(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089796
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ラジアルフロー型反応器
(51)【国際特許分類】
B01J 19/24 20060101AFI20220609BHJP
B01D 53/047 20060101ALI20220609BHJP
C01B 13/02 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B01J19/24 Z
B01D53/047
C01B13/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196807
(22)【出願日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】63/121,491
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/231,311
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521530037
【氏名又は名称】イ、サン グク
【氏名又は名称原語表記】LEE, Sang Kook
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン グク
【テーマコード(参考)】
4D012
4G042
4G075
【Fターム(参考)】
4D012CA05
4D012CB16
4D012CD07
4D012CF10
4G042BA14
4G042BA44
4G042BB02
4G075AA02
4G075AA03
4G075AA61
4G075BA10
4G075BB04
4G075BD08
4G075DA18
4G075EA01
4G075EB01
4G075EE31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】処理効率を向上させるラジアルフロー型反応器を提供する。
【解決手段】供給された原料を処理して生成物を生成する一対のベッド110、120を含むラジアルフロー型反応器に関し、前記生成物を別のストレージに移動させる前に、前記一対のベッド相互間で生成中の物質または前記生成物が移動可能に形成され、前記一対のベッドそれぞれの流入口に対する排出口の面積比を調節することにより、前記一対のベッドのいずれか1つの前記排出口に、前記一対のベッドの他の1つで前記生成中の物質または前記生成物が流入する時、前記一対のベッドそれぞれの前記排出口の面積制限による処理効率の限界を克服することを特徴とするラジアルフロー型反応器が開示される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ形状のボディと、前記ボディの内部に中心軸に沿って環状の形状で備えられる反応部と、前記ボディの内側面と前記反応部との間に設けられる第1流動路と、前記ボディの中心軸と前記反応部との間に設けられる第2流動路と、をそれぞれ含む第1ベッドおよび第2ベッドを含み、
原料が前記第1ベッドに流入すると、前記第1ベッドの前記反応部と前記第2ベッドの前記反応部を順次に経て生成物が生成されるようにし、
前記第1ベッドにおける前記原料が流入する前記第1流動路または前記第2流動路と、前記第2ベッドの前記反応部を経て生成された前記生成物が排出される前記第1流動路または前記第2流動路とが互いに同一に対応するように構成して、
前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節することを特徴とする、
ラジアルフロー型反応器。
【請求項2】
前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍であることを特徴とする、
請求項1に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項3】
前記原料は空気で、前記生成物は酸素であり、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体を圧力循環吸着式または真空圧力循環吸着式酸素発生装置の一部として用いることを特徴とする、
請求項1に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項4】
前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の内部の流れに対する面積勾配は、前記流入口を上側とし、前記排出口を下側とする時、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状であることを特徴とする、
請求項1に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項5】
前記第1ベッドの前記第1流動路に物質が流入して、前記第1ベッドおよび前記第2ベッドの前記反応部を全部経て生成された生成物は、前記第2ベッドの前記第1流動路に排出されることを特徴とする、
請求項4に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項6】
前記第1ベッドの前記第2流動路に物質が流入して、前記第1ベッドおよび前記第2ベッドの前記反応部を全部経て生成された生成物は、前記第2ベッドの前記第2流動路に排出されることを特徴とする、
請求項4に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項7】
供給された原料を処理して生成物を生成する一対のベッドを含むラジアルフロー型反応器であって、
前記生成物を別のストレージに移動させる前に、前記一対のベッド相互間で生成中の物質または前記生成物が移動可能に形成され、
