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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089589
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20220609BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202103
(22)【出願日】2020-12-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】逸見 宝生
(72)【発明者】
【氏名】稲田 友
(72)【発明者】
【氏名】森田 一行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【解決手段】情報処理装置は、教師または生徒が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供するサーバ装置10であって、端末装置に教育系コンテンツを提供するコンテンツ提供部131と、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に、各教育系コンテンツを評価する評価部133と、評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部134と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教師または生徒が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置であって、
前記端末装置に前記教育系コンテンツを提供する提供部と、
各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に、各教育系コンテンツを評価する評価部と、
前記評価を基に、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に、前記教育系コンテンツの前記端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分配部は、前記評価に、前記教育系コンテンツへの使用時間または使用回数に応じて、重みづけをした金額を、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に分配することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記教師が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用時間、前記教師が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用回数、前記生徒が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用時間、前記生徒が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用回数、使用回数に応じた各教育系コンテンツの前記教師及び前記生徒が属する学校内のランキング、または、前記教育系コンテンツの使用と生徒の学力との相関関係を基に、各教育系コンテンツを評価することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記教師が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用時間、前記教師が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用回数、前記生徒が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用時間、前記教師が使用する端末装置における教育系コンテンツの使用回数、使用回数に応じた各教育系コンテンツの前記教師及び前記生徒が属する学校内のランキング、または、前記教育系コンテンツの使用と生徒の学力との相関関係と、各教育コンテンツの評価結果と、を学習した評価モデルを用いて評価を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記端末装置に、使用に適した前記教育系コンテンツのレコメンド情報を送信する情報送信部をさらに有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
教師が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記端末装置に前記教育系コンテンツを提供する工程と、
各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に、各教育系コンテンツを評価する工程と、
前記評価を基に、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に、前記教育系コンテンツの前記端末装置への提供によって生じた利益を分配する工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校では、デジタル教材等の教育関連の各種コンテンツを利用した授業が推進されており、これに応じて、教育関連の各種コンテンツをまとめて提供するプラットフォームが実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】教育クラウドプラットフォームサービス「まなびポケット」, [online],[令和2年10月27日検索]、インターネット<URL:https://www.ntt.com/business/services/cloud/education/edu-cloud.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、教育系プラットフォームでは、教育関連のコンテンツを提供する事業者に対し、ユーザが支払う使用料のうち、各事業者との間の契約にしたがった料金を支払っていた。これに対し、コンテンツ事業者からは、提供するコンテンツの質の高低に応じて、利益を分配することが要望されていた。
