(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089614
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】溶融金属精錬炉ガス吹き羽口
(51)【国際特許分類】
C21C 5/48 20060101AFI20220609BHJP
C21C 7/072 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
C21C5/48 C
C21C7/072 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202148
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001971
【氏名又は名称】品川リフラクトリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】今井 忍
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 淳志
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 亮磨
【テーマコード(参考)】
4K013
4K070
【Fターム(参考)】
4K013CA21
4K070CG01
(57)【要約】
【課題】特別な成形用部材を必要とせず、簡便な加工方法でガス吹き羽口と周囲耐火物との間への溶融金属の侵入を防止することができる溶融金属精錬炉ガス吹き羽口を提供する。
【解決手段】本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1は、側面部に溝7を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面部に溝を有する溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項2】
前記溝が複数設けられている請求項1に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項3】
隣接する前記溝どうしの間隔は10~50mmである請求項2に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項4】
前記溝の幅は、3~20mmである請求項1~3のいずれか一項に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項5】
前記溝の深さは、
5mm以上であり、かつ、
前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の耐火物の厚さの20%以内である請求項1~4のいずれか一項に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項6】
前記溝の幅と前記溝の深さとの積は、50mm2以上である請求項1~5のいずれか一項に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項7】
前記溝が延びる方向は、前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の使用状態における水平面に対して0~45°である請求項1~6のいずれか一項に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【請求項8】
前記溝は、前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の下端からの距離が、当該溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の長手方向長さの3分の1の長さ以内である領域に設けられている請求項1~7のいずれか一項に記載の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属精錬炉に使用する底吹き羽口に関し、特に羽口と周囲耐火物との間への溶融金属侵入を抑制した底吹き羽口の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
転炉、電気炉、取鍋などの金属精錬炉には、炉底にガス吹き羽口を設置したものがある。ガス吹き羽口は、多細管を有するもの、スリットを有するもの、ポーラス質のものなどがある。またガス吹き羽口の形状は角柱、円柱、角錐台、円錐台などがある。そしてガス吹き羽口は周囲耐火物に囲繞されている。しかし、ガス吹き羽口と周囲耐火物との境界(いわゆる目地)を介して溶融金属が侵入する場合があり、最悪の場合外殻鉄皮を溶かして溶融金属が漏出することがある。この問題に対し特許文献1は、目地を屈曲させることによって溶融金属の流入を阻止する構造を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された構造は、一定の溶融金属侵入防止効果を有するが、押さえれんがや屈曲部などの構造が複雑で、特別な成形用部材が必要となる。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、特別な成形用部材を必要とせず、簡便な加工方法でガス吹き羽口と周囲耐火物との間への溶融金属の侵入を防止することができる溶融金属精錬炉ガス吹き羽口を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、側面部に溝を有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、特別な成形用部材を必要とせず、簡便な加工方法でガス吹き羽口と周囲耐火物間への溶融金属の侵入を防止できる。
【0008】
本発明者らは、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の側面部に溝を形成することにより、ガス吹き羽口と周囲耐火物との間に溶融金属が侵入した場合であっても、溝に溶融金属を誘導して凝固させることによって、それ以上下方に溶融金属が漏出しないことを発見し、本発明を完成した。また、羽口の中心側、下方側はガスの流通による冷却効果が高く、溶融金属を凝固させる効果が高いことも発見した。なお溝に溶融金属が誘導される理由は明らかでないが、溝の内外における温度差によって溶融金属に表面張力差が生じ、溝内部への駆動力を発生しているためと推定している。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0010】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝が複数設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、凝固した金属を介して伝熱量が増大しやすい。
【0012】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、隣接する前記溝どうしの間隔は、10~50mmであることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、溝と溝との間の耐火物の強度を高めやすい。
