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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089735
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】スロットル操作装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 11/02 20060101AFI20220609BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20220609BHJP
   F02D 11/10 20060101ALI20220609BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20220609BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
F02D11/02 P
F02D9/02 351M
F02D11/02 U
F02D11/10 U
G05G5/03 A
G05G25/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024561
(22)【出願日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2020201990
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】大城 幸男
【テーマコード(参考)】
3G065
3J070
【Fターム(参考)】
3G065CA22
3G065GA46
3G065JA03
3G065JA06
3G065JA09
3G065JA10
3G065JA13
3J070AA03
3J070BA18
3J070CA22
3J070DA01
3J070EA01
(57)【要約】
【課題】スロットルレバーの回転操作時の操作性を向上させることができるスロットル操作装置を提供する。
【解決手段】車両のハンドルバー先端に形成された把持グリップ近傍に固定された固定部材1と、固定部材1から延設して取り付けられ、把持グリップを把持しつつ回動操作可能とされたスロットルレバー2と、スロットルレバー2の回転操作角度を検出し得る検出センサ11とを具備し、検出センサ11で検出されたスロットルレバー2の回動操作角度に基づき車両の駆動源を制御可能なスロットル操作装置において、スロットルレバー2の回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段7を具備したことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物のハンドルバー先端に形成された把持グリップ近傍に固定された固定部材と、
前記固定部材から延設して取り付けられ、前記把持グリップを把持しつつ回動操作可能とされたスロットルレバーと、
前記スロットルレバーの回転操作角度を検出し得る検出センサと、
を具備し、前記検出センサで検出された前記スロットルレバーの回動操作角度に基づき乗り物の駆動源を制御可能なスロットル操作装置において、
前記スロットルレバーの回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段を具備したことを特徴とするスロットル操作装置。
【請求項2】
前記スロットルレバーに連結され、当該スロットルレバーの回転操作に応じて軸廻りに回転する軸部材と、
前記スロットルレバーの回転操作に応じて前記軸部材と共に回転可能な磁石と、
を具備し、前記検出センサは、前記磁石に対応する位置に取り付けられ、前記スロットルレバーに応じて回転する前記磁石の磁気変化に基づいて当該スロットルレバーの回転操作角度を検出し得ることを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【請求項3】
前記軸部材に連結され、前記スロットルレバーの回動操作に応じて回転する回転部材を具備するとともに、前記抵抗力付与手段は、当該回転部材に取り付けられたことを特徴とする請求項2記載のスロットル操作装置。
【請求項4】
前記固定部材の開口を覆うカバー部材が設けられるとともに、当該カバー部材に摺動面が形成され、当該摺動面は、前記抵抗力付与手段の移動軌跡に沿って形成された摺動部材の表面から成ることを特徴とする請求項3記載のスロットル操作装置。
【請求項5】
前記抵抗力付与手段は、前記回転部材に取り付けられた付勢手段により前記摺動面に向かって付勢された樹脂製部材から成るとともに、前記摺動部材は、前記カバー部材にインサート成形された金属製部材から成ることを特徴とする請求項4記載のスロットル操作装置。
【請求項6】
前記固定部材の内部をシールするシール部材を具備するとともに、前記カバー部材は、前記固定部材に取り付けられた状態で前記シール部材を押圧してシール可能とされたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のスロットル操作装置。
【請求項7】
前記検出センサは、前記カバー部材における前記磁石に対応する位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4~6の何れか1つに記載のスロットル操作装置。
【請求項8】
前記スロットルレバーは、正方向及び逆方向に回動操作可能とされるとともに、前記逆方向の操作荷重が前記正方向の操作荷重より大きく設定されたことを特徴とする請求項1~7の何れか1つに記載のスロットル操作装置。
