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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089601
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/74 20170101AFI20220609BHJP
【FI】
B60Q3/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202123
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 真之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 将人
(72)【発明者】
【氏名】吉川 正人
(72)【発明者】
【氏名】藤浪 速光
(72)【発明者】
【氏名】笠原 結実
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040DA02
3K040FB02
3K040GA01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】基板カバーをハウジング上に安定して仮置きすることができ、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、基板カバーのハウジングへの取り付け不良の発生が抑えられる構造を有する照明装置を提供する。
【解決手段】底壁11、及び底壁11に連続した、嵌合孔13を有する第1の側壁12を有する、基板カバー10と、嵌合孔13に嵌合する外側に突出した爪22を有する第2の側壁21を有するハウジング20と、爪22を嵌合孔13に嵌合させることにより、基板カバー10の底壁11とハウジング20とに挟まれて固定される、発光素子32及び発光素子32の動作を切り替えるスイッチ33が配線板31に実装された基板30と、ハウジング20に取り付けられた、発光面となるレンズ50と、を備え、爪22が、第2の側壁21の先端21bから離れて設けられた、照明装置1を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、及び前記底壁に連続した、嵌合孔を有する第1の側壁を有する、基板カバーと、
前記嵌合孔に嵌合する外側に突出した爪を有する第2の側壁を有するハウジングと、
前記爪を前記嵌合孔に嵌合させることにより、前記基板カバーの前記底壁と前記ハウジングとに挟まれて固定される、発光素子及び前記発光素子の動作を切り替えるスイッチが配線板に実装された基板と、
前記ハウジングに取り付けられた、発光面となるレンズと、
を備え、
前記爪が、前記第2の側壁の先端から離れて設けられた、
照明装置。
【請求項2】
前記爪と前記第2の側壁の先端との距離が1mm以上である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記爪が、前記第1の側壁の内側から前記嵌合孔に嵌合され、外部に露出する構造を有する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ハウジングに取り付けられた、前記スイッチを操作するためのスイッチノブを備え、
前記ハウジングが、前記スイッチノブを取り付ける部分に前記スイッチノブの取り付け方向に沿ったレールを有し、
前記スイッチノブが、取り付けの際に前記レールを滑らせる、前記レールに対応した線状の溝を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2の側壁が、前記基板を側方から挟んで互いに対抗する2枚の側壁を含み、
前記2枚の側壁の前記基板に隣接する領域の一部の高さが、前記基板の前記配線板の前記ハウジング側の面の高さよりも、2mm以上低い、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の側壁が、少なくとも一部の前記嵌合孔の両側に、前記第1の側壁の先端から連続するスリットを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に取り付けされるハウジングと、ハウジングの下方に設けられるレンズカバーと、ハウジングの上方側に設けられた、光源を有する基板と、基板を覆う基板カバーを備えた室内照明灯が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の室内照明灯においては、ハウジングの爪を基板カバーの孔に嵌合させることにより、基板カバーをハウジングに取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-192881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の室内照明灯のような照明装置の組み立てをロボットにより自動で行う場合、基板カバーのハウジングへの取り付けは、基板カバーをハウジング上に仮置きする動作と、仮置きされた基板カバーを上から押し込んでハウジングの爪と基板カバーの嵌合孔を嵌合させる動作の組み合わせにより実施される。
