(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089590
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、通信システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220609BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202104
(22)【出願日】2020-12-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】逸見 宝生
(72)【発明者】
【氏名】稲田 友
(72)【発明者】
【氏名】森田 一行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【解決手段】情報処理装置は、先生が使用する先生用端末に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供するサーバ装置10であって、先生用端末に前記教育系コンテンツを提供するコンテンツ提供部131と、先生用端末から、教育系コンテンツに対する先生による評価を取得する評価取得部133と、先生による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの先生用端末への提供によって生じた利益を分配する分配部134と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教師が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置であって、
前記端末装置に前記教育系コンテンツを提供する提供部と、
前記端末装置から、前記教育系コンテンツに対する前記教師による評価を取得する評価取得部と、
前記教師による評価を基に、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に、前記教育系コンテンツの前記端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分配部は、前記教師による評価に、前記教育系コンテンツへの使用時間または使用回数に応じて、重みづけをした金額を、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に分配することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記端末装置に、前記教育系コンテンツの評価用画面の起動指示と、前記端末装置において使用された前記教育系コンテンツの評価のために要する評価用情報と、前記教育系コンテンツに対する評価を補助する補助情報と、を送信する情報送信部をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記補助情報は、前記端末装置における前記情報処理装置に対する使用時間、前記端末装置における前記情報処理装置に対する使用回数、前記端末装置の使用者である前記教師が担当する生徒による前記教育系コンテンツの使用時間、前記端末装置の使用者である前記教師が担当する生徒による前記教育系コンテンツの使用回数、または、使用回数に応じた各教育系コンテンツの前記教師が属する学校内のランキングであることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報送信部は、前記端末装置に、使用に適した前記教育系コンテンツのレコメンド情報を送信することを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
教師が使用する端末装置と、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを端末装置に提供する情報処理装置とを有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記端末装置に、前記教育系コンテンツを提供する提供部と、
前記端末装置から、前記教育系コンテンツに対する前記教師による評価を取得する評価取得部
前記教師による評価を基に、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に、前記教育系コンテンツの前記端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記情報処理装置に接続して前記教育系コンテンツを使用する使用部と、
前記教育系コンテンツに対する前記教師による評価の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記評価を、前記情報処理装置に送信する評価送信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
教師が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記端末装置に前記教育系コンテンツを提供する工程と、
前記端末装置から、前記教育系コンテンツに対する前記教師による評価を取得する工程と、
前記教師による評価を基に、前記教育系コンテンツを提供する各事業者に、前記教育系コンテンツの前記端末装置への提供によって生じた利益を分配する工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、通信システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校では、デジタル教材等の教育関連の各種コンテンツを利用した授業が推進されており、これに応じて、教育関連の各種コンテンツをまとめて提供するプラットフォームが実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】教育クラウドプラットフォームサービス「まなびポケット」, [online],[令和2年10月27日検索]、インターネット<URL:https://www.ntt.com/business/services/cloud/education/edu-cloud.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、教育系プラットフォームでは、教育関連のコンテンツを提供する事業者に対し、ユーザが支払う使用料のうち、各事業者との間の契約にしたがった料金を支払っていた。これに対し、コンテンツ事業者からは、提供するコンテンツの質の高低に応じて、利益を分配することが要望されていた。