【請求項9】
前記スロットルレバーが前記逆方向に回転操作されるとき、所定の操作荷重を発生させるとともに、前記スロットルレバーが前記正方向に回転操作されるとき、前記操作荷重を発生させない操作荷重発生手段を具備したことを特徴とする請求項8記載のスロットル操作装置。
【請求項10】
前記スロットルレバーに連結され、当該スロットルレバーの回転操作に応じて軸廻りに回転する軸部材と、
前記軸部材に連結され、前記スロットルレバーの回動操作に応じて回転する回転部材と、
を具備し、前記操作荷重発生手段は、前記回転部材と共に回転して前記操作荷重を発生可能とされたことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のスロットル操作装置。
【請求項11】
前記操作荷重発生手段は、前記スロットルレバーの前記逆方向に対する回転操作に応じて変位する変位手段と、当該変位手段の変位に応じて付勢力を生じさせる付勢手段と、を具備したことを特徴とする請求項8~10の何れか1つに記載のスロットル操作装置。
【請求項12】
前記スロットルレバーが前記正方向及び逆方向に回転操作されるとき、当該スロットルレバーを初期位置に付勢するリターンスプリングを具備するとともに、前記スロットルレバーが前記逆方向に回転操作されるとき、前記リターンスプリングによる付勢力と前記操作荷重発生手段による前記操作荷重とを発生させることを特徴とする請求項8~11の何れか1つに記載のスロットル操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出センサで検出されたスロットルレバーの回動操作角度に基づき乗り物の駆動源を制御可能なスロットル操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ATVや四輪バギー等の車両、PWC(水上オートバイ)等の船舶又は雪上車等の乗り物におけるスロットル開度を操作するための従来のスロットル操作装置として、例えば特許文献1にて開示されているように、把持グリップ近傍に取り付けられたスロットルレバー(サムスロットルレバー)を具備したものが挙げられる。かかる従来のスロットル操作装置は、把持グリップを把持した運転者の手の指をスロットルレバーまで伸ばして回転操作すると、その回転操作角度を検出センサが検出して乗り物のエンジンを制御し得るよう構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-53836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、スロットルレバーの回転操作時、リターンスプリングによる付勢力が付与されるものの、操作時の抵抗力が小さく、操作ワイヤを介してスロットルレバーの操作をエンジン側に伝達するものに比べ、操作に違和感があり、操作性を向上させる余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スロットルレバーの回転操作時の操作性を向上させることができるスロットル操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、乗り物のハンドルバー先端に形成された把持グリップ近傍に固定された固定部材と、前記固定部材から延設して取り付けられ、前記把持グリップを把持しつつ回動操作可能とされたスロットルレバーと、前記スロットルレバーの回転操作角度を検出し得る検出センサとを具備し、前記検出センサで検出された前記スロットルレバーの回動操作角度に基づき乗り物の駆動源を制御可能なスロットル操作装置において、前記スロットルレバーの回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記スロットルレバーに連結され、当該スロットルレバーの回転操作に応じて軸廻りに回転する軸部材と、前記スロットルレバーの回転操作に応じて前記軸部材と共に回転可能な磁石とを具備し、前記検出センサは、前記磁石に対応する位置に取り付けられ、前記スロットルレバーに応じて回転する前記磁石の磁気変化に基づいて当該スロットルレバーの回転操作角度を検出し得ることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のスロットル操作装置において、前記軸部材に連結され、前記スロットルレバーの回動操作に応じて回転する回転部材を具備するとともに、前記抵抗力付与手段は、当該回転部材に取り付けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のスロットル操作装置において、前記固定部材の開口を覆うカバー部材が設けられるとともに、当該カバー部材に摺動面が形成され、当該摺動面は、前記抵抗力付与手段の移動軌跡に沿って形成された摺動部材の表面から成ることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のスロットル操作装置において、前記抵抗力付与手段は、前記回転部材に取り付けられた付勢手段により前記摺動面に向かって付勢された樹脂製部材から成るとともに、前記摺動部材は、前記カバー部材にインサート成形された金属製部材から成ることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載のスロットル操作装置において、前記固定部材の内部をシールするシール部材を具備するとともに、前記カバー部材は、前記固定部材に取り付けられた状態で前記シール部材を押圧してシール可能とされたことