(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089826
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】電子読み出しを用いる多重化バイオアッセイデバイス
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20220609BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20220609BHJP
G01N 21/05 20060101ALI20220609BHJP
G01N 21/11 20060101ALI20220609BHJP
C12N 9/12 20060101ALN20220609BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALN20220609BHJP
【FI】
C12M1/00 A
G01N35/08 A
G01N21/05
G01N21/11
C12N9/12
C12Q1/6876 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045294
(22)【出願日】2022-03-22
(62)【分割の表示】P 2020515250の分割
【原出願日】2018-07-27
(31)【優先権主張番号】62/558,815
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516316875
【氏名又は名称】ルシラ ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ フランク ビー. ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】リーバー クレイ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス テーバー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】マニアル ファイサル エス.
(57)【要約】
【課題】本発明は、概して、アッセイされた生体試料の1つ以上の光学特性を変更する指示薬を使用することによる、バイオアッセイを実行するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【解決手段】主題の方法は、デバイスの中に導入された生体試料に対して生化学反応を実施することによって反応生成物を生成することと、反応生成物を、試料中に存在することが疑われる分析物の存在、不在、または量を示すために生体試料の光学特性の検出可能な変化を生成できる指示薬と反応させることとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を含む第1の部分と、
第2の面を含む第2の部分と
を含む、バイオアッセイを実行するためのアセンブリであって、
前記第1の部分及び前記第2の部分が、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合されており、
前記連続流体経路が、
共通試料受取口と、
前記共通試料受取口から延在し、前記共通試料受取口と流体連通する複数の流体チャネルと、
複数の流体チャンバであって、前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、前記複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、前記単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならず、各流体チャンバが、前記複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口と、流体経路終端の出口ベントとを含む、前記複数の流体チャンバと
を含み、
前記第2の部分が、複数の第1のライトパイプを形成する透明な材料を含み、
各第1のライトパイプが、前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を透過させることができる、
前記アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置するガスケットであって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記ガスケット
をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ガスケットが、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ガスケットが、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項2~3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ガスケットが、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の部分が複数の結合ハンドルをさらに含み、前記第2の部分が複数の結合ラッチをさらに含み、前記複数の結合ハンドルのそれぞれが、前記複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の部分及び前記第2の部分が動作可能に結合されるとき、前記ガスケットの体積が、5%~25%圧縮される、請求項2~5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、自己密封式のベント材料によって密封される、請求項1~7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記自己密封式ベント材料が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記自己密封式ベント材料が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置する疎水性膜であって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記疎水性膜
をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記疎水性膜が、複数のエネルギーダイレクタを使用して、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着されている、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、前記疎水性膜によって密封される、請求項11~12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記疎水性膜がポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記疎水性膜が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項11~14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記疎水性膜が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも1つが射出成形されている、請求項1~16のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の部分が、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記第1の部分及び前記第2の部分が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項1~18のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記第1の部分及び前記第2の部分が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
12カ月の閾値を超える保存安定性を有する、請求項4~5、9~10、15~16、及び19~20のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積が、前記複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる、請求項1~21のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記複数の流体チャンバのそれぞれの体積が1μLと1000μLの間である、請求項1~21のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記複数の流体チャンバのそれぞれの前記体積が30μLである、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバが、乾燥または凍結乾燥した試薬を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記乾燥または凍結乾燥した試薬がアッセイ試薬を含む、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
マイクロプロセッサを含む回路基板であって、前記流体チャンバに動作可能に結合されている、前記回路基板
をさらに含む、請求項1~27のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記回路基板が、複数の発光素子をさらに含み、各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記複数の発光素子がLEDを含む、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記複数の発光素子がレーザーを含む、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記複数の第1のライトパイプの各第1のライトパイプが、
前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
を含む、
請求項29~31のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記第2の部分が、複数の第2のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、各第2のライトパイプが、前記複数の発光素子の1つと前記複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる、請求項29~32のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記複数の第2のライトパイプの各第2のライトパイプが、
複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記マイクロプロセッサが、0.01~100Hzに及ぶ繰り返し周波数を有する繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされており、前記複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明される、請求項29~34のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記パターンの各繰り返しの間、個別に照明される、請求項35に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記回路基板が、前記単一の検知領域に光学的に結合された光センサを含む、請求項29~36のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記光センサが、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む、請求項37に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記光センサが、色の変化を検出するように構成されている、請求項37~38のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記光センサが、吸光度の変化を検出するように構成されている、請求項37~39のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記回路基板が、リング形状を含む加熱素子をさらに含み、前記加熱素子が、前記複数の流体チャンバを加熱するように構成されている、請求項28~40のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項42】
リング形状を含む熱パッドであって、前記加熱素子から前記複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成されている、前記熱パッド
をさらに含む、請求項41に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記回路基板が、温度センサをさらに含む、請求項41~42のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項44】
前記回路基板が、電子結果表示機構をさらに含む、請求項28~43のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項45】
前記マイクロプロセッサが、前記光センサから受信した信号を分析するようにプログラムされている、請求項37~40のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項46】
前記マイクロプロセッサが、前記加熱素子に送信される信号を生成するようにプログラムされている、請求項41~43のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項47】
前記マイクロプロセッサが、前記温度センサから受信した信号を分析するようにプログラムされている、請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項48】
前記マイクロプロセッサが、前記電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにプログラムされている、請求項44に記載のアセンブリ。
【請求項49】
前記バイオアッセイが診断テストである、請求項1~48のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項50】
前記複数の流体チャネルが、前記共通試料受取口から放射状に延在する、請求項1~49のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項51】
前記複数の流体チャンバが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、請求項1~50のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項52】
前記複数の第1のライトパイプが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、請求項1~51のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項53】
前記単一の検知領域が、前記第2の部分の中心にまたは中心の近くに位置する、請求項1~52のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項54】
前記第1の面が放射対称性である、請求項1~53のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項55】
前記第2の面が放射対称性である、請求項1~54のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項56】
第1の面を含む第1の部分と、
第2の面を含む第2の部分と
を含むアセンブリであって、
前記第1の部分及び前記第2の部分が、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合されており、
前記連続流体経路が、
共通試料受取口と、
前記共通試料受取口から延在し、前記共通試料受取口と流体連通する複数の流体チャネルと、
複数の流体チャンバであって、前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、前記複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、前記単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならず、各流体チャンバが、前記複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口と、材料によって密封される、流体経路終端の出口ベントとを含む、前記複数の流体チャンバと
を含み、
前記第2の部分が、複数の第1のライトパイプを形成する透明な材料を含み、
各第1のライトパイプが、前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を透過させることができる、
前記アセンブリ;ならびに
前記流体チャンバに動作可能に結合された回路基板であって、
前記回路基板が、
マイクロプロセッサと、
複数の発光素子であって、各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる、前記複数の発光素子と、
前記単一の検知領域に光学的に結合された光センサと、
リング形状を含む加熱素子であって、前記複数の流体チャンバを加熱するように構成された、前記加熱素子と、
温度センサと、
電子結果表示機構と
を含み、
前記マイクロプロセッサが、繰り返し周波数での繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされており、前記複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明され、前記マイクロプロセッサが、前記光センサから受信した信号を分析し、前記加熱素子に送信される信号を生成し、前記温度センサから受信した信号を分析し、かつ前記電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにさらにプログラムされている、
前記回路基板
を含む、バイオアッセイを実行するためのシステム。
【請求項57】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置するガスケットであって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記ガスケット
をさらに含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記ガスケットが、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記ガスケットが、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項57~58のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項60】
前記ガスケットが、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記第1の部分が複数の結合ハンドルをさらに含み、前記第2の部分が複数の結合ラッチをさらに含み、前記複数の結合ハンドルのそれぞれが、前記複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成されている、請求項56~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記第1の部分及び前記第2の部分が動作可能に結合されるとき、前記ガスケットの体積が、5%~25%圧縮される、請求項57~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項63】
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントを密封する前記材料が、自己密封式のベント材料である、請求項56~62のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項64】
前記自己密封式ベント材料が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記自己密封式ベント材料が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置する疎水性膜であって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記疎水性膜
をさらに含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項67】
前記疎水性膜が、複数のエネルギーダイレクタを使用して、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着されている、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、前記疎水性膜によって密封される、請求項66~67のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項69】
前記疎水性膜がポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項66~68のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項70】
前記疎水性膜が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項66~69のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項71】
前記疎水性膜が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも1つが射出成形されている、請求項56~71のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項73】
前記第2の部分が、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項56~72のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1の部分及び前記第2の部分が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、請求項56~73のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1の部分及び前記第2の部分が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記アセンブリが12カ月の閾値を超える保存安定性を有する、請求項59~60、64~65、70~71、及び74~75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項77】
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積が、前記複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる、請求項56~76のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項78】
前記複数の流体チャンバのそれぞれの体積が1μLと1000μLの間である、請求項56~76のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項79】
前記複数の流体チャンバのそれぞれの前記体積が30μLである、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバが、乾燥または凍結乾燥した試薬を含む、請求項56~79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項81】
前記乾燥または凍結乾燥した試薬がアッセイ試薬を含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記繰り返し周波数が0.01~100Hzに及ぶ、請求項56~82のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項84】
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記パターンの各繰り返しの間、個別に照明される、請求項56~83のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項85】
前記光センサが、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む、請求項56~84のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項86】
