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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089688
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】エントランスシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220609BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20220609BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220609BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20220609BHJP
   G07C 9/00 20200101ALN20220609BHJP
【FI】
E05B49/00 J
G06Q50/16 300
H04Q9/00 301C
H04M9/00 H
G07C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202294
(22)【出願日】2020-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】516138381
【氏名又は名称】株式会社Residence kit
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】秋山 義太郎
(72)【発明者】
【氏名】松園 勝喜
【テーマコード(参考)】
2E250
3E138
5K038
5K048
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB08
2E250BB62
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF36
2E250GG06
3E138AA01
3E138JA03
3E138JB16
3E138JC13
3E138JD05
3E138JD06
3E138JD07
3E138JD09
5K038AA06
5K038CC03
5K038CC10
5K038CC12
5K038CC13
5K038DD15
5K048AA04
5K048BA52
5K048GC01
5K048HA01
5K048HA02
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】
共同玄関に関し、部屋ごとの情報を一括管理可能な、新規なシステムを提供すること。
【解決手段】
建物の共同玄関に備えられる共同玄関装置と、前記共同玄関装置に接続されたサーバ装置と、を備えるエントランスシステムであって、前記サーバ装置は、部屋を特定する情報に紐づけて、入居者端末を特定する端末情報及び共同玄関を解錠するための解錠情報を記憶する記憶部を備え、前記共同玄関装置は、来訪者から、前記部屋の指定を含む来訪情報の入力を受け付ける来訪受付手段と、前記サーバ装置の記憶部において、前記来訪情報により指定された前記部屋に対応する前記端末情報によって特定される前記入居者端末に、前記来訪情報を送信する送信手段と、共同玄関を解錠するための入力を受け付け、前記サーバ装置の記憶部に登録された前記解錠情報に基づいて、共同玄関の解錠を行う解錠手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の共同玄関に備えられる共同玄関装置と、前記共同玄関装置に接続されたサーバ装置と、を備えるエントランスシステムであって、
前記サーバ装置は、
部屋を特定する情報に紐づけて、入居者端末を特定する端末情報及び共同玄関を解錠するための解錠情報を記憶する記憶部を備え、
前記共同玄関装置は、
来訪者から、前記部屋の指定を含む来訪情報の入力を受け付ける来訪受付手段と、
前記サーバ装置の記憶部において、前記来訪情報により指定された前記部屋に対応する前記端末情報によって特定される前記入居者端末に、前記来訪情報を送信する送信手段と、
共同玄関を解錠するための入力を受け付け、前記サーバ装置の記憶部に登録された前記解錠情報に基づいて、共同玄関の解錠を行う解錠手段と、を備えるエントランスシステム。
【請求項2】
前記部屋の管理者により使用される管理者端末から、前記部屋を指定した前記解錠情報の登録要求を受け付けて、前記部屋を特定する情報に紐づけて前記解錠情報を前記記憶部に登録する手段を更に備える請求項1に記載のエントランスシステム。
【請求項3】
前記入居者端末から、認証情報とともに前記部屋を指定した前記端末情報の登録要求を受け付けて、前記認証情報が事前に登録された情報と一致した場合に、前記部屋を特定する情報に紐づけて前記端末情報を前記記憶部に登録する手段を更に備える請求項1又は請求項2に記載のエントランスシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記部屋の管理者により使用される管理者端末から、前記部屋の入居者の退去を示す情報を受信し、前記部屋に対応する前記端末情報及び解錠情報を前記記憶部から削除する退去受付手段を更に備える請求項1から請求項3の何れかに記載のエントランスシステム。