前記一対のベッドそれぞれの流入口に対する排出口の面積比を調節することにより、前記一対のベッドのいずれか1つの前記排出口に、前記一対のベッドの他の1つで前記生成中の物質または前記生成物が流入する時、前記一対のベッドそれぞれの前記排出口の面積制限による処理効率の限界を克服することを特徴とする、
ラジアルフロー型反応器。
【請求項8】
前記一対のベッドは、
前記一対のベッドのいずれか1つのベッドに先に前記原料が供給されると、他の1つのベッドを経て前記生成物が排出され、連続的に前記生成物が排出されていた他の1つのベッドに前記原料が供給されると、前記原料が供給されていたいずれか1つのベッドを経て前記生成物が排出されることを特徴とする、
請求項7に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項9】
前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドは、
前記原料が流入して、前記生成中の物質または前記生成物が前記一対のベッドのうち前記生成物が排出されるベッドに移動する前までの内部の面積勾配が、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドの流入口を下側とし、排出口を上側とする時、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状であることを特徴とする、
請求項8に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項10】
前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドは、
前記原料が流入する第1ベッドと、前記第1ベッドでの反応に続いて連続的な反応を起こす第2ベッドとを含み、
前記第1ベッドと前記第2ベッドとを互いに直列に連結させることにより、内部の面積勾配が、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドの流入口を下側とし、排出口を上側とする時、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状となることを特徴とする、
請求項9に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項11】
前記第1ベッドと前記第2ベッドは、
ボディの内側面に沿って高さ方向に形成される第1流動路と、中心軸に沿って高さ方向に形成される第2流動路との間に反応部がそれぞれ設けられて、前記原料が前記第1流動路から前記第2流動路に、または前記第2流動路から前記第1流動路に移動しながら前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が生成されることを特徴とする、
請求項10に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項12】
前記第1ベッドの前記第1流動路に前記原料が供給されて、前記第1ベッドの前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が前記第1ベッドの前記第2流動路を通して排出されると、前記第2ベッドの前記第2流動路に流入することを特徴とする、
請求項11に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項13】
前記第1ベッドの前記第2流動路に前記原料が供給されて、前記第1ベッドの前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が前記第1ベッドの前記第1流動路を通して排出されると、前記第2ベッドの前記第1流動路に流入することを特徴とする、
請求項11に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項14】
前記一対のベッドそれぞれは、
前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含むベッド全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍であることを特徴とする、
請求項11に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項15】
前記第1ベッドと前記第2ベッドは、
それぞれ互いに異なる形状、大きさ、材質で形成できることを特徴とする、
請求項11に記載のラジアルフロー型反応器。
【請求項16】
前記原料は空気で、前記生成物は酸素であり、前記一対のベッドを圧力循環吸着式または真空圧力循環吸着式酸素発生装置の一部として用いることを特徴とする、
請求項11に記載のラジアルフロー型反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアルフロー型反応器に関し、より詳しくは、一対のベッドを含むラジアルフロー型反応器においてベッド相互間で生成中の物質または生成物が移動する時、ベッドの排出口の面積制限による処理効率の限界を克服できるようにベッドそれぞれの流入口に対する排出口の面積比を調節できるラジアルフロー型反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
産業現場には供給された原料を処理して生成物を生成する多様なフロー型反応器が存在する。この時、フロー型反応器とは、原料が反応器の内部に設けられ、流路に沿って移動しながら反応をして生成物が生成される反応器を通称する。
【0003】
このようなフロー型反応器は、原料が生成物として生成される流れが軸に沿って形成される軸流型反応器(AFB(Axial Flow Bed)reactor)と、原料が生成物として生成される流れが軸を中心に環状に広がったり集まるように形成されるラジアルフロー型反応器(RFB(Radial Flow Bed)reactor)とに分けられる。
