(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089624
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】球面軸継手装置
(51)【国際特許分類】
F16C 11/06 20060101AFI20220609BHJP
B62D 7/16 20060101ALI20220609BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
F16C11/06 R
B62D7/16
F16K31/06 385D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202164
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】000174611
【氏名又は名称】埼玉機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085637
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 辰也
(72)【発明者】
【氏名】川崎 尚志
(72)【発明者】
【氏名】長島 恵一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 遼
【テーマコード(参考)】
3D034
3H106
3J105
【Fターム(参考)】
3D034BA02
3D034BC14
3D034BC23
3H106DA07
3H106DA22
3H106DC08
3H106DC17
3H106KK04
3J105AA24
3J105AA32
3J105AB03
3J105AB41
3J105AC01
3J105CB13
3J105CB36
3J105CB52
3J105CB62
3J105CE03
3J105CE13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個体間のばらつき無く操縦安定性を確保可能な球面軸継手装置を提供する。
【解決手段】ドラッグリンク10のエンド11に開設された軸受凹部12と、軸受凹部12に嵌入された軸受部材30と、球面軸20に形成され軸受部材30に摺動自在に嵌入された凸球面部21と、球面軸20の凸球面部21を臨む開口を閉塞したエンドキャップ50とを備えている球面軸継手装置において、エンドキャップ50と凸球面部21との間に凸球面部21を軸受凹部30に押圧するピストン40を装填し、ピストン40とエンドキャップ50との間に圧力室54を形成し、圧力室54には圧力室54の空気圧を加減する切換弁71を備えた空圧回路70を接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一継手部材に開設された軸受凹部と、第二継手部材に形成され前記軸受凹部に摺動自在に支持された凸球面部と、前記凸球面部を臨む前記第一継手部材の開口を閉塞したエンドキャップと、前記エンドキャップと前記凸球面部との間に前記凸球面部を前記軸受凹部に押圧するように装填されたピストンと、前記凸球面部を前記軸受凹部に押圧する方向の押力を前記ピストンに付勢する流体回路と、を備えている球面軸継手装置。
【請求項2】
前記流体回路が前記押力を加減する切換弁を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の軸継手装置。
【請求項3】
前記切換弁が、2ポート・2位置・スプリングオフセット・ソレノイド操作切換弁によって構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の球面軸継手装置。
【請求項4】
前記切換弁が、3ポート・3位置・スプリングオフセット・ソレノイド操作切換弁によって構成されている、
【請求項5】
前記切換弁が、2ポート・2位置・スプリングオフセット・可変ソレノイド操作切換弁によって構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の球面軸継手装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球面軸継手装置に関し、例えば、自動車に搭載されるステアリングシステムのタイロッドおよびドラッグリンクに使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車に搭載されるステアリングシステムのタイロッドやドラッグリンクに使用される球面軸継手装置においては、操縦の安定性を確保するために、自動車の直進時には高いトルク性能が要求され、自動車の旋回時には低いトルク性能が要求される。