【請求項5】
前記共同玄関装置は、音声を取得する音声取得手段と、前記入居者端末から受信した音声を出力する音声出力手段と、を更に備え、
前記来訪情報は、前記音声取得手段により取得された来訪者音声を含み、
前記来訪者音声が、前記入居者端末において出力されるとともに、前記入居者端末において取得された入居者音声が、前記音声出力手段によって出力される請求項1から請求項4の何れかに記載のエントランスシステム。
【請求項6】
前記共同玄関装置は、来訪者を撮影する撮影手段を更に備え、
前記来訪情報は、前記撮影手段により撮影された来訪者画像を含み、
前記来訪者画像は、前記入居者端末において表示される、請求項1から請求項5の何れかに記載のエントランスシステム。
【請求項7】
前記入居者端末は、前記部屋又は入居者を特定する情報とともに、前記部屋の管理者に対するメッセージを送信し、前記管理者により使用される管理者端末に、前記メッセージを表示させる、請求項1から請求項6の何れかに記載のエントランスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エントランスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、集合住宅等の建物に設置された玄関機器に関する管理技術が知られている。例えば特許文献1には、事前に部屋番号とユーザの端末への連絡先とを紐づけて登録し、部屋への訪問があった場合に、集合玄関機をユーザの端末に接続する技術が記載されている。
【0003】
また特許文献2には、入居者データベースを備える管理装置を介して、室内端末の解錠用暗証コードの設定を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-53884号公報
【特許文献2】特開2012-117362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
玄関機器においては、入退去の際には管理情報の更新が必要となるが、複数の設定項目を一括して管理・更新できるシステムは従来存在していなかった。
【0006】
上記の現状に鑑みて、本発明は、共同玄関に関し、部屋ごとの情報を一括管理可能な、新規なシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、建物の共同玄関に備えられる共同玄関装置と、前記共同玄関装置に接続されたサーバ装置と、を備えるエントランスシステムであって、前記サーバ装置は、部屋を特定する情報に紐づけて、入居者端末を特定する端末情報及び共同玄関を解錠するための解錠情報を記憶する記憶部を備え、前記共同玄関装置は、来訪者から、前記部屋の指定を含む来訪情報の入力を受け付ける来訪受付手段と、前記サーバ装置の記憶部において、前記来訪情報により指定された前記部屋に対応する前記端末情報によって特定される前記入居者端末に、前記来訪情報を送信する送信手段と、共同玄関を解錠するための入力を受け付け、前記サーバ装置の記憶部に登録された前記解錠情報に基づいて、共同玄関の解錠を行う解錠手段と、を備える。
【0008】
このような構成とすることで、共同玄関への訪問の情報の送信先である入居者端末の端末情報と、共同玄関を解錠するための解錠情報と、をともにサーバ上で管理することができる。これにより、これらの情報の変更や削除が必要になった場合には、一括して情報の更新を行うことができる。また管理者の端末等からサーバにアクセスすれば、現地に出向いて共同玄関装置を操作しなくとも情報の変更が可能となり、情報管理の効率が大幅に向上する。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記部屋の管理者により使用される管理者端末から、前記部屋を指定した前記解錠情報の登録要求を受け付けて、前記部屋を特定する情報に紐づけて前記解錠情報を前記記憶部に登録する手段を更に備える。
このような構成とすることで、管理者端末を介して解錠情報を記憶部に登録することができ、管理の手間が大幅に軽減される。例えば入居者の変更に伴い新たな解錠情報を登録する場合等に、管理者端末を用いて容易かつ即座に新たな情報を登録できる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記入居者端末から、認証情報とともに前記部屋を指定した前記端末情報の登録要求を受け付けて、前記認証情報が事前に登録された情報と一致した場合に、前記部屋を特定する情報に紐づけて前記端末情報を前記記憶部に登録する手段を更に備える。
このような構成とすることで、入居者各自が端末情報を登録することができる。これにより、煩雑な手続きを要することなく、容易に新たな入居者が自らの端末装置を利用して来訪情報を受け取ることができるようになる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記サーバ装置は、前記部屋の管理者により使用される管理者端末から、前記部屋の入居者の退去を示す情報を受信し、前記部屋に対応する前記端末情報及び解錠情報を前記記憶部から削除する退去受付手段を更に備える。