【0004】
ところが、反応器内の反応物質(Active Material)が形成された厚さの変化なく処理容量を増やすためには、軸流型反応器(AFB)は直径を増やせばよいが、直径が増える場合、原料の流れが不均一になる可能性が高くなるのはもちろん、運送においても非常に不便である。
【0005】
そこで、反応器内の反応物質が形成された厚さの変化なく処理容量を増やすにあたり、高さを増やせばよいラジアルフロー型反応器(RFB)がより有利であると考えられるが、2つ以上のラジアルフロー型反応器でシステムを構築する場合、ベッドとベッドとの間の流れにおいてベッドの排出口の制限的な面積のため過度な速度が発生して処理容量と生成物の純度が低くなるというデメリットがあり、処理効率において限界がある。
【0006】
これに関しては、
図1~
図3を例として説明すれば、次の通りである。
【0007】
ここで、
図1は、従来のラジアルフロー型反応器を用いて生成物を生成する一般的な過程を説明するための模式図であり、
図2は、従来のラジアルフロー型反応器の縦断面を示す断面図であり、
図3は、従来のラジアルフロー型反応器に対する流入口と排出口の面積の差を確認できるモデリングの結果である。
【0008】
まず、
図1を参照して一般的な過程を説明すれば、原料から生成物を生成する効率を高めるために、
図1に示されるように、
図2に示された従来のラジアルフロー型反応器10でそれぞれ構成される一対のベッド11、12を交互に繰り返し作動させる。
【0009】
すなわち、ベッド11に原料が供給されると、供給された原料を処理(または反応)して生成物を生成させた後、V3バルブを開放させて前の段階でベッド12から受けていた生成物をストレージ20に移動させるが、一部はV1バルブを開放させて先に反応していた他のベッド12に送って他のベッド12を洗浄しながらベッド12の再生作業を促進し、ベッド12が十分に再生されると、V2バルブを開放して残りの生成物をベッド12に移動させる。
【0010】
次いで、ベッド12に原料が供給されると、供給された原料を処理して生成物を生成させた後、V4バルブを開放させて、前述のものに対応して先にベッド11から受けていた生成物をストレージ20に移動させるが、一部はV1バルブを再度開放させて先に反応していたベッド11に送ってベッド11を洗浄しながらベッド11の再生作業を促進し、ベッド11が十分に再生されると、V2バルブを再度開放して残りの生成物をベッド11に移動させる。
【0011】
このようにV2バルブを開放してベッド11とベッド12との間に生成物を移動させるのは、それぞれのベッド11、12で洗浄および再生された反応物質と追加反応をして、より純度の高い最終製品に作るためである。
【0012】
この時、前に他のベッドで生成されて移動した生成物が洗浄および再生された反応物質と十分に追加反応するためには所定の接触時間が保障されなければならず、これにより、いずれか1つのベッドから他のベッドに生成物が移動(以下では、ベッド11からベッド12に生成物が移動するものと説明する。)する時の流速は、前述した接触時間を保障するほど十分に遅い方が良い。
【0013】
ところが、ベッド11からベッド12に生成物が移動する時の流速を過度に遅くする場合、再度ベッド11への原料供給のために待つ遊休時間が長くなるので、ラジアルフロー型反応器全体としてみた時、時間あたりに処理できる原料の量、すなわち処理効率が低下する問題が発生しうる。
【0014】
よって、移動した生成物が洗浄および再生された反応物質と十分に追加反応するためには、2つの生成物間の十分な接触時間を保障しながらも、全体的に処理効率を向上させるためには、ベッド11からベッド12に移動する生成物の流量を増やせばよい。
【0015】
例えば、ベッド11からベッド12に生成物が移動する場合、生成物がベッド12に流入する部分の流量を増やすために、ベッド12において流入する部分の面積を広く調整することが好ましいが、当該部分はベッド12を基準として生成物が排出される部分でもあるので、ラジアルフロー型反応器10を構成するベッド12の構造上当該面積を広く調整することが実質的に不可能である。
【0016】
すなわち、
図2に示されるように、従来のラジアルフロー型反応器10を構成するベッド12において、原料が流入するf1流れは、D1直径を有する広い面積内で発生し、生成物が排出されるf2流れは、D2直径を有する狭い面積内で発生するしかないので、前述のように、ベッド11から移動する生成物が流入する面積は、D2直径を有する狭い面積であるしかない。
【0017】
もし、これを広くするためには、D2直径と連携されるD1直径までも大きくしなければならないが、D1直径はラジアルフロー型反応器10の全体大きさを決定するものであるので、D1直径を増やさなくてもよいというのが、軸流型反応器に対比するラジアルフロー型反応器のメリットであることを考慮すれば、これを実質的に大きくできず、結局、ラジアルフロー型反応器10の全体の内部流れに対する面積勾配は、流入口を下側、排出口を上側とする時、上側が下側より非常に小さい台形形状であるしかない。
【0018】
したがって、
図2に示されるような従来のラジアルフロー型反応器10の場合には、