この高いトルク性能と低いトルク性能という相反する二つの性能を同時に調和させる球面軸継手装置として、一対のボールシートの一方に複数個の皿ばねを直列に配列して、他方のボールシートに球部(球面軸)を押し付けるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数個の皿ばねを直列に配列した球面軸継手装置においては、皿ばねは板厚等の製作誤差がばね特性に大きく影響し易く特性のばらつきが大きくなるので、また、摩擦により皿ばねにヒステリシスが生じるので、球面軸継手装置の各個体間にばらつきが発生するという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、個体間のばらつき無く操縦の安定性を確保することができる球面軸継手装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
第一継手部材に開設された軸受凹部と、第二継手部材に形成され前記軸受凹部に摺動自在に支持された凸球面部と、前記凸球面部を臨む前記第一継手部材の開口を閉塞したエンドキャップと、前記エンドキャップと前記凸球面部との間に前記凸球面部を前記軸受凹部に押圧するように装填されたピストンと、前記凸球面部を前記軸受凹部に押圧する方向の押力を前記ピストンに付勢する流体回路と、を備えている球面軸継手装置。
【発明の効果】
【0007】
前記した手段によれば、球面軸継手装置において個体間のばらつき無く操縦の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、低いトルク性能時を示している。
【
図2】本発明の第一実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、高いトルク性能時を示している。
【
図3】本発明の第二実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、低いトルク性能時を示している。
【
図4】本発明の第三実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、低いトルク性能時を示している。
【
図5】本発明の第一実施形態である球面軸継手装置における空気圧とソレノイドとの関係を示す線図である。
【
図6】本発明の第二実施形態である球面軸継手装置における空気圧とソレノイドとの関係を示す線図である。
【
図7】本発明の第三実施形態である球面軸継手装置における空気圧とソレノイドとの関係を示す線図である。
【
図8】本発明の第四実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、低いトルク性能時を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に即して本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
図1~
図2は本発明の第一実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係る球面軸継手装置は、自動車のステアリングシステムのドラッグリンクに使用されるものとして構成されており、三次元方向の回動を確保するように構成されている。
図1に示されているように、本実施形態に係る球面軸継手装置は、第一継手部材としてのドラッグリンク10と、第二継手部材としての球面軸20と、軸受部材30と、ピストン40と、エンドキャップ50と、ブーツ60、空圧回路70とを備えている。
【0011】
ドラッグリンク10はエンド11を備えており、エンド11には略円柱形の中空形状に形成された軸受凹部12が、エンド11の端部に配されて長手方向と直交する方向に貫通するように開設されている。軸受凹部12の一端部(以下、上端部とする)には半球形の凹球面部13が形成されており、軸受凹部12の下端部には円柱内周面形の円柱内周面部14が形成されている。
エンド11の円柱内周面部14の下側には、シリンダ室15が円柱内周面部14の内径よりも大径の円柱内周面形に形成されており、シリンダ室15と円柱内周面部14との境目には段差16が同心に配されて垂直方向下向きに形成されている。
エンド11のシリンダ室15の下側にはエンドキャップ取付部17が、シリンダ室15の内径よりも大径の円柱内周面形に形成されている。シリンダ室15とエンドキャップ取付部17との境目には段差18が同心に配されて垂直方向下向きに形成されている。
