高さ方向にプレート20の上側に配置されている。
【0079】
履帯用ゴムパッド10にはこのゴムパッドを履板の取付穴にボルト及びナットを用いて固定することができるように、装着面11から踏面12までプレート20を通った複数の貫通穴19が形成されている。複数の貫通穴19は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成されている。
【0080】
複数の貫通穴19において、プレート20にはボルトを通すための適切な径の孔25が形成されているが、踏面12からプレート20の上面22に達するまでの部分は、プレート20の孔25を通ったボルトに締結するナットを通すことができるように、プレート20の孔25より大径に形成されている。この大径の部分の底部には、プレート20に形成された孔25を囲むプレート20の上面22が露出している。
【0081】
踏面12には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中央と、複数の貫通穴19が形成された範囲を挟む両側に、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる所定深さの溝18が合計3本形成されている。装着面11には、履帯用ゴムパッドの長手方向に中央を含む所定範囲にプレート20の下面21に達する段差11aが形成され、貫通穴19を通す複数の孔25を含むプレート20の下面21が露出している。
【0082】
踏面12と、履帯用ゴムパッド10の長手方向に両側にある第1側面13、第2側面14とが交わる稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第1切り欠き部13a及び第2切り欠き部14aを形成している。同様に、踏面12と、履帯用ゴムパッド10の短手方向に両側にある第3側面15、第4側面16とが交わる稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第3切り欠き部15a及び第4切り欠き部16aを形成している。
【0083】
装着面11と第4側面16とが交わる稜には、装着面11が履帯用ゴムパッド10の短手方向に所定距離だけ稜から延長され、それに従い所定高さまでの第4側面16も延びる延長部16pが形成されている。延長部16pは、装着面11に段差11aが形成された範囲を除いて、履帯用ゴムパッド10の長手方向に延びている。
【0084】
装着面11と第3側面15とが交わる稜には、装着面11が履帯用ゴムパッド10の短手方向に所定距離だけ稜から後退し、それに従い所定高さまでの第3側面15も後退した後退部15dが形成されている。後退部15dは、装着面11に段差11aが形成された範囲を除いて、履帯用ゴムパッド10の長手方向に延びている。
【0085】
ここで、後退部15dは、履帯用ゴムパッド10が履帯に取り付けられたときに、履板から突き出した延長部16pが隣接する履板に取り付けられた履帯用ゴムパッド10の第3側面15と干渉しないように、第3側面15に隣接する履板の延長部16pを収容できるような窪みを形成している。
【0086】
第5変形例においては、装着面11と第4側面16とが交わる稜において、装着面11が所定距離だけ延長された延長部16pが形成されている。延長部16pは、第5変形例の履帯用ゴムパッド10が履帯に取り付けられたときに、隣接する履帯用ゴムパッド10との間隙を覆うことにより、路面を走行するときなどに履板と履板との間に土砂などが入り込むことを防いでいる。したがって、履板など履帯の損傷を防止することができ、履帯の安定した動作を確保することができる。
【0087】
(第6変形例)
図15は、第6変形例の履帯用ゴムパッド10を示す三面図である。図15(a)は上面図、図15(b)は右側面図、図15(c)は正面図である。図16は、第6変形例の履帯用ゴムパッド10を示す断面図である。図16(a)は図15(a)の上面図における切断線XVIA-XVIAによる断面図であり、図16(b)は切断線XVIB-XVIBによる断面図である。図17は、第6変形例の履帯用ゴムパッド10の斜視図である。図17(a)及び図17(b)は、履帯用ゴムパッド10を異なる角度から見たものである。
【0088】
第6変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とはゴムパッドの形状のみが相違している。第6変形例では、装着面11と第4側面16とが交わる稜から装着面11が所定距離だけ延長されて第4側面16もそれに従い延びる延長部16pが形成され、装着面11と第3側面15とが交わる稜から装着面11が所定距離だけ後退して第3側面15もそれに従い後退する後退部15dが形成されている。また、踏面12は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる溝18を欠き、それに代わって踏面12の履帯用ゴムパッドの長手方向に貫通穴19を含む所定範囲に所定深さで形成された段差12aを有している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0089】
第6変形例の履帯用ゴムパッド10は、履帯の幅方向を長手方向、周方向を短手方向、履板に取り付けられる装着面11から踏面12に向かって高さ方向とする略直方体形状を有している。履帯用ゴムパッド10は、長手方向に第1側面13及び第2側面14を両側の側面としている。また、短手方向に第3側面15及び第4側面16を両側の側面としている。高さ方向には、履板に接するように装着される装着面11を下面とし、踏面12を上面としている。
【0090】