このような構成とすることで、退去に伴う情報削除を一括して行うことができるようになり、個人情報の流出や防犯上の問題につながる削除漏れを防ぐことができるだけでなく、管理者の負担を軽減できる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記共同玄関装置は、音声を取得する音声取得手段と、前記入居者端末から受信した音声を出力する音声出力手段と、を更に備え、前記来訪情報は、前記音声取得手段により取得された来訪者音声を含み、前記来訪者音声が、前記入居者端末において出力されるとともに、前記入居者端末において取得された入居者音声が、前記音声出力手段によって出力される。
このような構成とすることで、例えば入居者が不在の場合にも、入居者端末を通じて来訪者との会話が可能となり、入居者の利便性が向上する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記共同玄関装置は、来訪者を撮影する撮影手段を更に備え、前記来訪情報は、前記撮影手段により撮影された来訪者画像を含み、前記来訪者画像は、前記入居者端末において表示される。
このような構成とすることで、入居者は来訪者の姿を確認して対応が可能となり、利便性の向上及び防犯効果が期待できる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記入居者端末は、前記部屋又は入居者を特定する情報とともに、前記部屋の管理者に対するメッセージを送信し、前記管理者により使用される管理者端末に、前記メッセージを表示させる。
このような構成とすることで、入居者は入居者端末を介して気軽に管理者と連絡を取ることができるようになり、入居者にとっては利便性が向上する。また、来訪情報を受信する入居者端末において、管理者とのメッセージの送受信を可能にしたことにより、入居者による管理者へのメッセージ連絡が気軽に行えるようになり、管理者への連絡率が向上する。これにより、部屋の管理に関する情報や退去の連絡等を早期に受け取ることができるようになるため、管理者にとっては、より適切な管理が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、共同玄関装置と接続される入居者端末を特定する端末情報と、共同玄関の解錠を行うための解錠情報とを、サーバ上で一括管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態におけるエントランスシステムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるエントランスシステムの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態のサーバ装置が備える記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態のエントランスシステムにおける端末情報の登録に係る処理の流れを示す図である。
図5】本発明の実施形態のエントランスシステムにおける、共同玄関装置と登録済みの入居者端末との接続に係る処理の流れを示す図である。
図6】本発明の実施形態のエントランスシステムにおける解錠情報の登録に係る処理の流れを示す図である。
図7】本発明の実施形態のエントランスシステムにおける退去処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本発明のエントランスシステムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0018】
例えば、本実施形態ではエントランスシステムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0019】
図1は、本実施形態におけるエントランスシステムの構成を示す図である。本実施形態のエントランスシステムでは、サーバ装置1と、ゲートウェイ装置GWと、入居者端末3と、管理者端末4と、がネットワークNWを介して通信可能に構成され、共同玄関装置2及び個別玄関装置5がゲートウェイ装置GWに接続されている。なお図1の構成は一例であり、例えば複数のコンピュータを協働させてサーバ装置1やゲートウェイ装置GWを実現してもよい。また図1では入居者端末3を複数、管理者端末4をひとつ示したが、これらの数も限定されない。
【0020】
共同玄関装置2は、建物の共同玄関に設置され、来訪者の受付や共同玄関の施錠管理等を行う。また共同玄関装置2は個別玄関装置5と接続されており、共同玄関に来訪があった場合には、対象の部屋の個別玄関装置5にその情報を送信する。本実施形態では、各部屋に個別玄関装置5が設置されており、個別玄関装置5は、室内親機と室外子機を含む。来訪者は、共同玄関装置2を介して部屋を指定して呼出を行い、それに対して入居者が入居者端末3又は個別玄関装置5(室内親機)を介して入居者が共同玄関を解錠すると、共同玄関を入って個別玄関に向かう。そして来訪者は、対象の部屋を訪問して個別玄関装置5(室外子機)から入居者の呼出を行うことができる。