【0005】
しかしながら、単に各コンテンツへのアクセス数を料金分配の指標とした場合、単にアクセスしただけで実際にコンテンツが授業等で使用されていない場合も含む。このため、各コンテンツへのアクセス数では、各コンテンツの質の高低を適切に評価できるとは言えなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である情報処理装置、通信システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、教師が使用する端末装置に、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する情報処理装置であって、端末装置に教育系コンテンツを提供する提供部と、端末装置から、教育系コンテンツに対する教師による評価を取得する評価取得部と、教師による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの端末装置への提供によって生じた利益を分配する分配部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、教育関連のコンテンツを適切に評価してコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す先生用端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、先生による教育系コンテンツに対する評価について説明する図である。
【
図5】
図5は、先生による教育系コンテンツに対する評価について説明する図である。
【
図6】
図6は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、先生用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、サーバ装置による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
【
図12】
図12は、サーバ装置による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図14】
図14は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、通信システム及び情報処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る情報処理装置、通信システム及び情報処理方法が限定されるものではない。
【0011】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る情報処理装置、通信システム及び情報処理方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0012】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、複数の事業者から提供された複数の教育系コンテンツを、学校の先生(教師)が使用する端末装置に提供する通信システムの一例について説明する。実施の形態では、プラットフォーマーが、コンテンツ事業者による各種の教育コンテンツをまとめて提供する場合を例として説明する。ここで、教育コンテンツとは、ドリル、テスト、映像等のデジタル教材である。学校では、先生が、これらの教育コンテンツを使用(閲覧、ダウンロード、視聴等)して授業を進める。また、生徒も、家庭学習等においてこれらの教育コンテンツを使用する場合もある。
【0013】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、学校等で各先生が使用する先生用端末20A~20C(端末装置)と、先生用端末20A~20Cに、複数のコンテンツ事業者(事業者)から提供された複数の教育系コンテンツを提供するプラットフォーマーのサーバ装置10(情報処理装置)とを有する。また、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、以下の説明では、先生用端末20A~20Cを総称して先生用端末20と記載する。
【0015】
コンテンツ事業者A側の事業者サーバ装置30Aは、ネットワーク等を介して、教育コンテンツ(例えば、コンテンツA)をサーバ装置10に提供する。コンテンツ事業者B側の事業者サーバ装置30Bは、ネットワーク等を介して、教育コンテンツ(例えば、コンテンツB1,B2)をサーバ装置10に提供する。事業者サーバ装置30A~30Bを総称して事業者サーバ装置30と記載する。
【0016】
先生用端末20は、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット等のスマートデバイスである。先生用端末20は、ネットワークNを介して、プラットフォーマーのサーバ装置10に接続し、所望の教育系コンテンツの提供を受け、提供された教育系コンテンツを使用する。そして、各先生用端末20は、教育系コンテンツに対する先生による評価の入力を受けつけ、教育系コンテンツに対する評価をサーバ装置10に送信する。なお、先生用端末20は、教育系コンテンツに対する評価の際には、教育系コンテンツに対する評価用画面を表示し、教育系コンテンツに対する評価を補助する補助情報を表示した補助画面を表示して、先生による評価を支援する。
【0017】
サーバ装置10は、先生用端末20に、複数のコンテンツ事業者から提供された複数の教育系コンテンツを提供する。そして、サーバ装置10は、各コンテンツ事業者に、教育系コンテンツの先生用端末20への提供によって生じた利益を分配する。この際、サーバ装置10では、先生用端末20から、各先生による評価を取得し、この各先生による各教育系コンテンツに対する評価を基に、コンテンツ事業者ごとに利益の配分を計算する。すなわち、サーバ装置10は、教育関連のコンテンツに対する各先生の評価の高低に応じた額で、コンテンツ事業者に利益を分配する。
【0018】