【0006】
しかしながら、基板カバーをハウジング上に仮置きする際に基板カバーの位置が僅かでもずれると、基板カバーが傾くなどして、押し込むことによりハウジングの爪と基板カバーの嵌合孔を嵌合させることができなくなるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、基板カバーをハウジング上に安定して仮置きすることができ、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、基板カバーのハウジングへの取り付け不良の発生が抑えられる構造を有する照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[6]の照明装置を提供する。
【0009】
[1]底壁、及び前記底壁に連続した、嵌合孔を有する第1の側壁を有する、基板カバーと、前記嵌合孔に嵌合する外側に突出した爪を有する第2の側壁を有するハウジングと、前記爪を前記嵌合孔に嵌合させることにより、前記基板カバーの前記底壁と前記ハウジングとに挟まれて固定される、発光素子及び前記発光素子の動作を切り替えるスイッチが配線板に実装された基板と、前記ハウジングに取り付けられた、発光面となるレンズと、を備え、前記爪が、前記第2の側壁の先端から離れて設けられた、照明装置。
[2]前記爪と前記第2の側壁の先端との距離が1mm以上である、上記[1]に記載の照明装置。
[3]前記爪が前記第1の側壁の内側から前記嵌合孔に嵌合され、外部に露出する構造を有する、上記[1]又は[2]に記載の照明装置。
[4]前記ハウジングに取り付けられた、前記スイッチを操作するためのスイッチノブを備え、前記ハウジングが、前記スイッチノブを取り付ける部分に前記スイッチノブの取り付け方向に沿ったレールを有し、前記スイッチノブが、取り付けの際に前記レールを滑らせる、前記レールに対応した線状の溝を有する、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の照明装置。
[5]前記第2の側壁が、前記基板を側方から挟んで互いに対抗する2枚の側壁を含み、前記2枚の側壁の前記基板に隣接する領域の一部の高さが、前記基板の前記配線板の前記ハウジング側の面の高さよりも、2mm以上低い、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の照明装置。
[6]前記第1の側壁が、少なくとも一部の前記嵌合孔の両側に、前記第1の側壁の先端から連続するスリットを有する、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板カバーをハウジング上に安定して仮置きすることができ、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、基板カバーのハウジングへの取り付け不良の発生が抑えられる構造を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る照明装置の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1の切断線A-Aに沿って切断された照明装置の垂直断面図である。
図4図4(a)、(b)は、ハウジング上に仮置きされた状態の本発明の実施の形態に係る基板カバーを示す断面模式図である。図4(c)は、比較例としての、第2の側壁の先端から離れずに設けられている爪の断面を含む断面模式図である。
図5図5は、図1の切断線B-Bに沿って切断された照明装置の部分的な垂直断面図である。
図6図6(a)は、スイッチノブの裏側から見た斜視図であり、図6(b)は、ハウジングのスイッチノブ取り付け部近傍を拡大した斜視図である。
図7図7(a)は、ハウジングの基板カバーを取り付ける側から見た斜視図である。図7(b)は、ロボットアームにより基板がハウジングの上に載置されるときの状態を示す断面模式図である。
図8図8(a)は、嵌合孔近傍を拡大した、本発明の実施の形態に係る基板カバーの側面図である。図8(b)、(c)は、比較例としての、図8(a)と異なる嵌合孔近傍の構造を有する基板カバーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施の形態〕
(照明装置の構成)
図1(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の斜視図である。図1(a)は、後述するレンズ50側から見た斜視図であり、図1(b)は、後述する基板カバー10側から見た斜視図である。図2は、照明装置1の分解斜視図である。