【0021】
サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0022】
ゲートウェイ装置GWとしては、演算装置、記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の任意のコンピュータ装置を利用することができる。また共同玄関装置2としては、演算装置、記憶装置、ゲートウェイ装置GWへの接続手段やマイク、スピーカー、カメラ、ディスプレイ等を含む種々の入出力装置等を備えた任意のコンピュータ装置を利用することができる。
【0023】
入居者端末3、管理者端末4としては、演算装置、記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、スマートフォンやタブレット型端末等の任意のコンピュータ装置を利用することができる。その他、PC(Personal Computer)を入居者端末3として利用してもよい。サーバ装置1との間で各種情報の入力及び送受信を行うための専用のアプリケーションや、専用のウェブページにアクセスするためのブラウザアプリケーション等が記憶装置に記憶され、演算装置が各種の処理を実行することで、任意のコンピュータ装置が本発明の入居者端末3、管理者端末4として機能する。
【0024】
図2は、本実施形態のエントランスシステムに係る機能ブロック図である。サーバ装置1は、登録手段11と、退去受付手段12と、チャット手段13と、記憶部14と、を備える。なお記憶部14をサーバ装置1の外部に備え、サーバ装置1がネットワークNWを介して記憶部14にアクセス可能な構成であってもよい。
【0025】
登録手段11は、管理者端末4から、部屋を指定した解錠情報の登録要求を受け付けて、部屋を特定する情報に紐づけて解錠情報を記憶部14に登録する手段として機能する。また登録手段11は、入居者端末3から、認証情報とともに部屋を指定した端末情報の登録要求を受け付けて、認証情報が事前に登録された情報と一致した場合に、部屋を特定する情報に紐づけて端末情報を記憶部14に登録する手段としても機能する。
【0026】
具体的には、管理者端末4を介して、まず対象の部屋の指定を受け付ける。そして、事前に登録されたカード情報の中から、当該部屋に対応付けて登録するカードの選択を受け付けて、部屋IDとカードIDとを紐づけて登録する。また、サーバ装置1へのログインを行った入居者端末3により二次元コードを読み取ることで、認証情報とともに、端末情報の登録要求を受け付けて、部屋IDと端末IDとを紐づけて記憶部14に登録する。
【0027】
退去受付手段12は、管理者端末4から、部屋の入居者の退去を示す情報を受信し、部屋に対応する端末情報及び解錠情報を記憶部14から削除する。
【0028】
チャット手段13は、入居者端末3及び管理者端末4から、メッセージの入力を受け付けて、入居者端末3及び管理者端末4の間でのチャットを実現する。具体的には、記憶部14において事前に登録された入居者情報に基づきログインを行った入居者端末3を介して、メッセージの入力を受け付けると、入居者情報に基づいて、当該入居者の部屋情報を特定し、その部屋を管理する管理者の管理者端末4に対して、入力されたメッセージを送信する。管理者端末4においても同様に、部屋又は入居者を特定する情報とともにメッセージの入力を受け付けて、対象の入居者端末3に対してメッセージを送信する。
【0029】
記憶部14は、部屋を特定する情報に紐づけて、入居者端末3を特定する端末情報及び共同玄関を解錠するための解錠情報を記憶する。図3は、本実施形態のエントランスシステムにおける記憶部14が記憶する情報の一例を示す図である。記憶部14は、部屋情報として、部屋を特定する部屋ID、部屋番号、部屋の入居状況を示すステータス、各部屋における個別玄関装置5の内容を示す設置機器、階数、当該部屋が存在する建物を特定する建物ID、及び、当該部屋を管理する管理者を特定する管理者ID等の情報を、部屋情報として記憶する。
【0030】
また記憶部14は、入居者情報として、入居者端末を特定する端末ID(端末情報)と、当該入居者が共同玄関の解錠に利用するカードを特定するカードID(解錠情報)と、入居者名と、入居者のメールアドレスと、部屋を特定する部屋IDと、を記憶する。このように、端末ID、カードID、部屋IDが紐づけて登録される。また管理者情報として、管理者IDや管理者名等が登録される。更に各管理者情報に紐づけて、管理会社の従業員等について担当者情報が登録されていてもよい。部屋情報において管理者IDが紐づけられており、これにより各部屋を管理する管理者の管理者端末4が特定される。
【0031】
共同玄関装置2は、ゲートウェイ装置GWを介して、ネットワークNWに接続される。共同玄関装置2は、来訪受付手段21と、撮影手段22と、音声取得手段23と、音声出力手段24と、送信手段25と、解錠手段26と、を備える。
【0032】
来訪受付手段21は、来訪者から、部屋番号の入力を受け付け、個別玄関装置5に対して来訪情報を送信することで呼出を行う。このとき、呼出に対する個別玄関装置5による応答が一定時間以上ない場合に、送信手段25に部屋番号の情報を受け渡す。
【0033】
