IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アーステクニカの特許一覧

<>
  • 特開-連続式粉体処理装置 図1
  • 特開-連続式粉体処理装置 図2
  • 特開-連続式粉体処理装置 図3
  • 特開-連続式粉体処理装置 図4
  • 特開-連続式粉体処理装置 図5
  • 特開-連続式粉体処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089639
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】連続式粉体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/60 20220101AFI20220609BHJP
   B01J 2/10 20060101ALI20220609BHJP
   B01F 23/60 20220101ALI20220609BHJP
   B02C 18/30 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B01F7/02 B
B01J2/10 Z
B01F3/18
B02C18/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202189
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 明紀
【テーマコード(参考)】
4D065
4G004
4G035
4G078
【Fターム(参考)】
4D065CA06
4D065CB01
4D065CC01
4D065DD05
4D065DD22
4D065EB07
4D065EB20
4D065EC07
4D065ED03
4D065ED16
4D065EE08
4D065EE12
4G004FA01
4G035AB48
4G078AA01
4G078AB09
4G078BA01
4G078CA12
4G078DA23
4G078DA26
(57)【要約】
【課題】
粉体の解砕を効率よく行うことができる連続式粉体処理装置を提供する。
【解決手段】
本願の一態様に係る連続式粉体処理装置は、粉体の混合及び解砕を行う連続式粉体処理装置であって、横向きに延びる円筒容器と、円筒容器内に配置された回転シャフトと、回転シャフトに取り付けられ、円筒容器の入口側開口から出口側開口に向かって粉体を混合及び解砕しながら送り出す複数の羽根と、回転シャフトに取り付けられた円盤と、を備え、円盤の外周部分には、半径方向外方に向かって突出する多数の凸部が周方向に並んで形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体の混合及び解砕を行う連続式粉体処理装置であって、
横向きに延びる円筒容器と、
前記円筒容器内に配置された回転シャフトと、
前記回転シャフトに取り付けられ、前記円筒容器の入口側開口から出口側開口に向かって前記粉体を混合及び解砕しながら送り出す複数の羽根と、
前記回転シャフトに取り付けられた円盤と、を備え、
前記円盤の外周部分には、半径方向外方に向かって突出する多数の凸部が周方向に並んで形成されている、連続式粉体処理装置。
【請求項2】
前記円筒容器は当該円筒容器の中心軸周りに回転し、
前記回転シャフトの中心軸は前記円筒容器の中心軸よりも下方に位置しており、
当該連続式粉体処理装置は、前記円筒容器内の上方部分に形成される隙間空間内に配置された回転しない仕切板をさらに備えており、
前記仕切板は、前記円盤との間に隙間が形成されるように配置されている、請求項1に記載の連続式粉体処理装置。
【請求項3】
前記仕切板は、前記円筒容器の軸方向から見て、上縁が前記円筒容器の内周面の近傍で当該内周面に沿って延びており、下縁が前記円盤の外周部分の近傍で当該外周部分に沿って延びている、請求項2に記載の連続式粉体処理装置。
【請求項4】
前記円盤の外径と前記羽根の先端の回転軌道の外径は略一致する、請求項2又は3に記載の連続式粉体処理装置。
【請求項5】
前記円盤と前記仕切板は軸方向に離間している、請求項2~4の何れか一項に記載の連続式粉体処理装置。
【請求項6】