【0005】
しかしながら、単に各コンテンツへのアクセス数を料金分配の指標とした場合、単にアクセスしただけで実際にコンテンツが授業等で使用されていない場合も含むため、各コンテンツへのアクセス数では、各コンテンツの質の高低を適切に評価できるとは言えなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、教師または生徒が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置であって、端末装置に教育系コンテンツを提供する提供部と、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に、各教育系コンテンツを評価する評価部と、評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、教育系コンテンツに対する評価について説明する図である。
図4図4は、サーバ装置による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
図5図5は、サーバ装置による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
図6図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示す図である。
図7図7は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9図9は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10図10は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
図11図11は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置及び情報処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る情報処理装置及び情報処理方法が限定されるものではない。
【0011】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る情報処理装置及び情報処理方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0012】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを、学校の先生(教師)が使用する端末装置に提供する通信システムの一例について説明する。実施の形態では、プラットフォーマーが、コンテンツ事業者による各種の教育コンテンツをまとめて提供する場合を例として説明する。ここで、教育コンテンツとは、ドリル、テスト、映像等のデジタル教材である。学校では、先生が、これらの教育コンテンツを使用(閲覧、ダウンロード、視聴等)して授業を進める。また、生徒も、家庭学習等においてこれらの教育コンテンツを使用する場合もある。
【0013】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、学校等で各先生が使用する先生用端末20(端末装置)及び自宅等で生徒が使用する生徒用端末21に、複数のコンテンツ事業者(事業者)から提供された複数の教育系コンテンツを提供するプラットフォーマーのサーバ装置10(情報処理装置)を有する。また、図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0015】
コンテンツ事業者A側の事業者サーバ装置30Aは、ネットワーク等を介して、教育コンテンツ(例えば、コンテンツA)をサーバ装置10に提供する。コンテンツ事業者B側の事業者サーバ装置30Bは、ネットワーク等を介して、教育コンテンツ(例えば、コンテンツB1,B2)をサーバ装置10に提供する。事業者サーバ装置30A~30Bを総称して事業者サーバ装置30と記載する。
【0016】
先生用端末20は、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット等のスマートデバイスである。先生用端末20は、ネットワークNを介して、プラットフォーマーのサーバ装置10に接続し、所望の教育系コンテンツの提供を受け、提供された教育系コンテンツを使用する。なお、先生用端末20は、教育系コンテンツを選択する際には、教育系コンテンツの選択を支援する画面を表示して、先生による教育系コンテンツの選択を支援する。
【0017】
生徒用端末21は、ノートPCやデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット等のスマートデバイスである。生徒用端末21は、ネットワークNを介して、プラットフォーマーのサーバ装置10に接続し、担当の先生から指示された教育系コンテンツや所望の教育系コンテンツの提供を受け、提供された教育系コンテンツを使用する。
【0018】
サーバ装置10は、先生用端末20及び生徒用端末21に、複数のコンテンツ事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する。そして、サーバ装置10は、各コンテンツ事業者に、教育系コンテンツの先生用端末20及び生徒用端末21への提供によって生じた利益を分配する。この際、サーバ装置10では、各教育系コンテンツを評価するための評価用情報として、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを取得し、取得した評価用情報を基に、各教育系コンテンツを自動評価する。そして、サーバ装置10は、各教育系コンテンツに対する評価を基にコンテンツ事業者ごとに利益の配分を計算する。すなわち、サーバ装置10は、教育関連のコンテンツに対する評価の高低に応じた額で、コンテンツ事業者に利益を分配する。
【0019】
したがって、本実施の形態では、教育系コンテンツへのアクセス数ではなく、各教育系コンテンツに対する評価に応じて、各コンテンツ事業者に利益を分配する。このため、本実施の形態によれば、教育関連のコンテンツの質に対する適切な評価にしたがってコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。続いて、図1に示すサーバ装置10について説明する。