撮影手段22は、共同玄関装置2の周囲を撮影し、その撮影画像を来訪情報における来訪者画像として、個別玄関装置5に送信する。このとき、呼出に対する個別玄関装置5による応答が一定時間以上ない場合に、撮影手段22は送信手段25に来訪者画像を受け渡す。
【0034】
音声取得手段23は、共同玄関装置2の周囲の音声を取得し、その音声を来訪情報における来訪者音声として、個別玄関装置5に送信する。このとき、呼出に対する個別玄関装置5による応答が一定時間以上ない場合に、音声取得手段23は送信手段25に来訪者音声を受け渡す。
【0035】
音声出力手段24は、個別玄関装置5又は入居者端末3において取得された、入居者音声を、個別玄関装置5又は入居者端末3から受信して、出力する。
【0036】
送信手段25は、呼出に対する個別玄関装置5による応答が一定時間以上ない場合に、来訪者音声と、来訪者画像と、を対象の部屋の入居者の入居者端末3に来訪情報として送信する。具体的には、来訪受付手段21が受け付けた部屋番号により部屋IDを特定し、当該部屋IDに紐づけて記憶部14に登録された端末情報により特定される入居者端末3に対して、ネットワークNWを介して来訪情報を送信する。より詳しくは、送信手段25がゲートウェイ装置GWに対して送信要求を送り、それに応答してゲートウェイ装置GWが入居者端末3に対して来訪情報を送信する。
【0037】
解錠手段26は、共同玄関を解錠するための入力を受け付け、記憶部14に登録された解錠情報に基づいて共同玄関の解錠を行う。具体的には、入居者に配布されるICカードにより解錠手段26が入力を受け付けて、当該入力と、記憶部14に登録された解錠情報と、を照合し、何れかの部屋に紐づけて登録されたICカードであることが確認された場合に、共同玄関の解錠を行う。なお本実施形態ではICカードの情報を解錠情報として用いるが、暗証番号等、任意の情報に置き換えることができる。また解錠手段26は、来訪情報を受信した入居者端末3や、個別玄関装置5を介した入居者からの解錠指示を受け付けて、共同玄関の解錠を行う。
【0038】
なお、本実施形態では、入居者端末3に対する来訪情報の送信及び共同玄関の解錠の際に、ゲートウェイ装置GWを介してサーバ装置1にアクセスし、記憶部14に登録された情報を確認することで、記憶部14に登録された情報に基づく処理を行うが、本発明はこれに限られない。例えば、記憶部14に記録された情報をゲートウェイ装置GWに送信してゲートウェイ装置GWが備える記憶装置に登録するとともに更新情報についても随時連携しておき、来訪情報の送信及び共同玄関の解錠の処理の際には、ゲートウェイ装置GWが備える記憶装置に登録された(記憶部14に登録された情報と同一の)情報をもとに来訪情報の送信や共同玄関の解錠を行うことで、記憶部14に登録された情報に基づく処理を実現してもよい。
【0039】
図4は、入居者端末3の端末情報の登録に係る処理の流れを示す図である。新たに部屋に入居する入居者や、新たな端末装置を入居者端末3として用いる入居者には、認証情報が連絡される。本実施形態では、認証情報を含む二次元コードを印刷した印刷物を個別に入居者に渡すことにより、認証情報の連絡を行う。
【0040】
入居者端末3により二次元コードが読み取られると、部屋の指定を含む認証情報とともに、端末情報の登録要求がサーバ装置1に送信される(ステップS101)。登録要求は、端末IDと、対象の建物の指定と、部屋番号等による部屋の指定と、入居者指名と、入居者のメールアドレスと、を含む。
【0041】
サーバ装置1は、認証情報を受信すると、事前に部屋情報に紐づけて登録された認証情報と照合し、一致するか否かを判断する(ステップS102)。そして一致が確認されると、ステップS101で受信した情報に基づいて、登録手段11が端末IDを部屋IDに紐づけて登録する。
【0042】
そしてサーバ装置1は、個別玄関装置5と入居者端末3とを接続するために、ゲートウェイ装置GWに対して接続要求を行う(ステップS104)。ゲートウェイ装置GWは接続要求に応じて、個別玄関装置5と入居者端末3との接続に用いる接続情報を発行し、サーバ装置1に送り返す(ステップS105)。
【0043】
ステップS106ではサーバ装置1が接続情報を入居者端末3に送信し、入居者端末3が接続情報を記憶して(ステップS107)、登録処理が完了する。このようにして接続情報が入居者端末3において記憶され、接続情報が記憶されている場合に個別玄関装置5との接続が許可される。
【0044】
図5は、個別玄関装置5と登録済みの入居者端末3との接続に係る処理の流れを示す図である。まずステップS201で、入居者端末3が、サーバ装置1に対してログインを行う。具体的には、入居者情報を特定できる情報として、メールアドレスとパスワード等をサーバ装置1に送信することにより、入居者本人であることを確認する。これにより、以降の処理はサーバ装置1の記憶部14に登録された情報に基づいて行われる。
【0045】
ログインに成功すると、ステップS202でサーバ装置1が入居者情報の確認を行い、入居者情報に紐づけられた部屋に関する部屋情報に基づいて、入居者の部屋の個別玄関機器情報を入居者端末3に送信する(ステップS203)。
【0046】