前記円盤は、前記円筒容器の軸方向中心よりも前記出口側開口に近い領域に配置されている、請求項1~5の何れか一項に記載の連続式粉体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、連続式粉体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば医薬品、化学薬品、食品などの分野では、複数の粉体を湿潤させるとともに混合及び解砕して顆粒を製造することが行われている。粉体はそのままではハンドリングが困難であるため、顆粒とすることでハンドリング性を向上させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、粉体を混合及び解砕する連続式粉体処理装置(特許文献1では、「連続式撹拌処理装置」と称呼)が開示されている。この連続式粉体処理装置は、横方向に延びる筒状の処理容器と、処理容器内に配置された、複数の羽根が取り付けられた回転シャフトとを備えている。処理容器内では、複数の羽根によって粉体を軸方向に搬送しながら、粉体の混合及び解砕が連続的に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-7571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の連続式粉体処理装置では、効率的な粉体の解砕が望まれる。そこで、本願は、粉体の解砕を効率よく行うことができる連続式粉体処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様に係る連続式粉体処理装置は、粉体の混合及び解砕を行う連続式粉体処理装置であって、横向きに延びる円筒容器と、前記円筒容器内に配置された回転シャフトと、前記回転シャフトに取り付けられ、前記円筒容器の入口側開口から出口側開口に向かって前記粉体を混合及び解砕しながら送り出す複数の羽根と、前記回転シャフトに取り付けられた円盤と、を備え、前記円盤の外周部分には、半径方向外方に向かって突出する多数の凸部が周方向に並んで形成されている。
【0007】
上記の構成では、円盤に形成された多数の凸部が粉体と接触することにより、粉体の解砕が行われる。したがって、上記の構成によれば、粉体の解砕を効率よく行うことができる。なお、上記の粉体には湿潤した粉体及び乾燥した粉体の両方が含まれる。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、粉体の解砕を効率よく行うことができる連続式粉体処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】連続式粉体処理装置の縦断面図である。
図2】連続式粉体処理装置の横断面図である。
図3図1の円筒容器周辺を拡大した図である。
図4】(a)は羽根の正面図、(b)は円盤の正面図、(c)はスペーサの正面図である。
図5】(a)~(c)は変形例に係る円盤の正面図である。
図6図3のVI-VI線に沿った正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<基本構成>
以下、実施形態に係る連続式粉体処理装置100について説明する。はじめに、連続式粉体処理装置100の基本構成について説明する。図1は連続式粉体処理装置100の縦断面図であり、図2は連続式粉体処理装置100の横断面図である。連続式粉体処理装置100は、湿潤粉体(処理液が添加された粉体)から顆粒を製造する装置であって、例えば湿潤前に平均粒径が30~70μmであった粉体を、平均粒径が80~250μmの顆粒に形成する。ただし、連続式粉体処理装置100は、複数の粉体を湿潤させずに混合及び解砕して混合粉体を得る混合装置として使用することもできる。
【0011】
本実施形態では、上向きに開口するホッパー10に湿潤粉体が投入される。ホッパー10に投入された湿潤粉体は、供給管11内で回転するスクリュー13によって送り出されて円筒容器14に供給される。なお、スクリュー13は回転シャフト12に取り付けられており、回転シャフト12は電動機15によって回転駆動される。
【0012】
円筒容器14は横向きに延びる筒状の形状を有しており、湿潤粉体は一方の開口である入口側開口21から円筒容器14内に供給される。円筒容器14に供給された湿潤粉体は、他方の開口である出口側開口22に向かって送り出される。図2に示すように、円筒容器14は、ベアリング23、24を介してフレーム25に回転可能に支持されるとともに、ベベルギア27を介して電動機26によって回転駆動される。これにより、円筒容器14は、円筒容器14の中心軸52(図3参照)周りに回転する。
【0013】
なお、フレーム25には、ベアリング23及びその内側を覆う第1閉塞部材31が取り付けられており、ベアリング24及びその内側を覆う第2閉塞部材32が取り付けられている。さらに、フレーム25には、ベアリング23、24よりも半径方向外側から円筒容器14を覆うカバー33が取り付けられている。
【0014】