前記光センサが、色の変化を検出するように構成されている、請求項56~85のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項87】
前記光センサが、吸光度の変化を検出するように構成されている、請求項56~86のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項88】
リング形状を含む熱パッドであって、前記加熱素子から前記複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成されている、前記熱パッド
をさらに含む、請求項56~87のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項89】
前記バイオアッセイが診断テストである、請求項56~88のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項90】
前記複数の発光素子がLEDを含む、請求項56~89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項91】
前記複数の発光素子がレーザーを含む、請求項56~89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項92】
前記複数の第1のライトパイプの各第1のライトパイプが、
前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
請求項56~91のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項93】
前記第2の部分が、複数の第2のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、各第2のライトパイプが、前記複数の発光素子の1つと前記複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる、請求項56~92のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項94】
前記複数の第2のライトパイプの各第2のライトパイプが、
複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
前記複数の流体チャネルが、前記共通試料受取口から放射状に延在する、請求項56~94のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項96】
前記複数の流体チャンバが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、請求項56~95のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項97】
前記複数の第1のライトパイプが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、請求項56~96のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項98】
前記単一の検知領域が、前記第2の部分の中心にまたは中心の近くに位置する、請求項56~97のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項99】
前記第1の面が放射対称性である、請求項56~98のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項100】
前記第2の面が放射対称性である、請求項56~99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項101】
核酸増幅試料の1つ以上の特徴を、前記試料の、変更された光学特性に基づいて決定する方法であって、
核酸を含む生体試料を提供することと、
試料溶液を作製するために、前記生体試料を光学特性変更試薬溶液と混ぜ合わせることと、
前記試料溶液を、請求項56~100のいずれか1項に記載の前記共通試料受取口の中に挿入することと、
前記試料溶液の少なくとも一部分を、前記共通試料受取口の中から、前記共通試料受取口から延在し、前記共通試料受取口と流体連通する複数の流体チャネルの中へと、前記複数の流体チャネルの終端の中から、請求項56~100のいずれか1項に記載の前記複数の流体チャンバの前記流体入口の中へと送ることであって、前記流体チャネルがアッセイ試薬を含み、それによって核酸反応混合物を生成する、前記送ることと、
前記反応混合物を、請求項56~100のいずれか1項に記載の前記加熱素子で加熱することであって、前記加熱することが、前記生体試料中に存在する前記核酸と前記アッセイ試薬とを使用した核酸増幅反応を促進し、前記反応が、増幅された核酸及び複数のプロトンを生成する、前記加熱することと、
前記プロトンを前記光学特性変更試薬と反応させることであって、前記反応させることが、前記生体試料中の疑われる分析物の存在を示す、変更された光学特性の検出を可能にするために、前記光学特性変更試薬の光学特性を変更することができる、前記反応させることと、
請求項56~100のいずれか1項に記載の前記マイクロプロセッサを使用して、前記繰り返し周波数での前記繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させることと、
請求項56~100のいずれか1項に記載の前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を、前記変更された光学特性に基づいて決定することと、
請求項56~100のいずれか1項に記載の前記電子結果表示機構を使用して、前記決定された特徴を表示することと
を含む、前記方法。
【請求項102】
各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明する、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記繰り返しパターンの各繰り返しの間、個別に照明される、請求項101~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光が、請求項93~94のいずれか1項に記載の前記複数の第2のライトパイプを通って前記複数の流体チャンバに伝えられる、請求項101~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記複数の第2のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、前記複数の第2のライトパイプを通って前記複数の流体チャンバに伝えられる、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記第2の部分の前記複数の第1のライトパイプを通して前記光センサに伝えられる、請求項101~105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記複数の第1のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、前記複数の第1のライトパイプを通して前記光センサに伝えられる、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記繰り返しパターンで前記複数の発光素子のそれぞれを発光させることが、前記複数の流体チャンバの1つだけが任意の時間に照明されるように、複数の発光素子のそれぞれを異なった別個の時間に発光させることをさらに含む、請求項101~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記反応混合物を前記加熱素子で加熱することが、前記マイクロプロセッサによって生成された信号を前記加熱素子に送信することをさらに含む、請求項101~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサから受信した信号を前記マイクロプロセッサが分析することをさらに含む、請求項101~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
請求項56~100のいずれか1項に記載の前記温度センサから信号を受信することと、前記マイクロプロセッサを使用して、前記温度センサから受信した前記信号を分析することとをさらに含む、請求項101~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記電子結果表示機構を使用して、前記決定された特徴を表示することが、前記マイクロプロセッサによって生成された信号を前記電子結果表示機構に送信することをさらに含む、請求項101~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記第1の部分及び前記第2の部分を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項101~112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記第1の部分及び前記第2の部分を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
請求項63に記載の前記自己密封式ベント材料を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項101~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記自己密封式ベント材料を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
請求項57~58のいずれか1項に記載の前記ガスケットを、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項101~116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
前記ガスケットを、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
請求項66~69のいずれか1項に記載の前記疎水性膜を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項101~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記疎水性膜を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記繰り返し周波数が0.01~100Hzに及ぶ、請求項101~118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサを使用して、前記試料の色の変化を検出することをさらに含む、請求項101~121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサを使用して、前記試料の吸光度の変化を検出することをさらに含む、請求項101~122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記光学特性変更試薬溶液が液体バッファを含む、請求項101~123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、請求項101~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記アッセイ試薬が、乾燥または凍結乾燥されている、請求項101~125のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
序論
バイオアッセイは、生体試料の1つ以上の特徴を決定するために使用される。係るアッセイは、生体試料中の1つ以上の分析物の存在、量、及び機能活性を定性的に評価する、及び/または定量的に測定することができる。係る評価はアッセイ内で発生する変化または変化の欠如に基づいて行うことができる。例えば、生体試料上で実行されたアッセイ反応に続く指示薬の透過率及び/または色の変化は、試料中に存在することが疑われる分析物の存在、不在、または量等の試料の1つ以上の特徴が評価されていることを示す。
【背景技術】
【0002】
背景
大部分のバイオアッセイシステムは、分析のため高価な計装に頼っている。非常に頻繁に、この分析は、反応体積の中の吸光度または蛍光性等の光学特性の変化を経時的に検出することを伴う。これらの光学特性信号は次いで分析され、多くの場合健康管理または病気の診断のためにバイオアッセイの中の分析物について判断が下される。医療費の増加に伴い、例えばポイントオブケアクリニック、薬局、または家庭において等、従来の実験室の環境の外で使用できる低コストの診断装置を開発することに対する多大な関心がある。さらに、試料調製のワークフロー及び(例えば、比色分析に頼ることによって)結果分析を簡略化し、(例えば、精製要件の排除)、バイオアッセイをこれらの環境にとって理想的にする多くのバイオアッセイの化学的性質が利用できるようになってきた。しかしながら、同時に反応温度を調節しながら、反応体積中の光学的な変化の正確な測定を可能にするための低コスト計装の設計には重要な課題が残っている。
【発明の概要】
【0003】
概要
開示された本主題は、概して、アッセイされた生体試料の1つ以上の光学特性を変更する指示薬を使用する、バイオアッセイを実行するためのデバイス及びシステムに関する。主題の方法は、デバイスの中に導入された試料に対して生化学反応を実施することによって反応生成物を生成することと、反応生成物を、試料中に存在することが疑われる分析物の存在、不在、または量を示すために試料の光学特性の検出可能な変化を生成できる指示薬と反応させることとを含む。
【0004】
一態様では、本開示は、バイオアッセイを実行するためのアセンブリを提供する。一部の実施形態では、アセンブリは、第1の面を含む第1の部分、及び第2の面を含む第2の部分を含む。第1の部分及び第2の部分は、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合される場合がある。特定の実施形態において、連続流体経路は、1つの共通試料受取口、複数の流体チャネル、及び複数の流体チャンバを含む。追加の実施形態では、複数の流体チャンバの各流体チャンバは、単一の検知領域から実質的に等距離である場合がある。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。一部の態様では、複数の流体チャネルは共通試料受取口から延在する場合があり、共通試料受取口と流体連通する場合がある。複数の流体チャンバの各流体チャネルは、終端を含む場合がある。さらに追加の態様では、各流体チャンバは、複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口を含む場合がある。また、各流体チャンバは、流体経路終端に出口ベントを含む場合もある。一部の実施形態では、アセンブリの第2の部分は、第1の複数のライトパイプを形成する透明な材料を含む場合がある。追加の実施形態では、第1の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の流体チャンバの1つと単一の検知領域との間に光を透過させることができる場合がある。
【0005】
アセンブリの追加の実施形態では、アセンブリは、第1の部分と第2の部分との間に位置するガスケットをさらに含む場合がある。係る実施形態では、ガスケットは、連続流体経路内に流体シールを形成するために、第1の部分及び第2の部分に動作可能に結合される場合がある。追加の実施形態では、ガスケットは、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む場合がある。ガスケットは、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、ガスケットは、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。ガスケットのこの予備乾燥に基づき、アセンブリは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。一部の実施形態では、ガスケットの体積は、アセンブリの第1の部分及び第2の部分が動作可能に結合されるとき、5%~25%、圧縮される場合がある。
【0006】
特定の態様では、バイオアッセイは診断テストである。アセンブリの一部の実施形態では、第1の部分は複数の結合ハンドルをさらに含む可能性があり、第2の部分は複数の結合ラッチをさらに含む可能性がある。追加の実施形態では、複数の結合ハンドルのそれぞれは、複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成される場合がある。
【0007】
アセンブリの追加の実施形態では、各流体チャンバの出口ベントは、自己密封式のベント材料によって密封される場合がある。自己密封式のベント材料は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、自己密封式ベント材料は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。自己密封式のベント材料のこの予備乾燥に基づき、アセンブリは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0008】
一部の実施形態では、アセンブリは、第1の部分と第2の部分との間に位置する疎水性膜をさらに含む。特定の実施形態では、疎水性膜は、連続流体経路内に流体シールを形成するために、第1の部分及び第2の部分に動作可能に結合される。追加の実施形態では、疎水性膜は、複数のエネルギーダイレクタを使用して、第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着され得る。さらに追加の実施形態では、各流体チャンバの出口ベントは、疎水性膜によって密封される。疎水成膜は、ポリテトラフルオロエチレンを含む場合がある。疎水性膜は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、疎水性膜は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。疎水性膜のこの予備乾燥に基づき、アセンブリは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0009】
アセンブリの特定の実施形態では、第1の部分及び/または第2の部分は、射出成形される場合がある。一部の実施形態では、第2の部分は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、及びポリアミド、ならびにそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む。第1の部分及び第2の部分は、一部の実施形態では0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代替実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。第1の部分及び第2の部分のこの予備乾燥に基づき、アセンブリは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0010】
複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積は、アセンブリの一部の実施形態では、複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる場合がある。代替実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれの体積は、1uLと1100uLとの間である場合がある。追加の実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれの体積は、同じである。さらに追加の実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれの体積は、約30uLである。
【0011】
アセンブリの特定の態様では、複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバは、乾燥した試薬を含む。特定の態様では、乾燥した試薬は凍結乾燥した試薬である。乾燥または凍結乾燥した試薬は、試料に対してアッセイ反応を実施するための試薬を含む場合がある。一部の実施形態では、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む。
【0012】
アセンブリは、一部の実施形態では、流体チャンバに動作可能に結合された回路基板をさらに含む場合がある。追加の実施形態では、回路基板は、マイクロプロセッサをさらに含む場合がある。回路基板は、複数の発光素子を含む場合があり、各発光素子は、複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる。一部の実施形態では、複数の発光素子はLEDを含む場合がある。代替実施形態では、複数の発光素子はレーザーを含む場合がある。一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、0.01~100Hzに及ぶ繰り返し周波数を有する繰り返しパターンで、複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされ、複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明される。追加の実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれは、パターンの各繰り返しの間、個別に照明される。
【0013】
アセンブリの一部の実施形態では、回路基板は、単一の検知領域に光学的に結合された光センサを含む。光センサは、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む場合がある。一部の実施形態では、光センサは、色の変化を検出するように構成される。追加の実施形態では、光センサは、吸光度の変化を検出するように構成される。マイクロプロセッサは、光センサから受信した信号を分析するようにプログラムされる場合がある。
【0014】
アセンブリの回路基板は、一部の実施形態では、リング形状を含む加熱素子をさらに含む場合がある。追加の実施形態では、加熱素子は、複数の流体チャンバを加熱するように構成される場合がある。マイクロプロセッサは、加熱素子に送信される信号を生成するようにプログラムされる場合がある。また、回路基板は、リング形状を含む熱パッドを含む場合もあり、熱パッドは、加熱素子から複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成される。さらに、回路基板は、温度センサを含む場合がある。マイクロプロセッサは、温度センサから受信した信号を分析するようにプログラムされる場合がある。
【0015】
アセンブリの回路基板は、電子結果表示機構を含む場合もある。マイクロプロセッサは、複数の流体チャンバの1つ以上で実施されるアッセイ反応の結果を簡略にかつ明確に示すために、一部の実施形態では、電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにプログラムされる場合がある。
【0016】
一部の態様は、第1の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の流体チャンバの1つと単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを含む。追加の実施形態では、アセンブリの第2の部分は、第2の複数のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、それぞれが、複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる。さらに追加の実施形態では、第2の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0017】
開示されたアセンブリの特定の実施形態では、複数の流体チャネルは、共通試料受取口から放射状に延在する。さらに、複数の流体チャンバの各流体チャンバは、単一の検知領域の回りに放射状に配置される場合がある。特定の態様では、第1の複数のライトパイプは、単一の検知領域の回りに放射状に配置される。追加の態様では、単一の検知領域は、第2の部分の特定の領域にまたは特定の領域の近くに位置する。一部の態様は、中心領域は、複数の流体チャンバの場所に対して画定される。第1の面及び/または第2の面は、開示されるアセンブリの一部の実施形態では、放射対称性である場合がある。
【0018】
別の態様では、本開示は、バイオアッセイを実行するためのシステムを提供する。一部の実施形態では、システムは、アセンブリ及び回路基板を含む。アセンブリは、第1の面を含む第1の部分、及び第2の面を含む第2の部分を含む場合がある。第1の部分及び第2の部分は、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合される場合がある。特定の実施形態では、連続流体経路は、1つの共通試料受取口、複数の流体チャネル、及び複数の流体チャンバを含む。一部の態様では、複数の流体チャネルは共通試料受取口から延在する場合があり、共通試料受取口と流体連通する場合がある。追加の実施形態では、複数の流体チャンバの各流体チャンバは、単一の検知領域から実質的に等距離である場合がある。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。複数の流体チャンバの各流体チャネルは、終端を含む場合がある。さらに追加の態様では、各流体チャンバは、複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口を含む場合がある。また、各流体チャンバは、流体経路終端に出口ベントを含む場合もある。一部の実施形態では、アセンブリの第2の部分は、第1の複数のライトパイプを形成する透明な材料を含む場合がある。追加の実施形態では、第1の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の流体チャンバの1つと単一の検知領域との間に光を透過させることができる場合がある。