エンドキャップ50はエンドキャップ取付部17に下側から当接された後に、エンドキャップ取付部17の下側に突設された円筒形状部を巻きかしめ加工されて形成されるかしめ部19によって締結される。
【0012】
球面軸20は略球体(ボール)形状に形成された凸球面部21を備えており、凸球面部21には連結部22が凸球面部21の球心の延長線上に沿うように突設されている。連結部22の下端部には凹曲面形状のネック部23が形成されており、ネック部23の上側には円柱形状のブーツ取付部24が形成されている。ブーツ取付部24の上側には雄テーパ部25が形成されており、雄テーパ部25の上側には雄ねじ部26が形成されている。
【0013】
球面軸20は組付部材としてのナックルアームまたはピットマンアーム(以下、アーム部材という)27に、アーム部材27に開設された取付孔としてのテーパ孔28内に雄テーパ部25が挿通された後に、ナット29が雄ねじ部26に螺合されることにより、締結される。
【0014】
軸受部材30はポリアセタール樹脂が使用されて、アッパシート部31とロアシート部32とが一体成形されており、軸受凹部12に嵌入されるグリース給脂式軸受構造および球面軸受構造に構成されている。
すなわち、軸受部材30はポリアセタール樹脂が使用されて、全体的に上下端部が平行に切り欠かれた球形の中空体に一体成形されており、アッパシート部31の内側球面とロアシート部32の内側球面とが軸受部材30の球形中空体の内形である凹球面部33を構成している。凹球面部33は球面軸20の凸球面部21に対応されており、凸球面部21を略全体的に包囲している。
凹球面部33の下端部には位置決め筒34が同軸に配されて垂直方向下向きに突設されている。位置決め筒34は上側係止部35が上端に水平に形成され、下側係止部36が下端に水平に形成されている。
【0015】
ピストン40は耐荷重性の高い剛性(非柔軟性および非弾性)および耐摩耗性を有した樹脂が使用されて、外径がシリンダ室15の内径よりも若干小径であって、高さがシリンダ室15の高さよりも低い円柱形状に形成されている。そして、ピストン40はグリース給脂式軸受構造および球面軸受構造に構成されている。
ピストン40の上端面には押接面41が、球面軸20の凸球面部21に対応する凹球面形状に形成されている。球面軸20の凸球面部21の下端部には一定幅一定深さのグリース保持部42が没設されている。ピストン40における押接面41の中央部とグリース保持部42との間にはグリース溜43が球の一部を切り欠いた形状に形成されている。ピストン40の下端面における中央部には穴44が一定深さの円形形状に没設されている。
ピストン40の外周面には収容溝45が一定幅一定深さの環状帯形状に没設されており、収容溝45にはシールリング46が収容されている。シールリング46はピストン40の外周面とシリンダ室15の内周面との間のクリアランスをシールする。
【0016】
エンドキャップ50は鋼等の金属が使用されて、外径がエンドキャップ取付部17の内径よりも若干小径であって、高さがエンドキャップ取付部17の高さと略等しい円柱形状に形成されている。
エンドキャップ50の外周面には収容溝51が一定幅一定深さの環状帯形状に没設されており、収容溝51にはシールリング52が収容されている。シールリング52はエンドキャップ50の外周面とエンドキャップ取付部17の内周面との間のクリアランスをシールする。
エンドキャップ50の上端面における中央部には穴53が一定深さの円形形状に没設されている。穴53はピストン40側の穴44に連通して圧力室54を形成している。
エンドキャップ50の中心線上には圧力室54に連通する接続口55が開設されており、接続口55には流体回路としての空圧回路70が接続されている。
【0017】
ブーツ60はゴムまたは樹脂等の可撓性を有する材料が用いられて、大略円筒形状に形成されており、球面軸20とドラッグリンク10のエンド11との間に、軸受凹部12の上面開口を被覆するように装着されている。ブーツ60内にはグリース(図示せず)が充填されている。
ブーツ60の中間部には蛇腹部61が断面「つ」字形状に一体成形されており、蛇腹部61は軸心方向(上下方向)に開閉変形することにより、アーム部材27とエンド11との間の相対変位を吸収する。
ブーツ60の下端部には下側取付部62が円形リング形状に形成されており、下側取付部62はエンド11の上端部外周に嵌合されて固定されている。ブーツ60の上端部には上側取付部63が円形リング形状に形成されており、上側取付部63は球面軸20のブーツ取付部24に固定されている。