履帯用ゴムパッド10には、長手方向に沿って延びるように第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33が埋め込まれている。第1主棒材31及び第2主棒材32は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に中央とそれぞれ第3側面15及び第4側面16との間に配置されている。第3主棒材33は、履帯用ゴムパッド10の短手方向に略中央に埋め込まれている。第3主棒材33の径は、第1主棒材31及び第2主棒材32の径よりも大きくてもよい。第1主棒材31、第2主棒材32及び第3主棒材33は、鉄鋼の丸棒により構成されている。
【0091】
履帯用ゴムパッド10には、装着面11に平行になるように、プレート20が埋め込まれている。プレート20は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向にそれぞれ平行な四辺を有する略矩形状を有している。プレート20は、所定の厚さを有し、後述する貫通穴を通すために複数の孔25が形成されている。プレート20は、鋼板によって構成されている。
【0092】
履帯用ゴムパッド10にはこのゴムパッドを履板の取付穴にボルト及びナットを用いて固定することができるように、装着面11から踏面12までプレート20を通った複数の貫通穴19が形成されている。複数の貫通穴19は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成されている。
【0093】
複数の貫通穴19において、プレート20にはボルトを通すための適切な径の孔25が形成されているが、踏面12からプレート20の上面22に達するまでの部分は、プレート20の孔25を通ったボルトに締結するナットを通すことができるように、プレート20の孔25より大径に形成されている。この大径の部分の底部には、プレート20に形成された孔25を囲むプレート20の上面22が露出している。
【0094】
踏面12には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に複数の貫通穴19を含む範囲に所定深さの段差12aが形成されている。装着面11には、履帯用ゴムパッドの長手方向に中央を含む所定範囲にプレート20の下面21に達する段差11aが形成され、貫通穴19を通す複数の孔25を含むプレート20の下面21が露出している。
【0095】
踏面12と、履帯用ゴムパッド10の長手方向に両側にある第1側面13、第2側面14とが交わる稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第1切り欠き部13a及び第2切り欠き部14aを形成している。同様に、踏面12と、履帯用ゴムパッド10の短手方向に両側にある第3側面15、第4側面16とが交わる稜には切り欠きが設けられ、それぞれ第3切り欠き部15a及び第4切り欠き部16aを形成している。
【0096】
装着面11と第4側面16とが交わる稜には、装着面11が履帯用ゴムパッド10の短手方向に所定距離だけ稜から延長され、それに従い所定高さまでの第4側面16も延びた延長部16pが形成されている。延長部16pは、装着面11に段差11aが形成された範囲を除いて、履帯用ゴムパッド10の長手方向に延びている。
【0097】
装着面11と第3側面15とが交わる稜には、装着面11が履帯用ゴムパッド10の短手方向に所定距離だけ稜から後退し、それに従い所定高さまでの第3側面15も後退した後退部15dが形成されている。後退部15dは、装着面11に段差11aが形成された範囲を除いて、履帯用ゴムパッド10の長手方向に延びている。
【0098】
ここで、履帯用ゴムパッド10の後退部15dは、履帯用ゴムパッド10が履帯に取り付けられたときに、履板から延長された延長部16pが隣接する履板に取り付けられた履帯用ゴムパッド10の第3側面15と干渉しないように、第3側面15に隣接する履板の延長部16pを収容できるような窪みを形成している。
【0099】
第6変形例においては、装着面11と第4側面16とが交わる稜において、装着面11が所定距離だけ延長された延長部16pが形成されている。延長部16pは、第6変形例の履帯用ゴムパッド10が履帯に取り付けられたときに、隣接する履帯用ゴムパッド10との間隙を覆うことにより、路面を走行するときなどに履板と履板との間に土砂などが入り込むことを防いでいる。したがって、履板など履帯の損傷を防止することができ、履帯の安定した動作を確保することができる。
【0100】
第6変形例においては、履帯用ゴムパッド10の長手方向に貫通穴19を含む所定範囲に所定深さの段差12aが形成されている。したがって、履帯用ゴムパッド10を製造するために必要なゴム材の量を低減することができ、ひいては製造コストを削減することができる。ここで、踏面12に履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる3本の溝18が形成されていた本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と比較すると、製造するために必要なゴム材の量をさらに低減することができ、製造コストをさらに削減することができる。また、段差12aによって貫通穴19の長さが短くなったので、貫通穴19を通じたボルト及びナットを締結する作業が容易になる。
【0101】
(第7変形例)
図18は、第7変形例の履帯用ゴムパッド10の外観図である。図18(a)は上面図であり、図18(b)及び図18(c)は斜視図である。図18(b)及び図18(c)は、履帯用ゴムパッド10を異なる角度から見たものである。
【0102】
第7変形例の履帯用ゴムパッド10は、図1図5に示した本実施の形態の履帯用ゴムパッド10とはゴムパッドの形状のみが相違している。第7変形例では、踏面12と、第1側面13、第2側面14、第3側面15及び第4側面16とがそれぞれ交わる稜に形成された切り欠き部が、高さに従い次第に傾斜が緩やかになるように二段で形成されている。また、踏面12の幅、すなわち踏面12の履帯用ゴムパッド10の短手方向についての長さが履帯用ゴムパッド10の長手方向に中心から離れるに従い次第に狭くなるようにテーパー状に形成されている。さらに、踏面12は履帯用ゴムパッド10の短手方向に延びる溝18を欠き、それに代わって踏面12の履帯用ゴムパッド10の長手方向に貫通穴19を含む所定範囲に所定深さで形成された段差12aを有している。他の構成は、本実施の形態の履帯用ゴムパッド10と同様である。