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項4~6の何れか1つに記載のスロットル操作装置において、前記検出センサは、前記カバー部材における前記磁石に対応する位置に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1~7の何れか1つに記載のスロットル操作装置において、前記スロットルレバーは、正方向及び逆方向に回動操作可能とされるとともに、前記逆方向の操作荷重が前記正方向の操作荷重より大きく設定されたことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のスロットル操作装置において、前記スロットルレバーが前記逆方向に回転操作されるとき、所定の操作荷重を発生させるとともに、前記スロットルレバーが前記正方向に回転操作されるとき、前記操作荷重を発生させない操作荷重発生手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項8又は請求項9記載のスロットル操作装置において、前記スロットルレバーに連結され、当該スロットルレバーの回転操作に応じて軸廻りに回転する軸部材と、前記軸部材に連結され、前記スロットルレバーの回動操作に応じて回転する回転部材とを具備し、前記操作荷重発生手段は、前記回転部材と共に回転して前記操作荷重を発生可能とされたことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項8~10の何れか1つに記載のスロットル操作装置において、前記操作荷重発生手段は、前記スロットルレバーの前記逆方向に対する回転操作に応じて変位する変位手段と、当該変位手段の変位に応じて付勢力を生じさせる付勢手段と、を具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項8~11の何れか1つに記載のスロットル操作装置において、前記スロットルレバーが前記正方向及び逆方向に回転操作されるとき、当該スロットルレバーを初期位置に付勢するリターンスプリングを具備するとともに、前記スロットルレバーが前記逆方向に回転操作されるとき、前記リターンスプリングによる付勢力と前記操作荷重発生手段による前記操作荷重とを発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、スロットルレバーの回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段を具備したので、スロットルレバーの回転操作時の操作性を向上させることができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、検出センサは、磁石に対応する位置に取り付けられ、スロットルレバーに応じて回転する磁石の磁気変化に基づいて当該スロットルレバーの回転操作角度を検出し得るので、スロットルレバーの回転操作角度を精度よく検出することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、軸部材に連結され、スロットルレバーの回動操作に応じて回転する回転部材を具備するとともに、抵抗力付与手段は、当該回転部材に取り付けられたので、抵抗力付与手段による抵抗力の付与を回転部材の回転によって円滑に行わせることができるとともに、スロットル操作装置を小型化することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、固定部材の開口を覆うカバー部材が設けられると共に、当該カバー部材に摺動面が形成され、当該摺動面は、抵抗力付与手段の移動軌跡に沿って形成された摺動部材の表面から成るので、カバー部材が固定部材の開口を覆う機能と、抵抗力付与手段の摺動面を保持する機能とを有することができるとともに、抵抗力付与手段を摺動面に沿って確実に摺動させることができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、抵抗力付与手段は、回転部材に取り付けられた付勢手段により摺動面に向かって付勢された樹脂製部材から成るとともに、摺動部材は、カバー部材にインサート成形された金属製部材から成るので、抵抗力付与手段による摩擦力を安定して生じさせることができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、固定部材の内部をシールするシール部材を具備するとともに、カバー部材は、固定部材に取り付けられた状態でシール部材を押圧してシール可能とされたので、カバー部材が固定部材の開口を覆う機能を有するのに加え、シール部材によるシールを保持する機能を有することができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、検出センサは、カバー部材における磁石に対応する位置に取り付けられているので、カバー部材が固定部材の開口を覆う機能と、検出センサを取り付ける機能とを有することができるとともに、スロットル操作装置の小型化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、スロットルレバーは、正方向及び逆方向に回動操作可能とされるとともに、逆方向の操作荷重が正方向の操作荷重より大きく設定されたので、スロットルレバーに対する正方向の操作時、意図せず誤って逆方向に操作してしまうのを抑制することができる。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、スロットルレバーが逆方向に回転操作されるとき、所定の操作荷重を発生させるとともに、スロットルレバーが正方向に回転操作されるとき、操作荷重を発生させない操作荷重発生手段を具備したので、スロットルレバーにおける逆方向の操作荷重を正方向の操作荷重より大きく設定することができる。