図3に提示されたモデリングの結果を通して詳しく確認できるように、流入口に対する排出口の面積を調整できないので、ベッド相互間で生成中の物質または生成物が移動する時、ベッドの排出口の面積制限による処理効率の限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、一対のベッドを含むラジアルフロー型反応器においてベッドそれぞれの流入口に対する排出口の面積比を調節して、ベッド相互間で生成中の物質または生成物が移動する時、ベッドの排出口の面積制限による処理効率の限界を克服できるラジアルフロー型反応器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によるラジアルフロー型反応器は、シリンダ形状のボディと、前記ボディの内部に中心軸に沿って環状の形状で備えられる反応部と、前記ボディの内側面と前記反応部との間に設けられる第1流動路と、前記ボディの中心軸と前記反応部との間に設けられる第2流動路と、をそれぞれ含む第1ベッドおよび第2ベッドを含み、原料が前記第1ベッドに流入すると、前記第1ベッドの前記反応部と前記第2ベッドの前記反応部を順次に経て生成物が生成されるようにし、前記第1ベッドにおける前記原料が流入する前記第1流動路または前記第2流動路と、前記第2ベッドの前記反応部を経て生成された前記生成物が排出される前記第1流動路または前記第2流動路とが互いに同一に対応するように構成して、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節するように構成される。
【0021】
この時、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍であってもよい。また、前記原料は空気で、前記生成物は酸素であり、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体を圧力循環吸着式または真空圧力循環吸着式酸素発生装置の一部として用いる。
【0022】
また、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含む反応器全体の内部の流れに対する面積勾配は、前記流入口を上側とし、前記排出口を下側とする時、
図11Aに示す形状(すなわち、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状)であってもよい。
【0023】
このような形状の面積勾配を有するために、本発明によるラジアルフロー型反応器は、前記第1ベッドの前記第1流動路に物質が流入して、前記第1ベッドおよび前記第2ベッドの前記反応部を全部経て生成された生成物は、前記第2ベッドの前記第1流動路に排出されるように構成される。
【0024】
あるいは、本発明によるラジアルフロー型反応器は、前記第1ベッドの前記第2流動路に物質が流入して、前記第1ベッドおよび前記第2ベッドの前記反応部を全部経て生成された生成物は、前記第2ベッドの前記第2流動路に排出されるように構成される。
【0025】
一方、本発明によるラジアルフロー型反応器は、供給された原料を処理して生成物を生成する一対のベッドを含むラジアルフロー型反応器であって、前記生成物を別のストレージに移動させる前に、前記一対のベッド相互間で生成中の物質または前記生成物が移動可能に形成され、前記一対のベッドそれぞれの流入口に対する排出口の面積比を調節することにより、前記一対のベッドのいずれか1つの前記排出口に、前記一対のベッドの他の1つで前記生成中の物質または前記生成物が流入する時、前記一対のベッドそれぞれの前記排出口の面積制限による処理効率の限界を克服するように構成される。
【0026】
ここで、前記一対のベッドは、前記一対のベッドのいずれか1つのベッドに先に前記原料が供給されると、他の1つのベッドを経て前記生成物が排出され、連続的に前記生成物が排出されていた他の1つのベッドに前記原料が供給されると、前記原料が供給されていたいずれか1つのベッドを経て前記生成物が排出される。
【0027】
この時、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドは、前記原料が流入して、前記生成中の物質または前記生成物が前記一対のベッドのうち前記生成物が排出されるベッドに移動する前までの内部の面積勾配が、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドの流入口を下側とし、排出口を上側とする時、
図11Aに示す形状(すなわち、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状)であってもよい。
【0028】
このような形状の面積勾配を有する本発明によるラジアルフロー型反応器において、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドは、前記原料が流入する第1ベッドと、前記第1ベッドでの反応に続いて連続的な反応を起こす第2ベッドとを含み、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを互いに直列に連結させることにより、内部の面積勾配が、前記一対のベッドのうち前記原料が供給されるベッドの流入口を下側とし、排出口を上側とする時、
図11Aに示す形状(すなわち、面積勾配の下部が台形形状であり、面積勾配の上部が逆台形形状)であってもよい。
【0029】
また、前記第1ベッドと前記第2ベッドは、ボディの内側面に沿って高さ方向に形成される第1流動路と、中心軸に沿って高さ方向に形成される第2流動路との間に反応部がそれぞれ設けられて、前記原料が前記第1流動路から前記第2流動路に、または前記第2流動路から前記第1流動路に移動しながら前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が生成されるように構成される。
【0030】
この時、前記第1ベッドの前記第1流動路に前記原料が供給されて、前記第1ベッドの前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が前記第1ベッドの前記第2流動路を通して排出されると、前記第2ベッドの前記第2流動路に流入するように構成される。
【0031】
また、前記第1ベッドの前記第2流動路に前記原料が供給されて、前記第1ベッドの前記反応部を経て前記生成中の物質または前記生成物が前記第1ベッドの前記第1流動路を通して排出されると、前記第2ベッドの前記第1流動路に流入するように構成される。
【0032】