【0014】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝の幅は、3~20mmであることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、溶融金属を誘導する効果を高めやすい。
【0016】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝の深さは、5mm以上であり、かつ、前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の耐火物の厚さの20%以内であることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、より強い冷却効果が得られ、溶融金属を凝固させる効果が高まりやすい。
【0018】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝の幅と前記溝の深さとの積は、50mm2以上であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、溶融金属の凝固効果が高まりやすい。
【0020】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝が延びる方向は、前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の使用状態における水平面に対して0~45°であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、溶融金属の導入および凝固が促進される。
【0022】
本発明に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口は、一態様として、前記溝は、前記溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の下端からの距離が、当該溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の長手方向長さの3分の1の長さ以内である領域に設けられていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、冷却効果が高まり、溶融金属を凝固させる効果が高くなりやすい。
【0024】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の縦断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口と周囲耐火物との対向部分の構造を示す縦断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る溝の断面形状の一例を示す縦断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る溝の断面形状の一例を示す縦断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る溝の断面形状の一例を示す縦断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る溝の断面形状の一例を示す縦断面図である。
【
図8】変形例に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の斜視図である。
【
図9】変形例に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の斜視図である。
【
図10】変形例に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口と周囲耐火物との対向部分の構造を模した実施例Aを示す縦断面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口と周囲耐火物との対向部分の構造を模した実施例Bを示す縦断面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口と周囲耐火物との対向部分の構造を模した実施例Cを示す縦断面図である。
【
図14】従来の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口と周囲耐火物との対向部分の構造を模した比較例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0027】
〔溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の構成〕
本実施形態の溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1は、
図1に示すように、溶融金属容器の炉底部鉄皮6上にベースれんが2を介して設置され、パーマれんが3、周囲耐火物4、および不定形耐火物5に囲繞されている。
【0028】
羽口用耐火物の材質は特に限定されないが、カーボン含有耐火物を使用すれば熱伝導率が高く冷却効果が高まるので、溶融金属を凝固させる効果が高くなるので好ましい。カーボン含有量が10~30質量%であると、熱伝導率が最適となるので好ましい。
【0029】
溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1は四角錐台状の形状を有し、その下端側端部付近の側面部には6本の溝7が形成されている(
図2)。なお、溝の数は6本に限定されず、単数であっても複数であってもよい。ただし、溝が複数本設けられていると、凝固した金属を介して伝熱量が増大するので好ましい。また、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の形状は四角錐台状に限定されず、角錐台状、円錐台状(
図10)、角柱状、円柱状などでありうる。
【0030】
本実施形態では、溝7が溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の全て(四つ)の側面にわたって設けられている。ただし、溝7を設ける部分は、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の側面部の一部のみであってもよい。たとえば、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1が四角錐台状に形成されている場合、一つ、二つ、または三つの側面にのみ溝7が設けられてもよい。なお、溝を周囲耐火物4に設けてもよいが、溶融金属誘導および冷却効果の点で溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1に設けるほうが好ましい。
【0031】
本実施形態では、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の下端付近の側面部に溝7を設けてある。溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の下端側は、上端側に比べて温度が低い。そのため、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の下端から1/3の高さの範囲に溝7を設けると、より冷却効果が高まり、溶融金属を凝固させる効果が高くなるので好ましい。ただし、溝7を設ける箇所は、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の側面部のいずれの部位であってもよい。