【0013】
照明装置1は、車両の天井に取り付けられる照明装置であり、典型的には、自動車のリア席側の天井に取り付けられる照明装置である。
【0014】
照明装置1は、底壁11、及び底壁11に連続した、嵌合孔13(13a~13c)を有する第1の側壁12を有する、基板カバー10と、嵌合孔13に嵌合する外側に突出した爪22(22a~22c)を有する第2の側壁21を有するハウジング20と、爪22を嵌合孔13に嵌合させることにより、基板カバー10の底壁11とハウジング20とに挟まれて固定される、光源である発光素子32及び発光素子32の動作を切り替えるスイッチ33が実装された基板30と、ハウジング20に取り付けられた、発光面となるレンズ50と、を備える。
【0015】
基板30は、配線板31と、配線板31に実装された発光素子32、スイッチ33、及び発光素子32に電力を供給するためのケーブルなどを接続するための電源コネクタ34を有する。発光素子32は、例えば、発光ダイオード素子である。発光素子32の個数や配置は特に限定されない。スイッチ33は、ボタンを押し込むことにより電流のオン、オフを切り替え、発光素子32の点灯と消灯を切り替える押しボタンスイッチである。
【0016】
基板カバー10は、基板30を覆って保護する部材であり、基板30を覆った状態で基板カバー10をハウジング20に取り付けることにより、基板30を固定することができる。基板カバー10は、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂からなる。
【0017】
ハウジング20の爪22を有する第2の側壁21と、基板カバー10の嵌合孔13を有する第1の側壁12は、基板カバー10をハウジング20に取り付ける際に弾性変形し、爪22が嵌合孔13に達したときにその復元力によって爪22を嵌合孔13に嵌合させる。ハウジング20の爪22a、22b、22cは、それぞれ基板カバー10の嵌合孔13a、13b、13cに嵌合する。
【0018】
ハウジング20は、基板30が取り付けられる側の部分に、発光素子32から発せられる光を取り込むための開口部25を有する。また、ハウジング20は、基板30が取り付けられる側と反対側の部分に、発光素子32から発せられる光を放出するための開口部26を有する。ハウジング20は、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂からなり、発光素子32から発せられる光を透過しない性質を有する。
【0019】
また、ハウジング20は、クリップ60を固定するためのクリップ取り付け部24を有する。クリップ60は、照明装置1を車内の天井に取り付けるための部品であり、取り付け時に弾性変形し、その復元力によって天井の取り付け部に固定される。
【0020】
レンズ50は、開口部26を覆うようにハウジング20に取り付けられる。レンズ50は、例えば、ポリカーボネートからなり、発光素子32から発せられる光を透過する性質を有する。
【0021】
図2に示されるように、照明装置1を構成する各部品の組み付け方向は一方向に統一されており、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、容易に照明装置1を組み立てることができる。
【0022】
照明装置1を構成する各部品は、それぞれ、チャック部分(搬送時にロボットアームのクローで掴む部分)となる、重心を挟む位置に2つの平行な平面状の領域を有することが好ましい。例えば、ハウジング20においては、第2の側壁21のうちの基板30を側方から挟んで互いに対抗する2枚の側壁21aに、ハウジング20の重心を挟む2つの平行な平面状の領域が含まれる。この場合、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、各部品の意匠面にロボットアームが触れないために、部品が傷つくことを防止できる。
【0023】
(基板カバーの取り付け不良を抑える構造)
図3は、図1の切断線A-Aに沿って切断された照明装置1の垂直断面図である。図3に示されるように、ハウジング20の爪22aは、第2の側壁21の先端(縁)21bから離れて設けられている。
【0024】
これによって、基板カバー10をハウジング20へ取り付ける工程において、基板カバー10をハウジング20上に安定して仮置きすることができ、基板カバー10を上方から押し込むことによって、より確実にハウジング20の爪22と基板カバー10の嵌合孔13を嵌合させることができる。このため、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、基板カバー10のハウジング20への取り付け不良の発生が抑えられる。
【0025】