したがって、本実施の形態では、教育系コンテンツへのアクセス数ではなく、実際に使用する先生による各教育系コンテンツに対する評価に応じて、各コンテンツ事業者に利益を分配する。このため、本実施の形態によれば、教育関連のコンテンツの質に対する適切な評価にしたがってコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。続いて、
図1に示すサーバ装置10及び先生用端末20について説明する。
【0019】
[サーバ装置]
図2は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、このサーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下にサーバ装置10が有する各部の処理を説明する。
【0020】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、事業者サーバ装置30A,30Bから、教育系コンテンツのデータの提供を受け、先生用端末20に送信する。また、通信部11は、ネットワークNを介して、先生用端末20から、教育系コンテンツに対する先生による評価を受信し、制御部13に出力する。
【0021】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、ユーザである各先生のユーザ情報121、コンテンツ事業者情報122、コンテンツ情報123、及び、評価履歴124を記憶する。
【0022】
ユーザ情報121は、先生のID、先生の所属(自治体、学校)、先生が担当する生徒の学年、先生が担当する生徒のID、先生が担当する生徒のコンテンツ使用履歴や生徒の成績等を含む。
【0023】
コンテンツ事業者情報122は、教育系コンテンツの提供元であるコンテンツ事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツ事業者のID、コンテンツ事業者が提供する教育系コンテンツの識別情報、コンテンツ事業者への過去の利益配分である。
【0024】
コンテンツ情報123は、提供対象の教育系コンテンツに関する情報であり、例えば、
教育系コンテンツの識別情報、教育系コンテンツの提供開始日、教育系コンテンツの種別、教育系コンテンツの対象学年、教育系コンテンツの難易度、教育系コンテンツの過去の使用実績や使用例である。
【0025】
評価履歴124は、各先生による各教育系コンテンツに対する評価の履歴を示す情報である。
【0026】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、コンテンツ提供部131(提供部)、評価用情報送信部132(情報送信部)、評価取得部133及び分配部134を有する。
【0027】
コンテンツ提供部131は、先生用端末20による要求に応じて、先生用端末20に、教育系コンテンツを提供する。コンテンツ提供部131は、事業者サーバ装置30と先生用端末20との間の通信を接続して、事業者サーバ装置30が保有する教育系コンテンツの提供を仲介する。コンテンツ提供部131は、サーバ装置10が教育系コンテンツを保持する場合には、先生用端末20に、自装置が保持する教育系コンテンツを提供する。
【0028】
評価用情報送信部132は、教育系コンテンツに対する評価タイミングを判定し、評価タイミングである際には、先生用端末20に、教育系コンテンツの評価用画面の起動指示と、評価のために要する評価用情報とを送信する。評価用情報は、例えば、先生用端末20において使用された教育系コンテンツの識別情報、教育系コンテンツの起動回数、一つ前の評価時における評価結果である。
【0029】
そして、評価用情報送信部132は、先生用端末20に、教育系コンテンツに対する評価を補助する補助情報を送信する。補助情報は、例えば、先生用端末20におけるサーバ装置10に対する使用時間、先生用端末20におけるサーバ装置10に対する使用回数、先生用端末20の使用者である先生が担当する生徒による教育系コンテンツの使用時間、先生用端末20の使用者である先生が担当する生徒による教育系コンテンツの使用回数、または、使用回数に応じた各教育系コンテンツの、先生が属する学校内のランキングである。
【0030】
また、評価用情報送信部132は、先生用端末20に、使用に適した教育系コンテンツのレコメンド情報を送信してもよい。
【0031】
評価取得部133は、先生用端末20から、各教育系コンテンツに対する先生による評価を取得する。先生による評価は、例えば、5段階評価によるレーティングである。
【0032】
分配部134は、先生による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者に、教育系コンテンツの先生用端末20への提供によって生じた利益を分配する。そして、分配部134は、先生による評価に、教育系コンテンツへの使用時間または使用回数に応じて、重みづけをした金額を、教育系コンテンツを提供する各コンテンツ事業者に分配してもよい。
【0033】
[先生用端末]
次に、
図1に示す先生用端末20の構成について説明する。
図3は、
図1に示す先生用端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、先生用端末20は、入力部21、通信部22、出力部23、記憶部24及び制御部25を有する。
【0034】
入力部21は、先生用端末20のユーザである先生からの各種操作を受け付ける入力インタフェースである。例えば、入力部21は、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力デバイス等の入力デバイスによって構成される。
【0035】
通信部22は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースであり、NIC等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部25(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部22は、ネットワークNを介して、サーバ装置10から教育コンテンツの提供を受ける。また、通信部22は、ネットワークNを介して、教育系コンテンツに対する先生による評価を、サーバ装置10に送信する。
【0036】
出力部23は、例えば、液晶ディスプレイや音声出力デバイスによって構成される。また、出力部23は、印刷装置等によって実現されてもよい。
【0037】