【0020】
[サーバ装置]
図2は、図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、このサーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下にサーバ装置10が有する各部の処理を説明する。
【0021】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、事業者サーバ装置30A,30Bから、教育系コンテンツのデータの提供を受け、先生用端末20及び生徒用端末21に送信する。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、ユーザである各先生のユーザ情報121、コンテンツ事業者情報122、コンテンツ情報123、及び、評価履歴124を記憶する。
【0023】
ユーザ情報121は、先生のID、先生の所属(自治体、学校)、先生が担当する生徒の学年、先生が担当する生徒のID、先生が担当する生徒のコンテンツ使用履歴、生徒の成績の履歴、志望校に対する合格判定結果、志望校への合格率等を含む。
【0024】
コンテンツ事業者情報122は、教育系コンテンツの提供元であるコンテンツ事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツ事業者のID、コンテンツ事業者が提供する教育系コンテンツの識別情報、コンテンツ事業者への過去の利益配分である。
【0025】
コンテンツ情報123は、提供対象の教育系コンテンツに関する情報であり、例えば、
教育系コンテンツの識別情報、教育系コンテンツの提供開始日、教育系コンテンツの種別、教育系コンテンツの対象学年、教育系コンテンツの難易度、教育系コンテンツの過去の使用実績や使用例である。
【0026】
評価履歴124は、各教育系コンテンツに対する評価の履歴を示す情報である。
【0027】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、コンテンツ提供部131(提供部)、評価用情報取得部132、評価部133、分配部134及び情報送信部135を有する。
【0028】
コンテンツ提供部131は、先生用端末20及び生徒用端末21による要求に応じて、先生用端末20に、教育系コンテンツを提供する。コンテンツ提供部131は、事業者サーバ装置30と先生用端末20との間の通信を接続して、事業者サーバ装置30が保有する教育系コンテンツの提供を仲介する。コンテンツ提供部131は、サーバ装置10が教育系コンテンツを保持する場合には、先生用端末20に、自装置が保持する教育系コンテンツを提供する。
【0029】
評価用情報取得部132は、各教育系コンテンツを評価するための評価用情報を取得する。評価用情報取得部132は、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを取得する。
【0030】
例えば、評価用情報取得部132は、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用時間、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用回数、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用時間、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用回数、使用回数に応じた各教育系コンテンツの先生及び生徒が属する学校内のランキングを取得する。また、評価用情報取得部132は、生徒の学力、例えば、生徒の成績の履歴、志望校に対する合格判定結果、志望校への合格率等を取得する。また、評価用情報取得部132は、各教育系コンテンツに対する先生や生徒からのコメントや活用事例を取得する。
【0031】
評価部133は、評価用情報取得部132によって取得された、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に、各教育系コンテンツを評価する。
【0032】
評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用時間、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用回数、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用時間、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用回数、または、使用回数に応じた各教育系コンテンツの先生及び生徒が属する学校内のランキングを基に、各教育系コンテンツを評価する。または、評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、教育系コンテンツの使用と生徒の学力との相関関係を求め、求めた相関関係を基に、各教育系コンテンツを評価する。また、評価部133は、各教育系コンテンツに対する先生や生徒からのコメントや活用事例を基に、各教育系コンテンツを評価する。
【0033】
評価部133は、例えば、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用時間、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用回数、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用時間、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用回数、使用回数に応じた各教育系コンテンツの先生及び生徒が属する学校内のランキング、または、教育系コンテンツの使用と生徒の学力との相関関係と、各教育コンテンツの評価結果と、を学習した評価モデルを用いて評価を行う。学習モデルは、例えば、機械学習を用いて学習する。
【0034】