円筒容器14内には複数の羽根41が配置されている。羽根41は回転シャフト12に取り付けられている。前述のとおり、回転シャフト12は電動機15によって回転駆動される。回転シャフト12が回転すると、羽根41は湿潤粉体を混合及び解砕しながら出口側開口22に向かって送り出す。これにより、円筒容器14内で顆粒が連続的に製造される。製造された顆粒は、円筒容器14の出口側開口22からシュート42を介して外部に排出される。なお、本実施形態のスクリュー13及び羽根41は、同じ回転シャフト12に取り付けられているが、互いに異なる回転シャフトに取り付けられていてもよい。
【0015】
また、本実施形態では、円筒容器14の中心軸52が水平方向に延びている。ただし、円筒容器14の中心軸52は、入口側開口21から出口側開口22へ向かって下向きに傾斜してもよく、上向きに傾斜してもよい。このように円筒容器14の中心軸52を傾斜させることで、円筒容器14内での湿潤粉体の滞留時間を調整することができる。円筒容器14内における湿潤粉体の滞留時間が長ければ、湿潤粉体の混合及び解砕を十分に行うことができる。
【0016】
さらに、本実施形態では、回転シャフト12の回転方向が円筒容器14の回転方向と同じであり(いずれも図6では反時計回り)、回転シャフト12の回転速度が円筒容器14の回転速度よりも速い。回転シャフト12の回転速度は、羽根41の先端での周速が5~13m/s程度となるように設定され、円筒容器14の回転速度は、円筒容器14の内周面43での周速が0.5~1m/s程度となるように設定される。
【0017】
<回転シャフトの位置>
次に、回転シャフト12の円筒容器14に対する設置位置を説明する。図3は、図1の円筒容器14周辺を拡大した図である。図3に示すように、本実施形態では、回転シャフト12の中心軸51が円筒容器14の中心軸52よりも下方に位置している。例えば、円筒容器14の中心軸52に対する回転シャフト12の中心軸51の偏心量eは、円筒容器14の内周面43の中央部及び出口側端部の直径Dの1/6~1/12である。
【0018】
このように、回転シャフト12の中心軸51が円筒容器14の中心軸52よりも下方に位置することにより、円筒容器14内の上方部分に羽根41が届かない隙間空間53が形成される。これにより、円筒容器14の回転に伴って持ち上がった湿潤粉体は、隙間空間53で円筒容器14の内周面43から剥離して落下する。落下した湿潤粉体は羽根41に衝突し、湿潤粉体の混合及び解砕が促進される。
【0019】
上記のとおり、本実施形態に係る連続式粉体処理装置100では、円筒容器14が回転し、回転シャフト12の中心軸51が円筒容器14の中心軸52よりも下方に位置している。ただし、回転シャフト12の中心軸51と円筒容器14の中心軸52が一致していてもよく、また、円筒容器14は回転しなくてもよい。
【0020】
<回転シャフトの構造>
次に、回転シャフト12の構造について説明する。図3の破線で示すように、回転シャフト12は供給管11及び円筒容器14を貫通する芯棒61を有している。芯棒61の供給管11に対応する部分にはスクリュー13が取り付けられている。スクリュー13は、芯棒61が挿通される中心管62と、中心管62の外周面に設けられた螺旋状のスクリュー羽根63を有している。
【0021】
さらに、芯棒61の円筒容器14に対応する部分には羽根41、円盤71、及び、スペーサリング72が軸方向に並んで取り付けられている。図4(a)は羽根41の正面図であり、(b)は円盤71の正面図であり、(c)はスペーサリング72の正面図である。なお、芯棒61の円筒容器14に対応する部分の断面は正方形である(図6参照)。ただし、当該部分の断面は正方形以外の形状であってもよい。
【0022】
羽根41は湿潤粉体を混合及び解砕しながら搬送する役割を有する。図4(a)に示すように、羽根41は略菱形状の形状を有しており、その中央に芯棒61が挿通される貫通穴73が形成されている。また、羽根41は、中央から互いに反対向きに突出する一対の刃部を有している。羽根41の各刃部には、回転方向に向かって尖るナイフエッジ74が形成されている。ナイフエッジ74は、回転方向に向かって、入口側開口21へ近づく(出口側開口22から遠ざかる)ように傾斜している。このため、羽根41が回転すると、ナイフエッジ74によって、円筒容器14の出口側開口22へ向かう送り力が湿潤粉体に付与される。羽根41の長さLは、羽根41と円筒容器14の内周面43との最短距離(円筒容器14の中心軸52の真下でのクリアランス)が数ミリ(例えば、1~5mm)程度となるように設定される。ただし、羽根41の形状及び寸法はこれに限られない。
【0023】