【0027】
請求項10記載の発明によれば、操作荷重発生手段は、回転部材と共に回転して操作荷重を発生可能とされたので、スロットルレバーの逆方向に対する操作時、操作荷重を確実に発生させることができる。
【0028】
請求項11記載の発明によれば、操作荷重発生手段は、スロットルレバーの逆方向に対する回転操作に応じて変位する変位手段と、当該変位手段の変位に応じて付勢力を生じさせる付勢手段とを具備したので、スロットルレバーの逆方向に対する操作時、操作荷重を確実且つ円滑に発生させることができる。
【0029】
請求項12記載の発明によれば、スロットルレバーが正方向及び逆方向に回転操作されるとき、当該スロットルレバーを初期位置に付勢するリターンスプリングを具備するとともに、スロットルレバーが逆方向に回転操作されるとき、リターンスプリングによる付勢力と操作荷重発生手段による操作荷重とを発生させるので、スロットルレバーの逆方向に対する操作時、操作荷重発生手段で発生させる操作荷重とリターンスプリングによる付勢力とを加算した比較的大きな抗力を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係るスロットル操作装置を示す全体斜視図
図2】同スロットル操作装置を示す3面図
図3図2のIII-III線断面図
図4】同スロットル操作装置の固定部材を示す3面図
図5】同スロットル操作装置のカバー部材を示す4面図
図6】同スロットル操作装置のスロットルレバー及びスロットルレバーと共に回転する一体構成部品を示す斜視図
図7】同スロットル操作装置のスロットルレバー及びスロットルレバーと共に回転する一体構成部品を示す3面図
図8】同スロットル操作装置の一体構成部品の組み付け状態を示す分解斜視図
図9】同スロットル操作装置の回転部材を示す3面図
図10】同スロットル操作装置の取付部材を示す3面図
図11】同スロットル操作装置の磁石を示す3面図
図12】同スロットル操作装置の抵抗力付与手段を示す4面図
図13】同スロットル操作装置の抵抗力付与手段の摺動部材に対する摺動を示す模式図
図14】本発明の第2の実施形態に係るスロットル操作装置を示す3面図
図15図14のXVII-XVII線断面図
図16】同スロットル操作装置の固定部材を示す斜視図
図17】同固定部材に一体構成部品を取り付けた状態を示す平面図
図18】同一体構成部品を示す3面図
図19】同一体構成部品を示す斜視図
図20】同一体構成部品を示す斜視図
図21】同スロットル操作装置における一体構成部品の先端部の組み付け状態を示す分解斜視図
図22】同スロットル操作装置における一体構成部品の先端部の組み付け状態を示す分解斜視図
図23】同スロットル操作装置における一体構成部品の先端部の組み付け状態を示す斜視図
図24】同スロットル操作装置の操作荷重発生手段を示す3面図
図25】同スロットル操作装置の抵抗力付与手段を示す斜視図
図26】同抵抗力付与手段が取り付けられた状態の取付部材を示す平面図及び正面図
図27】同スロットル操作装置の抵抗力付与手段の摺動部材に対する摺動を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係るスロットル操作装置は、ATVやバギー等の車両、PWC(水上オートバイ)等の船舶又は雪上車等の乗り物(本実施形態においてはATVやバギー等の車両)が具備するハンドルバーに固定されて当該車両のエンジン(駆動源)を制御可能とされたものであり、図1~3に示すように、固定部材1と、所謂サムレバーと称されるスロットルレバー2と、カバー部材3と、回転部材5と、抵抗力付与手段7と、検出センサ11と、リターンスプリングSと、摺動部材Kとを有して構成されている。
【0032】
固定部材1は、ハンドルバーHに固定されてスロットルレバー2を回動自在に支持するものであり、車両のハンドルバーHの先端に形成された把持グリップ近傍に固定されるようになっている。かかる固定部材1は、図4に示すように、上方が開口して内部に収容凹部が形成されるとともに、挟持部材4が取り付けられており、当該挟持部材4にてハンドルバーHを挟持して固定可能とされている。
【0033】
また、固定部材1は、その外側の所定位置において互いに所定寸法離間して形成された一対の規制部1a-1aが形成されるとともに、内部に形成された収容凹部の底面には、シール部材9(図3参照)を嵌合して位置決めする取付溝1b、軸部材Lを挿通してスロットルレバー1の回転操作を許容する貫通孔1c、及びリターンスプリングSの他端Sb(図6~8参照)を係止する係止部1dがそれぞれ形成されている。
【0034】
スロットルレバー2は、固定部材1の下部から延設して取り付けられ、運転者が車両の把持グリップを把持しつつ回動操作可能とされたものであり、図3に示すように、軸部材Lに連結されている。かかる軸部材Lは、スロットルレバー2の回転操作に応じて軸廻りに回転するもので、その先端部には、取付ネジNb及びワッシャWによって回転部材5が固定されている。なお、スロットルレバー2は、図7に示すように、側方に突出した突出部2aが形成されており、固定部材1に組み付けられた状態で突出部2aが一対の規制部1a-1aの間に位置するよう構成されている。これにより、スロットルレバーL及び軸部材Lの回転角度が所定範囲に規制されるようになっている。
【0035】