また、図3に示されるように、基板カバー10の第1の側壁12が、先端12aの内側に設けられた傾斜面12bによる誘い込み形状を有することが好ましい。この場合、基板カバー10をハウジング20上により安定して仮置きすることができる。
【0026】
図4(a)、(b)は、ハウジング20上に仮置きされた状態の基板カバー10を示す断面模式図である。図4(a)、(b)に示される断面は、第2の側壁21の先端21bから離れて設けられている爪22aの断面を含む。図4(a)に示される基板カバー10は傾斜面12bによる誘い込み形状を有さず、図4(b)に示される基板カバー10は傾斜面12bによる誘い込み形状を有する。なお、図4(a)、(b)においては、基板30の図示は省略している。
【0027】
図4(a)、(b)に示されるように、基板カバー10が仮置きされた状態において、ハウジング20の第2の側壁21の先端21bと爪22aの間の部分が、基板カバー10の第1の側壁12の内側に嵌まり込むため、基板カバー10の姿勢が安定する。また、図4(b)に示されるように、基板カバー10が傾斜面12bによる誘い込み形状を有する場合、第1の側壁12の先端12aを爪22aの上により安定に置くことができる。第1の側壁12の先端12aを爪22aの上にさらに安定に置くためには、図4(b)に示されるように、傾斜面12bの傾斜角度と爪22aの基板カバー10側の傾斜面220の傾斜角度がほぼ一致していることが好ましい。
【0028】
一方、図4(c)は、比較例としての、第2の側壁21の先端21bから離れずに設けられている爪22の断面を含む、ハウジング20上に仮置きされた状態の基板カバー10を示す断面模式図である。この場合、図4(c)に示されるように、ハウジング20の第2の側壁21が基板カバー10の第1の側壁12の内側に嵌まり込むことはなく、爪22が第2の側壁21の先端21bの上に乗ることになる。このため、全ての爪22が第2の側壁21の先端21bから離れずに設けられている場合、基板カバー10の仮置き位置が僅かでもずれると、基板カバー10が傾いたり、ハウジング20上から滑り落ちたりして、基板カバー10を上方から押し込んでハウジング20の爪22と基板カバー10の嵌合孔13を嵌合させることができなくなるおそれがある。
【0029】
ここで、基板カバー10をハウジング20上により安定して仮置きするためには、爪22と第2の側壁21の先端21bとの距離Lが1mm以上であることが好ましい。
【0030】
また、ハウジング20が有する爪22のうち、少なくとも一部の爪22が第2の側壁21の先端21bから離れて設けられていればよいが、基板カバー10をハウジング20上により安定して仮置きするため、少なくとも、図3に示される爪22aのように、ハウジング20が有する第2の側壁21のうち、基板30を側方から挟んで互いに対抗する2枚の側壁21aの互いに対抗する位置に設けられた2つの爪22が先端21bから離れて設けられていることが好ましい。
【0031】
なお、上述の例では、爪22を第1の側壁12の内側から嵌合孔13に嵌合させているが、爪22を第1の側壁12の外側から嵌合孔13に嵌合させる場合であっても、基板カバー10の第1の側壁12の先端12aが、第2の側壁21の先端21bと爪22の間の部分の内側に嵌まり込むため、仮置きされた基板カバー10の姿勢を安定させることができる。
【0032】
(画像検査可能な爪嵌合構造)
ハウジング20の爪22が嵌合孔13に嵌合しているか否かを画像検査(カメラにより撮像した画像を用いる検査)するため、照明装置1は、図1(b)に示されるように、嵌合孔13が第1の側壁12の内側から外側に貫通し、第1の側壁12の内側から嵌合孔13に嵌合された爪22が外部に露出する構造を有することが好ましい。この場合、画像検査装置を用いた自動検査により、爪22と嵌合孔13の嵌合(半嵌合などになっていないか)を確認することができる。
【0033】
(スイッチノブ取り付け構造)
照明装置1は、図1(a)、図2に示されるように、ハウジング20に取り付けられた、スイッチ33を操作するためのスイッチノブ40を備える。スイッチノブ40を指などで押し込むことにより、スイッチ33のボタンを押して電流のオン、オフを切り替えることができる。
【0034】
図5は、図1の切断線B-Bに沿って切断された照明装置1の部分的な垂直断面図である。ロボットによる自動組み立てを行う場合、スイッチノブ40のハウジング20への取り付けは、スイッチノブ40をハウジング20のスイッチノブ取り付け部23上に仮置きする動作と、仮置きされたスイッチノブ40を上から押し込んでスイッチノブ40の爪41をスイッチノブ取り付け部23の孔23aに挿入する動作の組み合わせにより実施される。
【0035】
爪41がスイッチノブ取り付け部23の孔23aに挿入されると、爪41が孔23aの縁に引っかかることにより、スイッチ33を操作するためにスイッチノブ40を押し込む動作を阻害することなく、スイッチノブ40がハウジング20から外れることを防止できる。