円盤71は、湿潤粉体を解砕する役割を有する。図4(b)に示すように、円盤71は正面視において(回転シャフト12の軸方向から見て)略円形の形状を有している。また、円盤71の厚みは羽根41と略同じである。ただし、円盤71の厚みはこれに限定されない。円盤71の中央には芯棒61が挿通される貫通穴75が形成されている。円盤71の外径dと羽根41の先端の回転軌道の外径は略一致する。つまり、円盤71の直径dと羽根41の長さLは略同じであり、円盤71の円筒容器14の内周面43との最短距離が数ミリ(例えば、1~5mm)程度となるように設定される。
【0024】
さらに、本実施形態の円盤71の外周部分には、半径方向外方に向かって突出する多数の凸部78が周方向に並んで形成されている。本実施形態の凸部78は、台形状であって円盤71の中心から見て回転方向(図4(b)では反時計回り方向)とは反対側に傾斜するような形状を有していている。ただし、凸部78の形状はこれに限定されない。例えば、凸部78は、図5(a)に示すように円盤71の中心から見て回転方向側に傾斜するような形状を有していてもよく、図5(b)に示すように三角形の形状を有していてもよく、図5(c)に示すように長方形の形状を有していてもよい。
【0025】
スペーサリング72は、隣り合う羽根41の軸方向距離又は羽根41と円盤71の軸方向距離を一定にする役割を有している。図4(c)に示すように、スペーサリング72の中央には芯棒61が挿通される貫通穴76が形成されている。スペーサリング72の外縁は正面視において円形である。スペーサリング72の厚み(軸方向寸法)は、羽根41及び円盤71に比べて大きい。ただし、スペーサリング72の形状及び厚みはこれに限定されない。なお、回転シャフト12の先端には、保持部材77が取り付けられている。
【0026】
図6は、図3のVI-VI線に沿った正面断面図である。図3及び図6に示すように、羽根41は、向きが交互に90度変わるように芯棒61に取り付けられる。また、図3に示すように、隣り合う羽根41の間には、スペーサリング72が配置されている。ただし、一部の羽根41に代えて、円盤71が配置される。図3に示すように、円筒容器14の軸方向中心よりも入口側開口21に近い領域を第1領域86とし、出口側開口22に近い領域を第2領域87とすると、本実施形態の円盤71は第2領域87の軸方向中央付近に位置する羽根41に代えて配置されている。つまり、円盤71は、第2領域87の軸方向中央付近に位置している。ただし、円盤71の軸方向位置はこれに限定されない。
【0027】
<仕切板の構造>
次に、仕切板81について説明する。本実施形態に係る連続式粉体処理装置100は仕切板81を備えている。仕切板81は、円筒容器14内の上方部分に形成される隙間空間53に配置されており、隙間空間53を仕切って複数の領域に分割する。なお、仕切板81は、円筒容器14及び回転シャフト12から独立しており、円筒容器14や回転シャフト12と一緒に回転することはない。
【0028】
本実施形態の仕切板81は板状の部材であって、図6に示すように円筒容器14の軸方向から見て弧状の形状を有している。具体的には、円筒容器14の軸方向から見て、仕切板81の上縁82が円筒容器14の内周面43の近傍で当該内周面43に沿って延びている。仕切板81の上縁82と円筒容器14の内周面43との間には半径方向の隙間が形成されており、その隙間の隙間寸法gは1mm程度又は内周面43の直径Dの1/20程度である。ただし、上記の隙間寸法gはこれに限定されない。
【0029】
また、円筒容器14の軸方向から見て、仕切板81の下縁83は円盤71の外周部分の近傍で当該外周部分に沿って延びている。さらに本実施形態では、仕切板81の下縁83は、円筒容器14の軸方向から見て円盤71の外周部分よりも半径方向外方に位置している。円筒容器14の軸方向から見たときの仕切板81の下縁83と円盤71の外周部分との間の半径方向寸法g’は、1mm程度又は内周面43の直径Dの1/20程度である。ただし、上記の半径方向寸法g’はこれに限定されない。
【0030】
さらに、図3に示すように、仕切板81は、円盤71の下流側近傍に配置されている。そして、円盤71と仕切板81は軸方向に離間している。仕切板81は、軸方向において隣り合う羽根41の間に位置している。本実施形態では、仕切板81と円盤71の両方が、隣り合う羽根41の間に位置している。
【0031】
仕切板81は、隙間空間53内を軸方向に延びる第1支持部材84及び第2支持部材85によって支持されている。図3に示すように、第1支持部材84及び第2支持部材85は、一端(上流側端)が第1閉塞部材31に固定されており、他端(下流側端)がシュート42に固定されている。本実施形態の第1支持部材84及び第2支持部材85は一直線状に形成されているが、屈曲又は湾曲していてもよい。また、仕切板81は、第1支持部材84及び第2支持部材85を用いる以外の方法で支持されていてもよい。
【0032】