【0019】
一部の実施形態では、システムの回路基板は、アセンブリの流体チャンバに結合され、マイクロプロセッサ、複数の発光素子、光センサ、加熱素子、温度センサ、及び電子結果表示機構を含む。特定の態様では、複数の発光素子の各発光素子は、アセンブリの複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる。追加の態様では、光センサは、単一の検知領域に光学的に結合される。加熱素子は、リンク形状を含む場合があり、アセンブリの複数の流体チャンバを加熱するように構成される場合がある。特定の実施形態では、マイクロプロセッサは、繰り返し周波数での繰り返しパターンで、複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされ、複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明される。追加の実施形態では、マイクロプロセッサは、光センサから受信した信号を分析し、加熱素子に送信される信号を生成し、温度センサから受信した信号を分析し、電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにさらにプログラムされる。一部の実施形態では、電子結果表示機構に送信された信号は、ディスプレイに複数の流体チャンバのうちの1つ以上で実施されるアッセイ反応の結果を簡略にかつ明確に示させる。
【0020】
システムの追加の実施形態では、システムは、第1の部分と第2の部分との間に位置するガスケットをさらに含む場合がある。係る実施形態では、ガスケットは、連続流体経路内に流体シールを形成するために、第1の部分及び第2の部分に動作可能に結合される場合がある。追加の実施形態では、ガスケットは、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む場合がある。ガスケットは、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、ガスケットは、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。ガスケットのこの予備乾燥に基づき、システムは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。一部の実施形態では、ガスケットの体積は、システムの第1の部分及び第2の部分が動作可能に結合されるとき、5%~25%、圧縮される場合がある。
【0021】
特定の態様では、バイオアッセイは診断テストである。システムの一部の実施形態では、第1の部分は複数の結合ハンドルをさらに含む場合があり、第2の部分は複数の結合ラッチをさらに含む場合がある。追加の実施形態では、複数の結合ハンドルのそれぞれは、複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成される場合がある。
【0022】
システムの追加の実施形態では、各流体チャンバの出口ベントは、自己密封式のベント材料によって密封される場合がある。自己密封式のベント材料は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、自己密封式ベント材料は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。自己密封式のベント材料のこの予備乾燥に基づき、システムは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0023】
一部の実施形態では、システムは、第1の部分と第2の部分との間に位置する疎水性膜をさらに含む。特定の実施形態では、疎水性膜は、連続流体経路内に流体シールを形成するために、第1の部分及び第2の部分に動作可能に結合される。追加の実施形態では、疎水性膜は、複数のエネルギーダイレクタを使用して、第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着され得る。さらに追加の実施形態では、各流体チャンバの出口ベントは、疎水性膜によって密封される。疎水成膜は、ポリテトラフルオロエチレンを含む場合がある。疎水性膜は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、疎水性膜は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。疎水性膜のこの予備乾燥に基づき、システムは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0024】
システムの特定の実施形態では、第1の部分及び/または第2の部分は、射出成形される場合がある。一部の実施形態において、第2の部分は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む。第1の部分及び第2の部分は、一部の実施形態では0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代替実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。第1の部分及び第2の部分のこの予備乾燥に基づき、システムは、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0025】
複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積は、システムの一部の実施形態では、複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる場合がある。代替実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれの体積は、1uLと1100uLとの間である場合がある。追加の実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれの体積は、約30uLである。
【0026】
システムの特定の態様では、複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバは、乾燥した試薬を含む。一部の実施形態では、乾燥した試薬は凍結乾燥した試薬である。乾燥または凍結乾燥した試薬は、試料に対してアッセイ反応を実施するための試薬を含む場合がある。一部の実施形態では、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む。
【0027】
一部の実施形態では、複数の発光素子はLEDを含む場合がある。代替実施形態では、複数の発光素子はレーザーを含む場合がある。一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、0.01~100Hzに及ぶ繰り返し周波数を有する繰り返しパターンで、複数の発光素子を発光させるようにプログラムされる。追加の実施形態では、複数の流体チャンバのそれぞれは、パターンの各繰り返しの間、個別に照明される。
【0028】
システムの一部の実施形態では、光センサは、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む場合がある。一部の実施形態では、光センサは、色の変化を検出するように構成される。追加の実施形態では、光センサは、吸光度の変化を検出するように構成される。
【0029】
一部の実施形態では、回路基板は、リング形状を含む熱パッドを含む場合もあり、熱パッドは、加熱素子から複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成される。
【0030】
一部の態様では、第1の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の流体チャンバの1つと単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを含む。追加の実施形態では、システムの第2の部分は、第2の複数のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、それぞれが、複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる。さらに追加の実施形態では、第2の複数のライトパイプの各ライトパイプは、複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0031】
開示されたシステムの特定の実施形態では、複数の流体チャネルは、共通試料受取口から放射状に延在する。さらに、複数の流体チャンバは、単一の検知領域の回りに放射状に配置される場合がある。特定の態様では、第1の複数のライトパイプは、単一の検知領域の回りに放射状に配置される。追加の態様では、単一の検知領域は、第2の部分の中心領域にまたは中心領域の近くに位置する。一部の態様は、中心領域は、複数の流体チャンバの場所に対して画定される。第1の面及び/または第2の面は、開示されるシステムの一部の実施形態では、放射対称性である場合がある。
【0032】
さらに別の態様では、本開示は、核酸増幅試料の1つ以上の特徴を、前記試料の、変更された光学特性に基づいて決定する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、核酸を含む生体試料を提供することと、試料溶液を作製するために生体試料を光学特性変更試薬溶液と混ぜ合わせることと、試料溶液を上述のシステムの共通試料受取口に挿入することと、試料溶液の少なくとも一部分を上述のシステムの複数の流体チャンバの流体入口に送ることであって、流体チャンバがアッセイ試薬を含み、それにより核酸反応混合物を生成する、前記送ることと、反応混合物を上述のシステムの加熱素子で加熱することであって、反応が、増幅した核酸及び複数のプロトンを生成する、前記加熱することと、プロトンを光学特性変更試薬と反応させることであって、前記反応させることが、生体試料中の疑われる分析物の存在を示す、変更された光学特性の検出を可能にするために、光学特性変更試薬の光学特性を変更することができる、前記反応させることと、上述のシステムのマイクロプロセッサを使用して、繰り返し周波数での繰り返しパターンで複数の発光素子のそれぞれを発光させることと、上述のシステムの光センサを使用して、試料の1つ以上の特徴を、変更された光学特性に基づいて決定することと、上述のシステムの電子結果表示機構を使用して、複数の流体チャンバの1つ以上で実施された反応の結果を簡略にかつ明確に示すこととを含む。一部の実施形態では、試料溶液の少なくとも一部分を複数の流体チャンバの流体入口に送ることは、試料溶液の少なくとも一部分を、共通試料受取口の中から複数の延在する流体チャネルの中へと、及び複数の流体チャネルの終端の中から複数の流体チャンバの流体入口の中へと送ることをさらに含む。追加の実施形態では、反応混合物を加熱することは、生体試料中に存在する核酸とアッセイ試薬とを使用した核酸増幅反応を促進し、それによって増幅された核酸及び複数のプロトンを生成する。
【0033】
方法の一部の実施形態では、各発光素子は、複数の流体チャンバの1つを個別に照明する。さらに、複数の流体チャンバのそれぞれは、繰り返しパターンの各繰り返しの間、個別に照明される場合がある。追加の態様では、繰り返し周波数で複数の発光素子のそれぞれを発光させることは、複数の流体チャンバの1つだけが任意の時間に照明されるように、複数の発光素子のそれぞれを異なった別個の時間に発光させることをさらに含む。一部の実施形態では、繰り返し周波数は0.01~100Hzに及ぶ。
【0034】
方法の特定の態様では、複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光は、上述のシステムの第2の複数のライトパイプを通って複数の流体チャンバに透過される。さらに追加の実施形態では、複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光は、第2の複数のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、第2の複数のライトパイプを通って複数の流体チャンバに透過される。さらに、複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光は、上述のシステムの第2の部分の第1の複数のライトパイプを通して光センサに透過される場合がある。さらに、複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光は、第1の複数のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、第1の複数のライトパイプを通して光センサに透過される場合がある。
【0035】
一部の態様では、反応混合物を加熱素子で加熱することは、マイクロプロセッサによって生成された信号を加熱素子に送信することをさらに含む。さらに、光センサを使用して、試料の1つ以上の特徴を決定することは、光センサから受信した信号をマイクロプロセッサが分析することをさらに含む場合がある。さらに、方法は、上述のシステムの温度センサから信号を受信することと、マイクロプロセッサを使用して、温度センサから受信した信号を分析することとをさらに含む場合がある。方法の追加の態様では、電子結果表示機構を使用して、決定された特徴を表示することは、複数の流体チャンバの1つ以上で実施される反応の結果を簡略にかつ明確に示すために、マイクロプロセッサによって生成された信号を電子結果表示機構に送信することをさらに含む。
【0036】
特定の実施形態では、光センサを使用して、試料の1つ以上の特徴を決定することは、光センサを使用して、試料の色の変化を検出することをさらに含む。追加の実施形態では、光センサを使用して、試料の1つ以上の特徴を決定することは、光センサを使用して、試料の吸光度の変化を検出することをさらに含む。
【0037】
一部の実施形態では、方法は、上述のシステムの自己密封式ベント材料、第1の部分及び第2の部分、疎水性膜、及び/またはガスケットを0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む。代わりに、方法は、上述のシステムの自己密封式ベント材料、第1の部分及び第2の部分、疎水性膜、及び/またはガスケットを多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む場合がある。
【0038】
方法の一部の実施形態では、光学特性変更試薬溶液は液体バッファを含む。さらに、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む場合がある。方法の追加の実施形態では、アッセイ試薬は乾燥され、凍結乾燥した試薬を含む場合がある。
[本発明1001]
第1の面を含む第1の部分と、
第2の面を含む第2の部分と
を含む、バイオアッセイを実行するためのアセンブリであって、
前記第1の部分及び前記第2の部分が、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合されており、
前記連続流体経路が、
共通試料受取口と、
前記共通試料受取口から延在し、前記共通試料受取口と流体連通する複数の流体チャネルと、
複数の流体チャンバであって、各流体チャンバが、単一の検知領域から実質的に等距離にあり、各流体チャンバが、前記複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口と、流体経路終端の出口ベントとを含む、前記複数の流体チャンバと
を含み、
前記第2の部分が、第1の複数のライトパイプを形成する透明な材料を含み、
各第1のライトパイプが、前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を透過させることができる、
前記アセンブリ。
[本発明1002]
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置するガスケットであって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記ガスケット
をさらに含む、本発明1001のアセンブリ。
[本発明1003]
前記ガスケットが、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む、本発明1002のアセンブリ。
[本発明1004]
前記ガスケットが、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1002~1003のいずれかのアセンブリ。
[本発明1005]
前記ガスケットが、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1004のアセンブリ。
[本発明1006]
前記第1の部分が複数の結合ハンドルをさらに含み、前記第2の部分が複数の結合ラッチをさらに含み、前記複数の結合ハンドルのそれぞれが、前記複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成されている、本発明1001~1005のいずれかのアセンブリ。
[本発明1007]
前記第1の部分及び前記第2の部分が動作可能に結合されるとき、前記ガスケットの体積が、5%~25%圧縮される、本発明1002~1005のいずれかのアセンブリ。
[本発明1008]
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、自己密封式のベント材料によって密封される、本発明1001~1007のいずれかのアセンブリ。
[本発明1009]
前記自己密封式ベント材料が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1008のアセンブリ。
[本発明1010]
前記自己密封式ベント材料が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1009のアセンブリ。
[本発明1011]
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置する疎水性膜であって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記疎水性膜
をさらに含む、本発明1001のアセンブリ。
[本発明1012]
前記疎水性膜が、複数のエネルギーダイレクタを使用して、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着されている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1013]
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、前記疎水性膜によって密封される、本発明1011~1012のいずれかのアセンブリ。
[本発明1014]
前記疎水性膜がポリテトラフルオロエチレンを含む、本発明1011~1013のいずれかのアセンブリ。
[本発明1015]
前記疎水性膜が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1011~1014のいずれかのアセンブリ。
[本発明1016]
前記疎水性膜が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1015のアセンブリ。
[本発明1017]
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも1つが射出成形されている、本発明1001~1016のいずれかのアセンブリ。
[本発明1018]
前記第2の部分が、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、本発明1001~1017のいずれかのアセンブリ。
[本発明1019]
前記第1の部分及び前記第2の部分が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1001~1018のいずれかのアセンブリ。
[本発明1020]
前記第1の部分及び前記第2の部分が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1019のアセンブリ。
[本発明1021]
12カ月の閾値を超える保存安定性を有する、本発明1004~1005、1009~1010、1015~1016、及び1019~1020のいずれかのアセンブリ。
[本発明1022]
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積が、前記複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる、本発明1001~1021のいずれかのアセンブリ。
[本発明1023]
前記複数の流体チャンバのそれぞれの体積が1uLと1000uLの間である、本発明1001~1021のいずれかのアセンブリ。
[本発明1024]
前記複数の流体チャンバのそれぞれの前記体積が約30uLである、本発明1023のアセンブリ。
[本発明1025]
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバが、乾燥または凍結乾燥した試薬を含む、本発明1001~1024のいずれかのアセンブリ。
[本発明1026]
前記乾燥または凍結乾燥した試薬がアッセイ試薬を含む、本発明1025のアセンブリ。
[本発明1027]
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、本発明1026の方法。
[本発明1028]
マイクロプロセッサを含む回路基板であって、前記流体チャンバに動作可能に結合されている、前記回路基板
をさらに含む、本発明1001~1027のいずれかのアセンブリ。
[本発明1029]
前記回路基板が、複数の発光素子をさらに含み、各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる、本発明1028のアセンブリ。
[本発明1030]
前記複数の発光素子がLEDを含む、本発明1029のアセンブリ。
[本発明1031]
前記複数の発光素子がレーザーを含む、本発明1029のアセンブリ。
[本発明1032]
前記第1の複数のライトパイプの各ライトパイプが、
前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
を含む、
本発明1029~1031のいずれかのアセンブリ。
[本発明1033]
前記第2の部分が、第2の複数のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、各第2のライトパイプが、前記複数の発光素子の1つと前記複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる、本発明1029~1032のいずれかのアセンブリ。
[本発明1034]
前記第2の複数のライトパイプの各ライトパイプが、
複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
本発明1033のアセンブリ。
[本発明1035]
前記マイクロプロセッサが、0.01~100Hzに及ぶ繰り返し周波数を有する繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされており、前記複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明される、本発明1029~1034のいずれかのアセンブリ。
[本発明1036]
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記パターンの各繰り返しの間、個別に照明される、本発明1035のアセンブリ。
[本発明1037]
前記回路基板が、前記単一の検知領域に光学的に結合された光センサを含む、本発明1029~1036のいずれかのアセンブリ。
[本発明1038]
前記光センサが、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む、本発明1037のアセンブリ。
[本発明1039]
前記光センサが、色の変化を検出するように構成されている、本発明1037~1038のいずれかのアセンブリ。
[本発明1040]
前記光センサが、吸光度の変化を検出するように構成されている、本発明1037~1039のいずれかのアセンブリ。
[本発明1041]
前記回路基板が、リング形状を含む加熱素子をさらに含み、前記加熱素子が、前記複数の流体チャンバを加熱するように構成されている、本発明1028~1040のいずれかのアセンブリ。
[本発明1042]
リング形状を含む熱パッドであって、前記加熱素子から前記複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成されている、前記熱パッド
をさらに含む、本発明1041のアセンブリ。
[本発明1043]
前記回路基板が、温度センサをさらに含む、本発明1041~1042のいずれかのアセンブリ。
[本発明1044]
前記回路基板が、電子結果表示機構をさらに含む、本発明1028~1043のいずれかのアセンブリ。