【0032】
本実施形態では、溝7の幅a(
図3)を3~20mmとしてある。溝7の幅aがこの範囲にあると、溶融金属を誘導する効果がより高まるので好ましい。ただし、溝7の幅aは3~20mmに限定されない。
【0033】
本実施形態では、溝7の深さb(
図3)を5mm以上かつ溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の耐火物の厚さの20%以内としてある。溝7の深さbがこの条件を満たすと、より強い冷却効果が得られ、溶融金属を凝固させる効果が高まるので好ましい。ただし、溝7の深さbは、5mm未満であってもよいし、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の肉厚の20%を超えてもよい。
【0034】
本実施形態では、溝の幅aと深さbの積を50mm2以上としてある。溝7の幅aおよび深さbがこの条件を満たすと、溶融金属の凝固効果が高まるので好ましい。ただし、溝の幅aと深さbの積は、50mm2未満であってもよい。
【0035】
本実施形態では、溝7どうしの間隔c(
図3)を10mm以上としてある。溝7どうしの間隔cがこの範囲にあると、溝7と溝7との間の耐火物の強度が高まるのでより好ましい。溝7どうしの間隔を50mm以下とすれば、溝7の本数を多くすることができ、冷却効果が高まるのでより好ましい。なお、溝7どうしの間隔は一定である必要はない。また、溝7どうしの間隔cは、10mm未満であってもよい。
【0036】
溝の断面形状の例を
図4~
図7に示す。溝の断面形状は、角型(
図4)、丸形(
図5)、面取り付き(
図6)、鉤型形状(
図7)などでありうる。このうち、角型(
図4)および丸形(
図5)は、比較的簡単に形成することができるので好ましい。一方、溝入口の形状を面取りした形状(
図6)および溝の奥を広くして断面を鉤型にした形状(
図7)では、溶融金属の誘導、凝固効果が高まるので好ましい。
【0037】
本実施形態では、6本の溝7を、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の長手方向と直交する向きに平行に設けている(
図2)。ただし、溝7が延びる向きおよび溝7の態様は
図2に示した態様に限定されず、たとえば、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の長手方向と斜めに交わる向きに溝7が延びる態様(
図8)、不連続な複数の溝7を設ける態様(
図9)、らせん状に延びる溝7を設ける態様(
図10)などでありうる。ここで、溝7が延びる方向を長手方向と直交する平面(溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1の使用状態における水平面)に対して0~45°とすると、溶融金属の導入および凝固が促進されるので好ましい。また、溝7をらせん状に設けると、旋盤などを用いて一度に切削できるので好ましい。
【0038】
溝7は、成形したガス吹き耐火物の側面部を切断用ブレードなどで切削することで形成できる。また、溝7を有する部分は、不定形耐火物を成形したプレキャストブロックにしても良い。突起を有する型枠を使用することで容易に溝を形成することができ、加工工数を低減することができる。
【0039】
〔溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の作用効果〕
本実施形態に係る溶融金属精錬炉ガス吹き羽口1と周囲耐火物4との境界8に溶融金属が侵入した場合、溶融金属は溝7に誘導される。なお、溶融金属が溝に誘導される理由は、表面張力が作用するためだと推定される。ガス吹き羽口はガスによる冷却効果により中心部に向かって温度が低下する。そこで溝に導入された溶融金属は凝固し、それ以上下方に漏出することはない。さらに凝固した金属は耐火物よりも熱伝導率が高いため、冷却効果がより促進される。
【実施例0040】
以下に実施例と評価方法を示し、本発明の効果を詳細に説明する。
【0041】
[試験片の材質・形状]
溝を形成することによる溶融金属の通過抑制効果を検証するため、実験を行った。試験片の材質はカーボン含有量20質量%のマグネシア・カーボンれんがを使用した。また溶融金属には溶銑を使用し、その温度は1640℃とした。
【0042】
実施例A~Cでは、溝を形成した試験片10と、溝を有しないれんが片20とを対向させて配置した(
図11~
図14)。比較例では、溝を有しないれんが片20どうしを対向させて配置した。各試験片の寸法条件は、以下の通りである。
【0043】
(実施例A)
実施例Aとして、
図11に示す形状の試験片10を用いた。実施例Aでは、5本の溝が設けられており、溝の幅aは5mm、溝の深さbは20mm、溝どうしの間隔cは15mm、試験片厚さdは65mmとした。また、試験片10とれんが片20との隙間eを3mmとした。
【0044】
(実施例B)
実施例Bとして、
図12に示す形状の試験片10を用いた。実施例Bでは、溝の入口に面取りを施してあり、その他の条件(溝の本数、幅a、深さb、間隔c、試験片厚さd、および隙間e)は実施例Aと同一である。
【0045】
(実施例C)
実施例Cとして、
図13に示す形状の試験片10を用いた。実施例Cでは、4本の溝が設けられており、溝の幅aは20mm、溝の深さbは20mm、溝どうしの間隔cは15mm、試験片厚さdは65mmとした。また、試験片10とれんが片20との隙間eを3mmとした。
【0046】
(比較例)
比較例では、溝を有しないれんが片20どうしを対向させて配置した(
図14)。なお、れんが片20の厚さdを65mmとし、れんが片20どうしの隙間eを3mmとした。
【0047】
[溶銑通過時間の比較]
上記の各試験片の周囲を同一材質のれんがで囲み、隙間の上部から溶銑を流し込んだ。そして、溶銑を流し込んだ時を基準として隙間の下部から溶銑が流れ出すまでの所要時間を測定した。ただし、実施例Bでは溶銑が隙間の下部から流出せず、隙間の途中で溶銑が凝固した。実施例Aでは、比較例における溶銑通過時間の3.6倍の溶銑通過時間を要した。また、実施例Cでは、比較例における溶銑通過時間の12.5倍の溶銑通過時間を要した。このように、実施例A~Cのいずれに置いても、比較例に比べて溶銑通過時間が長くなっており、通過抑制効果があることが確かめられた。
【0048】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれる。例えば、明細書において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。
本発明者らは、溶融金属精錬炉ガス吹き羽口の側面部に溝を形成することにより、ガス吹き羽口と周囲耐火物との間に溶融金属が侵入した場合であっても、溝に溶融金属を誘導して凝固させることによって、それ以上下方に溶融金属が漏出しないことを発見し、本発明を完成した。また、羽口の中心側、下方側はガスの流通による冷却効果が高く、溶融金属を凝固させる効果が高いことも発見した。なお溝に溶融金属が誘導される理由は明らかでないが、溝の内外における温度差によって溶融金属に表面張力差が生じ、溝内部への駆動力を発生しているためと推定している。特に、溝が延びる方向が上記の態様であることによって、溶融金属の導入および凝固が促進される。