このように構成される前記一対のベッドそれぞれは、前記第1ベッドと前記第2ベッドとを含むベッド全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍であってもよい。
【0033】
一方、前記第1ベッドと前記第2ベッドは、それぞれ互いに異なる形状、大きさ、材質で形成される。また、前記原料は空気で、前記生成物は酸素であり、前記一対のベッドを圧力循環吸着式または真空圧力循環吸着式酸素発生装置の一部として用いる。
【0034】
また、前記第1ベッドと前記第2ベッドは、前記生成中の物質または前記生成物が生成されながら変化する前記反応部の体積変化に対応できるように、それぞれの反応部の上部にボリューム調整部をさらに含んで構成される。
【0035】
この時、前記ボリューム調整部は、前記反応部の体積変化に対応して膨らむ流体が入っている袋を含んで構成される。
【0036】
あるいは、前記ボリューム調整部は、前記反応部の体積変化に対応して上下側に移動できるように柔軟なガスケットと、前記ガスケットを下側に移動させ、前記ガスケットを平衡状態にする重りとを含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によるラジアルフロー型反応器によれば、一対のベッドそれぞれを構成する第1ベッドと第2ベッド内の流れ方向、高さ、幅などを予め設定して、第1ベッドと第2ベッドとを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節することにより、一対のベッド相互間で生成中の物質または生成物が移動する時、ベッドの排出口の面積制限による処理効率の限界を克服することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】従来のラジアルフロー型反応器を用いて生成物を生成する一般的な過程を説明するための模式図である。
【
図2】従来のラジアルフロー型反応器の縦断面を示す断面図である。
【
図3】従来のラジアルフロー型反応器に対する流入口と排出口の面積の差を確認できるモデリングの結果である。
【
図4】本発明によるラジアルフロー型反応器の第1実施例に含まれるベッドの縦断面を示す断面図である。
【
図5】本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドの縦断面を示す断面図である。
【
図6】本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドに対する変形例の縦断面を示す断面図である。
【
図7】本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドに対する他の変形例の縦断面を示す断面図である。
【
図8】本発明によるラジアルフロー型反応器に対する流入口と排出口の面積の差を確認できるモデリングの結果である。
【
図9】本発明によるラジアルフロー型反応器に含まれるボリューム調整部の一例を示す模式図である。
【
図10】本発明によるラジアルフロー型反応器に含まれるボリューム調整部の他の例を示す模式図である。
【
図11A】本発明による面積勾配の形状の一例を示す図である。
【
図11B】本発明による面積勾配の形状の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の多様な実施例について、添付した図面を参照して詳細に説明する。ただし、添付した図面は、本発明の内容をより容易に開示するために説明されるものに過ぎず、本発明の範囲が添付した図面の範囲に限定されないことは、この技術分野における通常の知識を有する者であれば当然分かるであろう。
【0040】
また、本発明の多様な実施例を説明するにあたり、同一の機能を有する構成要素については同一の名称および同一の符号を用いるだけで、実質的に従来の技術に関連する名称および符号と完全に同一でないことを予め明らかにする。
【0041】
さらに、本発明の多様な実施例で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われるもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明の多様な実施例において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを含むものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0042】
まず、
図4および
図9~
図10を参照して、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例について詳しく説明する。
【0043】
ここで、
図4は、本発明によるラジアルフロー型反応器の第1実施例に含まれるベッドの縦断面を示す断面図であり、
図9は、本発明によるラジアルフロー型反応器に含まれるボリューム調整部の一例を示す模式図であり、
図10は、本発明によるラジアルフロー型反応器に含まれるボリューム調整部の他の例を示す模式図である。
【0044】
図4に示されるような構造を有するベッドで構成される本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例は、原料が流入する第1ベッド110と、第1ベッド110での反応に続いて連続的な反応を起こす第2ベッド120とを含むベッドで構成され、このように構成される本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例は、後述のように、第1ベッド110と第2ベッド120とを含んで構成されるベッドが一対設けられる。
【0045】
この時、第1ベッド110と第2ベッド120それぞれは、ボディの内側面に沿って高さ方向に形成される第1流動路112、122と、中心軸に沿って高さ方向に形成される第2流動路114、124と、第1流動路112、122と第2流動路114、124との間にそれぞれ設けられた反応部130とを含んで構成される。