なお、円盤71と仕切板81の相対的な軸方向位置は特に限定されない。つまり、本実施形態では仕切板81が円盤71よりも下流側に配置されているが、仕切板81が円盤71よりも上流側に配置されていてもよい。また、仕切板81と円盤71を同じ軸方向位置に配置してもよい。
【0033】
本実施形態に係る連続式粉体処理装置100は以上のように構成されているため、湿潤粉体が円盤71の上流側から下流側に移動するには、円盤71と円筒容器14の内周面43との隙間、又は、円盤71と仕切板81との隙間を通る必要がある。湿潤粉体がこれらの隙間を通る際には、円盤71の凸部78と接触する可能性が高く、湿潤粉体が凸部78と接触すると解砕される。なお、円盤71と仕切板81の軸方向における離間寸法αを調整すれば、湿潤粉体と凸部78の接触頻度及び円筒容器14内における湿潤粉体の滞留時間を調整することができる。
【0034】
なお、本実施形態に係る連続式粉体処理装置100は、円盤71及び仕切板81を1つずつ備えているが、複数ずつ備えていてもよい。さらに、連続式粉体処理装置100は仕切板81を備えていなくてもよい。特に、回転シャフト12の中心軸51と円筒容器14の中心軸52が一致している場合は、隙間空間53が形成されないため仕切板81は不要である。
【0035】
<まとめ>
上記のとおり、実施形態に係る連続式粉体処理装置は、粉体の混合及び解砕を行う連続式粉体処理装置であって、横向きに延びる円筒容器と、前記円筒容器内に配置された回転シャフトと、前記回転シャフトに取り付けられ、前記円筒容器の入口側開口から出口側開口に向かって前記粉体を混合及び解砕しながら送り出す複数の羽根と、前記回転シャフトに取り付けられた円盤と、を備え、前記円盤の外周部分には、半径方向外方に向かって突出する多数の凸部が周方向に並んで形成されている。
【0036】
この構成によれば、円盤に形成された多数の凸部が粉体と接触することにより、粉体の解砕が行われる。したがって、上記の構成によれば、粉体の解砕を効率よく行うことができる。なお、上記の粉体には湿潤した粉体及び乾燥した粉体の両方が含まれる。
【0037】
また、実施形態に係る連続式粉体処理装置では、前記円筒容器は当該円筒容器の中心軸周りに回転し、前記回転シャフトの中心軸は前記円筒容器の中心軸よりも下方に位置しており、当該連続式粉体処理装置は、前記円筒容器内の上方部分に形成される隙間空間内に配置された回転しない仕切板をさらに備えており、前記仕切板は、前記円盤との間に隙間が形成されるように配置されている。
【0038】
この構成によれば、円筒容器内の上方部分に隙間空間が形成されるような場合でも、隙間空間に仕切板を設置することで、粉体が円盤と仕切板の隙間を通過する際に円盤の凸部と接触する可能性が高くなる。その結果、粉体の解砕を効率よく行うことができる。
【0039】
また、実施形態に係る連続式粉体処理装置では、前記仕切板は、前記円筒容器の軸方向から見て、上縁が前記円筒容器の内周面の近傍で当該内周面に沿って延びており、下縁が前記円盤の外周部分の近傍で当該外周部分に沿って延びている。
【0040】
この構成によれば、粉体が円盤を迂回して隙間空間を通過するのを仕切板によって抑制でき、粉体が凸部と接触する可能性が高くなる。
【0041】
また、実施形態に係る連続式粉体処理装置では、前記円盤の外径と前記羽根の先端の回転軌道の外径は略一致する。
【0042】
この構成によれば、円盤と円筒容器の内周面とのクリアランスが小さくなる。そのため、粉体が円盤と円筒容器の内周面の隙間を通過する際に円盤の凸部と接触する可能性が高くなる。
【0043】
また、実施形態に係る連続式粉体処理装置では、前記円盤と前記仕切板は軸方向に離間している。
【0044】
この構成によれば、円盤と仕切板の軸方向における離間寸法を調整することで、円盤と仕切板の隙間を通過する粉体の通過量を調整することができる。その結果、粉体と凸部の接触可能性及び円筒容器内における粉体の滞留時間を調整することができる。
【0045】
また、実施形態に係る連続式粉体処理装置では、前記円盤は、前記円筒容器の軸方向中心よりも前記出口側開口に近い領域に配置されている。
【0046】
この構成によれば、粉体が固まりやすい円筒容器の軸方向中心よりも出口側開口に近い領域で粉体が解砕されるため、粉体の解砕を効率よく行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
12 回転シャフト
14 円筒容器
21 入口側開口
22 出口側開口
41 羽根
43 内周面
51 中心軸
52 中心軸
53 隙間空間
71 円盤
78 凸部
81 仕切板
82 上縁
83 下縁
86 第1領域
87 第2領域
100 連続式粉体処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6