個別玄関機器情報を受信した入居者端末3は、ステップS204で個別玄関機器の有無を確認し、個別玄関機器があることが確認されると、ステップS205で、事前に記憶された接続情報に基づいてゲートウェイ装置GWに接続要求を送信する。ゲートウェイ装置GWは、記憶装置に登録された情報に基づいて、接続情報が正しい場合に、入居者端末3と個別玄関装置5との接続を行う。
【0047】
このようにして入居者端末3と個別玄関装置5とが接続されると、来訪受付手段21が来訪情報を受け付けた場合に、指定された部屋の個別玄関装置5と接続された入居者端末3に、送信手段25が来訪情報を送信することが可能になる。
【0048】
なお入居者は、部屋にいるときには個別玄関装置5を用いて来訪に対して応答し、外出中等、部屋にいないときには入居者端末3を用いて来訪情報を受信することになる。従って本実施形態では、呼出に対する個別玄関装置5による応答が一定時間以上ない場合に、送信手段25が来訪情報を入居者端末3に送信する。これにより、撮影手段22により撮影された来訪者画像と、音声取得手段23により取得された来訪者音声と、が来訪情報として入居者端末3に送信され、入居者端末3において出力される。
【0049】
ここで来訪の呼出に対して入居者端末3を用いて応答すると、入居者端末3の入力手段31により入居者音声及び入居者画像が取得され、同様に共同玄関装置2に送信される。これにより、来訪者と入居者との間でビデオ通話を行うことができる。
【0050】
図6は、管理者端末4を介した解錠情報の登録に係る処理の流れを示す図である。本実施形態では、事前に共同玄関の解錠に用いるICカードを多数登録しておき、新たな入居者が入居した場合等に、使用されていないICカードを当該入居者の部屋に対応付けて登録してICカードを配布することで、容易に鍵の交換を行うことができる。なお共同玄関だけでなく、個別玄関の鍵も同様にICカードにより解錠されてもよい。
【0051】
まずステップS301で、管理者端末4を介して、管理者から部屋の指定を受け付け、当該部屋に対して登録するICカードを、事前に登録されたカードの中から選択させる。そして選択された部屋とICカードの情報を含む解錠情報登録要求をサーバ装置1に送信する。
【0052】
サーバ装置1では、登録手段11が解錠情報登録要求を受け付けて、指定された部屋の部屋情報を特定し、部屋IDに紐づけて指定されたICカードのカードIDを記憶部14に登録する。そしてステップS303で、登録手段11がゲートウェイ装置GWに対してカードIDを含む解錠情報を送信して、解錠情報の登録が完了する。このようにして解錠情報がサーバ装置1及びゲートウェイ装置GWに登録される。解錠手段26は、登録された解錠情報に基づいて共同玄関の解錠を管理するため、管理者端末4を介して簡単に鍵の変更が可能となる。
【0053】
図7は、退去処理の流れを示す図である。入居者が退去する場合には、対象の入居者端末3と共同玄関装置2や個別玄関装置5との接続を行えないようにし、解錠情報についても変更する必要がある。これらの処理に漏れ生じると、個人情報の流出や防犯上の重大な問題が発生する可能性がある。本実施形態では、管理者端末4を介して退去受付手段12が退去情報を受け付けると、端末情報及び解錠情報を一括して削除することにより、このような問題を解決している。
【0054】
まずステップS401で、管理者端末4が、管理者から入居中の部屋の指定を受け付け、当該部屋の退去を示す情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1では、退去受付手段12が退去情報を受信し、ステップS402で対象の部屋の部屋情報を確認して、端末情報及び解錠情報を削除する。具体的には、端末IDと部屋ID、及び、カードIDと部屋IDの紐づけを解除する。本実施形態では、入居者情報のレコードそのものを削除することにより、部屋を特定する情報に紐づけられた端末情報及び解錠情報を削除する。
【0055】
そしてステップS403で、退去受付手段12がゲートウェイ装置GWに対して削除要求を送信し、ゲートウェイ装置GWにおいて、対象の入居者端末3との接続情報が削除される。このとき、ゲートウェイ装置GWが備える記憶装置に解錠情報及び端末情報が連携されている場合には、これらの情報も併せて削除される。
【0056】
以上のように、本実施形態のエントランスシステムによれば、入居者端末3によって来訪に対する応答を行うための端末情報と、共同玄関の解錠を行うための解錠情報と、の両方を、サーバ上で一括管理できる。更にチャット手段13により、入居者端末3と、当該入居者が入居する部屋を管理する管理者の管理者端末4と、の間でチャットを可能にすることで、入居者が管理者に連絡を取りやすくなる。
【符号の説明】
【0057】
1 :サーバ装置
2 :共同玄関装置
3 :入居者端末
4 :管理者端末
5 :個別玄関装置
11 :登録手段
12 :退去受付手段
13 :チャット手段
14 :記憶部
21 :来訪受付手段
22 :撮影手段
23 :音声取得手段
24 :音声出力手段
25 :送信手段
26 :解錠手段
31 :入力手段
GW :ゲートウェイ装置
NW :ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7