そして、評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、教育系コンテンツの利用に関するオンラインセミナーの提供、コンテンツを提供する事業者と先生との間の質疑応答、または、教育系コンテンツの共有事例の紹介の有無を基に、各教育系コンテンツを評価してもよい。
【0035】
分配部134は、評価部133による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの先生用端末20及び生徒用端末21への提供によって生じた利益を分配する。そして、分配部134は、評価部133による評価に、教育系コンテンツへの使用時間または使用回数に応じて、重みづけをした金額を、教育系コンテンツを提供する各コンテンツ事業者に分配してもよい。
【0036】
情報送信部135は、先生用端末20たまは生徒用端末21に、使用に適した教育系コンテンツのレコメンド情報を送信する。
【0037】
[評価]
続いて、教育系コンテンツに対する評価について説明する。図3は、教育系コンテンツに対する評価について説明する図である。
【0038】
図3に示すように、例えば、評価方式として、星(☆)5段階評価によるレーティング方式を採用し、利益の配分は、☆5段階方式を点数化し、配分を実施し、全てを評価配分とする。
【0039】
評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、評価対象の教育系コンテンツについて、該教育系コンテンツの使用時期と、生徒の学力が向上した時期とが共通する場合には、この教育系コンテンツに加点する。或いは、評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、評価対象の教育系コンテンツについて、該教育系コンテンツが授業において使用される頻度が高い場合や、自宅学習において使用される頻度が高い場合には、この教育系コンテンツに加点する。
【0040】
また、評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、各教育系コンテンツに対する先生や生徒からのコメントや活用事例を参照し、評価する旨のコメントの数や、活用事例数が多い教育系コンテンツに加点する。
【0041】
また、評価部133は、所定の評価ルールにしたがって、教育系コンテンツの利用に関するオンラインセミナーの提供、コンテンツを提供する事業者と先生との間の質疑応答、または、教育系コンテンツの共有事例の紹介がある場合には、教育系コンテンツに加点する。
【0042】
また、評価部133は、評価用情報取得部132が取得した各教育系コンテンツを評価するための評価用情報を、評価モデルに入力し、評価モデルによる評価結果を基に、各教育系コンテンツを評価してもよい。
【0043】
[分配]
次に、各コンテンツ事業者への利益配分の一例について説明する。図4及び図5は、サーバ装置10による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
【0044】
例えば、一人のエンドユーザへの教育系コンテンツの提供価格(例えば、600円~980円)のうち500円を、コンテンツ事業者への配分と考える。その際、図4の(1)式に示すように、コンテンツ事業者への配分額は、500円に、ID数と、コンテンツ事業者が取得した星(☆)の数とを乗じたうえで、全コンテンツ取得数で割った額とする。星(☆)の数は、評価部133が付けた星の数の集計値である。
【0045】
図5に、各コンテンツ事業者への配分の具体例を示す。図5では、前提として、コンテンツ事業者数が15、児童生徒ID数が17380、先生の5%が全コンテンツに対して☆3以上の評価をしたと想定する。そして、配分原資(月額)で17380ID×500円であり、配分額は、図4の(1)式にしたがって決定する。この結果、評価結果による配分額は、図5のように、評価数が高いものほど高く設定される。なお、いずれのコンテンツ事業者にも利益がいきわたるように、配分額の最低限度額を設定してもよい。そして、サーバ装置10は、各事業者サーバ装置30において、プラットフォーマーが提供する教育系コンテンツ提供システム上で、例えば、月ごとに、分配される支払い金額を表示できるようにしてもよい。各コンテンツ事業者は、この表示画面を確認することによって、自身に支払われる配分金額を認識可能になる。例えば、サーバ装置10は、毎月、月末に各先生による評価を集計し、翌月の各コンテンツ事業者への配分金額を決定し、翌月分配するとともに、その配分金額をコンテンツ事業者が予め認識できるとなるように、システム上でコンテンツ事業者向けの支払い金額表示画面を表示できるようにしてもよい。
【0046】
[通信処理の処理手順]
図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示す図である。図6に示すように、サーバ装置10は、教育系コンテンツの提供元である事業者サーバ装置30A,30Bから教育系コンテンツの提供を受け(ステップS1,2)、使用を希望する先生用端末20及び生徒用端末21に、教育系コンテンツを提供する(ステップS3-1,S3-2)。これによって、先生用端末20及び生徒用端末21では、教育系コンテンツの使用を開始する(ステップS4-1,S4-2)。先生用端末20及び生徒用端末21は、使用した教育系コンテンツの使用回数及び使用時間、生徒の成績等の評価用情報をサーバ装置に送信する(ステップS5-1,S5-2)。
【0047】
続いて、サーバ装置10は、教育系コンテンツの評価タイミングであるか否かを判定する(ステップS6)。サーバ装置10は、教育系コンテンツの評価タイミングでない場合(ステップS6:No)、ステップS6に戻り、判定処理を繰り返す。
【0048】
教育系コンテンツの評価タイミングである場合(ステップS6:Yes)、サーバ装置10は、評価用情報を取得し(ステップS7)、取得した評価用情報を基に、各教育系コンテンツを評価する(ステップS8)。
【0049】
サーバ装置10は、先生による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者の利益配分を計算し(ステップS9)、計算した配分で、教育系コンテンツの先生用端末20への提供によって生じた利益を事業者サーバ装置30A,30Bに分配する(ステップS10,S11)。