【0046】
このように構成される第1ベッド110と第2ベッド120それぞれでは、原料が第1流動路112、122から第2流動路114、124に、または第2流動路114、124から第1流動路112、122に移動しながら反応部130を経て生成中の物質または生成物が生成できる。
【0047】
ここで、生成中の物質または生成物は、高純度の酸素、窒素または水素であってもよいし、この時、反応部130には、反応物質としては、触媒剤や吸着剤のほかに多様な物質が含まれてもよいことはもちろんである。
【0048】
すなわち、原料を空気として高純度の酸素を発生させるように反応部130を構成して、本発明によるラジアルフロー型反応器100を酸素発生装置の一部として利用できるように、圧力循環吸着式(pressure swing adsorption)または真空圧力循環吸着式(vacuum pressure swing adsorption)ガス発生器を構成するのに使用可能である。
【0049】
このように第1ベッド110と第2ベッド120とを含んで構成される本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例は、第1ベッド110と第2ベッド120とを互いに直列に連結させることにより、全体的な内部の面積勾配が
図11Aに示す形状になるようにしてもよい。
【0050】
この時、
図11Aに示す形状に形成される内部の面積勾配は、原料が供給される流入口を下側とし、生成中の物質または生成物が排出される排出口を上側としたもので、下側と上側が互いに対称の形状を有する必要もないことはもちろん、左右側は湾曲した形状で多様な傾きを有しても構わない。
【0051】
このように第1ベッド110と第2ベッド120とで構成されて、全体的な内部の面積勾配が
図11Aに示す形状を有するベッドを一対含んで構成される本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例は、生成物を別のストレージに移動させる前に、一対のベッド相互間で生成中の物質または前記生成物が移動可能に形成されるが、上記の背景技術で説明したような一対のベッドのいずれか1つの排出口の面積制限による処理効率の限界がない。
【0052】
これは、一対のベッドそれぞれを構成する第1ベッド110と第2ベッド120内の流れ方向、高さ、幅などを予めモデリングして設定しておくことにより、第1ベッド110と第2ベッド120とを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節できるからである。
【0053】
この時、反応器全体の流入口に対する排出口の面積比は、排出口の面積を流入口の面積に対応できるほど広くすれば、本発明の権利範囲にすべて属するが、反応器全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍以上であるのが有利である。
【0054】
もちろん、前述した0.7倍~1.7倍という数値限定は、排出口の面積を流入口の面積に対応できるほど広いことに対する一例として説明するための限定であり、当業者が変更できる程度の数値(例えば、1.8倍といった程度の数値)であれば、すべて本発明の権利範囲に属する。
【0055】
また、このように反応器全体の流入口に対する排出口の面積が0.7倍~1.7倍になるようにし、反応部130を構成する反応物質を3.5ft(約1.07m)の高さを有する円柱または角柱形態に変形すると仮定した時、流入口と排出口の面積を前記円柱または角柱の底面面積のそれぞれ0.9倍以上に調整することも可能であり、この場合、処理効率の面でさらに有利であり得る。
【0056】
以上説明したように、流入口に対する排出口の面積を0.7倍~1.7倍に調整できるため、第1ベッド110と第2ベッド120とをそれぞれ含む一対のベッドのいずれか1つの排出口に、一対のベッドの他の1つで生成中の物質または生成物が流入する時、制限的な排出口の面積によって処理効率が低下する限界を克服することができる。
【0057】
このように従来のラジアルフロー型反応器10が有する限界を克服できるのは、前述のように第1ベッド110と第2ベッド120とを含む反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節できるからであるが、流入口に対する排出口の面積比を調節できるのは、一対のベッドそれぞれを第1ベッド110と第2ベッド120のように複数構成し、第1ベッド110と第2ベッド120内の流れ方向、高さ、幅などを設定できるからである。
【0058】
特に、第1ベッド110と第2ベッド120内の流れ方向に対する設定は、反応器全体の流入口に対する排出口の面積比を調節するうえで重要な要素になり得、これについては、
図4を参照して以下に詳しく説明する。
【0059】
図4に示されるように、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例の流入口側に相当する第1ベッド110の流入口部分の面積を決定する直径D4と、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例の排出口側に相当する第2ベッド120の排出口部分の面積を決定する直径D5とはほとんど差がない。
【0060】
また、第1ベッド110の第1流動路112に原料が供給されて、第1ベッド110の反応部130を経て生成中の物質または生成物が第1ベッド110の第2流動路114を通して排出されると、第2ベッド120の第2流動路124に流入できるように構成したため、h2とh3を調整すれば、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例の流入口に対する排出口の面積比を調節することができる。
【0061】