記憶部24は、HDD、SSD等の記憶装置である。なお、記憶部24は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部24は、先生用端末20で実行されるOSや各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部24は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部24は、先生用端末20のユーザでる先生が担当する生徒に関する生徒情報241、提供可能である教育系コンテンツの識別情報を含むコンテンツ情報242、先生が閲覧或いは使用した教育系コンテンツの識別情報と使用期間、使用回数を含むコンテンツ使用情報243、及び、先生による教育系コンテンツに対する評価の履歴である評価履歴244を有する。
【0038】
制御部25は、先生用端末20全体を制御する。制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部25は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。制御部は、コンテンツ使用部251(使用部)、評価用画面表示制御部252(表示制御部)、評価受付部(受付部)253及び評価送信部254を有する。
【0039】
コンテンツ使用部251は、サーバ装置10に接続して、教育系コンテンツの提供を受ける。コンテンツ使用部251は、提供を受けた教育系コンテンツを使用する。
【0040】
評価用画面表示制御部252は、教育系コンテンツの使用に必要となる、ユーザログイン画面や、教育系コンテンツの選択及び仕様を可能とするコンテンツ提供画面を、出力部23に表示出力する。続いて、評価用画面表示制御部252は、サーバ装置10による評価用画面表示起動指示を受け付けると、使用した教育系コンテンツに対する評価用画面を表示する。この際、評価用画面表示制御部252は、サーバ装置10から受信した補助情報を示す補助画面を表示して、先生による評価を支援する。
【0041】
評価受付部253は、先生による入力デバイスの操作をしたがって、入力部21から入力された、教育系コンテンツに対する先生による評価の入力を受け付ける。評価送信部254は、評価受付部352が受け付けた評価を、サーバ装置10に送信する。
【0042】
[評価]
続いて、先生による教育系コンテンツに対する評価について説明する。
図4及び
図5は、先生による教育系コンテンツに対する評価について説明する図である。
図6~
図10は、先生用端末20に表示される画面の一例を示す図である。
【0043】
図3及び
図4に示すように、例えば、評価方式として、星(☆)5段階評価によるレーティング方式を採用し、利益の配分は、☆5段階方式を点数化し、配分を実施し、全てを評価配分とする。そして、評価をする人は、先生である。
【0044】
具体的には、先生用端末20の画面M1(
図6参照)に、定期的に、評価用モーダルウィンドウM2(
図6参照)が表示される。たとえば、月に1~2回程度、放課後のタイミングで評価用モーダルウィンドウM2が起動される。
【0045】
図7に示すように、例えば、評価用モーダルウィンドウM2-1は、コンテンツ利用数に応じてコンテンツを順番に表示する領域R1を有する。領域R1では、例えば、アクセス数が多い教育系コンテンツから順に教育系コンテンツの識別情報が表示される。そして、評価用モーダルウィンドウM2-1は、☆5まで教育系コンテンツごとに評価を選択可能である領域R2を有する。先生は、この領域R2の星の個数を選択することで、各教育系コンテンツの評価を行う。先生は、例えば、使い勝手や役立ち度合い等に応じて評価を付ける。また、評価用モーダルウィンドウM2-1は、領域R1に表示された各教育系コンテンツに対する前の月の評価の平均を示す領域R3や、レビューや他者コメントの参照が可能である領域R4を有する。
【0046】
そして、先生用端末20では、評価用モーダルウィンドウM2-1表示時には、サーバ装置10から送信された補助情報を基に、評価を補助するための各種補助画面を表示する。先生は、各種補助画面を閲覧することで、各教育系コンテンツに対する評価を進めることもできる。
【0047】
先生用端末20は、補助画面として、例えば、教育系コンテンツごとに、アクセス数に関する統計を示す画面M3(
図8参照)や、お気に入り登録や閲覧数等を示す画面M4(
図9参照)を表示する。また、先生用端末20は、補助画面として、この先生用端末20が属する学校内における利用回数などに応じた月次ランキング画面M5(
図10参照)を表示する。また、先生用端末20は、補助画面として、先生が担当する生徒による自宅学習等における教育系コンテンツの使用時間、先生が担当する生徒による自宅学習等における教育系コンテンツの使用回数を示す画面を表示することもできる。
【0048】
そして、先生用端末20は、補助画面として、コンテンツと生徒の学力との相関関係を示す画面を表示してもよい。例えば、先生用端末20は、コンテンツの使用時間や使用回数と、生徒の成績、偏差値の上下とを対応付けたグラフや、コンテンツの使用時間や使用回数と、生徒の志望校とその合格率との対応関係を示す画面を表示する。
【0049】
このように、サーバ装置10は、先生用端末20に、評価用情報とともに補助情報を送信する。これに応じて、先生用端末20は、送信された補助情報を表示した補助画面を、評価用モーダルウィンドウM2-1表示時に閲覧可能とすることで、先生による教育系コンテンツに対する評価を支援する。
【0050】
なお、サーバ装置10は、先生用端末20に、使用に適した教育系コンテンツのレコメンド情報を送信してもよい。サーバ装置10は、例えば、先生用端末20のユーザである先生の生徒が、ドリル教材のある単元で誤りが多い場合には、その単元の問題の基礎的な内容を説明する映像コンテンツをレコメンドする。このレコメンドを参照して、先生は、映像コンテンツを生徒に紹介することで、生徒の学力向上を図る。また、サーバ装置10は、教育系コンテンツを即時活用可能なオンラインセミナーの優先提供、コンテンツを提供する事業者と先生との間のダイレクトな質疑応答の支援、ニッチな教育系コンテンツの共有事例の紹介等も行い、各種教育系コンテンツを円滑に提供できるようにしてもよい。
【0051】
[分配]
次に、各コンテンツ事業者への利益配分の一例について説明する。
図11及び
図12は、サーバ装置10による各コンテンツ事業者への利益配分の一例を説明する図である。