【0050】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係るサーバ装置10は、各教育系コンテンツの使用状況と各教育系コンテンツの使用による結果との少なくとも一つを基に各教育系コンテンツを自動的に評価し、この評価に応じて、各コンテンツ事業者に利益を分配する。
【0051】
具体的には、サーバ装置10は、先生が使用する先生用端末20における教育系コンテンツの使用時間、先生用端末20における教育系コンテンツの使用回数、生徒が使用する生徒用端末21における教育系コンテンツの使用時間、生徒用端末21における教育系コンテンツの使用回数、使用回数に応じた各教育系コンテンツの学校内のランキングを基に各教育系コンテンツを評価する。または、サーバ装置10は、教育系コンテンツの使用と生徒の学力との相関関係を基に、各教育系コンテンツを評価する。
【0052】
このように、サーバ装置10は、教育コンテンツの使用状況に限らず、教育コンテンツの使用による生徒の学力向上の有無に関しても、各コンテンツの評価材料とするため、各教育系コンテンツの質の高低を適切に評価することができる。したがって、サーバ装置10は、適切な評価にしたがってコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【0053】
[選択支援]
なお、サーバ装置10は、先生による教育系コンテンツの選択を支援するために、図7図10に示す画面を先生用端末20に表示してもよい。図7図10は、先生用端末20に表示される画面の一例を示す図である。
【0054】
図7に示すように、例えば、選択支援画面M2-1は、コンテンツ利用数に応じてコンテンツを順番に表示する領域R1を有する。領域R1では、例えば、アクセス数が多い教育系コンテンツから順に教育系コンテンツの識別情報が表示される。そして、選択支援画面M2-1は、これまでの評価履歴を基に、5段階の星(☆)で各教育系コンテンツの役立ち度を示す領域R2を有する。また、選択支援画面M2-1は、領域R1に表示された各教育系コンテンツに対する前の月の評価の平均を示す領域R3や、レビューや他者コメントの参照が可能である領域R4を有する。先生は、レビューや役立ち度を参考にしながら、教育系コンテンツを選択すればよい。
【0055】
先生用端末20は、例えば、教育系コンテンツごとに、アクセス数に関する統計を示す選択支援画面M3(図8参照)や、お気に入り登録や閲覧数等を示す選択支援画面M4(図9参照)が表示される。また、先生用端末20は、この先生用端末20が属する学校内における利用回数などに応じた月次ランキング画面M5(図10参照)を表示してもよい。先生は、レビュー、アクセス数或いは校内ランキングを参考にしながら、教育系コンテンツを選択すればよい。
【0056】
また、先生用端末20は、選択支援画面として、先生が担当する生徒による教育系コンテンツの自宅学習等における使用時間、先生が担当する生徒による教育系コンテンツの自宅学習等における使用回数を示す画面を表示してもよい。生徒用端末21は、選択支援画面として、コンテンツと生徒の学力との相関関係を示す画面を表示してもよい。例えば、生徒用端末21は、コンテンツの使用時間や使用回数と、生徒の成績、偏差値の上下とを対応付けたグラフや、コンテンツの使用時間や使用回数と、生徒の志望校とその合格率との対応関係を示す画面を表示する。
【0057】
このように、先生は、サーバ装置10によって先生用端末20に表示された選択支援画面を閲覧することによって、教育系コンテンツの選択をスムーズに進めることができる。
【0058】
また、サーバ装置10は、先生用端末20に、使用に適した教育系コンテンツのレコメンド情報を送信してもよい。サーバ装置10は、例えば、先生用端末20のユーザである先生の生徒が、ドリル教材のある単元で誤りが多い場合には、その単元の基礎的な内容を説明する映像コンテンツをレコメンドする。このレコメンドを参照して、先生は、映像コンテンツを生徒に紹介することで、生徒の学力向上を図る。また、サーバ装置10は、教育系コンテンツを即時活用可能なオンラインセミナーの優先提供、コンテンツを提供する事業者と先生との間のダイレクトな質疑応答の支援、ニッチな教育系コンテンツの共有事例の紹介等も行い、各種教育系コンテンツを円滑に提供できるようにしてもよい。
【0059】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0060】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0061】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0062】
図11は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図11に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0063】
メモリ1010は、図11に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図11に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0064】
ここで、図11に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0065】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0066】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0067】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
10 サーバ装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 先生用端末
30A,30B 事業者サーバ装置
121 ユーザ情報
122 コンテンツ事業者情報
123 コンテンツ情報
124 評価履歴
131 コンテンツ提供部
132 評価用情報取得部
133 評価部
134 分配部
135 情報送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11