このように構成すれば、原料が流入して、生成中の物質または生成物が生成されて排出される前までの、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例を構成する1つのベッドの内部における全体的な面積勾配は
図11Aに示す形状になる。
【0062】
すなわち、
図4にて、第1ベッド110の反応部130を経るF1流れからF2流れが形成される第1ベッド110の内部の面積勾配は台形になるが、第1ベッド110に続いて連続的に反応が起こる第2ベッド120の反応部130を経るF3流れからF4流れが形成される第2ベッド120の内部の面積勾配は逆台形になるため、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例を構成する1つのベッドの内部における全体的な面積勾配は
図11Aに示す形状になり、背景技術で説明したような従来のラジアルフロー型反応器10の限界を克服することができる。
【0063】
一方、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例に含まれる一対のベッドそれぞれを構成する第1ベッド110と第2ベッド120は、それぞれの反応部130の上部にボリューム調整部140をさらに含んで構成される。
【0064】
この時、ボリューム調整部140は、生成中の物質または生成物が繰り返し生成されながら反応物質の固着化などによって変化する反応部130の体積変化に対応できるならば、その構造および形状は多様であり得ることはもちろん、まだ明らかでないかまたは知られていない反応部130の体積変化の原因があるからといって、これによって権利範囲が制限されないことはもちろんである。
【0065】
しかし、より詳細な説明のために、
図9~
図10を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0066】
まず、ボリューム調整部140は、
図9に示されるように、反応部130の体積変化に対応して膨らむ流体が入っている袋142を含んで構成される。
【0067】
この時、袋142は、反応部130の体積変化に対応して流体が膨らむように伸縮性のある多様な材質で構成できることはもちろん、その形状も、
図9に示されるように、湾曲した形態であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0068】
また、袋142の形態が湾曲した形態の場合、反応部130の上端にまともに配置されていないことがあるので、反応部130と袋142との間には別の境界面144を有してもよいし、これもその材質と形状などは多様であり得る。
【0069】
一方、ボリューム調整部140は、
図10に示されるように、反応部130の体積変化に対応して上下側に移動できるように柔軟なガスケット146と、ガスケット146を下側に移動させてガスケット146を平衡状態にする重り148とを含んで構成される。
【0070】
この時、平衡状態は、ガスケット146と反応部130との間に空き空間がない状態を含むもので、反応が持続的に行われても反応を阻害する要素がない状態を包括的に意味する。
【0071】
また、ガスケット146は、反応部130の体積変化に対応して上下側に移動できるように伸縮性のある多様な材質で構成されてもよいし、
図10に示されるように、重り148を収容すればその形状も制限されない。
【0072】
さらに、重り148も、ガスケット146を下側に移動させてガスケット146を平衡状態、例えば、ガスケット146と反応部130との間に空き空間がない状態にできれば、
図10に示されるように、小さい球状に制限されず、多様な形状を有し得ることは当然である。
【0073】
次に、
図5~
図7を参照して、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例について詳しく説明する。
【0074】
ここで、
図5は、本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドの縦断面を示す断面図であり、
図6は、本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドに対する変形例の縦断面を示す断面図であり、
図7は、本発明によるラジアルフロー型反応器の第2実施例に含まれるベッドに対する他の変形例の縦断面を示す断面図である。
【0075】
図5~
図7に示されるように、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例は、本発明によるラジアルフロー型反応器100に含まれる一対のベッドそれぞれを構成する第1ベッド110と第2ベッド120とが、1つのボディ(body)で構成される第1実施例とは異なり、それぞれのボディで構成されて、連結管150で連結されるように構成される。
【0076】
しかし、連結管150で第1ベッド110と第2ベッド120とが相互連結されるとしても、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例に含まれる一対のベッドのうちの1つを構成する第1ベッド110および第2ベッド120の全体をみると、面積勾配が
図11Aに示す形状になるように構成されなければならない。
【0077】
一例として、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例に含まれる一対のベッドのうちの1つは、
図5に示されるように、第1ベッド110の第1流動路112に原料が供給されて、第1ベッド110の反応部130を経て生成中の物質または生成物が第1ベッド110の第2流動路114を通して排出されると、第2ベッド120の第2流動路124に流入できるように構成される。
【0078】
この時、
図5に提示された前述した一例において、