[本発明1045]
前記マイクロプロセッサが、前記光センサから受信した信号を分析するようにプログラムされている、本発明1037~1040のいずれかのアセンブリ。
[本発明1046]
前記マイクロプロセッサが、前記加熱素子に送信される信号を生成するようにプログラムされている、本発明1041~1043のいずれかのアセンブリ。
[本発明1047]
前記マイクロプロセッサが、前記温度センサから受信した信号を分析するようにプログラムされている、本発明1043のアセンブリ。
[本発明1048]
前記マイクロプロセッサが、前記電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにプログラムされている、本発明1044のアセンブリ。
[本発明1049]
前記バイオアッセイが診断テストである、本発明1054~1048のいずれかのアセンブリ。
[本発明1050]
前記複数の流体チャネルが、前記共通試料受取口から放射状に延在する、本発明1001~1049のいずれかのアセンブリ。
[本発明1051]
前記複数の流体チャンバが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、本発明1001~1050のいずれかのアセンブリ。
[本発明1052]
前記第1の複数のライトパイプが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、本発明1001~1051のいずれかのアセンブリ。
[本発明1053]
前記単一の検知領域が、前記第2の部分の中心にまたは中心の近くに位置する、本発明1001~1052のいずれかのアセンブリ。
[本発明1054]
前記第1の面が放射対称性である、本発明1001~1053のいずれかのアセンブリ。
[本発明1055]
前記第2の面が放射対称性である、本発明1001~1054のいずれかのアセンブリ。
[本発明1056]
第1の面を含む第1の部分と、
第2の面を含む第2の部分と
を含むアセンブリであって、
前記第1の部分及び前記第2の部分が、複数の独立した連続流体経路を作成するために動作可能に結合されており、
前記連続流体経路が、
共通試料受取口と、
前記共通試料受取口から延在し、前記共通試料受取口と流体連通する複数の流体チャネルと、
複数の流体チャンバであって、各流体チャンバが、単一の検知領域から実質的に等距離にあり、各流体チャンバが、前記複数の流体チャネルのうちの1つの終端と流体連通する流体入口と、材料によって密封される、流体経路終端の出口ベントとを含む、前記複数の流体チャンバと
を含み、
前記第2の部分が、第1の複数のライトパイプを形成する透明な材料を含み、
各第1のライトパイプが、前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を透過させることができる、
前記アセンブリ;ならびに
前記流体チャンバに動作可能に結合された回路基板であって、
前記回路基板が、
マイクロプロセッサと、
複数の発光素子であって、各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明できる、前記複数の発光素子と、
前記単一の検知領域に光学的に結合された光センサと、
リング形状を含む加熱素子であって、前記複数の流体チャンバを加熱するように構成された、前記加熱素子と、
温度センサと、
電子結果表示機構と
を含み、
前記マイクロプロセッサが、繰り返し周波数での繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させるようにプログラムされており、前記複数の流体チャンバの1つだけが、任意の時間に照明され、前記マイクロプロセッサが、前記光センサから受信した信号を分析し、前記加熱素子に送信される信号を生成し、前記温度センサから受信した信号を分析し、かつ前記電子結果表示機構に送信される信号を生成するようにさらにプログラムされている、
前記回路基板
を含む、バイオアッセイを実行するためのシステム。
[本発明1057]
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置するガスケットであって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記ガスケット
をさらに含む、本発明1056のシステム。
[本発明1058]
前記ガスケットが、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む、本発明1057のシステム。
[本発明1059]
前記ガスケットが、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1057~1058のいずれかのシステム。
[本発明1060]
前記ガスケットが、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1059のシステム。
[本発明1061]
前記第1の部分が複数の結合ハンドルをさらに含み、前記第2の部分が複数の結合ラッチをさらに含み、前記複数の結合ハンドルのそれぞれが、前記複数の結合ラッチの1つと動作可能に結合するように構成されている、本発明1056~1060のいずれかのシステム。
[本発明1062]
前記第1の部分及び前記第2の部分が動作可能に結合されるとき、前記ガスケットの体積が、5%~25%圧縮される、本発明1057~1060のいずれかのシステム。
[本発明1063]
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントを密封する前記材料が、自己密封式のベント材料である、本発明1056~1062のいずれかのシステム。
[本発明1064]
前記自己密封式ベント材料が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1063のシステム。
[本発明1065]
前記自己密封式ベント材料が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1064のシステム。
[本発明1066]
前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置する疎水性膜であって、前記連続流体経路内に流体シールを形成するために、前記第1の部分及び前記第2の部分に動作可能に結合されている、前記疎水性膜
をさらに含む、本発明1056のシステム。
[本発明1067]
前記疎水性膜が、複数のエネルギーダイレクタを使用して、前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つに溶着されている、本発明1066のシステム。
[本発明1068]
前記複数の流体チャンバの各流体チャンバの前記出口ベントが、前記疎水性膜によって密封される、本発明1066~1067のいずれかのシステム。
[本発明1069]
前記疎水性ベント材料がポリテトラフルオロエチレンを含む、本発明1066~1068のいずれかのシステム。
[本発明1070]
前記疎水性膜が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1066~1069のいずれかのシステム。
[本発明1071]
前記疎水性膜が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1070のシステム。
[本発明1072]
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも1つが射出成形されている、本発明1056~1071のいずれかのシステム。
[本発明1073]
前記第2の部分が、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、本発明1056~1072のいずれかのシステム。
[本発明1074]
前記第1の部分及び前記第2の部分が、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥されている、本発明1056~1073のいずれかのシステム。
[本発明1075]
前記第1の部分及び前記第2の部分が、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥されている、本発明1074のシステム。
[本発明1076]
前記アセンブリが12カ月の閾値を超える保存安定性を有する、本発明1059~1060、1064~1065、1070~1071、及び1074~1075のいずれかのシステム。
[本発明1077]
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積が、前記複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる、本発明1056~1076のいずれかのシステム。
[本発明1078]
前記複数の流体チャンバのそれぞれの体積が1uLと1000uLの間である、本発明1056~1076のいずれかのシステム。
[本発明1079]
前記複数の流体チャンバのそれぞれの前記体積が約30uLである、本発明1078のシステム。
[本発明1080]
前記複数の流体チャンバの少なくとも1つの流体チャンバが、乾燥または凍結乾燥した試薬を含む、本発明1056~1079のいずれかのシステム。
[本発明1081]
前記乾燥または凍結乾燥した試薬がアッセイ試薬を含む、本発明1080のシステム。
[本発明1082]
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、本発明1081のシステム。
[本発明1083]
前記繰り返し周波数が0.01~100Hzに及ぶ、本発明1056~1082のいずれかのシステム。
[本発明1084]
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記パターンの各繰り返しの間、個別に照明される、本発明1056~1083のいずれかのシステム。
[本発明1085]
前記光センサが、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む、本発明1056~1084のいずれかのシステム。
[本発明1086]
前記光センサが、色の変化を検出するように構成されている、本発明1056~1085のいずれかのシステム。
[本発明1087]
前記光センサが、吸光度の変化を検出するように構成されている、本発明1056~1086のいずれかのシステム。
[本発明1088]
リング形状を含む熱パッドであって、前記加熱素子から前記複数の流体チャンバに熱を伝えるように構成されている、前記熱パッド
をさらに含む、本発明1056~1087のいずれかのシステム。
[本発明1089]
前記バイオアッセイが診断テストである、本発明1056~1088のいずれかのシステム。
[本発明1090]
前記複数の発光素子がLEDを含む、本発明1056~1089のいずれかのシステム。
[本発明1091]
前記複数の発光素子がレーザーを含む、本発明1056~1089のいずれかのシステム。
[本発明1092]
前記第1の複数のライトパイプの各ライトパイプが、
前記複数の流体チャンバの1つと前記単一の検知領域との間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
本発明1056~1091のいずれかのシステム。
[本発明1093]
前記第2の部分が、第2の複数のライトパイプを形成する透明な材料をさらに含み、各第2のライトパイプが、前記複数の発光素子の1つと前記複数の流体チャンバの1つとの間に光を透過させることができる、本発明1056~1092のいずれかのシステム。
[本発明1094]
前記第2の複数のライトパイプの各ライトパイプが、
複数の発光素子の1つと複数の流体チャンバの1つとの間に光を導くように構成された、1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つ
をさらに含む、
本発明1093のシステム。
[本発明1095]
前記複数の流体チャネルが、前記共通試料受取口から放射状に延在する、本発明1056~1094のいずれかのシステム。
[本発明1096]
前記複数の流体チャンバが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、本発明1056~1095のいずれかのシステム。
[本発明1097]
前記第1の複数のライトパイプが、前記単一の検知領域の回りに放射状に配置されている、本発明1056~1096のいずれかのシステム。
[本発明1098]
前記単一の検知領域が、前記第2の部分の中心にまたは中心の近くに位置する、本発明1056~1097のいずれかのシステム。
[本発明1099]
前記第1の面が放射対称性である、本発明1056~1098のいずれかのシステム。
[本発明1100]
前記第2の面が放射対称性である、本発明1056~1098のいずれかのシステム。
[本発明1101]
核酸増幅試料の1つ以上の特徴を、前記試料の、変更された光学特性に基づいて決定する方法であって、
核酸を含む生体試料を提供することと、
試料溶液を作製するために、前記生体試料を光学特性変更試薬溶液と混ぜ合わせることと、
前記試料溶液を、本発明1056~1100のいずれかの前記共通試料受取口の中に挿入することと、
前記試料溶液の少なくとも一部分を、前記共通試料受取口の中から前記複数の延在する流体チャンバの中へと、前記複数の流体チャネルの終端の中から、本発明1056~1100のいずれかの前記複数の流体チャンバの前記流体入口の中へと送ることであって、前記流体チャネルがアッセイ試薬を含み、それによって核酸反応混合物を生成する、前記送ることと、
前記反応混合物を、本発明1056~1100のいずれかの前記加熱素子で加熱することであって、前記加熱することが、前記生体試料中に存在する前記核酸と前記アッセイ試薬とを使用した核酸増幅反応を促進し、前記反応が、増幅された核酸及び複数のプロトンを生成する、前記加熱することと、
前記プロトンを前記光学特性変更試薬と反応させることであって、前記反応させることが、前記生体試料中の疑われる分析物の存在を示す、変更された光学特性の検出を可能にするために、前記光学特性変更試薬の光学特性を変更することができる、前記反応させることと、
本発明1056~1100のいずれかの前記マイクロプロセッサを使用して、前記繰り返し周波数での前記繰り返しパターンで、前記複数の発光素子のそれぞれを発光させることと、
本発明1056~1100のいずれかの前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を、前記変更された光学特性に基づいて決定することと、
本発明1056~1100のいずれかの前記電子結果表示機構を使用して、前記決定された特徴を表示することと
を含む、前記方法。
[本発明1102]
各発光素子が、前記複数の流体チャンバの1つを個別に照明する、本発明1101の方法。
[本発明1103]
前記複数の流体チャンバのそれぞれが、前記繰り返しパターンの各繰り返しの間、個別に照明される、本発明1101~1102のいずれかの方法。
[本発明1104]
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる光が、本発明1093~1094のいずれかの前記第2の複数のライトパイプを通って前記複数の流体チャンバに伝えられる、本発明1101~1103のいずれかの方法。
[本発明1105]
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記第2の複数のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、前記第2の複数のライトパイプを通って前記複数の流体チャンバに伝えられる、本発明1104の方法。
[本発明1106]
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記第2の部分の前記第1の複数のライトパイプを通して前記光センサに伝えられる、本発明1101~1105のいずれかの方法。
[本発明1107]
前記複数の発光素子のそれぞれによって発せられる前記光が、前記第1の複数のライトパイプの中に位置する1つ以上の反射面及び1つ以上の屈折面のうちの少なくとも1つを使用して、前記第1の複数のライトパイプを通して前記光センサに伝えられる、本発明1106の方法。
[本発明1108]
前記繰り返しパターンで前記複数の発光素子のそれぞれを発光させることが、前記複数の流体チャンバの1つだけが任意の時間に照明されるように、複数の発光素子のそれぞれを異なった別個の時間に発光させることをさらに含む、本発明1101~1107のいずれかの方法。
[本発明1109]
前記反応混合物を前記加熱素子で加熱することが、前記マイクロプロセッサによって生成された信号を前記加熱素子に送信することをさらに含む、本発明1101~1108のいずれかの方法。
[本発明1110]
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサから受信した信号を前記マイクロプロセッサが分析することをさらに含む、本発明1101~1109のいずれかの方法。
[本発明1111]
本発明1056~1100のいずれかの前記温度センサから信号を受信することと、前記マイクロプロセッサを使用して、前記温度センサから受信した前記信号を分析することとをさらに含む、本発明1101~1110のいずれかの方法。
[本発明1112]
前記電子結果表示機構を使用して、前記決定された特徴を表示することが、前記マイクロプロセッサによって生成された信号を前記電子結果表示機構に送信することをさらに含む、本発明1101~1111のいずれかの方法。
[本発明1113]
前記第1の部分及び前記第2の部分を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1101~1112のいずれかの方法。
[本発明1114]
前記第1の部分及び前記第2の部分を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1113の方法。
[本発明1115]
本発明1063の前記自己密封式ベント材料を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1101~1114のいずれかの方法。
[本発明1116]
前記自己密封式ベント材料を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1115の方法。
[本発明1117]
本発明1057~1058のいずれかの前記ガスケットを、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1101~1116のいずれかの方法。
[本発明1118]
前記ガスケットを、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1117の方法。
[本発明1119]
本発明1066~1069のいずれかの前記疎水性膜を、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1101~1114のいずれかの方法。
[本発明1120]
前記疎水性膜を、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥させることをさらに含む、本発明1119の方法。
[本発明1121]
前記繰り返し周波数が0.01~100Hzに及ぶ、本発明1101~1118のいずれかの方法。
[本発明1122]
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサを使用して、前記試料の色の変化を検出することをさらに含む、本発明1101~1121のいずれかの方法。
[本発明1123]
前記光センサを使用して、前記試料の1つ以上の特徴を決定することが、前記光センサを使用して、前記試料の吸光度の変化を検出することをさらに含む、本発明1101~1122のいずれかの方法。
[本発明1124]
前記光学特性変更試薬溶液が液体バッファを含む、本発明1101~1123のいずれかの方法。
[本発明1125]
前記アッセイ試薬が、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む、本発明1101~1124のいずれかの方法。
[本発明1126]
前記アッセイ試薬が、乾燥または凍結乾燥されている、本発明1101~1125のいずれかの方法。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本願は、添付の図面と併せて読まれるときにさらに理解される。主題を例示する目的のために、主題の例示的な実施形態が図面に図示されるが、この開示される主題は、開示される特定の方法、デバイス、及びシステムに限定されない。さらに、図面は、必ずしも原寸に比例しているわけではない。
【0040】
【
図1】一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの図である。
【
図2】
図2Aは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性の円形の第2の面の図である。
図2Bは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性の多角形の第2の面の図である。
図2Cは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性ではない半円形の第2の面の図である。
図2Dは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性ではない円形の第2の面の図である。
図2Eは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性ではない円形の第2の面の図である。
図2Fは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ及び第1のライトパイプを有する第2の部分の放射対称性の正方形の第2の面の図である。
【
図3-1】
図3Aは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの切り離された構成要素の俯瞰図の図である。
図3Bは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの切り離された構成要素の底面図の図である。
【
図3-2】
図3Cは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの代替の切り離された構成要素の俯瞰図の図である。
図3Dは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの代替の切り離された構成要素の底面図の図である。
【
図3-3】
図3Eは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの断面の図である。
【
図4】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの第2の部分の断面の図である。
【
図5】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスの断面の図である。
【
図6】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイスにより生成される光線のための光線トレースシミュレーションの画像である。
【
図7】実施形態に係る、
図6の光線トレースシミュレーションのために検知領域での光学強度を示す光線トレースシミュレーション結果の画像である。
【
図8】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのシステムの図である。
【
図9】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのシステムの電力を供給される構成要素間の相互作用を示すブロック図である。
【
図10】
図10Aは、実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのシステムの加熱素子の熱画像である。
図10Bは、実施形態に従って、加熱素子により加熱されるとき、バイオアッセイを実行するためのシステムの複数の流体チャンバのそれぞれのための平均温度測定値を示す棒グラフである。
【
図11】実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのシステムを使用して、バイオアッセイを実行するための方法のフローチャートである。
【
図12】実施形態に従って、システムの複数の流体チャンバの中に含まれる複数の反応混合物について経時的にバイオアッセイを実行するためのシステムの光センサにより検出された光学吸光度信号を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
詳細な説明
アッセイされた生体試料の1つ以上の光学特性を変更する指示薬を使用する、バイオアッセイを実行するためのデバイス及びシステムまたはその態様が提供される。主題の方法は、デバイスに導入された試料に対して生化学反応を実施することによって反応生成物を生成することと、反応生成物を、試料中に存在することが疑われる分析物の存在、不在、または量を示すために試料の光学特性の検出可能な変化を生成できる指示薬と反応させることとを含む。
【0042】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、言うまでもなく、変化する場合があることを理解されたい。本明細書に使用される専門用語が特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定するよう意図されないことも理解されたい。
【0043】