上側取付部63の上面外周縁にはリップ64が同心円に形成されて上向きに突設されている。リップ64は断面が長方形形状の円形リング形状に形成されて斜め外向きに突設されており、アーム部材27の下面に押接している。
【0018】
空圧回路70は圧力室54の圧力を加減する切換弁71を備えている。
切換弁71は2ポート・2位置・スプリングオフセット・ソレノイド操作切換弁によって構成されており、通常位置において一次ポート72と二次ポート73とを非接続(閉成)とし、切換位置において一次ポート72と二次ポート73とを接続(開成)とする。
切換弁71のソレノイド74はコントローラ80に電気信号路75によって接続されている。
切換弁71は二次ポート73が接続口55に接続され、一次ポート72が減圧弁76に接続されている。減圧弁76は一次ポート72の圧力が一定になるように制御する。
減圧弁76は圧縮空気を貯留したエアタンク77に接続されている。
【0019】
コントローラ80は入力ポート81を複数備えている。各入力ポート81には速度センサ、操舵角センサおよび車重センサ等が接続されている。したがって、各入力ポート81には、自動車速度、操舵角および自動車重量のような操縦安定性確保に必要な各種制御データが、それぞれ入力される。
コントローラ80は切換弁71の切換指令信号を各入力ポート81に入力された制御データによって作成し、切換指令信号として電気信号をソレノイド74に電気信号路75によって送信する。
【0020】
次に作用を説明する。
【0021】
球面軸20の凸球面部21がエンド11の凹球面部13に軸受部材30によって摺動自在に支持されているので、球面軸20に固定されたアーム部材27はドラッグリンク10に対して三次元方向に揺動することができる。
アーム部材27がドラッグリンク10に対して揺動すると、ブーツ60の蛇腹部61が軸心方向(上下方向)に開閉変形することにより、アーム部材27とエンド11との間の相対変位を吸収するので、アーム部材27はドラッグリンク10に対してブーツ60に妨害されることなく、スムーズに揺動することができる。
アーム部材27のドラッグリンク10に対する揺動時には、ブーツ60のリップ64がアーム部材27の下面にブーツ60自体の弾性力によって押接しているので、ブーツ60はシールを維持することができる。
ピストン40は押接面41を球面軸20の凸球面部21に押接させて、軸受凹部12と軸受部材30と凸球面部21との相互間にガタが発生するのを防止している。
【0022】
図1は球面軸継手装置の低いトルク性能時の状態を示しており、自動車の旋回時に適用される。
この状態では、切換弁71は一次ポート72および二次ポート73が閉じる通常位置にセットされている。切換弁71が閉じた状態ではエアタンク77の空気圧が圧力室54に供給されないので、凸球面部21を軸受凹部12に押圧する押力がピストン40に付勢しない。したがって、球面軸継手装置は低いトルク性能をもって機能する。
【0023】
図2は球面軸継手装置の高いトルク性能時の状態を示しており、自動車の直進時に適用される。
この状態では、切換弁71は一次ポート72が二次ポート73に接続する切換位置にコントローラ80によって切り換えられる。一次ポート72が二次ポート73に接続した状態ではエアタンク77の空気圧が圧力室54に減圧弁76、切換弁71および接続口55を経由して供給されるので、凸球面部21を軸受凹部12に押圧する押力がピストン40に付勢する。したがって、球面軸継手装置は高いトルク性能をもって機能する。
ちなみに、
図5に示されているように、圧力室54の空気圧は切換弁71のソレノイド74が「オフ」の時に「低」になり、「オン」の時に「高」となる。
球面軸継手装置のトルク性能は圧力室54の空気圧が「低」の時に「低い」になり、「高」の時に「高い」になる。
例えば、コントローラ80は各入力ポート81に入力された、現在の自動車速度、現在の操舵角度および現在の自動車重量によって切換指令信号を作成し、切換指令信号として電気信号を切換弁71のソレノイド74に電気信号路75によって送信する。
【0024】
本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
【0025】
(1)エンドキャップ50と凸球面部21との間に凸球面部21を軸受凹部30に押圧するピストン40を装填するとともに、ピストン40とエンドキャップ50との間に圧力室54を形成し、圧力室54に空圧回路70を接続することにより、凸球面部21を軸受凹部30に押圧するピストン40の押力を空圧回路70によって切り換えることができるので、球面軸継手装置において自動車直進時に要求される高いトルク性能と自動車旋回時に要求される低いトルク性能とを同時に調和させることができる。