回転部材5は、図6、7に示すように、スロットルレバー2の回動操作に応じて回転可能とされるとともに、図9に示すように、抵抗力付与手段7及びコイルスプリング9(図8参照)を取り付け可能な取付部5aと、軸部材Lの先端部を挿通可能な貫通孔5bと、リターンスプリングSの一端Sa(図8参照)を係止する係止部5cがそれぞれ形成されている。しかるに、リターンスプリングSの一端Saが回転部材5の係止部5cに係止され、且つ、他端Sbが固定部材1の係止部1dに係止されて組み付けられるので、スロットルレバー1を回転操作して軸部材L及び回転部材5が回転すると、リターンスプリングSによって初期位置に向かって付勢されるようになっている。
【0036】
さらに、回転部材5は、図6~8に示すように、一対の取付ネジnによって取付部材6が取り付けられている。かかる取付部材6は、磁石Mを保持するもので、図10に示すように、磁石Mを嵌入可能な収容凹部6aと、収容凹部6aの底面中央の位置に突出形成された中央凸部6bと、収容凹部6aの開口縁部において互いに対向して形成された一対の係止爪6cと、収容凹部6aの底面に形成された嵌合孔6dとを有して構成されている。
【0037】
磁石Mは、取付部材6の収容凹部6aに嵌合して取り付けられ、スロットルレバー2の回転操作に応じて軸部材Lと共に回転可能なもので、図11に示すように、中央凸部6bを挿通可能な貫通孔Maと、上面縁部に形成された切欠き部Mbと、下面から突出形成された一対の突出部Mcとを有して構成されている。そして、貫通孔Maに中央凸部6bを挿通させつつ突出部Mcを嵌合孔6dに嵌入させることにより、磁石Mを収容凹部6a内に収容させるとともに、係止爪6cを切欠き部Mbに押圧させることにより磁石Mの抜け止めがされている。
【0038】
このように、スロットルレバー2、軸部材L、回転部材5、取付部材6、磁石M及びリターンスプリングSが組み付けられ、図6に示すように、一体構成部品Yを構成している。したがって、スロットルレバー2を回転操作することにより、一体構成部品Yが固定部材1に対して回転するとともに、当該一体構成部品YがリターンスプリングSによって初期位置に向かって付勢されているので、スロットルレバー2に対する操作力を緩めることにより、スロットルレバー2が初期位置に戻るようになっている。
【0039】
カバー部材3は、図1~3に示すように、固定部材1の上部の開口を覆った状態にて取付ネジNaにより固定されるもので、図5に示すように、側方に向かって開口した収容凹部3aと、固定部材1に取り付けられた状態で磁石Mと対峙する下面3bとを有した成形部品から成る。そして、収容凹部3bには、検出センサ11が取り付けられた基板10が収容され、所定の樹脂が充填されて検出センサ11及び基板10の防水が図られている。
【0040】
また、本実施形態に係るカバー部材3は、その下面3bに摺動部材Kがインサート成形にて固定されている。かかる摺動部材Kは、円環状の金属製部材から成り、後述する抵抗力付与手段7が摺動し得るよう構成されている。なお、カバー部材3の下面3bにおける摺動部材Kの内側領域は、磁石Mが接触しつつ回転可能な接触面3baを構成しており、磁石Mを安定して回転させ得るようになっている。
【0041】
さらに、カバー部材3は、固定部材1に取り付けられた状態でシール部材9を押圧してシール可能とされている。すなわち、カバー部材3を固定部材1に取り付けると、図3に示すように、カバー部材3の下面3bの周縁領域に形成された押圧面3bbがシール部材9を押圧した状態となり、固定部材1の内部(回転部材5等が位置する内部空間)をシールし得るようになっている。
【0042】
検出センサ11は、スロットルレバー2の回転操作角度を検出し得るもので、本実施形態においては、磁石Mの磁気変化を検出してその回転角度を検出する角度センサから成る。すなわち、スロットルレバー2の回転操作に伴って磁石Mが回転すると、その回転による磁石Mの磁気変化を検出センサ11が検知してスロットルレバー2の回転操作角度を検出することができるのである。
【0043】
そして、検出センサ11がスロットルレバー2の回転操作角度を検出すると、その検出信号が基板10に接続された配線hを介して車両が具備するECU(エンジン・コントロール・ユニット)に送信され、当該スロットルレバー2の回転操作角度に基づいて車両のエンジン(駆動源)が制御されるよう構成されている。
【0044】
ここで、本実施形態に係るスロットル操作装置は、スロットルレバー2の回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段7を具備している。かかる抵抗力付与手段7は、図6~8に示すように、回転部材5の取付部5aに取り付けられ、コイルスプリング8により上方に向かって付勢された樹脂製部材から成るとともに、スロットルレバー2の回転操作に伴って回転部材5が回転すると、当該回転部材5と共に回動し得るようになっている。
【0045】
具体的には、抵抗力付与手段7は、図12に示すように、突端面7aと、ボス部7bと、突出部7cとが一体形成されている。突端面7aは、抵抗力付与手段7の突端に形成された平面から成り、カバー部材3に形成された摺動部材Kの摺動面Ka上を摺動し得る面から成る。ボス部7bは、抵抗力付与手段7の下面に形成された突出形状から成り、コイルスプリング8を保持し得るものとされている。また、突出部7cは、抵抗力付与手段7の側面に形成された一対の膨出部から成り、回転部材5の取付部5aに形成された保持溝5aa(図8、9参照)に合致することにより、抵抗力付与手段7を位置決めするとともに、抵抗力付与手段7の変位が案内され得るようになっている。
【0046】