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値から下限値の間の各介在値、ならびにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれている場合があり、また、表示範囲内の任意の具体的な除外限度に従って、本明細書にも包含される。表示範囲がそれらの上限値及び下限値のうちの一方または両方を含む場合、それらの包含される上限値及び下限値のいずれか一方または両方を除外する範囲も本発明に包含される。
【0044】
数値の前に用語「約」が先行する特定の範囲が、本明細書に提示される場合がある。用語「約」は、この用語が先行する数の近くまたはほぼ近くにある数だけではなく、この用語が先行する正確な数に文字通りの裏付けを提供するために使用される。数が明確に列挙された数に近いのか、それともおおよそであるのかを判断する際に、近いまたは近似する列挙されていない数は、それが提示される文脈において、明確に列挙された数と実質的に同等物を提供する数である場合がある。
【0045】
他に特段の定めのない限り、本明細書中で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と同様または同等の任意の方法及び材料も本発明の実践または試験に使用され得るが、代表的な例証的な方法及び材料についてここで説明する。
【0046】
本明細書に引用するすべての刊行物及び特許は、それぞれの個々の刊行物または特許が、あたかも参照により援用されるために明確にかつ個別に示され、刊行物が関連して引用される方法及び/または材料を開示し、説明するために参照により本明細書に援用されるように、参照により本明細書に援用される。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示に対するものであり、本発明が先行発明のために係る刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈すべきではない。さらに、提供する公開日は、独立して確認する必要がある実際の公開日とは異なる場合がある。
【0047】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上、明らかに別段に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように作成し得ることにさらに留意されたい。したがって、本記載は、特許請求の範囲の要素の列挙に関して「単に」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用、または「否定的な」制限の使用のための先行する基準として役立つことが意図される。
【0048】
さらに、開示するデバイス及び/または関連付けられた方法の特定の実施形態は、本願に含まれる場合がある図面により表すことができる。デバイスの実施形態及びその具体的な空間的な特徴及び/または能力は、図面中に図示するもしくは実質的に図示する、または図面から合理的に推論できるものを含む。係る特徴は、例えば、平面(例えば、断面の平面)もしくは軸(例えば、対称軸)の回りの対称性、端縁、周辺部、表面、特定の向き(例えば、近位、遠位)、及び/または数(例えば、3つの表面、4つの表面)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10等)を含む。また、係る空間的な特徴は、平面(例えば、断面の平面)もしくは軸(例えば、対称軸)の回りの対称性、端縁、周辺部、表面、特定の向き(例えば、近位)、及び/または数(例えば、3つの表面、4つの表面)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10等)の欠如(例えば、特定の不在)も含む。
【0049】
本開示を読むと当業者には明らかになるように、本明細書に記載及び例示する個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に切り離す、または結合することができる別個の構成要素及びよび特徴を有する。列挙した方法は、列挙した事象の順序で、または論理的に可能な他の任意の順序で実行できる。
【0050】
本発明をさらに説明する際に、主題のデバイスを実践する上で使用するための主題のデバイスがより詳細に説明され、関連付けられた方法の検討が後に続く。
【0051】
定義
特許請求の範囲及び明細書で使用される用語は、特別の定めのない限り、以下に説明するように定義される。
【0052】
用語「比色分析」または「比色分析の」は、溶液中の着色化合物の濃度を数値化するまたはそれ以外の場合観察する技術を指す。「比色検出」は、係る着色化合物、及び/または溶液中の化合物の色の変化を検出する任意の方法を指す。方法は、とりわけ目視観察、吸光度測定、または蛍光測定を含む場合がある。
【0053】
用語「ハロクロミック剤(halochromic agent)」は、なんらかの化学反応時に変色する組成物を指す。特に、ハロクロミック剤は、pH変化で変色する組成物を指す場合がある。異なるハロクロミック剤は、異なるpH遷移範囲にわたって変色する場合がある。
【0054】
用語「遷移pH範囲」または「pH遷移範囲」は、特定の試料または化合物の色が変化するpH範囲を指す。試料の特定の遷移pH範囲は、試料中のハロクロミック剤(上記参照)に依存する場合がある。
【0055】
用語「核酸増幅」または「増幅反応」は、DNA、RNA、またはその改変バージョンを増幅する方法を指す。核酸増幅は、等温反応またはサーモサイクル(thermocycled)反応等のいくつかの技術を含む。より具体的には、核酸増幅技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ループ仲介等温増幅(LAMP)、鎖置換型増幅(SDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅法(RPA)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)、多置換増幅(MDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、及び核酸配列ベース増幅(NASBA)等の方法を含む。用語「等温増幅」は、増幅反応の温度を変化させることなく実行される増幅方法を指す。プロトンは増幅反応中に放出される。つまり、増幅反応中に一本鎖DNAに添加されるデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)ごとに、1つのプロトン(H+が放出される。
【0056】
用語「十分な量」は、例えば、細胞内でのタンパク質凝集を変調するほど十分な量等、所望される効果をもたらすのに十分な量を意味する。
【0057】
デバイス
主題の開示の態様は、生体試料の光学特性を変更し、これらの変更された特性を検出することによってバイオアッセイを実行するためのデバイスを含む。本明細書で使用するように、「生体試料」は、例えば、対象から採取できるDNA及び/またはRNAまたはその部分等の1つ以上の核酸等の、例えば1つ以上の有機分子等の多量の有機物質を含む試料である。したがって、「生体試料アッセイ」は、試料の1つ以上の特徴を評価するために実行される生体試料に対するテストである。一部の態様では、生体試料は、主題実施形態に従って増幅できる1つ以上の核酸またはその部分を含む、または含むと疑われる試料である、核酸増幅試料である。
【0058】
生体試料は、対象により提供され、例えば対象の組織細胞等の1つ以上の細胞を含む場合がある。本明細書で使用するように、用語「組織」は、類似する機能及び構造を有する対象(例えば、哺乳動物のような、ヒトのような生体)内の細胞の1つ以上の集合体、または複数の異なる種類の係る集合体を指す。組織は、例えば、臓器組織、筋肉組織(例えば、心筋、平滑筋、及び/または骨格筋)、結合組織、神経組織、及び/または上皮組織を含む場合がある。組織は、一部の説明では、対象の頬の内側からの細胞、及び/または対象の唾液中の細胞を含む。
【0059】
上述したように、生体試料は、対象により提供される場合がある。特定の実施形態では、対象は「哺乳動物」または「哺乳類の」対象であり、これらの用語は、肉食目(例えば、イヌ及びネコ)、齧歯目(例えば、ハツカネズミ、モルモット、ネズミ)、ならびに霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳綱の範囲内の生物を説明するために広く使用される。一部の実施形態では、対象はヒトである。用語「ヒト」は、両性別及び任意の発達段階(例えば、胎児、新生児、幼児、若年、青年、成人)のヒト対象を含む場合があり、特定の実施形態では、ヒト対象は、若年、青年、または成人である。本明細書に説明するデバイス及び方法は、ヒト対象と関連して適用できるが、主題のデバイス及び方法は、他の対象と関連して、つまり「非ヒト対象」に関連して適用される場合もあることを理解されたい。
【0060】
本明細書で参照される生体試料は、一部の説明では、調製された生体試料である場合がある。調製されたバイオアッセイ試料は、例えば界面活性剤等の溶解(lysing)剤を含む溶液等の調製溶液に試料を曝露することによって処理されたバイオアッセイ試料である。したがって、一部の実施形態では、生体試料は溶解物である。係る調製により、調製した生体試料は、例えばアッセイ試薬及び/または光学特性変更試薬と、それに対する曝露時に反応できるようになる。曝露は、試料の細胞を調製試料の溶解剤で溶解すること、及び/またはそこから核酸を抽出することを含む場合がある。係る抽出した核酸は、結果として生じる調製試料溶液の中に放出される場合がある。一部の実施形態では、ゲノムのデオキシリボ核酸(DNA)を生体試料から抽出するステップが含まれる。所望される場合、調製溶液は核酸増幅調製溶液であり、溶液への曝露により、例えば等温増幅等の増幅のために試料の核酸が調製される。
【0061】
また、本明細書で使用するように、表現「光学特性」は、例えば色、吸光度、反射率、散乱、蛍光、燐光等、試料使用時に実施されるアッセイ反応の前に、反応の間に、または反応に続いて該試料によって発せられる、または該試料を通して透過される、例えば光等の放射線の波長及び/または周波数から生じる特徴等の、1つ以上の光学的に認識可能な特徴を指す。
【0062】
図1は、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の
図100である。多様な実施形態では、デバイス105は、第1の部分110及び第2の部分115を含む。一部の実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115の少なくとも1つは、射出成形される。代替実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115の1つは、射出成形されない場合がある。例えば、第1の部分110及び第2の部分115の1つは膜を含む場合がある。
【0063】
多様な実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115を含むデバイス105は、例えばポリマー材料(例えば、プラスチック及び/またはゴムを含む1つ以上のポリマーを有する材料)及び/または金属材料を含む1つ以上の材料を含む。デバイス105のいずれかを構成する場合がある材料は、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンビニルゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム等のエラストマーゴム等のポリマー材料、ポリテトラフルオロエタンもしくは延伸ポリテトラフルオロエチレン(e-PFTE)を含むポリテトラフルオロエチレン(PFTE) 、ポリエチレン、ポリエステル(Dacron商標)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のプラスチック、または例えば アクリル接着剤、シリコーン接着剤、エポキシ接着剤、またはそれらの任意の組み合わせ等の接着剤、例えばチタン、クロム、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属及び金属合金を含むが、これに限定されるものではない。多様な実施形態では、材料は透明な材料であり、したがって可視スペクトルの中の光が効率的にそこを通過することを可能にする。
【0064】
一部の実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115は、0~0.04% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。好ましい実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。第1の部分110及び第2の部分115のこの予備乾燥に基づき、デバイス105は、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0065】
第1の部分110は第1の面を含み、第2の部分115は第2の面を含む。第1の部分110及び第2の部分115の面は、任意の形状を含む場合がある。さらに、第1の部分110及び第2の部分115の面は、放射対称性である場合もあれば、放射対称性ではない場合もある。しかしながら、好ましい実施形態では、第1の面及び第2の面は、放射対称性である、及び/または実質的に放射対称性である。例えば、第1の部分110及び第2の部分115の面は、円、六角形、及び/または他の多面的な多角形を含む場合がある。第2の部分115の放射対称性な面と放射状に非対称な面の両方の複数の実施形態が
図2A~
図2Fに示され、
図2A~
図2Fに関して以下に説明される。第1の部分110及び第2の部分115が少なくとも実質的に放射対称性であることの優位点は、
図2A~
図2F及び
図4に関して以下により詳細に説明される。
【0066】
上述し、
図1に示すように、第1の部分110は、単一のデバイス105を形成するために第2の部分115に結合される場合がある。一部の実施形態では、第1の部分110は、第2の部分115に動作可能に結合される。本明細書に使用するように、「動作可能に結合される」、「動作可能に接続される」、及び「動作可能に取り付けられる」は、開示されたデバイスが動作することを可能にする、及び/または方法が本明細書に説明する方法で効果的に実施されることを可能にする特定の方法で接続されることを意味する。例えば、動作可能に結合することは、2つ以上の態様を取り外し可能に結合する、または固定して結合することを含む場合がある。また、動作可能に結合することは、2つ以上の構成要素を流体的に及び/または電気的に及び/または接合可能に及び/または接着によって結合することを含む場合もある。また、本明細書で使用するように「取り外し可能に結合される」により、2つ以上の結合された構成要素を繰り返し切り離し、次いで再結合することができるように、例えば物理的に及び/または流体的に結合される及び/または電気的に結合されることが意味される。例えば、一部の実施形態では、第1の部分110は、複数の独立した連続流体経路を作成するために第2の部分115に動作可能に結合される。
【0067】
一部の実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115は、複数の結合ハンドル120及び複数の結合ラッチ125使用し、結合される。
図1に示すように、複数の結合ハンドル120は第1の部分110に取り付けられ、複数の結合ラッチ125は第2の部分115に取り付けられる。複数の結合ハンドル120は、複数の結合ラッチ125と動作可能に結合するように構成される。第1の部分110及び第2の部分115を結合するための追加の方法は、
図3A及び
図3Bに関して以下により詳細に説明される。
【0068】
上述したように、特定の実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115を動作可能に結合することは、複数の独立した連続流体経路を作成する。複数の独立した連続流体経路は、1つの共通試料受取口130、(
図3Bに示す)複数の流体チャネル、及び(
図2に示す)複数の流体チャンバを含む。具体的には、各流体経路は、1つの共通試料受取口130、複数の流体チャネルのうちの1つの流体チャネル、及び複数の流体チャンバのうちの1つの流体チャンバを含む。上述したように、複数の独立した連続流体経路のこの作成は、それにより複数のアッセイが並行して発生できるようになるため有利である。
【0069】
一部の実施形態では、共通試料受取口130は、動作可能に結合された第1の部分110及び第2の部分115の中心に位置する。一部の態様では、中心領域は、複数の流体チャンバの場所に対して画定される。代替実施形態では、共通試料受取口130は、動作可能に結合された第1の部分110及び第2の部分115に対して偏っていない場合がある。共通試料受取口130は、試料溶液を受け取るように構成される。一部の実施形態において、試料溶液は生体試料を含む。生体試料は、核酸を含む場合がある。一部の実施形態では、試料溶液は、追加の試薬も含む。例えば、試料溶液は、光学特性変更試薬溶液を含む場合がある。この光学特性変更試薬溶液は、液体バッファだけではなく光学特性変更試薬もさらに含む場合がある。一部の実施形態によれば、光学特性変更試薬の光学特性は、生体試料またはその1つ以上の態様が光学特性変更試薬に曝露されるとき生体試料中の特定のマーカーの存在または不在のため、変化する。変化する場合がある光学特性の例は、色及び吸光度を含む。光学特性の変化が検出され、生体試料の特性を識別するために使用される。光学特性変更試薬及びその光学特性の変化の検出は、
図4~
図5、及び
図11に関してより詳細に説明される。
【0070】
複数の流体チャネルは、流体が共通試料受取口130から複数の流体チャネルの中に移動できるように、共通試料受取口130から延在し、共通試料受取口130と流体連通する。例えば、上述した実施形態等の実施形態では、生体試料は、共通試料受取口130から複数の流体チャネルの中に移動する場合がある。一部の実施形態では、流体チャネルは、共通試料受取口130から放射状に延在する。
【0071】
流体チャネルのそれぞれは、円柱または四角柱として成形される場合があり、例えば1m以下、10cm以下、1mm以下等の10m以下の長さを含む寸法を有する、及び/または例えば10mm以下、1mm以下、.1mm以下、10マイクロメートル以下等の100mm以下の直径、幅、及び/または高さを有する場合がある。また、流体チャンネルのそれぞれは、例えば10μL以下、1μL以下、.1μL以下、1nL以下等の1100μL以下の体積を有する場合もある。好ましい実施形態では、複数の流体チャネルの各流体チャネルの寸法は同じである。
【0072】
流体チャネルは、共通試料受取口130から複数の流体チャンバに延在する。具体的には、各流体チャネルは、共通試料受取口130から複数の流体チャンバのうちの1つに延在する。さらに、各流体チャネルは(
図3Bに示す)終端で終了し、各流体チャンバは、(
図3Bに示す)流体入口を含む。したがって、各流体チャネルの終端は、流体チャネルが延在する1つの流体チャンバの流体入口と流体連通する。言い換えると、流体は、流体チャネルの終端から流体チャンバの流体入口の中に流れ込むことができる。流体は流体入口を通過した後、流体は流体チャンバの中に位置する。
【0073】
一部の実施形態では、複数の流体チャンバの各流体チャンバは、(
図4に示す)単一の検知領域から実質的に等距離である。追加の実施形態では、複数の流体チャンバの各流体チャンバは、共通試料受取口130から実質的に等距離である。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。さらに追加の実施形態でも、複数の流体チャネルの各流体チャネルの寸法は同じ寸法を含む。係る実施形態では、流体が共通試料受取口130から各流体チャンバに移動する距離はほぼ等しく、共通試料受取口130から各流体チャンバに移動する時間もほぼ等しい。ほぼ等しいにより、プラスもしくはマイナス約10%以下、またはプラスもしくはマイナス5%以下、またはプラスもしくはマイナス1%以下の差、及びこれらの限度内の中間範囲が意図される。流体チャネルの類似した寸法だけではなく、流体チャンバと単一の検知領域の間の係る実質的な等距離、及び流体チャンバと共通試料受取口の間の実質的な等距離も、デバイス105が類似した条件下で複数のアッセイを並行して実行する能力を促進する。これらの類似した条件は、制御され、信頼できるアッセイ結果を生じさせる。
【0074】
例えば、液体またはその成分のある流体チャンバから別の流体チャンバへの拡散等の移動は、流体チャネルの長さのために、流体チャネルにより実質的に妨げられる。したがって、流体チャンバは互いから隔離され、アッセイの持続時間にわたる係る移動の量は、アッセイ結果に影響を与える上では取るに足りない。
【0075】
各流体チャンバは、円柱、矩形ボックス、立方体、またはそれらの任意の組み合わせとして成形される場合がある。また、各流体チャンバは、マイクロ流体チャンバである場合もある。例えば、特定の実施形態では、各流体チャンバは、1μL~1100μLの体積を有する場合がある。追加の実施形態では、各流体チャンバは、約30μLの体積を有する場合がある。代替実施形態では、複数の流体チャンバの少なくとも1つの体積は、複数の流体チャンバの他の少なくとも1つの体積と異なる。
【0076】
一部の実施形態では、各流体チャンバは、凍結乾燥した試薬である場合がある乾燥した試薬を含む。一部の実施形態では、乾燥または凍結乾燥した試薬は、アッセイ試薬を含む。追加の実施形態では、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む。係る実施形態では、アッセイ試薬は、生体試料中に存在する、または存在が疑われる厳選した核酸の増幅を可能にする。アッセイ試薬は、アッセイ試薬の、ひいてはデバイス105の保存安定性を延ばすために、例えば凍結乾燥等、乾燥される場合がある。流体チャンバの中に位置する乾燥または凍結乾燥したアッセイ試薬は、
図3A~
図3E及び
図11に関してより詳細に説明される。
【0077】
乾燥または凍結乾燥したアッセイ試薬を含むことに加えて、各流体チャンバは出口ベント135も含む。各流体チャンバの出口ベント135は、上述した独立した連続流体経路の終端を示す。一部の実施形態では、出口ベント145は、ベント材料(不図示)で密封される場合がある。
【0078】
出口ベント145を密封するベント材料は多孔性である場合があり、したがってそこを通って延在する複数の孔を有する場合がある。また、ベント材料は、受動的に調整可能な多孔性も有する場合がある。本明細書で使用する表現「受動的に調整可能な多孔性」は、例えば空気等の1つ以上の気体が、例えば孔を通って等、そこを通過できる、第1のコンフォメーション、ならびに1つ以上の気体及び生体試料を含む液体等の液体を含む流体が、例えば孔を通って等、そこを通過し、液体と接触すると自動的に第1のコンフォメーションから第2のコンフォメーションに進むのを妨げられる、第2のコンフォメーションを有する能力を指す。第2のコンフォメーションでは、ベント材料は、例えば孔を通る等、そこを通る液体の蒸発を妨げる。また、第2のコンフォメーションでは、ベント材料は、その出口ベント135を覆い、そこを通る、蒸発を含む流体の通過を妨げることによって流体チャンバを流体密封する場合がある。ベント材料は、例えば生体試料を含む液体等の1つ以上の液体を、ベント材料または例えば、流体チャンバの壁を形成する表面等の表面等、その一部分と接触させると、例えばユーザー相互作用なしに自動的に等、受動的に第1のコンフォメーションから第2のコンフォメーションに進むように構成される場合がある。したがって、一部の説明では、ベント材料は、液体により接触されると、液体及び気体に対して自己密封式である場合がある。
【0079】
また、ベント材料の1つ以上の部分または材料は、受動的に調整可能な多孔性も有する場合もある。例えば、一部の説明では、ベント材料は、受動的に調整可能な多孔性を有するヒドロゲルから構成される場合がある。係るヒドロゲルは、例えば水性液体等の液体と接触すると、多孔質ポリマーマトリックスの多孔性を増大及び低減できる場合がある。
【0080】
代替の実施形態では、ベント材料は疎水性ベント材料を含む場合がある。例えば、ベント材料はポリテトラフルオロエチレンを含む場合がある。係る実施形態は、
図3C~
図3Eに関してより詳細に説明される。
【0081】
追加の実施形態では、ベント材料は、例えばポリエチレンのような多孔質ポリマーマトリクス等の1つ以上のポリマーマトリクスを含む、さまざまな材料から構成される場合がある。また、ベント材料は、カルボキシメチルセルロース等のヒドロゲルから構成される場合もある。ベント材料、またはコーティング等のその部分を構成する場合もある他の材料は、サッカリド、タンパク質、潮解性物質、ナイロン、ABS、ポリカーボネート、及びポリ(メチルメタクリレート)、及び他の吸湿材、またはそれらの任意の組み合わせを含む。また、ベント材料は、1つ以上のコーティングである場合もあれば、1つ以上のコーティングを含む場合もある。
【0082】
特定の実施形態では、自己密封式ベント材料等のベント材料は、出口ベント145の上に設置する前に残留水分まで予備乾燥される場合もある。例えば、一部の実施形態では、ベント材料は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。好ましい実施形態では、ベント材料は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。ベント材料を予備乾燥させることによって、ベント材料の保存安定性、ひいてはデバイス105の保存安定性を延ばすことができる。具体的には、ベント材料予備乾燥させることによって、デバイス105は、12カ月の閾値を超える保存安定性を達成できる。
【0083】