【0036】
図6(a)は、スイッチノブ40の裏側から見た斜視図であり、図6(b)は、ハウジング20のスイッチノブ取り付け部23近傍を拡大した斜視図である。
【0037】
ハウジング20は、スイッチノブ取り付け部23にスイッチノブ40の取り付け方向に沿ったレール23bを有し、また、スイッチノブ40が、取り付けの際にレール23bを滑らせる、レール23bに対応した線状の溝42を有することが好ましい。
【0038】
スイッチノブ40をハウジング20へ取り付ける工程において、スイッチノブ40をスイッチノブ取り付け部23上に仮置きしたときに、レール23bの下端が溝42に収まることによりスイッチノブ40の姿勢が安定し、また、仮置きされたスイッチノブ40を上方から押し込むときに、レール23bが溝42内を滑ることにより、より確実にスイッチノブ40の爪41をスイッチノブ取り付け部23の孔23aに挿入することができる。このため、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、スイッチノブ40のハウジング20への取り付け不良の発生が抑えられる。
【0039】
なお、ハウジング20のレール23bと、スイッチノブ40の溝42は、組み立てられた照明装置1において、スイッチノブ40の押し込み動作のガイドとしても用いることができる。
【0040】
(ロボットアームの干渉を避ける構造)
図7(a)は、ハウジング20の基板カバー10を取り付ける側から見た斜視図である。図7(a)に示されるように、ハウジング20の第2の側壁21が、基板30を側方から挟んで互いに対抗する2枚の側壁21aを含み、2枚の側壁21aの基板30に隣接する領域の一部(以下凹部21cとする)における先端21bの高さHが、基板30の配線板31のハウジング20側の面31aの高さHよりも2mm以上低いことが好ましい。
【0041】
図7(b)は、ロボットアームにより基板30がハウジング20の上に載置されるときの状態を示す、図7(a)の切断線C-Cに沿って切断された垂直断面の模式図である。図7(b)に示される断面は、側壁21aの凹部21cの断面を含む。図7(b)に示されるように、ロボットアームのクロー70が基板30の配線板31を両側から挟んで保持し、ハウジング20の上に置くときに、クロー70の先端の水平方向の位置が凹部21cと重なるようにすると、クロー70と第2の側壁21の干渉を避けることができる。
【0042】
(嵌合を容易にする爪嵌合構造)
図8(a)は、嵌合孔13b近傍を拡大した、基板カバー10の側面図である。図8(a)に示される嵌合孔13bのように、基板カバー10の第1の側壁12は、少なくとも一部の嵌合孔13の両側に、第1の側壁12の先端12aから連続するスリット14を有することが好ましい。特に、嵌合孔13bのように、両側の近い位置に第1の側壁12の縁やハウジング20への取り付けのためのスリットが存在しない嵌合孔13の両側にスリット14が設けられていることが好ましい。
【0043】
図8(b)、(c)は、比較例としての、図8(a)と異なる嵌合孔13近傍の構造を有する基板カバー10の側面図である。第1の側壁12がスリット14を有する場合、図8(b)に示されるようなスリット14を有しない場合と比較して、基板カバー10をハウジング20に取り付ける際に第1の側壁12が弾性変形しやすくなり、より小さな力で容易に爪22を嵌合孔13に嵌合させることができる。
【0044】
また、第1の側壁12がスリット14を有する場合、図8(c)に示されるような第1の側壁12の嵌合孔13を含む部分が突出している場合と比較して、基板カバー10の厚さを抑え、照明装置1を小型化することができる。
【0045】
(実施の形態の効果)
上記実施の形態に係る照明装置1によれば、基板カバー10をハウジング20上に安定して仮置きすることができ、ロボットによる自動組立を行う場合であっても、基板カバー10のハウジング20への取り付け不良の発生を抑えることができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0047】
また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0048】
1 照明装置
10 基板カバー
11 底壁
12 第1の側壁
12a 先端
12b 傾斜面
13(13a~13c) 嵌合孔
14 スリット
20 ハウジング
21 第2の側壁
21b 先端
22(22a~22c) 爪
23 スイッチノブ取り付け部
23b レール
30 基板
31 配線板
32 発光素子
33 スイッチ
40 スイッチノブ
41 爪
42 溝
50 レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8