図6に提示されたように、連結管150の位置を変更して、第1ベッド110の第2流動路114におけるF2流れと第2ベッド120の第2流動路124におけるF3流れの方向を反対に変形することもできるが、このように変形しても、生成中の物質または生成物が第1ベッド110の第2流動路114を通して排出されると、第2ベッド120の第2流動路124に流入できるように構成されることに変わりはなく、第1ベッド110および第2ベッド120の全体をみると、面積勾配は
図11Aに示す形状になるはずである。
【0079】
一方、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例は、連結管150で第1ベッド110と第2ベッド120とを連結するように構成されるだけに、
図7に示されるように、第1ベッド110の第2流動路114に原料が供給されて、第1ベッド110の反応部130を経て生成中の物質または生成物が第1ベッド110の第1流動路112を通して排出されると、第2ベッド120の第1流動路122に流入するように構成されてもよい。
【0080】
このように原料が流動する部分と生成中の物質または生成物が流動する部分とが反対になるように構成されると、第1ベッド110および第2ベッド120の全体をみると、面積勾配は
図11Bに示す形状(すなわち、面積勾配の下部は逆台形形状、面積勾配の上部は台形形状)になるが、そうだとしても、流入口に対する排出口の面積比を調節して、一対のベッドのいずれか1つの排出口に、一対のベッドの他の1つで生成中の物質または前記生成物が流入する時、一対のベッドのいずれか1つの排出口の面積制限による処理効率の限界を克服することは同一であるだけに、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例として本発明の権利範囲内に属することは当然であろう。
【0081】
一方、本発明によるラジアルフロー型反応器100の第2実施例においても、ボリューム調整部140も含まれることは当然であり、これについては第1実施例と実質的に同一であるので、以下、説明は省略する。
【0082】
以上説明したような本発明によるラジアルフロー型反応器100の第1実施例および第2実施例は、生成物を別のストレージに移動させる前に、一対のベッド相互間で生成中の物質または生成物が移動可能に形成されるが、一対のベッドのいずれか1つの排出口に、一対のベッドの他の1つで生成中の物質または前記生成物が流入する時、一対のベッドのいずれか1つの排出口の面積制限による処理効率の限界を克服できるように、一対のベッドそれぞれを構成する第1ベッド110と第2ベッド120とは、1つのボディで直接的に連結されるか、連結管150を用いて連結されるかにかかわらず、全体的に流入口に対する排出口の面積比を調整可能にする。
【0083】
このように第1ベッド110と第2ベッド120は、流入口に対する排出口の面積比が調整されるようにして、面積勾配が
図11Aに示す形状(または場合によっては
図11Bに示す形状)になるようにすれば、前述した第1実施例のように1つのボディで直接的に連結されなくても、前述した第2実施例のように連結管150を用いて連結されなくてもすべて本発明の権利範囲に属することは当然であり、ひいては、第1ベッド110と第2ベッド120がそれぞれ互いに異なる形状、大きさ、材質で多様に形成されてもすべて本発明の権利範囲に属する。
【0084】
このような権利範囲を有する本発明によるラジアルフロー型反応器100は、背景技術で例として言及されていた
図3に提示されたモデリングの結果とは異なり、
図8のようなモデリングの結果を例として有する。
【0085】
すなわち、
図3に例示された従来のラジアルフロー型反応器10に対するモデリングの結果によれば、3.5ft(約1.07m)の高さに形成された反応物質を含む軸流型反応器の流入口および排出口の面積に比べて、同じ量及び同じ種類の反応物質を含む従来のラジアルフロー型反応器10の流入口の面積比(Inlet area ratio)は145%、排出口の面積比(Outlet area ratio)は93%であり、排出口の面積は流入口の面積の63%(=93/145*100%)に過ぎない。
【0086】
すなわち、従来のラジアルフロー型反応器10は、排出口の面積が流入口の面積に拘束されて非常に小さいので、一対のベッドのいずれか1つの排出口に、一対のベッドの他の1つで生成中の物質または生成物が流入する時、一対のベッドそれぞれの排出口の面積制限によって処理効率に限界がある。
【0087】
しかし、
図8に例示された本発明によるラジアルフロー型反応器100に対するモデリングの結果によれば、3.5ft(約1.07m)の高さに形成された反応物質を含む軸流型反応器の流入口および排出口の面積に比べて、同じ量及び同じ種類の反応物質を含むラジアルフロー型反応器100の流入口の面積比(Inlet area ratio)は126%、排出口の面積比(Outlet area ratio)も126%であり、排出口の面積を流入口の面積の100%(=126/126*100%)に調節できるので、前述のような排出口の面積制限による処理効率の限界を克服することができる。
【0088】
以上、本発明による一実施例を説明し、上述した実施例以外にも、本発明がその趣旨や範疇を逸脱することなく他の特定の形態で具体化できるという事実は、当該技術における通常の知識を有する者にとっては自明である。
【0089】
そのため、上述した実施例は制限的ではなく例示的なものと考えなければならず、これによって本発明は上述した説明に限定されず、添付した請求項の範疇およびその同等範囲内で変更されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10:従来のラジアルフロー型反応器
20:ストレージ
100:本発明によるラジアルフロー型反応器
110:第1ベッド
112:第1ベッドの第1流動路
114:第1ベッドの第2流動路
120:第2ベッド
122:第2ベッドの第1流動路
124:第2ベッドの第2流動路
130:反応部
140:ボリューム調整部
142:袋
144:境界面
146、146’:ガスケット
148:重り
150:連結管