図1で見ることのできるデバイス105の最終的な特徴は、複数の第2のライトパイプ140である。複数の第2のライトパイプ140は、生体試料の光学特性の検出で使用される。複数の第2のライトパイプ140は、
図4及び
図5に関してより詳細に説明される。
【0084】
図2A~
図2Fは、第2の部分115の第2の面の多様な実施形態の図である。
図1に関して上述したように、第2の部分115の第2の面は、放射対称性である場合もあれば、放射対称性ではない場合もある。好ましい実施形態では、第2の部分115の第2の面は、放射対称性である。(第1の部分110及びデバイス105全体としてだけではなく)第2の部分115の放射状の対称性は、この実質的な等距離がより制御され、信頼できるアッセイを可能にするので、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバが検知領域215から実質的に等距離となるように、及びより具体的には、各流体チャンバ205と単一の検知領域215の間の光路長が実質的に等しくなるように、デバイス105を設計する好ましい方法である。しかしながら、代替実施形態では、デバイス105は、放射対称性ではない場合があるが、各流体チャンバ205と検知領域215の間で依然として実質的な等距離を維持する場合がある。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。さらに追加の実施形態では、デバイス105は、複数の流体チャンバ205の1つ以上と単一の検知領域215の間の非同等距離により特徴付けることができる。
【0085】
さらに、
図2A~
図2Fに示す流体チャンバ205と第1のライトパイプ210が単一の検知領域215の回りに放射状に配置されているという事実にも関わらず、代替実施形態では、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域215の回りに放射状にではなく配置される場合もある。
図2A~
図2Fに明示的にではなく開示される第2の部分115の第2の面の代替配置も可能である。
【0086】
図2Aは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210を有する第2の部分115の放射対称性の円形の第2の面の
図200Aである。具体的には、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域215の回りに放射状に配置される。さらに、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は放射対称性である。(以下に
図4~
図6に関してより詳細に説明する)第1のライトパイプ210は、光がそれを通って流体チャンバ205と単一の検知領域215の間を移動する経路であることに留意されたい。したがって、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210の放射状の対称性が、流体チャンバ205のそれぞれと検知領域215の間の光路長が等しいことを保証する。
【0087】
図2Bは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210を有する第2の部分115の放射対称性の多角形の第2の面の
図200Bである。具体的には、第2の多角形の面は八角形である。流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域215の回りに放射状に配置される。さらに、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は放射対称性である。
【0088】
図2Cは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210を有する第2の部分115の放射対称性ではない半円形の第2の面の
図200Cである。具体的には、半円形の第2の面は変形した半円である。流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域215の回りに放射状に配置される。しかしながら、半円形の第2の面はそれ自体放射状ではないため、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、第2の面の回りに放射対称性ではあり得ない。
【0089】
図2Dは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210を有する第2の部分115の放射対称性ではない円形の第2の面の
図200Dである。具体的には、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域205の回りに放射状に配置される。さらに、流体チャンバ205は、それぞれ単一の検知領域215から実質的に等距離である。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。しかしながら、流体チャンバ205及び第2のライトパイプ210は、円の半径に沿って均一な間隔で発生しないため、円形の第2の面は放射対称性ではない。
【0090】
図2Eは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210を有する第2の部分115の放射対称性ではない円形の第2の面の
図200Eである。具体的には、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域205の回りに放射状に配置される。しかしながら、流体チャンバ205は、単一の検知領域215から実質的に等距離ではない。さらに、流体チャンバ205が同じ寸法を有していないため、円形の第2の面は放射対称性ではない。結果として、流体チャンバ205の光学経路の長さは等しくない。
【0091】
図2Fは、一実施形態に従って、放射状に配置された流体チャンバ205及び第1のライトパイプを有する第2の部分115の放射対称性の正方形の第2の面の
図200Fである。流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は、単一の検知領域215の回りに放射状に配置される。さらに、流体チャンバ205及び第1のライトパイプ210は放射対称性である。
【0092】
図3Aは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の切り離された構成要素の俯瞰図の
図300Aである。デバイス105の切り離された構成要素は、第1の部分110及び第2の部分115を含む。
【0093】
図1に関して上述したように、第1の部分110及び第2の部分115は、複数の独立した連続流体経路を作成するために互いに動作可能に結合される場合がある。特定の実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115は、第1の部品110と第2の部品115の間に設置された構成要素とは動作可能に結合されない。しかしながら、
図3Aに示す代替実施形態のような代替実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115を動作可能に結合するために、ガスケット320を第1の部分110と第2の部分115の間に設置することができる。ガスケット320は、複数の独立した連続流体経路の形成を容易にすることができる。第1の部分110と第2の部分115の間に設置され、第1の部分110及び第2の部分115が動作可能に結合される実施形態では、ガスケットの体積は5%~25%、圧縮される場合がある。特定の実施形態では、ガスケット320は、熱可塑性エラストマー(TPE)オーバーモールドを含む。係る実施形態では、ガスケット320は、連続流体経路の密封を促進するために、第1の部分110及び/または第2の部分115上にオーバーモールドされる場合がある。一部の実施形態では、ガスケット320は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。好ましい実施形態では、ガスケット320は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。ガスケット320のこの予備乾燥に基づき、デバイス105は、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0094】
追加の実施形態(不図示)では、第1の部分110及び第2の部分115を動作可能に結合するために、第1の部分110と第2の部分115の間に接着剤を設置することができる。さらに追加の実施形態(不図示)では、デバイス105は、第1の部分110及び第2の部分115等の2つの別々の動作可能に結合された部分よりむしろ単一のモノリシックな部分を含む場合がある。
【0095】
一部の実施形態では、ガスケット320は、複数の流体チャンバ205のそれぞれの壁を形成する。壁を形成する際に、ガスケット320は、流体チャンバ205の端部の開口部を密封する及び/または開口部の上に広がる場合がある。したがって、ガスケット320及び/またはその一部分は、流体チャンバ205の端部を画定する、及び/または流体チャンバ205の中に、例えば生体試料及び/または光学特性変更試薬及び/またはアッセイ試薬等の1つ以上の固体媒質及び/または流体媒質を密封可能に含む場合がある。
【0096】
主題の実施形態に係るガスケット320は、薄い及び/または平面的な形状を有する、例えば2つの材料等の1つ以上の材料の、例えば固体シート等のシートである場合もあれば、シートを含む場合もある。ガスケット320は、それぞれが他と平行な平面を画定し、厚さ分、分離される上面及び底面を含む場合がある。多様な実施形態では、シートは、単一の材料の一様な層である、または一様な層を含む。また、ガスケット320は、互いに重ね合わせた2つ以上、例えば3つ、4つ、5つ以上等のシートから構成される場合もある。一部の説明では、シートはアクリル接着性ラミネートである。
【0097】
ガスケット320は、一部の態様では、厚さとも呼ぶ、長さ、幅、及び高さを有する場合がある。例えば第1の面と、第1の面に対向する第2の面との間の厚さ等のガスケット320の厚さは、5mm以下、3mm以下、1mm以下、.5mm以下、0.1mm以下、または50ミクロン以下である場合がある。ガスケット320及び/またはそのシートの厚さは、例えば3mm~.1mm、1mm~.1mm等を含めた5mm~50ミクロンに及ぶ場合もある。また、ガスケット320及び/またはシートの長さ及び/または幅は、例えば1cm~1m、1cm~10cm、1cm~5cm等、1mm~2mに及ぶ場合もある。
【0098】
ガスケット320は、円、半円、楕円、矩形、正方形、三角形、多角形、四辺形、またはそれらの組み合わせを含む任意の適切なサイズまたは形状を画定する領域である場合がある、及び/または領域を有する場合がある。ガスケット320は、固形で一様な統合された材料の1つ以上のシートを含む場合があり、一部の説明では、それを通るいずれの開口部も含まない。
【0099】
ガスケット320及び/またはそのシートは、ガスケット320の領域を画定する3つの端縁、4つの端縁、または4つ以上の端縁を有する場合がある。多様な実施形態では、端縁は例えば3つ、4つ、5つ、または10以上の角等の角で会う。一部の説明では、ガスケット320の第1の端縁は、ガスケット320の第2の端縁に対向し、ガスケット320の第3の及び/または第4の端縁に隣接している。係る実施形態では、第3の端縁は第4の端縁に対向する場合があり、第4の端縁は、第1の端縁及び/または第2の端縁に隣接する場合がある。
【0100】
主題の実施形態によれば、ガスケット320は、さまざまな材料から構成される場合がある。ガスケット320を含むシートは、同じ材料または異なる材料から構成される場合がある。係る材料は、柔軟性及び/または高強度(例えば、摩耗に耐性)及び/または高疲労抵抗(例えば、使用量または環境に関わりなく長期間その物理特性を保持できる)を有する場合がある。ガスケット320またはその部分を構成する場合がある関心のある材料は、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンビニルゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム等のエラストマーゴム等のポリマー材料、ポリテトラフルオロエタンもしくは延伸ポリテトラフルオロエチレン(e-PFTE)を含むポリテトラフルオロエチレン(PFTE) 、ポリエステル(Dacron商標)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン等のプラスチック、または アクリル接着剤、シリコーン接着剤、エポキシ接着剤、またはそれらの任意の組み合わせ等の接着剤を含むが、これに限定されるものではない。上述したように、係る材料のそれぞれはその1つ以上の表面に、例えばアクリル接着材料等の接着材料のコーティングまたは層を含む場合がある。
【0101】
さらに、多様な例では、ガスケット320、または第1の重ね合わせた層及び/または第2の重ね合わせた層等のその一部分は酸を含まない。また、一部の説明では、ガスケット320、または例えば第1の重ね合わせた層及び/または第2の重ね合わせた層等のその一部分は、不透明及び/または白色である。ガスケット320またはその一部分が白色である場合、白い層は1つ以上の流体チャンバ205の光学検査の一様な背景を提供する。一部の説明では、例えば第1の層及び/または第2の層等の層、及び/またはガスケット320は、不透明、及び/または例えば赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、菫色、黒色、金色、銀色、茶色、もしくはそれらの任意の組み合わせ等の反応開始色に相互補完的である色である。反応開始色は、光学特性変更試薬の光学特性を十分に変更して、生体試料中の疑われる分析物の存在を示す変更された光学特性の検出を可能にするために、反応が発生する前の反応生成物及び/または光学特性変更試薬の色である。反応開始色を相互補完する色は、例えば変更された光学特性の検出をセンサにより行うことができるように、流体チャンバ205の、例えば単一の色とは対照的な強化された色のコントラスト等の十分な色のコントラストを提供できる。
【0102】
多様な例では、ガスケット320、またはその一部分は、例えば可視光等の光に透明である。他の説明では、ガスケット320、またはその一部分は、例えば可視光等の光に対して、例えば完全にまたは実質的に反射する等、反射する。他の説明では、ガスケット220は、実質的に不透明であり、例えば黒色の着色剤を用いて光学的に吸収する。また、本明細書に上述したように、ガスケット320は、第2の層と重ね合わされた第1の層を含む場合がある。係る実施形態では、例えば、第1の層は酸を含まない、及び/または第2の層は不透明及び/または白色である。
【0103】
さらに、多様な例では、ガスケット320、またはシート等のその一部分は、例えば0.1W/m-K~5W/m-K、1Wm-K~5W/m-K等の0.1W/m-K~10W/m-Kに及ぶ熱伝導率を有する。
【0104】
一部の説明によれば、ガスケット320は、パターン化した接着剤層である。係る実施形態では、ガスケット320は、多孔性である一部分である場合もあれば、一部分を有する場合もある、及び/または流体チャンバ205の、例えば液体等の1つ以上の内容物がそこを通過できるように、ガスケット320の第1の面から第1の面と対向するガスケット320の第2の面に延在する1つ以上の開口部を含む。したがって、一部の態様では、流体チャンバ205の、例えば液体等の1つ以上の内容物は、アッセイが実行される間に直接的に、基板及び/または例えばセンサ及び/または加熱素子等の1つ以上の基板の構成要素に接触する場合がある。
【0105】
ガスケット320に加えて、
図3Aは、第2の部分115の真下に位置する熱パッド325も示す。熱パッド325はリング形状を含み、加熱素子(不図示)から複数の流体チャンバ205に熱を伝えるように構成される。熱パッド325が伝える熱は、流体チャンバ205の中で発生する反応を促進するために使用される。一部の実施形態では、熱パッド325はデバイス105に含まれないことに留意されたい。代替実施形態(不図示)では、熱パッド325は、サーモペースト及び/またはサーモテープである場合がある。
【0106】
熱パッド325のリング形状は、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバへの熱の均一な伝達を可能にする。熱流束のこの均一な分散は、各流体チャンバ205に一貫した等温加熱を提供し、それによって反応条件を統一し、より正確なアッセイを可能にする。加熱素子だけではなく熱パッド325の動作も、
図8~
図10Bに関してより詳細に説明される。
【0107】
図3Aは、乾燥または凍結乾燥した試薬330も示す。
図1に関して説明するように、一部の実施形態では、乾燥または凍結乾燥した試薬330は、各流体チャンバ205の中に含まれる。一部の実施形態では、乾燥または凍結乾燥した試薬330は、アッセイ試薬を含む。追加の実施形態では、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む。係る実施形態では、アッセイ試薬は、生体試料中に存在する、または存在が疑われる厳選した核酸の増幅を可能にする。試薬330は、試薬330の、ひいてはデバイス105の保存安定性を延ばすために乾燥または凍結乾燥される場合がある。流体チャンバ205の中に位置する乾燥または凍結乾燥した試薬330は、
図11に関してより詳細に説明される。
【0108】
図3Bは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の切り離された構成要素の底面
図300Bの図である。言い換えると、
図3Bは、
図3Aに示すデバイス105の切り離された構成要素の代替の図を提供する。
【0109】
図3Cは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の代替の切り離された構成要素の俯瞰
図300Cの図である。
図3A及び
図3Bと同様に、
図3Cに示すデバイス105の切り離された構成要素は、第1の部分110、第2の部分115、熱パッド325、及び凍結乾燥した試薬330を含む。しかしながら、ガスケット320の代わりに、
図3Cに示すデバイス105は、疎水性膜335を含む。
【0110】
一部の実施形態では、疎水性膜335は、出口ベント135に関して説明したガスケット320と自己密封式ベント材料の両方に代わる。具体的には、疎水性膜335は、
図1に関して説明した連続流体経路内に流体シールを形成するために、第1の部分110及び第2の部分115に動作可能に結合される。さらに、疎水性膜335は、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバの出口ベント135を密封する。一部の実施形態では、疎水性膜335は、
図3A及び
図3Cに示す第1の部分110の面に溶着される。特定の実施形態では、疎水性膜335はポリテトラフルオロエチレンを含む。疎水性膜335は、0~0.4% w/wの間の残留水分まで予備乾燥される場合がある。代わりに、疎水性膜335は、多くても0.2% w/wの残留水分まで予備乾燥される場合もある。疎水性膜335のこの予備乾燥に基づき、デバイス105は、12カ月の閾値を超える保存安定性を有する場合がある。
【0111】
一部の実施形態では、(
図3Eに示す)エネルギーダイレクタが、疎水性膜335を第1の部分110及び第2の部分115の1つに溶着するのに役立つ。係る実施形態では、エネルギーダイレクタは、
図3B及び
図3Dに示す第1の部分110の面に位置する。具体的には、エネルギーダイレクタは、流体チャネル305及び第1の部分110の出口ベント135の回りに位置する。代替実施形態では、エネルギーダイレクタは使用されず、疎水性膜335が、圧力、超音波溶着、接着材料、または熱接合を使用し、第1の部分110及び第2の部分115に対して適所に密封される。
【0112】
代替実施形態では、デバイス105は、ガスケット220と疎水性膜335の両方を含む場合がある。例えば、ガスケット220及び疎水性膜335が互いに重ね合わされる場合もあれば、疎水性膜335が、第1の部分110の上面に位置し、ガスケット220が、第1の部分110と第2の部分115の間に位置する場合もある。
【0113】
図3Dは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の代替の切り離された構成要素の底面
図300Dの図である。
図3Dに示すように、疎水性膜335が、ガスケット320、及び出口ベント135を覆う自己密封式ベント材料を置き換えている。
【0114】
代替実施形態(不図示)では、自己密封式ベントが、ガスケット320を使用することなく、出口ベント135を覆うために使用される場合がある。係る実施形態では、第1の部分110及び第2の部分115は、超音波溶着、接着剤、または熱接合を使用し、結合される場合がある。
【0115】
図3Eは、一実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の断面300Eの図である。具体的には、
図3Eは、疎水性膜335及びエネルギーダイレクタ340により第2の部分115に動作可能に結合された第1の部分110を示す。
図3Eに示す実施形態では、疎水性膜335は、エネルギーダイレクタ340を使用して、複数の連続流体経路を形成するために、第1の部分110及び第2の部分115に溶着されている。
【0116】
さらに、
図3Eは、流体チャンバ205の中に位置する凍結乾燥した試薬330を示す。
【0117】
光学特性の検出
図4は、実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのデバイス105の第2の部分115の断面の図である。
図4に示すように、デバイス105の第2の部分115は、複数の流体チャンバ205の中に含まれる反応混合物の変更された光学特性の検出を可能にするように構成される。具体的には、第2の部分115は、検知領域215、光センサ405、
図1に示す複数の第2のライトパイプ140、及び複数の第1のライトパイプ210を含む。
【0118】
検知領域215は、光学特性分析領域である。流体チャンバ205に関して上述したように、検知領域215は、特定の実施形態では、複数の流体チャンバ205のそれぞれから実質的に等距離である場合がある。特定の実施形態では、これは、検知領域215がデバイス105の中心にまたは中心近くに位置することを意味する。一部の態様では、中心領域は、複数の流体チャンバ205の場所に対して画定される。検知領域215が、複数の流体チャンバ205の流体チャンバのそれぞれから実質的に等距離であるように検知領域215を配置することによって、各流体チャンバ205の中赤に含まれる反応混合物の光学特性は、同じパラメータ下の検知領域215で正確にかつ精密に検出できる。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。
【0119】
一部の実施形態では、光センサ405は、第1の複数のライトパイプ320に光学的に結合され、検知領域215の中に位置する。光センサ405は、各流体チャンバ205の中に含まれる反応混合物の光学特性の変更を検出する。例えば、光センサ405は、流体チャンバ205の中に含まれる反応混合物の色の変化を検出するように構成される場合がある。代替実施形態では、光センサ405は、流体チャンバ205の中に含まれる反応混合物の吸光度の変化を検出するように構成される場合がある。光センサ405は、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトセル、及び光電子増倍管のうちの1つを含む場合がある。
【0120】
光センサ405が流体チャンバ205の中の反応混合物の変更された光学特性を検出できるようにするために、複数の発光素子410は、流体チャンバ205の中の反応混合物を通して、光センサ405を含む検知領域215の中に光を透過させる。発光素子410から第2の部分115の検知領域215への光の子の通過を可能にするために、発光素子410は、流体チャンバ205が、発光素子410と検知領域215内の光センサ405との間に配置されるように、流体チャンバ205に近接して第2の部分115の回りに位置する。具体的には、複数の発光素子410の各発光素子410は、複数の流体チャンバ205の1つの流体チャンバを照明するために配置される。一部の実施形態では、発光素子410は、第2の部分115の回りに、及び/または検知領域215の回りに放射状に配置される。一部の実施形態では、発光素子410はLEDを含む。代替実施形態では、発光素子410はレーザーを含む場合がある。
【0121】
発光素子410に加えて、第2の部分115は、発光素子410からの光が検知領域215に移動できるようにする、複数の第1のライトパイプ210及び複数の第2のライトパイプ140を含む。具体的には、複数の第2のライトパイプ140の各第2のライトパイプは、発光素子410と流体チャンバ205との間に位置する。したがって、第2のライトパイプ140は、光が発光素子410から流体チャンバ205に移動できるようにする。さらに、複数の第1のライトパイプ210の各第1のライトパイプは、流体チャンバ205と検知領域215との間に位置する。したがって、第1のライトパイプ210は、光が、流体チャンバ205から、光が光センサ405により検出される検知領域215に移動できるようにする。例えば、
図4は、光線415が、発光素子410から第2のライトパイプ140を通って流体チャンバ205の中に、第1のライトパイプ210を通って、光センサ405を含む検知領域215の中に移動するのを示す。
【0122】