【0103】
第7変形例の履帯用ゴムパッド10は、履帯の幅方向を長手方向、周方向を短手方向、履板に取り付けられる装着面11から踏面12に向かって高さ方向とする略直方体形状を有している。履帯用ゴムパッド10は、長手方向に第1側面13及び第2側面14を両側の側面としている。また、短手方向に第3側面15及び第4側面16を両側の側面としている。高さ方向には、履板に接するように装着される装着面11を下面とし、踏面12を上面としている。
【0104】
履帯用ゴムパッド10にはこのゴムパッドを履板の取付穴にボルト及びナットを用いて固定することができるように、装着面11から踏面12までプレート20を通った複数の貫通穴19が形成されている。複数の貫通穴19は、履帯用ゴムパッド10の長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成されている。
【0105】
複数の貫通穴19において、プレート20にはボルトを通すための適切な径の孔25が形成されているが、踏面12からプレート20の上面22に達するまでの部分は、プレート20の孔25を通ったボルトに締結するナットを通すことができるように、プレート20の孔25より大径に形成されている。この大径の部分の底部には、プレート20に形成された孔25を囲むプレート20の上面22が露出している。
【0106】
履帯用ゴムパッド10の踏面12には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に複数の貫通穴19を含む範囲に所定深さの段差12aが形成されている。履帯用ゴムパッド10の装着面11には、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中央を含む所定範囲にプレート20の下面21に達する段差11aが形成され、貫通穴19を通す複数の孔25を含むプレート20の下面21が露出している。
【0107】
踏面12と、履帯用ゴムパッド10の長手方向に両側にある第1側面13、第2側面14とが交わる稜には2段階の切り欠きが設けられ、高さ方向に次第に傾斜が緩やかになるように、それぞれ下部第1切り欠き部13a及び上部第1切り欠き部13b、下部第2切り欠き部14a及び上部第2切り欠き部14gを形成している。同様に、踏面12と、履帯用ゴムパッド10の短手方向に両側にある第3側面15、第4側面16とが交わる稜には2段階の切り欠きが設けられ、高さ方向に次第に傾斜が緩やかになるように、それぞれ下部第3切り欠き部15a及び上部第3切り欠き部15b、下部第4切り欠き部16a及び上部第4切り欠き部16aを形成している。
【0108】
踏面12の幅、すなわち踏面12の履帯用ゴムパッド10の短手方向の長さは、踏面12と、上部第3切り欠き部15b及び上部第4切り欠き部16bとが交わる稜によって規定されている。第7変形例においては、踏面12の幅は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中心から離れて第1側面13及び第2側面14に近づくに従い、次第に狭くなるようなテーパー状に形成されている。
【0109】
第7変形例においては、踏面12と、第1側面13、第2側面14、第3側面15及び第4側面とが交わる稜には、高さに従い次第に傾斜が緩やかになる2段階の面取り部が形成されている。また、踏面12は、履帯用ゴムパッド10の長手方向に中心から離れるに従い幅が狭くなるようなテーパー状に形成されている。したがって、履帯用ゴムパッドを取り付けた履帯で走行するときに、2段階の面取り部やテーパー状の踏面12で滑らかに地面に接することで、振動や騒音を低減することができる。
【0110】
第7変形例においては、履帯用ゴムパッド10の長手方向に貫通穴19を含む所定範囲に所定深さの段差12aが形成されている。したがって、履帯用ゴムパッド10を製造するために必要なゴム材の量を低減することができ、ひいては製造コストを削減することができる。また、段差12aによって貫通穴19の長さが短くなったので、貫通穴19を通じたボルト及びナットを締結する作業が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
この発明は、建設機械や土木機械の履帯に取り付ける履帯用ゴムパッドの製造に利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
10 履帯用ゴムパッド
11 装着面
12 踏面
13 第1側面
14 第2側面
15 第3側面
16 第4側面
18 溝
19 貫通穴
20 プレート
31 第1主棒材
32 第2主棒材
33 第3主棒材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履帯の鉄製の履板に取り付ける履帯用ゴムパッドであって、
履帯の幅方向を長手方向とし、履帯の周方向を短手方向とし、履板に取り付けられる装着面から踏面に向けて高さ方向とする略直方体形状を有するゴムパッドと、
前記ゴムパッドに長手方向に沿って延びるように埋め込まれた複数の主棒材と、
前記装着面に沿って延びるように前記ゴムパッドに埋め込まれたプレートと
を含み、前記ゴムパッドには、前記履板の取付穴に前記プレートを固定することができるように前記装着面と前記踏面との間の前記プレートを通る複数の貫通穴が形成され
前記複数の主棒材は、前記ゴムパッドの短手方向に中央と両側の側面との間の位置にそれぞれ配置された2本の主棒材を含み、前記2本の主棒材は、前記ゴムパッドの長手方向に中央を含む所定範囲にわたり、前記ゴムパッドの短手方向について近い方の側面に向かって突出した第1突出部を含む履帯用ゴムパッド。
【請求項2】