しかるに、抵抗力付与手段7は、コイルスプリング8により摺動部材Kの摺動面Kaに向かって付勢され、図3に示すように、突端面7aが摺動面Kaに接触した状態とされるとともに、スロットルレバー2の回転操作に伴って回転部材5が回転し、当該回転部材5と共に回動すると、図13に示すように、Aの位置に接触した突端面7aがBの位置まで摺動し得るよう構成されている。すなわち、カバー部材3に形成された摺動面Kaは、抵抗力付与手段7の移動軌跡に沿って形成された摺動部材Kの表面から成るので、Aの位置からBの位置まで突端面7aが摺動する過程において、摩擦を生じさせて抵抗力を付与することができるのである。
【0047】
本実施形態によれば、スロットルレバー2の回転操作時に摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得る抵抗力付与手段7を具備したので、操作ワイヤを介してスロットルレバーの操作をエンジン側に伝達する従来のものに比べ、操作感を類似させることができ、スロットルレバー2の回転操作時の操作性を向上させることができる。
【0048】
また、検出センサ11は、磁石Mに対応する位置に取り付けられ、スロットルレバー2に応じて回転する磁石Mの磁気変化に基づいて当該スロットルレバー2の回転操作角度を検出し得るので、スロットルレバー2の回転操作角度を精度よく検出することができる。特に、本実施形態に係る検出センサ11は、スロットルレバー2に応じて回転する磁石Mの磁気変化に基づいて当該スロットルレバー2の回転操作角度を検出し得るとともに、カバー部材3における磁石Mに対応する位置に取り付けられたので、カバー部材3が固定部材1の開口を覆う機能と、検出センサ11を取り付ける機能とを有し、検出センサ11が取り付けられた部位(特に、収容凹部3a)の防水対策を容易に行わせることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、軸部材Lに連結され、スロットルレバー2の回動操作に応じて回転する回転部材5を具備するとともに、抵抗力付与手段7は、当該回転部材5に取り付けられたので、抵抗力付与手段7による抵抗力の付与を回転部材5の回転によって円滑に行わせることができるとともに、スロットル操作装置を小型化することができる。特に、本実施形態に係る抵抗力付与手段7は、回転部材5に取り付けられてカバー部材3に形成された摺動面Ka(本実施形態においては、摺動部材Kの摺動面Ka)を摺動して摩擦が生じるよう構成されたので、カバー部材3が固定部材1の開口を覆う機能及び検出センサ11を取り付ける機能を有するのに加え、抵抗力付与手段7の摺動面Kaを保持する機能を有することができる。
【0050】
さらに、本実施形態においては、固定部材1の開口を覆うカバー部材3が設けられると共に、当該カバー部材3に摺動面Kaが形成され、当該摺動面Kaは、抵抗力付与手段7の移動軌跡に沿って形成された摺動部材Kの表面から成るので、カバー部材3が固定部材1の開口を覆う機能と、抵抗力付与手段7の摺動面Kaを保持する機能とを有することができるとともに、抵抗力付与手段7を摺動面Kaに沿って確実に摺動させることができる。またさらに、本実施形態に係る抵抗力付与手段7は、回転部材5に取り付けられたコイルスプリング8(付勢手段)により摺動面Kaに向かって付勢された樹脂製部材から成るとともに、摺動部材Kは、カバー部材3にインサート成形された金属製部材から成るので、抵抗力付与手段7による摩擦力を安定して生じさせることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、固定部材1の内部をシールするシール部材9を具備するとともに、カバー部材3は、固定部材1に取り付けられた状態でシール部材9を押圧してシール可能とされたので、カバー部材3が固定部材1の開口を覆う機能及び検出センサ11を取り付ける機能を有するのに加え、シール部材9によるシールを保持する機能を有することができる。
【0052】
加えて、本実施形態に係る検出センサ11は、カバー部材3における磁石Mに対応する位置に取り付けられているので、カバー部材3が固定部材1の開口を覆う機能と、検出センサ11を取り付ける機能とを有することができるとともに、スロットル操作装置の小型化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0053】
次に、本発明の第2の実施形態に係るスロットル操作装置について説明する。
第2の実施形態に係るスロットル操作装置は、第1の実施形態と同様、ATVやバギー等の車両、PWC(水上オートバイ)等の船舶又は雪上車等の乗り物(本実施形態においてはATVやバギー等の車両)が具備するハンドルバーに固定されて当該車両のエンジン(駆動源)を制御可能とされたものであり、図14、15に示すように、固定部材1と、所謂サムレバーと称されるスロットルレバー2と、カバー部材3と、回転部材5と、抵抗力付与手段7と、検出センサ11と、リターンスプリングSと、摺動部材Kと、操作荷重発生手段12とを有して構成されている。なお、本実施形態において別個説明する部品以外は、第1の実施形態と共通の部品に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
固定部材1は、ハンドルバーHに固定されてスロットルレバー2を回動自在に支持するものであり、車両のハンドルバーHの先端に形成された把持グリップ近傍に固定されるようになっている。かかる固定部材1は、図16、17に示すように、上方が開口して内部に収容凹部が形成されるとともに、挟持部材4が取り付けられており、当該挟持部材4にてハンドルバーHを挟持して固定可能とされている。