特定の実施形態では、第2のライトパイプ140及び/または第1のライトパイプ210は、光線415を発光素子410から第2のライトパイプ140を通って流体チャンバ205の中に、第1のライトパイプ210を通って検知領域215の中に導くために、反射面420A、反射面420B、及び/または1つ以上の屈折面(不図示)を含む場合がある。特定の実施形態では、反射面420A及び400Bは、法線に対して45度の角度で配向される。代替実施形態では、反射面420A及び400Bは、法線に対して代替角度で配向される場合がある。さらに追加の実施形態では、反射面420A及び420Bは、
図4に示す場所以外に第2のライトパイプ140及び第1のライトパイプ210の中の代替の場所に設置することができる。屈折面は、
図5及び
図6に関してより詳細に説明される。追加の実施形態(不図示)では、第1のライトパイプ210及び第2のライトパイプ140は、波長選択性を可能にするために光学フィルタを含む場合がある。
【0123】
一部の実施形態では、第2の部分115またはその一部分は、例えば可視光等の光に透明である。例えば、特定の実施形態では、第1のライトパイプ210及び/または第2のライトパイプ140は、可視光に対して透明である場合がある。したがって、ユーザーは、第2の部分115を通して試料の光学特性変更またはその態様を観察できる。さらに、第2の部分115の透明性は、光センサ405による光学特性の検出を容易にする。第2の部分115を含み、第2の部分115の透明性を可能にする材料の例は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、ポリアミド、及びそれらの組み合わせを含む場合がある。
【0124】
図1及び
図2A~
図2Fに関して上述したように、一部の実施形態では、複数の流体チャンバの各流体チャンバ205は、単一の検知領域215から実質的に等距離である。本明細書で使用するように、「実質的に等距離」は、複数の流体チャンバの各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離が、複数の流体チャンバの他の各流体チャンバの、単一の検知領域からの距離と、+/-25%を超えて異ならないことを意味する。さらに、第1のライトパイプ210は、流体チャンバ205と検知領域215との間に位置するため、係る実施形態では、第1の複数のライトパイプ210の各第1のライトパイプは、流体チャンバ245と検知領域215との間に同じ長さを含む。言い換えると、各流体チャンバ245と検知領域215との間の光路は、長さで類似するまたは等しい。光路の長さのこの類似性は、それによりデバイス105が同じ仕様の元で複数のアッセイを並列で実行できるようになるため有利である。これは、同様に、より正確で制御されたアッセイ結果も可能にする。光路長のこの類似性を達成する好ましい方法は、デバイス105を放射対称性になるように設計することによる。追加の実施形態では、第1の複数のライトパイプ210の各第1のライトパイプは、同じ寸法を含む。これにより、さらにデバイス105は多数の制御されたアッセイを並列で実行できるようになる。
【0125】
第2の部分115を含むデバイス105が少なくとも実質的に放射対称性であることにより、デバイス105の特定の構成要素の集中化が可能になり、このことにより同様にそれらの構成要素の量の低減が可能になり、それによってデバイス105の製造費が削減される。具体的には、単一の光センサ405を検知領域215に設置することによって、単一の光センサ405が、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバの中の反応混合物の光学特性の変化を検出できる。単一の集中化した光センサ405のこの使用は、それによりデバイス105が使用する光センサの数量が制限され、それによってデバイス105の全体的な費用を制限するため有利である。さらに、光センサは、第2の部分115の他の構成要素と比較して相対的に高価な構成要素であるため、検知領域215に単一の光センサ405を集中化することは、第2の部分115の代替配置に比べ、第2の部分115の構成要素の相対的により費用効果が高い配置である。例えば、光センサは概して発光素子410よりも高価であるので、検知領域215に単一の光センサ405を集中化することは、検知領域215内に単一の発光素子410を集中化することに比べ、相対的により費用効果が高い。さらに、デバイス105は可動構成要素を含まず、結果として鏡及びチャンバ等の可動構成要素を含むデバイスよりも、より嵩張らず、より故障になりにくい。
【0126】
単一の光センサ405を使用することによって費用を削減することに加え、(任意選択で、ガスケット220等の追加の構成要素と)動作可能に結合されるとき、第1の部分110及び第2の部分115がバイオアッセイを実行するために必要とされるデバイス105の構成要素を単独で形成できるという点で、第1の部分110及び第2の部分115はともにモノリシックな部分である。したがって、デバイス105の別々の構成要素の単純性及び数量の低減も、デバイス105の全体的な費用を削減する。
【0127】
単一の光センサ405を使用して、複数の発光素子410から生じる複数の光線415を介して複数の流体チャンバ205に位置する複数の反応混合物の光学特性を検出するために、複数の発光素子410は、複数の流体チャンバ205の1つだけが任意の時間に照明されるように、繰り返し周波数での繰り返しパターンで発光する。このようにして、光センサ405は、異なる瞬間に複数の反応混合物のそれぞれの光学特性を検出することができ、それによって各反応混合物の光学特性検出の精度を可能にする。さらに、複数の流体チャンバのそれぞれは、パターンの各繰り返しの間、個別に照明されるので、複数の反応混合物のそれぞれの光学特性は、特定の繰り返し周波数で連続的に監視される。一部の実施形態では、繰り返し周波数は0.01~100Hzに及ぶ。発光素子410の繰り返し周波数の制御は、
図8及び
図9に関して以下により詳細に説明される。
【0128】
図5は、実施形態に従って、バイオアッセイ105を実行するためのデバイス105の断面の
図500である。具体的には、
図5は、
図4に示す光学特性の検出の代替図を示す。
図4と同様に、第2のライトパイプ140の中に位置する反射面420A及び第1のライトパイプ210の中に位置する反射面420Bは、発光素子410から検知領域215の中の光センサ405に光線415を導くために使用できる。
【0129】
また、
図5は屈折面505も示す。屈折面505は、第1のライトパイプ210の中に位置し、光線415が検知領域215に進入する角度を改変する。代替実施形態では、屈折面505は、
図4に示す場所以外の第1のライトパイプ210の中の代替の場所に設置される場合がある。さらに、屈折面505は、代替実施形態では第2のライトパイプ140の中に位置する場合もある。
【0130】
図6は、光線415のための光線トレースシミュレーション605の画像600である。具体的には、
図6は、光線415が、発光素子410から第2のライトパイプ140を通って流体チャンバ205の中に、第1のライトパイプ210を通って検知領域215の中に移動するのを示す。
【0131】
光線415が、発光素子410から検知領域215に移動するこの過程の間に多様な表面で反射及び屈折することに留意されたい。例えば、光線415は、第2のライトパイプ140の中に位置する反射面420Aに反射する。一部の実施形態では、反射面420Aは、法線に対して45度の角度で配向される場合がある。さらに、光線415は、第1のライトパイプ210の中に位置する反射面420Bに反射する。一部の実施形態では、反射面420Bも、法線に対して45度の角度で配向される場合がある。
【0132】
反射面420A及び420Bに反射することに加えて、光線415は、屈折面505で屈折する場合もある。例えば、
図6に示すように、光線415は、検知領域215に進入する前に、第1のライトパイプ210の中に位置する屈折面505で屈折する。
【0133】
図7は、光線トレースシミュレーション605のために検知領域215での光強度を示す光線トレースシミュレーション結果705の画像である。具体的には、
図7は、検知領域215全体での放射輝度の測度を示す。光センサ405は、検知領域215の中心にまたは中心近くに位置する。具体的には、光センサ405は、x=0、y=0の座標にほぼ位置する。
図7に示すように、ピーク放射線は、x=0、y=0で光センサ405の場所の回りで集束される。これは、光線415がおもに光センサ405で集束され、それによって光線415により伝達される光学特性の正確な検出を可能にすることを示す。
【0134】
システム
図8は、実施形態に従って、バイオアッセイを実行するためのシステム805の
図800である。システム805は、上記に
図1~
図7に関して説明するデバイス105を含む。
図1~
図7に関して上述したように、一部の実施形態では、デバイス105は、第1の部分110、第2の部分115、ガスケット320、検知領域215、光センサ405、発光素子410、デバイス105の出口ベント135を覆うための出口ベント材料810、及び流体チャンバ205の中に含まれる凍結乾燥した試薬330を含む。これらの構成要素は、
図8に示される。
【0135】
システム805は、デバイス105の構成要素に加えて追加の構成要素を含む。具体的には、システム805は、回路基板815、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、電子結果表示機構835、電源840、ハウジング上部845、ハウジング基部850、試料プレップチューブ開口855、試料プレップチューブ860、電子結果表示開口865、及び電源カバー870を含む。
【0136】
一部の実施形態では、回路基板815は、例えばその中またはその上にガラス繊維及び/または銅及び/または金及び/またはアルミニウムの接点の層から構成されるプリント基板を含む。例えば、回路基板815は、例えばエポキシ等、1つ以上の接着剤でそれに固着された金属接点をその上に有するガラス繊維層の層から構成されるプリント基板である場合がある。特定の実施形態では、デバイス105の流体チャンバ205は、回路基板815に動作可能に結合される場合がある。例えば、デバイス105は、接着剤層(不図示)を使用し、回路基板815に動作可能に結合される場合がある。
【0137】
特定の実施形態では、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835も回路基板815に結合される。マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835を回路基板815に結合することは、機械的な結合及び/または電気的な結合を含む場合がある。
【0138】
マイクロプロセッサ820は、例えばユーザー及び/またはセンサ、及び/またはタイマからの入力等の入力の1つ以上の集合、及び/またはマイクロプロセッサ820のメモリに記憶される命令に基づいて、例えば電気信号等の1つ以上の出力を生成するように構成される。また、システム805は、入力を受け取るための、及びマイクロプロセッサ820に動作可能に結合されたユーザーインタフェースを含む場合もある。マイクロプロセッサ820は、発光素子410、光センサ405、加熱素子825、温度センサ830、及び/または電子結果表示機構835に電気的に結合される場合がある。これらの構成要素のそれぞれに関するマイクロプロセッサ820の機能は、以下にさらに詳細に説明される。
【0139】
係る加熱素子825の例は、抵抗ジュール加熱を受ける導体、ペルチェ素子等の熱電ヒートポンプ、発熱反応を受ける化学加熱試薬、または発熱する他の素子を含む。
【0140】
加熱素子825は、リンク形状を含み、複数の流体チャンバ205及びその内容物を加熱して、流体チャンバ205の中で発生する反応を促進するように構成される。したがって、加熱素子825は、加熱素子825が流体チャンバ205に熱を伝えることができるように、デバイス105の第2の部分115の真下に位置する。特定の実施形態では、加熱素子825は回路基板815とデバイス105の第2の部分との間に位置する。追加の実施形態では、加熱素子725は、回路基板715上の導電トレースである。他の実施形態では、加熱素子725は、例えば回路基板715に固着された表面実装の抵抗器等の抵抗素子から構成される。
【0141】
加熱素子825は、流体チャンバ205及び/または例えば生体試料等のその内容物の温度を1℃上昇させるように構成される場合がある。加熱素子825は、流体チャンバ205及び/またはその内容物の温度を10分以内に、例えば21℃等の室温から最高で90℃まで、及び/または最高で90℃までの範囲内で増加させるようにさらに構成される場合がある。例えば、加熱素子825は、流体チャンバ205及び/またはその内容物の温度を3分以内に室温から63℃±1℃に増加させるように構成される場合がある、及び/または係る温度を30分以上維持するように構成される場合がある。また、加熱素子825は、流体チャンバ205及び/またはその内容物の温度を、2時間以上または2時間以下等の期間、維持するように構成される場合もある。係る温度は、最高で90℃まで、及び/または最高90℃の範囲内で維持される場合がある。係る温度を維持することは、温度センサ830等のサーミスタを適用することにより実行される、及び/またはマイクロプロセッサ820等のマイクロプロセッサ820に対するセンサフィードバックに基づく。加熱素子825は、流体チャンバ205及び/またはその内容物の温度を、例えば内容物を1回目に、次いで2回目に加熱する等、繰り返し上昇させるように構成される。また、加熱素子825は、光学特性変更及び/または核酸増幅が発生するように、流体チャンバ205の内容物の温度を加熱する場合がある。さらに、加熱素子825は、例えばPCR等の増幅反応のための熱サイクリングを実行するために内容物を加熱する場合がある。それらの場合、例えば可逆性の極性を有する熱電ヒートポンプを使用し、反応チャンバの加熱と活発な冷却の両方を行うように加熱素子を構成することが有利である場合がある。
【0142】
図3Aに関して上述したように、デバイス105は、加熱素子825と第2の部分115との間に熱パッド325(不図示)を含む場合もある。上述したように、熱パッド325は、リング形状を含み、加熱素子825から流体チャンバ205に熱を伝えるように構成される。
【0143】
また、上述したように、加熱素子825のリング形状は、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバへの熱の均一な伝達を可能にする。熱流束のこの均一な分散は、各流体チャンバ205に一貫した等温加熱を提供し、それによって反応条件を統一し、より正確なアッセイを可能にする。加熱素子825の機能は、
図10A及び
図10Bに関してより詳細に説明される。
【0144】
加熱素子825に関して上述したように、温度センサ830は、加熱素子825、流体チャンバ205、及び/または流体チャンバ205の内容物の温度を測定できる。これらの測定は、次いでマイクロプロセッサ820に中継され、加熱素子825の温度、ならびにそれによって流体チャンバ205及び/または流体チャンバ205の内容物の温度を制御するためにマイクロプロセッサ820によって使用される場合がある。
【0145】
一部の実施形態では、マイクロプロセッサ820は、上述の特定の繰り返し周波数での繰り返しパターンで複数の発光素子410のそれぞれを発光させるようにプログラムされる場合があり、複数の流体チャンバ205の1つだけが、繰り返しパターンの間の任意の時間に個別に照明される。
【0146】
追加の実施形態では、マイクロプロセッサ820は、光センサ405から受信した信号を分析するようにプログラムされる場合がある。具体的には、マイクロプロセッサ820は、光センサ405から受信した信号に基づいて流体チャンバ205内の生体試料の光学特性変更及び/または比色分析を実行するようにプログラムされる場合がある。したがって、マイクロプロセッサ820は、光センサ405からの入力に基づいて、例えば流体チャンバ205の1つ以上の内容物の色等の光学特性の変化が発生したかどうかを判断するように構成される場合がある。
【0147】
判断に基づいて、マイクロプロセッサ205は、次いで電子結果表示機構835に送信するための信号を生成する場合がある。これらの信号は、マイクロプロセッサ820により分析された光学特性に基づいたバイオアッセイの結果を含む場合がある。一部の実施形態では、電子結果表示機構835は、バイオアッセイの視覚的な結果及び/または音声結果を簡略にかつ明確に提供する。他の実施形態では、結果は、サーバ、パーソナルコンピュータ、またはハンドヘルドスマートフォン等の受信する電子機器に送信される。
【0148】
一部の例では、システム805は1つ以上の電源840を含む。電源840は回路基板815に動作可能に接続される場合があり、したがって回路基板815(例えば、光センサ405、発光素子410、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835)に結合された任意の構成要素に動作可能に接続される場合がある。一部の態様では、電源840は、例えば1つ以上の電池、直流(DC)電源、交流(AC)電源、線形調整された電源、及び/またはスイッチモード電源を含む場合がある。例えば、電源840は、一部の態様では、1つまたは2つの単3電池、コンセント、または別の電力源等の、例えば携帯用電池及び/または内蔵蓄電池及び/または交換式電池等の1つ以上の電池である場合がある。電源840により提供されることが可能な電力、電流、及び/または電圧の量は、例えば光センサ405、発光素子410、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835に電力を供給するために必要とされる量とほぼ同等である場合がある。一部の態様では、電源840は、例えばシステム805をコンセントに動作可能に接続するように構成されたコード等の1本以上の電気コードを含む場合がある。電源840のコードは、システム805及び/またはコンセントに取り外し可能に接続するように構成される場合がある。
【0149】
電源840は、ある構成要素の電力を提供するためにオンになる、及び/または別の構成要素に電力を提供するのを停止するためにオフになるように構成される。電源840は、例えばスイッチ、ボタン、タイマ、または例えばマイクロプロセッサ820等、電源840に動作可能に接続されたもしくは電源840に含まれた他の構成要素の操作によりオン及び/またはオフにされるように構成される場合がある。
【0150】
特定の実施形態では、(第1の部分110、第2の部分115、検知領域215、光センサ405、発光素子410、出口ベント材料810、及び凍結乾燥した試薬330を含む)デバイス105、回路基板815及び(マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835を含む)回路基板815が結合される構成要素のすべて、ならびに電源840がハウジングの中に格納される場合がある。ハウジングは、ハウジング基部850と、例えば接合できる、例えばスナップ(snapedly)結合可能等、動作可能に結合可能であるハウジング上部845を含む場合がある。動作可能に結合されるとき、ハウジング上部845及びハウジング基部850は、デバイス105、回路基板815及び回路基板815が結合されるすべての構成要素、ならびに電源840を、例えば完全に含む等、含むように構成される。
【0151】
ハウジング上部845及びハウジング基部850は、例えば本明細書に説明するポリマー材料等の材料の1つ以上の層から構成される場合があり、実質的に矩形ボックスとして成形される場合がある。
【0152】
一部の実施形態では、ハウジング上部845は電子結果表示開口860を含む場合がある。電子結果表示開口860は、システム805のユーザーが電子結果表示機構835により表示される信号を見ることができるように、電子結果表示機構835に視覚アクセスを提供する開口部である。
【0153】
追加の実施形態では、ハウジング上部845は、試料プレップチューブ開口850を含む場合がある。試料プレップチューブ開口850は、試料プレップチューブ855を受け入れるように構成された開口部である。試料プレップチューブ開口850は、生体試料を、それを通して共通試料受取口130に装填できるように、デバイス105の共通試料受取口130への、例えば流体アクセス等のアクセスを提供する。具体的には、生体試料は、試料プレップチューブ855に装填され、共通試料受取口130の中に試料プレップチューブ開口850を通過する。特定の実施形態では、追加の試薬は、生体試料は別として試料プレップチューブ855の中に装填される場合がある。例えば、光学特性変更試薬及び液体バッファを含む光学特性変更試薬溶液は、生体試料とともに試料プレップチューブ855の中に装填される場合がある。係る実施形態は、
図11に関してより詳細に説明される。
【0154】
特定の実施形態では、ハウジング基部850は電源カバー870を含む。電源カバー850は、電源840を保護し、電源840へのアクセスを提供するように構成される。
【0155】
一部の実施形態によれば、システム805及びその構成要素は、ハンドヘルドデバイスまたは構成要素である。本明細書で使用するように、用語「ハンドヘルド」は、平均的な大きさ及び/強さのヒトの成人男性または女性の手等のヒトの手等の哺乳動物の手等の手の中で保持される(例えば、持ち続けられるまたは容易にもしくは快適に保持される)態様の特徴的な能力を指す。したがって、ハンドヘルド態様は、ヒトの手の中で持ち続けられる(例えば、容易にまたは快適に持ち続けられる)ような大きさに作られる及び/または成形される態様である。また、ハンドヘルド態様は、ヒト(例えば、ヒトの片手または両手)により移動される(例えば、垂直方向及び/または水平方向で容易に移動される等、容易に移動される)場合がある態様である場合がある。
【0156】
理想的な場合、システム805は、使い捨て可能で、使用を簡略化し、保守及び清掃の必要を排除するほど十分に安価である。
【0157】
図9は、実施形態に従って、システム805の電力を供給される構成要素間の相互作用を示すブロック
図900である。具体的には、
図9は、電源840と、電源840により電力を供給されるシステム805の構成要素との間の相互作用を示す。
図9に示す実施形態では、回路基板815、及び回路基板815に結合される構成要素は、電源840により電力を供給される。
図9に示すように、回路基板815に結合される構成要素は、光センサ405、発光素子410、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び電子結果表示機構835を含む。代替実施形態では、代替構成要素は、回路基板815に結合される場合がある。例えば、特定の実施形態では、温度センサ825及び/または電子結果表示機構835は回路基板815に結合されない場合がある。
【0158】
電源840は、回路基板815に電力を提供する。この電力は、回路基板815から、回路基板815に結合された構成要素に転送される。例えば、電力は、回路基板815から光センサ405、発光素子410、マイクロプロセッサ820、加熱素子825、温度センサ830、及び/または電子結果表示機構835に転送される。マイクロプロセッサ820は、同様に、時間内の特定の瞬間に回路基板815に結合された構成要素を操作するために必要とされる電力の仕様に関する命令を電源840に提供する。
【0159】
また、マイクロプロセッサ820は、回路基板815に結合された特定の構成要素に操作命令を提供する。例えば、マイクロプロセッサ820は、加熱素子825に加熱命令を提供する。加熱命令は、指定された加熱プロトコルに基づいて流体チャンバ205の内容物を加熱するために必要とされる熱の仕様を詳説する。特定の実施形態では、マイクロプロセッサ820により加熱素子825に提供される加熱命令は、温度センサ830により入手され、マイクロプロセッサ820に渡される情報に基づく場合がある。
【0160】
また、マイクロプロセッサ820は、複数の発光素子410の各発光素子410に点灯命令を提供する場合もある。点灯命令は、発光素子410が点灯する繰り返しパターン、及び/または繰り返しパターンの繰り返し周波数を詳説する場合がある。
【0161】
光センサ405は、流体チャンバ205の中に含まれる内容物についての光学情報を取り込むために発光素子410によって発せられる光を使用できる。例えば、光学情報は、流体チャンバ205の中に含まれる内容物の光学特性についての情報を含む場合がある。この光学情報は、次いでマイクロプロセッサ820に送信される場合がある。マイクロプロセッサ820は、これらの光学信号を分析し、アッセイの1つ以上の結果を生成する。これらの結果は、マイクロプロセッサ820により、結果が簡略にかつ明確にシステム805のユーザーに提供される電子結果表示機構835に送信される場合がある。
【0162】
図10Aは、実施形態に係る加熱素子825の熱画像1000Aである。
図3A、
図3B、及び
図8に関して上述したように、加熱素子825は、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバの内容物が加熱素子825から均一な熱流束を受け取ることができるように、リング形状を含む。
図10Aに示すように、加熱素子825の温度は、加熱素子825により覆われる領域を通して相対的に均一である。
【0163】
図10Bは、実施形態に従って、加熱素子825により加熱されるとき、複数の流体チャンバ205のそれぞれの平均温度測定値を示す棒グラフ1000Bである。具体的には、棒グラフ1000Bは、各流体チャンバ205の平均温度が類似していることを明示する。例えば、複数の流体チャンバ205の平均温度は、摂氏59.7度から摂氏62.9度に及ぶ。したがって、複数の流体チャンバ205の各流体チャンバの平均温度は相対的に均一である。
【0164】
方法
本開示は、生体試料アッセイの光学特性を変更する方法を含む。係る変更は、生体試料、または反応混合物または反応生成物等の生体試料と関連付けられた態様に対して実行される場合がある。所望される場合、光学特性の変更は、本明細書に説明するデバイス105及びシステム805等の生体試料アッセイ光学特性変更デバイス及び/またはシステムを用いて実行される場合がある。