【0052】
例えば、一人のエンドユーザへの教育系コンテンツの提供価格(例えば、600円~980円)のうち500円を、コンテンツ事業者への配分と考える。その際、
図11の(1)式に示すように、コンテンツ事業者への配分額は、500円に、ID数と、コンテンツ事業者が取得した星(☆)の数とを乗じたうえで、全コンテンツ取得数で割った額とする。星(☆)の数は、各先生が評価用モーダルウィンドウM2-1上で付けた星の数の集計値である。
【0053】
図12に、各コンテンツ事業者への配分の具体例を示す。
図12では、前提として、コンテンツ事業者数が15、児童生徒ID数が17380、先生の5%が全コンテンツに対して☆3以上の評価をしたと想定する。そして、配分原資(月額)で17380ID×500円であり、配分額は、
図11の(1)式にしたがって決定する。この結果、評価結果による配分額は、
図12のように、評価数が高いものほど高く設定される。なお、いずれのコンテンツ事業者にも利益がいきわたるように、配分額の最低限度額を設定してもよい。そして、サーバ装置10は、各事業者サーバ装置30において、プラットフォーマーが提供する教育系コンテンツ提供システム上で、例えば、月ごとに、分配される支払い金額を表示できるようにしてもよい。各コンテンツ事業者は、この表示画面を確認することによって、自身に支払われる配分金額を認識可能になる。例えば、サーバ装置10は、毎月、月末に各先生による評価を集計し、翌月の各コンテンツ事業者への配分金額を決定し、翌月分配するとともに、その配分金額をコンテンツ事業者が予め認識できるとなるように、システム上でコンテンツ事業者向けの支払い金額表示画面を表示できるようにしてもよい。
【0054】
[通信処理の処理手順]
図13は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図13に示すように、サーバ装置10は、教育系コンテンツの提供元である事業者サーバ装置30A,30Bから教育系コンテンツの提供を受け(ステップS1,2)、使用を希望する先生用端末20に、教育系コンテンツを提供する(ステップS3)。これによって、先生用端末20では、教育系コンテンツの使用を開始する(ステップS4)。
【0055】
続いて、サーバ装置10は、教育系コンテンツの評価タイミングであるか否かを判定する(ステップS5)。サーバ装置10は、教育系コンテンツの評価タイミングでない場合(ステップS5:No)、ステップS5に戻り、判定処理を繰り返す。
【0056】
教育系コンテンツの評価タイミングである場合(ステップS5:Yes)、サーバ装置10は、先生用端末20に、教育系コンテンツの評価用画面の起動指示とともに、評価のために要する評価用情報と評価を補助する補助情報を送信する(ステップS6)。
【0057】
これによって、先生用端末20では、評価用画面が表示され(ステップS7)、補助画面の閲覧も可能となる。そして、先生用端末20では、先生による入力デバイスの操作をしたがって、教育系コンテンツに対する先生による評価の入力を受け付ける(ステップS8)、受け付けた評価をサーバ装置10に送信する(ステップS9、S10)。
【0058】
サーバ装置10は、先生用端末20から、各教育系コンテンツに対する先生による評価を取得する(ステップS11)。サーバ装置10は、先生による評価を基に、教育系コンテンツを提供する各事業者の利益配分を計算し(ステップS12)、計算した配分で、教育系コンテンツの先生用端末20への提供によって生じた利益を事業者サーバ装置30A,30Bに分配する(ステップS13,14)。
【0059】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態では、教育系コンテンツへのアクセス数ではなく、実際に使用する先生による各教育系コンテンツに対する評価に応じて、各コンテンツ事業者に利益を分配する。このため、本実施の形態によれば、教育関連のコンテンツの質に対する適切な評価にしたがってコンテンツ事業者に利益を分配することが可能である。
【0060】
また、実施の形態では、先生用端末20に、評価用画面に加え、評価対象の教育系コンテンツの定量データ(アクセス数や使用数)等の補助情報を閲覧可能とすることによって、先生による評価処理の支援も可能とする。このため、先生は、各教育系コンテンツに対する評価を円滑に行うことができる。
【0061】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10及び先生用端末20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10及び先生用端末20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0064】
図14は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図14に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0065】
メモリ1010は、
図14に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図14に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0066】
ここで、
図14に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0067】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0068】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0069】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ装置
11,22 通信部
12,24 記憶部
13,25 制御部
20 先生用端末
21 入力部
23 出力部
30A,30B 事業者サーバ装置
121 ユーザ情報
122 コンテンツ事業者情報
123,242 コンテンツ情報
124,244 評価履歴
131 コンテンツ提供部
132 評価用情報送信部
133 評価取得部
134 分配部
241 生徒情報
243 コンテンツ使用情報
251 コンテンツ使用部
252 評価用画面表示制御部
253 評価受付部
254 評価送信部