前記プレートは、それぞれ前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向に沿って延びる四辺を有する略矩形状を有する請求項1に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項3】
前記プレートは、前記ゴムパッドの長手方向に前記2本の主棒材に前記第1突出部が形成された範囲において、前記ゴムパッドの短手方向に前記2本の主棒材の一方から他方までの範囲に配置された請求項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項4】
前記プレートは、前記ゴムパッドの高さ方向に、前記2本の主棒材が配置された高さの範囲と少なくとも一部が重なるように配置され、前記プレートの前記ゴムパッドの短手方向についての両端には、前記プレートが前記2本の主棒材の側面に沿って前記2本の主棒材の上側に湾曲する湾曲部が形成された請求項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項5】
前記2本の主棒材は、それぞれ、前記ゴムパッドの長手方向に、前記2本の主棒材の両端から中央に向かう所定範囲にわたり前記ゴムパッドの高さ方向に突出した第2突出部を含む請求項からのいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項6】
前記複数の主棒材は、前記ゴムパッドの短手方向に略中央に配置された主棒材をさらに含む請求項からのいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項7】
前記略中央に配置された主棒材は、前記2本の主棒材よりも径が大きい請求項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項8】
前記略中央に配置された主棒材は、前記ゴムパッドの高さ方向に前記プレートの上側に配置された請求項又はに記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項9】
前記ゴムパッドの短手方向に沿って延びるように前記ゴムパッドに埋め込まれた複数の副棒材をさらに含む請求項1からのいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項10】
前記複数の副棒材は、前記ゴムパッドの長手方向に、当該ゴムパッドの中央と両側の側面との間の位置に、それぞれ1本又は2本が埋め込まれた請求項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項11】
前記複数の副棒材は、前記ゴムパッドの高さ方向に、前記複数の主棒材の上側に配置された請求項又は10に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項12】
前記複数の貫通穴は、前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向についてそれぞれの二等分面に対称に配置されるように合計で4個が形成された請求項1から11のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項13】
前記複数の貫通穴は、前記履帯の取付穴に通したボルトに前記プレートをナットで固定することができるように、前記踏面から前記プレートに達するまで前記プレートに形成された孔の径よりも大きな径を有する請求項12に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項14】
前記ゴムパッドの踏面には、前記ゴムパッドの長手方向に中央と、前記長手方向に複数の貫通穴を挟む両側とに、それぞれ前記ゴムパッドの短手方向に延びる溝が形成された請求項12又は13に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項15】
前記ゴムパッドの踏面には、前記ゴムパッドの長手方向について前記複数の貫通穴を含む所定範囲に所定深さの段差を有する請求項12又は13に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項16】
前記ゴムパッドの装着面には、前記ゴムパッドの長手方向に前記複数の貫通穴を含む所定範囲に前記プレートに達する段差が形成された請求項1から15のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項17】
前記ゴムパッドの踏面と、前記ゴムパッドの長手方向及び短手方向に両側の側面とが交わる稜には、面取り部が形成された請求項1から16のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項18】
前記面取り部は、二段の面取り部によって構成された請求項17に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項19】
前記ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を一方の側面から延長した延長部を含む請求項1から18のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項20】
前記ゴムパッドの短手方向に、当該ゴムパッドの装着面を他方の側面から後退させて形成した後退部を含み、前記後退部に隣接するゴムパッドの延長部を収容できるようにした請求項19に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項21】
前記複数の主棒材及び前記複数の副棒材は、鉄鋼の棒材によって構成された請求項9から11のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。
【請求項22】
前記ゴムパッドは、加硫されたゴム材によって構成された請求項1から21のいずれか一項に記載の履帯用ゴムパッド。