【0165】
図11は、実施形態に従って、システム805を使用し、バイオアッセイを実行するための方法1100のフローチャートである。他の実施形態では、方法は、
図11に示すステップとは異なるステップ及び/または追加のステップを含む場合がある。さらに、方法のステップは、多様な実施形態では、
図11と併せて説明する順序とは異なる順序で実行される場合もある。
【0166】
対象は、生体試料を提供する1101。
図1に関して説明するように、生体試料は、例えば、対象から採取できるDNA及び/またはRNAまたはその部分等の1つ以上の核酸等の、例えば1つ以上の有機分子等の多量の有機物質を含む試料である。一部の態様では、生体試料は、増幅できる1つ以上の核酸またはその部分を含むと疑われる試料である、核酸増幅試料である。
【0167】
提供された生体試料は、対象の組織細胞等の1つ以上の細胞を含む場合がある。本明細書で使用するように、用語「組織」は、類似する機能及び構造を有する対象(例えば、哺乳動物のような、ヒトのような生体)内の細胞の1つ以上の集合体、または複数の異なる種類の係る集合体を指す。組織は、例えば、臓器組織、筋肉組織(例えば、心筋、平滑筋、及び/または骨格筋)、結合組織、神経組織、及び/または上皮組織を含む場合がある。組織は、一部の説明では、対象の頬の内側からの細胞、及び/または対象の唾液中の細胞を含む。
【0168】
提供された生体試料は、例えばヒトの唾液、尿、ヒトの粘液、血液、または頬の組織等の固形組織を含む場合がある。また、生体試料は、細菌または胞子を含む場合もある。生体試料は、試料採集装置により提供される場合がある。提供することは、対象の1つ以上の表面、及び/または対象から抽出される唾液及び/または血液、試料等の液体等の対象の生体試料の表面に対して試料採集装置を、例えばこする及び/またはこすり落とす等、接触させることを含む場合がある。したがって、一部の説明では、提供することは、対象から1つ以上の生体試料を抽出することを含む。一部の説明では、生体試料を提供することは、対象に、例えば試料採集装置の上に及び/または中に唾を吐くことによって生体試料を作るように指示することを含む場合がある。また、生体試料を提供することは、例えば試料採集装置をデバイス105に移す間に、試料採集装置の上で生体試料または例えば1つ以上の細胞等の生体試料の一部分を保持することを含む場合もある。一部の例では、試料採集装置はスワブであり、生体試料を提供することは、採集装置上に生体試料を得るために、対象の口及び/または鼻の内側をスワブで採取することを含む。一部の説明では、試料採集装置は、鼻咽頭スワブ、中鼻甲介(mid-turbinate)スワブ、生殖器スワブ、及び/または鼻腔用スワブである。生体試料提供後、方法1100は、それが調製された生体試料であるように生体試料を処理することを含む場合がある。
【0169】
調製された生体試料は、例えば界面活性剤等の溶解剤を含む溶液等の調製溶液に試料を曝露することによって処理されたバイオアッセイ試料である。したがって、一部の実施形態では、生体試料は溶解物である。係る調製により、調製した生体試料は、例えばアッセイ試薬及び/または光学特性変更試薬と、それに対する曝露時に反応できるようになる。曝露は、試料の細胞を調製試料の溶解剤で溶解すること、及び/またはそこから核酸を抽出することを含む場合がある。係る抽出した核酸は、結果として生じる調製試料溶液の中に放出される場合がある。一部の実施形態では、ゲノムのデオキシリボ核酸(DNA)を生体試料から抽出するステップが含まれる。
【0170】
システム805のユーザーは、試料溶液を作製するために、提供された生体試料を光学特性変更試薬溶液と混ぜ合わせる1102。一部の実施形態では、光学特性変更試薬溶液は、光学特性変更試薬及び液体バッファを含む。
【0171】
光学特性変更試薬は、例えばpH敏感染料、蛍光染料、FRET染料、微粒子及びナノ粒子、蛍光タンパク質、比色基質、酵素及び試薬、プラズモニック構造体、沈殿剤及び沈殿基質、またはそれらの任意の組み合わせを含む場合がある。
【0172】
一部の説明では、光学特性変更試薬は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)試薬である、または酵素結合免疫吸着法(ELISA)試薬を含む。一部の態様では、ELISA試薬は、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ベータガラクトシターゼ、BCIP/NBT(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルフォスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム)、TMB(3、3’、5、5’テトラメチルベンジジン)、DAB(3,3’、4,4’ジアミノベンジジン)、4CN(4-クロロ-1-ナフトール)、TMB(二重機能基質)、ABTS(2,2’-アジノ―ジ[3-エチルベンゾチアゾリン]スルホン酸塩)、OPD(o-フェニレンジアミン)、MUG(4-メチルウンベリフェリルガラクトシド)、HPA(ヒドロキシフェニル酢酸)、及びHPPA(3-p-ヒドロキシフェニルプロピオン酸)から成る群から選択される。
【0173】
光学特性変更試薬は、多様な例で、1つ以上の光学特性変更物質を含む場合があり、したがって変更された、例えば色等のその光学特性の1つを有するように構成される場合がある。したがって、方法1100は、光学特性変更試薬の1つ以上の光学特性を変更することを含む。
【0174】
光学特性を変更することは、色、蛍光、燐光等の、例えば態様から発せられる光等の放射線の波長及び/または周波数から生じる特徴等の、例えば試料等の態様の1つ以上の光学的に認識可能な特徴を変化させることを指す。例えば、一部の説明では、光学特性は色であり、光学特性を変更することは、色を変化させることを含む。一部の態様では、例えば色の変化等の係る光学特性変更は、例えば周囲光の下で、支援されていないヒトの目によって検出可能である。方法1100等の代替態様では、光学特性変更は、光センサ405等の光センサを使用し、検出可能である。また、光学特性を変更することは、物質の透過率及び/または不透明度を変化させることも含み、物質を実質的に透明から不透明にまたは不透明から透明に変化させることを含む場合がある。したがって、方法1100は、光センサ405を用いて透過率の係る変化を検出することを含む場合がある。
【0175】
ユーザーは、試料溶液を、システム805のデバイス105の共通試料受取口130の中に挿入する1103。
図8に関して説明したように、試料溶液を共通試料受取口103の中に挿入すること1103は、試料溶液をシステム805の試料プレップチューブ855の中に挿入することをさらに含む場合がある。
【0176】
システム805は、試料溶液を流体チャンバ205の中に送る1104。具体的には、システム805は、試料溶液の一部分を、共通試料受取口130の中から複数の延在する流体チャンバ305の中へと、複数の流体チャネル310の終端の中から複数の流体チャンバ205の流体入口315の中へと送り1104、流体チャネル205はアッセイ試薬を含み、それによって核酸反応混合物を生成する。
【0177】
試料溶液を送ることは、複数の流体チャンバ205の1つ以上の流体チャンバに試料溶液を、例えば流す等、移動させることを含む場合がある。係る流すことは、流体チャンバ310を通って移動させるために試料溶液を、例えばポンプで注入する等、偏向させることを含む場合がある。共通試料受取口130は、複数の流体チャネル205のそれぞれから実質的に等距離であるため、試料溶液が共通試料受取口130から各流体チャンバ205へ移動する距離は、ほぼ等しい。そしてこのようにして、試料溶液が、共通試料受取口130から各流体チャネル205に移動するのに要する時間の量は、ほぼ等しい。これにより、システム805は多数の制御されたアッセイを並列で実行できるようになる。
【0178】
上述したように、一部の実施形態では、流体チャンバ205のそれぞれはアッセイ試薬を含む。したがって、試料溶液を、流体チャンバ205の1つ以上に送ることは、試料溶液をアッセイ試薬と混合し、それによって核酸増幅反応を実施するための試料溶液及びアッセイ試薬を含む核酸反応混合物を生成することを含む場合がある。
【0179】
アッセイ試薬は、生体試料の中に存在することが疑われる1つ以上の核酸を、存在する場合、例えば等温的に増幅する等、増幅することができるように生体試料と反応できる酵素及び核酸プライマーを含む。特定の実施形態では、アッセイ試薬は、核酸増幅酵素及びDNAプライマーを含む。例えば、アッセイ試薬は1つ以上のプライマー、デオキシヌクレオチド(dNTP)、及び/またはポリメラーゼ、Trizmaプリセット結晶(Trisバッファ、pH8.8、Sigma、カタログ番号T9433)、塩化カリウム(KCl、Wako Pure Chemicals、カタログ番号163-03545)、硫黄マグネシウム7水和物(MgSO4、Wako Pure Chemicals、カタログ番号137-00402)、硫黄アンモニウム((NH4)2SO4、Kanto Chemical、カタログ番号01322-00)、ツイーン20(Tokyo Chemical Industry、カタログ番号T0543)、ベタイン溶液(ベタイン、5M、Sigma、カタログ番号B0400)、上述した1つ以上の光学変更試薬を加えたカルセイン(DOJINDO、カタログ番号340-00433)、塩化マンガン(II)四水和物(MnCl2,Wako Pure Chemicals、カタログ番号133-00820、アガロースS、EtBr溶液、テンプレート核酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む場合がある。さらに、一部の説明では、アッセイ試薬は、例えば凍結乾燥した等の乾燥した形で流体チャンバ205に保管される場合がある。したがって、反応混合物を調製することは、試料溶液及びアッセイ試薬を混合すること、及び/またはアッセイ酌を水和させることを含む場合がある。
【0180】
アッセイ試薬は、転写増幅、鎖置換型増幅、核酸配列ベース増幅、ローリングサークル増幅、ループ仲介等温増幅、等温多置換増幅、ヘリカーゼ依存増幅、サーキュラーヘリカーゼ依存増幅、単一プライマー等温増幅、ループ仲介増幅、またはそれらの任意の組み合わせを含む、等温増幅プロトコルを介して生体試料に存在する核酸を増幅できる1つ以上の試薬を含む場合がある。
【0181】
特定の実施形態では、実行される増幅反応は、LAMPである。LAMP反応では、昇温で動的平衡にある二本鎖DNAまたは一本鎖DNAのテンプレートが、2対または3対のプライマーを使用し、増幅される。プライマーは、LAMP Designer(Premier Biosoft、Palo Alto、CA)等のプライマー設計ソフトウェアを使用し、DNAテンプレートに基づいて設計される。LAMP反応の第1のステップでは、FIP(フォワードインナープライマー)のF2領域が、それぞれの相補的な(F2c)位置で一本鎖DNAにアニールされる。次に、鎖置換活性を有するポリメラーゼが、F2の3’末端からテンプレートに沿ってdNTPを組み込む。ヌクレオチドの組み込みはプロトンを放出し、反応混合のpHを低減する。次いで、F3フォワードプライマーが、F2領域の上流かつテンプレート上のF3c領域にアニールされる。F3フォワードプライマーは、テンプレート鎖の増幅を始め、これにより追加のプロトンが放出され、以前に合成されたFIP組み込み鎖が置換される。この一本鎖は、(FIPの中の)その相補的なF1c配列とともに(標的配列の中の)F1配列を含む。これが、F1cが5’末端でF1にアニールされると、ステムループを形成する。同時に、BIP(バックワードインナープライマー)は、鎖の他方の末端にアニールされ、ヌクレオチドはB2から伸長し、より多くのプロトンを放出する。バックワードプライマーB3は、次いでB2領域下流のB3c領域に結合し、BIP増幅鎖を置換し、伸長を促進して二本鎖を作成する。この置換された鎖は、ここで(BIPの中の)その相補的なB1c配列とともに(標的配列の中の)B1配列を含み、3’末端で別のステムループを形成する。構造は、ここで各末端に2つのステムループ構造を有し、各末端から連続置換及び伸長が発生してテンプレートを増幅する。LAMP反応は、追加のフォワードループプライマー及びバックワードループプライマーを追加して、ステムループ構造を有するより多くの単位複製配列を作製することによって増幅できる。
【0182】
LAMP手順は、一定の温度で起こり、いずれの高価な熱サイクリング設備に対する必要性も最小限に抑えることができる。通常、等温方法は、選択した試薬により決まる設定温度を必要とする。例えば、LAMP方法では酵素は60~65℃の間で最善に機能する。主題の実施形態に係る増幅は、PCRを適用することによっても実行できる。
【0183】
一部の実施形態では、システム805は、増幅した核酸及び複数のプロトンを生成するために反応混合物を加熱する1105。具体的には、反応混合物を加熱素子825で加熱することは、生体試料からの核酸及びアッセイ試薬を使用し、核酸増幅反応を促進する。この反応は、増幅した核酸及び複数のプロトンを生成する。
【0184】
一部の実施形態では、過熱ステップ1105は、加熱素子825から熱パッド325への熱エネルギーを、流体チャンバ205の1つ以上に伝えることを含む。反応混合物を加熱することは、生体試料の核酸とアッセイ試薬との間の核酸増幅反応を促進する。この核酸増幅反応は、増幅した核酸及び複数のプロトンを生成する。
【0185】
プロトンは、次いで光学特性変更試薬と反応する1106。反応生成物またはその態様を光学特性変更試薬と反応させることは、例えば1つ以上のプロトンを光学特性変更試薬に結合させることによって等、反応生成物及び/または光学特性変更試薬を化学的に変更することを含む場合がある。一部の実施形態では、プロトンの光学特性変更試薬とのこの反応は、光学特性変更試薬の光学特性を十分に変更して、生体試料中の疑われる分析物の存在を示す変更された光学特性の検出を可能にする。
【0186】
システム805は、発光素子410を発光させる1107。具体的には、システム805のマイクロプロセッサ820は、複数の発光素子410に、繰り返し周波数での繰り返しパターンで発光するように命令する。繰り返しパターンの間、複数の発光素子410の各発光素子は、複数の流体チャンバ205のうちの1つだけが任意の時間に照明されるように、別個の時点で発光する。光への露光は、光学特性を測定できるように条件の変化を提供する場合がある。このようにして、各繰り返しパターンの間、各流体チャンバ205の内容物の光学特性は、光センサ405により連続的に監視される場合がある。
【0187】
ステップ1107で検出した光学特性に基づいて、システム805は、流体チャンバ205に含まれる試料の1つ以上の特徴を決定する1108。試料の1つ以上の特徴を決定するために、光センサ405は、検出した光学特性についての情報をマイクロプロセッサ820に送信し、マイクロプロセッサ820はこの情報を分析する。具体的には、マイクロプロセッサ820は、1つ以上の流体チャンバ205内の反応混合物の光学特性分析を実行する場合がある。光学特性分析を実行することは、流体チャンバ205の1つ以上の内容物の光学特性の変化が発生したかどうかを判断することを含む場合がある。
【0188】
光学特性分析は、ステップ1105に関して説明する増幅反応を通して、または増幅反応の実行後にリアルタイムで実行される場合がある。反応混合物の変更された光学特性の検出は、増幅反応生成物の存在または不在のデジタル表示と関連付けられる場合がある。言い換えると、反応混合物の変更された光学特性の検出は、増幅反応生成物が存在するのか、それとも不在であるのかに関する情報を提供できる。特定の実施形態では、反応混合物の変更された光学特性の検出は、増幅反応の指数増殖期または分裂停止期が得られたことを示す。
【0189】
一部の実施形態では、増幅反応生成物の検出は、ハロクロミック剤を含まない反応混合物を使用する増幅反応に比して加速される。追加の実施形態では、反応混合物の光学特性変更は、増幅反応の開始時間から60分未満で検出される。反応混合物中のハロクロミック剤(弱酸または弱塩基)は、増幅反応の間に生成されるプロトンを吸収し、自由なプロトンの組み換えが増幅反応の検出を加速するように働くため、増幅反応生成物の検出の加速が達成される。反応は、ハロクロミック剤が光学特性を変化させるのに十分なpH遷移を生成するために最小の増幅が必要となるように設計できる。蛍光挿入染料、分子指標、ハイブリダイゼーションプローブ、染料ベース検出、UV-Vis、または他の検出法を使用する従来の増幅技術は、増幅信号が検出できるようになる前に一定閾値量の増幅が発生することを必要とする。しかしながら、本発明の方法は、ハロクロミック剤の光学特性変更が検出できるようになる前に相対的に少ない閾値量の増幅を必要とし、したがって増幅反応生成物の検出は、従来の増幅方法に比べて加速される。
【0190】
システム805は、電子結果表示機構835を使用して、決定された特徴を表示する1109。具体的には、マイクロプロセッサ820は、決定された特徴を含む信号を電子結果表示機構835に送信し、結果は簡略にかつ明確にシステム805のユーザーに提供される。上述したように、提供された結果は、ディスプレイ上で視覚出力の形、及び/または音声出力の形をとる場合がある。
【0191】
方法1100に関して注目すべきなのは、多様な実施形態では、システム805が、例えば3つ等の1つ以上のアッセイ対照、つまり試料妥当性対照、例えば内部陽性対照等の陽性対照、及び/または陰性対照を含むことである。試料妥当性対照は、十分なスワブ試料が提供されたことを保証するために、例えばハウスキーピング遺伝子、RNA、及び/またはヒトβアクチンデオキシリボ核酸(DNA)等の豊富なヒト核酸マーカーを検出する。陽性対照は、流体チャンバ205の中で共パッケージ(co-packaged)及び/または共凍結乾燥(co-lyophilized)される場合がある合成オリゴヌクレオチドを増幅する。係る合成オリゴヌクレオチドは、例えば光学特性変更試薬溶液の中に及び/またはアッセイ試薬の中に含まれる場合がある。係る対照は、システム805が、関心のある一般的なマーカーの増幅を可能にする条件下で動作することを保証する。また、陰性対照は、陽性対照も増幅するが、共凍結乾燥された合成オリゴヌクレオチドを含まない。係る対照は、任意の汚染自己増幅単位複製配列が存在しないことを保証する。
【実施例0192】
図12は、実施形態に従って、複数の流体チャンバ205の中に含まれる複数の反応混合物について経時的に光センサ405により検出された光学吸光度信号を示す線グラフ1200である。流体チャンバ205の第1の部分集合は、実験反応混合物1305を含み、流体チャンバ205の第2の部分集合は陰性対照混合物1310を含む。
図12に提供される例では、実験反応混合物1305は、標的核酸、光学特性変更試薬溶液、及びアッセイ試薬を含む生体試料を含む。さらにこの例では、標的核酸の増幅は、光学吸光度の低減を生じさせると予想される。陰性対照反応混合物1310は、標的核酸を欠いている同一の溶液を含む。
【0193】
図12で分かるように、実験反応混合物1305を含む流体チャンバ205は、増幅反応が進むにつれ、経時的に光センサ405により検出される光の増加を示す。言い換えると、増幅反応が進むにつれ、実験反応混合物1305を含む流体チャンバ205は、光学吸光度の低減を示す。光学吸光度のこの低減は、反応混合物1305の中での標的核酸の存在の高まりを示す。
【0194】
他方、陰性対照反応混合物1310を含む流体チャンバ205は、増幅反応が進むにつれ、経時的に光センサ405により検出される光の増加を示さない。言い換えると、増幅反応が進むにつれ、陰性対照反応混合物1310を含む流体チャンバ205は、光学吸光度の低減を示さない。光学吸光度のこの欠如は、反応混合物1310の中での標的核酸の不在を示す。
【0195】
図12に示す実験は、実験反応混合物1305及び陰性対照反応混合物1310が設置された流体チャンバ205が交互に起こるようにセットアップされた。言い換えると、実験反応混合物1305を含む各流体チャンバ205は、陰性対照反応混合物1310を含む2つの流体チャンバ205の間に位置し、陰性対照反応混合物1310を含む各流体チャンバ205は、実験反応混合物1305を含む2つの流体チャンバ205の間に位置する。グラフ1200で予想され、実現されたこのレイアウト及び結果として生じるデータは、システム805、より詳細にはアッセイが実行されたデバイス105が、近傍の流体チャンバ205の間の限られたクロストークを明示することを示す。具体的には、グラフ1200は、第1のライトパイプ210及び第2のライトパイプ140を通って伝送される光学信号が、近傍のライトパイプを通って移動する光学信号からの干渉なしに伝送されることを示す。
【0196】
本開示を閲読すれば、当業者は、本明細書において開示される原理を通じてさらに追加的な代替の構造的及び機能的設計を理解する。よって、特定の実施形態及び適用が説明及び記載されたが、開示された実施形態は本明細書に開示される正確な構造及び構成要素に制限されないことが理解されるものとする。当業者には明白な種々の修正、変更及び変形は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲を逸脱することなく、本明細書において開示される方法及び装置の配置、動作及び詳細においてなすことができる。
【0197】
本明細書で用いられる場合、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」へのあらゆる参照は、その実施形態と関係して記載される特定の要素、機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の種々の場所において出現する「一実施形態では」という語句は、必ずしもすべて同一の実施形態を参照しない。
【0198】
一部の実施形態は、「連結される」及び「接続される」という表現及びこれらの派生語を用いて記載できる。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が物理的または電気的に直接接触していることを示す「連結される」という用語を用いて記載できる。ただし、「連結」という用語は、2つ以上の要素が相互に直接接触状態にはないが、相互に連携または相互作用することも意味する場合もある。本実施形態は、特に明示的に明記しない限り、この文脈に限定されない。
【0199】
本明細書で用いられる場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語またはこれらのあらゆる他の変形は、非排他的な包括を網羅することを意図する。例えば、要素のリストを含む工程、方法、項目、または装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されず、係る工程、方法、項目、または装置に明示的に列挙または内在されない他の要素を含み得る。さらに、明示的に反対に述べられない限り、「または(or)」は包括の「または」を指し、排他の「または」ではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満足される。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)である、Aが偽(存在しない)でBが真(または存在する)である、ならびにA及びBの両方が真(または存在する)である。
【0200】
加えて、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の実施形態の要素及び構成要素について記載するために採用される。これは単に便宜のため、及び本発明の大まかな要旨を付与するために行われるものである。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、単数形はまた、そうでないことが意味されていることが明白でない限り、複数形も含む。
【0201】
本説明の一部の部分は、情報に対する演算のアルゴリズム及び記号的表現の観点で本発明の実施形態を記述する。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理の当業者により他の当業者に効果的に自らの研究の内容を伝えるために一般的に使用される。これらの演算は、機能的に、計算的に、または論理的に記述される一方、コンピュータプログラムまたは同等な電気回路、マイクロコード等により実装されると理解される。さらに、一般性を失うことなく、演算のこれらの配列をモジュールとして参照することはときに便宜的であることも示している。説明した演算及びその関連付けられたモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせに埋め込まれる場合がある。
【0202】
本明細書に説明するステップ、操作、またはプロセスは、単独でまたは他のデバイスと組み合わせて1つ以上のハードウェアまたはソフトウェアモジュールで実行または実装できる。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、説明するステップ、操作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するためのコンピュータプロセッサにより実行できる、コンピュータプロフラムコードを含むコンピュータ可読非一過性媒体を含むコンピュータプログラムコードで実装される。
【0203】
また、本発明の実施形態は、本明細書に説明するコンピューティングプロセスにより作製される製品に関する場合もある。係る製品は、コンピューティングプロセスから生じる情報を含む場合があり、情報は非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータプログラム製品または本明細書に説明する他のデータ組み合わせの任意の実施形態を含む場合がある。