【0055】
また、固定部材1の内部に形成された収容凹部の底面には、シール部材9(図15参照)を嵌合して位置決めする取付溝1bと、軸部材Lを挿通してスロットルレバー1の回転操作を許容する貫通孔1cと、リターンスプリングSの一端Sa(図21~23参照)を係止して固定する第1固定部1dと、及びリターンスプリングSの他端Sb(図21~23参照)を係止して固定する第2固定部1eと、操作荷重発生手段12の被押圧部13b(図25~27参照)を係止して固定する第3固定部1fとがそれぞれ形成されている。
【0056】
ここで、本実施形態に係るスロットル操作装置は、第1の実施形態と同様、スロットルレバー2が固定部材1に対して正方向α及び逆方向βに回動操作可能とされるとともに、検出センサ11がカバー部材3における磁石Mに対応する位置に取り付けられ、スロットルレバー2の正方向αの回転操作及び逆方向βの回転操作をそれぞれ検出可能とされており、正方向αの回動操作により車両のエンジン(駆動源)を制御可能とされ、逆方向βの回動操作により車両に搭載された所定の機器を作動又は当該機器の作動を停止可能とされるよう構成されている。
【0057】
また、リターンスプリングSの一端Saは、回転部材5の第1係止部5c(図19、23参照)及び固定部材1の第1固定部1d(図16、17参照)に係止可能とされるとともに、他端Sbは、回転部材5の第2係止部5d(図20、23参照)及び固定部材1の第2固定部1e(図16、17参照)に係止可能とされて組み付けられている。そして、スロットルレバー2を正方向αに回転操作して回転部材5が同方向に回転すると、リターンスプリングSの一端Saが第1係止部5cに係止されて回転部材5の回転に応じて回動しつつ他端Sbが固定部材1の第2固定部1eに係止して固定されることとなるので、スロットルレバー2を初期位置に戻す方向に付勢力が付与される。
【0058】
また、スロットルレバー2を逆方向βに回転操作して回転部材5が同方向に回転すると、リターンスプリングSの他端Sbが第2係止部5dに係止されて回転部材5の回転に応じて回動しつつ一端Saが固定部材1の第1固定部1dに係止して固定されることとなり、スロットルレバー2を初期位置に戻す方向に付勢力が付与される。
【0059】
しかるに、本実施形態に係るスロットル操作装置は、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、所定の操作荷重を発生させるとともに、スロットルレバー2が正方向αに回転操作されるとき、操作荷重を発生させない操作荷重発生手段12を具備しており、これにより、スロットルレバー2は、逆方向βの操作荷重が正方向αの操作荷重より大きく設定されている。
【0060】
かかる操作荷重発生手段12は、図21、22、26に示すように、取付部材6に形成された取付溝部6eに取り付けられ、回転部材5と共に回転して操作荷重を発生可能とされたもので、図24、25に示すように、スロットルレバー2の逆方向βに対する回転操作に応じて変位する変位手段13と、当該変位手段13の変位に応じて付勢力を生じさせる付勢手段14とを具備している。
【0061】
変位手段13は、取付部材6の回転方向に沿って円弧状に延設された部材から成り、付勢手段14を収容する収容凹部13aと、側方に突出形成された被押圧部13bと、上方に突出形成された突出部13cとを有して構成されている。付勢手段14は、円弧状に延びたコイルスプリングから成り、円弧状に形成された収容凹部13aに収容されている。また、取付部材6は、図26に示すように、円弧状に形成された挿通溝6fが形成されており、付勢手段14が取り付けられた変位手段13を取付部材6の取付溝部6eに取り付けると、取付部材6に形成された挿通溝6fに対して突出部13cが挿通した状態とされるようになっている。
【0062】
そして、スロットルレバー2が逆方向βに操作されて一体構成部品Yが同方向に回転し、取付部材6が逆方向βに回転すると、図17に示すように、変位手段13の被押圧部13bが第3固定部1fに当接しているため、変位手段13が取付部材6に対して相対的に変位(図26の二点鎖線参照)し、付勢手段14を圧縮させることとなる。これにより、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、付勢手段14の付勢力によって所定の操作荷重を発生させることができる。なお、変位手段13が取付部材6に対して変位する際、変位手段13の突出部13cが挿通溝6fに沿って移動するので、安定した変位を行わせることができる。
【0063】
一方、スロットルレバー2が正方向αに操作されて一体構成部品Yが同方向に回転し、取付部材6が正方向αに回転すると、変位手段13及び付勢手段14は、取付部材6に追従して回転するため取付部材6に対して変位(相対的な変位)が行われず、付勢手段14を圧縮させることがない。これにより、スロットルレバー2が正方向αに回転操作されるとき、付勢手段14の付勢力が生じることがなく、操作荷重発生手段12による操作加重は発生しない。なお、スロットルレバー2が正方向αに操作された場合、操作荷重発生手段12による操作荷重は発生しないが、既述のように、リターンスプリングSの付勢力による操作荷重は発生する。
【0064】