【0026】
(2)高いトルク性能と低いトルク性能という相反する二つの性能を球面軸継手装置において同時に調和させることができるので、操縦安定性を確保することができる。
【0027】
(3)ピストン40の押力を空圧回路70によって制御するので、球面軸継手装置において個体間のばらつき無く操縦の安定性を確保することができる。
【0028】
図3は第二実施形態を示している。
本実施形態が前記実施形態と異なる点は、切換弁71Aが3ポート・3位置・スプリングオフセット・ソレノイド操作切換弁によって構成されており、切換弁71Aの一次ポート72Aに第一減圧弁76Aが接続されているとともに、一次ポート72Bに第二減圧弁76Bが接続されている点、である。
本実施形態においては、圧力室54に供給する空気圧を高圧と中高圧と低圧との三つの水準に設定することができるので、トルク性能の調整に関する制御条件を段階的に設定することができる。
ちなみに、
図6に示されているように、圧力室54の空気圧は切換弁71Aのソレノイド74Aおよび74Bが「オフ」の時に「低」になり、ソレノイド74Aが「オン」および74Bが「オフ」の時に「中高」になり、ソレノイド74Bが「オン」および74Aが「オフ」の時に「高」となる。
球面軸継手装置のトルク性能は圧力室54の空気圧が「低」の時に「低い」になり、「中高」の時に「中高」となり、「高」の時に「高い」になる。
【0029】
図4は第三実施形態を示している。
本実施形態が前記実施形態と異なる点は、切換弁71Cが2ポート・2位置・スプリングオフセット・可変ソレノイド操作切換弁(比例電磁弁)によって構成されている点である。
本実施形態においては、圧力室54に供給する空気圧を減圧弁76によって制御された空気圧の範囲内で無段階的に変更することができるので、トルク性能の調整に関する制御条件を無段階に設定することができる。
ちなみに、
図7に示されているように、圧力室54の空気圧は切換弁71Cのソレノイド74Cが「オフ」の時に「低」になり、ソレノイド74Cが「オン」の時にソレノイド74Cに供給される電流値を制御することによって「低」から「高」まで無段階に設定することができる。
球面軸継手装置のトルク性能は圧力室54の空気圧によって「低い」から「高い」まで無段階に制御することができる。
【0030】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0031】
流体回路は空圧回路を使用するに限らず、液圧回路を使用してもよい。
図8は本発明の第四実施形態である球面軸継手装置を示す縦断面図であり、低いトルク性能時を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、圧力室54に連通する接続口55に流体回路としての液圧回路70Aが接続されており、減圧弁76が液体(非圧縮性流体)を貯留したアキュムレータ77Aに接続されている点である。
【0032】
剛性樹脂からなるピストンは、グリース給脂式軸受構造によって耐摩耗構造に構成するに限らず、無給脂式軸受構造によって耐摩耗構造に構成してもよい。
【0033】
ピストンを球面軸部にコイルスプリングやクッション材のような弾性体を介して押接してもよい。
【符号の説明】
【0034】
10…ドラッグリンク、11…エンド、12…軸受凹部、13…凹球面部、14…円柱内周面部、15…シリンダ室、16…段差、17…エンドキャップ取付部、18…段差、19…かしめ部、
20…球面軸、21…凸球面部、22…連結部、23…ネック部、24…ブーツ取付部、25…雄テーパ部、26…雄ねじ部、
27…アーム部材、28…テーパ孔(取付孔)、29…ナット、
30…軸受部材、31…アッパシート部、32…ロアシート部、33…凹球面部、34…位置決め筒、35…上側係止部、36…下側係止部、
40…ピストン、41…押接面、42…グリース保持部、43…グリース溜、44…穴、45…収容溝、46…シールリング、
50…エンドキャップ、51…収容溝、52…シールリング、53…穴、54…圧力室、55…接続口、
60…ブーツ、61…蛇腹部、62…下側取付部、63…上側取付部、64…リップ、
70…空圧回路(流体回路)、71…切換弁、72…一次ポート、73…二次ポート、74…ソレノイド、75…電気信号路、76…減圧弁、77…エアタンク、
71A…切換弁、76A…第一減圧弁、76B…第二減圧弁、
71C…比例電磁弁。
70A…液圧回路(流体回路)、77A…アキュムレータ、
80…コントローラ、81…入力ポート。