さらに、本実施形態においては、スロットルレバー2が正方向α及び逆方向βに回転操作されるとき、当該スロットルレバー2を初期位置に付勢するリターンスプリングSを具備しているため、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、リターンスプリングSによる付勢力と操作荷重発生手段12による操作荷重との両方を同時に発生させることとなる。すなわち、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、リターンスプリングSによる付勢力と操作荷重発生手段12による操作荷重とが加算され、その合成力が操作荷重として付与されるのである。
【0065】
しかるに、抵抗力付与手段7は、コイルスプリング8により摺動部材Kの摺動面Kaに向かって付勢され、突端面7aが摺動面Kaに接触した状態とされるとともに、スロットルレバー2の回転操作に伴って回転部材5が回転し、当該回転部材5と共に回動するようになっている。そして、図27に示すように、スロットルレバー2が正方向αに回転操作されると、Aの位置に接触した突端面7aがBの位置まで摺動するとともに、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されると、Aの位置に接触した突端7aがCの位置まで摺動し得るよう構成されている。すなわち、カバー部材3に形成された摺動面Kaは、抵抗力付与手段7の移動軌跡に沿って形成された摺動部材Kの表面から成るので、Aの位置からBの位置又はCの位置まで突端面7aが摺動する過程において、摩擦を生じさせて抵抗力を付与することができるのである。
【0066】
本実施形態によれば、スロットルレバー2は、正方向α及び逆方向βに回動操作可能とされるとともに、逆方向βの操作荷重が正方向αの操作荷重より大きく設定されたので、スロットルレバー2に対する正方向αの操作時、意図せず誤って逆方向βに操作してしまうのを抑制することができる。特に、本実施形態に係るスロットルレバー2は、正方向αの回動操作により車両の駆動源(エンジン)を制御可能とされ、逆方向βの回動操作により車両に搭載された所定の機器を作動又は当該機器の作動を停止可能とされたので、スロットルレバー2の回転操作によりスロットル制御に加えて車両が有する他の機器の操作を円滑に行わせることができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、所定の操作荷重を発生させるとともに、スロットルレバー2が正方向αに回転操作されるとき、操作荷重を発生させない操作荷重発生手段12を具備したので、スロットルレバー2における逆方向βの操作荷重を正方向αの操作荷重より大きく設定することができる。
【0068】
さらに、操作荷重発生手段12は、回転部材5と共に回転して操作荷重を発生可能とされたので、スロットルレバー2の逆方向βに対する操作時、操作荷重を確実に発生させることができる。またさらに、本実施形態に係る操作荷重発生手段12は、スロットルレバー2の逆方向βに対する回転操作に応じて変位する変位手段13と、当該変位手段13の変位に応じて付勢力を生じさせる付勢手段14とを具備したので、スロットルレバー2の逆方向βに対する操作時、操作荷重を確実且つ円滑に発生させることができる。
【0069】
加えて、本実施形態によれば、スロットルレバー2が正方向α及び逆方向βに回転操作されるとき、当該スロットルレバー2を初期位置に付勢するリターンスプリングSを具備するとともに、スロットルレバー2が逆方向βに回転操作されるとき、リターンスプリングSによる付勢力と操作荷重発生手段12による操作荷重とを発生させるので、スロットルレバー2の逆方向βに対する操作時、操作荷重発生手段12で発生させる操作荷重とリターンスプリングSによる付勢力とを加算した比較的大きな抗力(合成された操作荷重)を生じさせることができる。
【0070】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば抵抗力付与手段7が回転部材5とは異なる部品(取付部材6等)に取り付けられたものとしてもよく、樹脂とは異なる他の材質のものであってもよい。また、摺動部材Kは、金属製部材から成るものとされているが、抵抗力付与手段7の摺動により摩擦を生じさせて抵抗力を付与し得るものであれば、他の材質のものであってもよく、ネジ止め等、インサート成形以外によりカバー部材3に取り付けられるものであってもよい。なお、別個の摺動部材Kを具備せず、例えばカバー部材3の下面3bを加工して、付勢力付与手段7の摺動面としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明と同様の趣旨であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 固定部材
1a 規制部
1b 取付溝
1c 貫通孔
1d 係止部
2 スロットルレバー
2a 突出部
3 カバー部材
3a 収容凹部
3b 下面
3ba 接触面
3bb 押圧面
4 挟持部材
5 回転部材
5a 取付部
5aa 保持溝
5b 貫通孔
5c 係止部
6 取付部材
6a 収容凹部
6b 中央凸部
6c 係止爪
6d 嵌合孔
6e 取付溝部
6f 挿通溝
7 抵抗力付与手段
7a 突端面
7b ボス部
7c 突出部
8 コイルスプリング(付勢手段)
9 シール部材
10 基板
11 検出センサ
12 操作荷重発生手段
13 変位手段
13a 収容凹部
13b 被押圧部
13c 突出部
14 付勢手段
H ハンドルバー
L 軸部材
M 磁石
Ma 貫通孔
Mb 切欠き部
Mc 突出部
S リターンスプリング
Sa 一端
Sb 他端
K 摺動部材
Ka 摺動面
Na 取付ネジ
Nb 取付ネジ
W ワッシャ
n 取付ネジ
Y 一体構成部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
図23
図24
図25
図26
図27